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嘆息 (6/30 1:00)

 みんな思ってるよね?緒方さんがスケープゴートでこの一件は落着かよ?って。

総連本部詐取容疑、緒方元長官ら逮捕…4億円報酬も立件へ(6/29読売)
 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部(東京都千代田区)の土地・建物の移転登記事件で、東京地検特捜部は28日、土地などをだまし取ったとして、元公安調査庁長官の緒方重威(しげたけ)容疑者(73)ら3人を詐欺容疑で逮捕した。
 緒方容疑者は容疑を否認している。特捜部では、緒方容疑者らが売買契約前に朝鮮総連側から報酬などとして受け取った4億8400万円についても、同容疑で立件する方針だ。
 緒方容疑者は1993年7月から2年間、同庁長官を務めた後、仙台、広島両高検検事長を歴任した。法務省によると、検事長経験者の逮捕は前例がないという。ほかに逮捕されたのは、取引を仲介した元不動産会社社長・満井忠男(73)、資金調達役とされたコンサルタント会社元役員・河江浩司(42)の両容疑者。満井容疑者は否認しているが、河江容疑者は容疑を認めているという。
 調べによると、緒方容疑者らは4月中旬、朝鮮総連側から中央本部の土地・建物の購入を依頼され、緒方容疑者は実体のない会社「ハーベスト投資顧問」(目黒区)の代表取締役に就任。同月中旬〜5月下旬、購入代金35億円を支払う意思も能力もないのに、朝鮮総連代理人の土屋公献(こうけん)弁護士(84)らに「投資者が確実にいる」とウソをついた。
 5月31日には、「出資者は登記手続きができて初めて安心して金を出せると言っている。先に登記を移し、それを出資者が確認してから代金を払うのが絶対条件なんですよ」と再びウソをつき、売買契約を締結。今月1日に土地・建物の所有権をハーベスト社に移転登記させ、だまし取った疑い。
 中央本部は、整理回収機構が約627億円の返還を求めた訴訟で敗訴し、差し押さえられる可能性があった。特捜部は今月13日、差し押さえ逃れの虚偽登記の疑いがあるとして、電磁的公正証書原本不実記録の容疑で緒方容疑者宅などを捜索した。
 しかし、その後、緒方容疑者が、朝鮮総連側からの4億8400万円のうち1億円を受け取っていた疑いの強いことや、捜査後に他の2容疑者と「出資者が金を出すと信じて契約したことにしよう」と口裏を合わせていたことが判明。朝鮮総連側は代金が支払われると信じていたとして、詐欺の被害者と位置づけた。
 売買契約は18日に白紙撤回され、登記も元に戻されたが、特捜部は移転登記が行われた時点で、詐欺罪は既に成立していると判断した。


 これで収束に向かう……となると、こんなアホらしい話はない。いつの間にか朝鮮総連が「被害者」ということになってしまっている。本当に総連が被害者ならば、緒方元長官に対して、総連の人間は口を極めて罵るだろう。総連側の歯切れの悪さは、総連と緒方氏が同じ側に立っていることを示しているのではないか。

 中途半端な形で収束する理由が「総連はアンタッチャブルだから」ということなら、コトは単純でむしろ将来に希望が持てる。あくまで「敵は外部にいる」ということで、堅い意志と実行力を持った政治家がいれば問題は解決する。「この件で捜査を進めると政治の中枢に辿り着いてしまう」という理由だとすると、「敵は内部にいる」ということで、総連に絡んだ問題の決着はかなり先のことになってしまうんだろうな、と思わざるを得ない。まぁおそらくは後者なんだろうということは、今回の件に関係なく、「拉致問題の闇」に意識的であれば常識ではあるのだが。だからこそ、今回「少しでも真相に近づくこと」に期待を寄せていたわけで。


 こっちの話は、メモでとめておく。一言添えるなら、「無いよりはマシ」といったところ。

改正北朝鮮人権法が成立、自・民・公など賛成多数で(6/29読売)
 日本人拉致問題の解決が進展しない限り、政府が北朝鮮に新たな経済支援を実施できないようにする改正北朝鮮人権法が、29日の参院本会議で自民、民主、公明3党などの賛成多数で可決、成立した。
 改正法案は自公民3党の合意を受け、衆院拉致問題特別委員長が議員立法で提出した。同法は、拉致問題などの人権問題が改善されない場合の経済制裁発動を規定しているが、改正により、拉致問題で進展がない場合に、新たな経済支援の実施に歯止めを掛け、日本が拉致問題の早期解決を目指す決意を改めて示した。


 http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g16601049.htmによれば、法案の内容は以下の通り(改行は引用者が改変している)。

第一六六回
衆第四九号

   拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律の一部を改正する法律案

 拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律(平成十八年法律第九十六号)の一部を次のように改正する。
 第七条を第八条とし、第六条の次に次の一条を加える。

 (施策における留意等)
第七条 政府は、その施策を行うに当たっては、拉致問題の解決その他北朝鮮当局による人権侵害状況の改善に資するものとなるよう、十分に留意するとともに、外国政府及び国際連合(国際連合の人権理事会、安全保障理事会等を含む。)、国際開発金融機関等の国際機関に対する適切な働きかけを行わなければならない。

   附 則
 この法律は、公布の日から施行する。

     理 由
 拉致問題の解決その他北朝鮮当局による人権侵害状況の改善に資するため、政府がその施策を行うに当たって留意すべき事項について定めるとともに、外国政府及び国際連合、国際開発金融機関等の国際機関に対する政府の働きかけについて定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。


 ちなみに、第六条は以下の通り。

第六条 政府は、北朝鮮当局によって拉致され、又は拉致されたことが疑われる日本国民、脱北者(北朝鮮を脱出した者であって、人道的見地から保護及び支援が必要であると認められるものをいう。次項において同じ。)その他北朝鮮当局による人権侵害の被害者に対する適切な施策を講ずるため、外国政府又は国際機関との情報の交換、国際捜査共助その他国際的な連携の強化に努めるとともに、これらの者に対する支援等の活動を行う国内外の民間団体との密接な連携の確保に努めるものとする。
2 政府は、脱北者の保護及び支援に関し、施策を講ずるよう努めるものとする。
3 政府は、第一項に定める民間団体に対し、必要に応じ、情報の提供、財政上の配慮その他の支援を行うよう努めるものとする。




慰安婦決議案 (6/28 1:00)

「日米関係揺るぎない」=慰安婦決議案で安倍首相(6/26時事)
 安倍晋三首相は26日夕、米下院外交委員会での従軍慰安婦問題に関する対日謝罪要求決議案の採決について「先に訪米した際に、わたしの考えは既に述べている。それに付け加えることはない。米議会が判断することであり、コメントすべき事柄ではない」と言及を避けた。日米関係への影響に関しては「日米関係はかけがえのない同盟関係として揺るぎないと確信している」と強調した。首相官邸で記者団の質問に答えた。

 中途半端に強硬な主張をしたあとで急に日和ってしまうよりは、よっぽどマシな対応か。というか、現状ではこうするより他にあるまい。河野談話をさっさと継承してしまったのが、そもそもの間違いだった。いま河野談話の破棄を行うことは、就任直後の何倍もの抵抗と批判を受けることになる。可能ならばそれでもやって欲しいのだが、それを巧く捌くだけの能力は、安倍さんにはないだろう。それでも、慰安婦に対してお詫びの声明を送った前首相よりは遙かにまとも……と書くのも何だか虚しい。

 確かに、首相自ら、アメリカ下院の何百本もある決議のうちの一つに食いつくのもどうかとはと思う(しかもまだ委員会での採決の段階だし)。しかし、外務省の役人はきっちり仕事をすべきだろう。日本の意見を浸透させるべく、ちゃんと動いていたのか。海外赴任の手当を貯め込むだけが仕事じゃない。

 まぁ、感情的には、アメリカのバカに言いたいことはたくさんあるけどな。原爆を落としたことを謝れ、空襲で民間人を大量虐殺したことを謝れ、敗戦を利用して国家改造を行ったことを謝れ、と。


楽天祭り (6/28 1:00)

ノムさんびっくり ファン投票楽天が独占(6/26スポニチ)
 球宴は「星くずのステージ」!?ガリバーオールスターゲーム(7月20日・東京ドーム、21日・フルスタ宮城)のファン投票最終中間発表が25日行われ、楽天勢がパ・リーグ10部門のうち7部門でトップ、12ポジションを8選手が占めた。想定外の事態に野村監督も「やめてくれよなあ」と戸惑い気味だ。
 「(組織票を)やったな。(IT企業だから)楽天はお手のもの。オールスターの意味がなくなる。これじゃオール“スターダスト(星くず)”や」。05年に礒部が外野部門2位で選出されたが、昨年はファン投票ゼロ。2冠王・山崎武やルーキー田中はともかく、中継ぎ部門トップの松本は2軍調整中。打率・164ながら捕手部門トップの嶋は「こんなの駄目。(ロッテの)里崎さんに申し訳ない。このままなら辞退」と頭を抱えた。
 7月21日の第2戦は地元開催。球団側は楽天グループ各社4000人に投票への協力要請を行った。ネット、携帯サイトでは1人が1日各5回、計10回の投票ができる。そのおかげかはともかく、楽天勢によるまさかの独占状態。7月2日の最終結果に注目が集まる。


 組織票は多少はやむを得ない物だとは思うが、ここまであからさまかつスットコドッコイな組織票は勘弁だな。山崎は順当、あとは田中や高須、磯部辺りまでかな。
 しかし、楽天社員はしっかりと「命令」に従って仕事してるんですな。スットコな方向に一致団結する姿はかなりアレだとは思うが。



肉の魔術師 (6/27 1:00)

 「クズ肉でも牛肉の味が楽しめる!しかも激安!」というふれこみで、原材料全て明らかにした上で売り出したら、それはそれで固定客が付いたような気がしないでもない、ミートホープ。豚の心臓を使ってその鉄分で牛っぽい味を再現するとか、偽装のテクニックはなかなかのモンだろうと思うのだが。
 精進料理を考え出すのと、似たような作業にも見える。その方向性はまるっきり逆だと思うが。


恐るべしムカデ (6/27 1:00)

ムカデに刺され操船できず漁船衝突(6/25日刊スポーツ)
 24日午前8時半ごろ、愛知県田原市の三河湾で同市の川口紋二さん(67)の漁船「三津栄丸」(1・17トン)が消波ブロックに衝突した。川口さんと妻チエ子さん(63)があごやひじなどに軽傷。川口さんがムカデに刺されて一時意識を失い、操船できなくなったのが原因という。
 名古屋海上保安部によると、川口さん夫妻は午前6時ごろ、田原市の三河福江漁港を出港。漁場でアサリを採ろうと川口さんが軍手をはめた際、軍手の中に潜んでいたムカデに刺されたらしい。
 手がしびれるなどしたため川口さんは港に引き返そうとしたが、途中で意識を失った。近くの漁船が通報、同保安部の巡視船などが救助した。


 ムカデに刺されたら痛いというのは知っていたが、しかし、刺されてしばらく経ってから気を失うような類の毒だとは、知らなかった。アナフィラキシー・ショックって、時間差攻撃もあり得るのか。

 公衆トイレで小用を足していたら、便器の上にムカデが登場し、逃げるに逃げられず困ったことはあったが、噛まれたことはない。



ホームページ (6/26 1:00)

