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指紋押捺 (6/30)

 この動きは歓迎したい。
指紋採取で来年法改正へ 入国する外国人対象(共同)
 政府は28日、首相官邸で犯罪対策閣僚会議と都市再生本部の合同会議を開き、入国する外国人(特別永住者等を除く)に指紋採取と顔写真撮影を義務付ける新しい入国管理制度について、具体的な検討を進める作業部会を設置することを決めた。来年の通常国会に入管難民法の改正案を提出する方針だ。
 作業部会では指紋採取の方法や管理、滞在期間が長い外国人に氏名や国籍などの情報を盛り込んだICカードの携帯を義務付けることなどを検討。他国の例や個人情報の保護をめぐる問題点も協議する。
 政府は昨年末、国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部で指紋採取などを盛り込んだ「テロの未然防止に関する行動計画」を決定しており、これを具体化する。


 引っかかるのは、「特別永住者等を除く」という部分。中国人窃盗団などはこれである程度取り締まることが可能だとは思うが、日本で工作活動に従事する朝鮮人に対して効果を発揮できるか疑問が残る。特別永住者に対しても指紋押捺を徹底した方が、「(北朝鮮の工作活動を含んだ)テロの未然防止」には役立つことだろう。
 在日の人が「差別ニダ」と叫ぶようであれば、いっそのこと、日本人全員に対して指紋の押捺を義務づけても私は構わないと思う(てか、韓国だと外国人どころか韓国人も全員指紋押してるんだろ?)。以前朝日新聞の投稿欄に、「家に泥棒が入ったとき、警察に自分の指紋も採られた。プライバシーの侵害だ」という内容のアホな投書が載っていたが、指紋を採られてビクビクするヤツは善良な市民にはいまい。在日が差別だというのならば、分け隔て無くすべての人に指紋押捺を求めれば問題ない、と私は思うのだが。
 仮に指紋を取られて困るようなことがあるとするならば、指紋を利用しているセキュリティシステムが想像できるが、静脈認証を広げれば問題ないだろうし、既に警察では多くの指紋情報を持っているわけで、それほど気にする必要はないだろう。

 指紋採られて騒ぐのは、結局防犯カメラを監視カメラと呼んで危機感を煽る筑紫哲也などの連中だけ。


安徽省の暴動 (6/30)

中国・安徽省 1万人の群衆暴徒化 派出所破壊、スーパー襲撃(産経)
 【北京=野口東秀】中国中部の安徽省池州市で二十六日、一万人の群衆が交通事故をきっかけに暴徒化し、パトカーや派出所を破壊したほかスーパーを襲撃する騒ぎとなった。鎮圧に出動した武装警察隊員六人が負傷、警備当局は首謀者として参加者十人を拘束した。
 中国国内では、地方住民が警備当局と衝突する大規模な事件がこのところ相次ぎ発生。今回の事件も、ささいなきっかけで騒乱に発展する中国社会の不安定ぶりを示すものとなった。
 地元紙「池州日報」などによると、きっかけは乗用車が歩行者をはねたうえ、被害者が運転手から暴行されたことだった。市民の通報で警官が派出所に運転手を連行したが、群衆が派出所を取り囲み、人数は一万人近くに膨れ上がった。
 このうちの「少数の不法分子による扇動」で群衆が騒ぎ始め、乗用車をひっくり返したほか、パトカーや消防車にも襲いかかり、派出所にも放火した。近くのスーパーも襲撃され、商品が略奪される事態となった。
 地元当局は事態の拡大を重視、市幹部の緊急会議を開催。交通事故発生から九時間後に武装警察部隊約七百人を出動させてようやく鎮圧した。これまでのところ、騒ぎの理由に関する住民側の情報は伝えられていない。
 最近明らかになった中国国内の騒乱では農地の強制収用をめぐり、農民と工事関係者らが衝突するなどのケースが多い。今月だけでも、河北省で立ち退きの補償金をめぐるトラブルで、村民らが猟銃などで武装した二百−三百人の集団に襲撃され、五十人以上が死傷。広西チワン族自治区でも、立ち退きを拒否する住民と警官隊が衝突し、多数の死傷者が出ていた。


 安徽省は、合肥のあたりと言ったら分かりやすい人がいるかも知れない。
 交通事故が原因で、1万人規模の暴動…人民の不満の鬱積は相当なものだと推測できる。

 都市部の人間、さらにその中でも経済発展の利益を享受している階層は、日本叩きでその不満をガス抜きできるかもしれない。しかし、農村部の住民や、都市にいても利益を享受できない階層は、無理な経済発展の副作用を全面的に被っており、その不満は生活に関わる或いは生命に関わるものであり、日本叩きなどという精神的ガス抜きで満足できるレベルではないのかもしれない。反日や共産主義というイデオロギーで収集できるような問題ではなく、あとは経済発展の旨みを共有するように持って行くしか方法はないのだろうが、今の中共の体制でそれが可能とは思えない。
 これで「中国が崩壊寸前」と断言などできないが、それでも「前兆」と呼ぶことには躊躇しない。農村での暴動のみならず都市部での暴動も目立つようになった今、中国が大きな転換点を迎えているのは間違いないだろう。現代の陳勝や黄巣はいつ現れるのだろうか。

(「池州日報」とは別バージョンの話もあるようです、詳しくは「日々是チナヲチ。」で)

 こういうのも中国の弱みであろうが、それを利用して実利を得るような外交を日本政府には期待したいのだが…。


事態を動かすために (6/29)

 昨日書いた、新たに公開された特定失踪者の話。電脳補完録に調査会NEWSが引用される形で詳細が紹介されている。分量が多いが、一部だけを必要部分として取り出すのは私には不可能なので、全て引用しておく。

■ 松岡 伸也 (まつおか しんや)(当時4歳)
生年月日 ・昭和59(1984)4月13日
失踪年月日 ・平成元(1989)年3月7日
性別  男
当時の居住地 ・茨城県牛久市
失踪場所 ・徳島県美馬郡貞光町親戚宅前
失踪当時の状況  ・前日3月6日、両親と共に徳島県小松島市で祖母の葬式に出席。その夜は親戚宅で就寝した。朝起きて8時15分頃、父・姉・弟・従姉妹と親戚宅前を数分散歩に出かける。玄関から入ってこなかったので、父は抱いていた弟を家の中の母に渡し、すぐに玄関先に出てみたが、そこにいたはずなのにいなくなっていた。すぐに家族で手分けして探し、昼過ぎには警察に通報し、警察犬も出動。警察・消防・地元市民による大規模な山狩りもしたが消息不明。3月15日頃、夜親戚宅にいる母親宛に徳島弁の女性から不審な電話があった。13年間テレビ番組などを通じ探したが手がかりなし。また平成元年4月の終わりか5月の終わりに徳島県海部郡日和佐町の弁天浜の岸壁で伸也君によく似た子供を抱いて海を見ていた不審な男性を目撃したという情報もあった。日和佐は北朝鮮の船が来航する港の一つ。

■ 佐々木 弘 (ささき ひろし) (当時21歳)
生年月日 ・昭和34(1959)年7月18日 
失踪年月日 ・昭和56(1981)年4月10日
性別 男
当時の身分 ・大學3年生
当時の居住地 ・神奈川県大和市
失踪場所 ・下宿先
失踪当時の状況 ・当時学習塾で住み込みのアルバイトをしており、そこの塾経営者から、書置きを残して突然家出したとの電話連絡があった。4月8日の午前中に塾のアルバイトに出ていることから8日午後から10日までの間に家出をしたと思われる。貯金は4月9日に、3万円ほど引き落とされていた。大学学生課によると、失踪前の1年位は学校を休みがちであったという。

■ 関谷 俊子(せきや としこ)(当時17歳)
生年月日 ・昭和32(1957)年5月19日
失踪年月日 ・昭和49(1974)年7月11日
性別 女
当時の身分 ・千葉市内の薬品会社に勤務 定時制高校在学中
当時の居住地 ・千葉県市原市
失踪場所 ・千葉港付近
失踪当時の状況 ・親類の男性と幼馴染の同級生(女性)と千葉市内の飲食店で飲食後、親類の男性が「車で二人を家まで送ってくる」と店の従業員に言い残して出たまま3人一緒に行方不明となった。店の従業員は男性の兄と妹。男性の乗っていた車も発見されていない。関谷俊子さんは古川了子さんと同じ高校で3学年下。古川事件の1年後の失踪で同じ7月である。


 とりわけ、3歳の姪がいる身として、本当に4歳の子供が北朝鮮に拉致されたのだとしたら、と考えると、表現のしようのない感情が襲ってくる。何とかしなければならない、何とかせねばならないと思うよりも前に、怒りと悔しさと悲しさが混濁した気持ちが湧いてくる。かわいい姪っ子が拉致されてきた朝鮮に連れて行かれたらと、想像するだにおぞましい。

 いったい、拉致の疑いがある人の数は、すべてで何人になるのだろう。それら全てが解決できる日は、いつやってくるのだろうか。そして、今現在やこれから先、北朝鮮は拉致をしないと保証できるのか。今までの拉致事件についてきっちりとカタを付けなければ、新たな拉致被害者が出ないとも限らないのではなかろうか。拉致問題は、もちろん今までに拉致された被害者を奪還することも重要なのだが、これからの被害者を出さないという問題もはらんでいる。日本政府が、日本人が、主権侵害に対して毅然と立ち向かえるかどうか、それができないようであれば、過去の被害者を救えないばかりか未来の被害者を生むことになりはしないだろうか。


 残された時間は少ない。その認識は、拉致問題に関心を持っている方の多くが共有する認識だと思う。
 そこで気になるのが、座り込みに対する総括が、参加された方たちの中(とりわけ座り込みに積極的に賛成していた人の中)から、あまり聞かれないことだ。参加もしていない私が意見を述べるのは烏滸がましいことではあろうが、それでも書いておきたい。

