過去の世迷い言                前のページへ戻る

やりきれない話 (8/31)

<横浜女性殺害>被害者の母自殺 法廷で被告が遺族に暴言(毎日)
 横浜市瀬谷区で00年、会社員の渡辺美保さん(当時22歳)が殺害された事件で、美保さんの母の啓子さん(53)が今月1日、電車にはねられ死亡していたことが分かった。神奈川県警は自殺とみている。殺人罪などに問われた穂積一被告(28)は昨年3月の横浜地裁判決の際、法廷で「お前らが駅に(迎えに)行かなかったから、娘は死んだんだ」と遺族に暴言を浴びせていた。自殺の背景にはこうした経緯もあったとみられる。
 調べでは、啓子さんは1日午後2時半ごろ、同区内の相模鉄道線踏切で電車にはねられ死亡した。靴がそろえて置かれていた。遺書はなかった。
 1、2審判決によると、美保さんは00年10月16日夜、相模鉄道三ツ境駅から帰宅途中、穂積被告の車にはねられた後、近くの農具置き場に連れ込まれ、包丁で刺殺された。穂積被告は美保さんの中学の同級生で、美保さんに一方的な好意を抱いていた。穂積被告は03年9月に自首したが、公判で否認。東京高裁は29日に地裁の無期懲役判決を支持し、穂積被告の控訴を棄却した。【伊藤直孝】


 「あんた何様?日記」にて知った記事。
 
翻弄される遺族 横浜・瀬谷の女性殺害(04年12/20付朝日)
 横浜市瀬谷区で会社員渡辺美保さん(当時22)が殺害された事件で、殺人罪などに問われている無職穂積一被告(26)の論告求刑が20日、横浜地裁である。娘が遺体で発見され、3年後に容疑者が自首したが、初公判で無罪を主張した。異例の経緯に、両親ら遺族は翻弄(ほんろう)されてきた。
 (中略)
 捜査は難航した。事件から1年後には、捜査員からの電話さえなくなった。啓子さんは「私たち見放されちゃったね」と繰り返した。03年5月、捜査してくれていることを確かめようと訪れた署の捜査本部で、啓子さんは収納ケースの底でつぶれた美保さんのバッグを見た。無念さが増した。
 03年9月6日、近くに住む穂積被告が瀬谷署に自首。「帰宅を待ち伏せし、車でひいた後、ナイフで刺して殺害した」と供述し、2カ月後に逮捕された。
 進展しない捜査に、両親は懸賞金を出すことを考え始めていた。だが、それから間もない11月5日、「容疑者逮捕」の知らせを、新聞記者から受ける。容疑者は美保さんと中学の同級生だった。「逮捕されたよ」。保さんは美保さんの仏前に報告した。
 「おめでとう」と言ってくれる知人もいた。確かに、捜査は一区切りついた。しかし、漠然としていた憎しみの対象が明確になっただけのことだった。
 今年2月19日の初公判。穂積被告は「やってません。そんなとこ(現場)にも行ってません」と無罪を主張した。
 無罪主張に、保さんらは虚をつかれた。自首した被告が否認すると予想していなかった。
 すでに20回を数えた公判を、家族3人が毎回最前列で傍聴した。目の前で、被告側が裁判長に主張を訴える。だが、自分たちは、意見陳述の機会以外、それを見て、聞くことしかできない。
 啓子さんの左腕には無数の傷がある。夏前から始まったリストカットの跡だ。自分では記憶すらない。主治医は「公判を傍聴した後にやってしまうようだ」と言う。


 被告が人間のクズであることはほぼ間違いないと言えるが、被告の言動が自殺の直接の原因かどうかは微妙なところ。もちろん、被告による娘の殺害が、全ての心的問題の契機であることは疑いないのだが。
 被害者遺族への配慮が議論されたのはこの数年のこと。それまでは、加害者の人権ばかりが云々されていた。今回の件に関し、過剰に加害者の権利を尊重したというわけではなかろうが、しかし被害者遺族を事件後にどうケアしていくのかという視点が無かったのは確かだろう。記事中の警察の行動を見ても、「守るべきは被害者の側」という意識が警察にあったようには見えない。また、卑劣な人間性の持ち主が長くても20年ほどで出られる無期懲役というのは、しかもその理由が「若くて更正の可能性があるから」というのは納得しがたい。
 同級生の女性を、乱暴しようと待ち伏せし、車ではねた上で別の場所へ連れて行き、包丁で首を刺して殺害。しかも、自首しておいて、裁判では無罪を主張、さらには遺族への暴言。どう考えても更正なんてあり得ないと思うのだが、判決は無期懲役。確かに判例を考えると死刑は難しいのかもしれない。しかし、死刑と無期の間に終身刑を置くといった措置を、と言われるようになって久しい。

 終身刑が導入されれば、死刑廃止の主張も多少は現実味を帯びるんだけどねぇ、死刑廃止論者の方々。


 メモ1。
【中国】外交部:東シナ海ガス田問題で反論「正当な開発だ」
 東シナ海の日中中間線付近で中国が新たな採掘施設「八角亭」を建設していると報じられたことを受けて、外交部の秦剛・報道官は30日付で談話を発表した。
 秦報道官は談話の中で「中国は東シナ海にある自国の大陸棚でガス田開発を行っているに過ぎない。正当な開発であることは明白だ」「中国は日本が新たな問題を持ち出してくることに反対する」と主張。
 一方、秦報道官は「東シナ海の境界線に関して両国には意見の隔たりがあるが、日中双方は交渉を通して問題を解決すべきだ」と述べた。(編集担当:菅原大輔)(サーチナ・中国情報局)

 日本政府はガス田開発に対して、何ら対抗策を具体的に打ち出せていない。手をこまねいている内に、着々と事態は進んでいるようで。
 ちなみに中国の言う「交渉」とは、「俺様の言うことを聞け」という意味であります。

 メモ2。
河野衆院議長、安倍氏の外交路線に疑問(産経)
 河野洋平衆院議長は29日、福岡市で講演し、対中国外交に関連し「『インドと日本が組むと中国に対する牽制(けんせい)になる』と言う人がいるが、必ずしも牽制のカードになる状況ではない」と述べ、インドとの連携強化を提起している安倍晋三官房長官の姿勢に疑問を呈した。
 河野氏はさらに、7月の北朝鮮の弾道ミサイル発射について「(北朝鮮の)やり方は論外だが、十分な議論もせずに直ちに経済制裁だと言っていいのか」と指摘し、安倍氏が北朝鮮への「圧力」を重視していることを念頭に外交努力を訴えた。


 こんなのが6回も外務大臣になっているという呆れた現実(改造内閣での留任なども含む)。そんな時代に比べれば、河野が政治力を失ってきている今、少しは日本もまともになってきたのかな。
 ちなみに、多少マトモになってきたことを以て、或る方々は「右傾化」と言います。


 拉致映画制作に関するカンパについてのお知らせ。
お知らせ:支援カンパ口座開設 拉致映画製作実行委員会(電脳補完録)
 拉致映画の製作を目指している拉致映画製作実行委員会では、従来、ダイヤルQ2コールでの支援をお願いしてきましたが、この度、支援カンパ用の郵便・銀行口座を開設いたしました。
ダイヤルQ2が利用出来なかった方からの有り難いお申し出もいただき、郵便局とイーバンク(ネット銀行)に専用の口座を開設しました。詳細をご一読いただき、ご支援賜りますようお願いいたします。
拉致映画製作実行委員会
http://kouzanji.s220.xrea.com/

拉致映画製作実行委員会



特亜絡み2題 (8/30)

拉致解決へ中国に対北制裁求める…家族会と救う会(読売)
 【北京=末続哲也】拉致被害者の家族会と支援組織「救う会」の中国訪問団は29日、北京で記者会見し、中国政府あての書簡を発表した。
 書簡は、北朝鮮が中国など12か国の国民を拉致したとし、「拉致は許し難い国家テロで、国際社会全体の敵だ」と強調、拉致問題解決へ向け、中国が北朝鮮に「厳しい制裁」を科すよう求めた。中国人被害者の情報を中国側に提供する考えも表明した。
 書簡は、訪中団が中国外務省担当者と会談する際に手渡す予定だったが、中国側が28日に会談中止を通告してきたため、別の方法で届けるという。


<拉致問題>家族会との意見交換中止…中国政府の意向働く(毎日)
 【北京・飯田和郎】北朝鮮による拉致被害者の家族会の増元照明事務局長らは29日、北京で記者会見し、中国人学者との意見交換が中止になった理由について「北朝鮮を刺激したくないという中国政府の意向が強く働いたため」との見方を示した。
 増元さんらは仲介者を通じ「要職にあり、北東アジア情勢に詳しい学者ら6人」と意見交換会を北京で計画していた。中国側は「上の方からOKが出た」と応じる方針だったが、一行の北京入り後にキャンセルされた。
 また家族会は、同様に面談を希望していた中国外務省当局者に対し、マカオから拉致されたとみられる中国人女性2人に関する情報を提供し、「すべての拉致被害者が家族の元へ帰れるよう尽力してほしい」と訴える予定だったという。
 増元さんは「拉致被害者を出した国同士、日中が協力できたらと思っていたのに残念。中国政府にも中国人拉致問題の解決に向けて積極的に動いてもらう運動をしていきたい」と語った。


 会談中止の報道が世界にされれば、それはそれで「自国民の拉致にも冷淡な中共」「人権軽視の中国」という印象を改めて世界に知らしめることになり、ある意味では「成果」だったかも。
 北朝鮮に圧力をかけるにあたって、北朝鮮と中国との繋がりは非常に邪魔。ゆえに、少しでも制裁の効果を高めようと、僅かの可能性に賭けて訪中することを、誰が批判できようか。本来は政府が率先しておこなうべき事案でもある。
 しかし、こんな意見もあるようで。

 「家族会」と「救う会」が「国家テロ」に名を借りたやりたい放題、したい放題のシナ・中共の民族大弾圧の加担者になるのか。あの自民族、他民族問わず苛烈極まる殺戮を強行して恥じないシナ・中共に人道支援のお願いとは。目を覚ませ!

 中国に「お願い」に行ったという解釈がどうも私にはしっくりこないのだが。むしろ要求と言うべきものではないか。
 中国人も拉致されていることをアピールし、中国を対北朝鮮の枠組みに引き込もうと考えているだけ。中国に日本や救う会の意見を述べに行くこと、何とかして中国を引き込もうとする行動が、なぜに中共の人権弾圧への加担になるのか、意味が分からない。日本と何か対立事案がある国とは断交しろという意味かな。勇ましいことで。


竹島近海 韓国また海洋調査へ(東京新聞)
 韓国政府が十月中旬にも、実効支配する竹島(韓国名・独島)近海を含む海域で、七月に続いて海洋調査を実施する方針であることが二十七日、分かった。十月末までの約二十日間のうちの一定期間行う予定で、範囲は七月調査と同様、竹島周辺の日本が主張している排他的経済水域(EEZ)や領海も含まれているとみられる。
 日本政府は既に同調査計画を把握。同海域での調査については、日韓双方が紛争回避のための事前通報制度創設をめぐり、協議を始める方向で歩み寄ってきたところだけに政府も事態を憂慮。九月上旬にもソウルで開かれる日韓EEZ境界画定交渉などの場で詳しい説明を聞いた上、自制を求めていく考えだ。
 ただ韓国は七月の前回調査の際、日本が再三自制を求めたにもかかわらず、竹島周辺の日本が主張するEEZや領海内で、海流の塩分濃度などに関する調査を実施。このため今回も韓国が調査中止を受け入れるかは不透明で、強行した場合は日本も対抗して海洋調査を検討する構えだ。
 韓国の七月の海流調査直後、日本は竹島近海などで海水中の放射能を測定する調査を八月末にも行う方針を伝達。しかし九月のEEZ交渉で、日本が従来提案してきた事前通報制度創設について韓国側と正式協議することになったため当面延期する方針を決めている。

 韓国に「自制」を求めるのはちょいと酷な要求なのかもしれない。
 問題の棚上げが後々に禍根を残すことは貝殻島近海での漁船拿捕で、身に染みて感じたことのはず。わずかでも譲歩の姿勢を示すと、そこにどんどん付け込んでくるのが特定アジアの行動原理。

竹島上陸制限、完全撤廃を=実効支配強化に意欲−韓国知事(時事)
 【ソウル25日時事】韓国が実効支配する竹島(韓国名・独島)を管轄する金寛容・慶尚北道知事は25日、竹島への上陸制限の完全撤廃に向け、同島の開発を進める方針を表明した。通信社・聯合ニュースとのインタビューで語った。日韓両国が竹島の領有権をめぐり対立する中、実効支配を強化することが必要との考えを示したものだ。

 日本も、「協議中だから調査を延期」というような譲歩はせず、あくまで「日本の領土」として粛々と対応していただきたい。

 おまけに、「意地を張らないで」はお前等にそっくり返すわ!という話。

日本語で「独島は韓国領です」=対立あおる新曲登場−韓国(時事)
 【ソウル24日時事】日韓両国が領有権を主張する竹島(韓国名・独島)をテーマにした歌「独島はわが領土」の新バージョンCDが近く、韓国で発売される。日本語歌詞が含まれる新曲は、日本との対立や南北朝鮮の民族共闘を呼び掛けており、物議を醸しそうだ。
 「独島は韓国の領土です。どうか、どうか意地張らないで」。ロック調の「新・独島はわが領土」は、この日本語歌詞を繰り返し、日本に竹島領有の主張を取り下げるよう訴える。また、「4800万(韓国の人口)、2300万(北朝鮮の人口)の南北の連合軍、最後の1人まで立ち上がれ」などと韓国と北朝鮮の人々が共に竹島防衛のため戦うよう求める歌詞もある。
 既に日本文化の開放が進んだ韓国だが、日本語歌詞が含まれていることを理由に事前の内部審査で放送禁止処分を通告した放送局もあったという。しかし、作詞と作曲を手掛けたパク・イノ氏が「独島は韓国領だと日本人に知らせなければならない」と説得し、この審査も通過した。
 1982年に発表された前作は、竹島の緯度や経度など地理や自然を細かく歌詞に盛り込んでいる。ユーモラスな演歌調のメロディーで、韓国では広く親しまれてきた。日韓関係が政治的にぎくしゃくする中、新バージョンが定着するか注目される。




既に左巻きの巣窟 (8/29)

 blogを巡回していると、Oh my News創刊って話を発見。電波浴が趣味だった拙者も久々に血がうずき、様子を見に行ってみた。電波が嫌いな人は今日は読み飛ばしてください。