日本人拉致問題の実態、外国語で発信へ…官邸ホームページ(6/25読売)
 政府は、北朝鮮による日本人拉致問題の実態を海外に広く知らせるため、首相官邸のホームページに外国語で、拉致被害者が拉致された経緯や救出に向けた政府の取り組み、日朝交渉の現状などを紹介するページを作成する。
 各国の認知度を高めて北朝鮮への国際的な圧力を強めるのが狙いで、今秋以降、順次掲載していく方針だ。
 拉致問題に関する外国政府の認識はまだ十分とは言えず、5月に拉致問題担当の中山恭子首相補佐官が訪中した際も、中国側の担当者は、北朝鮮が横田めぐみさんの遺骨として返還した骨が偽物だったことを知らなかったという。
 政府は今後、広報活動の重点を国内から海外に移していく考えで、今年度は拉致問題に関する約1億1000万円の広報予算を利用し、英語や中国語などで拉致問題を紹介するページを作成する。海外の報道関係者などを日本に招き、拉致現場の視察や拉致被害者らとの面談を通じて拉致問題を理解してもらう計画も検討している。


 やった方が良いことであるのは確かなんだけど、何を今さらという感覚も強い。拉致に限らず、歴史問題などに関しても、外国に向けて情報発信することの必要性は、多くの人がかなり前から説いてきたことだ。
 せめて、作りっぱなしでなく、精力的に更新を行い、国際世論への働きかけにガンガン利用していただきたい。周回遅れを必死に取り戻して欲しい。

 しかし、中国側担当者がニセ遺骨の件を知らなかったというのは嘘くさいな。中国の外交官が情報収集を怠るという印象は全く無い。文字通り受け止めるのは馬鹿正直なんじゃないか。


ヤンキー先生 (6/26 1:00)

安倍首相、「ヤンキー先生」に出馬要請 参院比例代表(6/25産経)
 自民党は25日午前の選挙対策小委員会で、7月の参院選比例代表候補として、政府の教育再生会議担当室長で「ヤンキー先生」で知られる義家弘介氏(36)の公認を決めた。
 これに先立ち安倍晋三首相(総裁)は党本部で義家氏と会談し、「教育再生を進める上で力が必要だ。義家氏のエネルギーを政治の場で生かしてほしい」と出馬を要請した。
 義家氏は公認決定後、党本部で記者会見し、「教育再生会議の提言を現場に浸透させる責任を果たすために全力を尽くしたい」と語った。
 また、政府は25日、義家氏が政府の教育再生会議委員を退任することに伴う後任として、私立豊川高校(愛知県豊川市)教師の宮本延春氏(38)の就任を発表した。宮本氏は「オール1の落ちこぼれ、教師になる」の著者。


 まぁ悔い改めてまともになったというのは悪いことじゃないのだが、元ヤンキーってのを肩書きのように使うことのかっこ悪さについて、何でここまで無自覚になれるのかと呆れてしまう。「こんな自分でもまともになれた。だから諦めずに頑張れ」という教育的効果を狙っているんだろうか……それよりも、人生一貫して真面目に生きてきた人の方が評価されるべきだろうに。

 確かに「違う世界を見てきた」ことのプラスはあると思う。何の挫折も無しに教師になった人間よりも、落ちこぼれ側の気持ちを理解できるということもあろう。だけど、元ヤンキーを売りにするみっともなさは、「俺は昔ワルだったんだぜ」と武勇伝を披露するオヤヂどものみっともなさに通じると思うんだが。

 ちなみに、宮本さんは、現場に残った方がいいと思う。仮に政治に関わる場所で仕事をしたいという気持ちを持っているとしても、もっと現場で経験を積んでからでなければ空回りするだけだと思う。まだ教職について1年か2年くらいだったはず。



集団自決 (6/25 0:00)

「集団自決」証言次々(6/24沖縄タイムズ)
 沖縄戦の実相が揺さぶられる中で迎えた慰霊の日。二十三日、糸満市の「平和の礎」にある座間味、渡嘉敷両村の刻銘碑を背に、「集団自決(強制集団死)」体験者たちが消せない記憶を語った。家族も聞いたことがない初めての証言。亡くした家族への誓い。高校の歴史教科書から「集団自決」への日本軍の関与が削られた文部科学省の教科書検定は、逆に危機感を生み、重い口を開かせた。各地の慰霊祭でも、せきを切ったような怒りの声。若い世代は、そんなお年寄りたちの姿をまっすぐに見つめた。

     ◇     ◇     ◇     
「おじが刃物」首に傷/座間味出身 松山さん

 松山茂子さん(80)=那覇市=の首の左側には、よく見ると白い筋が残っている。座間味島の「集団自決」でカミソリを当てたあとだ。一緒にいたおじが「どうせみんな死ぬんだから、あんたから」と、首筋にカミソリを当てた。しかし松山さんが、泣いて激しく嫌がったので、おじは途中でやめたという。
 久しぶりに訪れた「礎」の前で、初めて「自決」を語った。記者たちに急に質問され、心の準備ができていなかったからか、答えが混乱する。それでも、長時間答え続けた。
 歴史教科書の検定問題の話になると「許せません。子どもたちに、戦争は、きれい事でなく、怖いものだとちゃんと教えないと駄目だ」と語気を強めた。
 何となく母と「自決」の関係を感じていた娘たちも、初めて聞く具体的な話に驚き、記者と一緒に聞き入った。松山さんは「あんたたち記者が聞くから、話したんだよ」と笑ったが、娘たちは、「座間味の知人が新聞やテレビで証言しているのを見て、母も黙っておれなかったのだろう」と思う。「母の半生をまとめて残そう」。姉妹でそう相談している。

死地脱出「川 血染め」/渡嘉敷出身 高嶺さん

 渡嘉敷島出身の高嶺繁昌さん(68)=糸満市=は沖縄戦当時、六歳だった。「集団自決」の現場となった「第一玉砕場」に集められ、親戚十数人と座り込んだ。そこへ防衛隊員のおじが来た。「ここは死に場所だ。逃げろ」と教えられ、死地を脱した。
 皆で川の下流へ逃げた。「流れが血で真っ赤に染まったのを鮮明に覚えている。血だらけの人が歩いてきた」。生死を分けたのは「情報」の差だった。
 教科書検定で、またも恣意的な情報が史実として伝わることに危機感を募らせる。「真実は一つ。右も左もない。政府はなぜへし曲げるのか」と強い口調になった。
 この日、礎に刻まれた父や妹に語り掛けた。「大丈夫、心配するな。生き残っている私たちが真実を守る。これだけ証言する人がいるんだから、いつか本土政府も謝ってくれるよ」

沖縄戦学びたい/首里高校 平良さん

 炎天下の摩文仁の丘で礎に手を合わせる人々の姿をビデオカメラに収めたのは首里高校二年の平良紳さん(16)=写真右・那覇市首里石嶺町=だ。学校で沖縄戦についての学習を重ねるにつれ、「自分で何かできないか」と考え、「多くの人に伝える映像作品をつくろう」と思い立った。二十三日の平和祈念公園をクランクインの場所に選んだ。
 「米国や日本、誰が悪者かなのではなく、戦争そのものが悪いのでは」と考え込む。自分なりに沖縄戦を学ぶとともに、ほかの人にも沖縄戦について考えてもらうきっかけをつくれないかとも。
 もともと、映画好きでいつかは自分でも撮りたいと思っていた。「沖縄戦をめぐる人々の気持ちをドキュメンタリー映画にして多くの人に見てほしい」。夢と問題意識が結び付いた。親類から借りたビデオカメラを片手に、撮影に飛び出した。
 慰霊の日の摩文仁の丘の光景を見るのは初めて。多くの人が手を合わせる厳かな雰囲気に、「カメラを向けていいのか」と気後れした。だが、思い切って撮影を始めると人々は温かかった。
 これから、同級生や観光客ら同世代の若者に沖縄戦について感じることをインタビューする予定だ。夏休みに撮影を重ね、全国の高校生が撮影した映画を競う「映画甲子園」への応募を目指す。


 この記事のどこに「強制」の例が挙げられているのだろうか。論理もヘッタクレも無い、無茶苦茶な文章である。
 集団自決が多数行われたのは事実だろうし、それを否定するつもりはない。というか、そんな意見は聞いたことがない。問題になっているのは、そこに軍の強制があったのかどうかということである。

 「議論の端緒」と言うべきものが二つある。

 一つは、遺族補償金を受け取れるようにするため「軍の仕業」にしたという照屋昇雄氏の証言が、大江健三郎氏の『沖縄ノート』における「守備隊長を集団自決の命令者」と断じる描写と矛盾したこと。
 もう一つは、三省堂の日本史教科書に関して、「県民は日本軍に集団自決を強いられ…」という文面に対して検定意見が付いた、という一件。

 いずれも、集団自決の存在を否定しているわけではなく、そこに軍の命令が存在していたかを、客観的に精査しようというだけのことである。出てきているのは「証言」のみであり、「客観的事実」と断定するには不足であることは否めない。
 先の照屋氏の証言や、曾野綾子氏の『ある神話の背景』など、集団自決における軍の強制を否定する証拠も出てきている。これとて「証言」でしかないのかもしれないが、しかし「軍の強制があった」と断定することを抑えるだけの力は持っていようし、何より「ある」と主張する方に立証責任はある。

 しかし、「軍の強制があった」派は、軍が直接命令を下した証拠を出すことなく、しかも慰安婦問題と同様に「広義の強制性があった」と強弁する。
 そんなことを言い出せば、「東京が空襲を受けたのも、日本政府が戦争を始めたからであり、日本政府による広義の強制性があると言える」なんて珍説も飛び出しそうな気配である。

 沖縄戦の悲惨さは、私などとても「理解できる」とは言えないものだったと思う。そこにまつわる悲しい記憶を批判するつもりはない。しかし、戦争に対する「感情」のみを以て「歴史的事実」を作り上げることが正しいとは思えない。戦争の記憶とそこにまつわる感情が、事実検証する目を曇らせるならば、その感情は排除せねばならない。教科書に載せるべき事実かどうか考えること、大江健三郎氏が嘘つきかどうかを判定することは、そういうことではないのか。
 別に「軍の強制性を何が何でも認めたくない」わけでなく、精査の結果そうだと判明したならば、それを事実として受け入れるつもりはある。仮に悪事であっても、日本の歴史の一部であれば、それを受け入れるに躊躇いはない。
 「戦争を知らない世代」という事実を劣等感で捉えるのではなく、先の戦争を相対的に捉えることのできる世代なのだ、とプラスに考えたい。空想的平和主義から脱却するためにも、戦争の相対化は絶対に必要な道程であると思う。

 いちばん許せないのは、何でもかんでも軍人が悪いことにして、お花畑な平和運動に利用しようとする左巻きのクズども。大江健三郎氏はその代表格ですわな。


 メモ。

東京地検総連ナンパー2から聴取(6/24日刊ゲンダイ)
 朝鮮総連中央本部の偽装売買事件で、東京地検特捜部が20日、総連の許宗萬副議長(76)を参考人として事情聴取したことが明らかになった。
 総連は、整理回収機構から破綻した朝銀系信組の不良債権の一部627億円の返還訴訟を起こされ、本部ビルを「他人名義」にして差し押さえから逃れることを画策した。それを主導したのが総連ナンバー2の許氏で、「偽装取引」の仲介役となった不動産業者の満井忠男氏(73)に約4億8400万円の資金を渡したことが判明している。
 その満井氏を通じて、偽装売買に応じたのが元公安調査庁長官の緒方重威氏(73)で、特捜部は売買契約の完了前に総連側から仲介者に不自然な資金の流れが行われたことについて説明を求めたとみられる。


 ゲンダイってことでアレではあるが、満井忠男ってとこに注目しておきたいだけなので…。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BA%80%E4%BA%95%E5%BF%A0%E7%94%B7
かつて、自民党三塚派(清和会)会長・三塚博の秘書だった。
また、1998年当時、不動産会社「三正」の社長を務めていた。
1998年に東京・神田神保町の土地の所有権を移したように装い(仮装売買)、金融機関の差し押さえを免れようとした強制執行妨害の容疑で警視庁に逮捕されたことがある。

