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卒業式妨害元教諭に判決 (5/31)

「この卒業式は異常」 騒ぎ立て妨害の元教諭に罰金刑(産経)
 東京都立板橋高の卒業式で、都教委の国旗・国歌に関する通達を批判した週刊誌のコピーを配布し「この卒業式は異常」などと騒いで式典を妨害したとして、威力業務妨害罪に問われた元同校教師、藤田勝久被告(65)の判決公判が30日、東京地裁であり、村瀬均裁判長は「厳粛であるべき式典の進行を停滞させた」として、罰金20万円(求刑懲役8月)を言い渡した。
 藤田被告がコピーを配布したことや、発言の内容に争いはなく、藤田被告の行為が威力業務妨害罪に当たるかが争点だった。
 村瀬裁判長は「藤田被告は校長の退場要求に従わずに怒号を上げ、校長らは対応を余儀なくされた。この行為は威力業務妨害罪の威力に当たる」と判断。その上で「開式が約2分遅れており、卒業式の業務遂行は妨害された」と述べた。
 一方、村瀬裁判長は「実際に妨害されたのは短時間で、問題視するほどのものではなかった」と、罰金刑にした理由を述べた。
 判決によると、藤田被告は平成16年3月11日に行われた板橋高卒業式に来賓として出席。開式前に週刊誌のコピーを配り、同校校長らの制止に従わずに「なんで教師を追い出すんだ」などと怒号を上げ、式を妨害した。
 藤田被告は14年3月まで同校に勤務。都と学校の被害届を受け、警視庁が書類送検。16年12月に在宅起訴された。 都教委は15年、卒業式などの学校行事では国旗を壇上に掲揚し、教職員が起立して国歌を斉唱することを定めた通達を出した。この通達に違反して延べ345人の教職員が懲戒処分を受けている。

 来賓として出席しておきながら、卒業式を「自己主張の場」にするという時点で、どんな弁解をしようとも虚しい話にしか思えぬ。

 ついでに、君が代反対の公立校教師も批判しとこ。
 公立校の教師が国の指導方針に異を唱える、そこまでは理解できる。しかし、「決定事項」については、異論があっても従うのが社会のルールだ。一度決まったルールが気に入らないなら、その社会から離れた場所に身を退くか、或いはあくまで正当な言論で意見を述べるしかない。そういうバカ教師の場合は、公立校の教師を辞めて私立校にでも行けばよい。もちろん、その私立校が君が代斉唱を決定したのなら、また他の場所へ行かざるを得なくなるが。
 公務員という立場であることを自覚せずに、しかも決まったことに対して正当な言論ではなく「実力行使」で訴えるというのは、ガキのやること。生徒のために執り行われるべき式典を、己の主張のためにぶち壊す罪は重い。


 で、朝日が早速擁護している。

君が代判決 教育に刑罰は似合わぬ(5月31日付朝日社説)
 都立高校を定年退職した62歳の元教師が、最後に受け持った教え子たちの卒業式に来賓として出席した。2年前のことだ。そのときの振る舞いが威力業務妨害の罪にあたる、との判決を東京地裁から言い渡された。
 彼は何をしたのか。判決は次のように認定した。
 式が始まる前の会場で、保護者にビラを配って、「国歌斉唱のときに、教職員は立って歌わないと戒告処分になります。国歌斉唱のときは、できたらご着席をお願いします」などと大声で呼びかけた。教頭や校長が止めようとしたところ、「触るんじゃないよ」「なんで教員を追い出すんだよ、お前」などと怒号し、会場を騒がせ、式の始まりを2分遅らせた。
 この背景には、全国でも突出している東京都教委の国旗掲揚と国歌斉唱への徹底ぶりがある。こうした動きに疑問を持った元教師は「都教委が度を越していることを知ってほしかっただけだ」と話していた。
 判決は元教師の言動について「威力にあたり、相当な手段とはいえない。現実に業務妨害の結果を生じた」と判断した。そのうえで、卒業式の妨害を直接の目的としておらず、妨害は短時間で、式はほぼ支障なく実施されたことを考え、罰金20万円という刑を選んだ。
 検察の求刑は懲役8カ月だった。その落差は大きい。裁判所もさすがに検察の求刑は度外れていると考えたのだろう。
 元教師は「『大声で騒いだ』などということはない」として控訴した。
 元教師の行為は批判されてしかるべきだ。式の前とはいえ、式場で保護者に呼びかければ、混乱が起きるのは目に見えている。保護者が式場に入る前に声をかけるといった方法をとれなかったのか。
 しかし、だからといって、暴力を振るったわけではなく、起訴して刑事罰を科さなければならないほどの悪質な行為だったとは思えない。まして、懲役刑を求めた検察の見識を疑う。
 この問題は、卒業式に出席していた地元の都議が都議会で取り上げたのがきっかけだ。都教委が法的措置をとることを表明し、高校が警察に被害届を出した。これを受けて警察が元教師宅を捜索し、東京地検公安部が在宅で起訴した。
 外からやって来て卒業式を妨害する者はただちに警察に突き出すしかない。それが都教委や高校の論理だろう。
 しかし、教育のプロである教育委員会や高校が、学校で起こった問題をすぐに捜査機関に委ねようというのは安易ではないか。そうした教える側の態度は、生徒の目にはどう映るだろう。
 元教師のような行為を二度と許さないというのなら、相手とじっくり話し合って解決の道を探ることもできるはずだ。
 本来、教育にかかわる問題が刑事裁判の法廷に持ち込まれることは望ましいことではない。今回の判決で、その思いを新たにした。

 気持ち悪いのは、とりわけ以下2点。

相手とじっくり話し合って解決の道を探れ
 話し合って解決しようとしていないのは左巻きの方なのだが。
 この手の国旗・国歌に反発する方々は、ガキの戯言としか思えない理屈で以て自分の思想が正しいと思い込んでいる。話し合いが通じそうにはとても見えない。
 こういうのを見て、話が通じそうに見えます?
「日の丸」「君が代」処分事例集(要旨)
【緊急署名】都立板橋高校 藤田先生を救おう!
パワー・トゥ・ザ・ピープル!!

教育に刑罰は似合わぬ
 確かに子供を教育するときに(警察権力による)刑罰を利用するのは、確かに「似合わぬ」と言えるかもしれない。だが、教師に対しても同様であるとは思えない。ましてや、今回の被告は「外部の人間」だ。不当な行為に対して法の裁きを受けてもらおうとする考えが間違っている」とは言えない。(懲役8月はちょいとやりすぎな感があるが)

 この手の論調によく見られるのが、生徒を指導する立場の教師に対する態度と、生徒へ対する態度を混同する(混同させようとする)文言。国歌斉唱の時に立たなかったということで生徒を罰する、ということはない。あくまで問われているのは指導責任である。公立校の教師が、国旗と国歌の重みを教えるのは、当たり前の行為。自分の意見を抑えてでも職務を全うせねばならないこともある、なんてのは普通の社会人なら常識だが、一部の教師にはそれが理解できないらしい。


 ついでに、こんなものも発見した。
憲法と人権の日弁連をめざす会
 憲法改悪への動きが急を告げています。その国民投票をいわぱ戒厳令下におく法案が,自民公明・民主の3党共同でこの通常国会に提出されると報じられ,あわせて共謀罪や教育基本法改悪も企まれています。
 およそ10年前,中曽根首相は,国鉄分割民営化にあたり「総評・社会党プロックを解体し,座敷を掃除して新しい憲法を床の問に飾る」と豪語しました。
 しかし,その願望は多くの人々の必死の闘いで阻まれています。米空母艦載機の移駐に対する岩国市民の投票率59%・反対90%の住民投票意思,沖縄あげての名護新基地建設反対,国鉄1047名妓解雇者の団結を固めた闘いの続行,そして「日の丸・君が代」強制に対する教育労働者・生徒・保護者一体となった「不起立」の全国的拡がり。私たち弁護士も延べ70余名が弾圧監視団として取り組みました。
 大政翼賛にのみこまれ侵略戦争の先頭に立った戦前弁護士の轍を絶対に踏むまいと私たちは決意しています。改憲と人権侵害に対して,ともに立ち上がりましょう。


 賛同団体・個人のところに藤田勝久の名があるのだが、他にも興味深い名が。有名どころを強調しつつ引用。

賛同団体・個人(敬称略・五十音順)
アイム‘89東京教育労働者組合/足立昌勝(関東学院大学教授)/内田博文(九州大学教授)/浦野広明(立正大学法学部教授)/小田中聰樹(専修大学教授・東北大学名誉教授救)/喜多村憲一(川崎市職労港湾支部)/救援連絡センター/教育裁判連絡会(教育裁判を闘う教職員と保護者市民の会)/キリスト教事業所連帯合同労働組合/見城赳樹(都教委包囲・首都圏ネット)/小橋奉天(アイム‘89 東京教育労働者組合)/国鉄闘争共闘会議/国鉄千葉動力車労働組合/
崔洋一(映画監督)斎藤貴男(ジャーナリスト)/桜井善作(月刊小新聞『野火』編集発行人)/佐藤昭夫(早稲田大学名誉教授)/清水誠(都立大学名誉教授)/辛淑玉(人材育成コンサルタント)/新藤宗幸(千葉大学教授)/新村繁文(福島大学行政社会学部教授)/スタンダード・ヴァキューム石油自主労働組合/全金本山労働組合/全国労働組合交流センター/全国労働組合連絡協議会議長 藤崎良三/争議団連絡会議/鉄建公団訴訟原告団/大東文化大学教職員組合/「つくる会」の教科書採択に反対する杉並・親の会/鉄道運輸機構訴訟原告団/東京都労働組合連合会 執行委員長 増渕静雄/都教委包囲・首都圏ネット/都政を革新する会/とめよう戦争への道!百万人署名運動/破防法・組対法に反対する共同行動 小田原紀雄/婦人民主クラブ全国協議会/永井栄俊(「日の丸・君が代」強制反対予防訴訟をすすめる会代表)/西野瑠美子(ルポライター)/西村豊行(著述業)/西村正治(自由で独立した裁判官を求める市民の会事務局長)/西村綾子(婦民全国協代表)/野添憲治(作家)/野田隆三郎(岡山大学名誉教授)/朴慶南(エッセイスト)/「日の丸・君が代」強制反対予防訴訟をすすめる会/藤田勝久(板橋高校卒業式不当起訴被告人)/前川鎮男(「日の丸・君が代」不当解雇撤回を求める被解雇者の会/牧江寿子(教育裁判連絡会)/増田れい子(ジャーナリスト)/松尾章一(法政大学名誉教授)/宮島尚史(元学習院大学教授)/山川博康(スタンダード・ヴァキューム石油自主労働組合中央書記長)/梁石日(作家)/渡辺厚子(「日の丸・君が代」処分大泉ブラウス裁判原告)

 ど忘れしている有名人が他にもいるかもしれない。
 ちなみに、野田隆三郎は、「政府は横田めぐみさんの遺骨をにせものと断定しましたが
この断定には科学的根拠がありません」と言っていた男。西野瑠美子は、悪名高い「女性国際戦犯法廷」に関わった人物、というかVAWW-NETの人といった方が分かりやすいかな。



金英男さん家族、子殺しの親、ラスク書簡 (5/30)

金さん家族「息子に会わせて」訴え 衆院特別委(朝日)
 横田めぐみさんの夫の可能性が高い韓国人拉致被害者の金英男(キム・ヨンナム)さんの母崔桂月(チェ・ゲウォル)さん(78)と姉金英子(キム・ヨンジャ)さん(47)が29日、衆院拉致問題特別委員会で参考人として意見陳述した。めまいを訴えて一時、退席した桂月さんは最後に再び席に戻り、「生きている間に息子に会わせてください。力を貸してください」と涙ながらに訴えた。
 同委員会には、ほかにめぐみさんの父滋さん(73)と母早紀江さん(70)、「拉北者家族会」の崔成竜(チェ・ソンヨン)代表も参考人として意見を述べた。
 めぐみさんらの娘の可能性が高いキム・ヘギョンさん(18)について、英子さんは「弟(英男さん)や、めいのヘギョンさんに会えるかも知れないという希望を持っている」と発言。北朝鮮からの誘いがあれば「行きます、会います」と答えた。しかし「連れて帰っていいと言われたら?」との質問には「そのまま手をつないで帰ることができるとは思わない。他の家族の意見を聞かないと」と述べた。
 同じ質問に滋さんは「北朝鮮側はヘギョンさんに『お母さんは死にました』と言わせ、めぐみの死を既成事実にしようとするだろう」と述べた。早紀江さんも、ヘギョンさんに会いに行く話が02年暮れにあったことに触れ「悲しい選択だったが、会わないことにしました」と、当時の判断について話した。


 北朝鮮が悪辣な国家であることは、日本人にとってはもはや常識の範疇。横田さんがヘギョンさんに会いに行けば、北朝鮮はほぼ間違いなく彼女に「母(めぐみさん)は死にました」と言わせ、めぐみさん帰国の道を閉ざそうとする……ほとんどの日本人は、そう考えている。とりわけ北朝鮮の性格を知り尽くしている横田さん夫妻は、その手に乗ることなく、訪朝をしないでいる。
 しかし、韓国では、北朝鮮に対する認識はここ数年かなり甘くなっている。朝鮮戦争で、その後の対立の中で、北朝鮮の性格は知り尽くしていたはずなのに、金大中政権以後、北の工作が功を奏しているのか、反共思想における敵国ではなく同じ朝鮮民族の同胞という見方が主になりつつあるように見える。
 韓国の拉致被害者家族の認識がいかなるものかはよく分からないが、崔桂月さんや金英子さんの言葉からは、北朝鮮の拉致被害者に会いに行き、北朝鮮の都合の良い時に都合の良い形でしか面会できない「寺越武志さん方式」を採らされてしまう可能性を感じてしまう。問題は、韓国人拉致被害者だけの問題にとどまらず、崔さんらが訪朝すれば「横田めぐみさんは死んでいる」という「証言」をヘギョンさんや金英男さんにされてしまう可能性があることだ。

 韓国の家族会との情報交換が必要か、ということになるのだが、「北朝鮮はどんな悪辣な策略を弄するか分かりませんよ」という話なら、日本の方が北朝鮮のことを理解している。やはり拉致問題では、韓国と協力して…と考えるより、日本が主体になって「韓国を引きずり込む」と考えた方が良いだろう。仮に韓国の被害者家族が正しい現状認識をしたとしても、青瓦台にいる大川栄策似がどうしようもない人物だから、韓国には期待できない。
 小泉首相はその辺り率先して動くべきだし、拉致議連の方々も「制裁するよう他の議員に呼びかけます」とかだけじゃなく、具体的な外交活動・奪還活動のプランを提示してほしい。

 崔さんが「北でしか会えないとしても、会いに行きたい」と考えているとしても、その心情は理解できないわけではないのだが、そんなことになれば拉致事件の全容解明は非常に困難なものとなる。被害者家族の心情を推し量ろうとしつつも、それでも反対せねばならない。
 ちょっと前に「北朝鮮が拉致被害者二人を帰すという話がある」なんて言われていた。私たちには「二人だけで納得できるか」となるけど、被害者家族にとっては唯一無二の家族。それを理解したうえで、それでも「二人だけでは納得できない」と言わねばならないのだが、そうした公と個の葛藤みたいなものは、事態が進展すればするほど、様々な形で出てくるようになるだろう。