 まず、最も「左巻き具合」が分かる靖国問題についての文章を見てみる。

小泉首相は無責任だ 靖国に歴史を学べ
 小泉首相が首相在職中最後となる8月15日、靖国神社に参拝した。公用車で靖国神社を訪れ、「内閣総理大臣 小泉純一郎」と記帳。現職首相による終戦記念日の参拝は85年の中曽根康弘元首相以来21年ぶりだそうだ。予想された中国や韓国からの反発に対し、「外国政府が心の問題にまで介入して外交問題にしようとする姿勢は理解できない」と不快感を表したという。
 8月15日、靖国神社を参拝する小泉首相(ロイター)
 「心の問題」「私人として」というのなら、公用車を使って神社にまで足を運び、「内閣総理大臣」と記帳するのは明らかに矛盾ではないか?公私混同はなはだしい?(「公用車は公務を遂行するために必要がある場合に限り利用することができる」というのが常識のはずだが、首相は特別に私用にも公用車が使えるのか?)一国の首相が他国との外交関係に関する行動を「心の問題」で収められるのか?「私人」で行くならなぜ公用車を使う?「公人」であるならなぜ国会等で靖国神社や祀られている人々の位置づけを議論せずに独断で行くのか?賛成者ばかりでなく、参拝に反対で迷惑にさえ思っている日本人がいることは分かっているのか?
 靖国神社に関してはA級戦犯の合祀問題、遺族の心情など複雑な問題が絡んでいるが、一国の首相で国を代表する立場になるのであればもっと慎重になるべきで、あまりにも無責任だ。
 実際、中国や韓国の対日感情は悪化しているし、参拝に賛成にしろ反対にしろ、その尻拭いをするのは周囲の人々だ。私もイギリス留学中、中国人の友人を中心に「日本は何を考えているのか」と言われたことも多々だった。個人的に第二次世界大戦で日本はアジア諸国に甚大な被害をもたらしたと考えているし、そのような戦争に駆り立てた当時の指導者層をも「神」として祀る靖国神社に首相が参拝するのに反対なだけに、「一緒にしないでほしい」と嫌な思いを何度も味わった。ドイツ人やイギリス人の友人らにも同じようなことを言われるし、イギリスの新聞を読んでいても「過去を反省しない日本」批判の記事が目立つ。たとえが極端だが、彼らには今のドイツ政治家がナチス戦犯の墓に参るように見えるらしい。
 「中国、韓国が口出しする問題ではない」と小泉首相はいうが、日本国内でも反対意見が半分近くを占める状況をどう見るか。日本遺族会でさえ靖国神社に祀られているA級戦犯分祀の是非の検討を始め、先日は昭和天皇が合祀に「不快感」を示していたという元側近のメモも見つかった。中国、韓国はさておいて、小泉首相は日本国内の批判の声にもなんら答えていない。
 鳥越編集長が開店準備中ブログにも書いていたが、人々を戦場に駆り立てるのに時の政府・軍部が靖国神社を利用していたのはよく指摘されることであり、靖国神社の成り立ちや戦時中に果たした役割については様々な文献が出版されているが、これらを踏まえず、「国のために殉じた人々を祀る靖国神社に参るのがなぜ悪い」と感情のみ走った議論が多すぎるように見える。欧米列強の脅威とアジアの植民地化の恐れ、資源の確保などの理由があったかも知れないが、アジアを中心に多大の被害を出した第二次世界大戦を引き起こした責任は免れないし、誤った情報を流し続けて日本国内でも多くの被害者を出し続けたのも事実だ。
 「謝ったのに、なんでアジアはいつまでも言い続けるのだ」と私も一時は考えたこともあった。だが中国の友人らから「謝ったのはわかるし、評価している。けれど、その一方で首相や大臣が靖国神社に行く。本心では謝罪していないのではないのか、としか思えない」と聞き、「そう思われてもしかたがないなあ」と思った。日本には「過去のことは水に流す」といった禊の文化があるが、それは世界普遍の原理ではない。
 中国や韓国のナショナリズム教育も問題で、日本たたきを国をまとめる手段の一つにしていることは否めない。ならばそれに口実を作らせず、将来に向けた関係を作るためにも靖国神社問題、戦後補償問題などは「歴史認識の違い」といった言葉で一方的に対話を閉じるのではなく、きちんと協議すべきではないか。先にも述べたが、私自身は参拝には反対であるが。
 このようなことを言うと「自虐史観」という人もいるが、過去に何が起こったかを見つめるのは大切だし、このように思うからといって「自国を貶めている」とは思わない。私自身、日本はいい国だと思っているし、誇りにも感じる。南京大虐殺や従軍慰安婦、731部隊のことなども詳しく学んだが、これらは「歴史」になりつつあり、その上にたって他国との関係を作っていくことが重要だと考える。「国を守るために」「アジアの解放のために」との「崇高な理念」が、どのようにしてアジア諸国の人々の虐殺や壊滅的な破壊につながったのか。ある国の「善意」が、他国にとっての「悪意」になぜ、どのようにしてなりうるのかー。それらを考えるのにも靖国問題はいい機会なのではなかろうか。


 「彼らには今のドイツ政治家がナチス戦犯の墓に参るように見えるらしい」じゃなくって、ちゃんとそうじゃないことを説明しろよ。日本に対する誤解を放置するのも、無知がゆえの罪悪ではないか。アホな批判を跳ね返せるだけの知識がないだけの人が、よく知的な背景も持たずに靖国を悪し様に言えるな、と関心。いったい何を「詳しく学んだ」のか。


 次は、いちばん初めに目にしたこの記事。8/1に投稿された物で、準備期間に既にアップされていた物のようだが。
追記:この文章は「釣り」だったって話もあるようですね。釣りだったら、釣られたおいらがアホだったということで。ま、そうだとしてもこの文章を採用するオーマイニュースの編集者の能力は問われて然るべきだがね

インターネット上ではびこる浅はかなナショナリズム
 昨年、インターネットの申し子とも言うべきひとつの書籍が発行された。
 ご存知の方も多いとは思うが「嫌韓流」である。
 この本は、第二巻まであわせて、数十万部という売れ行きを記録し、若者を中心とする購入者の考え方に大きな影響を及ぼした。
 筆者もインターネットはよく利用するが、この本の発行は信じられないものであった。
 実際に買って読んでみたが、的確なソースが見当たらない。
 たしかに信憑性のありそうな事象を取り扱ってはいるものの、明らかに韓国のみを一方的に批判する内容であった。
 日本が戦時中行なってきた蛮行や残虐な行為がその原因であることに触れずに、だ。
 最近インターネット上で一部支持されつつある主張のひとつに、太平洋戦争において日本に罪はない、という主張がある。
 これは、日本はアメリカなどの圧力により開戦を余儀なくされたという、日本の侵略責任をすべて放り投げるようななんとも横暴な論理である。
 この一見筋の通ってないような無茶苦茶な論理が、インターネットを利用する若者の間では当たり前の説となっているようだ。
 主にこの主張と思われるのが、悪名高い「2ちゃんねる」である。
 一昨年の電車男や、昨年ののまネコ問題などで、一般人に浸透しかけてはきているものの、未だにその匿名性や不透明性からによるアングラ的要素は存在している。
 この「2ちゃんねる」の、韓国を扱うハングル板(掲示板の単位)や、東アジアに関するニュースを扱う東アジアニュース+板というところでは、香山リカ氏のプチナショナリズムに収まりきらないような、過激なナショナリズムが展開されており、筆者も覗いてみたところ目を覆うような内容の発言ばかりであった。
 こういう板で、韓国や中国を擁護したり、今の日本を批判したりするような書き込みは「ホロン部」と呼ばれ、徹底的な集団的言論攻撃を受けている。
 このような集団による一方的な攻撃の存在により、これらの掲示板にはある片方の考え方しか存在しなくなっているのである。
 彼らは日本の再軍備や、アジア諸国との断交なども声高に叫ぶ。
 しかし、果たしてこういった主張をする意味があるのだろうか?
 日本は古くよりアジアの影響を受けてきた歴史があるし、アジアとのつながりなくしては生きていけない国である。
 どう考えても不可能かつ日本を陥れるような発言を次々と繰り返しているのだ。
 これらの掲示板を閲覧したり、書き込んだりしている人は大体10代後半から20代だといわれている。
筆者は、同年代に生きる同じ日本人として、彼らの言論、そしてこの国の未来が心配である。


 ハン板ほど韓国に対する愛着を感じられる板はないと思うのだが……最近行ってないけど、雰囲気変わったのかね?確かにネット上には、勇ましい発言ばかりで中身のないウヨクさんもいるだろうが、明らかにされてこなかった事実を調べて自分なりの歴史観・国家観を構築しようとしている人もたくさん存在している。右寄り発言が全て「浅はかなナショナリズム」に見えるのならば、それはそういう文しか見ていないか、己の目が節穴かのどちらかだろう。

 論説系の記事はおおよそこんな感じ。エッセイ風の記事にも、特殊なキチガイを日本人一般に敷衍させようとする妙な文章があった。ただのニュース記事は、ヤフーでも見てれば済むからイラネ。

 多くの人が予見していたように、やはり左巻きの溜まり場にしかならないと思われ。左巻きの意見を言いたい人のための、「ふんだんに金を掛けたwiki」にしか見えない。特定アジアが好きな人たちのハブサイトにはなれるだろう。 


 おまけ。

<強制わいせつ>ボランティア韓国女性に 男逮捕 長崎(毎日)
 長崎県警対馬南署は26日、同県対馬市厳原町、アルバイト、小西太造容疑者(20)を強制わいせつ等致傷容疑で逮捕した。
 調べでは、小西容疑者は25日午後11時半ごろ、同市美津島町の市道で、韓国・釜山市から来ていた女子大学生(22)の首を両手で絞めて性的暴行した疑い。女子大生は首に皮下出血の軽傷。容疑を認めているという。
 女子大学生は対馬市で26日夕に開かれた音楽祭「対馬ちんぐ音楽祭2006」(実行委主催)のボランティアとして同市を訪れていた。小西容疑者は地元海水浴場にある「海の家」でアルバイトをしていた。2人は事件直前に知り合い、道を歩いていて突然、小西容疑者が襲いかかったという。女子大学生は26日未明に被害届を出した。
 音楽祭は、音楽による日韓交流を目指して96年から毎年続いている。「ちんぐ」は韓国語で「友達」の意味。今年は日韓から歌手の森山良子さんや小室等さんら7組のアーティストが出演する予定で、女子大学生を含め韓国から4人がボランティアとして来ていた。


 事実であるならば国辱モンだな。
 それはそれとして、韓国からの「観光客」が横暴に振る舞って困っている対馬で、韓国語をタイトルの音楽祭ってのがものすごく引っかかるのだが。



「史実」に紛れた創作 (8/28)

 感動の押し売りはウザい、人のために採る行動はひっそりとやるべきモンだろ……と、おそらく4年くらい連続で書いてると思います>24時間テレビ。

 そういや猫殺しの作家が話題になっている(なっていた)ようで。
 子猫を殺したいという衝動を正当化したいだけなんじゃないスかね。作家だから、世の中の常識から外れたキチガイでも別にかまわんとは思うが、そのキチガイに変な理屈を付ける必要はなかろうに。
 しかし、猫の生き甲斐ってセックスだけなのかねぇ。うちの周りのネコどもを見てると、生殖活動以外にもけっこう生き甲斐を見つけて楽しんでいるように見えるのだが。


 さて、戦争の真実がひとつ明らかに。

「軍命令は創作」初証言 渡嘉敷島集団自決 元琉球政府の照屋昇雄さん(産経)
 第二次大戦末期(昭和20年)の沖縄戦の際、渡嘉敷島で起きた住民の集団自決について、戦後の琉球政府で軍人・軍属や遺族の援護業務に携わった照屋昇雄さん(82)=那覇市=が、産経新聞の取材に応じ「遺族たちに戦傷病者戦没者遺族等援護法を適用するため、軍による命令ということにし、自分たちで書類を作った。当時、軍命令とする住民は1人もいなかった」と証言した。渡嘉敷島の集団自決は、現在も多くの歴史教科書で「強制」とされているが、信憑(しんぴょう)性が薄いとする説が有力。琉球政府の当局者が実名で証言するのは初めてで、軍命令説が覆る決定的な材料になりそうだ。(冒頭抜粋)

 照屋さんの証言にまずは感謝。以前、曾野綾子さんが著書で「軍命令」に関する疑問を提示していたが、照屋さんの証言で戦後知識人が吹聴していた「事実」は間違いだと裏付けられた。

 遺族に年金を渡すために敢えて汚名をかぶった赤松元大尉。記事には「45年3月、集団自決慰霊祭出席のため渡嘉敷島に赴いた赤松元大尉は、島で抗議集会が開かれたため、慰霊祭に出席できなかった」とあるが、そのときの心中は察するに余りある。戦争が終わった後も戦っておられたのだ。かと言って、照屋さんや玉井村長を糾弾するのも筋違い。誰もが必死に戦っていた、それだけだ。

 そんな覚悟と優しさを知ってか知らずか、旧日本軍叩きに利用した大江健三郎。「極悪非道」の日本軍を批判することが己の知性と良心を示すことになると思い込んでいる、典型的な戦後知識人。確かに戦時中の問題点を指摘するのは大事なことだろうが、事実に反する主張で以て批判するのは、批判ではなくただの反日プロパガンダに過ぎぬ。南京大虐殺然り、従軍慰安婦然り、百人斬り然り。
 いったん流布した話を訂正するのは大変なことだ。おそらく、この話も産経くらいしか報じず、多くの人は「日本軍が民間人に集団自決を強制した」と思い込んだままであり続けるのだろう(たくさんの人にこの話をして広めよう)。GHQと戦後知識人が作り上げた「太平洋戦争演義」は史実と混同されて久しい。


遊就館展示内容変更に関するいろんな話 (8/26)