朝鮮総連本部ビル売却問題の仲介役を果たしたと報道されて注目を集めた。総連側からの4億7500万円を受け取ったことを認めている。そのうち1億5000万円は資金調達役の元銀行員に、2億円は総連に返却し、1億円を貸金庫に保管していると説明した。

自民党幹事長の中川秀直に献金していたことが一部メディアで報じられている。




来週までごきげんよう (6/23 1:00)

 次の更新はたぶん日曜の夜中か月曜日です。

 ヒルの訪朝について整理するだけの時間もない。まぁいろんなblogが書いてるからいいでしょ(とか言うとうちの存在意義って何だろうという気分にもなるが)。ヒルさんが訪朝したこと自体はそれほど驚きではないのだが、軍用機で直接38度線を越えて行ったというのはやっぱり驚きの対象になるわけで。その辺りの話は、東アジア黙示録さんのエントリも参考にされたし。

 ちなみに、時間がないというのは、仕事で忙しいというだけではないです。減量のためのウォーキングを始めたというのもある。1時間くらい歩くのだが、減量とか関係無しに、動くことが心地よい。

 運動するならマッチョなメタルのManowarだろ、ということで、一度Manowar聴きながら歩いたのだが、思わず走ってしまい、クタクタになって逆効果。ちなみに聴いていたのはこういうの→http://www.youtube.com/watch?v=lf9OnQDhlZA
 同じマノウォーでも歩くにはこれくらいがちょうど良かった→http://www.youtube.com/watch?v=svGCkaDGkt4

 Dream Theaterだと、変拍子で歩きにくかろうし…→http://www.youtube.com/watch?v=lNp4tMcpM10



本当に逆効果だったのかは分からないけれども (6/21 0:00)

「強制性否定」が逆効果=採択濃厚の慰安婦決議案−米下院(6/19時事)
 【ワシントン19日時事】米下院外交委員会が26日に採決する従軍慰安婦問題の対日謝罪要求決議案は、賛成多数での可決と、本会議での採択が濃厚となっている。ここまで支持が拡大した要因の1つに、安倍晋三首相が「狭義の強制性」を否定する論陣を張り、米議員の反感を買ったことが挙げられる。日本の国会議員らによる最近の強制性否定の意見広告が駄目押しとなったとの見方も広がっている。 
(意見広告については、西村幸祐氏の「酔夢ing Voice」6/14付エントリから全文を見ることができる)

 ちょいと下火になっていた感もあるこの話題だが、結局は「本会議での採択が濃厚」らしい。気になるのは、「意見広告が駄目押し」というところ。で、目を通してみると、気になるのは「Fact 5」のところ。

 Many countries set up brothels for their armies, in fact, to prevent soldiers from committing rape against private citizens. (In 1945, for instance, Occupation authorities asked the Japanese government to set up hygienic and safe "comfort station" to prevent rape by American soldiers.)
引用者訳:実際、多くの国が、一般市民に対する強姦を防止するために軍用の売春施設を造っていた。(たとえば、1945年、占領軍当局が日本政府に、米軍の兵士による強姦を防ぐため、衛生的かつ安全な「慰安所」を作るよう求めていた)


 仮に意見広告に問題があったと仮定するならば、この部分か。

 意見を言わねばならない、という部分に非を唱えるつもりはない。むしろ、大金をかけてでもロビー活動を行い、日本の考え方を欧米に浸透させねば、捏造だらけだが声は大きい特定アジアの主張がスタンダードになってしまう。沈黙は、この場合は罪であろう。

 しかし、引用した部分のとりわけ( )で括られた部分は、不要だったのではないか。
 意見広告が本当に駄目押しになったのかどうかは措くとしても、アメリカ人に日本の考え方を知ってもらおうとする広告に、「アメリカも慰安婦を置かせた」と書く必要性を、私は感じない。味方に引き入れるための文章に、なぜ相手を非難する(少なくとも相手がそう捉えうる)文を挿入せねばならないのか、分からない。いずれアメリカの歴史観とも戦わねばならないのは確かであろうが、今回はそれを表に出すべきではない。

 意見広告を出した方々、それに賛同された方々への敬意と感謝の念は、当然持っている。ただ、その方法論については、慎重過ぎるほどに慎重にしていただきたい。強い信念を持っている人ほど、相手の誤解や陥れようとする人の悪意に鈍感だったりする。そこで躓いてしまっては、もったいないではないか。

 ともかく、河野談話の破棄からだな。まず国内でカタを付けるべきところを付けておかないと。



これは我が儘ではないか (6/20 10:30)

 無戸籍の女子高生が(修学旅行のため)現在の氏名でのパスポートを出すよう求めている話。「前夫の姓での発券」という特別扱いを蹴った時点で、私の心から同情の念は殆ど消えたのだが…。

滋賀の無戸籍生徒、「私の名前は偽造?」──旅券発券求め陳情、外相発言に「悲しい」(6/20日経)
 母親が前夫との離婚成立前に出産し、出生届を出していないため戸籍がない滋賀県の高校2年の女子生徒(16)とその家族らが、現在の氏名でのパスポート(旅券)の発券を求めた問題で、生徒らが19日に大津市で記者会見し、今月に出発予定の海外への修学旅行を断念したことなど、心境を語った。
 生徒は12日に外務省で陳情した際、麻生太郎外相が「君が言う名前で作ると偽造パスポートになる」と話したことに触れ「私の名前は偽造なのか。とても悲しく、今も立ち直れない。旅行はあきらめざるを得ない」とうつむき加減で話した。外務省は母親の前夫の姓での発券方針を示していた。
 生徒の母親も「テーブルを挟んで外相がとても遠くにいるように感じた」と無念そうに話した。支援者らは今後、日弁連への人権救済の申し立てをする予定という。(共同)


 とりあえず、麻生大臣は「名前が偽造」なんて一言も言ってないだろ。高校生にもなって捻くれまくった曲解をするな。この被害妄想ぶりは、支援者のお花畑思考に完全に毒されてしまったか。

 腹が立つというか納得できないのは、母親の態度。自分が出生届を出さなかったのが全ての問題の発端なのに、何を無念そうにしてるんだか(「無念」というのは記者の主観だろうが)。そりゃいろいろ事情があったのだろうが、やるべき責務を怠っておきながら権利ばかり主張する姿勢は、見ていて気分が悪くなる。

 この件を認めてしまうと、朝鮮人や中国人のスパイ活動に利用されるだろう。悪しき前例になってしまう。


法に則った請求が「攻撃」とな? (6/20 10:00)

 こういうのを見ると、「やっぱり裁判員制度は必要かも」と思ってしまう。一部の弁護士どもは、一般人には理解できない珍妙な論理で生きているようだ。

母子殺害で懲戒請求数百件 弁護士が中止求めアピール(6/19中日)
 山口県光市の母子殺害事件で殺人罪などに問われた当時18歳の元少年(26)の弁護人に対する、インターネットを利用した懲戒請求が相次いでいることが分かり、有志の弁護士508人が19日、「被告が弁護を受ける権利を否定する言動に抗議し、直ちに中止を求める」との緊急アピールを発表した。請求は計数百件に上るという。
 アピールなどによると、ネット上に「意図的に裁判を遅らせている」などとして懲戒を求める書面のフォームが出回り、これを使った請求が各弁護人の所属弁護士会に届いている。
 アピールの呼び掛け人の1人、前田裕司弁護士は「基本的人権を守る弁護士への攻撃だ」と話している。
 日弁連は、こうした懲戒請求の有無について「答えられない」としている。(共同)


 「遺体の強姦は、生き返らせるための魔術的儀式」などとホザくことのどこが、「基本的人権を守る」弁護士の言動なのか、私には全く理解できぬ。自身の死刑廃止という思想を主張するために事件を利用する浅ましい人間性、それに対しての非難を「攻撃」と考える「勘違い」ぶりも理解できない。
 安田弁護士らを非難する人間は(私も含め)、安田弁護士の珍妙な主張と度を超えた被害者擁護に対して批判しているのであり、容疑者を弁護する行為自体を非難する者など一人もいないはずだ。今頃になっていきなり「強姦目的じゃなく、甘えの気持ちで抱きついた」とか言い出すのは、正当な弁護の在り方ではない。

 まともな心があるなら、安田らのような人間を、同業者として恥ずかしく思うのがスジだろう。自浄作用を持たず、それに対する国民の批判を「攻撃」としか見なせないような鳥頭の集団が、何を偉そうに基本的人権を語っているんだか。アホな弁護士を懲戒するよう請求するのも、我々国民の権利であるはずだ。

 こういうアピールを出すことが、自分たちの首を絞めていることになるんどあと、なぜ分からないのか。本当に常識のない御仁どもだ。



今日も総連本部売買関連の話 (6/19 1:00)

朝鮮総連が敗訴 東京地裁、628億円の返済命じる(6/18産経)
 破綻(はたん)した在日朝鮮人系の16の信用組合から整理回収機構(RCC)が引き継いだ不良債権のうち、約628億円は在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)への貸し付けだったとして、RCCが朝鮮総連に全額の返済を求めた訴訟の判決が18日午後、東京地裁であった。荒井勉裁判長は全額の返済を命じ、確定前に判決の効力を生じさせる仮執行宣言を付けた。これにより、RCCは朝鮮総連の財産の差し押さえが可能になった。
 この訴訟をめぐっては、朝鮮総連の中央本部(東京都千代田区富士見)の土地・建物の差し押さえを免れる目的の仮装売買事件が発覚。朝鮮総連代理人で元日本弁護士連合会会長、土屋公献弁護士(84)は判決前の同日午前、土地・建物の移転登記を元に戻す手続きを取ったと発表した。
 訴訟で朝鮮総連側は、不良債権が自身への貸し付けだったことは認めていた。その上で「RCCは債権価値よりも著しく安い価格で債権を引き継いでおきながら、額面価格で債権全額を請求している。朝鮮総連の本部施設を奪い解散に追い込む政治的意図があり権利の乱用」と抗弁していた。
 今後、朝鮮総連側がRCCの差し押さえを回避するには(1)控訴(2)仮執行停止の申し立て−の2つを行う必要がある。しかし、仮執行停止の申し立てには、返済を命じられた総債務額の6〜8割の担保を提出しなければならず、朝鮮総連の財政状況から担保提出は不可能とみられる。
 一方、問題となっている朝鮮総連の中央本部の土地と建物は、移転登記前は朝鮮総連とは別の「合資会社朝鮮中央会館管理会」の名義になっていたため、登記が戻されてもRCCが差し押さえられるかは流動的な面もある。


 仮装売買がご破算になったことで、総連本部の土地と建物は、差し押さえが可能になった。これを阻止するために仮装売買を行おうとしていたのだろうが、作戦失敗にざまぁみろの気分である。
 しかし、「架空売買の発覚は総連のリーク」という某人物が主張する考えはどうなんでしょ。「公安調査庁に食い込んでいることを示し、安倍政権の総連追い込みの流れを止めるため」という理由を挙げていたが、様々な事実が明らかになっていき、また警察庁が緒方人脈や土屋人脈の調査に乗り出したという話もあるように、(今回の件に関する限り)流れは全く止まっていない。「総連のリーク」が事実だとすれば、総連が追い込まれているように見える裏で、総連が何らかのメリットを享受していることになるのだが……何か私たちは見落としているのだろうか。

 あまりにもあからさまなインチキ売買ぶりに、総連は果たしてそんなにアホかと疑問も湧く。何か裏があるのかなぁ、と。差し押さえ阻止に焦った上でのアホな行動、という可能性も高いとは思うが、なんか釈然としない物を感じる。