 ご家族の方々が声をあげねばと痛切に願う心情は、否定できる物ではない。座り込みの際に、どなたか泣き叫んで「わが子を帰せ」と訴えられても、私はそれを批判することはないだろう。被害者家族の心情は、私がどれだけ想像しようが、直接の被害者が身内にいない以上、絶対に汲み取れない部分があるからだ。
 だからご家族が座り込みを行うと決断した、そのことに対しては何も言うつもりはない。

 問題は、支援者が座り込みに対し、ご家族の感情を訴える以上の目的を持ち、それを果たすために何ができたかということだ。世論喚起も、政府を動かすというのも、少なくとも現時点では果たされたとは言えない。ならば、それを果たすためにはどうすべきだったかという総括がなされ、以後の活動に反映させねばならないのではないか。意見を訴えることができた、もっと頑張らねばと意を新たにした、というだけでは――もちろんそれ自体が無意味と断ずる気は毛頭ないが――しかしそれだけでは拉致問題の進展に何の力も与えないのでは無かろうか。
 時間がないのだ。よって、求められるのは「どう行動したか」ではなく、「どう結果を出したか」ではないのか。そしてそれは、ご家族ではなく、私たちも含めた国民全員が考えていかねばならないことだろう。とりわけ、直接ご家族を支援する救う会には、より具体的な戦術を考案・実行することを望みたい(それだけの能力を有していると思うからこその提言と理解して欲しい)。ご家族の心情に寄り添っているだけでは、家族とは違う立場(直接の被害者家族ではない)の人間として支援する意味がない。
(他者の批判ばかりで自分のことを話さないのもいかんだろうということで、個人的な話をすれば、話をすることで拉致に関して数十人ほど関心を持ってもらったという効果はあったが、議員や官邸へのメール・ハガキは無反応だったため、完全な敗北と言ってよかろう。今日の文章のように考えるきっかけにはなったのだが、支援の役割は果たせなかったというべきだろう。)

 意見を訴えること、行動すること自体が目的なのではなく、目的は拉致被害者の救出だ。行動したことに満足している場合ではない。
 世論を動かす方法や、政府を動かす方法、そして拉致被害者を奪還するための方策を、私たちみんなが考え、形にしていかねばならない(経済制裁にしても、それを奪還作戦の中にどう位置づけるかという具体性が世論としてまとめるには必要では無かろうか)。例えば、サイトやblogを持っている人、それぞれがその人の可能な範囲内で拉致被害者奪還へのより具体的なプロセスを考え、それに批判したり賛同したりする中で、より効果的な方策が見つかってくるのではないかと思う。

 同じことは繰り返さないように、少しでも前進できるように。


陛下の慰霊と中韓の反応 (6/29)
 
両陛下、悲劇の地で供花と黙礼 サイパン慰霊(朝日)
 私は、このようなお方が象徴であられるような国の民であることを、誇りに思う。あらゆる国の首相や大統領がどんなに努力しても到達し得ない場所に、到達されているように感じる。深い情愛と知性と品格、それらを行動で穏やかにお示しになった陛下に、敬意を覚えずに入られない。


 一方、品性の欠片も感じぬ記事を。
「侵略を美化」と批判・両陛下の訪問で中国紙(日経)
 【上海28日共同】天皇、皇后両陛下のサイパン訪問をめぐり、中国各紙は28日「侵略を美化する」などと批判する記事を掲載した。共産党機関紙、人民日報は報じていないが、上海紙の新聞晨報や北京紙の北京青年報、新京報など大衆紙に批判的な論調が目立つ。
 新聞晨報は、天皇は「殺人者」と「被害者」への対応を区別すべきだと指摘。「先の大戦によって命を失ったすべての人々を追悼する」との天皇の言葉が「侵略者を美化する言葉で、歴史に対する正確な認識と反省を欠いている」と批判した。
 新京報は、天皇が慰霊する戦死者は「靖国神社の戦犯と同じ穴のむじなだ」と断じ、天皇の慰霊の旅が「小泉純一郎首相の靖国神社参拝に大きな支持を与えることになる」とする日中関係研究者の見方を紹介した。


 なんのこたぁない。A級戦犯だろうが何だろうが、中国にとっては「みんな悪者」。A級戦犯の分祀なんて全く無意味ってコトが、よく分かる記事。

 さらに品の無い論。
明仁天皇、サイパンの「韓国人慰霊塔」電撃訪問(中央日報)
 ◇「歴史反省の契機に」=毎月1500ドルをサイパン政府に寄付しながら平和塔を管理してきた追悼事業会のイ・ヨンテック会長(76)は、天皇の訪問について「小さなことだが、それ自体に意味がある」と語った。 また「今回のことが日本国民の過去史反省と戦争被害遺族に対する補償などの契機になることを望む」と付け加えた。 太平洋戦争犠牲者遺族会のヤン・スンイム会長は「天皇がどんな姿勢で平和塔を訪問したかは知らないが、心から贖罪したのなら、韓国人犠牲者の問題も解決してくれることを願う」と述べた。(一部抜粋)

 「反省と補償の契機」ってことは、今以上に反省し補償しろってことか。つけあがるのに限度のない輩どもだ。戦没者に哀悼の意を示したら示したで、こんな反応。韓国・韓国人のために何かする、って考えること自体が間違いだと認識されたら、いちばん困るのは自分たちだというのが分かっているのかいないのか。


何も変わっていないのではないか (6/28)

 先週末に行われた座り込みは、成功と言えるのか。
 座り込みにもその後の集会にも参加していない私が、それを言う資格はあるまい。実際にその様子を体験していないのに、判断のしようもない。

 ただ、座り込みや集会自体を云々することはできないが、それによる効果については云々することは可能だろう。つまり、政府や国会で何か動きがあるかどうかは、ニュース記事で知ることができる。
 座り込みに長い時間参加しておられた西村眞悟議員。確かに彼の行動は尊いとは思うが、今後は、ご家族の座り込みに応え、休眠とも言われる拉致議連を叩き起こし、被害者奪還のための法整備を進めるべく努力されることを望みたい。彼だけにその責務があるわけじゃないが。平沼さん、何をやっている?


 座り込みは終わったが、当然ながら、拉致被害者奪還はまだ終わってはいない。

新たに3人拉致の疑い、特定失踪者問題調査会が公開(読売)
 北朝鮮による拉致の疑いを否定できない行方不明者について調べている「特定失踪(しっそう)者問題調査会」は27日、新たに3人の不明者を公開した。
 同会が新たに公開したのは以下の通り(氏名、失踪時の年齢、当時の住所、失踪年。敬称略)。
 松岡伸矢、4、茨城県、1989年▽佐々木弘、21、神奈川県、81年▽関谷俊子、17、千葉県、74年


万景峰号が入港、家族会らが抗議(TBSニュース、電脳補完録より)
 北朝鮮への経済制裁を求めて、26日まで3日間、座り込みを行っていた拉致被害者の家族会が、27日は新潟港で万景峰号の入港に抗議しました。
 新潟港に27日午前8時半過ぎ、万景峰号が着岸すると拉致被害者の家族会ら50人がどしゃ降りの中、抗議の声を上げました。
 家族会は26日まで3日間、総理官邸周辺で座り込みを続け、北朝鮮に対して経済制裁を発動するよう政府に求めてきました。
 「私たちは早く拉致被害者をすべて帰しなさいということだけですね。そうすればこの船の入港だって、私たちはこんなに大きな抗議行動をしなくて済むんです。総理が一言で言えば済むことなんですけど」(拉致被害者家族会・増元照明事務局長)

 終わっていないどころか、実は何も変わっていないと言うべきかもしれない(これから政府が動くという可能性はあろうが…)。調査会が特定失踪者を公開し、政府はそれをなかなか拉致被害者として認定しない。万景峰は相も変わらず入港し続ける。ご家族の健康上の危険を冒してまでおこなった座り込みだが、それに見合った効果は、残念ながら今のところまったく見られない。

 経済制裁を求めて集会など種々の活動を行う、それら救う会の働きに対して当然ながら敬意を払いたい。しかし敬意を払いつつも、運動の方向性を考え直す必要があるのもまた確かでは無かろうか。

 拉致被害者奪還に関して、今の日本には「能力」がないことは多くの人が認めていると思う。すなわち、武力を有することを憲法が認めておらず外交交渉能力の裏打ちがないこと、工作員の活動が事実上野放しであること、朝鮮総連が我が物顔でのさばっていること。これらをどうにかしないことには、仮に経済制裁を行ったとしても、日本の拉致問題に対する意志を示す効果はあるのだが(そしてそれは非常に大きな意味を持つとは思うのだが)、その後の行動に繋がっていかない。実際に行使するかは別としても、恫喝力を増すためにも行動の選択肢を増やすためにも、自衛隊の位置づけを変更する必要があるし、北朝鮮と対峙するには情報戦を制するだけの能力を持たねばならない。
 救う会は、これらの改善を要求する具体的提案を行わねばならないのではないか。
 もちろん、本来はこれは国会議員が考えるべきことであり、救う会のような民間の一組織が提案するのは本来はおかしなことだ。しかし、政治の側に大きな動きが見られない以上、そうした具体的提言を行う方向へ運動をシフトしていくことは、現実的に必要ではないかと思う。
 より具体的な提言であれば、「無責任な経済制裁実行論」と思われることもあるまい。それを元にして、より実効的な方策について議論することもできる。