 靖国遊就館の展示内容変更に関する話。細かく意見を書くことは避けて、引用中心に流れを追う。
 
 まずは、岡崎久彦さんの媚米発言。

【正論】岡崎久彦 遊就館から未熟な反米史観を廃せ(8/24)
 《唾棄すべき安っぽい議論》
 8月20日の米紙ワシントン・ポストに保守派の論客として知られるジョージ・ウイル氏が論説を掲げ、安倍晋三氏は新総理となったら靖国に参拝すべからずと論じている。
 その理由として挙げているのは、単に日中関係が悪いから修復する必要があるということだけであり、米国の世界戦略にとってどうのこうのという論点は全くない。むしろ、全体の書きぶりは、歴史家ウイル氏らしく、中立的、思索的であり、日本に対する非難のトーンはない。
 たとえば、中国が内政干渉する以上、日本は言うことを聞けないとの態度に対しては、ネルソンの火掻棒理論を紹介している。
 トラファルガーの海戦の前に、火掻棒を手にしてネルソンは言った。「火掻棒をどこに突っ込もうとおれはかまわない。ただナポレオンがここに突っ込めと言うなら、おれは他の所に突っ込む」。これを良いとも悪いとも言わず、中立的な歴史的な例として紹介しているだけである。
 ただ、他のすべての個所はユーモアと余裕をもって書いているのに、一カ所だけ文勢が激しいのは、遊就館の展示についての次の部分である。
 「遊就館の展示によれば、『大東亜戦争』は、ニューディール政策が大不況を駆除できなかったので、資源の乏しい日本を禁輸で戦争に追い込むという、ルーズベルト大統領の唯一の選択肢として起こされたものであり、その結果、アメリカ経済は完全に回復した、と言う。これは唾棄(だき)すべき安っぽい(あるいは、虚飾に満ちた、不誠実な=dis−gracefully meretricious)議論であり、アメリカ人の中で、アンチ・ルーズベルトの少数ながら声ばかりは大きい連中が同じようなことを言っていた」
 ウイル氏は引用され得る少数論の存在もちゃんと示しながら、この論に対する侮蔑(ぶべつ)の態度を明らかにしている。そして更に「小泉氏も安倍氏も、靖国参拝の際、遊就館には行っていない」と公平に付記している。
 全体の論旨には賛同できない点はある。というよりも、彼は私の尊敬する歴史家であるが、現実に動いている国際情勢については事実の誤認がある。

《知のモラル上許せぬ展示》
 2005年4月に中国で起きた反日デモは靖国とは何の関係もない。日本の安保理常任理事国入り反対は、官製デモの目的であり、靖国参拝の結果ではない。
 昨年10月の小泉総理参拝の前に、私は、反日デモは警察の厳戒態勢内の少数の抗議運動以外は有り得ないとして、総理の参拝を支持したが、現にデモはなかった。8月15日の参拝後もそうだった。
 昨年の総理参拝のころから、日本の対中国投資は再び活発になっている。問題は首脳会談がないという人為的な障害だけであり、むしろ、こんなものは無視した方がよいという歴史観に基づく判断もあってよいと思う。
 この論文を読んでいて、ウイル氏が歴史家としてのインテレクチュアル・インテグリティー(知性のモラル)上、真に許せないと思っているのは遊就館の展示だと思う。
 この展示には、日本では他の国より弱いかもしれないが、世界的にどこでもある反米主義の一部が反映されている。過去4年間使われた扶桑社の新しい教科書の初版は、日露戦争以来アメリカは一貫して東アジアにおける競争者・日本の破滅をたくらんでいたという思想が背後に流れている。そして文部省は、その検定に際して、中国、韓国に対する記述には、時として不必要なまでに神経質に書き直しを命じたが、反米の部分は不問に付した。
 私は初版の執筆には全く関与しなかったが、たまたま機会があって、現在使用されている第2版から、反米的な叙述は全部削除した。

《これでは靖国をかばえず》
 戦時経済により、アメリカが不況の影響から最終的に脱却したことは客観的な事実であろうが、それを意図的にやったなどという史観に対しては、私はまさにウイル氏が使ったと同じような表現−歴史判断として未熟、一方的な、安っぽく、知性のモラルを欠いた、等々の表現−しか使いようがない。
 私は遊就館が、問題の個所を撤去するよう求める。それ以外の展示は、それが戦意を鼓吹する戦争中のフィルムであっても、それは歴史の証言の一部であり、展示は正当である。ただこの安っぽい歴史観は靖国の尊厳を傷つけるものである。私は真剣である。この展示を続けるならば、私は靖国をかばえなくなるとまであえて言う。(おかざき ひさひこ=元駐タイ大使)


 まぁこの人らしい文章ではあるな。反日サヨクが中国や韓国を崇拝するのと同じ次元で、アメリカ様を崇拝しているだけ。なんで自国の歴史観をアメリカの都合に合わせて変えなきゃならんのだ。それなら、アメリカの「原爆によって犠牲者が少なく済んだ」っていうアメリカのアホな歴史観も糺して欲しいモンだがね、岡崎さんよ。
 8/15に拙者の書いた文を自己引用。
 小泉さんの参拝を以て「中韓はもう切るべき外交カードを持たない」とか「反日勢力の事実上の崩壊を意味する」とか言う意見も見かけたが、戦後民主主義の呪縛はそんなに簡単に解けるものではなく、楽観的すぎると思われ。仮に中韓を撃退したとしても、アメリカという牙城が残っている。

 で、靖国の展示内容変更の話が。

靖国・戦史博物館、展示内容変更へ 歴史観が一面的と(8/25産経)
 靖国神社が運営する戦史博物館「遊就館」が、館内で展示している第二次世界大戦での米国の戦略に関する記述の一部について、「誤解を招く表現があった」として見直し作業を始めたことが24日、わかった。この記述をめぐっては、遊就館の歴史観に理解を示す言論人からも「一面的な歴史観」との指摘があり、同館としても主観的な表現があることを認め、内容を変更することを決めた。同館展示物の大幅な記述の変更は異例。
 内容を変更するのは「ルーズベルトの大戦略」と題して、第二次世界大戦での米国の戦略について触れた部分。
 この記述では、まず「大不況下のアメリカ大統領に就任したルーズベルトは、三選されても復興しないアメリカ経済に苦慮していた」と当時の米国経済の窮状を説明。また、「早くから大戦の勃発(ぼっぱつ)を予期していたルーズベルトは、昭和14年には米英連合の対独参戦を決断していたが、米国民の反戦意志に行き詰まっていた」として、米国内に反戦世論があったことを紹介している。
 その上で、「米国の戦争準備『勝利の計画』と英国・中国への軍事援助を粛々と推進していたルーズベルトに残された道は、資源に乏しい日本を、禁輸で追い詰めて開戦を強要することであった。そして、参戦によってアメリカ経済は完全に復興した」と表現し、米国は国内経済の復興を目的に対日開戦を志向したと解釈できる内容だった。
 こうした記述について、同館では4月ごろから見直しの検討を始め、7月ごろから本格的に見直し作業に入ったという。
 この記述をめぐっては、元駐タイ大使の岡崎久彦氏も24日付本紙「正論」で、「安っぽい歴史観は靖国の尊厳を傷つける」と指摘、同館に問題の個所の削除を求めていた。岡崎氏は「早急に良心的な対応をしていただき感動している」と話している。

 4月頃から検討となってるんだけど…

かんべえの不規則発言(8/25付、文中リンクは解除)
〇夕方に所用があって、岡崎研究所に立ち寄った際に聞いたのですが、こういうことがあったのですね。

(1)岡崎久彦氏が、産経新聞8月24日朝刊の「正論」欄で「遊就館から未熟な反米史観を廃せ」という論考を寄稿する。
(2)その日の午前10時頃に、靖国神社から岡崎研究所に電話あり。
(3)岡崎氏、そのまま靖国神社に行って、南部宮司に会う。「ご指摘の部分を修正したいので、ご協力願いたい」との要請あり。
(4)今日の産経新聞朝刊が、「靖国・戦史博物館、展示内容変更へ」という記事を報じる。
(5)英Financial Times紙も、"Japanese war shrine agrees to axe controversial exhibit"と同様の内容を報じる。(伊藤師匠のサイト、8月25日分を参照)
(6)岡崎氏、本日午前に関係者とともに修正作業を終える。

〇実際の展示内容が変わるのは少し先になるのでしょうけれども、なかなかのクイック・レスポンスであり、靖国神社内部では産経新聞をキチンとフォローしてるようです。(朝日新聞は出入り禁止になっちゃったそうですが)。ともあれ、遊就館から「ルーズベルトに騙された」説が消えるのであれば、これは大いに結構なことではないかと思います。
〇中央公論7月号にも寄稿したところですが(劣勢、日中広報戦争の挽回なるか)、靖国神社のPubic Diplomacy(戦略的広報外交)を考える場合に、いちばんの悩みの種は遊就館です。あれがあのままでは、「西側メディアを味方につける」という戦略目標が達成できない。そもそも、宗教法人が戦争博物館を管理しているというのが変なのであって、ここは是非、麻生提案のように国有化ないしは特殊法人化するのが望ましい。しかるに遊就館の展示物は、本来、戦死者の遺物なのですから、これを政府が取り上げるわけにはいかない。靖国神社自身が訂正してくれるのであれば、それがいちばん自然な形となる。
〇ところで保守派の中には、「ルーズベルトの陰謀論」を否定すると、ときどきムキになって反論してくる人がいます。が、百歩譲ってそれが事実だったとしても、日本がそれを主張することは、「日本は悪くなかった」ことを立証するために、「日本は実は馬鹿だった」と認めることになります。かんべえ自身は、戦前の日本は悪かったし、愚かだったと考えるものですが、馬鹿の上塗りは恥ずかしいと思う。次の世代に語り伝えるときには、「アメリカに騙されて戦争しちゃった」ではなく、「アメリカに勝てると思って戦争を始めちゃった」と言うべきではないでしょうか。


 ん?岡崎さんの功績ってコトになってるの?(ローズベルトの陰謀論を肯定することがなぜ「日本がバカ」と言うことになるのかがよく分からないのだが、まぁそれは措いとく)
 靖国も「親米保守」の以降には抗えなかったのか、と思いきや、 

靖国さんに電話で確認しました(「Let's Blow! 毒吐き@てっく」8/25付エントリー)
明治15年に、我が国最初で最古の軍事博物館として開館した遊就館の大前提である
近代国家成立のため、我が国の自存自衛のため、更に世界史的に視れば、皮膚の色とは関係のない自由で平等な世界を達成するため、避け得なかった多くの戦いがありました。それらの戦いに尊い命を捧げられたのが英霊であり、その英霊の武勲、御遺徳を顕彰し、英霊が歩まれた近代史の真実を明らかにする
との方針に変わりは無いことを明言していただきました

変えたところは大東亜戦争の展示のところ、「ルーズベルトの大戦略」のT
「アメリカ国内経済の問題」でルーズベルトが大東亜戦争を目論んだ、との説明部分「だけ」
ま、ここの部分は元からちくっとおかしかったんで、訂正ってことね、それならいいんだよ

変わってないのは、大東亜戦争は「止むにやまれぬ状況に(主にアメリカに)日本が追い込まれて、開戦に到った」こと
アメリカがユーロの戦線に参加したくて口実を作りたかったこと
ABCD包囲網の件、ハルノートの件、ラダピノート・パール判事の件、全て変わってないそうな
ご来館の上、ご確認くださいとのことだったんで、来週この目でちゃんと確認するよ
(一部引用)

 産経の記事の書き方に問題有り、ということのようで。岡崎さんやその周辺の動きも、なんか怪しげな売り込みのような。

 右寄りであることが多い分だけ、親中や親韓ほど分かりやすいわけじゃないってことで、アメリカ盲信の意見には気を付けねばならない、というところか。媚中・媚韓の左巻き意見が衰退したところで、最終的な障害はWar Guilt Information Programの総元締め、アメリカ。


 最後に、別の話題を一つ。

共同通信が平壌支局開設 日本の報道機関で初(朝日)
 共同通信社は24日、9月1日付で北朝鮮の首都平壌に支局を開設すると発表した。日本の報道機関が北朝鮮に支局を開設するのは初めて。同社は、核・ミサイル問題、日本人拉致問題などで注目される北朝鮮に取材拠点を置くことで、正確かつ客観的で質の高い報道を目指す、としている。
 中国やロシアなど北朝鮮の友好国以外の報道機関では、米AP通信の関連会社である映像専門のAPTNが今年5月、平壌支局を開設している。
 共同通信社によると、平壌支局長は中国総局長が兼務し、当面は常駐記者を置かない。同社の田辺義雅・総務局次長は朝日新聞の問い合わせに対し、「支局開設までの経緯は明らかにできない。(現地での)取材に大幅な制約はないと考えている」と述べた。
常駐スタッフは現地で雇うが、「報道は当方の主体的な判断に基づいて行い、必要に応じて日本人記者を派遣する」と述べた。
 同社の後藤謙次・編集局長は、開設理由について「北朝鮮の実情を内外に伝えることが報道機関の使命。現地から正確な報道に努める」とのコメントを出した。

 「常駐スタッフは現地で雇う」のに「正確かつ客観的で質の高い報道を目指す」とはこれいかに。この共同通信の行動、朝鮮労働党の認めた工作員スタッフにお金を払い情報工作の片棒を担ぐ、ということになるのだが。土産を持っての平壌詣での成果がこれか。報道利権は相当に美味しいモンなんですな。
 北朝鮮に対し圧力を掛けようというときに足を引っ張るこの行動、金正日に魂を売ってでも得たい物は何だ?



