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英語の述語部分に来る形を列挙しておきましょう。
こういった形で、微妙なニュアンスの違いを生み出すわけです。動詞のみの場合については既に文の構造を説明しましたから、ここでは、その他の表現を順番に見ていきましょう。 1.助動詞 動詞の前に置いて、意味を補足する品詞を助動詞と呼びます。 助動詞には3単現のsは付きませんし、また、助動詞の後ろは、必ず動詞の原形を置きます。 助動詞には、以下の物があります。
ex. He speaks English. 「彼は英語を話す」 He can speak English. 「彼は英語を話せる」 疑問文や否定文の構文も覚えましょう。be動詞の場合と非常によく似ています。
┌ (肯定文):He can speak English well. 「彼は英語を巧く話せます」 │ ├ (疑問文):Can he speak English well ? 「彼は英語を巧く話せますか?」 │ │ −Yes, he can. / No, he can't. 「はい、話せます」「いいえ、話せません」 │ └ (否定文):He can not speak English well. 「彼は英語を巧く話せません」 助動詞については、ついでに、会話でよく使われる慣用表現を覚えておきましょう。
なお、「must+動詞原形」と「have to不定詞」はほぼ同じ意味を表します。 ex. I must study English. ≒ I have to study English. have to不定詞の疑問文・否定文などは、一般動詞と同じルールを用います。 ex. I don't have to study English. Do you have to study English ? He has to study English. 否定文になった場合、mustとhave toでは意味に大きな違いが生まれます。 ex.1 I must not study English. ex.2 I don't have to study English. notはその後ろすべてを否定するというのがルールということをまず押さえましょう。 よって、ex.1は「study English」を否定し、「英語を勉強しないこと」を「せねばならない」、つまり「勉強するな」という意味になります。 ex.2では「have to study English」を否定し、「英語を勉強せねばならないこと」は「ない」、つまり「勉強しなくて良い」という意味になります。 すなわち、must notは「〜してはならない」という禁止の意味を、 don't have toは「〜する必要はない」という不必要の意味を表します。 また、未来を表すwillは、be going to 動詞の原形と似たような意味になります。 ex. I am going to visit my grandmother in Nagano next Friday. 「私は今度の金曜に長野の祖母を訪ねる予定です」 be動詞が使われていますから、疑問文や否定文はbe動詞の文のルールと同じです。 ex. Are you going to visit your grandfather in Nagano next Friday? ex. I am not going to visit my grandfather in Nagano next Friday. 細かいことを言いますと、be going toは既に決まっていた予定について述べる場合に使います。willを予定の意味合いで使うのは、「その場で決めた予定」の場合のみです。 2.進行形 一般動詞の部分を「be動詞+現在分詞」にすることで、「〜している最中だ」という意味を表せます。 He walks in the park every day. 「彼は毎日公園を歩きます」 He is walking in the park now. 「彼は今公園を歩いています」 ※ 動作を表す動詞が現在形の場合は、普段の習慣を表します。 この、「動詞+ing」の形を現在分詞と呼びます。 ここで、現在分詞の作り方を押さえておきましょう。
現在分詞は、動詞から生まれはしましたがあくまで「現在分詞」という別物です。 よって、この進行形の文は、大雑把に括ればbe動詞の文です。ですから、疑問文や否定文の作り方は、be動詞の文のルールに準じます。
┌ (肯定文):She is playing the piano. 「彼女はピアノを弾いています」 │ ├ (疑問文):Is she playing the piano ? 「彼女はピアノを弾いていますか?」 │ │ −Yes, she is. / No, she isn't. 「はい、弾いています」「いいえ、弾いていません」 │ └ (否定文):Is she playing the piano. 「彼女はピアノを弾いていません」 be動詞を過去形にすれば、「その時〜していた」という過去進行形を作ることもできます。 私は本を読んでいる。 I am reading a book. 私は本を読んでいた。 I was reading a book. 3.受動態 動詞部分を「be動詞+過去分詞」の形にすると、「〜された」という受け身の意味を表せます。この形を、受動態と呼びます。ちなみに、普通の「Sは〜する」という形は能動態と呼びます。 過去分詞は、ふつう過去形と同じ「〜ed」の形ですが、不規則動詞についてはそれぞれ個別に覚えるしかありません。基本的な物は中学生レベルの英単語で覚えてください。 ex. Everyone likes him . 「みんな彼を好きです」(能動態) He is liked by everyone. 「彼は、みんなに好かれています」(受動態) 公式としてまとめておきましょう。
疑問文・否定文の作り方はbe動詞の文の場合と同じになります。 ┌ (肯定文):He is liked by everyone. 「彼はみんなに好かれています」 │ ├ (疑問文):Is he liked by everyone ? 「彼はみんなに好かれていますか?」 │ │ −Yes, he is. / No, he isn't. 「はい、好かれています」「いいえ、好かれていません」 │ └ (否定文):He is not liked by everyone. 「彼はみんなに好かれていません」 4.現在完了形 動詞の部分が「have+過去分詞」の形になっていた場合、その部分を現在完了形と呼びます。 現在完了とは、過去におこなった動作が現在まで影響を与えていることを表します。 ex. I lived in this town. 「私はこの町に住んでいた。」(ただの過去) I have lived in this town for one year. 「私はこの町に1年間住んでいます。」(現在完了) (1年前に住み始め、今も住んでいる) ex. I lost my key. 「私は昨日鍵をなくした。」(ただの過去) (今も鍵が見つかっていないかどうかは分からない) I have lost my key. 「私は鍵をなくしてしまった。」(現在完了) (鍵をなくし、今も見つかっていない。) 現在完了形は、一緒に使われる副詞によって意味が3つに別れます。 では、その訳しわけの目印となる単語をまとめておきましょう。
目印単語は、文中のどの場所に来るかも、しっかり押さえておきます。
これらの「目印単語」によって訳しわけをおこないます。
例文を挙げておきましょう。 ex. I have already finished my homework. 「私は既に宿題を終えた」(完了) I have lived in Kyoto for five years. 「私は5年京都に住んでいる」(継続) I have visited China three times. 「私は3回中国に行ったことがある」(経験) なお、紛らわしい表現として、「have gone to A」と「have been to A」について説明しておきましょう。 have been to A は通常「Aに行ったことがある」という経験の意味を表します。 一方 have gone to A は、「Aに行ってしまった」という完了の意味を表します。 なお、現在完了は、大きく分けると現在形に区分されるので、明らかに過去を表す言葉と一緒に使うことはできません。具体的には、yesterdayや〜agoと共に現在完了形は使えないということです。 疑問文・否定文は、haveを助動詞のように考えて作ります。
┌ (肯定文):I have finished the book. 「私は本を読み終えました」 │ ├ (疑問文):Have you finished the book ? 「あなたは本を読み終えました?」 │ │ −Yes, I have. / No, Ihaven't. 「はい、読み終えました」「いいえ、読み終えていません」 │ └ (否定文):I have not finished the book yet.. 「私は本を読み終えてません」 ただし、助動詞と違って、haveは3人称単数が主語の場合にはhasになります。 ex. He has already cleaned his room. |