 そんな時に、くだらないことやってる場合じゃなかろう、「本質」という言葉が好きな人。
 他人の既に閉鎖したblogをコピペして批判を繰り返すことの陰湿さと無生産ぶりを理解できないばかりか、掲示板の閉鎖などという意味不明な陰謀論を振りかざし、自己防衛にばかり血道を上げる様は見苦しい。自分と違う意見を封鎖することにしゃかりきになるくらいなら、拉致事件解決に向けた具体的な提案を何か一つでもしてみたらいかがか。
 拉致事件の解決を願っているのか、自分が敵と見なす勢力を攻撃したいだけなのか、これではよく分からない。

 とりあえず投稿者の名前くらい正確に書こう。



 おまけ1。
韓国人の愚行
 陛下の写真にバツ印を付けるたぁ、越えてはならない一線を越えたというべき。外務省、これは猛抗議すべきじゃないか。

 おまけ2。
北京五輪:「一つの世界 一つの夢」スローガン発表(毎日)
 一つの世界=世界はみんな中国様のものアルヨ
 一つの夢=みんな中国共産党のために働くアルヨ
という解釈でよろしいか?
 サブスローガンは「一つの中国、一つの思想」で一つお願いします。


座り込みが終了して… (6/27)

 座り込みに参加された救う会、支援者の皆様、お疲れさまでした。
 ただ、家族会の方々には「お疲れさま」という言葉で済ませる気にはなれない、複雑な感情が私の中に渦巻いている。適切な言葉など見つからない。何か言葉を選んで投げかけるよりも、選挙での投票で、官邸へのハガキやメールで、知人にこの問題を多く語ることで、拉致問題の進展に僅かでも寄与できるよう努力することの方が大切だろう。

 土曜日に書いた文章は少し感情的だったかなとは思いつつ、本心からの物だから仕方ないとも思ったり。かなり抑えて書いたつもりではありますが。

 某国大使館の車が止まって飲料を差し入れしてくれたことなどを耳にすると、日本政府の対応への怒りはさらに高まる。
 私の知らない事情があって動こうにも動けないのかも知れない。確かに首相本人にしか分からぬ外交政策の機微があるのかもしれない。しかし、積極的に拉致事件解決に向けて策を打っているように見えない状況に不満を持つことは、短絡的な思考と言えるのだろうか。政府が裏で動いているのに批判をしていたなら、「私の見方が間違っていた」で済む。実際に政府は動いているのだから、「ちゃんとやっていたのに批判されて首相がかわいそう」というレベルの話で済む。しかし何もやっていないのに深読みして「ちゃんとやっている」と見なしてしまっては、そしてそのような世論を見越して政府がそれにあぐらをかくようでは、取り返しが付かないではないか。ゆえに私は、見える部分の情報から自分の少ない脳味噌を動かして、批判すべきと考えたら批判する。

 小泉首相を支持する意見の一部には私も同意したりするし、小泉首相が「全面的に」悪いわけでもないということは分かっている。「過去の首相に比べればマシ」「過去の首相が手を出さなかった部分に手を触れた」という意見は確かにそうだし、日本が北朝鮮に対して強いアクションを起こせないことの全てが小泉首相の責任とは思わない。
 相対評価ならば、確かに小泉首相への評価は高くなる。とりわけ、河野洋平の許に集った五人衆(村山・宮沢・海部・橋本・森)の顔ぶれを見れば、小泉万歳と叫びたくなる。
 ただ、私は相対評価のみを判断基準とはしたくない。日本国の首相ならばこう動いて欲しいという私なりの評価基準を以て、絶対評価でも判断したい。確かに小泉首相が拉致事件に進展をもたらしたのは事実であり、その部分への評価はすべきだと思う。しかし同時に、手を付けたならきっちりとけりをつけてほしいとも思う。


 さて、座り込みにはのべ2500人が参加したという。

 「座り込みの前に遠足気分の掲示板があった」というような批判を見かけた。「高尚な精神を求められても困ってしまう」というような内容の意見を見かけた。

 その時思い出したのが、(ことの重要性では全く比較にならない話だが)W杯前後の「にわかサッカーファン」に対する旧来からのファンの厳しい意見、だった。本当にサッカーを愛している人間からすると、タレントの追っかけのごとく選手を追い回したり、詳しくもないのにキャーキャー言っている人間は鬱陶しいとか、そういう意見だったと記憶している。
 それに対し私は、俄ファンでも、そのうちの何割かは興味を継続させ、俄ファンから脱却して普通のサッカーファンになる、だから俄ファンを過度に軽蔑する必要はない、と考えていた(限度を超えてワーキャー言うのにはげんなりしたが)。確か掲示板か過去の当欄でもその内容で書いたと思う。

 拉致問題でも、関心の裾野を広げるためなら、「にわかファン」であっても受け入れねばならないのかもしれない、と考え始めている。もちろん、国家のあり方に関わってくる問題ゆえ、いい加減な気持ちで考えるべき話ではない。しかし、はじめは軽い気持ちであったとしても(それも程度問題だが)、集会に参加したりネット上での様々な活動に触れたり、多くの情報を得たり、そういう中で拉致問題について真剣に考えるようになっていけば、それでいいのかもしれない。
 仮に座り込みの前日に遠足気分だったとしても、参加した後にそのような気持ちに変化があれば、大きな収穫では無かろうか。もちろん心情的には違和感を覚えるのももっともなのだが、そのような人を取り込むのも、大きな世論を形成するには必要に思えてきた。
(実際にその掲示板を見ていないので、どの程度のものか分からない、ゆえに批判に対して批判するという気持ちはない、これをきっかけにつらつらと考えてみた、というだけ。普段から拉致について意見を述べていた人が「にわかファン」のごとき姿勢をとっていて、それに対して批判していたという話ならば、この段落はカット、ということで。つまり、にわかでない筈なのに違和感を感じる言動に批判するのは構わないと思う。)

 拉致事件解決への願いというのは、元々は「さらわれた家族を帰してほしい」「拉致された日本人を帰してほしい」という、ごくシンプルな思いから来るもの。それは日本人であれば誰しも共有できる心情であろう。日本の国としてのあり方はそれにまつわる副次的な物であって、それはもちろん拉致問題解決に非常に重要な要素ではあるのだが、日本再生が目的ではなく、拉致事件解決がまず先に来る物だということを忘れてはならない。拉致問題に強い関心を持つことが「高尚なこと」という思いは微塵もないのだが、敷居が高いと感じる人がいるのだとすれば、「それは勘違いだ」と指摘するだけでなく、そういう意識を持たれることもあり得ると気にとめることは必要かも知れない。

 何とも婉曲表現が多くてまとまりのない文章ですまぬ。


政府よ、応えてくれ (6/25)

 座り込みの際のご家族の声は電脳補完録トップページで。座り込みの状況やその時の写真についてはBlue Jewelで。現場で活動される多くの方々に、敬意を表したい。ご家族の方々へは、申し訳ない思いでいっぱいになる。せめて、現場に集まっている方以外にも、遠くで応援している人間はたくさんいることを理解していただきたい。

 さて、昨日は「座り込みに関してメディアの報道は殆ど見られない」と書いたが、昨日になってやっと幾つか報道がされたようだ。ただ、小泉批判に利用するための取材ではないことを望みたい。
 そして、今日の朝日新聞朝刊には座り込みの文字は一文字も見られず(もし見落としあったらお教え下さい)。夢想主義のプロ市民の集会は危機として伝えるくせに、「今報道したら座り込みに人数が集まってしまう」という危機感でも持っているのか?
 また気になるのは、中継の際に「頑張って下さい」と声をかけるレポーターの姿。確かにご家族の方々への励ましの言葉をかけたいという心情は分かるのだが、むしろ頑張らねばならないのは政治家やマスコミや私たち国民の側。なんだか他人事であるという気持ちが透けて見えて、イヤな言葉だ。


 座り込みに関し、小泉首相の反応は予想通り相も変わらずなものであった。予想通りではあるが、座り込み一日目から冷や水をかけるがごとき言動に、怒りを禁じ得ない。

<小泉首相>拉致座り込み「制裁すれば解決する状況でない」(毎日)
 小泉首相は同日、座り込みについて「家族はつらいでしょうが、経済制裁すれば解決するという状況では現在ない。よく関係国の判断を尊重して協力していかないといけない」と記者団に語った。

 「経済制裁そのもの」を拉致被害者家族は求めてるんじゃない。拉致被害者を奪還するために政府に動いて欲しい、そう願っているだけだ。全く動きを見せない、説明もしようとしない、そんな政府に対し、「拉致被害者を見捨てないで欲しい」と訴えているのが今回の座り込みの実状。「経済制裁すれば解決するという状況ではない」のならば、経済制裁以外に解決できる方法を具体的に提示すればいい。当ページで何度も書いたように、スパイ防止法・憲法改正(もしくは特別法)・朝鮮総連への規制と、やらねばならないことは幾らでもある。それらに全く触れようとしないで郵政を最優先議題とする首相の姿勢に、「拉致を解決しよう」という意志は読みとれない。少なくとも、拉致事件解決に向けてどのような展望を持っているのか、少なくともご家族には説明する責務があるのではないか。
 また、「〜という状況では現在ない」という言い方からは、「自ら状況を作っていこう」という意識は全く見られない。「成り行き任せ」と何が違うというのか。

 細田さんも、こんな発言。

経済制裁に慎重−細田氏 被害者家族座り込みで(共同)
 細田博之官房長官は24日午前の記者会見で、拉致被害者家族会などが北朝鮮の拉致問題の早期解決と経済制裁を求めて首相官邸近くで座り込みを始めたことに関し「6カ国協議再開の動きも出てきているので、その中で対応していきたい。経済制裁に対する考え方は変わっていない」と述べ、日本単独の制裁発動に慎重な姿勢をあらためて示した。
 その上で「拉致被害者の家族の気持ちはよく分かっている。被害者は当然、生存しており、1日も早い帰国を実現しなければいけないという前提であらゆる努力をしている」と強調した。