仏メディアと創価と冥王星 (8/24)

 明日は更新できません。明後日と明明後日も怪しいもんでございます。

 他国の(とりわけ中韓の)捏造報道に対してはその都度しっかりと反論しておかないと、声が大きい奴の意見が「正論」になっちゃう、とこれまで何度も書いてきた。そう書いておきながら、ちゃんと反論をしているという記事を紹介しないのは卑怯な気がするので、このニュースを引用。

仏メディアが誤った日本報道 大使館が抗議(産経)
 【パリ=山口昌子】在仏日本大使館はこのほど、18日放映のフランスの国営教育テレビ・フランス5のドキュメンタリー番組「過去の影」や16日発行で「レビジョニスト(歴史見直し論者)による挑発」などと報じた左派系紙リベラシオンに対し、「事実誤認がある」として抗議していたことが23日分かった。
 フランス5がホームページ上で紹介した同番組の内容によると、番組では日中間の排他的経済水域(EEZ)の境界線画定問題や小泉純一郎首相の靖国神社参拝問題などを取り上げ、日本で軍国主義が復活しているかのような印象を与える構成になっている。
 日本大使館ではこれらの問題の事実誤認を指摘した文書を送ったほか、番組担当者と事前に協議したという。
 リベラシオンは16日付の1面トップで首相の靖国神社への参拝写真と「歴史見直し主義者の挑発」との見出しを掲載したほか、2面から4面まで参拝反対の哲学者、加藤周一氏との会見記事を掲載するなど大特集を組んだ。同紙は18日付でも作家のミカエル・プラザン氏による「歴史の見直しに流れる日本」と題する寄稿文を掲載し、「過去に関する虚偽を増殖させている」と主張。
 日本大使館は同紙編集局長宛に抗議文を送ったが、「局長は夏休み中」(同紙)ということで23日現在、返答はない。


 日本で「ネオナチ台頭」みたいなイメージを持ってるのかね。
 しかし、よりによって、「日本に何の劣等感があるのか分からんがマチネポエティクとかいう訳の分からん外国の詩にかぶれた運動をやったり日本を批判するなら日本国内でやればいいのに外国で日本を悪し様に言うのが国際文化人のたしなみだと勘違いしているような屈折した人格の」加藤周一ですか。
 中韓のイチャモンについても、しっかり反論し続けてくれよ、外務省。


 次は、カルト政党代表の後任人事の話。

<公明党>神崎代表後任に太田幹事長代行 人事固まる(毎日)
 公明党は23日、9月で退任する神崎武法代表(63)の後任に太田昭宏幹事長代行(60)を起用する方針を固めた。冬柴鉄三幹事長(70)も退任し、北側一雄国土交通相(53)が新たに就任することも固まった。同党が再結成された98年11月以来、8年間にわたる「神崎―冬柴」体制が長期化していることに加え、自民党総裁選で安倍晋三官房長官(51)の当選が固まりつつあることから「世代交代」が必要と判断した。9月30日の党大会で正式決定する。
 太田氏は、党の支持母体である創価学会の男子部長、青年部長を歴任し、93年に衆院議員に初当選。党国対委員長を経て、党憲法調査会座長も務めている。早くから「将来の代表」と目されていた。北側氏は大蔵政務次官や党政調会長などを経て、04年から国土交通相に就いている。
 最近、神崎代表を巡って、体調面の不調を指摘する声もあり、本人も周囲に「後進に道を譲りたい」と辞意を漏らしていた。神崎氏は9月16日に東京都内で開かれる全国県代表協議会で辞任を正式表明する。ただ、同党や支持母体の創価学会内には、来年の統一地方選や参院選をにらんで、「ベテランの存在は不可欠」(党中堅)との声が根強いため、神崎氏を「最高顧問」などで処遇する一方、冬柴氏を初入閣させ、太田―北側体制をサポートさせる考えも出ている。【坂口裕彦】


 「創価学会の男子部長、青年部長を歴任」……要するに池田大作の子飼いですな。こいつが後任に決まったのも、たぶん大作の命令だろうし。公党の代表くらい、選挙でも選挙っぽいことでもいいからやってみろやと思うのだが。
 人を不幸にするカルト団体の「政治部門」が、日本を幸せにできるはずもない。昔の家の周りは創価学会員の主婦の方々が多かったが、ちょい不幸だったのが入会して不幸増幅って人が多かったので、私の頭の中では創価瓦解は不幸増幅装置と認識されております、はい。


 そういえば、「惑星の数が12個になる」という話、21日に取り上げようと思ってたけど分が長くなるのでやめたのだが、「やっぱり8個に」ということになったようで。

太陽系惑星 冥王星除外…9→8に 天文学連合定義案修正(毎日)
 【プラハ会川晴之】チェコのプラハで総会を開いている国際天文学連合(IAU)は22日、惑星の定義案を大幅に修正、冥王星を惑星から外す最終案をまとめた。この結果、太陽系の惑星数は、現在の九つから八つに減ることになった。同日昼の公開討論会で、原案を微修正して3分割した案を提示したが、反対論が相次いだため抜本的な修正に踏み切った。23日も細かい表現などの最終調整を続け、24日午後の全体会議で採択を目指す。
 最終案は、太陽系惑星の定義を「太陽の周りを回り、自らの重力で球状となる天体」とする当初案を継承したうえで「軌道周辺地域で圧倒的に大きい天体」という新たな項目を付け加えた。
(冒頭引用)

 冥王星を惑星にし続けるために「惑星だらけ」になる危険性を受け入れるよりも、そりゃ地球の1%の質量にも満たないような冥王星を惑星から外す方が合理的だわな。セレスやカロンにどういう日本名が与えられるかちょっと楽しみだったけど。
 ただ、冥王星を発見したのがアメリカ人ってことで、アメリカがまだゴネている模様。「8個」が最終決定となるのはもうちょい先になりそう。



高校野球で口直し (8/23)

 なんとしても「美しい話」にして盛り上げたいマスコミ(とりわけテレ朝)はウザいが、「主役」が「くだらん芝居仕立て」に付き合っているわけではないので、好印象を抱きつつ見ることができるのは、高校野球の話。早実の斎藤君なんて、発する言葉一つ一つ取ってみても、人間ができてるもんなぁ。兄ちゃんの姿も合わせて考えても、親の教育が良かったんだろうなぁ。どこぞの亀とはエラい違いで。いや、実力伴ってりゃそれもアリかなと思えなくもないんだが……イングヴェイみたいな傲慢な唯我独尊ギタリストもいることですし。(イングヴェイについてはこちらの発言集とかこれを参考に)


 さて。
 加藤紘一宅への放火事件について、本当に「靖国参拝を批判する加藤紘一に対するテロ行為」でしかないのか、気になるところ……なんて月曜日には書いたのだが、別に何か裏に壮大な謀略があったわけでなく、靖国参拝支持という思想を抱いた犯行ですらなさそうな様子。(参考:てっく氏の8/21付エントリー

 しかしひでぇな。この犯行を称賛していた人はどうするんだろう。加害者の境遇は別としても、加藤紘一に鉄槌が下ったことには意味があるってか?

 正直、加藤紘一さんの外交に関する言動は批判すべきものだし、テロの対象となっても仕方がないとも、たしかに思う(同時にテロをおこなわねばならないほどの影響力を有しているとも思えないのだが)。また、政治に与る者は、国を誤った方向へ動かそうとすれば命を失う危険があるというくらいの緊迫感を持つべきだとも思う。
 しかし、暴力で言論を封じる行為は慎まねばならない。テロ行為は社会を硬直させ、テロの対象のみならず社会全体を萎縮させてしまう危険性を持つ。「あいつが死ねば日本は良くなると思うのに」と考えることはあるが、その考えを肯定したら民主主義を否定することになってしまう。目的のために手段を選ばないなら、ホリエモンと何が違うというのだろうか。
 また、実際に放火事件をネタに「日本の右傾化が云々」と主張する人も出てきているわけで、結局「敵を利する」ことにしかなっていない。仮に思想的背景があったとしても、それを広める方策として決して巧いやり方ではなかった。

 まぁうだうだ理屈を述べたが、つまるところ、暴力に訴えるというのは道徳に悖る行為でないか、という感覚がいちばん大きい。限界まで卑怯なことに走りたくはない、という。「売国奴との戦いの中にある、きれいごとを言ってる場合じゃない」という考えもあるかもしれんが、まだ卑怯に走らにゃならんほどではなかろう。そういう道徳観を守ろうとすることも、「保守」ってやつじゃないのかな。


 おまけ。
アジア留学生に奨学金、日本で就職促す 2千人に国支給(朝日)
 中国、韓国などアジア諸外国の優秀な人材に、日本企業にもっと入ってもらおうと、日本の大学で学ぶ留学生への無償奨学金制度を07年度から経済産業・文部科学両省が始める。大学・大学院に、採用意欲のある企業と提携して、留学生向けの専門講座やビジネス日本語講座などの2年間の特別コースを新設してもらい、その受講生1人あたり、住居費分、学費免除分、生活費など月計20万〜30万円相当の支給を検討中だ。支援対象は約2000人を想定している。
 (中略)
 経産省によると、04年度は約3万人の留学生が日本の大学・大学院を出たが、日本国内で就職した留学生は約5700人にとどまった。留学生支援策の拡充で、アジアの優秀な人材の定着を増やそうとしている。


 中韓の学生に対して30万円の支給ですか。生活保護を申請しても窓口で却下され借金漬けになってしまうなんて人もいるご時世に。悲しいことだが、拙者よりも生活水準が上だぞ、30万なんて。



ニュースいろいろ (8/21)

 今週も、火曜と金曜の更新は絶対に休み、水曜や土曜もどうかな…という具合ですんで、ご了承下さい。

 さて、今日はニュース引用に対して合いの手のごとく短いコメントをする形式で。


加藤議員宅放火容疑、右翼団体事務所など家宅捜索(8/18産経)
 山形県鶴岡市の元自民党幹事長、加藤紘一衆院議員(67)の実家と事務所が全焼した火災で、山形県警は18日、現場で割腹自殺を図ったとみられる右翼団体の男(65)=入院中=が放火した疑いが強まったとして、現住建造物等放火容疑で、男が所属する東京都新宿区歌舞伎町の右翼団体「大日本同胞社」の事務所など2カ所を家宅捜索、関係者から事情を聴いた。
 加藤議員は小泉純一郎首相の靖国神社参拝を批判しており、県警は男の思想的背景と放火の関連などを調べる。
 県警はこれまでの実況見分などで、加藤議員の実家1階にある寝室などから灯油とみられる油性反応を確認。また、灯油缶とみられる金属製の缶のほか、男のものとみられる刺し身包丁も見つかっている。男が放火した後に自殺を図ったとみて、男の回復を待って同容疑で事情を聴く方針。

 「大日本同胞社」という団体名は出てきたが、容疑者氏名に関しては未だに公になっていない、家宅捜索までおこなわれている状況だというのに。確かにまだ「容疑者」でしかないのだが、他の事件報道を思い出せば、メディアが何かに気を遣っているような感じがしないでもない。
 朝鮮日報のこの記事には容疑者氏名まで出ているが、日本語版の方だと出ていないというのはどういうわけだろうか。

 大日本同胞社は忠孝塾愛国連盟に入っている。ここによれば、広域指定暴力団である住吉会系音羽一家系列らしいのだが。
 テレビはすっかり視点を「被害者の加藤さん」の方に移して、加害者側についての報道は殆どしなくなっている。本当に「靖国参拝を批判する加藤紘一に対するテロ行為」でしかないのか、気になるところ。


ロシアで高まる日本批判 密漁で大きな利益と報道(東京新聞)
 【モスクワ18日共同】第31吉進丸が拿捕(だほ)され、銃撃で乗組員1人が死亡した事件を受け、ロシアのメディアは、日本は他国の領海で密漁を繰り返す一方、自国の海域に侵入する不審船に対しては銃撃も辞さないなどと報じ、日本批判を繰り広げている。
 17日付のロシア新聞は「ロシアで密漁され、日本に水揚げされる水産物は毎年8億ドル(約928億円)にも上り、昨年は130件を摘発した」と報道。独立新聞は「1回の密漁で日本の漁師が得る利益は1000万円にも上る」と、密漁が後を絶たない要因を指摘。赤い星(国防省機関紙)は「密漁は償いきれない損失をロシアに与えている」とした。
 イズベスチヤは「日本政府は南クリール(北方領土)を自国の領土と思っているので、国境侵犯をしてはいけないと国民に説明できない」と解説した。

 ロシアは火事場泥棒で領土を奪っておいて大きな利益を上げとるじゃないか、と脊髄反射しそうなロシアの態度。
 「停船させるための警備隊の発砲で偶然被弾した」というようなロシアの言い分しか伝わってこないのだが、「警備艇からゴムボートを出し自動小銃で銃撃」というのが「停戦させるため」の措置としてあり得るのか。畠山鈴香の犯行については様々な検証をおこなっていたメディアだが、こういうことこそしっかりと検証の報道をして欲しいものだ。もちろん、日本側が漁業協定を破って密漁していたかどうかも検証して欲しい。確かに北方領土は日本領土ではあるのだが、暫定的な協定があるのであれば、それを守りつつ領土返還を求めるのがあるべき姿ではないか、と。


横田めぐみさん拉致題材の映画、ハリウッドでも公開(8/19読売)
 【ロサンゼルス=古沢由紀子】北朝鮮による横田めぐみさん拉致事件を題材にした米国のドキュメンタリー映画「アブダクション(拉致) 横田めぐみ物語」の公開が18日、米ハリウッドの映画館で始まった。
 作品は米国各地の映画祭で上映されてきたが、今回、大都市の劇場で初めて公開することで来春のアカデミー賞(長編ドキュメンタリー部門)ノミネート資格を得る狙いがある。
 作品は日本でも11月に公開される。
 米国のテレビ・ドキュメンタリーなどを手がけてきたカナダ人のクリス・シェリダンさん(37)と妻のパティ・キムさん(36)が共同で監督、制作にあたった。韓国系のキムさんが2002年に拉致事件の記事をワシントン・ポスト紙で読んで驚いたのがきっかけという。


 日本では11/25に公開されるそうです。
 一方、こんなニュースも。

拉北者家族会代表、めぐみさん問題で日本政府を批判(8/17聯合ニュース)
 【ソウル17日聯合】拉北者家族の会の崔成竜(チェ・ソンヨン)代表は17日、日本政府関係者の発言を引用し、日本政府は日本人拉致被害者の横田めぐみさんの遺骨として北朝鮮から渡された遺骨を鑑定のために帝京大学に預ける時から、これを「偽物」とすることで方向性を定め、このために対北朝鮮世論が熱くなり引っ込みがつかなくなったと主張した。この関係者はまた、日本政府はめぐみさんの遺骨を受け取る前から、めぐみさんの夫で当時はキム・チョルチュンと呼ばれていた金英男(キム・ヨンナム)さんの実体を信じておらず、同じ日本人だと推測していたという。崔代表は、拉致された高校生のDNAを日本政府に渡すなど、金さんとめぐみさんの家族の関係を明らかにするのに深く関与した人物。日本政府関係者の発言として引用したこれらの内容は、今後波紋を広げるものと予想される。
 崔代表は、日本側が「遺骨は偽物」「めぐみさんは生存」を主張する根拠は、帰国を果たした日本人拉致被害者の一部の証言だけだとし、真実を明らかにするためにこれらの証言内容を公開するよう求めた。さらに、日本政府と「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」がめぐみさんの問題を前面に押し出すことで、独島や教科書問題などの問題に関する世論を有利な方向に動かそうとしていると批判した。韓国と北朝鮮政府に対しても、1日も早く拉致被害者問題の真相究明と解決に乗り出すべきだとした。