乳児死亡で放置の両親逮捕 パチンコ中、車内に5時間(共同)
 愛知県豊明市のパチンコ店駐車場に止めた車の中に長男(2カ月)を放置して死亡させたとして、愛知署は29日未明、保護責任者遺棄致死の疑いで、両親の会社員竹内祐人(24)、無職理恵(23)の両容疑者を逮捕した。
 調べでは、2人は28日午前9時ごろから午後2時ごろまでの約5時間、豊明市阿野町登のパチンコ店「有楽阿野店」駐車場で、窓を閉め切った車内に長男の俐緒ちゃんを寝かせたままスロットマシンをし、熱中症と脱水症で死亡させた疑い。途中、一度も様子を見に行かなかったという。
 理恵容疑者は当初「愛知県刈谷市のショッピングセンターで買い物をしていた」と署員に虚偽の説明をしたという。店は子供連れでの入店を断っていた。


 後を絶たない、この手の事件。子供を放置してパチスロにいそしめる感覚は、どうしても理解できない。また、子供を締め切った車の中に放置したらどうなるかを考えることができない頭の悪さも理解不能。
 かといって、パチンコ屋に託児所を設けるのもなぁ…我が家の近くのパチンコ屋には「託児所アリ」みたいな内容の看板がでっかく出ているのだが、託児所に子供を預けてまでパチンコするってのも「親失格」ではないかと。てか、「パチンコやるから子供を預かってください」なんて恥ずかしくてできんだろ。

 保護責任者遺棄致死ではなく、殺人罪で処刑を。ついでに、北朝鮮へお金を流したってことで、外患誘致(ちと違うか)で死刑に。



 最後に。ラスク書簡の原本も出ている、enjoy koreaの掲示板。1951年にアメリカが、竹島は日本領と認識していた証拠です。
http://bbs.enjoykorea.jp/tbbs/read.php?board_id=thistory&nid=1670953



国民大集会 (5/29)

 扁桃腺が腫れてきた。別に咳も出ていないし熱もないのだが、ここ数年、同じ症状によく見舞われる。それまでは扁桃腺が腫れたなんてことはなかったのだが。
 飯を食うのもキツいのだが、しかし食欲は全く衰えず。ていうか、生まれて30年、飯がうまくてうまくてしょうがない。おかげで立派に大きくなりました。

 さて。

日韓国境超える家族の叫び 国民大集会2500人(産経)
 拉致被害者の「家族会」と支援組織「救う会」、超党派の国会議員で組織する「拉致議連」は28日、東京都千代田区の日比谷公会堂で、全国規模の国民大集会を開いた。来日中の韓国の被害者家族会の代表や最大野党ハンナラ党の国会議員、北朝鮮の専門家らも出席、定員の2000人を上回る2500人が会場を訪れ、日韓の家族らの悲痛な叫びに耳を傾けた。
 10回目となる国民大集会の今回のテーマは「小泉首相の決断と今年中に拉致被害者全員の救出を求める」。田口八重子さん=拉致当時(22)=の兄、飯塚繁雄さん(67)は「愛しい家族が30年以上も、今この時間も(救出を)待っている。韓国や他の国とも手を組んで、北朝鮮への圧力をさらに強くしていきたい」とあいさつし、政府の迅速な対応を求めた。
 「父の日に、父の胸にカーネーションをつけられなくなって、もう20年が過ぎました。来年は愛するお父さんにカーネーションを付けられるよう、みなさん、お力を貸してください」。韓国の「拉致被害者家族協議会」の崔祐英会長が日本語でそう訴えると、大きな拍手がわき起こった。
 横田めぐみさん=同(13)=の母、早紀江さん(70)は「北朝鮮は2002(平成14)年暮れ、(めぐみさんの娘の)キム・ヘギョンちゃんを利用して、横田家に訪朝させようとしました。今後も『北』がやる幕引き作戦に乗ることなく、信念を持って闘っていきます」。
 増元るみ子さん=同(24)=の姉、平野フミ子さん(56)は「小泉首相はイラクの人のために自衛隊を派遣している。でも国家主権を侵されている拉致被害者にはどうなさるおつもりですか」と、改めて北朝鮮に対する制裁の発動を訴えた。

≪家族の声を聞かぬ政治家≫

 家族会と救う会の行動には2つの大きな柱がある。「国際連携」と「制裁発動」だ。
 4月の訪米や5月の訪韓をはじめ、タイの外務大臣と面会し日本側から拉致問題に関する情報を提供するなど、家族らは今年に入り、国際連携を構築するため積極的に動いてきた。
 もうひとつの「制裁発動」はどうなっているのか−。今回の集会は、それを政府や国会議員らにただす意味もあった。
 安倍晋三官房長官はメッセージを寄せた。「拉致被害者が全員生存していることを前提にあらゆる努力をしている」とし、小泉純一郎首相がよく口にする「対話と圧力」ではなく、安倍長官は「圧力と対話」とした。政府として外国要人との会談や国際会議で拉致問題の話を取り上げ、支援と協力を要請していくことも約束した。
 中川昭一農林水産相は「私は食糧の担当です。万が一にも、コメひとつ、日本海の向こうに贈るのであれば、体を張って阻止していきたい」と語った。
 山谷えり子内閣府大臣政務官も「国会が終われば、各省庁の政務官は世界中に飛び、拉致問題に関するパンフレットを配ります」と宣言した。
 与野党の国会議員からも対北圧力を強めるべきだとの声が相次いだ。
 「経済制裁を行うかではなく、いつ、どんな所で行うかの時期にきている」(逢沢一郎衆院議員)、「なぜ経済制裁を躊躇(ちゅうちょ)するのか」(中井洽衆院議員)、「なんとしても万景峰号の入港を止めたい」(漆原良夫衆院議員)・・・。
 家族が望む制裁発動に閣僚や国会議員が賛同したのだから、心強かっただろう。だが、発言したのはいずれも拉致問題に熱心な「拉致議連」のメンバーだ。閣内、与野党の議員の多くがこの認識を共有しなければ、制裁発動の行方は不透明だ。
 横田めぐみさんの「偽遺骨」問題で、当時の細田博之官房長官が「北朝鮮側に誠意ある回答を強く求め、こうした対応がない場合には、厳しい対応を取らざるを得ない」と述べてから、すでに1年5カ月。誠意ある対応はいまだにない。
 「何も動いていないのが残念でならない」。田口八重子さんの長男、飯塚耕一郎さん(29)はそう語る。増元るみ子さんの弟、照明さん(50)は「なぜひとつの制裁さえもできないのか。私たち家族の本気度が物足りないのか」と語気を強めた。
 家族の思いはいまだに多くの政治家に届いていないのか。「自分の身内と置き換えて考えて下さい」。会場に家族の叫びが響き渡った。


 「集会決議」は(各掲示板の情報に拠れば)以下の通り。

決 議

 多くの拉致被害者が北朝鮮にいるのを分かっていながら救出できず、今年もまた、私たちは国民大集会を開いた。なぜ、助けられないのか、口惜しくて、悲しくてたまらない。
 それでも、国際連帯と制裁による圧力という二つの柱を掲げた私たちの運動はこの1年で大きな成果を挙げた。
金正日が世界12カ国から拉致を行っているという驚くべき事実が明らかになった。また、横田早紀江さんが米議会で証言し、ブッシュ大統領との感動的な会見を行ったことも記憶に新しい。日韓の拉致運動の連帯も強化された。
 日本政府も拉致問題特命チームを中心に法適用厳格化などで強い圧力を加え始めたし、米国が昨年9月に実施した金融制裁は大きな効果を挙げている。
 窮地に追い込まれた金正日政権がどのような反撃に出てくるのか、予断を許さない緊迫した局面が生まれている。
 私たちは今、北朝鮮の地で助けを待っている被害者に向かい「あともう少しです、元気で待っていてください」という心からのメッセージを送りながら、次の3点を強く要求する。
1 金正日政権はすべての拉致被害者を即刻返せ。
2 小泉首相は、北朝鮮への制裁を発動してすべての被害者を救出するという強い国家意思を示せ。
3 韓国盧武鉉政権、中国の共産党政権は、拉致というテロへの加担を意味する金正日への支援を中断せよ。

平成18年5月28日
小泉首相の決断と、今年中に拉致被害者全員救出を求める国民大集会 参加者一同


 参加したわけではないので、集会の内容については、これから各所で紹介される各登壇者の談話をじっくり読んでから、意見を述べたい。テキスト興しの作業をされている方の存在があって、私のような人間も「何が話されたのか」を知ることができる、非常にありがたい。
 自衛隊が奪還活動ができるようにしたり、朝鮮の工作員どもの活動を阻止したり国外退去にできるようにするための法整備なども、一緒に訴えて欲しかった。その辺り、救う会の中でも意見が一致していないのかな。情報収集・処理機関の設置なら、反対するような人はいないだろうから、決議に盛り込むのも可能だと思われるのだが。

 ところで、決議を見て感じるのは、残念ながらここ数年、救う会や家族会は同じことを訴え続けている、ということ。救う会には、経済制裁以外にも拉致事件解決に繋がる施策の要求を様々出して欲しいなとは思うのだが、問題は「同じことを訴え続け」ねばならない状況にあり、状況をなかなか変えてくれない小泉首相にある。
 小泉首相、経済制裁が効果無しというのであれば、経済制裁に変わる奪還の手段を、早急に構築してもらいたい。経済制裁が効果ありすぎて北の暴発を招くというのであれば、暴発を防ぐような対策を次々繰り出していただきたい。多少刺激的な施策でも、それこそ小泉首相の「アピール能力」を以て、国民に「拉致事件解決に何が必要なのか」を赤カーテンの前で訴えるべきではないのか。確かに相対的には今までの首相よりはマシかもしれない、しかし一国の首相として絶対評価をするならば、やるべきことをやっていないということで決して評価できない。

 このまま退陣まで行くのなら、最後のサプライズってことでちょいと早めに退陣してくれないかな。9月まで時間があると、朝日とかの福田応援キャンペーンがさらに進んで、自民党員や議員の中に「安倍ではマズい」ってな論調が出てくるかもしれない。安倍ちゃんがリードしている間にやめていただきたいな、と。半分冗談、半分本気。



誰かを褒めるために誰かを貶める奴ら (5/26)

女性線路転落:韓国人留学生が救出 JR山手線新大久保駅(毎日)

 美談ですな、韓国人にも当然素晴らしい人はいる、と思っていたら…

韓国人留学生、日本の新大久保駅で線路に落ちた女学生救出 簡易まとめ|朝鮮|д゚)カンサツ日記


 どうやら女性を助けたのは韓国人だけではなく、またその韓国人自身がマスコミに「手柄」を吹聴している可能性が高い、など、様々な疑義がある物件のようだ。美談が美談で済まないのはかの国らしい。

 まぁ女性を助けたのは事実なので、その点は立派(事後にマスコミに売り込んだのでなければ)。ただ気持ち悪いのは、「そんな韓国人に引き替え日本人は…」という論調。5年前の事件でも、日本人の関根さんが犠牲になっているだろうに。「とくダネ(フジテレビ)」では、5年前の件に関して「日本人は何もしなかった」てなコメントが出たらしい。韓国人を褒めるのはまだしも、日本人を貶めてまで韓国人を持ち上げる思考回路は、どうにも理解しがたい。
 「作られた美談」「作られたブーム(韓流のことね)」が逆に韓国を貶めることになると思うのだが、まぁマスコミは耳目を引く話題ができればそれでいいんだわな。だいたい、こういう美談は日本全国あちこちで存在するもののはずで、その中心人物が韓国人だと言うだけでマスコミが取り上げるのは、やはり納得いかないものがある。韓国を「現実以上に」持ち上げても、すぐにそのメッキは剥げるんだが、マスコミはその辺りの学習能力は殆ど無いらしい。

 こちらは、テレビでは殆ど話題になってない。
お手柄高校生 西鉄が感謝状 ホームから男性転落…連係プレーで救出(西日本新聞)
 西鉄鉄道事業本部は24日、駅のホームから転落した男性を救助したとして、太宰府市の筑紫台高校の生徒6人に感謝状を贈った。
 6人は同校ソフトテニス部員で、3年の河原啓将君、牧園宗一郎君▽1年の那須野宏紀君、上妻拓人君、松川誠一君、堀内弘平君。
 西鉄によると、6人は部活動を終え帰宅をしていた今月11日午後9時ごろ、西鉄筑紫駅で電車を待っていた際、堀内君がホームから線路に転落している50代の男性を発見。すぐに他の部員たちに知らせ、河原君と那須野君が男性をホームに引き上げた。
 その間、他の4人も電車の緊急停止ボタンを押したり、近くの人に助けを求めたりした。電車は同駅まで約200メートルの所まで来ていたという。男性は軽傷だった。
 この日、同校を訪ね、6人に感謝状を手渡した安永博文・二日市駅長は「突発的な事故を防ぐのは難しい。6人の行動には感謝している」と勇気をたたえた。二日市駅は筑紫駅など周辺の駅を管轄している。6人は「突然のことで驚いたが、持ち前のチームワークがあったから無事に救出することができた」と話していた。




百人斬り訴訟、2審も棄却 (5/25)

2審も軍人遺族の請求棄却 百人斬り「虚偽と言えぬ」(共同)
 日中戦争時に「百人斬(ぎ)り」をしたと虚偽を報道されたとして、旧日本軍少尉2人の遺族3人が朝日、毎日両新聞社と元朝日新聞記者の本多勝一さんに総額3600万円の損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は24日、請求棄却の1審東京地裁判決を支持、遺族側の控訴を棄却した。遺族側は上告する方針。
 石川善則裁判長は判決理由で「日本刀の性能などから記事中の殺傷数などは信じられないが、2人が記者に話した内容が報道のきっかけになっている。当時『百人斬り』と報道される競争をした事実は否定できず、記事は虚偽とは言えない」との判断を示した。


 百人斬りについては、昨年8月に第一審が行われた。その際、土肥章大裁判長は「真偽について見解が分かれ、歴史的事実としての評価は定まっておらず、明白な虚偽とは認められない」「(向井・野田両少尉が記者に話したことが契機となった、また野田少尉が報道後に百人斬りを認める発言をしていることから)虚偽、誇張が含まれている可能性が全くないとはいえないが、記者の創作とまで認めるのは困難」と請求を棄却。「歴史的事実としての評価は定まっていない」にもかかわらず、つまり「事実とは断定できない」にもかかわらず、本多勝一による「断罪」を許してしまった。
 今回の第2審も、同様に「日本刀の性能から記事内容は信じられない」としながらも、「記事は虚偽とは言えない」と遺族の要求を退けた。

