基礎から英文法2                     前のページへ戻る


 英文の基本構成について、名詞・形容詞・副詞を確認する以前の基本的な事項について確認しておきましょう。



1.文の種類

 ここでは、まず文の種類を確認しておきましょう。

 英文には、以下のような種類があります。

文の種類
 平叙文:肯定文・否定文
 疑問文:肯定疑問文・否定疑問文
        yes/no疑問文
         疑問詞疑問文
        付加疑問文
        間接疑問

 命令文:命令文・禁止命令文・勧誘文

 順に見ていきましょう。なお、間接疑問については基礎から英文法4を読んで下さい。

(1) 疑問文・否定文・疑問詞疑問文

 疑問文や否定文の作り方については、以下の通りです(基礎から英文法1基礎から英文法3でも触れてます)。

疑問文・否定文の作成パターン

 (1)be動詞型
  be動詞の文、進行形、受動態、There is構文
  疑問文:be動詞を文頭にもってくる
  否定文:be動詞の後にnotを置く

 (2)助動詞型
  助動詞の文、現在完了形
  疑問文:助動詞・haveを文頭にもってくる
  否定文:助動詞・haveの後にnotを置く

 (3)一般動詞型
  疑問文:Do/Does/Didを文頭にもってくる
  否定文:Do/Does/Didの後にnotを置く


 ところで、疑問文には2種類あります。「はい/いいえ」で答えられる疑問文と、「はい/いいえ」ではなく具体的な答えを求める疑問文です。
 後者の場合、疑問文には「何・誰・どれ・いつ・どこ・なぜ・どのように」などの語が使われます。これらを疑問詞とよびます。
 そこで、「はい/いいえ」で答えられる疑問文を「Yes/No疑問文」疑問詞を使う疑問文を「疑問詞疑問文」と呼ぶことにしましょう(文法用語としては、前者は普通疑問文、後者を特殊疑問文と呼びますが、分かりにくいのでここでは使いません)。

 疑問詞疑問文は、上にまとめた普通の疑問文の作り方に加え、「疑問詞を文頭に出す」ということを押さえておきましょう。つまり、疑問詞疑問文は「疑問詞+疑問文?」の語順を採るのです。

ex.1 He likes apples.……Does he like apples?……What does he like?
  一文目は、彼がリンゴが好きだと100%分かっているときに使う。
  二文目は、彼がリンゴが好きか、半分くらいしか自信がないときに使う。
  三文目は、彼が何が好きか、全く分からないときに使う。

ex.2 She lived in Kyoto.……Did she live in Kyoto?……Where did she live?
  一文目は、彼女が京都に住んでいたと100%分かっているときに使う。
  二文目は、彼女が京都に住んでいたか、半分くらいしか自信がないときに使う。
  三文目は、彼女がどこに住んでいたか、全く分からないときに使う。


 分からない部分が疑問詞に変化し、文頭に飛んでくるイメージです。
 疑問詞には以下のような物があります。

疑問詞
 ex.1のように名詞の代わりに使う物
  what(何)、who(誰)、which(どれ)、whose+名詞(誰の〜)
 ex.2のように副詞の代わりに使う物
  when(いつ)、where(どこ)、why(なぜ)、
  how(どのように)、how+形容詞/副詞(どれくらい〜)

 「how+形容詞/副詞」に関しては、よく使われる以下の表現を暗記しておきましょう。

how+形容詞/副詞
 How many 複数名詞+疑問文?:「いくつのAを〜?」
     数えられる物の数を聞く
 How much 単数名詞+疑問文?:「いくらのAを〜?」

     数えられない物の量を聞く。
     how muchの後に名詞がない場合は、金額を聞く表現
 How long+疑問文?:「どれだけの間〜?」
     期間を聞く。答え方は「For 時間」が多い。
 How often+疑問文?:「どのくらいの頻度で〜?」
     週に何回か、などの頻度・割合を聞く。
 How soon+疑問文?:「あとどれくらいで〜?」 │
     「どれだけすぐに」という意味から、電車が来るまでの時間などを聞く。


 語順について、1つだけ補足を。
 疑問詞が主語になる場合は、すぐ後ろに動詞を続けます。つまり、普通の肯定文のように「主語+動詞+〜」の語順になるのですね。その場合、疑問詞主語は3人称とするので、現在時制の時は注意しましょう。

ex. Who wants to live forever?
  「誰が永遠に生きたいと思うだろうか」(want to〜「〜したい」)


(2) 付加疑問文

 「〜ですよね」「〜でしょ?」と念を押したり、自分の発言に自信がない時に用いて、普通の文のうしろに疑問文の形を付け加えた文を、付加疑問文と呼びます。

付加疑問文
 肯定文+, 否定の疑問文の文頭?
 