 日本の家族会が拉致に絡めて竹島や教科書の問題を述べたことは無い。北朝鮮の工作に引っかかったのか、本人の思想信条によるものかは分からないが、ともかく北を利する言動ばかりおこなうようになったのは紛れもない事実。
 こういった発言に対してまともに取り合うのも馬鹿馬鹿しいとは思えども、日本政府は一応きちんと反論しておくべきではないか。拉北者家族会との連携は不可能だろうが、他の家族会との連携まで不可能になったわけではない。韓国で「めぐみさんは死亡している」というのが常識になってしまわないように、馬鹿馬鹿しい発言でもダニはきっちり潰しておかねばならないだろう。


元衆院議員の元秘書聴取 水谷建設事件で東京地検(8/19中日)
 水谷建設(三重県桑名市)の脱税事件の関連捜査として、東京地検特捜部が自民党3役や閣僚を務めた元衆院議員の元秘書(50)から参考人として事情聴取したことが18日、関係者の話で分かった。元秘書は同社の元会長水谷功容疑者(61)=法人税法違反容疑で再逮捕=と親交があったとされ、水谷容疑者と政界の関係などについて説明を求めたとみられる。
 特捜部は同日、2004年8月期の法人税法違反(脱税)罪で同社の前経理担当代表取締役中村重幸容疑者(55)と法人としての水谷建設を追起訴。水谷容疑者も拘置期限の22日に追起訴する方針で、その後は脱税で捻出(ねんしゅつ)した裏金の使途解明を急ぐ。
 関係者によると、元秘書は元議員が閣僚当時、秘書官を務め、水谷建設とは関連会社などを通じて資金上のかかわりがあったとされる。元議員は政界を引退している。
 起訴状によると、中村被告は水谷容疑者らと共謀。架空の土地売却損や貸倒金を計上するなどして、04年8月期に約6億8500万円の法人所得を隠し、法人税を脱税した。2人と水谷建設が既に起訴された03年8月期と合わせて、隠し所得は計約38億1600万円、脱税額は計約11億4600万円。
 隠し所得を原資とする裏金は政界工作に使われたり、暴力団側に支出されたりした疑いのほか、水谷容疑者のギャンブル費用や借金返済など私的流用もあるという。
 特捜部はこれまでに、水谷建設が下請けとして受注した福島県や東京電力の工事元請けの前田建設工業(東京)幹部、同県担当職員、東電職員らから事情聴取している。

野中氏元秘書に5000万円(電脳補完録2003年8月21日)
 自民党の野中広務元幹事長が自治相や官房長官当時、秘書官を務めた加藤芳輝元秘書(47)が一九九二−九八年、総合商社「ニチメン」(東京)巨額手形詐欺事件の被告が会長だった電子機器メーカー「帝菱産業」(大阪)やゼネコンから計五千万円余の提供を受けていたことが二十日、関係者の話で分かった。
 加藤氏の債務四千万円を肩代わりした帝菱側は「見返りに国の融資保証をめぐり旧通産省幹部に会わせてもらった」と証言。
 加藤氏は「四千万円は返済しなかった。そういうこと(口利き)もあったんじゃないかと思うが、よく覚えていない」とした。それ以外の資金提供もほぼ認めた。
 野中氏は「知らなかった。信頼し秘書官にしたのに、情けない」と語った。


 水谷建設事件に絡んで聴取された元秘書さんは、おそらく野中の秘書だった人でしょうね。年齢もぴったりだし。水谷建設にはレインボーブリッヂも絡んでおり、北朝鮮利権といえばこの人、という野中さんの名前が出てくるのも宜なるかなと思ってしまう。


<岐阜裏金問題>裏金で処分の職員、裏金で生活救済 県職組(8/19毎日)
 岐阜県の裏金問題で、01年3月に裏金に絡み停職処分を受けた職員7人に対し、県職員組合がプール金の中から計約1100万円を生活資金として助成していたことが19日分かった。裏金に絡んで処分された職員を裏金で救済していたことになる。
 助成を受けたのは県中山間農業技術研究所(現・県中山間農業研究所)の職員7人。5年間にわたり、研究で生産した農作物の販売収入の一部計約3000万円を懇談会費やタクシー代、備品購入などに不正流用した。当時の所長らは、県が必要経費として認めた金額を引いた1751万円を返還し、最長で6カ月の停職処分を受けた。職員組合はその後、7人が停職で収入がなくなったことから「組合員の生活資金」の名目で7人に計約1100万円を助成したという。
 県調査チームによると、99年から同組合にプール金として集約された裏金は総額約2億5600万円。うち約1億1000万円が同組合の活動経費などに使われた。この中から7人に助成金を支給。
 別の問題で懲戒処分を受けた職員1人には約1400万円が貸し付けられ、約1200万円が返済されているという。


 停職処分を喰らったのに生活費の面倒を見てもらえるなんて、いい身分ですな。

岐阜県裏金で政治団体誌、90年代後半に2000万円(8/20読売)
 岐阜県庁の裏金問題で、県が1990年代後半、県内の政治団体などが発行する情報誌の購読料を裏金から支払っていたことが19日、わかった。
 支払総額は2000万円前後に上る。県は、裏金を充てた経緯について、当時の関係者らから事情を聞いている。
 県や裏金の口座を管理していた県職員組合関係者らによると、情報誌を購読していたのは、県庁内の13課と県教委。判明しただけで、95年度から97年度にかけて、情報誌は約30種に及んでいた。購読料には、94年度に県全体で旅費や食糧費を架空請求したり、カラ雇用したりして作った裏金約4億6600万円の一部が充てられていた。裏金は当時、職員組合の口座に集約される前で、各課などの庶務担当職員が管理しており、必要に応じて各課が現金で支払う慣例になっていた。県の調査チームは「通常の予算では出しにくい部分について、裏金を使っていたのではないか」とみている。


 住民税や県民税の支払いを拒否したい気分なのだが。
 岐阜県のみならず、県内の各自治体においても、公務員のモラルハザードの話はけっこう聞きます。岐阜県全体がそういう体質に汚染されているような。


ソウル大、「世界の大学トップ100」入りならず(朝鮮日報)
 米誌ニューズウイークが13日に発表したグローバル大学トップ100に韓国の大学が1校も選ばれなかった。「世界のグローバル大学トップ100」はニューズウイークが大学の開放性や多様性、研究成果などを考慮し選定したランキング。このランキングは科学専門誌「ネイチャー」や「サイエンス」に記載された論文の数や社会科学論文引用指数であるSSCI、芸術及び人文科学論文引用指数であるA&HCIの数値、外国人教授と外国人学生数、学生対教授の比率、図書館の蔵書量などを基準に評価される。
 「グローバル大学」1位は米国のハーバード大学。2位はスタンフォード大学、3位はイエール大学、4位はカリフォルニア工科大、5位はカリフォルニア大学(UC)バークレー校がそれぞれ選定された。続いて英国のケンブリッジ大学、米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)、英国のオクスフォード大学、米国のカリフォルニア大学サンフランシスコ校とコロンビア大学が6〜10位に選ばれた。
 アジアでは、日本の東京大学が16位となり、最も世界化された大学として評価された。日本は東京大学のほか、京都大学(29位)、大阪大学(57位)、東北大学(68位)、名古屋大学(94位)の5校が100位圏に入った。さらに韓国の金融ハブのライバルである香港からは香港科技大学(60位)と香港中文大学(96位)、シンガポールではシンガポール国立大学(36位)と南洋理工大学(71位)がそれぞれ2校ずつ選ばれた。しかし、韓国と中国大陸の大学は一校も入っていなかった。(前半引用)

 永田とか堀江とかを見て、東大出身言うても大したこと無いのぉという感覚を持ったのは確かだが、まぁ道徳観については別にしても、このランキングを信じるならば、学術的には東大は誇れる大学のようです。
 気になるのは、日本の私立大学が全く顔を出していないこと。多額の助成を受けながら何をやっているんだ、と。私大の4割が定員割れだそうで、少子化が勿論もっとも大きな原因だろうが、上記のランキングを見ると、研究機関としての私大にも問題があるような。「偏差値」で考えれば、早稲田や慶応が名前を出してもおかしくなかろうに。やたらと「目新しい名前の学部」ばかり新設しているだけでは、私大はどんどん淘汰されていくだろう。



相手が誰であれ言論弾圧はいかん (8/17)

 加藤紘一の家と事務所が燃えた話。
 大隈重信が来島恒喜を称えて男を上げたのは昔の話。言論を封殺するためのテロ行為は、絶対に許されない。靖国参拝に賛同する人間=「危険な右翼思想の持ち主」と見られる可能性をもたらすって意味でも、最低のクズ野郎だ。ただの精神異常者か、靖国神社に旗を掲げて参拝するような人種のなれの果てかね。或いは右翼のイメージダウンのための行動という穿った見方も可能。まぁいずれにせよクズだ。
 一部でこの放火・切腹を「当然の報い」のように述べているblogもあるが、右翼=暴力というイメージ操作に荷担する愚行としか思えぬ。


 ロシアが日本漁船を銃撃・拿捕して、乗組員一人が死亡した事件。
 貝殻島は、納沙布岬から5kmも離れていない場所にある。

麻生外相、謝罪と遺体の引き渡し求める…漁船拿捕事件(読売)
 日本政府は16日、漁船拿捕事件について、外交ルートを通じてロシア政府に厳重に抗議し、〈1〉死亡した乗組員の遺体の速やかな引き渡し〈2〉他の乗組員、船体の即時解放〈3〉銃撃した人物の処罰――を求めた。しかし、ロシア側は、漁船がロシア領海を侵犯したとし、正当な対応だったと主張した。
 麻生外相は16日夕、ロシアのガルージン駐日臨時代理大使を外務省に呼び、「日本の領海内で起きた事件であり、容認できる話ではない。日本人の生命が失われたのはゆゆしき事態だ」として、謝罪と遺体の引き渡しなどを求めた。
 ガルージン氏は「ロシア当局としてこのような事件発生を望んでいなかった。人命が失われたことは大変残念だ」と述べる一方、「漁船がロシア領海を侵犯し、ロシア警備艇はロシアの法に基づき、その権限の中で行動した。漁船は停船命令にただちに応じず、逃げようとして危険な行動をした」と訴えた。


 ロシア側の発表と、捕まった乗組員の家族への電話くらいしか情報が出てないので、何とも判断が難しい。

 操業していた海域は、いわゆる北方領土の領海なのか否か。納沙布岬側ならば、ロシアは日本の領海に侵入してまで漁船を銃撃し、殺人行為をおこなったことになる。貝殻島側だった場合は、ロシアが「自分の領土」と見なしている場所ということで、ロシアから見れば「侵入したのは日本漁船」ということになる。ロシアからすれば、ロシアの行動は主権国家としての権利を行使したに過ぎない。
 ただ、前者の場合は明確な主権侵害だし、後者の場合も、ロシアが北方領土を不当に占拠し続けていることや不平等な漁業協定などを考えれば、やはり主権侵害と言わねばならない。いずれにせよ結局は「このロスケめ」という感想になるわけだ。私の頭の中では、日本領海におけるロシアの主権侵害事件ということになっている。

 実は納沙布岬側で銃撃されたという話もあるようだし、真相はいかに。

「突然撃たれた」船長、家族に電話…漁船拿捕事件(読売)
 根室湾中部漁協は16日夕会見し、番匠悦雄参事(53)が、吉進丸の船長で坂下登組合長がロシアに拘束された後、家族とのやり取りで、「ゴムボートが現れ、突然射撃を受けた」と話していたことを明らかにした。
 それによると、同日早朝、坂下組合長から自宅に「捕まった」と連絡があった。電話はすぐ切れたが、弟が何度か携帯電話にかけ直したところ、約30分後に会話ができ、「ロシアに拿捕(だほ)され、連行された。ゴムボートが突然現れて射撃を受け、盛田さんが頭を撃たれて亡くなった」と話したという。

<露漁船銃撃>「要注意船」と監視 組合長所有を認識か(毎日)
 ロシア警備艇に銃撃された吉進丸が、ロシア連邦保安庁サハリン沿岸国境警備局に「要注意船」としてマークされていたことが分かった。銃撃が偶発的でない可能性も出てきた。警備局は、吉進丸が根室湾中部漁協の組合長の所有船であることを認識したうえで「越境操業の常習犯としてマークしていた」という。
ソ連・ロシアと危険な関係(札幌テレビ)
 1964年の貝殻島周辺昆布漁の様子です。資源が豊富なこの海域では、戦後直後から、北方領土を占領したソ連が、根室漁民を追いかける事件が相次いでいました。1980年頃になると、日本の物資や情報をソ連側に渡す替わりに、特別に「漁」を認めてもらうレポ船が横行します。
 今回、拿捕された吉進丸の坂下登船長もこのレポ船に係わっていました。
(一部抜粋)


 最後は、韓国の「専門家」の有り難いご意見。

【靖国】専門家「A級戦犯の位牌を別の場所に移すだろう」(朝鮮日報)
 韓国の専門家の間では、安倍晋三官房長官が靖国神社参拝問題をどのような形態であれ解決するだろうと希望の混じった予想をしている。
 国民大の李元徳(イ・ウォンドク)教授は「安倍長官の父・安倍晋太郎元外相は韓国との関係を重視していた。そのため、安倍長官は自身の右翼的理念とは関係なく、韓国との関係改善を図るだろう」と語った。
 靖国問題についても、ソウル大のパク・チョルヒ教授は「靖国問題の整理を進めながら韓日関係の突破口を開く可能性もある」と語った。
 韓国の専門家らは靖国問題が神社に合祀(ごうし)されたA級戦犯らの位牌(いはい)を別の場所へ移す形で整理されるだろう、と予想している。
香港=宋義達(ソン・ウィダル)特派員

 「専門家」って何の専門家なんだろ。「位牌」なんて言ってるから、靖国の専門家でないことは明らか。反日の専門家かな。それなら人材には困らんね。韓国はエキスパートだらけだ。
 中韓に限らず、靖国を誤解している人は世界には多いんだろう。中韓のイチャモンに引きずられて「靖国はナチスのような奴らを奉ってる場所」と思い込む人もいるかもしれない。声の大きさで正論を掻き消すのが奴らの手法だからねぇ。中韓はともかく、それ以外の世界各国には靖国がどういうところなのかを発信する必要はあると思う。



安倍さん、靖国を語れ (8/15)