 第1審に関して、昨年8月24日に当欄で書いた文章を引用する。

−以下引用−
 昭和12年、東京日々新聞(現毎日新聞)が「野田毅、向井敏明少尉が前線で中国兵を斬り倒し、百人斬り競争をしている」という内容の記事を4回にわたり掲載。12月13日の4回目の記事では、野田少尉が105名、向井少尉が106名を斬ったことになっている。
 この記事を根拠に、両少尉は南京軍事裁判所で死刑とされた。
 昭和46年から、本多勝一は朝日新聞に「中国の旅」を掲載、その中で百人斬りに言及、大きな話題となる。それに対し、鈴木明氏『「南京大虐殺」のまぼろし』などで「百人斬りは虚構」という反論を展開。
 平成13年には野田マサさん(野田少尉の妹)が野田少尉の遺品から手記を発見、東京日々新聞の記事は浅海記者に持ちかけられた創作であったことが明らかとなった。手記の執筆時期は死刑判決が出てから処刑直前までと見られる。
 2001年6月18日付産経新聞記事をまとめてみると、手記には「
被告等ノ個人的面子ハ一切放擲シテ新聞記事ノ真相ヲ発表ス」として記者との会話を再現、記者が6月18日に「ドウデス、無錫カラ南京マデ何人斬レルモノカ競争シテミタラ。記事ノ特種ヲ探シテヰルンデスガ」と話を持ちかけ、向井少尉が冗談で「ソウデスネ無錫附近ノ戦斗デ向井二〇人野田一〇人トスルカ、無錫カラ常州マデノ間ノ戦斗デハ向井40人野田30人…(中略)無錫カラ南京マデノ間ノ戦斗デハ向井野田共ニ100人以上ト云フコトニシタラ」と応じ、記者は「百人斬競争ノ武勇伝ガ記事ニ出タラ花嫁サンガ殺到シマスゾ」「記事ハ一切記者ニ任セテ下サイ」と二人に話した、と書かれている。
 さらに手記によれば、野田少尉は「被告等ハ職務上絶対ニカゝル百人斬競争ノ如キハ為ザリキ」と百人斬りを否定し、「記者ガ目撃セザルニモカカハラズ筆ノ走ルガママニ興味的ニ記事ヲ創作セルハ一体ノ責任アリ」と記者を批判。ただ同時に「被告等ノ冗談笑話ニヨリ事実無根ノ嘘報ノ出デタルハ全ク被告等ノ責任」と自分たちの問題も挙げている。
 「日本刀で100人も斬れるか」という初歩的疑問を合わせても、百人斬りは虚構である可能性が非常に高い。少なくとも、「事実である」と断定できる証拠は無いと言っても構わない。
 ただ、野田少尉は帰国して故郷の小学校で百人斬りを競争したことを述べている。新聞記事に合わせて吹聴したのか、それとも事実だったのか、この点に関しては判断は難しい。

−引用終わり−

 「二人が記者に話した内容が記事なっており、虚偽とは言えない」という根拠は、野田少尉の手記を信用するならば崩れ去る。記者が話を持ちかけ、内容もでっち上げたものであるからだ。
 確かに、この手記が正しいとは断定できないかもしれない。記事の内容も、「否定」することは難しいかもしれない。しかし、「肯定」することも同時に難しいのではないか。裁判長も「日本刀の性能」について云々しているように、記事が正しいとは、決して確定できない。事実を確定させること自体が困難であるのに、なぜ「事実と断定したうえでの断罪」が「批判」として成立するのだろうか。

 本多勝一がやったことは、「『やった』という確証がないのに『やった』ことにしてつるし上げる』という行為。これを誹謗中傷と言わずして何というのか。
 第1審も第2審も、「百人斬りが100%無かったという証拠を原告が出しなさい」「記者に話したことが100%嘘だと言うことを証明しなさい」という命令を遺族に突きつけるもの。永田メールを思い出す…しかも、「メールが虚偽」と指摘されても、「メールを出したこと自体は否定できない」とか言ってるような話。むちゃくちゃだ。


 ついでに。「蒼き星々」掲示板の話。
 確かに、金正日や総連への追求の方が優先順位は上だろう。しかし、早い段階でいきさつについて説明する責任はあったのではないか。ただの質問投稿を削除していたのも事実で、その行動に対して疑問が投げかけられるのは自然なこと。「痛がらせ」というものが本当にあったのかもしれないが、「質問」「批判」と「誹謗中傷」「嫌がらせ」を混同しているようにも思われる。
 内輪もめは無いにこしたことはないが、「多くの人に理解してもらう」という考えを普段主張しているのならば、どういう事情があったのかを「理解してもらえる」ように、疑問に対してはとことん説明するのが筋ではなかろうか。



「自爆の作法」の方が合ってると思われ (5/23)

 本屋に行ったら、『ケンカの作法』なるタイトルの本を発見、刺激的なタイトルだなと思って著者名を見ると、辛淑玉と佐高信゚∀゚)こいつらに「作法」を学んでも益は無いだろ。「辛口論客による批判の作法徹底指南」なんてオビもあったが、辛口と罵詈雑言を混同するような人物に指南されたら、人間性を疑われてしまう。
 研究サンプルとして買おうかも思ったが、レジの人に「辛淑玉シンパ」と思われるのも癪なので、買うのはやめて、「JOJO」の文庫版34巻から37巻を買った。


福田猛追だってさ (5/23)

 さて、「福田猛追」の構図作りは、そろそろ仕上げに入りそうな勢い。

ポスト小泉、安倍氏41%、福田氏29% 本社世論調査(朝日)
 朝日新聞社が20、21の両日実施した全国世論調査(電話)によると、次の首相にふさわしい人は、安倍晋三官房長官が41%で最も多く、福田康夫元官房長官が29%で続いた。前回4月調査の安倍氏45%、福田氏20%と比べると安倍氏が減り、福田氏は急増、差は縮まった。麻生太郎外相は3%。谷垣禎一財務相は1%だった。
 有力とされる自民の4人と「そのほかの人」の五つの選択肢から挙げてもらった。
 自民支持層では安倍氏55%が福田氏26%をしのぐ。ただ、前回の安倍氏59%、福田氏16%より接近した。また、小泉内閣支持層では安倍氏52%が福田氏27%を超えたのに対し、不支持層では福田氏35%が安倍氏29%を上回ったのが目を引く。
 次の首相に力を入れてほしいことは「少子高齢化対策」が25%、「経済的な格差の是正」「景気対策」が21%、「外交の改善」「財政再建」が14%。「格差の是正」を挙げる人で安倍氏35%と福田氏30%が接近、「外交の改善」では福田氏が41%と安倍氏の32%を上回った。


 やっぱり民主支持層が福田票を伸ばしていたんだな。ただ、総裁選に関係ない母集団であっても、そこで「福田優位」という形が生まれてしまえば、当然自民党員の真理に影響を与える。福田優位→安倍では選挙に勝てない→福田を総裁にしよう、と。朝日のような信用ならん世論調査だろうが、仮に福田が安倍に並ぶことがあれば、その後は加速度的に福田支持が数字を伸ばしそう。福田が本当に総裁戦に出るつもりなのかどうかは疑問なんだが。
 おそらくは「靖国参拝」に反対する人がこぞって福田を応援しているのだと思うが、安倍さんも「靖国は争点にすべきでない」とか言わずに、なぜ靖国参拝が必要なのかをしっかり説明すべきじゃなかろうか。今すぐは無理でも、せめて総裁選直前には話して欲しい。できれば、自衛隊が国軍として誇りを持って活動できるような憲法・法律の改正だとか、竹島や尖閣或いは拉致などの主権侵害に対してどう立ち向かうか、そういった基本的な国家観についても述べていただきたいもの。



麻生さんの代替案を聞きたい (5/22)

外相「北朝鮮経済制裁、必要ない」(日経)
 麻生太郎外相は20日午前の民放テレビ番組で、北朝鮮への経済制裁に関して「(日朝間の)経済関係はすでに5年で5分の1以下になったのでないか」と述べ、発動の効果は薄くあえて踏み切る必要はないとの認識を示した。中国が小泉純一郎首相の靖国神社参拝を批判していることに関連して「日本の保守(派)を割るのにある程度成功したと(中国は)思っているだろう」との見方を明らかにした。
 
 「制裁」の効果には二つあって、一つは文字通り経済的に圧力を掛けること、もう一つは日本の姿勢を国際世論に宣言すること。アメリカの制裁が効いているという話があるが、もしそれが本当なら、事態が大きく動く前に日本の意志を鮮明にしておかないと、アメリカ主導で事態が動き、日本は付いていくしか無くなる、ってことになりはしないか。
 麻生さんのこの発言の真意を詳しく聞きたい。経済制裁に拠らない具体的な拉致事件の解決策を抱いているのか、何か状況が整えば制裁を行う用意があるのか。


 麻生さんと言えば、ポスト小泉。各方面での福田応援キャンペーンの効果はじわじわと拡がっているようで。

2位福田氏急伸、安倍氏頭打ち=「ポスト小泉」選び−時事世論調査(時事)
 時事通信社が19日まとめた世論調査結果によると、自民党の次期総裁にふさわしい政治家は安倍晋三官房長官が41.9%でトップを維持した。前月に比べ2.7ポイント減。2位の福田康夫元官房長官は20.6%で同7.1ポイント増えた。中国や韓国との関係改善への期待などが福田氏の急伸につながったとみられる。
 調査は11日から14日にかけて、全国の成年男女2000人を対象に個別面接方式で実施した。有効回答率は66.6%。
 2月の前々回の調査に比べると、安倍氏は3.0ポイント減少する一方、福田氏は11.0ポイントも増加した。3位は麻生太郎外相の2.4%で、以下、竹中平蔵総務相1.7%、谷垣禎一財務相1.4%などの順。


 総裁選に影響力を持つ自民党員の方々だけを対象にしたら、どんな数字になるんでしょ。民主党支持だけど民主党政権成立に現実味を感じない人が、福田さんを応援しているだけのようにも思えるのだが。
 もし本当に安倍氏が頭打ちなのだとすれば、その責任の12.8%くらいは山本一太にあるのではないかと…。
 

 安倍さんが小泉の改革路線を引き継ぐということを前提に、「格差社会批判は反安倍のプロパガンダ」なんて意見もあるようだ。しかし、安倍さんが進めている「再チャレンジ推進会議」の報告を読んだりすると、彼はちゃんと「格差社会」対策を考えているようにも見える。「格差はあって当たり前、年功序列はもう古い、これからは実力主義の時代だ」などと考えているようには見えない。小泉改革の是非や格差(があるとして)が小泉政権の責任かは措くとしても、安倍さんが本当に「小泉改革路線」を100%肯定しているのか。安倍さんを「小泉の後継者」と見るのは、本当に正しい見方なのか。

<自民党総裁選>格差問題も一つのテーマに 安倍官房長官(毎日)
 安倍晋三官房長官は21日、札幌市で開かれた「再チャレンジ・タウンミーティング」に出席後記者会見し「(格差問題は)当然、一つのテーマになる」と、9月の自民党総裁選で主要テーマになるとの見方を示した。また、安倍氏は非正規社員の待遇改善など格差是正策の一括法案化を検討する考えを改めて示した。


 ちなみに、私は、当然多少の競争は必要だとは思うが、かといってアメリカ型が良いかと言われると非常に疑問。完全に能力主義と言うことになると、アメリカみたいに一部の人間が殆どの富を有する、ってことにしかならぬ。能力主義でその恩恵に与れるのは、ほんの一握りの人間だけだし。

 年功序列方式も、子供が高校大学と進み金が大量に必要になったときに賃金が上がっているという面で、実はそう悪くないシステムだったかもしれない。数年前までは否定的だったけどね…若い頃には自分には才能があると思ってしまうものだし、生活がかかってくると思考回路も消極的になりますわ。



 話はガラリと変わるが、経済同友会が小泉首相に対して「中国で儲けられなくなるから靖国参拝はやめろ」と提言した話があった。私はその提言内容には反対だが、信念を持っての主張ならば、まぁ意見として認めざるを得ない。しかし、何だコレは。

北城経済同友会代表、靖国神社参拝自粛提言で首相に謝罪(日経)
 小泉純一郎首相は17日、都内で経済3団体首脳と会談した。経済同友会の北城恪太郎代表幹事は、首相の靖国神社参拝の自粛を求める提言を同友会が発表したことについて「ご迷惑をおかけした」と陳謝。首相は「特に気にしていない」と応じた。

 すぐに引っ込めるような提言だったらするなよ。経済同友会の中の一部の輩が勝手に提言をおこなったと言うなら、話は別だが。


 あともひとつ。民団にも良心のあるところは存在するって話。
民団長野、従来路線を継続 問題棚上げの恐れも (産経)
民団新潟、朝鮮総連との和解支持せず(産経)

 もひとつおまけ。知人に教えてもらったブツ。茨城にはプリングルス売ってないんだ…。
水戸黄門伝説(http://www.youtube.com/watch?v=skM6K6o-dq8)



民団が総連に媚びてる (5/18)

 昨日、民団について触れる際、反日団体だと述べた。在日の参政権を主張する行動などを指してそう言ったのだが、そんな組織の活動であっても否定すべきではない活動もおこなっていた。それは、「脱北者支援民団センター」の存在。
 この支援センター、最近になってから活動を休止しており、「総連との和解」というニュースを受け「センターをやめたのはこのためか」と多くの人は思っただろうが、民団自らが「総連への配慮」だということを認めた。

民団、5月初めから脱北者支援を休止…総連に配慮?(読売)
 現在、約100人の脱北者が日本で暮らすが、同センターは、このうち約70人に対し、就職の世話や生活保護を受けるまでの生活費の支給など支援を行っている。この活動について、朝鮮総連内部には「不法出国の犯罪者を支援するものだ」との意見があり、朝鮮総連はセンターの存在に不快感を示してきたという。
 ところが、今月初めから、センターがいきなり休止状態になった。韓国民団は「一時保留」だと説明。理由は「朝鮮総連への配慮など、総合的に判断した」としている。
(一部抜粋)

 いよいよもって、韓国本国から民団へ指示或いは圧力があったように感じられる。この際民団の「日本への感情」は措くとして、「北朝鮮」という「犯罪国家への感情」はどうなのか、問うてみたい。民団の活動理念と、総連との合作は、矛盾のないものなのか。総連との合同は、かの国の犯罪行為や総連の悪事の責任をも一手に引き受ける覚悟を要するものだが、その覚悟はあるのか。

改正入管法成立:民団「強い遺憾」(毎日)
 入国する16歳以上の外国人に指紋情報の提供を義務付ける改正出入国管理・難民認定法が成立したことに対し、在日本大韓民国民団は17日、「外国人を犯罪者予備軍のように扱い、人権を無視した『改正法』が可決されたことに強い遺憾の意を表明する」との談話を発表した。在日韓国・朝鮮人らの特別永住者は指紋採取を免除されるが、談話は「すべての外国人を犯罪者のように見る風潮を助長させる恐れがある」と指摘している。

 自分の国の強盗団の責任もとらないような組織じゃ、北朝鮮の悪事についても何とも思わぬか。



印象の違い (5/18)