 まぁ、とりあえず芋づるが繋がる限り、どんどん掘り進んでいただきたい。前首相周辺にも蔓は伸びているのかなぁ、と独り言。


<朝鮮総連本部売却>仲介役の元不動産会社社長に4億円報酬(6/18毎日)
 緒方重威・元公安調査庁長官は18日の会見で、朝鮮総連の実質的トップの許宗萬(ホジョンマン)責任副議長が、本部売買の仲介役などを果たした元不動産会社社長(73)に「事前報酬約4億円を渡した」と話していることを明らかにした。元社長は、総連と緒方氏を仲介し、資金調達役の投資コンサルタント男性(42)と緒方氏との間を取り持つなど、取引全体に深くかかわったとされる。
 緒方氏によると、問題が発覚する前日の今月11日、許氏が緒方氏の事務所を1人で訪れ、元社長に報酬約4億円を渡していることを打ち明けた。許氏は、緒方氏への報酬として「1000万円を元社長に預けた」と説明したが、緒方氏は「受け取っていない」と答えたという。
 ◇緒方氏の会見での主なやり取りは次の通り。
 ――売買は白紙、判決は仮執行宣言も付いた。
 私の手で売買が完成できなかったのは残念。差し押さえで在日朝鮮人が圧迫を受けることは目に見えている。一番恐れていたことだ。
 ――取引を仲介した元不動産会社社長とは。
 (98年の)強制執行妨害事件で弁護をしてからの付き合い。正義感のある人。彼の仲介だから信用した面はある。
 ――資金計画の中身は。
 元社長から資金調達役の投資コンサルタントの男性を紹介された。「ハーベスト投資顧問」を作った人。彼が最初に紹介した出資者は弁護士で「金はできている」と言ったまま連絡が取れなくなり、先月中旬に(最後に残った出資予定者である)別の男性を紹介された。
 ――出資予定者は?
 高校から米国に住みパイロットの免許を持っている。60億円のファンドを自己資金で運用していると聞いた。東京駅で1度だけ会ったが名刺はもらわなかった。姓は分かるが名は分からない。
 ――なぜ信用した?
 波長が合い頼もしいと思った。先月31日、調達役のコンサル男性が「99・9%まで(資金は)できている」と言うので信じた。信用し過ぎたと言われても、結果を見れば仕方がない。
 ――仲介役の元社長をどう思うか。
 友人だが今は不信感を持っている。申し開きを聞きたい。


土屋氏が謝罪、「信じるしかなかった」 総連売却問題(6/18朝日)
 「ご迷惑をおかけしました。おわびします」。在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部が入る朝鮮中央会館(東京都千代田区)の売却問題で、朝鮮総連代理人の土屋弁護士は、18日午前の記者会見でこう謝罪し、12日に取引が表面化した後の経緯を説明した。
 土屋氏のもとには15日午前に「買い主」の元公安調査庁長官・緒方重威(しげたけ)弁護士(73)から電話で「35億円の代金を用意するはずだった投資家が、20億円なら準備できると言っている」との連絡があった。このため朝鮮総連関係者に「在日の企業家の方で数億ずつ出し合って残り15億円を集められないか」と相談し、金策に走った。
 しかし同日午後になって、緒方氏側から「10億円なら出せる」「10億円もだめになった」と相次いで連絡が入ったため、夕方に資金集めを断念。週明けの18日に所有権の移転登記を抹消することを決意したという。
 35億円を出資するとした投資家について、契約書に名前はなく、土屋氏は直接会ったことはなかった。「『日本と北朝鮮の歴史的な役割を果たせるならやりがいがある』という話を伝えられて、立派な人だと思った。私は信じるしかなかった」と述べた。
 土屋氏は、緒方氏と共に出資者探しに協力した「仲介者」について「電話連絡しても応答がないなど、契約前の時点で信用できるのか疑いを持った」と話した。緒方氏についても「登記が完了したが、確実に入金されるのか」とファクスしたが反応がなかったという経緯を明らかにした。その一方で「緒方氏を責め立てる気持ちはない」とも述べた。
 一方、「買い主」となるはずだった緒方弁護士は、18日午前9時前、東京都目黒区の自宅を出た。スーツ姿で薄い黒カバンを持ち、報道陣には「会見で話しますから」とだけ話し、玄関前に呼んだタクシーに乗り込んだ。閑静な住宅街だが、右翼団体とみられる街宣車が大音量で一連の問題を非難する場面もあり、警察官数人が周囲を警戒していた。


 元不動産会社社長の怪しさがどうこうというよりも、そいつの責任にして関係者全員が被害者面して逃げに入ったような印象を受ける。


 最後に一つメモ。
<朝鮮総連本部>元長官4億円借金 不可解な関係浮き彫りに(6/18毎日)
 朝鮮総連中央本部の土地と建物の売却問題に関連し、緒方重威・元公安調査庁長官(73)の親族会社が、本部の売買を仲介した元不動産会社社長の男性(73)の自宅だった土地と建物を購入、緒方氏がこの土地・建物を担保に4億3000万円を借りていたことが分かった。元社長と緒方氏の不可解な関係が浮き彫りになった。


Bon Joviが… (6/19 1:00)

http://www.universal-music.co.jp/u-pop/artist/bonjovi/new.html
■TBS「ズバリ言うわよ!」出演決定!
7月10日(火)TBS「ズバリ言うわよ!」(21:00〜21:54)


 「不幸になる改名」をさせられるんですか?てか、ジョン、騙されてるぞ。
 オジー・オズボーンを呼んだ方が見た目は面白いと思う。



久々の更新です (6/18 0:00)

 ちょいと忙しかったのと、時間の都合が付かなかったこともあって、更新をサボっておりました。更新どころか、時事ネタ収集もちょいと疎かにしていたので(新聞は読んでいたけれども)、総連本部の土地・建物売却に絡んだ話など、今からいろんな記事を読んでいくつもりです。北朝鮮の凍結資金も動き出したようで……寧辺の核施設は何年も前から稼働していないという噂があり、役立たずの施設の稼働停止でアメがもらえた北朝鮮は、今のところ「計算通り」と思っているんでしょうか。次は、他の金融機関でも金が動かせるようにしろとゴネ出しそうです。

 さて、今日帰宅してまず目にしたのがこの記事。

<朝鮮総連本部売却>公安庁職員が仲介者を元長官に紹介(6/17毎日)
 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の中央本部の土地と建物の売却問題で、売買を仲介した元不動産会社社長の男性(73)を緒方重威(しげたけ)・元公安調査庁長官(73)に紹介したのは、公安調査庁の現職職員だったことが関係者の話で分かった。検察当局も、こうした関係を把握している模様だ。仮装売買が疑われる当事者の関係構築に現職が関与していた実態が浮かんだ。
 この職員は、主に国外の公安動向の調査を担当する「調査第2部」に所属。北朝鮮関係の情報収集・分析は2部が扱っており、朝鮮総連も調査対象としている。緒方氏も84年から86年まで2部長を務めた。
 元社長は、今回の売買に関して、緒方氏と朝鮮総連側との間を取り持ったとされ、東京地検特捜部が東京都内の自宅を電磁的公正証書原本不実記録・同供用の疑いで家宅捜索している。
 元社長は、何度も訪朝したことがあって朝鮮総連とつながりが深いとされる。職員は総連の調査の過程で知り合い、元社長の要請を受けて、退職していた緒方氏を紹介したとみられる。
 元社長は、旧住宅金融専門会社(住専)の大口融資先だった不動産会社を経営していたことがあり、住宅金融債権管理機構の債権回収を逃れようとしたとして、警視庁に強制執行妨害容疑などで98年に逮捕されたことがある。
 中央本部の売却問題についての現職職員の関与の可能性については、柳俊夫・公安庁長官が13日の自民党の会合で「当庁の職員は一切関与していない。元長官の在職時の職務とも一切関係ないと認識している」と否定している。
 緒方氏は93年から95年まで公安庁長官を務め、97年に広島高検検事長を最後に退官している。


 この件、いろいろ情報が出てくる頻度が高いというか、様々な情報が芋づる式に出てきて、追いかけるのがなかなか大変だったりする。どんどん怪しい話が持ち上がってきて、どこまで闇の部分に切り込めるかという期待が高まる動きだ、と考えることもできる。もちろん同時に、公安調査庁は現在進行形で浸食されているんだと改めて思い知らされて、日本の現状に危惧を覚えざるを得ないのも確か。
 地道に外堀を埋めるやり方より、こういう事件をきっかけに、総連と政界・官界との繋がりに対して一気呵成に攻め込む方が、腐敗臭の根源まで辿り着く可能性は高いように感じる。情報収集をしっかりやった様子もないのに、青森の脱北者をさっさと韓国に返してしまったことを考えると、高まる期待も萎みがちではあるが。

 一歩一歩、北朝鮮に絡む問題を解決していく…ということに対する期待感は、残念ながらかなり小さくなっている。何かの弾みで…という穴狙いの期待になってしまっているのが正直なところ。それでも、諦めが悪い性格なんで期待を失ったり意見を言うことをやめるつもりはないけど。
 総連の食い込み具合に震撼しつつも、逆にこの事件が総連潰しの契機になることを心から望む。


 もひとつ、ラジオなどで聞いてちょっと関心を持っていた話。

<こんにゃくゼリー>事故相次ぐも、各省は法的措置取れず(6/17毎日)
 対策強化を求める消費者の声に対し、厚労省監視安全課は「食品衛生法で販売禁止や回収を命令できるのは、食品に腐敗や有害物質含有などの問題がある場合だけ。のどに詰まらせるのは、あめや餅と同じで規制の対象外」と説明する。
 3月に学童保育のおやつでこんにゃくゼリーを食べ窒息死した三重県伊勢市、村田龍之介君(当時7歳)の母由佳さんは「(こんにゃくゼリーが)10年前になくなっていれば息子の事故はなかった。命を危険にさらす商品はなくなってほしい」と訴えている。
(一部抜粋)

 私の感想は、記事中の厚労省監視安全家の人と全く同じ。
 ググると、こんなページをすぐに見つけた。餅の方がよっぽど危険な食べ物である。すぐに規制せねば!

http://www.osoushiki-plaza.com/institut/dw/199906.html
 1996年1月の1ヵ月間にもちをつまらせて死亡した人は、208人で、男性が150人、女性は58人。年齢別では70歳代が28.8%、80歳代が25.4%、60歳代が25.3%の順であった(『厚生の指標』96.12)。従って60〜80歳までで8割を占めることになる。

 こんにゃくゼリーを喉に詰まりにくいように改良して欲しい、と思うことは当然だし、そうすべきだとは思う。しかし、こんにゃくゼリーを規制するよう訴えるのは、ちょっと的外れであるような気がする。ましてや、子供がこんにゃくゼリーで死んだことをメーカーの責任にするのも、何か違うような気がする。



続報 (6/14 0:00)