 安倍さんは去年、一昨年は8月15日に参拝している。

安倍氏、4月に靖国神社参拝 総裁選の争点にも(朝日、googleのキャッシュ)
 安倍氏は自民党幹事長だった04年、幹事長代理だった05年には終戦記念日に参拝した。官房長官就任後は自身が首相に就任した場合も含め、今後も参拝を続けるかどうかについては明言を避けてきた。

 2003年夏 靖国神社参拝国会議員リストによれば、2003年には参拝していないようだが…。

 安倍さんは今年は8月15日には参拝せず、昨日参拝したのは閣僚の中では中川昭一農相と沓掛哲男国家公安委員長の二人。

 私は、「総理大臣は8月15日に参拝せねばならない」と主張する気は無い。いずれ、総理大臣が「公人」として参拝すべき日取りは正式に決定された方がよいとは思うが、それが終戦の日だろうと例大祭の日だろうと4月28日(8/16訂正)だろうと9月2日だろうと、拘りはない。

 しかし、安倍さんが今年「終戦の日に参拝しない」ことについては、去年一昨年と終戦の日に参拝していることもあり、「なぜ今年はそうしなかったか」については語って欲しいと思う。上で引用した朝日の記事では「安倍氏は「靖国に祭られた近代以降の戦没者を追悼するには、太平洋戦争終結の日よりも春秋の例大祭が適切」というのが持論。」とあるが、それが信念であればもう一度明確にそれを語らねばならないし、例大祭が適切と言いながら今年その日を外して参拝した理由についても述べていただきたい。
 安倍さんに期待し、靖国に一家言持っている人だと思うからこそ、信念を貫いて欲しいし、その信念は国民に分かりやすく発信せねばならないと私は考える。
 今のままでは、「靖国に総理が参拝することについて肯定的に考えていた人物までも、参拝の日にちをずらさねばならなくなった」と見えてしまうのではないか。以前にも書いたが、「靖国について積極的に意見を発信するのは得策でない」と考えているなら、それは逃げの姿勢でしかない。

 最後の最後で「公約」を守った小泉さんにはあまり関心がないんだけど、次の総理が今回の小泉さんの参拝を承けて行動すれば、小泉さんの「最後の公約実行」も意味を持つものとなる。変人首相の変な行動という位置付けで終わらせてはいけない。

 小泉さんの参拝を以て「中韓はもう切るべき外交カードを持たない」とか「反日勢力の事実上の崩壊を意味する」とか言う意見も見かけたが、戦後民主主義の呪縛はそんなに簡単に解けるものではなく、楽観的すぎると思われ。仮に中韓を撃退したとしても、アメリカという牙城が残っている。

 そういや、総理の記者会見、これは良かった。その主張に納得するかどうかはともかく、持論を明快な言葉で述べるというのは評価すべきだと思う。
 「ブッシュ大統領が「靖国参拝するな」と私に言ったとしても、私は行く。大統領はそんな大人げないことは言わない」とか。この首相の言葉の後に中韓の反応についての映像が出ると、どうしても笑みが漏れてしまう。


おまけ。
静寂を取り戻すために ナショナリズムを考える(8月15日付朝日社説)
 8月15日がこんなにかまびすしい日になったのは、いつからだろうか。

 お前らが中国にご注進してからです。

もいっちょおまけ。
<戦没者追悼式>「指導者の戦争責任」に言及 河野衆院議長(毎日)
 河野洋平衆院議長は15日、全国戦没者追悼式の追悼の辞で「戦争を主導した当時の指導者たちの責任をあいまいにしてはならない」と語った。第二次世界大戦に関与した日本の指導者層の戦争責任を否定したり軽視したりする論調が高まっていることに不満を示したものとみられる。

 きっちり「役目」を果たしてますな。

さらにおまけ。
40日ぶりに姿を現した金総書記(東亜日報)

 この記事に使われている写真、なんか不思議なんだけど。


靖国で譲歩しても中国は黙らない (8/11)

 首相が靖国に参拝しようがしまいが、靖国をどういう姿に変えようが、中共は永遠に文句を言うんだそうな。本人が言ってるんだから、間違いない。

「歴史問題、永遠に言い続けよ」江沢民氏、会議で指示(読売)
 【北京=藤野彰】中国の江沢民・前国家主席(前共産党総書記)が在任中の1998年8月、在外大使ら外交当局者を一堂に集めた会議の席上、「日本に対しては歴史問題を永遠に言い続けなければならない」と指示し、事実上、歴史問題を対日外交圧力の重要カードと位置付けていたことが、中国で10日発売された「江沢民文選」の記述で明らかになった。
 中国は胡錦濤政権に移行した後も一貫して歴史問題を武器に対日圧力をかけ続けており、江氏の指針が現在も継承されているとすれば、歴史問題をめぐる中国の対日姿勢には今後も大きな変化が期待できないことになりそうだ。
 同文選(全3巻)は江氏の論文、演説などを集大成したもので、これまで未公開だった重要文献を多数収録。江氏は同年8月28日に招集した在外使節会議で国際情勢について演説、この中で対日関係に言及し、歴史問題の扱いをめぐる指針を示した。
 それによると、江氏は「日本の軍国主義者は極めて残忍で、(戦時中の)中国の死傷者は3500万人にも上った。戦後も日本の軍国主義はまだ徹底的に清算されていない。軍国主義思想で頭が一杯の連中はなお存在している。我々はずっと警戒しなければならない」と述べ、日本の軍国主義はなお健在との認識を表明した。
 さらに、台湾問題との関連で「日本は台湾を自らの『不沈空母』と見なしている」と批判、「日本に対しては、台湾問題をとことん言い続けるとともに、歴史問題を終始強調し、しかも永遠に言い続けなければならない」と指示した。
 江氏は同会議の3か月後の同年11月に日本を訪問。滞在期間中は歴史問題を再三とりあげ、強硬姿勢を印象付けた。


 河野や二階など中国と仲良くしたい方々には、これについて意見を聞いてみたいところ。永遠に日本を責め続けようとする国と、友好なんてあり得るのか、と。
 しっかし、3500万人とはたくさんの人が死傷してますなぁ。1945年に国民党が発表した死者数は350万人。まぁ3500万という数字は「死傷者」ですから、「うぉトゲが刺さった!これは日本のせいだ!!」という人も含めればそれくらい行きますかね。しかし、抗日戦争記念館には「死者3500万」とあるんだよなぁ……というか、中国の発表する数字を真剣に考える方がアホですわな。


 次は、「やっぱスパイ防止法制定しなきゃいかんだろ」と思わせられるニュース。

不正輸出の凍結乾燥機、平壌の「特別病院」に搬入か(読売)
 生物兵器の製造に転用可能な「凍結乾燥機」が不正輸出された事件で、台湾経由で北朝鮮に渡った凍結乾燥機は、金正日総書記や朝鮮労働党の一部の幹部しか診察を受けられない平壌市内の「烽火(ボンファ)診療所」に運び込まれた可能性が高いことが10日、警察当局の調べでわかった。
 同診療所では、特殊工作員のほくろや傷跡を消す手術なども行われているとされる。警察当局では、機密性の高い診療所で、凍結乾燥機を使った生物兵器の研究が行われていたとみて調べている。
 警察当局によると、盗難自転車を北朝鮮に輸出したとして、2005年3月、山口、島根両県警が東京都荒川区内の商社などを捜索した際、押収資料から「凍結乾燥機は烽火診療所で使用する」などという記載が見つかった。


光通信機器を露側に渡す…元ニコン社員ら書類送検(読売)
 大手光学機器メーカー「ニコン」(東京都千代田区)の元主幹研究員(47)が軍事転用可能な光通信機器を持ち出し、在日ロシア通商代表部の部員(35)に渡したとして、警視庁公安部は10日午前、2人を窃盗容疑で書類送検した。
 この部員はロシア軍参謀本部情報総局(GRU)に所属しており、問題の通信機器はロシアに運び込まれたとみられる。公安部は、この部員が軍の通信基盤を整備するため、日本の最先端技術の不正入手を図ったとみている。
 在日ロシア通商代表部員は、公安部から出頭要請を受けた翌日の今月2日、ロシアに出国している。
 調べによると、元主幹研究員は同社に在籍していた昨年2月、自分が中心になって開発していた「可変光減衰器(VOA)」を持ち出し、在日ロシア通商代表部員に渡した疑い。VOAは、光ファイバーを流れる光量を制御する最先端機器で、大量の情報を瞬時に送信するために不可欠の技術とされ、同社内でも機密扱いになっている。


<最先端技術提供>露通商代表部員が赤外線センサーも要求(毎日)
 「ニコン」の元技術系社員(47)が光通信関連部品を在日ロシア通商代表部の部員(35)に提供した事件で、部員が軍事転用可能な研究開発中の赤外線センサーも元社員に要求していたことが警視庁公安部の調べで分かった。公安部は10日、元社員と部員の2人を窃盗容疑で書類送検した。 

 ニコンの人は、報酬6万円+4万円相当の接待で光通信機器を売り渡したらしい。売り渡すこと自体許されざる行為だが、それで得た利益が10万円分って事実に更に脱力。情報の重要性とか軍事機密漏洩に関する危機感がまるで無いってのがまる分かり。

中韓無断渡航 海自一曹が自殺 佐世保の護衛艦内(西日本新聞)
 10日午前5時45分ごろ、海上自衛隊佐世保基地(長崎県佐世保市)に停泊中だった護衛艦「あさゆき」内の倉庫で、乗組員の男性1等海曹(42)が首をつって死んでいるのを同僚が見つけた。遺書などは見つかっていないが、防衛庁は状況から自殺とみている。自殺した1等海曹は、韓国、中国へ無断渡航した疑いで海自佐世保総監部が前日まで事情を聴いていた。
 同庁によると、1等海曹は1999年12月から今年2月までの間、韓国へ11回、中国へ4回、許可なく渡航していたことが、事情聴取で判明していた。同総監部は今年7月、無断で韓国、中国へ無断渡航していたとして、別の隊員3人を停職処分とした。自殺した1等海曹は、そのうちの1人の3等海曹(39)=当時=と韓国へ渡航していたことが分かり、同総監部が今月に入ってから事情聴取を始めていた。
 また、停職処分を受けた3人のうち、別の1等海曹(45)は無断で部隊資料を自宅に持ち帰ったことも発覚。長崎県警が情報漏えいの疑いもあるとみて捜査している。防衛庁によると、自殺した1等海曹は、これまでの事情聴取で内部資料を無断で持ち出した事実などは判明していないという。


 8/2に「腹切って詫びるべきじゃないのか」と書いたのだが、実際に自殺をしてしまったようだ。嫌疑を掛けられたことを恥と思ったのか、ことの重要性に気付いて責任を取ったのか、動機は分からない。しかし、自分のとった行動の重みが分かっていたならば、自殺することは無かろう。これも、情報漏洩の重大性を認識していなかったゆえの結果ではなかろうか。


 最後に。

名城が故田中さんの墓前に世界奪取を報告(日刊スポーツ)
 WBA世界スーパーフライ級王者の名城信男(24=六島)が9日、鳥取市内にある元日本同級王者の故田中聖二さん(享年28)の墓前に世界王座奪取を報告した。昨年4月の日本王座戦で激闘の末に田中さんからタイトルを奪ったが、田中さんはその2週間後に他界。この日は墓前にベルトを供え、手を合わせた。名城は「自分のベストを尽くしたと報告しました。その結果、きれいなチャンピオンベルトを飾ることができて良かったと思います」と神妙な表情。そして「またベルトを持って来たい」と初防衛を誓った。年末年始予定のV1戦へ、今月下旬にもジムワークを再開する。
田中聖二さんの墓前にベルト 名城選手、勝利報告(日本海新聞)
 「きれいなベルトを持ってこれてよかった」−。世界ボクシング協会(WBA)スーパーフライ級王者の名城信男さん(24)=奈良市出身=が九日、鳥取市八坂の霊園を訪れ、自分と対戦後に亡くなった故・田中聖二さん=当時(28)=の墓前に光輝くチャンピオンベルトを供えて王座獲得の報告をした。名城さんは墓参を一つの区切りに、「強くなれるところまで強くなりたい」と、ボクシング人生の新たな一歩を踏み出す。
 名城さんは昨年四月、鳥取市出身で日本チャンピオンだった田中さんと対戦。田中さんを破り、新王者に就いた。しかし、田中さんは試合後に帰らぬ人に。ショックでボクシングから遠ざかった時期もあったが、復帰後の今年七月、無敗で世界王者まで登り詰めた。
 名城さんはこの日、ジムの会長らと来鳥。田中さんの墓前に花や線香をたむけた後、ベルトを静かに置いて無言で手を合わせて黙とう。「いろいろなことが頭に浮かんだ」という。
 墓参は、世界戦を前に一周忌で来たのに続き四度目。「勝負は勝つか負けるか分からない。でも次もベストを尽くした試合をしてここに来たい」−。防衛戦でも全力で戦うことを誓った。

 
 こういう話こそ、メディアは大々的に報じるべきじゃないのか。尊敬に値する人物を無視してまで注目するに値する実力を持ってるのか、亀田ってのは?父によれば家で泣いてるそうだが。



新しい日本代表は面白い (8/10)

 オシム監督初勝利。
 確かに選手はいい動きしていたけど、昨日の試合を見て「ジーコ時代は無駄だった」「やはり日本はレベルが高い」というのもいかがなモンかと。後半はそれほどいい動きではなかったし、強い相手であれば何点も入れられていたように感じられた。強い相手でどれだけ戦えるかを見ないと、何とも言えない。ただ、オシム監督の練習法は興味深いし、日本サッカーに新たなものをもたらしてくれるとは思う。選手が動き回って意外なところへパスが出るのは、見ていて面白い。
 

 さて。
 安倍さんより麻生さんの方に漠然とした期待を抱いていた身としては、麻生さんの靖国に関する私案にはがっかりした。安倍さんは親米・親韓だからねぇ…統一協会絡みの話もあるし、近著「美しい国へ」でも「ともに自由民主主義を標榜する国」として韓国に同調的だった。まわりにいる中川秀直とか世耕とか(安倍さんの秘書官にもなるという噂の)飯島秘書官とかの存在も、怪しい。
 てっく氏のblogでは、アメリカの存在を示唆している。確かに、安倍さんは取り巻きに変なのがいるから別としても、麻生さんについては、中共の陰謀と考えるよりはその方が納得はできる。
 いずれにせよ、中韓の内政干渉に応えるべきでないのと同様、アメリカの干渉にも応えるべきではない。ただ、戦勝国ではない中韓と違い、奴らは東京裁判の主催者だったから、コトは簡単ではないのだが。WGI(War Guilt Information program)は未だに続いている、ってことか。