小学校低学年の25%「お金が一番大切」(読売)
 小学校低学年の4人に1人が「お金が一番大切」と考え、「お金持ちはかっこいい」と考えていることが、金融広報中央委員会(事務局・日本銀行)が17日公表した調査結果で分かった。
 調査は、全国の児童・生徒8万7447人を対象に初めて実施した。「お金が一番大切」との考えについては、中高生、小学生ではいずれも否定的な意見が多数派だったが、高校生の30・1%、中学生の26・6%、小学校低学年で25・2%がそれぞれ、「お金が大事」であると回答した。
 “ヒルズ族”などが話題になる中で、中高生の5人に1人は「お金持ちはかっこいい」と考えていることも分かった。
 そうした“あこがれ”を裏付けるように、「お金をたくさんためたい」と考えている割合は、小学校低学年で74・4%なのに対し、中学生は88・9%、高校生は90・4%と、学年が上がるほど高まっている。

(読売新聞) - 5月17日23時9分更新

 一見、子供にまで「世の中ゼニや」という感覚が浸透しているのな、そりゃ大人がそういう風だから当たり前だわな、おいらもお金は欲しいし、などと思ってしまう記事。いかにも「最近のお子様達は銭ゲバです」てな内容なのだが、ちょいと冷静に読んでみれば「お金が大事ってのは当たり前の感覚」であるし、子供の3割程度しか「お金が大事」と回答していないのは、逆に意外かも。
 ってことで、毎日の記事を見ると…

<子どもお金調査>お金よりも大事なもの、8割が「ある」(毎日)
 日銀などでつくる金融広報中央委員会が17日発表した「子どものくらしとお金に関する調査」で、「お金よりも大事なものがあるか」との問いに小中高校生の約8割が「そう思う」と答えた。「勝ち組」「ヒルズ族」などと、成功者がもてはやされる風潮が広まるが、同委は「子供の金銭意識は予想以上に堅実だ」と分析している。
 ライブドア事件を挟んだ昨年12月〜今年3月、全国の小中高校506校、8万7447人を調査した。「お金持ちはかっこいい」との問いに「そう思う」と答えた割合は小学校低学年と高校生が2割強と、回答者の中で最も高かった。しかし、小学校高学年は同じ質問に約7割が「そう思わない」と答え、最も否定的だった。その一方で、中高生の6割以上は「お金をもうけられることはすばらしい」と答えた。
 また、1カ月の小遣いの額は、小学校高学年で平均1122円、中学生2738円、高校生5590円だった。【赤間清広】
(毎日新聞) - 5月17日21時2分更新


 同じ調査に関する記事だ。しかし、「お金より大事なものがある」と答えた子供が8割いるという、読売の記事とは反対の印象を受ける記事となっている。

 どちらの記事も別に印象操作をしようと思ってやっているわけではなく、調査結果を見て「子供もお金を大切にしている」と感じたか「子供も捨てたもんじゃない」と感じたか、記者の主観の違いが出てしまっただけだろう。ただ、同じものごとであっても、そしてあまり政治思想には関係ないような内容でも、新聞によって記事の書き方が大きく変わるものだな、という当たり前のことを今更ながらに再認識させられた。



反日団体が和解 (5/17)

 横田滋さんの訪韓の裏でこんなニュース。わざわざその日程に合わせたのかとも勘ぐりたくなる。

民団と総連が和解へ、あすにもトップ会談(読売)
 在日本大韓民国民団(韓国民団)と在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)は、結成から50年余り続いた対立関係を解消し和解するため、17日にも、東京・千代田区の朝鮮総連本部で初のトップ会談に臨むことがわかった。
 会談後、合意した和解内容などについて発表する。
 両団体の歴史的和解を受け、韓国民団が要求する永住外国人の地方参政権などの政治課題で、朝鮮総連が共闘に動く可能性もあるほか、国際的に孤立を深める北朝鮮本国に対し、韓国民団が経済支援に乗り出すとの見方も出ている。
 領土問題などで悪化している日韓関係にも、大きな影響を与えるとみられる。
 1950年代から対立を繰り返してきた韓国民団と朝鮮総連は、2000年6月の南北首脳会談と和解のための南北共同宣言を受けた、韓国と北朝鮮本国の要請もあり、和解作業を進めたことがある。
 数回の両団体幹部級の協議も行われたが、結局、互いの敵対関係について関係修復できず頓挫した経緯がある。
 今回の動きは、韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の発足で急速に進む南北協力、和解ムードの中で、再び本国の和解レベルから遊離した感のある在日組織レベルでも敵対関係を修正、解消しようとする動きとみられる。
 韓国民団は今年2月の中央大会で河丙オク(ハ・ビョンオク)団長をトップとする新指導部を選出したが、河団長は就任の弁で、「必要とあれば自ら総連に出向き、対立、和解の話し合いを進めたい」と語っていた。(オクは金ヘンに「玉」)
 しかし、在日子弟の民族教育問題や、無年金者問題など共通で取り組むべき課題は多いものの、両団体間では依然としてイデオロギー面での対立は根深く、一気に組織的な合同などに進む可能性は低いとみられる。
 関係筋は、韓国民団系の資金が今後、朝鮮総連を通じて北朝鮮に流れ、大規模開発などの経済再建に使われる可能性もあるとみており、拉致や核問題などを巡っても、日韓両国政府の足並みが乱れるとの指摘も出ている。

 一足お先に、在日組織が赤化統一を果たしたようで。

 民団の構成員は40万ほど、総連の方は10万ほど。特に拉致事件発覚以後、北朝鮮籍から韓国籍へ変わる者も多く、総連の構成員は激減している。また、社会的に孤立しているのは、どちらかと言えば総連の方。
 それなのに「民団の幹部が総連を訪問する」形での和解は、奇異なものに見えるが、韓国に広がるエスノナショナリズムを北朝鮮側が利用したと見れば、すっと理解できる。盧武鉉政権の民団への指示らしいものがあったのかもしれない。盧武鉉さん、南北首脳会談を夢見て、いろいろ動いているようだし。ノーベル賞もらえるとでも思ってるのやろか。
 経済力や構成員の数で考えれば「民団が総連を取り込む」というのが普通の感覚だろうが、韓国の赤化ぶりを考えると、実際には「総連が民団を取り込む」という形だろう。

 今回、和解が急がれたのは、やはり朝鮮総連がピンチに陥っているからだろう。総連傘下の組織への家宅捜索も行われ、総連は聖域ではなくなりつつあるし、昨今話題の「共謀罪」も朝鮮総連を視野に入れたものだろう。この和解が必死の生き残り策だということは容易に想像が付く。あとは、「和解」からさらに進んで「合体」となるのかどうか。

 敵が一つにまとまったってことで、攻撃しやすくはなるかもしれんが、反日スライムが合体して反日スライムキングになったとも言え、今まで以上に監視の目を厳しくしないと、うまく立ち回られてしまうかも。マスコミへのFAX攻撃の量も激増ですかね。

 ともかく、「ベルリンの壁崩壊」ほどではないが、ちょいと驚いたニュースだった。



外務省の不手際? (5/16)

「職務重圧で自殺」上海領事館、遺体引き取り時に説明(読売)
 在上海日本総領事館の館員(当時46歳)が2004年5月、中国情報当局から機密情報などの提供を強要されたとの遺書を残し自殺した問題で、総領事館側が当時、遺体引き取りを円滑に行うため、中国警察当局に遺書の内容を伏せたまま、「自殺の動機は仕事の重圧」と説明する書類に署名していたことが14日、明らかになった。
 中国側はこの署名文書を「自殺事件と中国政府は無関係」と「脅迫」の事実を否定する根拠としており、日中両政府の主張が平行線をたどる最大の要因となっている。遺体引き取りを優先するための措置だったとはいえ、外務省の対応の是非が改めて問われそうだ。

 外務省の査察チームが現地で自殺の経緯を調査してまとめた内部報告書などによると、中国国内で外国人が死亡した場合、火葬や遺体の引き取りには中国警察当局が発行する「外国人死亡書」が必要となる。今回のケースでは、04年5月6日、総領事館が自殺した館員を病院に搬送した後、上海市の警察が遺体を検視し、この書類を作成した。
 関係筋によると、総領事館側は、中国情報当局から執拗(しつよう)に情報提供を求められていたなどとする遺書の内容をすでに把握していたが、「真相を伝えた場合、発覚を恐れる情報当局に妨害され、遺族への遺体引き渡しを拒否される可能性がある」と判断。自殺の動機を「仕事の重圧」と説明し、それを記した書類に館員が署名した。
 日本政府は遺体を引き取った後、中国政府に対し、自殺の背景には中国側の恫喝(どうかつ)があったことを初めて明らかにし、「領事関係に関するウィーン条約」に違反する行為があったとして抗議した。
 しかし、中国政府は「日本側は、職員は職務の重圧のために自殺したと表明した」「(職務の重圧との)聴取記録や日本職員の署名もある」などと反論した。
 同筋によると、総領事館側は当時、「情報当局者から公務に関して脅迫を受けた」ということも「仕事の重圧」に含まれるとして、中国側の主張を退けられると判断していた。
 しかし、中国側にすれば、日本側が公文書である「外国人死亡書」にいったん正式に署名した以上、自殺の原因はそこに記された通り、「仕事の重圧」と主張することが可能だ。事実、中国側は一貫してその主張を繰り返し、日本政府のウィーン条約違反との抗議を退けている。
 本紙が今年3月31日付の朝刊で、総領事あての遺書の全容を報じた後も、中国外務省は、「脅迫」の事実を否定したままだ。
 外務省は昨年末に自殺問題が明らかになるまで、自殺した事実自体を伏せるとともに、中国にも口頭で2回、抗議しただけだった。こうした日本側の“弱腰外交”の背景には、「外国人死亡書」に署名した弱みがあった、との見方も出ている。
         ◇
 日本政府高官は、上海総領事館が館員の自殺の動機について、「仕事の重圧によるもの」と、中国側に説明していたことに対し、「全く知らない」と語った。

 外務省のクズどもめ、アホな言質を中国にとられやがって、そんなことしたら中国の言い分にも理があることになっちゃうじゃないか…と脊髄反射しそうになるが、

安倍氏、中国側の「仕事の重圧」否定 上海総領事自殺事件(産経)
 安倍晋三官房長官は15日午前の記者会見で、平成16年5月に在上海日本総領事館の男性職員が自殺した事件に関連し、総領事館側が遺体引き取り時に中国当局に対して「自殺の動機は仕事の重圧」と説明し関係書類に署名したとする一部報道について「(外務省の)監察査察担当参事官の調査結果にも、中国側作成の外国人死亡書にも、報じられた内容は含まれていない」と述べ、明確に否定した。
 安倍氏は「男性職員が職務の重圧のために自殺したとする中国側の主張に根拠はなく、受け入れられない。中国側公安当局関係者によるウィーン条約上の接受国の義務に反する遺憾な行為があった」と述べ、中国側の対応を批判した。

 どちらが正しいのか。読売が飛ばしたのか、安倍さんが嘘ついてるのか。外務官僚だと「自殺の動機は仕事の重圧」ってことにしてなぁなぁで済ませる可能性は高いと、つい考えてしまう。
 この件に関しては態度保留。


清水の舞台 (5/16)
 
清水の舞台から飛び降りる、自殺か中年男性(読売)
 15日午後6時ごろ、京都市東山区の清水寺の男性警備員が「本堂下の斜面で男性があおむけになって倒れている」と119番通報した。
 男性は同市内の病院に運ばれたが、全身を強く打ち約1時間後に死亡した。男性が倒れていた場所の上部約10メートルには本堂舞台があり、欄干(高さ約1メートル)の下に男性の靴と同じ模様の足跡があったことなどから、東山署は男性が欄干を越えて、飛び降り自殺した可能性が高いとみている。
 男性は30〜40歳代で、1メートル70。白色の長袖シャツに黒色のズボン姿。黒色の靴を履いていた。


 「清水の舞台から飛び降りた気持ちで…」を実践する人がいるとは…と驚いたのだが、案外そういう人は多かったらしい。

http://web.kyoto-inet.or.jp/people/akio53/tobiori.htm
 「清水の舞台から飛び降りたつもりで・・・」という言葉で有名な本堂。
江戸期の庶民信仰 願いがかなう? 江戸時代、多くの庶民が願をかけて飛び降りた清水の舞台
 「清水の舞台」からの飛び降り事件は、江戸時代に計234件にのぼっていたことが、清水寺の古文書調査で、このほど分かった。ことわざ通り「飛び降り」が頻繁に起きていたことが実証されたが、時代背景に「命をかけて飛び降りれば願いごとがかなう」という庶民の信仰があったという。
 調査は、清水寺塔頭の成就院が記録した文書「成就院日記」から、飛び降り事件に関する記述を抜き出してまとめた。記録は江戸前期・元禄七(1694)年から幕末の元治元(1864)年までだが、間に記録が抜けている分もあり、実際は148年分の記述が残っていた。
 調査によると、この間の飛び降り事件は未遂も含め234件が発生した。年間平均は1.6件。記録のない時期も発生率が同じと仮定すると、江戸時代全体では424件になる計算という。男女比は7対3、最年少は12歳、最年長は80歳代。年齢別では10代、20代が約73パーセントを占めた。
 清水の舞台の高さは13メートルもあるが、生存率は85.4パーセントと高い。10代、20代に限れば90パーセントを超す。60歳以上では6人全員が死亡している。京都の人が最も多いが、東は現在の福島や新潟、西は山口や愛媛にまで及んでいる。
 門前町の人らが相次ぐ飛び降り事件に耐えかね、舞台にさくを設けるなど対策を成就院に嘆願したという記録も残る。明治五(1872)年、政府が飛び降り禁止令を出し、下火になったという。
 お寺では「ことわざがなぜ生まれ、現実はどうだったのかという関心から調査を始めた。江戸時代に庶民の間で観音信仰が広まり、清水観音に命を託し、飛び降りて助かれば願い事がかない、死んでも成仏できるという信仰から、飛び降り事件が続いたのだろう」と話している。


 生存率の高さも意外。この諺は文字通りの意味で使えるってことか。



韓国絡みの話題を (5/15)

 本日は韓国特集。ちょいと古い記事もあるので、日付も付記しておきます。

ヨン様に免じて?ドラマスタッフの判決延期 ソウル高裁(朝日)
 2006年05月11日22時55分
 国外追放より韓流ドラマ優先?――。ペ・ヨンジュンさん主演で制作中の超大作ドラマで特殊効果を担当する米国人スタッフ(40)が大麻所持事件を起こしたが、ソウル高裁は、判決言い渡しをドラマがほぼ完成する7月まで事実上延期することを決めた。韓国メディアは「韓流ブームという国益に司法が異例の配慮をした」と伝えている。
 このドラマは高句麗の全盛時代を築いた広開土王(好太王)を描く「太王四神記」。制作費300億ウォン(約36億円)で、12月にテレビ放映された後、海外進出も計画。売り物のコンピューター・グラフィックスの監修役として、海外の大作で実績のあるスタッフが昨夏、韓国に招かれた。
 高裁やドラマ制作側によると、昨年10月、このスタッフが米国の知人から大麻約27グラムを送ってもらったとして起訴された。今年2月に地裁で有罪判決を受け、早ければ今月にも二審判決が出る予定だった。しかし、禁固以上の刑が確定すれば強制送還と法で定められているため、スタッフ側は法廷で「韓流の代表的スター、ペ・ヨンジュンのドラマなので何とか完成まで時間が欲しい」と主張し、裁判官が「要請には一定の言い分がある」と認めた。