朝鮮総連本部購入「一点の違法もない」…元公安長官が会見(6/13読売)
 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の中央本部(東京・千代田区)の土地と建物を購入した投資顧問会社の社長で、元公安調査庁長官の緒方重威(しげたけ)氏(73)が13日、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見し、「朝鮮総連側からの依頼で購入を引き受けた。一点の違法もない」などと、適正取引であることを強調した。
 朝鮮総連は、2005年11月、整理回収機構から、不良債権の約628億円の全額返還を求めて提訴され、18日に判決を控えている。
 緒方氏によると、この判決を念頭に、今年4月、朝鮮総連側の代理人から「売却したい」との依頼があり、迷ったものの、「在日朝鮮人の権利を擁護する場所は必要だ」と感じ、売却代金を整理回収機構側に弁済することなどを条件に提案を承諾したという。
 売買額は35億円。すでに、土地と建物の所有権は投資顧問会社に移転しているが、購入資金がまだ集まっていないため、最終的に売買が成立するかどうかは微妙な情勢だという。
 また、緒方氏は、「朝鮮総連が違法行為にかかわったことは事実」としながらも、「大使館的な役割を担っている中央本部を追い出してしまえば、在日朝鮮人はよりどころがなくなってしまう。だれかがやらなければならない」と述べた。
 一方、売買契約では、中央本部を今後1年間使用することを取り交わしたほか、特約として、〈1〉2年目以降の使用継続を認めるかは今後検討〈2〉契約は5年間で、それ以内に買い戻す場合は朝鮮総連側に優先権がある〈3〉朝鮮総連側は毎年3億5000万円の損害金を支払う――などが盛り込まれた。


 元公安調査庁長官が泥をかぶり、総連の資産を押さえて組織を一網打尽にしようという計画なのだ……んなわけないか。一縷の望みをかけて続報を待っていたが、「在日朝鮮人は拠り所が無くなってしまう」という言い種を聞けば、もはや擁護する意味など無い。総連の言い分をそのまま記者会見で喋るような男を、信用できるはずがない。

 この人ひとりだったらまだしも、たぶん歴代の公安調査庁長官や幹部にも総連は食い込んでいるだろうし、公安調査庁に限った話ではないし、役人に限った話でもない。全てが明らかになったら、それこそ戦後の日本を全否定しなきゃ立ち直れないような状況もあり得るんだろう。これらの闇を全て解明しようとしたら、世話になった人や尊敬していた人をも裏切ることになるだろうし、事実暴露による混乱は全ての日本人に影響を及ぼす。安倍さんにそれを背負う覚悟があるのか否か。



クズの巣窟 (6/13 15:00)

北教組、学校への「AED一方的導入反対」(北海道)(6/13読売)
 止まった心臓に電気ショックを与えて、不整脈を正常な状態に戻す医療器具AED(自動体外式除細動器)の学校への配置について、北海道教職員組合(北教組)は12日、札幌市で始まった定期大会で「一方的な導入に反対する」との方針を表明した。AEDは公共施設などでの設置が広がり、救命活動に生かされたケースが全国で報告されている。学校への設置推進は、道教委が進めるばかりでなく、北教組が支持する民主党も4月の札幌市議選で公約に掲げていた。導入反対方針には組合員からも疑問の声が上がっている。
 北教組議案では、反対理由について<1>配備より、学校の安全体制づくりなどが主体<2>AEDは「医療行為」であり「有効性、必要性、安全性」に疑問がある――とし、「講習の強要など様々な問題が生じている」ことを理由に「一方的導入に反対していかなければならない」と記されていた。
 定期大会では、代議員から「命にかかわる問題で、(設置反対に)市民の理解は得られないのでは」との質問があった。北教組執行部は「全面的に否定はしていない。AEDは万能ではなく、一般的には成人向けで有効性に疑問がある。まれに火災を起こす」などとし、「導入については慎重な対応が必要だ」と答弁した。
 北教組の方針について、学校への設置を公約した民主党札幌の小野正美幹事長は「現場には様々な課題があり、(政党と支持団体が)すべて一緒の考えでなければならないということはない」とコメントした。
 道医療政策課によると、道内に設置されているAEDは昨年11月現在、1305か所で1581台。前年同期の321台から約5倍に増えるなど、急速に普及が進んでいる。
 道の医療政策などの検討機関である「総合保健医療協議会救急医療専門部会」も昨年6月、道に対して自治体庁舎などのほか、学校など不特定多数が利用する施設での設置が望ましいと提言。道もAEDの普及が望ましいとの立場で、道内の保健所などを通じて啓発活動を展開している。
     ◇
 北教組定期大会では、各支部の代議員から、現在参議院で審議中の教育改革関連3法案などに対する民主党や日本教職員組合(日教組)の反対姿勢が弱いとの不満が相次いだ。また、いじめ実態調査や全国学力テストへの「非協力運動」で批判を浴びたことについては、「北教組バッシングだ」といった発言の一方で、「取り組めば取り組むほど逆風が強くなる。世論の状況をみた戦術の配置をすべきでは」との意見も出された。


 要するに「講習受けるのがめんどくせぇ」ってことだろ?記事にもあるように、いじめの実態調査をすることに反対した大バカ集団だからな。妙な集会に参加したり、デモ活動をやる時間はあるのに、AEDの講習を受ける時間は無いんだとさ。脳みそにウジ湧いてるだろ、こいつら。

 新しい仕事を増やすことを嫌うような連中が、まともに子供に教育を施せるのか疑問だ。未だに、30年も40年も前の英語を教えていたりしてな。



恥はせめて国内に留めよ (6/13 11:00)

ウッズがハニカミ王子を絶賛 「すごい才能だ」(6/13朝日)
 男子ゴルフの今季メジャー第2戦、全米オープン(14〜17日)を前にタイガー・ウッズ(米)が12日、オークモント(米ペンシルベニア州)で記者会見し、日本男子ツアーで史上最年少優勝を果たした「ハニカミ王子」こと石川遼選手(東京・杉並学院高)について日本のテレビ局から質問を受け、「すごい才能だ」と評した。
 ビデオで石川のスイングを見たと言い、「パワーには驚くばかり。15歳の少年がツアーで優勝したのだから、持っている才能のすごさがわかるだろう」と話した。
 石川と同様、ジュニア時代から周囲の注目を一身に浴びてきたウッズは「もう少し時間がたてば特別な選手になれる。今はプレーすること、そして上達することを楽しんでほしい」。メジャー大会と関係のない質問だったが、丁寧にアドバイスもした。


 ナンタラ王子にはいい加減ウンザリという意見をよく見る。私も同じ感覚。もちろん、王子と呼ばれている本人に対する批判ではなく、アホのように騒いでいるメディアへの嫌悪感である。
 そのマスコミが、ウッズに対してアホな質問をしたということで、恥ずかしいやら腹立たしいやら。丁寧に返答してくれたウッズに対しては、その親切さに感服するのだが、プロですらない一アマチュアについての質問を、しかも日本人でないプロ選手に問うというのは、もはや常識の範疇を超えている。

 当然、こういうことになる。

場違いな質問でひんしゅく…ウッズに「ハニカミ王子知っている?」(6/13産経)
 男子ゴルフの全米オープン選手権を前にした記者会見が12日、米ペンシルベニア州オークモントCCで開かれたが、日本のテレビ局がタイガー・ウッズ、フィル・ミケルソン(ともに米国)に対し、「ハニカミ王子」こと石川遼(東京・杉並学院高)について質問。メジャー大会には全く場違いな問いに、世界中から集まった報道陣のひんしゅくを買った。
 ウッズには「彼について知っているか」と聞き、ミケルソンに対しては「石川君にメッセージを」などと発言。大勢の記者であふれ返った会見場のあちこちで失笑が漏れ、質問者には冷たい視線が集まった。(共同)


 まったく恥ずかしい。


年金問題に埋もれることへの危機感は分かるが (6/13 2:00)

 拉致問題に関する掲示板で見かけた意見について、反応してみる。

 今の日本国民にとって一番大切なことは自分に直接関係ない拉致問題より、直接生活にひびく年金問題の方である。まず、自分の生活が安定した後で他人の不幸に関心をおっそわけ(原文ママ)程度に振り向けるのが今の日本人である。

 別にどういう書き方しようがその人の自由ではあるのだが……こういう批判を書くということは、たぶん「多くの人に、より拉致に関心を持ってもらいたい」と思っているのだろう。しかし、このような書き方では、人の反感を買うだけであり、全く逆効果である。拉致問題について意見を述べる人に対する悪印象を与えるのが目的であれば、非常に効果的な書き込みではあるとは思うが。

 確かに拉致問題は国家の根幹に関わる重要な問題である。国民の自由を奪う敵国に対し、何ら行動が執れないのでは、国家の体を為していないと言える。主権を守る国家たり得るのか、突きつけられた課題は重い。

 しかし、年金問題もまた、国民の老後を国が保障できるか、つまり国民の生命を国家が担保できるか否かという問題であり、「年金より拉致」という言葉で片付けるような問題ではない。もちろん、年金がきちんともらえずとも日本で暮らせるだけ、拉致被害者よりはマシだという見方もある。確かにその通りだとは思うが、生活に直結する年金に対して強い関心を持つことを否定する理由にはならない。その人にとっては、年金も大きな問題なのだ。

 また、年金のようなドメスティックな問題を解決できないで、ディプロマティックな問題を解決できるか、という疑問もある。国民が生活に安心を覚えてこそ、一致団結して国難に当たることができる。生活に不安を覚えている状況で、人のために頭を働かせる余裕などなかろう。それが平凡な人の考え方だ。
 だいたい、「自分の生活が安定したあとで他人の不幸に関心を持つこと」は、それほど非難されるべき考え方なのだろうか。自分の足元も固められないのに、他人のことを考えるのは順序が違う、という考え方もある。「自分の家庭を全く顧みずに熱心に政治活動に関わる人」を美しいと感じる感性もあれば、それを「無責任な子供の行動」と見る感性もある。後者の感性の持ち主に対し、「関心をお裾分け」などとイヤミな言い方をすることに、どれほどの正当性があるのだろうか。

 (ちなみに私は、仮に失職して無収入になったら、ここで政治ネタを書くようなことはしない。そんな暇は無かろうというのも一つだが、時事ネタを書く資格は無いとも思うからだ。自分のこともままならぬのに、人のこと政治のことに口出しなどできようか。勿論これは自分の行動に対する信念であり、仮に無職の人が時事ネタでblogを書いていても不快な気持ちになるわけではない。) 
 

 拉致への関心が薄れていくことへの危機感というのは分かる。年金がクローズアップされて、他の話題が掻き消されていることに対する憤りも分かる。「年金にばかり関心を持って、拉致問題は全く眼中にない」という姿勢は、確かに批判すべき態度かもしれない。しかし、それに対して引用したような言い方をしても、拉致問題に関心を持ってもらえるわけがない。「自分のことの方が大事だよね」とイヤミを言われて素直に受け入れるわけがない。
 なんで敢えて敵を増やすような物言いをするのか。なんでその発言を周囲は許してしまうのか。批判するのであれば、なぜ「年金>拉致」と考えることが批判の対象となるのか、細かく説明せねば「年金>拉致」と考える人の納得は得られまい。

 官僚の怠慢で年金問題が発生したのと同様に、政治の怠慢で拉致被害者は帰ってこられないままだ、と訴えていった方がよっぽど効果的だと思うのだが…。



メモ (6/12 11:00)