 6ヶ国協議はただの時間稼ぎ。中国と韓国が絡んでいる時点で、北朝鮮に対する足並みがそろうはずもない。そもそも6ヶ国協議は核問題を話し合う場であって、拉致は後回しにされるのがオチ。核で解決の道筋が付いたら、拉致問題は放置されて終了ってことになりかねない。そうなれば単独制裁しか道はないのだが、そうなっても「単独制裁は無意味」と言い続けるのだろうか。
 もちろん6ヶ国協議で拉致を話し合うよう努力することは可能だろうが、もしそうだとしてもやはり問題になるのは、日本が拉致に対して本気で解決しようとしているのかという姿勢だ。
 しかし、「あらゆる努力」ってなんなんだろうね。あとでそれらの努力の内容が明るみになって、「すみません、私の見方が間違ってました、政府はしっかりやってました」と謝りたいものだ。


 そして、帰国した拉致被害者5人を「北に返せ」と言っていた大馬鹿者が、「激励」に来たんだと。(参考:tarochan.net

岡田代表らが拉致被害者家族の皆さんの国会前座り込みを激励(民主党ホームページ)
 今年初めての真夏日となった24日、気温30度を超える猛暑の中、拉致被害者の家族会と支援団体・救う会の皆さんは、被害者救出のため北朝鮮への経済制裁発動を政府に求め、国会前で座り込みを行った。東京・新宿で都議会議員選挙初日の第一声街頭演説を終えた岡田克也代表も駆けつけ、流れる汗をぬぐいながら家族の救出を願う横田めぐみさんのご両親はじめ、拉致被害者の皆さんと一人ひとりと握手し、激励した。(一部抜粋)

 パフォーマンスに利用する議員さんもいるんだろうなぁ、と思っていたら、党首自らお出まし。先日書いたクライン孝子と同様、自分の発言への総括も無しによく顔を出せたものだと、その面の皮の厚さに敬意すら抱いてしまう。

 ちなみに「log」によれば、始終座り込みに付いていたのは西村眞悟氏のみだったとのこと。
 民主党嫌いの人の中に「西村は何もやっていない」と罵る意見を見たことがある。たしかに脇の甘さを感じさせたり、「なぜ民主党にいるんだ」という疑問はあるが、しかし彼の拉致問題にかける情熱に対しては、疑うことなどできまい。家族と一緒に座り込みを行う西村さんと、3回もあったからと面会すらしない小泉さんと、どちらが家族にとって支えとなっているか、想像するまでもない。
(かつて西村氏に対して「無責任な発言」というような文章を書いたことがあったが、それについては言葉が過ぎたものとし、撤回し謝罪する。方法論への批判はできても、責任感という心情部分での批判は筋違いであったことを認める。)


 小泉首相、予想を裏切って、拉致事件解決に向けて施策を繰り出してくれ。


「座り込み」に関する情報 -拉致被害者を忘れるな!-
6/24(金) 10:00-15:00
6/25(土) 13:00-17:00  18:00〜集会(星陵会館)
6/26(日) 13:00-17:00  18:00〜集会(星陵会館)
場所:首相官邸近く(議員会館前歩道) 地下鉄国会議事堂駅・永田町駅すぐ

星陵会館での集会にはどなたでも参加出来ます。
 地方の方は「蒼き星々」の「蒼のはがき」や、官邸や議員へのメールで後方支援。


関心を失っていないことを示そう (6/24)

「自衛隊が標的」と断定 サマワのイラク軍司令官(共同)
 【サマワ23日共同】イラク南部サマワで、陸上自衛隊の車列付近で起きた爆発について、イラク軍サマワ地区司令官のアイワフ・カリム大佐は23日「自衛隊が(宿営地外で)初めて標的となった」と述べ、爆発が陸上自衛隊を狙ったものだと断定した。
 大佐は「犯人に対し、直ちに反撃を加える」と述べ、捜査に全力を挙げる方針を示した上で「日本の友人に謝罪する」と語った。犯人像については「現時点では特定できない」と述べるにとどまった。
 サマワの警察当局は、現場近くの民家の所有者ら数人を拘束したが、事件との関連は明らかになっていない。


 まずは、死傷者が無くて何より。殺傷力の低い爆弾だという話もあり、自衛隊撤退を要求するテロなのかそれ以外の別の意図が働いているのか、続報を待ちたい。
 ただ、これを好機とばかりにバカ騒ぎする輩には辟易。

自衛隊の早期撤退を要求 民主、共産、社民(共同)

 「もっと自衛隊を攻撃すれば、日本では撤退世論が強くなりますよ」と世界に向けてアピール。お前らの意見がどうであろうと知ったことではないが、その主張がどんな効果をもたらすかくらい考えてしゃべれ。

 ったくよぉ、こういうアホな糾弾や、酒飲んだ飲まないなんかよりも、やるこたぁたくさんあるだろ。

 やることをやってくれないのは、政治家だけでなくマスコミも。貴乃花の話をいつまでやってるんだ。拉致被害者のご家族が座り込みをやるってのに、メディアでの報道なんてほとんど目にしない。Yahooニュースで「座り込み」で検索しても、やっと見つけた記事はこんなもの。

拉致議連、休眠状態…政府の消極姿勢“感染” 「民主もやる気ない」批判も(産経)
 北朝鮮による日本人拉致被害者の家族らが二十四日から三日間、北朝鮮への経済制裁発動を求めて首相官邸周辺で座り込みを行う。政府は細田博之官房長官か杉浦正健官房副長官が対応する予定だが、打つ手なしの状態で対応に苦慮しそうだ。こうした政府の消極姿勢が“感染”したかのように、国会議員らも一時期に比べて拉致問題への関心は必ずしも高いとはいえない状態だ。(一部抜粋)

 政治家ばかりを責めるわけにもいくまい。議員が最も恐れるのは選挙での落選、国民が拉致問題を最大の関心事としていれば、彼らもそれについて考えざるを得ない。政治家は、国民が選挙で選んでいる。議員の間で拉致に対する関心が薄まっているのは、ある意味私たち国民の間で拉致に対する関心が薄れていることを反映していると言える。決して、私たち一人一人に責任がないわけではない。

 座り込みが今日から実施される。ここで、私たちが拉致に対し関心を失ってはいないのだということを議員の先生方に知ってもらわねばなるまい。

「座り込み」に関する情報 -拉致被害者を忘れるな!-
6/24(金) 10:00-15:00
6/25(土) 13:00-17:00  18:00〜集会(星陵会館)
6/26(日) 13:00-17:00  18:00〜集会(星陵会館)
場所:首相官邸近く(議員会館前歩道) 地下鉄国会議事堂駅・永田町駅すぐ

星陵会館での集会にはどなたでも参加出来ます。
 地方の方は「蒼き星々」の「蒼のはがき」や、官邸や議員へのメールで後方支援。

 座り込みでは政府は動かないかも知れない。しかし、声をあげることこそ大切。何も変わらないからと選挙に行かない人間と、自分一人何をしたって変わらないと政府の対応にあきらめを感じるのと、何ら違いはない。一つ一つの声が集まって大きくなれば、きっと大きな力となる。きれいごとに聞こえるかも知れないが、そう信じることが、「北朝鮮の独裁政治に対する存在としての民主主義」の意義を信じることになるのではないか。

 同じ日本人が不当に誘拐され、あまつさえ何十年も日本政府と日本国民から見放されてきたという現実。その不当な被害はもしかしたら自分や自分の親族に及んでいたかも知れないという可能性。そして北朝鮮は拉致をやめるとは言っておらず、日本が毅然とした態度を示さねばこれからも同様の被害者が出るかも知れないという危険性。拉致事件は、決して他人事ではない。


 
 そういえば、WFPがRENKを非難したらしい。(電脳補完録の記事より)
 そんなに袋が足りないなら、空袋を大量に支援してさしあげましょう。袋に入れる食糧はあるけど袋が足りないってことらしいからね。


君子豹変にもマナーがある (6/23)

 「君子豹変」は私の好きな言葉の一つ。一つの考えに凝り固まっていては、思考の発展はあり得ない。ただ、何の総括も無しにコロコロ変わるのはコウモリでしかない。とりわけ、ジャーナリスティックな職業についておられる方は、持論の転換をする際に自分の過去の発言について訂正或いは反省をせねば、その発言の信用性は無に帰す。

 何のことかといえば、この日記のこと。
クライン孝子の日記

 北朝鮮で支援食糧の横流しがあったのでは、というニュースに関して、
 私もユーゴ紛争やソマリア紛争で、紛争地へ出掛けて、国連による支援物が、横流しされ市場でおおっぴらに、売られて
いるのを目撃したことがあります。
 北朝鮮でもその手の横流し専門のマフイアがこうした形で横行していると見ていいでしょう。
 いやそれだけではない。韓流ブームで韓国が吸い上げた日本のお金もかなり、韓国在住の北朝鮮工作員を通して、北に流れ込んでいるのではないかなあ。
 ホント、日本人はお人好しというか間抜けというか、”バカ”正直ですよね。
 これを機会に、政府は”経済制裁”を断行すべきでしょう。
(改行は引用者による)

 この人、この文章では、人道支援に関して肯定的な発言をしているのだが…。

 一つは、経済制裁に関し、「日朝平壌宣言を順守する限り発動しない」とただし書きをつけていること。これだと「北朝鮮は平壌宣言を順守していると言いきれない」理由で今後北を揺さぶる経済制裁発動のカードになる。
 二つ目は、人道支援とはいえ、いずれも期限付きでないため、相手の出方次第で条件闘争に持ち込み、コメや医薬品支援を先延ばしするなど小出しにすることができる。
 三つ目は、これら支援が国際機関を通じ実施されるため、横流し防止を理由に日本からチェッカーを派遣し、物資の行方を突き止めるだけでなく、同時に情報収集作業にかかわることが可能である。拒否や抗議があった場合、国際機関との連携で「人道支援に不正があった」として支援中止を宣告すればいい。
(一部抜粋)