 おまけ。
民主党:小泉政権の「負のリスト」まとめる(毎日)
 民主党は小泉政権5年間の批判材料として合計44項目のデータや発言を列記した「負のリスト」をまとめ、党所属国会議員らに配布を始めた。小泉路線を継承する安倍晋三官房長官がポスト小泉で有力になったことを受け、「国債残高は500円玉換算で1人あたり19.1キロ重くなった」など、現政権が後任に積み残す課題の「重さ」を具体的に強調している。
 小泉純一郎首相の「(年間国債発行額を30兆円以下に抑えるなどの公約は)たいしたことではない」などの発言を収録。「マイルドセブン1箱を吸う喫煙者は(たばこ税増税で)年間1万8250円の負担増になった」など家計の負担増を例示。格差拡大問題では生活保護世帯や、就学援助を受ける児童数の増加などのデータを列挙している。


 500円玉19.1kgなんて言うよりも、金額の方が分かりやすいって。「重さ」を身近な例で伝えようとしたんだろうけど、目論見は失敗してると思われ。それに、喫煙者への風当たりが強い昨今、喫煙者の負担増を示しても誰も同情しませんわ。



麻生さんの靖国論 (8/9)

 麻生さんの、靖国改造計画。

靖国に弥栄(いやさか)あれ(麻生太郎オフィシャルサイト)

 同意すべき部分もあるし、納得いかない部分も多くある。

 靖国神社が、やかましい議論の対象になったり、いわんや政治的取引材料になったりすることは、絶対にあってはならないことです。靖国は、戦いに命を投げ出した尊い御霊とご遺族にとって、とこしえの安息の場所です。厳(おごそ)かで静かな、安らぎの杜(もり)です。そのような場所で、靖国はあらねばなりません。  
 いかにすれば靖国を慰霊と安息の場とし、静謐(せいひつ)な祈りの場所として、保っていくことができるか。言い換えれば、時の政治から、無限に遠ざけておくことができるか――。  
 靖国にまつわるすべての議論は、いつもこの原点から出発するものでなければならないと考えます。


 政治的な喧噪から離れているべきだというのは、確かにそうだと思う。また靖国の経営に関わる問題も無視できないだろうし、天皇陛下が御親拝されることを何より優先させようという考えも理解できる。

 ただし、その解決法として提示している手段は、果たして適当だといえるのか。

 それでは靖国が宗教法人でなくなるため、まず何をすべきでしょうか。これには任意解散手続き以外あり得ません。既述のとおり、宗教法人に対しては外部の人が何かを強制することなどできないからです。また任意解散手続きは、護国神社と一体である必要があります。  
言うまでもなくこのプロセスは、靖国神社(と各地護国神社)の自発性のみによって進められるものです。
 その後の移行過程には、いったん「財団法人」の形態を取るなどいくつかの方法があり得ます。ここは今後、議論を要する点ですが、最終的には設置法をつくり、それに基づく特殊法人とすることとします。  
 名称は、例えば「国立追悼施設靖国社(招魂社)」。このようにして非宗教法人化した靖国は、今までの比喩を使うなら、戦死者追悼事業を再び「国営化」した姿になります。宗教法人から特殊法人へという変化に実質をもたせるため、祭式を非宗教的・伝統的なものにします。これは実質上、靖国神社が「招魂社」といった本来の姿に回帰することにほかなりません。各地の護国神社は、靖国社の支部として再出発することになります。 なお設置法には、組織目的(慰霊対象)、自主性の尊重(次項参照)、寄付行為に対する税制上の特例などを含める必要があるでしょう。


 思いつくままに感じたことを列挙すると、
●祭式を非宗教的・伝統的なものとするとはどういうことか。「祀る」という行為自体が宗教的ではないのか。
●非宗教法人化することで、靖国をいずれ弥生廟のように閑散とした場所にしてしまわないか。
●いったん「神」として祀ったのに、それを非宗教的存在とすることは手続き的にも感情論的にも可能なのか。
●国営化したらよけいに「政治」と繋がるんじゃないのか。

 また、この部分も気になる。

 靖国が宗教法人であり続ける限り、政教分離原則との関係が常に問題となります。実は政治家であるわたしがこのように靖国について議論することさえ、厳密に言うとこの原則との関係で問題なしとしません。まして政治家が靖国に祀られた誰彼を「分祀すべし」と言うなどは、宗教法人に対する介入として厳に慎むべきことです。

 「政教分離」の問題があるから靖国をとりまく現状には問題がある、という論。しかしそこには、憲法の「政教分離」をどう捉えるべきなのかという視点は、無い。「政教分離」の原則から靖国参拝を「私的参拝」とすべきだという論がある一方で(麻生さんの論というわけではないが)、カルトを母体とする公明党が堂々と与党に居座っている現状。政教分離は「完全政教分離」で行くべきなのか否か、創価学会=公明党をどう扱うか、といった部分に目を向けぬままに「政教分離原則」を基盤にものを考えるのは、順序が違うのではなかろうか。

 さらに、全体を読むと、「A級戦犯分祀」を視野に入れているという印象が強い。分祀を唱える人に対する批判として「宗教法人に対する介入」という言葉を使っているのだが、麻生さんは宗教法人で無くそうと主張していることから、そうなれば分祀を云々することは問題ではなくなる。「分祀という選択肢も含めて議論すべし」という意味なのかもしれないが、「A級戦犯は日本にはいない」と主張してきた人(私含む)からすれば、納得いく話ではないだろう。

 天皇陛下の御親拝を可能にする、靖国を慰霊のための政治的喧噪から離れたところに入りする施設にしたい、マスコミの突っ込みを受けない施設にするにはどうしたらよいか、これらを考えた上での現実的な方策を並べた主張という印象を受けた。
 それらの主張には賛成だし、靖国神社のあり方についてこういった具体的な提案が出ることは非常に有意義だとは思うが、麻生さんの主張する方法論には、賛成しかねる。国が国のために亡くなった人をどう慰霊するかとか、政教分離をどう捉えるかといった問題を御座なりにして、上っ面だけ取り繕っているような印象がある。あくまで本質論ではなく方法論・形式論にこだわっているというか。

 叩き台として議論してくれ、と「生け贄になる覚悟」で書いたのなら、その部分は評価します。後々、政治的議論から切り離された状態にするために、今の時期に議論することは重要だと思いますし。
(追記:靖国に国が関与することには反対しない、というかむしろ国が関わるべき。この文章で私が「政治的喧噪から切り離す」と述べているのは、靖国を政争の具にして中韓の内政干渉を呼び込むような行動のことを指してます)


 おまけ。
顧客提訴 反響よぶ会社の訴訟支援(中日)
 男性によると、「二、三万円の工事と思っていたら、最初二十五万円を請求された。ネズミが一階の空き店舗の床下から石を運んでいて、一、二カ月後にはまた詰まるので、五十万−百万円の改修工事が必要と説明された。金額が法外だと思ったし、説明にも非常な疑念を持った」という。
 名刺については「読みがなが小さくて見えず、『じょさん』とお呼びしたら、『違う』と言われて何を言っているのか分からなかった。そこから(表記を)どれか一つにしてほしいと言った。改修工事も断ると言っても聞いてもらえなかった」という。提訴を「人権で圧力をかけて自分の言う通りにさせる商売のやり方」と批判。両者の主張は全面的に食い違っている。(一部引用)

 ただのリフォーム詐欺だな。勿論「加害者」の言い分だから鵜呑みにするわけにはいかないかもしれないが、積水ハウスの売り込みの悪質さは有名ゆえ、さもありなんといった感じ。



やくさんの安否が気に掛かる (8/7)

 今朝はテレ朝のスーパーモーニングで、亀田父とガッツとやくが討論(?)していて、なかなか面白かった。親父さんを釣ってやくも満足して逝けるだろう(亀父に躾糸を差し出し「コレで亀を縛れ」と息子の真似して挑発、亀父は激怒)。俺たちにできない事を平然とやってのけるッ!そこにシビれる!あこがれるゥ!……てか、同じ土俵に乗ったら自分のレベルも下げることになるんで、巧い方法とは思えないが。ガチなんだろか、芝居なんだろか。
 例の試合の変な判定が、後々まで肯定派と否定派が争う構図で視聴率がとれると見越してのものだとしたら、マスコミ侮れぬ。一粒で二度も三度も美味しいもんな。というか、ガッツが己のキャラを忘れてしまっているのには、「あぁボクシングが本当に好きなんだな」と思わせられる。
 ただ、批判の矛先が親父や本人だけになるとTBSや京楽の思う壺。黒い部分の全てをなすりつけられれば、奴らは安泰だからな。

 親父さんも敬語使えないんだね。そりゃ、息子もああなるわ。
 親子鷹で頑張ってスポーツに取り組んでるなら、アニマル親子の方がよっぽど見ていてすがすがしい。

 亀田の態度は生理的に受け付けないんで理由なく苛つくのだが、理由有りで苛ついたのは先週のこんな話。

<岐阜県庁>組織的裏金作り 94年度で4億円超(8/4毎日)
 岐阜県庁内でねん出された裏金が県職員組合管理の口座にプールされていた問題で、県は3日、裏金作りは県情報公開条例施行直前の94年度まで行われ、94年度現在で総額約4億3000万円に上っていたことを明らかにした。現在も庁内の部署が約500万円、職員が約1億900万円の裏金を保有していることも判明した。

 裏金作られたってだけでも腹が立つが、

<岐阜県庁裏金>500万円を焼却「処理に困って…」(8/4毎日)
 岐阜県庁の複数の部署でねん出された裏金が県職員組合管理の口座にプールされていた問題で、組合口座に集約されず各部署などに残った裏金の一部について「処理に困って燃やした」「ゴミとして捨てた」など焼却・廃棄したとの証言が6件に上ることが4日、県の調査で分かった。総額は約500万円という。

 燃やされてしまいました。
 拙者は岐阜県民。預金の目減りに震えながら納めた県民税が燃やされたとあっては、正気ではいられない。お金の価値がどうこうよりも、不祥事を隠蔽しようという意識の方が強力だったようで。お金の扱い方という道徳観を失っているだけ、汚職政治家よりもなお質が悪い。



過去と断絶した人間の言葉は信用できぬ (8/5)

 今頃になってなぜ騒ぐかね?

安倍官房長官 4月に靖国参拝(NHK)
 複数の関係者によりますと、安倍官房長官が靖国神社に参拝したのは、靖国神社の春の例大祭が始まる前の4月15日の朝で、公用車は使わず、モーニング姿で参拝し、ポケットマネーから玉ぐし料を納める一方で、「内閣官房長官安倍晋三」と記帳したということです。安倍氏はこれまで、小泉総理大臣の靖国神社参拝を支持し、みずからの対応については、「国のために戦った方々にごめい福をお祈りし、尊崇の念を表すために靖国神社に参拝してきた思いは、これからも変わらない」と述べてきました。安倍氏としては、このように、今後も静かに参拝を続ける姿勢をにじませているものの、総裁選挙で、靖国問題が大きな争点になることは避けたいとしており、靖国参拝を総裁選挙の公約には盛り込まず、仮にみずからが総理大臣に就任した場合に、参拝するかどうか、参拝したかどうかなどについて、明らかにしないとしてきています。しかし、ポスト小泉争いで優位に立っているという見方が党内で強まっている安倍氏の参拝が明らかになったことは、今後の総裁選挙の論戦に波紋を投げかけそうです。

 「波紋を投げかけそうです」…って、波紋を呼びたいのはお前らぢゃねぇか。願望を記事にするでない。

自民内、賛否両論=公明「極めて遺憾」−安倍氏靖国参拝(時事)
 安倍晋三官房長官が靖国神社を参拝していたことについて、与党内では4日、賛否両論が上がった。自民党の武部勤幹事長は「参拝したい人は参拝し、したくない人はしなくていい」と個人の自由を強調したが、公明党の神崎武法代表は「極めて遺憾。日中、日韓関係に波及することを懸念している」と批判した。
 自民党の加藤紘一元幹事長は「困ったなという感じだ。安倍氏の場合は東京裁判(極東国際軍事裁判)への否定論が根底にあるから、小泉純一郎首相より事態は深刻だ」と記者団に語った。さらに「わざわざ総裁選の争点にした」と、安倍氏の参拝を皮肉った。
 山崎拓前副総裁もTBS番組の収録で、「外交上の問題を引き起こさせることは間違いない」と述べた。参院津島派幹部は「官房長官と記帳したなら、公式参拝と思われても仕方ない」と指摘した。


 加藤にとっちゃ深刻だわな。何らかの国家観・歴史観に則って参拝をおこなっているわけじゃない小泉さんより、安倍さんの方が手強いもんな。

 4000万の署名、国会での全会一致によって名誉を回復した戦犯。A級戦犯が合祀されていることを以て靖国参拝を批判すると言うことは、当時の日本人の心を全否定し、彼らの努力を無駄と断ずることになるのだが、朝日や毎日や読売や左巻き連中はそれほどの覚悟をもって喋っているのだろうか。


 そういや、昨日の朝日の社説も酷かった。

靖国参拝 嘆かわしい首相の論法

 何回読んでも、「朝日よ、お前の論法もかなり杜撰だぞ」としか思えない。まぁ、「心の自由」と言うだけで靖国を通じて国家観や歴史観を語ろうとしない小泉さんも、確かに杜撰と言えば杜撰なんだが。

 そのなかで「私の靖国参拝を批判しているマスコミや有識者、一部の国」に、こう反論している。「戦没者に対して、敬意と感謝の気持ちを表すことはよいことなのか、悪いことなのか」
 悪いなどとは言っていない。私たちを含め、首相の靖国参拝に反対、あるいは慎重な考えを持つ人々を、あたかも戦没者の追悼そのものに反対するかのようにすり替えるのはやめてもらいたい。
 首相はこうも述べている。「私を批判するマスコミや識者の意見を突き詰めていくと、中国が反対しているから靖国参拝はやめた方がいい、中国の嫌がることはしない方がいいということになる」
 これもはなはだしい曲解である。

 曲解でもすり替えでも無いと思うんだけど。
 
 そして、この部分は、とくに酷い。不愉快極まりない。

 戦争の過ちと責任を認め、その過去と決別することが、戦後日本の再出発の原点だ。国を代表する首相の靖国参拝は、その原点を揺るがせてしまう。だから、私たちは反対しているのである。