朝鮮総連:本部の土地建物売却 公安調査庁元長官の会社に(6/12毎日)
 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の中央本部(東京都千代田区富士見)の土地と建物が5月末に売却されていたことが分かった。購入したのは、公安調査庁元長官が代表取締役を務める東京都内の投資顧問会社。朝鮮総連の調査に当たる公安庁のトップ経験者が経営する会社と総連との取り引きが判明し、その経緯と背景が問われることは必至だ。
 土地や建物の登記簿によると、中央本部のある土地(約2390平方メートル)と地上10階、地下2階の鉄骨鉄筋コンクリート造りの建物(延べ床面積約1万1700平方メートル)は、先月31日に売買された。新たな所有者は、「ハーベスト投資顧問株式会社」(東京都)。法人登記簿によると、同社は、投資顧問業や貸金業などを目的に昨年9月に設立された。
 代表取締役は、売却の約1カ月前の4月19日に、東京都文京区在住の男性から、元公安調査庁長官の緒方重威(しげたけ)氏(73)に代わり、同日会社の所在地も中央区内から目黒区内の緒方氏の自宅に移っている。
 中央本部の土地と建物は、固定資産税(都市計画税を含め年間約4200万円)などから算出すると、評価額は少なくとも20億円を超えるとみられる。中央本部の土地と建物を巡っては、「外国公館と同様」の位置づけで固定資産税が免除されてきた。東京都は03年に課税を決めたが、総連側が期限内に納税しなかったため土地と建物を差し押さえた。これに対し、総連側は課税処分の取り消しを求めて提訴、係争中だ。その一方で、総連は全額を数回に分けて納付したため、都は、売却前の4月26日に差し押さえを解除している。
 また、総連は、経営破たんした朝銀東京信用組合など在日朝鮮人系の16信組から不良債権を引き継いだ整理回収機構から05年11月、628億円は総連への貸付金だったとして返済を求めて提訴されており、18日に東京地裁で判決が言い渡される。
 緒方氏は60年に検察官となり、最高検検事、最高検公安部長などを経て93年7月から2年間公安調査庁長官を務めた。広島高検検事長で退官し、現在は弁護士。毎日新聞は11日、弁護士事務所や家族を通じて緒方氏に取材を申し込んだが、12日未明までに回答を得られていない。一方、朝鮮総連国際局は「ノーコメント」としている。
 【公安調査庁】 破壊活動防止法に基づき、テロなどを行う危険性のある団体を調査し、活動制限や解散の指定などの規制処分への手続きを取ったり、団体規制法に基づく観察処分や再発防止処分のための手続きをし、観察処分による団体施設への立入検査などを行う。調査権限は強制でなく任意に限定されている。国際テロや北朝鮮の動向調査などのほか、国内では過激派やオウム真理教(アーレフに改称)の調査をしている。


 「公安」と「総連」というと、どうしても94-95年に国家公安委員長だった野中広務を思い出すのだが、国家公安委員会は内閣府の外局。今回話題になっている公安調査庁は、法務省の外局。で、一般に「公安」と言われるのは前者で、今回はそれではない。
 てことで、この記事は、野中〜北朝鮮の線は関係ないと思われる。
 
 この取引がどういった意味合いを持つのか、続報待ち。擁護的に見れば、土地と建物を押さえたように見えなくもないし。もちろん、公安調査庁は破防法適用のための調査や処分申請をおこなったり、北朝鮮に関する情報収集にも長けているため、ミイラ取りがミイラになった可能性は否定できないんだけども。


ニフ動 (6/12 11:00)

「ニコニコ」ならぬ「ニフニフ動画」――ニフティが動画コメント共有サービス
 インターネット接続サービス大手のニフティは11日、インターネット上で公開されている動画にコメントを付けて共有できるようにするサービス「ニフニフ動画β(ベータ)版」を始めたと発表した。動画共有サイトの米ユーチューブに投稿されている動画に対して、動画の内容や画像が移り変わるタイミングに合わせてコメントをつけることができる。1つの動画に対して、最大100のコメントを付けられる。
(中略)
・ニフニフ動画
http://nifnif.nifty.com/ 

 ニフティの方は、コメントが動画下のそれ専用の領域に表示される。動画とコメントが一体化していないため、ニコ動ほどのおもしろさは感じず、味気ない。


自分でやれよ (6/12 0:00)

トランスコスモス株式会社(東証一部上場)の求人情報:タウンワーク
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 オープニングコールスタッフ大募集!
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 国民年金、厚生年金保険に関する電話でのお問合せにお答えするお仕事です。
 官公庁から委託されるお仕事なので、安心して始められますよ。

 (1)「ねんきんダイヤル」の受電対応をして 頂きます。年金受給者からの、年金の
  お受け取りに関する手続き、制度や加入記録に関するお問合せ等に対応。
  ☆150名の募集です。
(改行は引用者がちょいと変更)
 
 これ、社保庁から丸投げされた業務かな。丸投げすることで、また余計にお金がかかる。というか、これのために用意した予算のうち何割かを社保庁が横取りするような仕組みになってはいまいな?てか、派遣社員を使うことで、結局はトランスコスモスが余計なお金を分捕っていることになる。情報管理の面でも不安を感じる。

 で、社保庁の職員は何をやってるの?チラシ配ってるだけ?電話対応にも自ら臨んで、国民の怒りを直に聴けよクズどもが。



お門違い (6/11 10:00)

 安倍支持でも何でもないんだけど、年金問題に絡んで「安倍やめろ」と言われているのを見ると、可哀想に思う。確かに対応で拙い部分はあったとは思うが、社保庁のグダグダぶりの殆どは安倍さんには直接責任がないはずで…ずっと政権にあった自民党を批判する、というのなら分かるんですが。安倍批判する前に、正木馨あたりを血祭りに上げるのが先だろ。


この人の存在意義って何だろう (6/11 10:00)

 しっかし、ドイツにいることの利点を全く生かせない婆さんだなぁ……というのは、クライン孝子。ドイツでのサミットに関する話も、「ドイツ在住ジャーナリストならではの情報」という物が全く無い。というか、この人って現地の記事を紹介したことあったっけ?
 「さるさる日記」での日記は、本当に純粋に「日記」という位置付けを、本人も意識して書いているのだろうか。そこらのおばさんを派遣しても、同等のレベルの文章が書けるんじゃないかと思う。いや、改行に関しては、素人のおばさんの方がマシかもしれん。

 しかし、稲田朋美さんのことを「油に乗っている」と表現したのは、酷い(6/5の日記、面倒だからリンクしない)。「脂がのっている」と「波に乗っている」が一緒くたになったんだろうけど、難しい言い回しならともかく、中学生でも間違えないような慣用句を間違えるたぁ、そろそろ引退した方が御身のためでは無かろうか。



停滞はいつまで続くのだろう (6/10 1:30)

北朝鮮人権法改正案、了承見送り=参院選控え民主意識−自民(6/8時事)
 自民党は8日の総務会で、北朝鮮人権法改正案の了承を見送った。同改正案は、拉致問題の進展がなければ政府は新たな北朝鮮支援を実施できないとの内容。しかし、民主党はより強い姿勢で北朝鮮に臨む案をまとめているため、執行部が参院選への影響を懸念、了承を見合わせた。

 「拉致問題の進展がなければ政府は新たな北朝鮮支援を実施できない」という内容の改正すら、見送られてしまう日本の現状。記事では「より強い姿勢の民主党案に見劣りして、参院選に悪影響」という理由を挙げているが、アメリカがさらに北朝鮮寄りになった場合に「孤立」するのを恐れて、という理由もあるんじゃないか、と意地悪な推量もしてしまう。

 見送らねばならないような大層な内容ではない。進展無しに支援しないなんて、当たり前の話ではないか。その当たり前の話すら、通らないのだから、脱力するほか無い。スパイ防止法を作れとか、自衛隊が拉致被害者救出できる根拠となる法律を作れとか、拉致被害者救出のシミュレーションを作成しろとか、そういった主張をするのが馬鹿馬鹿しくなってきた。まだまだそんな次元まで辿り着いていないのだ。

 この北朝鮮人権法の改正の動きは、4月におこなわれた国民大集会での、「アメリカのようにテロ国家指定をおこなえるような法律を作りたい」という中川昭一自民党政調会長の発言に始まる。しかし、テロ国家指定どころか、拉致問題の進展無しに支援はしないという取り決めすら為されなかった。前提条件を「拉致問題の解決」ではなくて、「拉致問題の進展」とハードルを下げてさえも、「北朝鮮支援をおこなわないこと」を確約できないのが、今の政府、今の政治である。

 確かに選挙は大切だわな。選挙で負けたら、安定した政治は不可能だもんな。ただ、仮に安倍政権が選挙で勝ったとしても、次々に施策を繰り出してくれるとは想像しがたい。教育問題とか憲法問題とか、たしかに「何もしていない」と言うつもりはないのだが、スピードも質も圧倒的に足りない。

 まぁ、中川昭一さんについては、温家宝来日の際、帰国したあとになってから「日本のナンバーワン(安倍首相)が行ったのに、中国のナンバースリー(温家宝)が来るというのは、外交儀礼から言っておかしい」と言ったことを思い出す。本人が帰ったあとでのこの発言に、「この人は期待すべき人ではない」と思った。言うことは正論ばかりだし、肯けるモノばかりなのだが、いかんせん影響力を持たない場面でしか発言しないし、受ける発言が何か具体的な形になったことが殆ど無いように思う。
 国民大集会での氏の「テロ支援国家に云々」という発言に対しても、4/24の当欄では「ガス抜き目的なんじゃねぇの?」と冷めた感想を書いていた。ただ、拉致被害者家族は、こんな発言でも信用するしかない。氏の発言を信用し期待していた拉致被害者家族の方々の気持ちを思うと、氏の発言に対する無責任さには腹立たしさを覚える。

 
 そういえば、年金問題に絡んで中川秀直自民党幹事長が、安倍首相に死刑宣告していた。

年金調査、首相が全責任負う=中川自民幹事長(6/7時事)
 自民党の中川秀直幹事長は7日夜、都内で講演し、安倍晋三首相が該当者不明の年金記録を1年で調査する考えを示したことについて、「首相が責任を持ってやると言った。これ以上重い言葉はない。できなければ政治責任をすべて負うという意味だ」と強調した。

 原簿が既に一部破棄されているのに、責任を持って調査できるわけがなかろうに。調査って、本当に「調査するだけ」なのかね?
 ともかく、幹事長が安倍さんに「死の宣告」をおこなったので、安倍さんには猪突猛進で狂ったように頑張って欲しい。どうせ散るなら、盛大な花火を打ち上げてから散って欲しい。

 李登輝氏が会見で語った言葉が、ずしりと胸に響いてくる。

靖国問題で李登輝氏「日本の政治、あまりに弱かった」(6/9朝日)
 来日している台湾の李登輝前総統は9日、東京都内で記者会見に応じ、靖国神社参拝について「亡兄を鎮魂する個人的行為」と強調したうえで、中国などからの靖国参拝批判に対して「日本の政治はあまりにも弱かったと信じている」と語った。
 李氏は「靖国神社問題は中国大陸やコリア(朝鮮半島)で、自国内の問題の処理ができないため(批判をそらす狙いで)作り上げられた」と指摘。「国のために亡くなった人への鎮魂を外国政府に批判される理由は何もない」と強調した。


 内容は拉致とは全く関係ないのだが、「日本の政治があまりに弱い」という部分では、大いに繋がりのある話。自身の信念に基づいて、言うべきことを言い、採るべき行動を採る……そんな政権が誕生するのは、いつの日のことだろうか。



すごい (6/7 13:00)

「筆洗」(6/7東京新聞コラム)
 ドイツのハイリゲンダムで始まった主要国首脳会議(G8サミット)にはせ参じた安倍首相、参院選目前に急落した支持率をなんとか回復しようと懸命だ▼五千万件の“消えた年金”に加え、松岡前農相自殺のダブルショックを強行採決の連発でしのぎ、サミットでは地球温暖化対策の独自案を提出して、これを追い風に来年の北海道洞爺湖サミットまで生き延び、議長を務めたいのだろう▼だが、来月の参院選の苦戦が予想される安倍首相と同様、サミットに集まる各国首脳は、退陣が決まったブレア英首相や、任期あと一年半、支持率最低のブッシュ米大統領ら、旗色の悪い人が多い。安倍首相のドイツ現地での認知度は17%で七位、好感度も六番目とか▼サミットといえば、世界制覇をもくろむ“東インド貿易会社”の攻勢に対抗しようと、世界中から“伝説の海賊”九人が“世界の果て(ワールド・エンド)”に集まるのが、ハリウッド映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』完結編『ワールド・エンド』だ▼五月末から世界同時公開で、興行記録を塗り替える人気。安倍首相もあやかりたいところだ。映画ファンとして寂しいのは、この大航海時代に活躍する伝説の海賊たちの中に、日本人が含まれていないこと。アジアの国々といまだに歴史を共有できないこの国は、エンターテインメントの仲間には入れてもらえない▼十六世紀、ボリビアのポトシ銀山と並び、世界の銀産出量の三分の一をまかなった島根県の石見銀山がことし、世界遺産登録から漏れたのはそのせいかも。