 主権を主張するためなら国際法を守ることに何の意味もない、と言い放つ大統領の国(本音はともかく「言葉」にしちゃまずいだろ)。自分に都合が悪ければ法律なんて無視、と放言する大統領を生み出した国ってことで、その精神は裁判官にも浸透しているご様子。「(ドラマ完成まで待てという)要請には一定の言い分がある」…って、一分の言い分も無いだろ。もはや法治でなく人治。


「盧大統領はブッシュ政権に対する忍耐心失いつつある」(朝鮮日報)
 記事入力 : 2006/05/12 12:28
 韓国外交通商部の文正仁(ムン・ジョンイン)国際安保大使は11日、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が訪問先のモンゴルで「北朝鮮に対し制度的・物質的な支援を無条件で行う」方針を表明した背景について、「盧大統領はブッシュ政権に対する忍耐心を失いつつある」と説明した。
 (中略)
 文大使は韓米関係について「北朝鮮問題において韓国は『良い警察』、米国は『悪い警察』の役割を演じているが、問題があるとするならばお互いに調整できていないことだ」と指摘した。


 コリアンジョークは私には高度すぎてよく分かりません。
 逆に韓国に対して忍耐力を失いつつある国こそ数多いと思われ。特に、朝鮮戦争で亡国の際にあった韓国を救ったアメリカは、我慢の限界かもしれんぞ。
 むやみに無法国家に援助しようとする国のどこが「良い警察」なのか。


 お次は竹島関連。鈴木宗男さんの質問主意書への返答。宗男さん、頑張っているようで。

17世紀半ばには「竹島を実効支配」 政府が答弁書決定(産経)
 政府は12日の閣議で、わが国固有の領土である竹島について「遅くとも17世紀半ばには領有権を確立していた。明治38年以降も同年の閣議決定に基づき竹島を島根県に編入して領有する意思を再確認し、実効的に支配してきた」とする答弁書を決定した。
 答弁書は「韓国との間で解決すべき領有権の問題が存在することは客観的な事実」と指摘したうえで、「わが国の立場を主張し、問題の平和的解決を図るうえで、有効な方策を不断に検討する」と強調している。
 鈴木宗男衆院議員の質問主意書に答えた。
(05/12 13:43)


 韓国は当然、脊髄反射。

韓国「竹島は固有の領土」、日本政府の答弁書に反発(読売)
 【ソウル=中村勇一郎】韓国の外交通商省報道官は12日、日本政府が閣議で韓国による竹島(韓国名・独島)の占拠を「不法占拠」だとする答弁書を決定したことに対して、「断じて容認できない」とする論評を発表した。
 論評は竹島を「歴史的、地理的、国際法的に(韓国の)固有の領土」とし、占拠を「正当な主権行使」と主張している。

(読売新聞) - 5月13日0時22分更新
 

 根拠もなく感情論で主張するその様子は、駄々っ子そのもの。「正当な主権行使」と言うのなら、国際司法の場に出てこいや。

 ちなみに、こんなのを見つけた。
http://bbs.enjoykorea.jp/tbbs/read.php?board_id=ttalk&nid=267973

 内容を要約すると、大韓帝国の地理の教科書「大韓地誌」(1899年、内容についてはここ)には、「韓国の領土は北緯33度15分〜42度25分、東経124度30分〜130度35分」とあるが、竹島は131度52分なので、大韓帝国は竹島を領土と見なしていなかった、という話。しかも、「大韓地誌」のみならず、1907年「新大韓地誌」、1948年「朝鮮常識問答」でも、竹島は韓国領の埒外にあったという話。ついでに、「日本海」という言葉も見られる。
 残るのは、この資料の信憑性の問題ですな。


 最後に。韓国籍の男が、北朝鮮とのパイプ役をやっているってことで、韓国の話の一つとさせていただく。

覚醒剤密輸 禹容疑者 組長に直接連絡か 工作船から回収の携帯、15カ所へ発信(産経)
 北朝鮮からの覚醒(かくせい)剤が島根県沖から大量に密輸された事件で、警視庁などの合同捜査本部に逮捕された韓国籍の無職、禹時允容疑者(59)が、宮田克彦容疑者(58)が組長を務めている指定暴力団極東会系の組事務所に、携帯電話で直接連絡していた疑いが強いことが十三日、分かった。
 連絡に使っていたのは、平成十三年十二月に鹿児島県奄美大島沖の銃撃戦で沈没した北朝鮮工作船から見つかった携帯で、禹容疑者の親族らとの通話記録も残っていた。また、別に使用していた携帯の通話記録でも、海外に渡航すると組事務所への電話が頻繁になる傾向があったことが判明。合同捜査本部は、二人が電話で密輸に関する打ち合わせを重ねていた可能性があるとみて追及している。
 密輸事件について、禹容疑者は「全く知らないし、関係ありません」と供述。宮田容疑者も否認している。
 調べなどによると、携帯は、十三年五月に岐阜県内の業者がインターネットを通じて販売したプリペイド式。北朝鮮工作船とともに沈没するまでの約七カ月間、十五カ所の相手に計百三十五回にわたり発信された。
 通話先は禹容疑者の親族や知人が多かったが、宮田容疑者の組事務所の一般電話や、ほかの極東会系組員の携帯も含まれていた。
 携帯は海底に沈んでいた北朝鮮の工作船とともに約八カ月後に引き揚げられたが、本体の着発信記録が残っておらず、海上保安庁が携帯電話会社側に残された発信記録を調べた。
     ◇
 ■暴力団と「北」つなぐ
 北朝鮮工作船から回収された携帯電話の持ち主とされる禹容疑者は、覚醒剤密輸で日本の暴力団と「北」をつないだキーマンとみられる。一方、北の外貨獲得策は、覚醒剤から偽ブランドたばこの製造にシフトしているとされる。
 ▼通話記録
 平成十三年に奄美大島沖で海上保安庁の巡視船と銃撃戦の末に北朝鮮工作船が自沈。船内から回収されたプリペイド式携帯電話に、禹容疑者の親族の自宅、さらには松葉会や極東会といった暴力団関係者との間でのべ百三十五回の通話記録が残されていた。別の事件で、禹容疑者から押収した携帯にも暴力団との覚醒剤取引を示唆するメールが残されていた。
 自沈した工作船は逃走中に多数の黒い袋などを海に捨てており、十年に東シナ海で日本の暴力団と覚醒剤を洋上取引した工作船と同一だったため、海保は「覚醒剤運搬用」と断定している。
 「新田」や「新井」と名乗る禹容疑者は三年に国籍を北朝鮮籍から韓国に変えた。北への盗難車輸出未遂事件でも過去に逮捕され、関与の暴力団組長に「福岡で北の軍関係者を接待する」と話していたとされる。北に太いパイプがあったようで過去五年に計八十二回にわたって出入国。「うち四十回以上、北朝鮮に入った」(捜査幹部)という。
 ▼3年連続ゼロ
 北では、覚醒剤の密輸出など外貨獲得につながる対外工作は朝鮮労働党の「39号室」が主に管理しているとされる。十二日に鳥取・境港で捜索された貨物船「ツルボン1号」は北の貿易会社の所有。「39号室」は外貨獲得で貿易会社に指示を出しているという。
 北の覚醒剤は純度が高く、警視庁によると、卸値で一キロ三百万円から四百万円と相場の一・五倍から二倍の高値が付くという。ただ、警察庁のまとめでは、北を積み出し地とする一キロ以上の覚醒剤の押収は、十五年から昨年までの三年間は連続ゼロ。米国の取り締まり機関関係者は「情報衛星や船舶などを活用した日米連携の監視網が強化されたため」などと指摘する。
 ▼偽たばこへ
 最近の北の外貨収入源とみられるのは偽ブランドたばこだ。十五年ごろから、米国内で流通が拡大したとみられている。
 米国務省の現状報告では「マルボロ」の北製偽たばこが流通し摘発された事件が、十四年から十七年までの間に約千三百件発生。北国内で少なくとも一棟の偽造工場が確認され、「年間数十億箱の生産能力があるとの推計もあり、最大の外貨獲得源に成長している」(在日米当局筋)。もっとも、日本の公安当局や米当局は偽たばこへの取り締まりを厳格化させた場合、再び覚醒剤などの薬物密輸を本格化させる可能性もあるとみている。

(産経新聞) - 5月13日16時22分更新

 覚醒剤→タバコといった「いたちごっこ」を終わらせるような、あらゆる違法貿易を取り締まれる制裁をやらないと、警察や海保がいくら頑張っても限界がある。てか、制裁発動以前に、麻薬密輸船や工作船くらい止めてくれ、それは圧力ではなく普通の警察活動だろ、とも思うのだが。
 あとは、犯罪国家北朝鮮の日本支部たる朝鮮総連を掃除してくれないものか。



アメリカも靖国反対? Pt2 (5/14)

 とりあえずメモ。昨日書いたハイドさん絡みの話。

★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2005.07.15)
 ■米下院の「日本人、韓国人拉致非難決議」採択を受けて
島田洋一(救う会副会長、福井県立大学教授)
 既報のとおり、米下院本会議で、7月11日、北朝鮮による日本人、韓国人の 拉致および被害者を「拘束し続けていること」を非難し、米政府に対して、解決 に向けたしかるべき対応を取るよう求めた決議案(
ヘンリー・ハイド下院国際関係委員長ら提出)が、362対1(棄権1)という圧倒的な賛成多数で採択され た。
 先月全面リニューアルした「救う会」ホームページ英語版のUseful Materials 欄(下記アドレス)に原文(全文)を載せてあるので、参照して頂きたい。 http://www.sukuukai.jp/narkn/useful_materials.html
 今年4月26日、増元照明・家族会事務局長と私がワシントンで面談した際、
ハイド委員長がかたわらのスタッフに向かい、拉致問題で米議会として決議がで きないか検討してみてくれと指示を発した場面を思い出す。正直、その瞬間には、 一種のリップ・サービスかぐらいにしか思わなかった。今にして不明を恥ず。
 帰り際に、上級スタッフの
デニス・ハルピン氏が近寄ってきて、「委員長から の贈り物だ。ぜひ実現させよう。連絡する」と真顔でいうのを聞き、これは可能 性があるのかなという気になった。余談だが、数日後、別の会合で一緒になった ハルピン氏が、声をひそめ、「例の決議だが、国務省に知れると邪魔が入るので、 アメリカのメディアには言わないでくれ」とこれまた真顔で言ってきた。どこの 国の外交当局も体質は似通っているようだ。
 それからわずか2か月半で下院本会議での決議が実現した。この間何度も祝祭 日絡みの休会があったことなどを考えると、驚くべきハイ・ペースであり、特に 決議案作りから共同提出議員集め、各方面への根回しと終始尽力してくれた米下 院スタッフのデニス・ハルピン、サラ・ティルマン両氏には深甚の謝意を表した い。


ハルピン米下院専門委員、日本の歴史歪曲痛烈に非難(中央日報)
 「日本は過去の歴史をきちんと謝罪しない限り、安保理常任理事国になることができない」−−。

  米議会内の対韓半島保守勢力を代表するデニス・ハルピン米下院国際関係委専門委員が日本の歴史歪曲(わいきょく)についてこのように強力に批判した。
  19日、米議員会館で開かれた韓米研究所(ICAS)セミナーの主題演説「60年間解決できない日本の歴史遺産」からだ。 この日ハルピン氏は、日本の歴史歪曲を強い調子で批判するとともに、韓国や中国の対日感情に顔を背けたまま親日路線を固守する米国まで批判した。 ハルピン氏の私見ではあるが、米議会内で日本の批判が公開提起されたこと自体が例のないことだ。
  ◇「米、韓国対日感情を理解しなければ」=ハルピン氏は「米国は日本を安保理常任理事国にしてアジアの「英国」(血の同盟)とみなそうとするが、これは現実的に不可能な夢だ」と一喝した。「日本は過去、ドイツのビリー・ブラント首相がポーランドでひざまずいたように、きちんと過去の歴史を反省しない限り、どんなにお金をつぎこんでも安保理議席を獲得することはできないからだ」と話している。
  ハルピン氏は「ワシントンは、日本が十分に謝罪したということから韓国や中国など周辺国が硬直してしまったのではないかという」とし「しかし小泉純一郎首相がジャカルタで『過去史遺憾』を表明した4月22日、日本の議員81人は靖国神社を参拝しA級戦犯14人に頭を下げている」と指摘した。そして「米国ならばドイツ議員らがナチス追慕式に集団参加することを想像もできるだろうか」と反問した。
  また「日本は靖国神社のそばに真珠湾空襲と南京大虐殺を正当化する遊就館(太平洋戦争記念館)を建設した」とし「これでも日本が何の謝罪をしたというのか」と批判した。
   ◇「靖国戦犯位牌撤去せよ」=ハルピン氏は「(米国の)一部では韓国や中国の政府や国粋主義者らが日本の過去の問題を自国の政治的目的に利用していると主張している」とし「これは歴史に対する無知と誤解をあらわしたもの」と指摘した。
  ハルピン氏は「両国の(日本の蛮行に対する)感情は深いし、真実だ」とし「
韓国で11年、中国で4年暮らしたので、そのようなことはよく知っている」と述べた。
  ハルピン氏は結論として「日本は戦犯らに頭など下げずに、靖国に設置された戦犯位牌を撤去せよ」とし「そうでなければ韓国など周辺国とずっと気まずくならざるを得ないだろう」と要求した。

ワシントン=姜賛昊(カン・チャンホ)特派員 <stoncold@joongang.co.kr>
2005.05.20 09:46:26



アメリカも靖国反対? (5/14)

 朝日新聞に、「議院で演説するなら、靖国不参拝を言明せよ」という書簡を下院議長に送ったハイド米下院外交委員長の記事が出た。

首相の米議会演説向け「靖国不参拝表明を」 下院委員長(朝日)
 6月末に予定される小泉首相の訪米をめぐり、米下院のハイド外交委員長(82)=共和党=が、日本が模索している米議会での首相演説を実現するには「靖国神社を参拝しないことを自ら進んで表明する必要がある」とする趣旨の書簡を同党のハスタート下院議長に出していたことが12日わかった。8月の終戦記念日前後の首相の靖国神社参拝を強く牽制(けん・せい)する内容だ。
 米議会筋によると、書簡は4月下旬に出された。まず、イラクやアフガニスタンで米国を支援した強固な同盟の代表として首相の議会演説は基本的に歓迎する意向を表明。そのうえで、首相が演説の数週間後に靖国神社を参拝することへの懸念を示した。真珠湾攻撃に踏み切った東条英機元首相ら同神社に合祀(ごうし)されているA級戦犯に首相が敬意を示せば、フランクリン・ルーズベルト大統領が攻撃の直後に演説した場である米議会のメンツをつぶすことになるとしている。
 さらに、真珠湾攻撃を記憶している世代にとっては、首相の議会演説と靖国参拝が連続することは懸念を感じるにとどまらず、侮辱されたとすら思うだろう、と指摘。「演説後に靖国参拝はしないと議会側が理解し、納得できるような何らかの措置をとってほしい」と求めているという。
 日本側は良好な日米関係をアピールする狙いから、首相訪米時に上下両院の合同会議で演説することを模索している。米議会の資料によると、実現すれば日本の首相としては初めて。合同会議での演説は上下両院の同意が必要とされており、上院側では首相演説に懸念を表明する動きは出ていない。書簡に対するハスタート下院議長からの返答はまだないという。
 ハイド氏は第2次世界大戦当時、フィリピン海戦などに参戦した経験のあるベテラン議員。昨年秋にも小泉首相の靖国神社参拝をめぐって「(アジアの)対話が阻害されるとしたら残念だ」などと懸念を示す書簡を加藤良三駐米大使に送っている。