 1.「核持ってるゼ」などと宣い、平壌宣言を遵守する気など全く持っていない北朝鮮に対し、日本は何ら揺さぶりをかけることができないでいる。
 2.先延ばしも何も、すぐに半分をくれてやってしまったのだが。また、条件闘争など政府はやった(やっている)のだろうか。約束した支援の半分が既に実行されているのだが、「拉致被害者の情報出したらもう半分を支援するぞ」なんて話が行われているようには見えない。
 3.チェッカーの情報収集も国際機関も何の役にも立たなかった。北朝鮮全土での調査は北朝鮮側が拒否しており、完全な調査など不可能。

 以上の事実が明らかになってきているのに、過去の発言に対して全く触れずに、「日本人はバカ正直」って、それこそバカにした態度ではないか。自分こそバカ正直な論を述べていたということを、忘れているのか気付かぬフリをしているだけなのか。賛成派だったはずなのに、ある計画が失敗しそうだと分かってくると、「だから言ったじゃないか」となぜか反対派に回ってしまう輩、そんな人種にしか見えぬ。

 数日経ったら、こんな文章が出てくるかもしれない。
北朝鮮で食糧支援横流し。
これで、北朝鮮の悪辣ぶりが全世界に知れ渡った。
小泉さんが食料援助を決めたのも、みんな北朝鮮がいかに自国民を
ないがしろにしているのか、世界中に知らせるためではないかしら。
マスコミは今こそ、北朝鮮のやり口を世界に発信しなきゃ!



 今回のRENK発のニュースの信憑性はどうなのか、という話だが…
 
北朝鮮援助米横流し「可能性低い」 政府、WFPに確認(朝日)
 杉浦官房副長官は22日午前の記者会見で、北朝鮮国内の市場で撮影されたビデオ映像に「日本政府寄贈」と書かれた米袋が映っていた問題について「WFP(世界食糧計画)に確認したところ、北朝鮮は物不足で袋は共同農場などで再利用され、支援物資でない北朝鮮の穀物などを入れることは珍しくない。本件も再利用による可能性が高いという説明を受けた」と述べ、援助米が横流しされた可能性は低いとの見方を示した。

 WFPは否定している。まぁ当たり前ですな、「うちはまともに支援事業ができません」って宣言するバカ組織は無ぇわな。
 今回に限っては確かに「袋の再利用」という可能性が全く無いわけではない。しかし、支援食糧が闇市で売られているという話は今回に限ったことではないし、WFP自身がカンボジアで支援米を横流しするという話もあった。いずれにせよ、北朝鮮に対して、これまでのような形の食糧支援は全く意味を為さないということは明白で、RENKの発表の信憑性を疑ってももはや意味がない。

 人道支援を行おうにも、金正日体制が障害となって立ちはだかる。人権を云々するのならば、金正日体制を崩壊或いは転換させる方策を考えるのが先であり、そうでないのに支援を幾ら行っても北朝鮮国民の苦しみは全く救われない。そして、拉致問題の解決にも、人道支援は全く寄与しないどころか、金体制の延命に繋がりマイナスでしかない。


まずは日本軍の物かどうか調査を (6/22)

遺棄化学兵器処理 中国案では1兆円超 施設分散を要求、膨張(産経)

 予想通りに動き。「毒ガス兵器は全て日本が責任を持って処理する」などと言ってしまった河野洋平は万死に値する。
 処理したらしたで、「今度はこっちでも見つかったアル」と芋蔓式に毒ガス兵器が増えるのは目に見える。施設の分散を求めているのも、施設を作るには役人への賄賂が欠かせず、多くの施設に分けた方がそれだけ賄賂を手に入れられる機会が増えるから、じゃないのかね。それともなるべく金がかかるようにして、日本に嫌がらせしたいのか。なんだか、江戸時代の土木工事や参勤交代みたいな話だ。もしかしたら、処理したフリしてお金は丸儲け?

 終戦により、兵器は全て国民党に引き渡しているのだから、そもそも日本に兵器処理の義務は無い。無いのだが、河野洋平が「処理する」と言ってしまったものだから、撤回するのも難しいだろう。せめて、第三国を交えて調査し、本当に日本軍の物なのかを確認して「余分な物を処理する」ことの無いようにせねばならない。また厳密に調査して、中国の主張する200万発の内に日本の物でないのが混じっていたら、「中国の言い分は信用ならない」とそこで河野発言を無効にすることができるかもしれない。とにかく、言いなりになって金を出すのはやめないと、どんどんむしり取られていくことになりかねない。


自由は無制限と考える可哀想な人 (6/22)

「君が代」不起立で停職の中学教諭、正門前で連日の抗議(朝日)
 今春の入学式で「君が代」斉唱時に起立しなかったとして、5月末に停職1カ月の処分を受けた東京都立川市の中学教諭が連日、朝から夕方まで学校の正門前で、処分の不当性を訴えている。約120人の研究者も21日、「処分は憲法などに違反する」とする抗議声明を発表した。
 抗議しているのは、立川市立立川二中の家庭科教諭、根津公子さん(54)。都教委が教職員に君が代斉唱時の起立を義務づけた03年秋以降、停職処分を受けた初めてのケース。根津さんを含めて公立学校教職員10人が懲戒処分を受けた。
 今回の停職処分後、根津さんは5月31日からほぼ毎日、「私が起立しなかったことで迷惑を受けた人はいますか?」「私はまちがっていると思うことには、命令でもしたがえないのです」と書いたプラカードを置いて、朝の通学時から夕方の下校時まで正門前で座り込みを続けている。(冒頭抜粋)

 私立ならいざ知らず、公立校の教諭は公務員、つまり国が雇用主であり、その指導に従うのは当たり前の話。民間だったら、社の方針に従わなければ辞めるか辞めさせられるかしかない。要するに、公務員という立場に甘えているとしか言えない。「間違っていると思うことには命令でも従えない」というのが信念ならば、その自分の信念を貫いた結果も受け入れるべし。

 定職処分は憲法違反ではない。思想の自由が侵害されたと言えるのは、教職員という立場を離れてもなお国旗・国歌への対応の改善を求められた場合であって、今この元女性教諭が君が代を嫌おうが憎もうが誰も意志の強要はしていないはず。そもそも、君が代斉唱の時も「起立」を求められたのであって、君が代へ対する思いまで強制したわけではあるまい。思想の自由は侵されていない。

 自由には責任が伴うなど子供でも知っている陳腐な言い回しであって、どうしても思想の自由を貫くなら教職員という立場を離れるべき、教職員という立場を離れたくないなら職務を忠実に実行すべき。子供でも分かる理屈だ。そんなことも分からない人間が、子供を教える職に就いていたことが問題。個人的には、辞めさせて正解、と思いますわな。規則も守らない人間が、規則を云々する資格など無い。


援助米横流し (6/22)

<北朝鮮>NGOが援助米横流しの「証拠」公開(毎日)
 NGO「救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク(RENK)」は21日、ソウル市内で記者会見し、政府が北朝鮮に送った援助米が横流しされているとして、日の丸などが印刷された食糧袋入りのコメが市場で売られている「証拠写真」を公開した。袋から、世界食糧計画(WFP)を通じて送られたパキスタン米と判明。

 あんまり驚かない。北朝鮮の悪行の証拠が一つ追加されただけのこと。
 できればこのニュースは世界中に伝え、「北朝鮮に食糧支援することは独裁体制の延命にしかならない」と言うことを強くアピールすべきだろう。日本政府も関わって、その認識を広げるのに力を注いで欲しいものだが。

 「善ポコのタコ部屋」さんで、「北朝鮮への食糧支援はこのように行え」というページが紹介されていた。面白い意見だと思う。伊藤博文云々のところは、人道支援という名目の中で少し政治色を露骨に出しすぎじゃないかな、と少し気になるが、それ以外は興味深い提案に思った。北朝鮮は絶対に断ると思うけどね。


 座り込みに関して念のため確認。

「座り込み」に関する情報 -拉致被害者を忘れるな!-
6/24(金) 10:00-15:00
6/25(土) 13:00-17:00  18:00〜集会(星陵会館)
6/26(日) 13:00-17:00  18:00〜集会(星陵会館)
場所:首相官邸近く(議員会館前歩道) 地下鉄国会議事堂駅・永田町駅すぐ

星陵会館での集会にはどなたでも参加出来ます。

 地方の方は「蒼のはがき」キャンペーンに参加されたり、地元の国会議員にメールを送ったりするのもいいのではないでしょうか。また、座り込みについて、知人や友人に話して知ってもらうというのも、支援の一つの姿だと思います。


みんないろいろ聴いてるのね (6/22)

 リンク先のblogで、「Musical Baton」なるものがまわっている。
 「思い入れのある曲」で、誰も梅宮辰夫「シンボルロック」とか「ピエールとカトリーヌ」とかつボイノリオ「本願寺ブルーズ」とかいうボケをかまさないのが、少し寂しい。


日韓首脳会談 (6/21)

日韓首脳、靖国問題で溝埋まらず 歴史研究は継続へ(朝日)
 小泉首相は20日、ソウルの青瓦台(韓国大統領府)で盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と約2時間会談した。大半を歴史認識をめぐる問題での意見交換に費やし、大統領は首相の靖国神社参拝について「この問題が日韓の歴史問題の核心だ」と述べて再考を促すとともに、新たな追悼施設建設の検討を進めるよう要請。これに対し首相は「戦争の美化や正当化でなく、二度と戦争を起こしてはいけないという気持ちで参拝している」などと語り理解を求めたが、靖国問題をめぐる溝は埋まらなかった。(冒頭抜粋)

