基礎から英文法1 前のページへ戻る
日本語と英語の文法はかなり違います。 英語は、語順で意味が決定します。どんな語順だとどんな意味になるのか、というのがすなわち文法だと思ってもらってかまいません。 日本語は、語順よりも助詞で意味合いが決まってきますね。「私は犬を飼っています」と言おうが「犬を私は飼っています」と言おうが、ちゃんと通じます。しかしながら、日本語でも、「は私を犬飼っています」としたら通じません。名詞と助詞のかたまりは前後できないんですね(この「名詞+助詞」のようなその中で語順を変えられないかたまりを、日本語の文法では文節と読んでいます)。また、「飼っています私は犬を」というのも、通じないわけではありませんが不自然です。述語(「〜する」「〜だ」を表す部分)はラストに置くというのが日本語の決まりということです。つまり、日本語でも語順はある程度重要ということが分かります。 英語では、さらに語順に関して厳密な決まりがあります。その厳密さは日本語以上です。あとで細かくやっていきますが、語順で自由度が高いのは副詞くらいで、語順がおかしければ英文として意味を為さない場合がほとんどですし、意味を為したとしても、語順が違えばほとんどの場合、意味もガラリと変わってきます。 その「どんな語順だとどんな意味になるのか」、あるいは逆に「こんな意味を伝えたいときは、どんな語順にすればよいのか」を、順番に学んでいきましょう。 さて、英語の文は、必ず以下のような形になっています。
「語法」というのは、動詞によって決まっている「型」のことです。たとえば、sayなら「say(+to 人)+that SV」というように、動詞ごとに後ろに来る形は決まっています。(ある程度文法を理解したら、中学生向けの単語の動詞の部分で勉強するか、高校向けでも大丈夫なら主な動詞の語法で勉強してください) 「主語+動詞+語法」が文の核となり、それを大きく5つに分類したのが「5文型」です(別項で説明します)。また、文頭や文末に副詞を入れることで、あるいは核となる部分に置かれている名詞に修飾語が付くことで、幅広い表現が可能になるわけです。 さて、この「英文の基本構造」を生み出すのが、「名詞・動詞・形容詞・副詞」という、基本4品詞です。「前置詞とか接続詞は?」とお思いの方もおられるでしょうが、前置詞は「前置詞+名詞」で、接続詞は「接続詞+SV」で形容詞や副詞のはたらきをしますから、前置詞や接続詞単独で考えてもあまり意味はないのです。 ちなみに、 名詞というのは、人や物、物事を指し示す語。物や人を指し示す名前ですね。 形容詞というのは、名詞について説明を付け加える語、 副詞というのは、名詞以外について説明を付け加える語、と考えてください。 で、動詞に関しては、「辞書に動詞と載っている物」以外がその役目を果たすことはありませんが、名詞・形容詞・副詞に関しては、さまざまな物が、その役目を果たせます。まとめてみましょう。
これらに、動詞部分の使い方に関する問題である「時制」や「相(完了形・進行形など)」を入れれば、中学校で習う英文法が網羅できますね。 現時点では、よく分からない部分があるかもしれません。使っている「文法用語」にピンとこないかもしれません。しかし心配無用、これから順を追って説明していきます。 ここからの説明は、中学生レベルの英文法を解説していきます。中学生の方、高校受験を控えた方、または社会人だがもう一度念のため基礎から確認したいという方のために、初歩から説明します。非常に基本的な部分から説明していきますので、「ある程度は分かっているけど……」という方は、さらりと読み流していくか、こちらから「高校英文法」の方へお進みください。 1.英語の文構造の基本 まず、同じ意味の和文と英文を並べてみます。英単語の意味には拘らず、主語や述語がどこにあるかだけに注目してみてください。
日本語では、基本的には主語が文頭に、述語が文末に来ます。しかしこれは原則で、2つ目の例文のように、述語の位置は文末で固定ですが、主語はわりあい自由な場所に置くことが可能です。これは、日本語は単語の位置ではなく、単語にくっつく助詞(「が」や「は」、「を」など)で、主語なのか目的語(「〜を」にあたる言葉)なのかを決めているからです。 一方、英語は、どんな文でも文頭に主語、その次に述語が来ます。また、述語は必ず動詞になります。 文頭に副詞が来ることはありますが、それを除けば、ごくわずかな例外を除いて、すべての英文に適用される大原則です。英文を書く際も、英文を訳す際も、「英文は、必ず主語+動詞から始まる」というのは絶対に知っていなければならないルールです。必ず頭に叩き込んでおきます。