 中国の王朝交代じゃないんだから…「決別」なんて不可能だろ。戦前と戦後を断絶させる思想こそ、「日本に元来あった大事なもの」を失わせ、自由を履き違えたバカどもや国について考えることを放棄した無責任野郎どもをのさばらせているのだが。
 「戦争の過ちと責任を認め」などと書いているが、「決別」などという言葉を使っているのを見るに、「同じ日本人として過ちを認め謝罪する」というニュアンスではない。「戦前の日本人と自分たちは違う。戦前の日本人を弾劾することで、私たちは私たちの正当性を主張できる」という、傲慢で自儘な人間性を暴露している。「人のせい」にしようとする卑怯な心性がまさに表出している。
 朝日新聞の社説子は、過去と断絶した、日本人のようで日本人じゃない人物のようです。そんな根無し草、信用できません。


 安倍さんの話に戻る。
 今回の「安倍氏4月参拝」の話が、靖国参拝に反対する勢力によるリークではなく、8月15日の参拝を避けるために安倍氏側が今の時期を見計らって出してきたとしたら、残念でならない。小泉首相と違って安倍さんは「8月15日の参拝」を公約にしていないからその日に参拝せねばならない理由はないが、「靖国について積極的に意見を発信するのは得策でない」と考えて8月15日を避けたとしたら、それは逃げの姿勢でしかない。
 靖国参拝を総裁選の争点にするのを避ける、という考え方も分かるが、戦後の日本を総括するのに避けて通れない靖国問題に真っ正面から向き合おうとしない人間が、拉致問題や憲法改正といった、これまた戦後の日本のあり方を問う問題に、本当に立ち向かえるかどうか、かなり疑問である。
 堂々と語って欲しいなぁ。



鬼塚の再来 (8/3)

 見てはいなかったが、愉快な結果になったようで。
 日曜日、友人の魚屋と「亀田はたぶんKOはできんだろうが、判定で勝つだろうね」と話していたのだが、全く予想通りのようで何ともはや。しかも、かなり疑惑の判定だそうで。誰もが「(実力で勝つかどうかはともかく)勝つんだろうな」と思っていたのだが、もう少し巧くカムフラージュすると思っていた人が大半だったろう。

 金(視聴率)さえ手に入ればそれでいいというやり方はやめてほしいね。スポンサーになったパチ屋、わけの分からん感動ドラマに仕立てようとしていたTBS、お金は回収できましたか?
 亀田も被害者といえる……かな?共犯かもしれんな。1Rでダウンしたことを問われて「あれで視聴率上がったやろ〜」とか言ってたしな。とりあえず、目上の人に対しても敬語を(丁寧語すら)使えなかったり、相手に対する最低限のリスペクトも持てないような部分は、理屈抜きに気分悪い。

 世界チャンピオンを賭けた試合ってことで、世界中に日本の恥をさらしてしまったことになる。試合結果もそうだし、新チャンピオンの人となりも。日本人として恥ずかしいことこのうえない。韓国の「スポーツマンシップのあり方」と全く同じレベル。

 教育現場では、先生に敬語を使わないクソガキどもが増えている。先生の存在すら無視するアホども、それを躾けられないバカ親がうようよいるのだが、亀田がそれを助長する存在になるとしたら、罪は非常に大きい。一昔前なら反面教師としてしか存在できなかったんだろうが、今は真に受けて「格好いい」と考える人もいるだろう。

(8/4更新できないんで与太話追記)
 ネットもテレビも大騒ぎでしたね。大晦日に防衛戦を放送する権利を既にTBSは持ってるらしいが、どう収拾するんでしょ。PRIDEと全く同じ構造で、しかもこんな下手くそな芝居に仕立てちゃって。もしかしてあの試合、顔面セーフの特別ルールだったとか。それなら納得。ドッヂボールは子供のレジャーだし。



勘違い (8/2)

 なんだかかわいそうになってくる。

山崎氏訪朝検討 出馬へ「一手」か
 自民党の山崎拓前副総裁が北朝鮮訪問を検討している。山崎氏が先月下旬訪米した際、関係者から訪朝を促す「招待状」を受け取ったという。山崎氏は、総裁選出馬の可能性を捨ててはおらず、北朝鮮の金正日総書記と会談し、六カ国協議復帰などの譲歩を引き出せれば、安倍晋三官房長官の対抗馬として一躍注目を浴びられるとの計算も働いているようだ。
 山崎氏は、安倍氏や麻生太郎外相の対中国・対北朝鮮強硬路線には批判的。東アジア外交重視を結集軸に、福田康夫元官房長官を担ぐもくろみが、福田氏の不出馬で消えたことから、自らの出馬も含めて「次の一手」を探っている。
 北朝鮮側には、小泉純一郎首相の「盟友」と言われた山崎氏を仲介役に、ミサイル発射で高まった国際社会の圧力を回避し、日本との関係改善を図る狙いがあるとみられる。
 ただ、外務省は「(訪朝は)一切関係ない」(幹部)と冷ややか。成果があげられなければ批判を浴びるだけに、山崎氏は小泉首相の靖国神社参拝の行方などをにらみながら慎重に訪朝の可否を判断するものとみられる。

 総裁選出馬の可能性を捨てていないとか、北朝鮮から譲歩を引き出せる可能性があると考えているとか、勘違いもここまで来ると痛々しい。アメリカでは「北朝鮮による弾道ミサイル発射は北朝鮮の米国へのラブコール」と発言したり、ほとんど誰もまともに相手にしていないということを全く理解できていない模様。
 自分の政治力を回復させようと必死なんだろうなぁ。ことごとく空回りにしか見えないのだが。



話題の積水 (8/2)

 そりゃ差別はいかんよなとは思いつつも、どうにも違和感を覚える話題。

在日差別発言で顧客提訴 積水ハウス、社員を支援(共同)
 大手住宅メーカーの積水ハウス(大阪市北区)に勤務する在日韓国人の徐文平さん(45)が31日、「差別発言で傷つけられた」として、大阪府内の顧客に300万円の慰謝料と謝罪広告の掲載を求め大阪地裁に提訴した。
 積水ハウスは「雇用管理や社会的責任の観点から支援していく」として、訴訟費用の負担や、裁判に出席する間を勤務時間と認めるなどの措置を取る方針。原告側代理人によると、社員が受けた差別発言をめぐり企業が訴訟を支援するのは異例という。
 訴状などによると、徐さんは昨年2月、顧客の男性が所有するマンションの修理などについて説明に行った。漢字やハングルで併記された名刺を差し出すと「北朝鮮にいくら金を送っているんだ。おまえのような人間がいるから拉致問題が起こるんだ」など、仕事と関係ない発言を約2時間繰り返された。


 謝罪広告の掲載?わざわざ「在日を差別してすいませんでした」と新聞に載っけるのか?しかも会社が支援?こういった裁判にふつう会社が絡むか?何か弱みでもあるのか?

 違和感ばかり感じるのだが、会社が裁判を支援する理由は、何となく分かった。
取り組みの詳細 | Sustainability Report 2006 | 積水ハウス
 当社では1980年度に人権擁護推進委員会を設置して以来、同和問題をはじめ、女性・在日外国人・障がい者問題などさまざまな人権問題に取り組んできました。2003年2月には、人権擁護活動の一層の充実を図るために人権推進室を設置しました。あらゆる差別をなくして人権侵害のない社会づくりに取り組むことは企業の社会的責任であるとの認識のもと、人権推進室では、全社における人権擁護研修を企画・実施するとともに、従業員相談窓口を設置、人権問題に関する調査・研究などの業務を行っています。
 具体的な取り組みのひとつとして、社内外の人権問題について広くカバーした「人権啓発レポート」を1990年度より毎年発行し、従業員への人権教育に役立てています。このレポートは、人権問題のケーススタディなどを使ってグループ討議・自主学習を進めることで従業員の人権問題を捉える視点を醸成するテキストであり、急速に変化する人権と社会の状況や社内の人権擁護活動を報告する白書として毎年充実させています。また、人権パネル展の開催なども1993年から10年以上にわたり継続実施しています。

2005年度実施の主な人権研修テーマ
ノーマライゼーションってなに?(福祉と人権のまちづくりをめざして)
パワー・ハラスメントを起こさない職場をめざして
企業と人権〜私たちの課題
固定観念・偏見・差別
差別の根源に迫る取り組み
自分を見つめる〜同調と傍観
女性問題・同和問題
人権の世紀をともに生きる
人権を学び新しい自分を発見するサマーセミナー
同和問題(人権)と企業の社会的責任


 えらく「人権」に熱心な会社だということは分かった。
 奥井功(積水ハウス株式会社代表取締役会長)の講演によれば、「当社の人権問題の取り組みは1980年、差別図書である部落地名総鑑を当社が買っていたことが発覚しまして、大阪を初め各地で行政指導、及び人権団体から厳しい確認・糾弾を受たことが契機になっています。糾弾会ではたくさんの教えを受け、私の前の社長ですが、当時の社長は「これは購入者個人の問題ではなく、その個人を取り巻いている社会意識、つまり当社の体質の問題であると共に、同和問題に対する正しい理解と認識を教えていなかった私自身、社長自身の問題である」と言明しました。この糾弾会は、我が社にとって、心の変革を促してくれる教育の場であったわけです。」とある。ちょっと同情してしまう…。
 それで、こんなところにも顔を出していたのかね。

人権フォーラム21役員体制(2001年12月―2002年12月)
(2002年11月1日現在)
代表 武者小路公秀 反差別国際運動日本委員会理事長
副代表 イーデス・ハンソン (社)アムネスティ・インターナショナル日本副理事長
〃(総務担当) 江橋 崇 法政大学法学部教授
〃(規制・救済部会担当) 高野真澄 福山平成大学教授
〃教育・啓発部会担当 元木 健 川村学園大学教授・副学長
〃 金 東勲(キム・ドンフン) 龍谷大学教授
〃 樋口恵子 東京家政大学教授
〃 磯村 巌 トヨタ自動車株式会社取締役副会長
杉村和俊 積水ハウス株式会社専務取締役
〃 植場 恂 三菱自動車工業(株)上級執行役員
〃 布江彌之助 西日本鉄道株式会社取締役会長
〃 組坂繁之 部落解放同盟中央本部中央執行委員長
〃 久保田真苗 世界人権宣言中央実行委員会実行委員長
〃 小西清則 全国同和教育研究協議会委員長
〃 笹村二朗 北海道ウタリ協会理事長
〃 李 相鎬 在日コリアン人権協会会長
〃 山田昭義 DPI(障害者インターナショナル)日本会議議長
〃 黒柳祖道 「同和問題」に取り組む宗教教団連帯会議議長
〃 笹森 清 日本労働組合総連合会会長



 しかし、いちばん気持ち悪いのは、メディアがことごとく「顧客が差別的発言したのは事実」という前提で報道していること。顧客側は「差別的発言はしていない」「高額の工事費を要求されたことが発端」と話しており、現時点でどちらが本当のことを言っているか分からない以上(だからこそ裁判する)、双方の言い分を公平に伝えるべきではないのか。

 もう一つ気持ち悪い、というより怖いのは、仮に顧客側の言い分が正しかった場合、もし「人権擁護法」が成立すると、似たような事例が頻発するんではないかと思われること。ただの「企業へのクレーム」が、営業が在日だった場合、「在日であることを理由にクレームを付けられた」と難癖付けることも可能になってしまう。というか、(顧客の言い分が正しければ)まさに今回のケースがそれに当たる。在日コリアン人協会が「差別利権」として利用しないとも限らない。


 とりあえず、うちは積水じゃないので一安心(?)。



またハニートラップ? (8/2)

 腹切って詫びるべきじゃないのか。

1等海曹が海自内部情報持ち出す、上海に無断渡航も(読売)
 海上自衛隊上対馬警備所の1等海曹(45)が、無届けで中国・上海への渡航を繰り返したうえ、持ち出し禁止の内部情報をCDにコピーして自宅官舎に保管していたことが1日、明らかになった。
 上海への渡航目的は、日本人向けカラオケ店に勤めていた中国人女性に会うためで、このカラオケ店は、在上海日本総領事館員自殺問題で登場した中国人女性が勤めていた店だった。1等海曹は海自の調査に中国側への情報提供を否定しているが、警察当局は情報漏えいの可能性もあると見て、1等海曹と女性の交際の実態などについて捜査を進めている。
 1等海曹は2004年4月から、長崎県対馬市の上対馬警備所で海上を航行する船舶の監視員を務めていたが、先月、停職10日の懲戒処分を受け、現在は同県佐世保市にある佐世保地方総監部の管理部付となっている。
 防衛庁海上幕僚監部によると、1等海曹について、「機密情報をコピーして持ち出したり、無断で中国に渡航したりしている」という内部告発があったのは今年4月。同総監部が調査したところ、上対馬警備所敷地内の自宅官舎から、周辺国の軍隊が所有する艦船や潜水艦の写真を集めた内部情報をコピーしたCDが見つかった。1等海曹は、この資料を今年2月に警備所のパソコンでコピーしたことを認めた。
 さらに、自宅官舎には上海在住の中国人女性からの手紙などが保管されており、1等海曹はこの女性と会うため、今年3月までの1年3か月間に計8回も、無届けで上海に渡航していたことも判明した。
 1等海曹がこの女性と知り合ったのは、昨年1月、別の部署に所属していた元3等海曹(28)と上海に旅行した際、日本人向けカラオケ店で接客を受けたことがきっかけ。カラオケ店は、一昨年5月に自殺した在上海総領事館の電信官(当時46歳)が、中国公安当局に連絡役に仕立てあげられたとされる女性と知り合った店だった。
 海幕によると、CDにコピーされた内部情報は「識別参考資料」と呼ばれ、他国の艦船を監視する際などに利用されている。防衛庁の秘密情報は「機密」「極秘」「秘」の3段階で、識別参考資料は、その下の「注意」にあたり、外部に持ち出した場合、自衛隊法には抵触しないが、内規違反にあたる。
 同総監部の調べに対し、1等海曹は「自室で勉強するためにCDを持ち出した」などと説明。1等海曹のパソコンや、携帯電話の通話記録、中国人女性との手紙の内容などを分析した結果、識別参考資料が中国に持ち出された形跡は確認できなかったが、警察当局では他の資料も含め流出の有無を調べている。
 海幕広報室は「上海で現地調査することは事実上不可能。中国人女性がどんな人物で、背後関係があるかどうかについては調べられなかった」と話している。