 朝日は信用ならぬという人は産経の記事で。韓国の言い分を知るには、朝日の方がいいんじゃないかと思うけど。

 決まったこととしては、
 ・第2期の日韓歴史共同研究委員会の発足、教科書記述の研究を対象とする小委員会設置。
 ・次の首脳会談を年内に日本で開く。
 ・新たな追悼施設建設については検討。
 ・北朝鮮の核問題では6者協議の早期再開を目指す
 といったところ。まぁ大した話はないですな。新しい追悼施設についても「検討」ということで、実際に作るかどうかは現時点では小泉首相の本心は見えない。作ったとしても、それを靖国の代替施設とするかどうかも、またさらに別問題。首相自身、新しい施設を作っても靖国参拝はやめない、と言ってますし。教科書を対象とした委員会も、「合意」を目的とするわけでなければ問題なし。お互いの歴史観をぶつけ合って、なおかつ韓国のファンタジー史観を揺さぶるような委員会にできれば、決して無益ではない。要するに委員会の運営の問題だ。

 懸案事項があっても会談を行い、最低限の一致点を見いだして、それなりの付き合いを続けていく…これを日韓関係のあるべき姿と考えれば、今回の会談はその姿を垣間見せるものであるとも言える。すべての懸案について同意する必要があるわけではない。
 今回の会談に不満があるとすれば、竹島という「実際に島を占拠され、現在進行形で主権侵害が為されている問題」について、あまり話が出なかったらしいということ。靖国や歴史問題は、こちらの言い分を通せずとも、少なくとも韓国の主張を無視するという選択肢があるのだが、竹島については無視という選択肢はあり得ない。歴史問題や靖国問題よりも、竹島の方が喫緊の課題とすべきだったのに、話題にならなかった。
 好意的に解釈すれば、今回はとりあえずお互いの考えの相違点を出すだけで、次回の会談で竹島は話題にする、ということかもしれない。「とりあえず仲良く」という安易な発想でないことを祈る。

 現在進行形の主権侵害といえば、拉致問題も話題にして欲しかった。核問題に拉致問題が霞まされるのを恐れているというのに、核問題のみ言及するのはいただけない。世界的な関心は核の方が上だろうが、だからこそ日本は拉致に関して声を挙げ続けねばならない。


 しかし、朝日見出しの「溝埋まらず」とか産経見出しの「対立解けず」を見るにつけ、そもそも歴史問題や靖国問題は、埋めるべき溝なのか解くべき対立なのか、疑問に感じる。靖国は本来ドメスティックに済ませるべき話題、歴史問題は韓国のファンタジー史観をまず何とかしなければならない、そういう前提で考えれば、それらの溝は埋めるべきものではないし、埋まるものでもない。

 記事によれば、ノムヒョンはこう述べている。
 日本側が過去の不幸な歴史を反省し、そのような歴史が繰り返されないという確信を行動で示すことこそが信頼の基礎となる。日本の要人から信頼を崩すような言動が繰り返されてはならない
 歴史認識に対する根本的な問題が解決されなければ、少しでもきっかけがあれば、両国関係が爆発する余地がある


 つまり、韓国が示す歴史観が正しく、日本はそれを踏み外してはならない、それに関わる全ての責任は日本にある、という言説だ。「日本はアジアを侵略した」「日本は朝鮮を不当に植民地とした」「日本は朝鮮人を強制連行した」「日本は朝鮮人女性を慰安婦として強制徴用した」「日本は朝鮮文化を奪い日本の文化を強要した」「日本は過去の戦争について永遠に反省し続けねばならない」といった主張を日本が鵜呑みにして反論しない、そのことを韓国は求めている。それが「不幸な歴史の反省」であり、「それを行動で示すこと」なのだ。
 飲めるか、そんな要求。溝は埋まらなくて正解、埋まることは即ち日本の不利益を意味する。

 ついでに言えば、上に引用した最後の1行、これ恫喝ですがな。また指を切るのか?


北朝鮮に取り込まれる韓国 (6/20)

北朝鮮兵士、韓国側へ脱出・夫婦も亡命求める(日経)
 【ソウル=峯岸博】韓国軍の合同参謀本部は17日、北朝鮮との軍事境界線に近い韓国北部の江原道鉄原郡で同日、北朝鮮を脱出した朝鮮人民軍の兵士を住民が発見し、同本部が身柄を確保したと発表した。防空砲兵司令部に所属する入隊3年目の20歳の男性で、13日に鉄柵を越え韓国側に入ったという。動機は「ひどい空腹で健康を損なったため」と説明している。さらに詳しい経緯を調べている。

 北朝鮮に送られる食糧支援は軍部に優先される、という話は常識だが、末端の兵士に関してはその恩恵に与っているわけではなさそうだ。軍というのはその国で最も規律と忠誠心を求められる場、それでも「腹が減ったから亡命」というのは、北朝鮮の状況を推測するに十分だ。


 一方南の方でもこんな話。

最前方の軍部隊で銃乱射事件 8人死亡(朝鮮日報)
 厳しい上下関係に慣れない新世代将兵らに対する管理体系を整えなかった結果が、大惨事を招いた。
 19日午前2時30分頃、京畿(キョンギ)道・漣川(ヨンチョン)郡・中面の陸軍某師団の最前方GP(最前方の警戒所)内務室で、平常先任兵士の言語による暴力を受けてきた同部隊のキム・ドンミン(22)一兵が手榴弾1発を投げ、K-1小銃44発を乱射した。
 この事件で将兵8人が死亡、2人が重傷を負った。
 今回の惨事は1984年以後、軍部隊で発生した銃器事件としては最も多い死傷者を出した。
 腹部と足に破片が貫通した兵士2人は病院に搬送され、手術を受けたが、命に別条はない。
 軍当局の調査で、キム一兵は「普段、自分をいじめた先任兵士の寝る顔を見て、瞬間的に腹が立った」と陳述した。しかし、調査結果、キム一兵は2個の手榴弾のうち、1個の安全ピンを抜いた状態で内務室に投げており、内務室、状況室、食堂、屋上警戒所などを順に回りながら、同僚の兵士と将校を銃撃したに射撃をした。  
 また、犯行後は勤務地に戻り、約30分間、犯行事実を隠したことが分かり、事前に緻密に計画した意図的な犯行ではないかという疑惑が浮上している。
 今回の事件は、非武装地帯(DMZ)内の北朝鮮軍と目と鼻の先で勤務し、最も厳しい綱紀が求められるGPで発生したことから、衝撃を与えている。


 パパとママの愛情が足りなかった韓国兵が暴走。

 「非武装地帯の北朝鮮軍と目と鼻の先」だそうで。冒頭の記事での、なぜ朝鮮人民軍の兵士が38度線を越えられたかという疑問に対するヒント、と言えるかも知れない。
 軍規の緩みが非武装地帯近辺にすら見られている、というべきか、非武装地帯近辺だからこそというべきか。韓国世論は北朝鮮寄りに傾いている、となれば「北朝鮮と対峙して38度線を守る」という意識を持ちきれない兵士もいるのだろうか。もしかしたら、北朝鮮寄りになりつつある韓国だからこそ、逆に38度線近辺の兵士の士気は高くないのかもしれない…実際の様子を見ているわけではないので、根拠がない推測ではあるが。

 ただし、韓国が北朝鮮を敵視していたのは過去のこと、という部分には根拠有り。毎日新聞のこの記事には、こんなくだりがある。

 先月に発表された韓国社会世論研究所などの世論調査によると、米国が韓国の同意なしに北朝鮮を爆撃する場合、「韓国は北朝鮮側に立つべきだ」との意見が47.6%で、「米国側に立つべきだ」の31.2%を大幅に上回った。また、今年4月の別の世論調査では「最も脅威を感じる国」のトップが日本(37.1%)で、北朝鮮は2番目の28.6%。北朝鮮への警戒感が徐々に薄れている。
 対北朝鮮意識の変化に伴い、韓国の北朝鮮に対する民間レベルの人道支援額は、00年の3513万ドルから昨年の1億4108万ドルと4倍に増え、政府の人道支援額1億1512万ドルを抜いた。
 南北貿易は、00年の4.2億ドルから6.9億ドルに増え、北朝鮮の貿易額全体に占める韓国の割合は中国の40%に次ぐ20%に上る。

 韓国世論は、北朝鮮よりも日本を警戒し、朝鮮戦争で血を流してくれたアメリカよりも北朝鮮をパートナーに相応しいと考えている。北朝鮮の情報工作は見事に成功している。

 北朝鮮との同胞意識を強め支援を増やしても、冒頭記事のようにその援助は全く意味を為していないという事実には、韓国政府は目を瞑っている。日本と北朝鮮の貿易量とほぼ同額が、韓国政府・民間から支援されているというのに、空腹で亡命する兵士が存在する体たらく。結果的に、韓国の人道支援は、金正日体制の延命に力を貸しているのみであり、逆に人道的観点からすればマイナスでしかない。
 そのような韓国に楔を打ち込めるか、日韓首脳会談の内容は注視したい。韓国の拉致被害の話も出して、ノムヒョンの太陽政策の欺瞞を暴いてくれないか、というのは淡い期待か。


 しかし、この記事を引いて、韓国を「バカにするだけ」の意見も出てくるんだろうね。
 確かにとても近代国家とは思えぬ所業を繰り返す韓国、それを批判するのは当たり前のことだが、韓国叩きが高じて「バカにしているだけ」といった言説も、正直どうかな、と。左巻きが跋扈している様は日本も大して変わらない部分があるし、向こうが犬喰いならうちの近辺はイナゴ喰いだしな。メディアの韓国の扱い方に対する不満から、その反動で韓国へ嫌悪感を持つのは分かるのだが、狭量な侮蔑からはそろそろ脱却する時期じゃないか。