 朝日はこのような意見がアメリカの総意であるかのように書き立てるが、ハイド氏ひとりがどうこう言ってるからといって、何ほどの影響もあるまい。仮にアメリカの政治家の多数が靖国参拝に反対であろうと、日本がその主張に屈する必要はない。戦没者慰霊に関して外圧を受け入れてはならないのは、対中国の問題だけに限らない。

 さて、この記事はケント・カルダー氏へのインタビューに次ぐ「アメリカでも靖国参拝は問題視されてますよ」キャンペーンの一環だろう。(ちなみに、「パンダとそらまめ」さんによれば、カルダー氏のインタビューは取材対象の意図をねじ曲げたものであるらしい。)
 社説を使っての「福田さんを首相にしようキャンペーン」も絶好調。なりふり構っていられないご様子。

 ただ、ハイドさんの立ち位置が気になるんだよなぁ。今年2月には、脱北者の早期受け入れを政府に要求していた人物。拉致問題にも関心が高く、経済制裁について後押しするような発言も過去におこなっている。決して中国よりの思想の持ち主ではなさそうだし、どういう人物なのか気になる。「アメリカの言うことやることが正義」という思想の持ち主、ということだと整合性がとれるが。


 しかし、普段はアメリカのやること為すことに反対しまくりの方々ほど、今回アメリカの言い分を素直に聞いているのが、滑稽でしょうがない。



支援 (5/12)

 韓国も敵国と考えて戦略練らないと話にならないんじゃないか。

<韓国大統領>北朝鮮「制度的、物理的支援したい」と発言(毎日)
 【ソウル堀山明子】モンゴル訪問中の盧武鉉(ノムヒョン)韓国大統領が9日、同胞との懇談会で、北朝鮮に対し「制度的、物理的支援は条件なしでやろうと思う」と発言。南北首脳会談についても無条件開催を呼びかけた。これまで盧大統領は首脳会談や大規模支援については「核問題解決に向けた進展」を前提にしてきたが、李鍾(イジョン)ソク統一相は10日、「対北朝鮮政策に変化はない」と釈明会見を行った。
 懇談会で盧大統領は、「朝鮮戦争に対する(韓国)国民の評価を白紙化したり、北朝鮮のすべてを正当化する形では譲歩できない」としたうえで、「制度的、物理的支援」に言及した。また、南北首脳会談について「いつ、どこで、どんな内容を話してもよいから、(金正日(キムジョンイル)総書記と)会って話してみよう」と述べた。
 李統一相は10日の会見で、6カ国協議が再開されない状況に触れ、「盧大統領発言は、状況の打開に向け韓国政府が積極的役割を担う意思を示したものだ」と強調した。


 韓国を封じ込める妙案はないものかねぇ。
 中韓と北朝鮮の貿易額が増えたと言っても、いまだに日本への輸出額は146億円。ゆえに9日の本欄で、「アメリカの制裁で53億円凍結されてヒィヒィ言っているなら日本の制裁でも効果有り」と述べた。ただ、「アメリカの制裁でヒィヒィ言っている」というのが前提なんですな、これは。六カ国協議への復帰を拒む口実に使ってる辺り、ヒィヒィ言っているフリをしてるだけという可能性もないわけではない。北朝鮮の状況を調べてみようかな…って調べる方法あるんかな。

 で、こんな話も。

北朝鮮への食糧支援再開へ 世界食糧計画(朝日)
 世界食糧計画(WFP)は11日、北朝鮮に対する食糧支援を再開することで北朝鮮側と合意した、と発表した。
 WFPによると、08年半ばまでの2年間に、北朝鮮に1億200万ドル(約113億円)相当の食糧約15万トンを送り、約190万人を支援。同国内に10人の外国人スタッフを駐在させ、食糧の配布状況を監視するという。
 WFPは、北朝鮮が「食糧事情が改善した」として人道援助から開発援助への転換を求めたことから、昨年末に同国内での食糧の配布活動を終えていた。

 たかだか10人のスタッフで何を監視できるというのか。労働党幹部に横流しされて、金正日政権の延命に手を貸す効果しかなかろうて。人道支援どころか、金体制延命という意味では反人道的な行為。


 おまけ。

傷害:うつぶせ寝に腹立てた父親、保育士をけり逮捕 埼玉(毎日)
 子供を預けた保育所で暴れて保育士らにけがを負わせたとして、埼玉県警川口署は10日夜、同県川口市並木2、私立高校英語講師、菅光晴容疑者(32)を傷害容疑などで逮捕した。
 調べでは、菅容疑者は4月28日午後6時ごろ、同市西川口1の私立保育所に長男(5カ月)を迎えに行った際、うつぶせに寝かされていたことに腹を立て、「殺す気か」と怒鳴りながら準備中の園児の食事を床にぶちまけ、正座して謝罪する女性保育士(69)のひざをけって軽傷を負わせた。さらに今月2日朝には、市内にある経営者が同じ保育所にも押しかけ、応対した女性(70)の胸を殴るなどして2週間のけがを負わせた疑い。菅容疑者は「やりすぎた」と供述しているという。【弘田恭子】

 まぁ気持ちは分からんでもないが、やり方がアレだなぁと思ったら…。

http://www3.tok2.com/home/kanmitsuharu/のグーグルキャッシュ
著者略歴:
菅 光晴(かん みつはる)
昭和48年6月5日、埼玉県川口市に生まれる。早稲田大学第一文学部英文学専修を卒業後、ソウル大学の大学院(国語国文学科)で20世紀の韓国小説を研究して修士号を取得。1999年12月にはハングル検定1級に合格。現在、日出高等学校(東京都目黒区)の教員として英語を教えている。


 行動様式まで染まっちゃっただけか、もしかしたら遺伝子に組み込まれている人なのか。



久しぶりに民主党のお話 (5/11)

 前原さんが党首のままだったらどうだっただろうなぁ、ふとそんなことを思う。

国民投票法案、今国会の成立断念…民主の提案拒否で(産経)
 自民、公明両党は10日、憲法改正手続きを定める国民投票法案について、今国会での成立を断念した。
 両党と民主党の衆院憲法調査特別委員会理事は、これまで共同提案を目指して調整を進めてきたが、投票年齢や投票方式などを巡って意見の隔たりが埋まらなかった上に、民主党の小沢代表が与党との共同提案を拒否する考えを示しているためだ。
 与党内には、与党だけで法案を提出するべきだとの意見があるが、民主党の協力を得られなければ採決は困難だとの見方が広がっている。このため、法案の提出を見送る可能性もある。
 実際に憲法を改正する場合には、衆参両院で3分の2以上の賛成が必要となるだけに、国民投票法案の段階から民主党と歩調を合わせるべきだとする意見も根強い。


 産経の別の記事から一部引用。
 小沢代表は同日、鳩山由紀夫幹事長、渡部恒三国対委員長と相次いで会談し、共同提案に反対するよう指示していた。理由は「対立軸路線が国民の支持を得ており、共同提案に乗れば民主党の対決姿勢が分かりにくくなる」(同氏周辺)との戦略的な思惑がある。
 加えて、旧総評系の議員が多い参院民主党には慎重論が根強く「共同提案に向け急いで党内意見を集約しようとすれば、党に亀裂が入る」(執行部の1人)との"お家事情"もあるようだ。


 政治的な思惑、党利党略で、今の日本に必要なものをすっ飛ばしている、としか私には見えない。憲法改正ではなく、その手続きを巡っても「反対のための反対」をやるようでは、憲法改正はまだまだずっと先のことのようで。拉致問題解決のための軍事行動は、憲法での規定でなくやはり特措法での強攻策しかなさそうだ(まぁ元々早期の改正は期待していなかったけれども)。

 政策を訴え、その結果選挙に勝って政権を取る…これがあるべき姿ではあろうが、勿論、政治はそんな理想論だけで動くものではなく、権力闘争に勝ち抜くしぶとさも必要。いざとなったらなりふり構わず戦いを挑み、権力を奪うことも、自身の求める政策を実現するためには必要。権力闘争を嫌う政治家は、政治家ではない。
 ただ、だからといって、建前としての「政策優先」すら放棄するのは、無責任であり頽廃である。小沢がトップになってからの民主党は、社会党のやり方を踏襲しようとしているだけにしか見えない。反対のための反対をする野党…与党がガタガタの時はそれで支持も得られようが、与党が危機感を持てば(森から小泉に変わったときのように)全く太刀打ちできない。


 もう一人、代表代行の方。

菅氏、今度は「団塊ジュニア党」 支持層拡大へ設立準備(朝日)
 民主党の菅直人代表代行が「団塊ジュニア党」(仮称)の設立を目指している。すでに緩やかなネットワーク「団塊党」を立ち上げ、この世代の地域活動参加を支援しているが、今度はその子どもたちの世代を対象に、政治や社会への参加を促す。党勢拡大にもつなげたい考えだ。
 4月の衆院千葉7区補選が終わった後、菅氏は「次の一手は団塊ジュニア世代」と何度も口にしている。この補選では民主党が勝ったものの、団塊ジュニア世代を含む20〜30歳代の支持が低かったのが理由の一つだ。
 ニートにフリーター、少子化問題。菅氏はジュニア世代を「現代社会の様々な問題の当事者だ」という。菅氏に呼応した千葉県市川市の高橋亮平・民主党市議(30)を中心に、団塊ジュニア党のアイデアを練っている。この世代の議員を増やすプロジェクトのほか、年金や子育て、教育問題などについて団塊の世代とともに政策提言をまとめることなどを検討中だ。

 菅氏は「非正規雇用の待遇の悪さが、将来を見通せなくして少子化を招いている」とし、民主党内のジュニア世代の議員にも呼びかけ、同一労働で同一賃金を保証する法案の提出も探っている。

 なんやかんやとご託を並べているが、団塊の次に人口の多い層を取り込みたいだけのことですな。非常に安易な発想なのだが、こういった安易さが、20〜30代の支持が薄い理由なんだがね。団塊ほど思想や思考を一括りにするのが簡単な世代でもなかろうし。ニート・フリーター対策や少子化問題は確かに重要な問題なのだが、そういった政策の重要性から「団塊ジュニア党」を打ち出したようには見えないんだよなぁ。

 ついでながら、その世代に属する身としては、団塊ジュニアという呼び方も腹立たしいものでして。何だよ、ジュニアってぞんざいな呼び方は。バブルも謳歌できず、遊びまくる若者を見ながら「次は俺らの時代」だと思ったらコギャルに道を譲ってしまった、かわいそうな世代なんだぞ。


 最後に。

「失踪者調査」ラジオ放送 北朝鮮が妨害電波 安倍長官「遺憾であり残念」(産経)
 北朝鮮に拉致された可能性を排除できない行方不明者を調べている「特定失踪(しっそう)者問題調査会」(荒木和博代表)が、北朝鮮向けに流しているラジオ放送「しおかぜ」に妨害電波が発信された。安倍晋三官房長官は九日午後の記者会見で、妨害電波は北朝鮮当局が発信しているとの見方を示した上で、遺憾の意を表明した。                  ◆◇◆
 「しおかぜ」は昨年十月から始まった短波放送で、第三国の電波配信会社を通じて、北朝鮮向けに流している。
 当初は特定失踪者や拉致被害者の氏名などを読み上げていたが、段階的に放送内容をリニューアルしてきた。四月からは、ニュースや解説を流しているほか、元北朝鮮工作員の安明進氏(37)が朝鮮語で北朝鮮の人々に決起を促す呼びかけも行っている。
 安倍長官は妨害電波について、「北朝鮮国内から遅くとも今月五日ごろから発信されている」との見方を示し、「一人でも多くの特定失踪者の人たちに声を届けたいという気持ちでこの放送をしているわけであり、こうした妨害は遺憾であり残念だ」と述べた。
 調査会では、「妨害電波が今後も継続されるか様子をみて、対応を考えたい」としているが、妨害電波の発信は、北朝鮮側が「しおかぜ」に危機感を抱いていることの表れといえる。対北放送の効果が裏付けられた形だ。


 妨害は勿論腹立たしい行為ではあるが、露骨な妨害を仕掛けてくるほどに、「しおかぜ」は効果的な手段だということが証明されたとも言える。また、拉致被害者が「しおかぜ」を聴ける環境にある可能性があるということも示している。



外堀埋めるのなら (5/9)

 拉致問題に絡んで必要な情報になるかもしれないので、メモも兼ねて引用。

規制強化で大幅減=北朝鮮の対日貿易(時事)
 【ソウル8日時事】韓国の大韓貿易振興公社(KOTRA)は8日、北朝鮮の2005年の貿易実績をまとめた。それによると、対日輸出は前年比19.7%減の1億3111万ドル(約146億円)、輸入は同30.0%減の6250万ドル(約70億円)で、ともに大幅に落ち込んだ。
 日本政府が、北朝鮮の主な輸出品であるアサリの原産地表示や、日本製工業製品の軍事転用を防ぐために「キャッチオール規制」の適用を強化したことが大幅減の主因としている。北朝鮮製品に対する日本の消費者のイメージが悪化し、繊維製品などの輸出が減ったことも響いた。


 2割減とはいえ、まだ146億円も北朝鮮に流れているのな。

米金融制裁、あえぐ北 凍結口座は53億円 国際決済マヒ状態(産経)
 米国は昨年九月、北朝鮮の偽米ドルのマネーロンダリング(資金洗浄)にかかわったとして、マカオの「バンコ・デルタ・アジア」と米系銀行の取引を停止し、北朝鮮系の十五口座(九つは仮名口座)を凍結した。
 ヒル米国務次官補は、凍結した総額を「約二千万ドル(約二十三億円)」と公表したが、実際には約四千六百万ドル(約五十三億円)にのぼっているという。これらの口座は通常の貿易だけでなく、武器や麻薬などの決済にも使われていたとみられている。
(一部抜粋)

 産経の記事を信じるならば、北朝鮮は53億円でヒィヒィ言っていることになる。日本との貿易黒字76億円がなくなれば、大打撃になる、つまり経済制裁の効果は非常に高いということ。