 「牽強付会」を理解するのに、最適な教材。
 普通に読んでいては、論旨を全く理解できない。ある意味、この「スピード感覚」は絶叫マシンを遙かに超えている。



Systematic Chaos (6/6 15:00)

 たまたま書店に行き、洋楽系の雑誌を何気なく見て、DREAM THEATERの新作が出るということを知った。しかも発売日は今日ではないか。ということで、すぐにCDも売っている書店へ向かい、購入。一生ついていくと決めたバンドゆえ、迅速な行動。

 前半は「Train of Thought(以下ToT)」や「Six Degrees of Inner Turbulence(以下6DoIT)」1枚目のイメージに近いが、リフやインスト部分の出来が非常によいので、ToT前半や6DoIT2曲目以降よりも個人的には楽しめる。スラッシーで緊迫感を持ちながらもキャッチーで聴きやすいと思う。ヘヴィさ重視のメタルはあんまり好きではないのだが、今回はすんなりと入ることができた。
 後半、5曲目から前作に近い雰囲気が出てくる。7曲目「The Ministry of Lost Souls」は分かりやすい佳曲。ペトルッチのギターは、年を追うごとに情感豊かになっていくように感じる。8曲目「In the Presence Of Enemies, Pt.2」で、緊張感と叙情的な雰囲気が完全に融合する。「Octavarium」でのシアターが好きな人は前半ちょっとキツいかもしれないが、後半は気に入るのではないか。

 一発でノックアウトするような突出した曲はないのだが、全体としては良いアルバムだと思う。マノウォーのアルバムと交互に聴くことになろう。

 前作「Octavarium」で、1曲目F、2曲目はG…8曲目で再びFに戻るというような「謎解き」は今回もあるのだろうか。


雑感 (6/6 1:00)

 菅直人に執拗に責任転嫁する品のないビラを作ったのが、片山さつきだと分かり、「あぁ彼女ならこういう風に仕上げるわな」と納得。
 ただ、自民党全体の空気がまともだったら、そもそもああいった図案が表に出てこないとも思える。自民党に漂う空気が、責任転嫁の方向性を導いたんじゃないか、と。自分たちに今できる仕事をきっちりとやります、という考えが党全体に浸透していれば、あんな責任転嫁の文面は水面下で没になっているはずだ。

 年金は生活に関わる大事な問題であるし(だから「年金なんかより拉致問題が大事」という訴え方は反感買うだけで、やめた方がいい)、国を挙げて取り組んで欲しい問題であるがゆえに、菅非難のビラのような低レベルなモノを見せつけられると、かなりウンザリする。1年で5000万件を処理するなんて不可能だろ、と首相の発言にも重みを感じないし。
 生活に密着した身近な問題を片付けられないのに、他国も巻き込んだ外交で主導権を握るなんて可能なのか、という疑問もあり。支持率低下には、勿論マスコミのネガティヴキャンペーンの影響も大きいのだろうが、それを跳ね返せないようでは「戦後レジームからの脱却」なんて不可能だ。

 まさか安倍さんは、支持率上昇に拉致問題を利用するなんてことはしないよね?



軽油 (6/5 10:00)

脱北船「軽油200リットル準備」 平均収入の16年分(6/5朝日)
 青森県・深浦港で保護された脱北家族4人が乗っていた小型船に、燃料として軽油が約90〜100リットル積まれていたことが、捜査当局の調べでわかった。北朝鮮では軽油は非常に高価で、簡単には入手できないとされる。船はエンジンも2基載せていた。捜査当局は、一家が生活苦にあえぐ一方で、周到に脱出を準備できた背景事情に関心を示している。
 調べなどでは、燃料のタンクには、深浦港で保護された段階で90リットルほどの軽油が残っていた。一家は、出発時には200リットルほど積み込んでいた、と話しているという。
 一家が乗っていたのは老朽化した木造船(全長約7.3メートル)だが、予備用とみられるものを含めて2基のディーゼルエンジンを搭載していた。もともと次男がタコ漁に使っていた船だが、内湾でタコ漁をするだけならエンジンは1基で十分という。
 4人は、進む方向を確認するのに重要なコンパスも持っていた。
 北朝鮮の生活事情などに詳しい宮塚利雄・山梨学院大教授は「北朝鮮では軽油は非常に高く、1リットルの価格が平均的な給与の1カ月分に相当すると言われる」と指摘。一家が準備した軽油の価格は、相場通りなら、16年分の収入に相当する。
 「船は古く見えても、軽油が大量に積まれ、予備用のエンジンまであったことを考えると、貧しい状況にあった人たちとは決して思えない」との見方を語った。
 海上の交通に詳しい関係者は、日本海の天候や波が1年で最も安定するこの時期に海路での脱出を実行したことに着目。「冬の間に燃料やエンジンを少しずつ調達し、この時期を待っていたと思う」と、見方を示す。
 捜査当局はこうした状況を踏まえ、いつごろから脱北の準備を進め、どのような方法で燃料などを用意したのかについても事情を聴くとみられる。


 タコ漁をしていたってことで、漁獲が軍の資金源になる北朝鮮の状況を考えれば、軍に関わる階層の人たちであろう。であれば、軽油を入手できないとも言い切れない。漁業関係者には軽油を優先的に配給していた、という可能性もあろうし。
 食糧不足には苦しんでいたけど覚醒剤は持っていたとか、脱北するほど苦しかったのに軽油は入手できたとか、常識的に考えれば矛盾だらけではある。ただ、食糧不足でも覚醒剤が手に入ってしまうという常識外れが、北朝鮮の常態であるから、他の面でも日本人の常識で考えるべきでないとも思える。飢餓にあえぎ資源不足に苦しんでいてもミサイルは開発する、というちぐはぐさが北朝鮮の真骨頂なわけで。


覚醒剤発見 (6/5 1:00)

<脱北者>次男が微量覚せい剤所持 「船で眠らないため」(6/4毎日)
 青森県深浦町で保護された脱北者家族4人の所持品から、微量の覚せい剤が検出されていたことが警察当局の調べで分かった。持っていたのは20歳代後半の次男とされ、調べに「船で眠らないように持っていた」などと説明しているという。密売目的ではないとされるが、警察当局は、覚せい剤取締法違反(所持)容疑で調べており、韓国行きを希望する4人の処遇に影響が出てくる可能性がある。
 調べでは、覚せい剤は約0.6グラムの粉末で、所持品の中から見つかり、次男が所持していたことを認めた。「北朝鮮では覚せい剤は簡単に手に入る。船で眠くならないように持っていた」などと話しているという。注射器などは見つかっていない。警察当局は4人から尿を採取して、使用の有無についても調べている。
 警察庁は北朝鮮が外貨稼ぎのため国家として覚せい剤製造に関与しているとみており、4人が小型船で出港した北朝鮮北東部の清津(チョンジン)港付近を含め国内3カ所に密造工場があるとみている。清津港は過去に日本への密輸事件の積み出し地として使われたこともあり、次男が清津周辺で出回る覚せい剤を入手した可能性もある。
 次男は船の操縦資格があり、北朝鮮ではタコ漁で一家の生計を支えていた。これまでの調べに「苦労して船を購入したが、生活は苦しかった」などと話しているという。
 韓国が4人を引き取る姿勢を見せたことを受け、政府は警察官職務執行法に基づく保護期限が切れる7日をめどに出国させる方向で調整していたとみられる。法務省も4人が申請した一時庇護(ひご)のための上陸許可を与える方針を固めていたが、次男の覚せい剤所持疑惑が浮上したことで、スケジュールの修正を迫られそうだ。
 覚せい剤所持について、警察当局は次男を書類送検する方針を示唆している。仮に書類送検された場合、検察の起訴・不起訴の処分が焦点だ。不起訴(起訴猶予を含む)になれば、その時点で韓国に出国させることが可能となるが、起訴になると公判の結論を待たなくてはならない。いずれにせよ、韓国側が引き取る姿勢を変えないことが前提だ。
 また、保護期限の切れる7日以降の4人の保護場所の問題も出てくる。警察庁は「警察が引き続きガードし、警戒することは可能」としているが、警察署以外の適当な施設探しに苦慮している模様だ。
 覚せい剤所持発覚を受け、法務省幹部は「4人が人道的取り扱いを受けるべき脱北者であることに変わりはない。日本に身寄りがあるわけではなく、最終的に韓国に移住するのが妥当」として、北朝鮮へ送還する予定はないとの見解を改めて示している。


 この記事を得て、「ほら脱北者じゃなかった、覚醒剤の密輸で潜入しようとしたのだ」と言ってる人もいるのだが、持っていた覚醒剤の量が0.6グラムというのが引っかかる。覚醒剤の末端価格は、相場の変動が激しいが、末端価格40億円、覚醒剤所持で中国人5人逮捕(5/11産経)を見ると、51.4kgで40億円ということは、単純計算して1gで77821円。0.6gでは5万円弱である。品質が悪ければ、もっと安くなる。
 もちろん、日本に辿り着くまでに海に落としてしまったとか、発見される前に既に売買を終了していたという可能性もある。だから「人道的判断」のみにとらわれず、時間をかけて予断無く調べ上げていただきたい。

 北朝鮮の工作員である可能性は決して頭から捨て去ってはならない。私も、疑問点が幾つもあって怪しいとは思っている。しかし、今回の覚醒剤の話が即「運び屋だ」「工作員だ」と断定する根拠になるかというと、そうではないように感じる。北朝鮮国内じゃ、覚醒剤がダブついているのも事実だし。もうちょっと確かな情報が入るまで待つべきだろう。



人権 (6/3 22:20  6/4 10:00追記)

「脱北」4人の韓国移送、日韓政府が基本合意(6/3読売)
 青森県深浦町沖で脱北者の男女4人が見つかった問題で、日韓両政府は3日、4人が韓国行きを希望していることを踏まえ、韓国に移送することで基本的に合意した。
 当面、日本政府が4人の保護を続けながら、意思確認などを終えたうえで、韓国に出国させる方針だ。
 一方、青森県警はこれまでの事情聴取などで、4人が家族であることを確認した。4人は日本と北朝鮮を結ぶ貨客船「万景峰号」の入港先だった新潟港を目指していたという。
 麻生外相は3日、韓国・済州島で行った宋旻淳(ソン・ミンスン)韓国外交通商相との会談で、宋氏から事実関係の照会を受けたのに対し、「現在、警察、入国管理当局が事情聴取しており、その結果を踏まえて適切に対応していきたい」と述べ、4人の韓国行きの意思が確認されれば、韓国側に移送する考えを示した。


 韓国への移送については「良かった」と思う。拉致問題を人権問題とリンクさせるという方針ゆえに、「北朝鮮人は追い返せ」というやり方は決して許されない。倫理的問題のみならず、国際社会に拉致問題をアピールする日本の立場を悪くする効果しかない。
 しかし、脱北者は皆受け入れればいいかというと、そうはいかない。今以上に緊張が高まれば、北朝鮮の工作員が脱北者を装って入国してくる可能性もあるし、脱北者が本当に脱北者であっても、本人の与り知らぬところで金正日政府が利用している可能性もある。工作員かどうかを見分けるための体制が盤石であることを期待する。