おまけ。
 硫黄島戦没者追悼式に小泉首相出席 現職首相では初(朝日)
 これは素直に評価しておきたいところ。「二度と戦争はやってはならないと強く思った」という言葉は余計だが。いざという時の選択肢は、ちゃんと残しておくべきだ。


4年経った (6/20)

 気が付いたら、昨日でサイト開いて4年になっていた。訪問者の数はこの半年で4年全体の内の半分…logさんに紹介していただいて、ミジンコサイトから幼虫サイトくらいにはなれたようで感謝。
 「娘通信♪」さんのような良質blogがなくなる一方、細く長く生き残るうちのようなサイトも有り。うちはマイペースにまだしばらくは続けるつもりッス。しかもblogに移行することなく、この形を保守的に守ろうかと。いや、blogの仕組みが分かっていないからとかそういうことではない、たぶん、きっと、願わくは。


印象操作はさらに激化するだろう (6/19)

岡田参院議員、拉致問題で「報道ステーション」に抗議(読売)
 自民党と同党の岡田直樹参院議員は17日、テレビ朝日に対し、10日放送の番組「報道ステーション」が岡田氏の名誉を傷つけたとして、訂正と謝罪を求める通知書を発送した。
 通知書では、拉致被害者横田めぐみさんの父滋さんと母早紀江さんが参考人として出席した参院拉致問題特別委員会を巡り、同番組のキャスターが岡田氏の質問を「無神経な発言」などと批判したことに対し、「岡田氏が横田夫妻の心情を無視したという誤った印象を視聴者に与えた」と抗議している。


 電脳補完録の該当記事
 「ぼやきくっくり」さん6/10付けに、詳細が書かれています。(blog版はこちら→「ぼやきくっくり」)

 明確な意図があってか、それともただのバカなのかは分からないが、こういう印象操作は朝日系列の十八番。まともな人物を貶め、スパイ同然の人物を持ち上げるという情報工作は、北朝鮮が苦しくなればなるほどに激しいものとなるだろう。
 細かい事例であっても、しっかりと潰しておかないと、世間の印象はどんどん北朝鮮の望む方向に動いてしまう。「バカの戯言」と放置すれば、それこそ中韓の捏造歴史のように「事実」であるかのような存在になってしまうこともあり得ないわけではない。

 まぁしかし、朝日のような輩は分かりやすいからまだマシか。

 いちばん怖いのは、拉致問題を真剣に考えてますよ、ってフリをしつつ拉致問題に関わる人間のイメージを貶めようとする、そんな工作。拉致問題の集会に街宣ウヨクのような方たちを送り込むとか、拉致問題にかこつけた政治的要求の方をメインにして一般人に「先鋭的な政治運動だから関わりづらい」と思わせたり。真反対の立場から印象操作するんじゃなくて、あくまで内部の人間として印象操作するということですな。いわゆる埋伏の毒。

 本来は、家族会や救う会が、「どういう印象を持たれるか」なんて考えるべきではない。政府の不作為を被害者家族や民間が請け負っている、その構造に既に問題があるのに、それ以上に「どう行動すべきか」を考えねばならない理由は、本来は無い。
 しかし、拉致問題は、日本人全体の共通のイシューとして認識されねばならず、そのために或る特定の政治信条に基づいた運動にしてはならないし、日本人全体に普遍的問題であるがゆえにあらゆる人が抱く印象というものも考慮せねばならない。問題の本質とは関わり無い部分で間口を狭める必要はない。また、余計なところで印象操作のエサを与える必要もない。「正義は勝つ」という単純な話では無かろう。

 「悪い印象を持つ方が悪い」という考えもあろうが、問題は何が正しいかという概念の問題ではなく、現実の話だ。先入観や偏見による決して正しい考え方とは言えない印象の持ち方でも、しかしそういう現実は存在するわけで、そのような印象を持った人を非難するよりも現実にあわせた柔軟な対応を考えた方がよほど建設的ではないか。多くの人に拉致問題を認識してもらうために、情報工作に利用されないようにするために。
 
 自分と違う考え方でも、聞く努力対話する努力がないと、広がりは生まれない。もちろん、譲れない部分もあるだろうけれど、それでも認めあって協力できれば…というのは夢想かな。「多事X論」の筆者に関しては、私ももうついていけない。


追記 (6/17)

 昨日書いた「拉致問題解決に向けてしておかねばならないこと」(ちょっとタイトル変えました、日本語が変だったので)に、ちょっと追記。

 私の意見としては、「武力行使」が最終手段、できれば「武力行使が可能な状況にしておいて北朝鮮を揺さぶり、金体制が崩壊する」という流れになってくれればベスト、というのが本音。武力行使については、どうしても拉致被害者への犠牲について考えねばならないため、その犠牲がない方法で解決するのが当然ながら最上だと思うからだ。今は妙案が浮かばぬが、考えることを諦めるつもりはない。

 最悪の場合、拉致被害者の犠牲を覚悟せねばならない事態が起こるかも知れない。しかし、「犠牲が出て当然」というところで思考停止したくはない。


中国の農民襲撃事件 (6/17)

<中国>土地収用めぐり農民が襲撃され6人死亡 河北省(毎日)
 【北京・大谷麻由美】中国河北省定州市南部の縄油村で11日、土地収用に絡んで農民が襲撃される事件が発生し、村民の話では6人が死亡、48人が負傷した。北京紙「新京報」が報じた。これを受け、河北省党委員会は13日、定州市の和風・党委書記と郭振光市長の免職を決定した。土地収用を巡る地方政府と農民の衝突は全国各地で頻発している。中国政府も問題を重視しており、今回は地元幹部の免職という素早い対応で事態の早期収拾を図った模様だ。
 同紙によると、縄油村で11日未明、土地収用側とみられる200〜300人がヘルメットをかぶり迷彩服を着て、こん棒、カマ、消火器、押し車などで、収用に反対する農民を約1時間余りにわたり襲撃した。
 同村では03年、国家プロジェクトの河北国華定州発電所の建設のため農地収用が行われた。補償金が安かったため、農民側は土地収用補償金の標準価格の支払いを希望したが聞き入れられず、小屋を立てて抗議。工事の施工は進まず、双方のにらみ合いが続いていた。


 今回はワシントン・ポストが報じたことで、事態が明るみになっただけ。おそらくこのような事態が無数に中国内部で起きているのだろう。土地収容側が200人以上の私兵を用いたということで、私兵と言えども政府に通じた人間の兵。政府側の人間による農民襲撃であり、大ざっぱに見れば天安門の構図と大きくは変わらない。とても近代国家とは思えない話。
 
 ちなみに、これは内陸部で起きた事件ではない。河北省は北京を取り囲んでいる地域。内陸部はさらに酷いことになっている可能性が高いと思われる。

 中国の経済発展は農民を犠牲にした経済発展だ、というのはもはや常識レベルの話。中共独裁の正当性はもはや反日と経済発展しかないわけで、どんな犠牲を払っても経済発展だけは為し続けねばならない。で、こんなことも起きるわけだ。

中国の炭坑でガス爆発、50人以上が安否不明=新華社(ロイター)
 [北京 19日 ロイター] 北京から約200キロ北東にある中国河北省承徳の炭坑で19日未明にガス爆発があり、作業員50人以上が坑内に閉じこめられている。新華社が伝えた。
 作業員らの安否は不明という。
 この炭坑では2002年1月にも2度のガス爆発があり、合わせて27人の作業員が死亡。地元の炭坑管理当局は、採掘停止をこれまでに3度指示していた。 (ロイター) - 5月19日16時5分更新


 これも有名だね、中国の七色の川。
orz Blog

 いったい、何を流したらこんな毒々しい色ができあがるんだ?


 経済界は中国の付き合いを重視するような主張をする人が多いのだが、中国の経済発展は内情が伴っていない見せかけの発展だと気付いているのかいないのか。農民の反乱が大規模に発生するか、公害が制御しきれないレベルになるか、いずれにせよ中国経済がこのまま成長し続けることはないだろう。資源問題や人口問題、高齢化問題も考えれば、むしろ中国経済は今が絶頂で後は衰退するしかないように思う。適度に距離を取っておかないと、日本も大ダメージを喰らうことになりかねない。


細田官房長官の答弁に見える政府の態度 (6/16)

 森ゆうこ議員は、論点を整理していい質問をして下さったと賞賛の気持ちやまないが、細田官房長官の答弁には悉く落胆。

官房長官 経済制裁に慎重姿勢(森議員とのやり取り)(「電脳補完録」より)

 細田発言を幾つか拾い上げてみると、

 誠意ある対応を求め続けてきたわけでございます。
 現時点で我が国が北朝鮮に対する経済制裁を実施することが拉致問題その他の諸懸案について前進を図る上で最適であるかどうかについては、なお状況を見て検討をしていく必要があると考えているわけでございます。
 制裁をすべき事態であると、この拉致問題というのはそこまで考えていい事態であるということは認識しつつ、今、忍耐強く折衝しておるわけでございます。
 日朝国交正常化に関する関係閣僚会議というのがございまして、そこに官房副長官を議長とする拉致問題に関する専門幹事会を設置しておりまして、内閣官房、警察庁、法務省、公安調査庁、外務省、厚生労働省、総務省、文部科学省、国土交通省とそれぞれの役割の省庁が入って、これは局長級ですから実務家の最高責任者ですが、常に緊密に連絡し合っております。
 しかし、こういう犯罪の被害者、いわば誘拐でございますから、その犯罪の被害者として、誰か特定の人が特定の場所でこういう経路で誰が手伝って連れて行った、拉致をした、ということをやはり警察当局が、しっかりした証拠固めをして、そして認定をするという仕組みでやっております。