否定文+, 肯定の疑問文の文頭?
 ※疑問文の文頭とは、「be動詞/Do/助動詞など+主語」のことを指す
 ※付加疑問の主語の部分は必ず代名詞を使う

ex.1 He is twenty five years old, isn't he? 
    「彼は25歳ですよね?」
ex.2 Your mother went to Nagoya yesterday, didn't she?
    「あなたのお母さんは昨日名古屋に行きましたよね?」
ex.3 He is not twenty five years old, is he?
    「彼は25歳じゃないですよね?」

 ちなみに、命令文の後ろの付加疑問は「won't you?」もしくは「will you?」、Let's〜の後ろの付加疑問は「shall we?」になります。


(3) 否定疑問文

 否定の疑問文(「〜ではないですか?」)は、疑問文の文頭のDoやbe動詞などにnotを付けてやることになります。

ex. Is this garden famous?  「この庭園は有名ですか?」
   Isn't this garden famous?  「この庭園は有名ではないですか?」

 否定疑問文は、その答え方がよく問題に出されます。

ex. Do you study English hard ? 「あなたは英語を一生懸命勉強してますか?」

 これに対しては、
   Yes, I do. 「はい、やっています」
   No, I don't. 「いいえ、やってません」
 という答え方になります。これは問題ないですね。

ex. Don't you study English hard ? 「あなたは英語を一生懸命勉強してませんか?」

 これに対しては、
   Yes, I do. 「いいえ、やっています」
   No, I don't. 「はい、やってません」
 となります。

 日本語では相手の言い分に合っていれば「はい」、合ってなければ「いいえ」となりますが、英語では相手の聞き方に関わらず、後ろが肯定文ならYes、否定文ならNo という使い分けを行います。
 例文の場合で言えば、「勉強してますか?」と聞かれても、「勉強してませんか?」と聞かれても、自分が勉強をしていればYesで、していなければNoとなります。つまり、相手の聞き方は答え方に影響ないということですから、否定疑問文に応えたり、問題を解く際には否定疑問文は肯定の疑問文に直しても構わないということになります。


(4) 命令文

 人に物を頼んだり、禁止したりする言い方は少し特殊な構文となります。

さまざまな命令文
 動詞の原形+〜. 「〜しなさい」(命令文)
 Don't+動詞の原形+〜. 「〜するな」(禁止命令文)
 Let's+動詞の原形+〜. 「〜しましょう」(勧誘文)

ex.1 Open the window. 「窓を開けて下さい」
ex.2 Don't open the window. 「窓を開けないで下さい」
ex.3 Let's go to the park. 「公園に行きましょう」


(5) There is 構文

 「文の種類」という大枠で捉えるべき物ではありませんが、特殊構文としてthere is構文を確認しておきましょう。

「〜がある」の構文
 There is A +場所を表す語句. 「Aが〜にある」
    ※ Here is A.「ここにAがある」という構文もあります。

ex. There is a picture on the table. 「テーブルに写真がある」

 There の後ろのbe動詞は、上の公式のAにあたる名詞によって決まります。もちろん、過去の内容なら過去形を使います。

ex. There is a picture on the table.
   There are pictures on the table.
   There was a picture on the table yesterday.

 疑問文や否定文はbe動詞の文のルールに準じます。その際、主語はthereと考えます。意味の上での主語はAの方なんですけどね。

ex. Is there a picture on the table?
   − Yes, there is.
     No, there isn't.
   There is not a picture on the table.

 なお、There is 構文で表現できるのは新出情報です。つまり、Aに来る語については、theや所有格の付いた名詞は置くことができません。どうしてもそれらを使う場合は、下のように書きます。

  × There is the pen on the desk. → ○ The pen is on the desk.



2.代名詞の格変化

日本語: 私は 彼に プレゼントを あげた。
      彼に プレゼントを 私は あげた。
英語: I gave him a present.
    × I gave he a present.
    × He present I gave.

 日本語では助詞によって、主語なのか目的語なのかを表しますが、英語では、単語を置く場所によって、主語なのか目的語なのかを区別します。助詞さえしっかりしていれば多少の語順の変化は許容される日本語に対し、英語は語順が命なので、適当な並べ方をすると非文となります。
 さらに英語の場合、置かれる場所によって形が変化します。例えば「彼」の場合、主語ならheですが、動詞の後ろ(目的語)だとhimになります。

 このような名詞の形の変化を「格変化」と呼びます。格には4つあり(正確には3つ+所有代名詞)……

主格:主語となるときに使う。
所有格:誰の所有かを表し、「〜の」という意味で名詞を修飾する。
目的格:動詞の目的語や、前置詞の後ろに来る場合に使う。
所有代名詞:「所有格+名詞」を表し、「〜の物」という意味になる。

 以下の表を完璧に覚えましょう。

主格 所有格 目的格 所有代名詞
I my me mine
あなた・あなた達 you your you yours
彼(男) he his him his
彼女(女) she her her hers
それ(物) it its it
私たち we our us ours
彼ら・彼女ら・それら they their them theirs
普通の名詞 そのまま 〜's そのまま 〜's
複数形の名詞 そのまま 〜' そのまま 〜'

※所有格は、冠詞の仲間でもあり、ほかの冠詞とは一緒に使えません。
  × I know the your friend.
 このような場合は、所有格を「of+所有代名詞」にして名詞の後ろへ置きます。
  ○ I know the friend of yours.


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