 日本は何か具体的な手を打っているのか、となると…

首相、サミットで拉致問題提起(読売)
 小泉首相は8日、ロシア・サンクトペテルブルクで7月に開かれる主要国首脳会議(サミット)で、北朝鮮による拉致問題を取り上げ、参加国が協力して解決に取り組むよう求めることを決めた。
 安倍官房長官が8日の政府・与党連絡会議で、こうした方針を説明した。
 ブッシュ米大統領が4月末、拉致被害者である横田めぐみさんの母、早紀江さんに対し、拉致問題解決への協力を約束したのを受け、日本政府も、サミットが国際的な連携を強める好機となると判断した。
 安倍長官は同会議で、「横田さんらの訪米で、米国のみならず世界に対し、拉致問題解決の重要性を訴えるメッセージが発出された。政府としては、世界各国との連携を強化し、外交努力を尽くす」と述べた。


 国際社会の拉致について訴えることは支持する。日本がいかなる行動を採ろうとも、より多くの国の協力或いは少なくとも支援は、拉致の解決に効果的だからだ。ただ、横田早紀江さんの行動を外交に利用しているような雰囲気がちょっと気分悪い、それが実際の政府の意図なのか記事の書き方の問題かは分からないが。

 しかし、拉致をサミットで訴えるのはいいが、日本が何か能動的に動いているのでなければ、協力を得ることは難しいと思われる。各国の支持を取り付けるのであれば、まず日本が主体的な行動を示さなければならないだろう。
 
 他国が主体で日本が付いていく、という形はできれば避けたい。これは別にプライドとかの問題だけではなく、その助けてくれる他国が助けてくれなくなったら、同じ悲劇がまた繰り返されるから、ということだ。あくまで日本が主体的に拉致を解決するのが理想型。だから、サミットで拉致問題を提起するというような「外堀を埋める」行為をおこなうのであれば、近いうちに経済制裁か奪還のための法整備に着手せねばならない。
 「各種法整備を進めた上で経済制裁>制裁と法整備の同時進行>まず経済制裁>対話での交渉」というのが私の考えだが、国際的な包囲網が作られつつあるのであれば、二番目の選択肢が現実的か。


 5月28日に国民大集会が開かれる。
 http://www.sukuukai.jp/img/20060528handbill.pdf(救う会HP)

 経済制裁も重要だが、奪還のために必要な法整備も訴えていただきたい。政治運動が主体と見られるのは得策ではないが、しかし政治無しでは解決があり得ないのも事実なわけで、拉致事件解決のための政策を訴えるのは不可避じゃなかろうか。政治運動が目的だと見られるのを避けるために政治的提言をしないというのではなく、提言の仕方を考慮するという方向で考えるべきだろう。
 具体的な政策まで救う会が提言するのは行きすぎというのであれば、出席する拉致議連の方々に、被害者奪還までの法的な道筋を述べてもらいたいものだ。議員の仕事はまさしく法整備であるのだから。



変な調査と珍道中二人 (5/8)

 先週のものだが、左巻きもかなり弱ってきてるんだなぁ、と思わせられる記事。

8割近くが9条改正反対 学者、弁護士ら街頭投票(共同)
 憲法改正の動きに対する国民の意識を調査しようと、野田隆三郎岡山大名誉教授らが呼び掛け人となり、33都道府県の72の街頭で、通行人に9条改正の賛否についてボードにシールを張って投票してもらった結果、改正反対が8割近くに上った。
 野田教授や弁護士らが「憲法9条変える?変えない?全国意見投票」の事務局を作り、呼び掛けに応じた各地の市民団体や学生らが4月29日から3日まで実施した。
 同事務局が発表した最終結果によると、総投票数は約2万8000票。9条改正に「賛成」は約3300票で約12%。「反対」が約2万1500票の約77%で、残りが「分からない」だった。
 野田教授は「民意は9条改正を求めていないことがはっきりした。政治家も9条を守ることで世界平和に貢献してほしい」と話した。


 新聞などの世論調査でも、改正反対が8割なんて数字にはお目に掛かったことがない。朝日の調査ですら、半々くらいではなかったか。となると、調査方法に対して疑問の目を向けざるを得なくなるのだが…
 
 本当に街頭でまともに調査したのか、「身内」をたくさん用意してはいなかったか、質問の仕方に問題がなかったか、誘導尋問はなかったか…いろいろ疑問は浮かぶが、もっとも根本的な問題として「まともな感性の持ち主だったら避けるような集団が調査をしていたのではないか」という疑問がある。つまり、「9条守れ」派の方々は糞に群がる金蠅のごとく調査に協力的な態度をとるかもしれないが、改憲派の人は反対意見を主張するのではなく相手にしない、という状態ではなかったか、と。

 新聞の世論調査でも有効回答率は重要な数字だが、街頭調査ではその辺りが有耶無耶になってしまうので、調査としての信憑性がさらに厳しく問われるべき(街頭調査自体が問題というわけではない。厳密な調査が行われればデータとしてより信頼できるものにすることは可能だろう)。しかしながら、「より正確なデータを」という努力は少なくとも記事からは全く窺えない。

 てか、こんなアホな調査をする人が、よく名誉教授でいられるモンだ。
 朝日新聞の護憲キャンペーンもそうだが、理論武装すら放棄しかけているような、そんな投げやりさを感じる。共産党的ではなく社会党的になってきているというか。一昔のパワーは、もう今の左巻きにはないのかな。


 おまけ。山崎さんの珍道中。

中国脅威論に反論 呉邦国氏が山崎氏に(共同)
 【北京26日共同】山崎拓自民党前副総裁は26日、呉邦国・全国人民代表大会常務委員長と北京の人民大会堂で会談した。呉氏は日本国内にある中国脅威論に対して「中国の軍事予算は日本より規模が小さい。広大な中国の領土を防衛する責任がある」と反論した。
 呉氏は、友好関係の維持が日中両国の発展に不可欠と強調した上で「一部の政治指導者の靖国神社参拝が中日関係の支障要因となっている」と小泉純一郎首相の靖国参拝を強くけん制。山崎氏は「知恵を出して解決を図りたい。それなりに努力している」と述べた。


後継首相は靖国参拝しない 山崎氏が韓国野党議員に(共同)
 【ソウル1日共同】自民党の山崎拓前副総裁は1日、韓国を訪問し、野党ハンナラ党の金淇春議員らとソウル市内で会談した。山崎氏は小泉純一郎首相の靖国神社参拝について「心情の問題だ」と説明した上で「首相の靖国参拝問題はポスト小泉で必ず解決されるだろう」と述べ、後継首相は靖国参拝に踏み切らないとの見方を示した。
 金氏が首相の靖国参拝に反対を表明したことを受け答えた。山崎氏は想定している後継首相の具体的な名前には触れなかった。


追悼施設懇が中間報告へ=今国会会期末めど−山崎氏、韓国外相に表明(時事)
 【ソウル2日時事】自民党の山崎拓前副総裁は2日の潘基文外交通商相との会談で、小泉純一郎首相の靖国神社参拝問題の解決に向け、昨年自身が中心となって設置した超党派の議連「新たな国立追悼施設を考える会」の活動について、今国会の会期末をめどに中間報告を取りまとめ、公表する考えを伝えた。

 国内でアホ発言するのはまだ良いとしても、外国に行ってまで国益に反する行為をしてまわらんでほしい。

 ついでにもう一人。

<鳩山民主党幹事長>韓国首相と会談、信頼関係再構築が重要(毎日)
 訪韓中の鳩山民主党幹事長は3日、韓国の韓明淑首相と会談し、日韓の信頼関係再構築が重要との認識で一致。鳩山氏は、超党派議員による「国立追悼施設を考える会」が新たな追悼施設建設に向け夏にも報告書をまとめる方向で努力していることを説明した。韓首相は理解を示し、新施設建設への努力を評価したという。



韓国統一相と自衛隊と牛乳 (5/4)

 お休み気分のなか申し訳ありませんが、不愉快な気分になっていただきます。

「横田氏とは会わない」…韓国統一相(産経)
 【ソウル=黒田勝弘】韓国政府の李鍾●(夾の人を百)統一相は3日、近く韓国訪問が予定されている拉致日本人の横田めぐみさんの父、横田滋さんとの面談の可能性について「会う必要性はない。(要請があっても)会う考えはない」と語った。これはソウルで行われたマスコミ団体との討論会の際、日本人記者の質問に答えたもので、李統一相は「問題の切迫性は理解するが、横田氏の訪韓の意味がよく分からない」と述べ、さらにこれまで金正日総書記が日本人拉致を認めたことなど北朝鮮の対応について「日本は過小評価している」と日本を批判した。
 李統一相は学者出身で盧武鉉大統領の側近として国家安全保障会議(NSC)事務次長を務めた後、副首相格の統一相に就任した。対北融和派として知られ、先月、南北閣僚級会談で北朝鮮を訪問してきたばかりだ。

 韓国の反日に関しては目を瞑るとしても、この「来る意味が分からない」という言い種は、人として失格だろ。訪韓したくしてするわけではない、その辺りの事情を全く斟酌しない人でなし。
 この李統一相の思考回路は、「北朝鮮の対応について日本は過小評価している」という金正日の代弁者しか述べないような内容の言説をおこなっていることから、よく分かる。こいつは北朝鮮の人間。韓国政府の大臣かもしれぬが、心根は北朝鮮の人間だ。

 こういう人間を放置することは、韓国にとっても害であるはずなのだが…そんなこと言ったら、盧武鉉政権自体が害悪か。


イラク陸自 英豪軍と同時撤退 額賀氏、米に表明(産経)
 【ワシントン=大谷次郎】麻生太郎外相、額賀福志郎防衛庁長官は一日午前(日本時間一日深夜)、日米の外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)で、中国の軍備拡大路線について「軍事力の近代化に関する一層の透明性が重要だ」と牽制(けんせい)した。ラムズフェルド国防長官も「国防総省として透明性拡大を求めていきたい」と応じた。
 また、額賀氏はイラク南部サマワで活動する陸上自衛隊について、「復興の基盤が整いつつあり、条件が整えば、英軍、オーストラリア軍と同時期に陸自の活動を終了したい」と述べ、英豪両軍と歩調を合わせて撤退させる考えを伝えた。
 イラクで輸送業務に当たっている航空自衛隊の活動は引き続き継続すると表明した。
 一方、麻生氏は一日午後(同二日未明)、ホワイトハウスでチェイニー副大統領と会談し、東アジア情勢などについて意見交換。北朝鮮拉致被害者の横田めぐみさんの母、早紀江さんらがブッシュ米大統領と面会したことを受け、米政府、議会関係者に謝意を表明した。


 「復興の基盤が整いつつある」のならば、さらにそれを整えるために、活動を延長すべきではないのか。「人道復興支援」は、これからが本番ではないかと思うのだが。
 もちろん、自衛隊の方々には無事に帰ってきていただきたいし、早期に帰ってこられるならそれに越したことはないとは思う。しかし、日本国民としてイラクへの自衛隊派遣に同意した以上、中途半端な状態ではなく立派に目的を完遂してほしいと願うし(決して現時点で立派に職を遂行していないなどとは思っていない、ただ完遂ではないと考えているだけだ)、そう求めねばならないという覚悟を以てイラク派遣に同意すべきだったと派遣決定当時も今も思っている。自衛隊員の身を守るために、せめて抗戦規定を緩和すべきだったという
考えもまた、今も変わっていないが。
 
 英豪がいなくなるなら、そいつらの分もイラクの復興に関わる利権を分捕ってしまえ、というくらいの気概が政府に欲しいんだけどなぁ。


<牛乳>もっと飲んで!とあの手この手 ペットボトル化も?(毎日)

 我が家庭は一週間に3〜4リットルくらいは消費しているんで、多少は牛乳業界の手助けができている方だろうか。
 少子化で学校給食などでの需要が減っているらしいが、これからは逆に高齢者向けの売り込みが必要なんじゃないかな。骨粗鬆症対策とか。



お休みモードで (5/3)

 昨日紹介した朝日の胡散臭い世論調査。やっぱりあちこちで話題になっているようで。
 有効回答数がどれだけなのか明示されていないとか、20代の9割が知らないのはあり得ないだろとか、いろいろ突っ込みが為されております。ただ、そういったところがクリアになっても、「知っていますか?」という問自体が気持ち悪いものだということで、昨日はそれだけを書いた。まぁ世の中ゴールデンウィークってことで気分がダレて余計なことは書きたくなかったってのが大きいが。

 朝日には頑張って欲しい、というのが本音。いや、売国路線で頑張れという意味ではなく、革新路線ならその路線で、しっかりと理性的・論理的な論陣を張って欲しい、と。右と左のバランスがとれていた方が、それぞれの論を磨きながら止揚できるでしょう。今の日本にはいわゆる保守的な意見の方が必要なんだろうが、いずれ左側の意見がより求められる時期も来ると思う。そのときに今の朝日みたいな論調しかないのでは、それはそれで問題。右とか左とか関係なく、マスコミには頭を使ってほしいもの。


夢のスーパー・グループはレッド・ツェッペリン
 英国のラジオ局が“夢のスーパー・グループ”のメンバーを決めるリスナー投票を行なったところ、シンガー、ギタリスト、ベーシスト、ドラマーのすべてのカテゴリーで、レッド・ツェッペリンのメンバーがトップに選出された。スーパー・ロック・グループを作り上げようとしたが、“夢のバンド”はすでに存在していた。
 この投票は、Planet Rock Radioが行なったもの。およそ3,500人のファンが参加したという。最優秀シンガーの部門では、ツェッペリンのロバート・プラントがクイーンのフレディ・マーキュリーやフリーのポール・ロジャースを抑えて1位に。最優秀ギタリストにはジミー・ペイジが選出された。

Planet Rock Radioが行なった<夢のスーパー・ロック・グループ>投票の結果は―

●最優秀シンガー
1.ロバート・プラント(レッド・ツェッペリン)
2.フレディ・マーキュリー(クイーン)
3.ポール・ロジャース(フリー/バッド・カンパニー)
4.デヴィッド・カヴァーデイル(ディープ・パープル/ホワイトスネーク)
5.イアン・ギラン(ディープ・パープル)
6.ボン・スコット(AC/DC)
7.ロニー・ジェイムス・ディオ(レインボー)
8.スティービー・ニックス(フリートウッド・マック)
9.ロジャー・ダルトリー(ザ・フー)
10.ボノ(U2)

●最優秀ギタリスト
1.ジミー・ペイジ(レッド・ツェッペリン)
2.スラッシュ(ガンズ・アンド・ローゼズ)
3.リッチー・ブラックモア(ディープ・パープル)
4.ジミ・ヘンドリックス
5.アンガス・ヤング(AC/DC)
6.ゲイリー・ムーア
7.ブライアン・メイ(クイーン)
8.ジョー・サトリアーニ
9.スティーブ・バイ
10.デイヴィッド・ギルモア(ピンク・フロイド)