 今回は脱北者が「韓国行き」を希望したから話がスンナリ進んだのだが、日本への入国を希望した場合は、どうだったであろうか。6/2の毎日記事には、「4人が脱北者であったら、不法入国に当たるので法務当局で難民認定を検討するが、認定の見通しは厳しい。その場合、第三国への送還を検討する」という外務相筋の言葉が紹介されているが、これは「北朝鮮人権法」の趣旨に反するのではないか。理想論的に「人権」を崇め奉るのも危険だとは思うが、北朝鮮を追い込む方策としての「人権」すら放棄するのは、拙いやり方だ。

 たぶん、「脱北者は追い返せ」という意見がどんどん強まってくるのだろうが、もちろんスパイを追い返す準備はしておかねばならないけれども、同時に脱北者保護を利用して金正日体制を揺さぶるくらいの覚悟がないと、拉致問題解決どころか、日本が主権を守れるまともな国になるのは遙か先のこと…となってしまう。実利を考えても、脱北者に冷たい対応をするよりも、(タカリに走った場合の防御姿勢は取りつつ)北朝鮮の情報収集に利用する方が良いだろう。


 人権絡みでこのニュース……これが事実なら、日本の人権への取り組みが疑われることになる。

2007/06/03-17:33 中国民主活動家の入国拒否=天安門18周年で講演(6/3時事)
 中国出身の民主活動家、魏京生氏が2日に米ニューヨークから成田に到着したが、入国を拒否されていることが3日、分かった。関係者によると、入国拒否の理由について、入管当局は「手続きに問題はないが、上からの指示」と説明しているという。魏氏は「このまま米国に帰りたくない」と話し、当局との交渉を継続している。

 「上からの指示」って何だ?その「上」のさらに上には、中共がいるのではあるまいな?
 まったく、どうでもいいところで理想論を振りまいておきながら、本当に人権だとか道義が問題になる場面で臆しやがって。

(6/4 10:00 追記)
成田の入管、中国活動家・魏京生氏の入国拒否…ビザなしで(6/3 23:30読売)
 中国の民主化を訴える活動家・魏京生氏(57)が、東京での天安門事件18年の追悼集会に参加するため成田空港から入国しようとしたところ、査証(ビザ)がないとの理由で入国を拒否されていたことが3日、わかった。
 魏氏は2日に米ニューヨークから成田空港に到着後、そのまま空港内に滞在しており、4日にも国外に出る見通し。
 関係者によると、魏氏は航空会社を通じ、査証なしで最大72時間の滞在を認められる「寄港地上陸許可」を申請した。だが、東京入国管理局は「目的が観光や休息以外の場合は査証が必要」と説明し、入国を拒否したという。
 魏氏は、1978年の中国民主化運動「北京の春」で投獄され、97年に病気治療を名目に渡米が許された。集会は3日夜に東京都内で開かれたが、魏氏の関係者は「入管の対応は納得できない」と話している。


 ビザ無し入国なら、入管の対応も理解できる。他者に対しても同様の対応をとっていた、ビザを持っていれば入国を許可していた…ひとまずそう政府を信じることにしよう。ひとつ気になるのは、時事通信の記事での「手続きに問題はないが」という入管当局の言葉。「ビザ無し」は「手続き上の問題」に入らないのだろうか。



クジラ (6/2 16:00)

捕鯨 譲歩案もけられ… 日本「忍耐もはや限界」 脱退示唆 IWCを牽制(6/2産経)
 米アラスカ州アンカレジで開かれていた国際捕鯨委員会(IWC)総会で、日本代表団は最終日の5月31日(日本時間1日)、日本が求めてきた沿岸捕鯨の再開を拒否されたことを強く非難、IWCから脱退して新たな捕鯨管理機関を設立するなど、今後の対応を検討する考えを表明した。
 日本は同日の総会で、北海道や宮城県など日本沿岸地域で行うミンククジラ漁解禁に向けた決議案を提出。IWCが米国やロシアの先住民向け捕鯨を例外的に認めており、これに準じるものと位置付けた。しかし、ニュージーランドなど反捕鯨国からは日本の提案に、「商業捕鯨再開を事実上求めるに等しい」との批判が相次ぎ、日本は投票を求めず断念した。
 こうした状況に日本政府代表団は総会の席で、「日本の忍耐はもはや限界に近い」とIWC脱退も辞さない構えをみせた。日本が戦後、国際機関で脱退にまで言及するのは極めて異例だ。
 水産庁幹部は、「非常に残念な結果。与党など日本国内には、脱退や新機関の設立を求める意見があることを例示しただけ」とIWCを強く牽制(けんせい)する意味を込めたことを明らかにした。
 IWCでは捕鯨国と欧米などの反捕鯨国が激しく対立。加盟国の投票で決着が図られ、捕鯨支持国の提案はことごとく退けられた。日本も1986年の商業捕鯨モラトリアム(一時停止)以来、忍耐強く捕鯨再開の主張を繰り返してきた。
 今回の総会で日本は、生存のために捕鯨枠が認められている先住民の扱いに準じ、「消費は地域だけに限定する」と大幅に譲歩。宮城県・鮎川など国内4カ所での沿岸捕鯨の解禁を提案したが、拒否された。一方、5年ごとに見直される米国、ロシアなど先住民捕獲枠は更新され、グリーンランドは枠が拡大された。
 日本政府代表は「今回の拒否はIWCの二重基準を象徴している」と総会運営の不当さを訴え、脱退や新国際機関の設立、自主捕鯨の再開の可能性をも示唆した。
 総会の最後に米国のホガース議長は「少しでも多くの国がIWCの異常な状況を見つめ、変えていくきっかけになるよう希望する」と述べ、日本の発言に理解を示した。


 「IWCよさらば!遂に協力の方途尽く。総会、勧告書を採択し、我が代表堂々退場す」って見出しで報道しません、朝日新聞さん?

 日本の捕鯨文化が鯨の数を大幅に減らした、という見方を欧米の反捕鯨国は採っているのだが、クジラの減少についてはむしろ、鯨油を取ることを目的にクジラを乱獲したアメリカやイギリスの責任が大きい。1929-30年の漁期に、イギリスは3万頭ものシロナガスクジラを乱獲した(http://www.fish.hokudai.ac.jp/news/open/2006/gif/060913-04.pdf)。
 鯨油が必要なくなりクジラを観光資源に転換したアメリカは、そんな過去には知らんぷり。そういえば、黒船に乗って来航したペリーも、捕鯨の中継地として開国するよう、日本に迫ったのだった。

 日本は、クジラを骨や皮含め全身余すところ無く利用し、また捕獲した鯨や打ち上げられた鯨を慰霊するために、鯨塚や鯨慰霊碑まで各地に作られた。どちらがクジラを大切に扱っているか、深く考えるまでもない。


 で、個人的には「鯨が食べられない状況」は苦でも何でもないのだが、かといって欧米の「反捕鯨」の意見に同調する気はさらさら無い。日本文化も理解せずに反捕鯨で興奮するおバカな白人にムカつくというのも多少(いやかなり)あるが、反捕鯨国の主張が矛盾だらけで「グリーンピースの手先」としか思えぬ言動の故でもある。非論理的な反捕鯨の意見に与するわけにはいかない。


 IWCの科学委員会によれば、南極海だけで、ミンククジラは76万頭以上の生息が確認されているらしい(もっと少ないと主張する科学者もいるし、いやもっと多いと主張する科学者もいる)。ミンククジラは、2〜3年に一回出産する他のクジラに比べ繁殖力が強く、毎年出産する(以後の文も含め、日本捕鯨協会のサイトを参考にした)。

 このミンククジラが、他の絶滅が危惧されるクジラを圧迫しているという話がある。
 例えば、シロナガスクジラ。シロナガスクジラはオキアミしか食べない。一方、ミンククジラは魚も食べるが、オキアミも多く食べる。増えたミンククジラがシロナガスクジラの生息する海域に多数進出し、結果的にシロナガスクジラの餌場をミンククジラが荒らすことになっている、という。
 絶滅の危機に瀕するクジラを保護するのであれば、シロナガスクジラの保護のためにミンククジラの数を調整せねばならない。しかし、反捕鯨国はシロナガスクジラの保護を主張しながら、同時にミンククジラの捕獲にも反対する。その態度は全く合理的ではない。

 また、「先住民生存捕鯨」として、イヌイットなどには、ホッキョククジラやナガスクジラを取ることが例外的に認められている。彼らは鯨を捕らねば生存できない、捕鯨が伝統文化である、ということなのだが、捕鯨が伝統文化であるのは日本も同じであるし、アメリカの経済力を以てすれば、イヌイットに捕鯨させることなく生存を保証することも問題なかろう。自国の先住民と日本人に対して基準を使い分けるのに、合理的な理由など無い。


 もう一つ、反捕鯨の言い分として、「クジラは知能の高い生物だから食べるのは可哀想」というのがある。これなどは、「じゃぁお前らは牛を食うな」と言えば済む話で、まったく合理的でない。だいたい、知能の高さで食べるか食べるべきでないかを決めるなど、人間の驕りでしかなかろう。他国の食文化にケチをつけるところなどは、文化的差別だとも言える(韓国の犬食に文句言うのも同類だ)。


 ちなみに、クジラのせいで大衆魚が減ったという説には、私はまだ懐疑的だったりする。
 ミンククジラなどはオキアミだけでなく魚も食べるのだが、沿岸漁業で獲れる大衆魚、イワシやサンマやアジの漁獲高が減ってきているのも、鯨がそれらを食べてしまうから、という説がある。人間が食べる魚介類は年間9000万トン。鯨が年間に食べる量は5億トンといわれている。確かに、クジラは人間の食べる分まで食い尽くしそうに思えてくる。
 ただ、大衆魚の減少はクジラ以外の環境の変化に起因するという説も有力。また、この部分に関しては、まだ判断を留保。まぁ、かなり「クジラのせい」に傾いてはいるんだけど。


 だいたいグリーンピースのような環境ゴロの代弁しかしないIWCは、もはや存在する意味を持たないだろう。まともな国だけで、クジラについて科学的に調査する機関が作れるのなら、IWC脱退は決して感情論でない、現実的な選択肢だと思う。



自民も拙い (6/1 0:00)

 自民党のサイトの、政策パンフレットというページに、あなたの年金が消えたわけではありませんというpdfファイルのパンフレットが置かれている。
 「消えたわけではない」というのはその通りで、基礎年金番号への統合が進んでいないことを「消えた」とセンセーショナルに伝えるマスコミや民主党への反論としては、確かにこのパンフレットの必要性は肯ける。
 ただ、2ページ目に書かれていた菅直人への批判は要らない…というか、下品な民主と同じ土俵に立ったようで、自民党にはマイナスだと思われる。その文面はこんな感じ。
 基礎年金番号設計導入時の大臣は
 基礎年金番号導入の閣議決定→※菅直人厚生大臣
 切り替え業務開始→※菅直人厚生大臣
 基礎年金番号実施関連省令改正→※菅直人厚生大臣
 ※現在、民主党の代表代行です!


 菅直人に仮に責任があったとしても、この書き方は責任転嫁にしか見えないし、なんだかガキの悪態みたいで程度が低い。また、菅のあとにも小泉を筆頭に自民党の人間が厚相に就いていたわけだし、大作党からはスダレも厚相を務めている。全部を菅の責任にするのは、見苦しい姿勢だ。
 まぁ自身は対案も出さずに政府を批判するしか能がない民主党の姿勢が、菅を批判する自民党の態度へ繋がったのではあろうが、それにしてもあんまりな幼稚さだ。民主党や菅を批判するにしても、もうちょいとやり方があるだろうに。