基礎から英文法4                     前のページへ戻る


 英語で、いわゆる名詞以外に、名詞に相当する形を列挙しておきましょう。

英文の名詞相当語句
 動名詞
 to不定詞
 that SV
 間接疑問

 まとめて見ていきましょう。



1.動名詞とto不定詞

 動詞にingが付いた形が「〜すること」という意味を表すことがあり、これを動名詞と呼びます(ingの付け方は現在分詞と同じです。現在分詞の作り方については基礎から英文法3をご覧ください)。動詞から生まれたとはいえ名詞の一種であり、文の主語や目的語、be動詞の後ろ(補語)、前置詞の目的語にくることができます

ex. Playing the guitar is a lot of fun. 「ギターを弾くことはとても楽しい」(文の主語)
   I like playing the guitar. 「ギターを弾くことが好きだ」(文の目的語)
   How about having lunch? 「昼食はどうですか?」(前置詞の目的語)

 同じように、「〜すること」という意味を表す形としては「to+動詞の原形」という物があります。これを、to不定詞と呼びます。
 to 不定詞には3つの意味があります。


to不定詞の3つの役割
 名詞の役割:「〜すること」
 副詞の役割:「〜するために」など
 形容詞の役割:「〜すべき」「〜するための」

 ここでは、名詞の役割を果たすto不定詞について見てみましょう。

 動名詞とほぼ同じように使えますが、前置詞の後ろに置くことだけは無いので、そこだけ注意しましょう。

ex. To play the guitar is a lot of fun. 「ギターを弾くことはとても楽しい」(文の主語)
   I like to play the guitar. 「ギターを弾くことが好きだ」(文の目的語)
   × How about to have lunch? 「昼食はどうですか?」(前置詞の目的語)

 to不定詞が主語になった場合、主語が非常に長くなり、文全体のバランスが悪くなることがあります。
 たとえば、「To swim in this river is dangerous.」というような文です。
 英語では、主語が長いことは嫌われることが多いため、この長い主語を後ろに飛ばします。しかし、主語が無い文は許されないため、代わりに it を置くことになります。これを「形式主語構文」と呼び、itを形式主語(あるいは仮主語)、後ろのto不定詞部分を真主語と呼んだりします。

ex. It is dangerous to swim in this river.


 to不定詞と動名詞はほぼ同じような意味を表しますが、厳密にはニュアンスが違います。to 不定詞は「to」があることから分かるように、その動作に向かっていくというニュアンスがあり、未来や仮定の意味合いが出てきます。一方動名詞は、動詞という動きのあるイメージより、名詞の固定したイメージが強く出るため、確定や過去の意味合いが出てきます。
 このニュアンスの違いから、目的語に動名詞しか取れない、to不定詞しか取れない、という縛りのある動詞が存在します。

to不定詞を目的語に取れない動詞
  stop doing「〜するのをやめる」
  finish doing「〜し終える」
  enjoy doing「〜するのを楽しむ」
  practice doing「〜することを練習する」


動名詞を目的語に取れない動詞
  try to do「〜しようとする」
  want to do「〜したい」

    ※ これらは高校レベルになると動名詞を目的語に取る語法を覚えます。



2.that SVと間接疑問

 SVのかたまりが文の一部になる場合があります。まず、日本語で見てみましょう。

  私は知っている + 彼は親切だ = 私は 彼が親切だ と知っている。
  彼は言っている + 彼はそんなことはしていない =彼は 自分はそんなことはしていない と言っている。
  私は知らない + 彼がどこに住んでいるのか? = 私は 彼がどこにすんでいるのか 知らない
  私は知らない + この本は難しいのか? = 私は この本が難しいかどうか 知らない



 英語でも、文を別の文の一部に取り込むことができます。ルールをまとめてみましょう。

文が、別の文の一部になった場合の形
取り込み前→取り込み後
 平叙文(ふつうの肯定文・否定文)→ that SV
                   (thatは省略できる場合あり)
 疑問詞疑問文 → 疑問詞+肯定文
 yes/no疑問文 → if +肯定文 / whether +肯定文 
                        
(最後のは高校レベルの文法です)

ex. I know (that) he is kind. 「私は 彼が親切だ と知っている。」
  He said (that) he didn't do such a thing. 「彼は 自分はそんなことはしていない と言っている。」
  I don't know where he lives. 「 私は 彼がどこにすんでいるのか 知らない。」
  I don't know if this book is difficult. 「私は この本が難しいかどうか 知らない。」

 ちなみに、疑問文を文の一部に取り込んだ物を「間接疑問」と呼びます。


 他に名詞の役割を果たす物としては、疑問詞+to不定詞もあります。「(疑問詞)〜すべきか」と訳せばよいでしょう。what to doなら「何をすべきか」、when to startなら「いつ出発すべきか」という具合です。

ex. I don't know what to say. 「何を言うべきか分からない」
  Will you tell me how to use this machine?「この機械の使い方を教えてくれませんか」


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