●最優秀ベーシスト
1.ジョン・ポール・ジョーンズ(レッド・ツェッペリン)
2.ジョン・エントウィッスル(ザ・フー)
3.クリス・スクワイア(イエス)
4.フィル・ライノット(シン・リジー)
5.ゲディ・リー(ラッシュ)
6、ジャック・ブルース(クリーム)
7.スティーヴ・ハリス(アイアン・メイデン)
8.レミー(モーターヘッド)
9.ギーザー・バトラー(ブラック・サバス)
10.ロジャー・ウォータース(ピンク・フロイド)

●最優秀ドラマー
1.ジョン・ボーナム(レッド・ツェッペリン)
2.ニール・パート(ラッシュ)
3.キース・ムーン(ザ・フー)
4.コージー・パウエル(ブラック・サバス/レインボー)
5.フィル・コリンズ(ジェネシス)
6.ジンジャー・ベーカー(クリーム)
7.イアン・ペイス(ディープ・パープル)
8.ロジャー・テイラー(クイーン)
9.デイヴ・グロール(ニルヴァーナ/フー・ファイターズ)
10.エリック・カー(キッス)

 クールなおじさま方が並んでおる。やっぱりイギリスの調査だけあって、英国人が若干多いようだ。
 しかし、ロバート=プラントはもう70年頃の声は出せまいて。70年代後半既に衰えていたし。ペイジも、今はギター弾けるのだろうか。カヴァデール・ペイジの時だったか、とんでもないプレイをかましていた。いや、ZEPは私も好きです。

 で、私ならこんな人を選ぶ。時によって多少変わるが。
Vo. ロニー・ジェイムズ・ディオ、マーク・ボールズ、ミートローフ
G.  リッチー・ブラックモア、イングヴェイ・マルムスティーン、ニール・ショーン
key. イェンス・ヨハンソン、ジョーダン・ルーデス、ジョナサン・ケイン
B.  ジョン・マイアング、ジョーイ・ディマイオ、ジョン・ロード
Dr. コージー・パウエル、マイク・ポートノイ、スティーヴ・スミス

 第2期RAINBOWが理想のバンドに近い。



「知っている」と「知ってるつもり」 (5/2)

 今日付の朝日朝刊1面にも出ている記事。

東京裁判「知らぬ」7割、20代では9割 本社世論調査(朝日)
 戦後の占領下、米国などの連合国が日本のA級戦犯を裁いた極東国際軍事裁判(東京裁判)の開廷から60年たち、この裁判の内容を知らない人が70%にのぼることが、朝日新聞社の世論調査でわかった。20代では90%を占める。知らない層ほど、靖国神社へのA級戦犯合祀(ごうし)に対する抵抗感は薄く、首相の靖国神社参拝についても反対が少なかった。一方、戦争の原因について日本人が自ら追及し、解明する努力がまだ不十分だと考える人は69%にのぼった。(冒頭抜粋)

 簡潔にまとめると、
 「東京裁判を知っているか」という問をA、「靖国神社にA級戦犯が祀られていることに抵抗を感じるか」という問をBとすると、
 AでYES 27%→BではYES 43%、NO 54%
 AでNO 70%→BではYES 27%、NO67%

 要するに、「東京裁判のことを知っている方がA級戦犯合祀には反対する傾向がある」ということで、A級戦犯合祀に賛成するのは東京裁判を知らないからだ、と言いたいのだろう。この辺りの朝日の感覚は、記事末尾、
 首相の靖国神社参拝については、賛成が50%、反対が31%だった。反対は、合祀に抵抗を「感じない」人で19%(賛成は62%)、「裁判があったことも知らない」人で21%(同52%)と少ない。
 のくだりを見ても、ぷんぷんと匂ってくる。

 こういう類の調査を見るたびに思うのが、アンケートに「知っている」と答えても「本当に知っている」かどうかは分からないということ。上の問Aは、「知っているか?」という問ではなく「知っているつもりか?」と聞くのが、正しい用語ではないか。
 対象を調べれば調べるほど疑問が出てきて、詳しい人ほど「よく知っている」とは安易に答えないように思われる。中途半端に知っているほど、知っているような気になってしまうもので。同時にどれだけ本当に知っているかテストするならまだしも、本人が知っているつもりかどうなのかを主観的に聞いたところで、たいした意味もないように見える。

 まぁ朝日がテスト作ったりしたらやるとすげぇ偏ったテストになりそうだが。
 問:東京裁判の問題点は何か(10点満点)
  1.日本の主張が全く聞き入れられなかったこと(0点)
  2.罪をでっち上げて過去にさかのぼって裁いたこと(0点)
  3.天皇を裁けなかったこと(10点)
 みたいに。



アメリカの協力は必要だとは思うが (5/1)

 なんだかんだいってもアメリカという超大国の大統領。「人間の尊厳と自由について話せないほど忙しくはありません」という台詞を反芻するにつけ、「言葉」の重みを知っている人だな、と改めて感じた。
 そして横田早紀江さんの「言葉」もまた、私たちの心に重く響く。

横田早紀江さん陳述書全文(産経)
 本日はこのような貴重な機会を与えてくださったリーチ委員長、スミス委員長をはじめとする米議会の議員先生方に感謝いたします。
 私は、今から29年前、昭和52(1977)年11月に13歳で北朝鮮に拉致された横田めぐみの母、横田早紀江でございます。
 めぐみが中学校からの下校途中に行方不明になってから、どうしていなくなったのか分からない長い長い20年間の苦悩の日々を過ごしてまいりました。めぐみが北朝鮮の工作員によって拉致され、北朝鮮平壌郊外の工作員養成学校「金正日政治軍事大学」で工作員の日本人化教育の教員をしている、という情報が入ったのが、20年たった平成9(1997)年のことでした。
 こんなに長い間、このような大変なことがどうして分からなかったのだろうと感じつつも、私たちは、それでもめぐみが生きていたのだ、すぐにでも会えるという思いで大変喜びました。けれども、北朝鮮にいると分かってから、今日まで9年以上が過ぎたのに、まだ救出できないままです。なぜ、助けられないのか、口惜しくて、悲しくてたまりません。
 一貫して「日本人拉致」を否定してきた金正日は、14(2002)年9月の日朝首脳会談で、一転して13人だけの拉致を認めました。北朝鮮が拉致した日本人は13人どころではありませんが、彼らは、数多くの被害者について、いまだに拉致したことさえ認めていません。拉致の疑いがあるとして家族などが調査を依頼しているケースが450人以上あります。日本政府はそのうち30人以上について北朝鮮との外交交渉で名前を挙げて追及しました。
 娘「めぐみ」と、本日家族がこの席に来ています田口八重子さん、増元るみ子さん、市川修一さんら8人は、死亡と通告されましたが、北朝鮮が8人の死亡の根拠として提供した医師の署名入りの死亡診断書、病院死亡台帳、警察作成とされる交通事故調書などは、日本政府の精査の結果「すべて信じるに値しない」ものでした。一昨年11月「めぐみの骨」とされるものが、日本政府により持ち帰られましたが、日本の高度なDNA鑑定により全く他人で年齢も違う2人の骨であることが証明されました。松木薫さんのものとされる遺骨も本人のものではないという鑑定結果が出ています。
 これは一昨年11月、偽遺骨とともに日本政府に提供された、拉致直後のめぐみの写真です。この寂しそうな顔を見て、私は思わず写真をなでながら「めぐみちゃんこんなところにいたの。どれほど不安だったでしょう。まだ助けてあげられなくてごめんなさい」と話しかけました。本日、一緒にこちらに参っていますめぐみの弟、拓也ももう一人の弟とともに、この写真を見て男泣きに泣きました。
 14(2002)年9月の日朝首脳会談後、めぐみの娘、私たちの孫であるキム・ヘギョンさんの存在が明らかになりました。今月11日にはめぐみの夫、そして私たちの孫の父が、実は「韓国の拉致被害者」である金英男さんであることが、DNA鑑定で証明されました。金英男さんは、めぐみが拉致された1年後の昭和53(1978)年、16歳高校生で拉致されています。英男さんをはじめ5人の韓国の高校生が拉致されたことが分かっています。ところが、北朝鮮はいまだに英男さんら韓国人を拉致したことを一切認めていません。
 あまりにも数々のうそ、偽りを言い続けながら、開き直っている北朝鮮に憤りを覚えます。罪なく、このような理不尽な国家テロの犠牲になって、今も長期にわたり監禁され助けを求めている世界の12カ国に及ぶ多くの被害者を助け出さねばなりません。ひどい人権侵害に苦しんでいる北朝鮮の人々も助けなければなりません。亡命工作員の証言によると、娘は工作船の暗い船底に閉じ込められ「お母さん、助けてお母さん」と壁をかきむしって、絶叫し続けて、暗い海を運ばれたといいます。それから4半世紀を超え、既にどの親も老齢のため、残された時間は多くありません。
 めぐみたちはまだ元気であちらにいるのです。そして、あの国がいかに凶暴であり、人の命を何とも思っていないようなところであるということはもう世界中が知っています。貴国のブッシュ大統領が、「悪の枢軸」と言われる通りです。たくさんの日本の、韓国の、また多くの国の何の罪もない若者たちが数十年間も抑留され、向こうの思ったように動かなければ強制収容所や、銃殺刑にされるかもしれない中で、一刻一刻助けを待っているのです。まだおぼれたままでいるのです。おぼれた人がいれば、私たちはすぐにでも手を差し伸べるのではないでしょうか。ほかのいろんな用事をまずおいて、飛び込んで助けるのが人の心ではないのでしょうか。
 私たちは、本当にもう心身疲れ果てておりますけれども、子供たちが助けを求めている間はどんなことがあっても倒れることができません。日本の国民、全世界の自由を愛する国民の総意で、「怒っている」と北朝鮮に態度を示していただきたいと私は願っています。「拉致は許せない。全被害者をすぐに返しなさい。それがないなら経済制裁を発動します」とはっきりと言っていただきたいのです。
 先月には、トーマス・シーファー駐日米国大使がわざわざ新潟の「めぐみ拉致現場」をご視察くださり、拉致のむごさを身をもって感じ「私の人生の中でもっとも悲しい話の一つだ」とお語りくださいました。子供たちの失われた年月は取り戻せませんが、世界各国から拉致されたすべての被害者たちを助け出し、これからの人生を自由の地で過ごさせてやりたい、それが私たち家族の心からの願いでございます。何とぞ、米国議会、政府、国民の皆さまのお力添えをお願いいたします。
 ありがとうございました。
【2006/04/28 東京朝刊から】

 確かにアメリカの大統領が横田早紀江さんと面会した、その事実のインパクトは大きく、金正日を多少なりとも震え上がらせる効果はあるだろう。これを機会に、拉致問題は国際社会に大きく知れ渡ることになったかもしれない。拉致問題解決にとって効果があったか無かったかと問われれば、大きな効果があったとは思う。アメリカとの連携は、拉致問題解決に大きな力を得ることになる。

 しかし、喜ぶ気にはなれない。

 一つは、日本はいったい何をしているのか、ということ。日本政府が当てにならないからアメリカ政府にまで応援を要請せねばならないという事態、それだけでも噴飯ものであるが、政府関係者ではなく被害者家族がわざわざアメリカに出向かねばならないという、さらに嘆かわしい状況。仮に今回の面会のセットに日本政府が裏で動いていたとしても、横田さん自ら動かねばならないというのには、やはり違和感がある。日本政府が行動しているように見えないから、ご家族が動かねばならないのだ。

 ただアメリカが実際に動くのならば、これはこれでまぁ良い。いや、日本が動くべき問題でアメリカに頼るのは原理的には良くはないが、全く解決されないよりはまだマシ。アメリカ頼みで解決してもらえるなら、同じような主権侵害に次々晒される事態にはなるだろうけれど、もう誰も被害者が帰ってこないよりは良い。

 もっと大きな問題は、アメリカを頼り切ってしまうことだ。

 もちろん、アメリカが本当に拉致問題解決のために努力してくれる可能性は、無いわけではない。また、日本がいかなる行動をとるにせよ、可能な限り多くの国の協力或いは少なくとも支持を得ることは重要である。
 しかし、普通に考えれば、直接国益にならないのにわざわざ他国の問題に手を貸すことはあり得ない。北朝鮮の核問題を解決する手段として、北朝鮮を国際的に追いつめる手段として、拉致を利用しようという意図がブッシュに全くないとは断言できない。核が解決されたら、アメリカの圧力が急に弱まる可能性は十分にある。

 そのとき、日本はどうするのか。アメリカが圧力を弱めたから日本も弱める、などという真似はできない。結局、日本の問題は日本が解決するしかない。日本の問題であるのにアメリカに頼ることを一義的に考えては、仮に今回は本当にアメリカが助けてくれるにしても、同じような主権侵害に対して日本は無力なままでしかないし、何よりアメリカが本当に助けてくれる保証などどこにもないのだ。アメリカが本気だったとしても、当事者の日本が本気の姿勢を見せなければ、そんな気も失せようし。日本が独自に何か日本がアメリカを引きずり込んだという構図ならば日本の外交力に期待もできようが…。


 横田早紀江さんがブッシュに会えた、そのことで喜ぶ気には、到底なれない。むしろ、このように無邪気にはしゃいでいる人には、大きな違和感を覚える。例のドイツ在住の人の文章。

 拉致問題、いよいよクライマックスです。総仕上げの時期が来ました。よかった!よかった!実は、昨夜、ふと、ワシントンまで到達したのだから、次は、ブラッセルのEUの番かな?一体、どう手順を踏んだらいいのかな、と私なりにあれこれ思いをめぐらしていたところでした。サミットでこの問題が優先課題として取り上げられるというのですから、もうその手順の必要はない、長い苦難の道のりでしたけど、よくぞ、皆さんここまで頑張ってこられました。

 なんだろうか、この全てが解決したかのような書き草は。「よくぞ皆さんここまで〜」のくだりも、まともな感性の持ち主だったら、こんな上からものを見るような書き方はできんだろと思うのだが。


 ともかく、日本はアメリカの今回の動きを積極的に利用して欲しい。今回の会談自体は、決して無意味なものではないのだから。そして、アメリカが途中でフェイドアウトしたとしても被害者奪還が可能なように、またアメリカに「日本も本気だ」ということを示すためにも、総連の取り締まり、反日朝鮮人追放と再入国禁止のための法整備、憲法か特措法での軍事力明記、緊急時のメディア規制法、情報収集帰還の設置、そして経済制裁と、やるべき事を早急に進めてもらいたい。

 日本はどうしているのか調べてみたら、北朝鮮人権法案提出という記事。「北朝鮮人権侵害問題啓発週間を新設」といった項目を含む眠たい内容。阪神大虐殺の村山富市に春の叙勲なんて話もあるし、韓国の強硬姿勢は手本にすべきだという中国国家海洋局長の話なども。そういえば竹島に関連した日本外交を批判することを日比谷焼き討ちにたとえた意見をどこかで見たなぁ、今回の妥協が何のプラスをもたらすのか、未だに分かんないんですが。


 最後に朝日新聞の愚行を。政府の拉致問題ポスターのオマージュだろうが……どういう精神構造でこんなことができるのか。小泉改革批判に拉致を利用したようにしか私には受け止められない。


(小泉政権5年 景気の坂は上ったが)

 これと同じ感受性だな。