では、その主語の次に来る動詞。この動詞によって、その後ろの構造が決まるのですが、その動詞には、2種類あります。
まぁもっと細かく分類することもできるんですが、まずこの2種類への分類を押さえます。これ、文の構造が根本的にまったく変わってくるんです。 それぞれ、見ていきましょうか。 2.be動詞の文 「〜だ」「〜にいる」という意味を表す動詞をbe動詞と呼びます。 be動詞は主語によって以下のように使い分けます。
人称というのは、 「私」→1人称 「あなた」→2人称 それ以外→3人称 ……と覚えてください。 上の表のいいたいことは、主語が「I」なら対応するbe動詞はamかwas、youならareかwere、ということです。 単数・複数というのは、主語が1人・1つの場合と、2つ・2人以上の場合で、使われる動詞が違うということです。名詞の形も、1人だと「a friend」なのに、2人以上いると「friends」となります。英語では、単数か複数かという違いは、非常に大きな違いなんです。 また、「〜ですか」という疑問文、「〜ではない」という否定文のルールも覚えておきましょう。
例文を挙げておきましょう。 ┌ (肯定文):This is your desk. 「これはあなたの机です」 │ ├ (疑問文):Is this your desk ? 「これはあなたの机ですか?」 │ │ −Yes, it is. / No, it is not[isn't]. 「はい、そうです」「いいえ、ちがいます」 │ └ (否定文):This is not your desk. 「これはあなたの机ではありません」 疑問文に対して答えるときは、主語に代名詞を置きます。代名詞のルールも簡潔にまとめておきましょう。
3.一般動詞の文 be動詞以外の動詞を一般動詞と呼びます。 一般動詞を使った文の構造は以下の通りです。
3人称単数が主語で、現在の文の時には、動詞にsやesが付きます。 過去の文の場合は、動詞の過去形を使います。
残念な話ですが、よく使われる動詞の多くは、過去形はルールどおりに作られるわけではありません。不規則動詞と呼びますが、「goの過去形はwent」「takeの過去形はtook」などのように、個別に頑張って覚えるしかありません。 例文を挙げておきましょう。 ex. I go to school by train. 「私は電車で学校へ行きます」 My brother goes to school by train. 「私の兄は電車で学校へ行きます」 My sister went to Nagoya yesterday. 「私の妹は昨日名古屋に行った」 一般動詞についても、疑問文・否定文の作り方を確認しておきます。
┌ (肯定文):I play soccer. 「私はサッカーをします」 │ ├ (疑問文):Do you play soccer? 「あなたはサッカーをしますか?」 │ │ −Yes, I do. / No, I don't. 「はい、します」「いいえ、しません」 │ └ (否定文):I don't play soccer. 「私はサッカーをしません」 ┌ (肯定文):She plays soccer. 「彼女はサッカーをします」 │ ├ (疑問文):Does she play soccer? 「彼女はサッカーをしますか?」 │ │ −Yes, she does. / No, she doesn't. 「はい、します」「いいえ、しません」 │ └ (否定文):She doesn't play soccer. 「彼女はサッカーをしません」 ┌ (肯定文):I played soccer yesterday. 「私は昨日サッカーをしました」 │ ├ (疑問文):Did you play soccer yesterday? 「あなたは昨日サッカーをしましたか?」 │ │ −Yes, I did. / No, I didn't. 「はい、しました」「いいえ、しませんでした」 │ └ (否定文):I didn't play soccer yesterday. 「私は昨日サッカーをしませんでした」 |