 未だに経済制裁については検討中らしい。小泉首相の初訪朝から3年になろうとしているのに、北朝鮮とどう対峙するかの方策を立てることもできずに今に至っているわけだ。「忍耐強く折衝」「誠意ある対応を求め続けてきた」という言葉に、政府の無策がよく現れている。そもそも北朝鮮が誠意ある対応をするわけがないではないか。
 拉致問題対策本部を作らないのはなぜかという質問に対する答弁にもがっかり。細田さんはそれに相当する機関はあると答えているのだが、はじめに出てきたのが「日朝国交正常化に関する関係閣僚会議」の中にある専門幹事会。国交正常化のための組織の下に、拉致問題のための組織を措いている、このことで政府の考えている優先順位が見えてこないだろうか。国交正常化よりも日本が侵害された主権を回復することが大切、そう考えれば拉致対策の幹事会を国交正常化に関する会議の内部に設置すると言うことはなく、独立した対策本部を作るはずではないか。

 拉致認定の話も、細田さんの認識(=政府の認識だろう)はズレている。要するに、北朝鮮を容疑者として通常の刑事事件と同様の手続きを採っているということを細田さんは言っているのだが、国家犯罪に対して個人が行う犯罪と同様の対応で、全ての犯罪を明らかにできるはずがない。疑惑があるもの全てをとりあえず北朝鮮に突きつけていく、その過程で「拉致ではない」という明らかな証拠が出てくれば認定から外す、そういう順序で取り組むべきだ。実行犯は日本にいる場合もあるし北朝鮮にいる場合もある。北朝鮮が協力的姿勢を示すはずがないのに、通常の操作方法で証拠が挙がる可能性は限りなく低い。北朝鮮に家宅捜索でもできれば別だが。

 総じて見ると、政府からは「拉致問題に真剣に取り組もう」という姿勢は全く見えてこない。できることはたくさんあるのにそれをやらず、「誠意ある対応が来ない」と述べることを恥とは思わないのだろうか。

 日本政府への不満は、以下の記事を見ると倍増する。

脱北記者:米大統領と異例の会談 人権問題の解決訴える(毎日)
 【ソウル堀信一郎】北朝鮮を脱出して韓国に亡命し、韓国紙・朝鮮日報の記者になった姜哲煥(カンチョルファン)さん(36)が13日、ブッシュ大統領の招待でホワイトハウスを訪れ、大統領と約40分間にわたり異例の会談をした。
 大統領は、北朝鮮の強制収容所での体験をつづった姜さんの著書「平壌の水槽(アクエリウム・オブ・ピョンヤン)」を読んで悲惨な人権状況を具体的に知り、ホワイトハウス高官にも一読を勧めるほど姜さんに関心を持っていたという。
 面会は大統領執務室であり、チェイニー副大統領らも同席した。
 朝鮮日報によると、大統領は「北朝鮮に対する正直な話を聞きたくて来てもらった。あなたが大統領だったら北朝鮮をどうするか」と単刀直入に切り出したという。
 姜さんは「国際社会では核問題が重要ですが、北朝鮮住民にとっては核よりも人権問題が切迫しています」と人権問題の解決を訴えた。
 大統領が「人権問題を解決するためにどうすべきと思うか」と聞いたところ、姜さんは「米国が北朝鮮の人権問題を(国際社会で)強く問題提起すれば、北朝鮮住民は(米国が人権状況を心配してくれていると感じ)米国への誤解は解けると思う」とアドバイスした。
 また、ブッシュ大統領は北朝鮮を取り巻く経済状況に触れ、「人道支援は政治問題とは別というのが私の原則だ。北朝鮮住民はとてもかわいそうだ。もっと食糧支援をしたい」と述べた。
 これに対し、姜さんは、北朝鮮の軍事優先体制を指摘し「軍部だけが食べて、住民のことは眼中にない」と食糧支援の難しさを説明した。
 さらに大統領が「私とあなたが会ったことを金正日(キムジョンイル)(総書記)が知ったら、嫌がるのではないか」と向けると、姜さんは「強制収容所に監禁されている数十万人が万歳と叫ぶでしょう」と返答したという。
 大統領は姜さんの著書に「サインをしてくれ」と頼み、一緒に写真に納まった。

 拉致被害者家族には「3回もあった」という理由で会おうとしない日本の首相。脱北者と大統領執務室でしかも副大統領と一緒に会談を行うアメリカの大統領。私としては、どう考えても後者の方が一刻のリーダーとして相応しい姿だと思うのだが。
 結果的ではあるが、ブッシュ大統領に「核問題も大事だが、人権問題も重要だ」という認識を再度伝えることになった。核問題の中に拉致問題が埋もれてしまわないかと心配している私としては、その点で嬉しいニュースと捉えたい。

 ブッシュさん、ノムヒョンには「北朝鮮をどうするか」なんて聞いてないよな。ブッシュさんはノムヒョンよりも姜さんを信用してるわけだ゚∀゚)

拉致問題解決に向けてしておかねばならないこと (6/16)

1.日本が拉致被害者救出活動を遂行できる力を手に入れる。
 ・憲法改正(もしくは自衛隊が北朝鮮で活動できるような特別法の制定)
 ・米軍との「北朝鮮有事」に於ける協力体制の構築
 ・政府への情報を統括する情報機関の設置

2.北朝鮮と全面対決した場合のテロ行為を抑制できるような体制作り
 ・スパイ防止法制定
 ・破防法による朝鮮総連の解体
 ・情報統制法(情報工作を防ぐようなもの。左巻きは反発するわなぁ)

 さらに追加すれば、自衛隊が活動をしている間は、災害救助などは消防・警察にその任務が一部移ることになろうから、消防・警察の仕事を民間人が(例えば自警団のような形で)支援できるような形も整備しておくべきだろう(消防団の存在程度では足りないのではあるまいか)。
 経済制裁を行う前にこれくらいは必要かと私は考えている。経済制裁は結局話し合いのための方策であるから、私が考えているのは制裁と言うよりは経済封鎖かもしれない。
 戦争の準備みたいだと思われるかも知れないが、まさにその通りである。金正日体制の崩壊無しに拉致問題の解決はあり得ないため、拉致を解決しようとするならこれくらいのことをせねば中途半端な結果になってしまうだろう。もちろん、武力行使以外にも金体制崩壊の道筋はあるが、このような準備をしていれば「日本は本気だ」と揺さぶりをかけることになり、クーデタによる体制崩壊の可能性も高まると思う。仮に交渉で解決するにしろ、これくらいの「武器」を持たねば、北朝鮮を交渉の場に引きずり出すことは難しいだろう。
 ミサイルが飛んでくる可能性は確かにあるが、それをゼロにするのは不可能だろう。北朝鮮に対して譲歩し続けるという選択肢を採るなら別だが、それでは現状からは何も変わらない。
 問題は、武力行使で拉致被害者にも犠牲が出るのではないかという部分だが、私には上記手続き以外に「拉致被害者救出の可能性を高める方法」を考える頭がない。たださっきも述べたように、交渉力を付けるためにも、冒頭の手続きは不可欠と思うのだがどうだろうか。


議論は中韓の要求をはねつけた後に (6/15)

 6/14付朝日新聞の社説は卑怯なものだった。

靖国参拝 遺族からの重い問いかけ(6/14付朝日社説)
(リンク切れしていた場合は朝日新聞社説・コラム補完録で)
 
 6/5の社説「遺族におこたえしたい」で、遺族に対する回答と言うよりは中国の代弁をしただけの社説に対し、やはり多くの意見が朝日に寄せられたらしい。しかし朝日は、それらの意見には殆ど触れず、賛同する意見ばかりを紹介し、持論の補強に利用した。

 これに対し、多くの遺族や読者の方々からお便りが届いた。首相の参拝は当然であるというご指摘もあったが、印象的だったのは、A級戦犯に代表される戦争指導者の責任をいまも厳しく問う遺族の声だった。

 この文の後は、首相の靖国参拝に反対する意見を並べ、「自分たちは正しい」と声高に主張。
 朝日の「中国代弁社説」に対する批判にはまったく触れず、持論に合うものばかりをピックアップ、これでは朝日の意見に賛成する人の割合の方が高いような印象を与えてしまう。実際、朝日の狙いはそこだろう。

 A級戦犯合祀を批判する遺族の声が多い、というのは事実なのか。

 メディアの印象操作に役立つアイテムを、この男は提供してしまった。

靖国参拝、古賀誠氏「配慮が必要」 遺族会会合で(朝日)
 日本遺族会(会長・古賀誠自民党元幹事長)は11日、都内で幹部による会合を開いた。出席者によると、古賀氏は小泉首相の靖国神社参拝について「遺族会の悲願で、ありがたいが、並行して英霊が静かに休まることが大事だ。近隣諸国に配慮し、理解してもらうことが必要だ」との考えを示したという。

 記事にはこの後、「古賀氏は13日、記者団に対して「発言は私見だ」と説明し、遺族会としての見解ではないとの考えを示した。」と記しているが、「遺族会の会長」が「首相の靖国参拝に反対」という事実は成立しており、結局メディアでは「遺族会も首相の靖国参拝に反対」という印象捜査が行われることとなってしまった。上に引用した朝日社説でも、古賀の言説は引用されている。個人的な見解だろうが何だろうが、遺族会の会長という立場で述べるべき言葉ではなかった。

 慰霊の方法に関して様々な議論があるのは問題ではない。しかし、中国や韓国が内政干渉している間は、それに屈するわけには行かない。内政干渉に屈する形で慰霊のあり方を変えてしまっては、中韓はさらにつけ上がって不当な要求を繰り返す。外交問題となってしまった靖国の問題は、もはや慰霊の方法というドメスティックな問題では済まなくなっている。靖国に対する日本政府の態度が靖国のみならず日中関係・日韓関係全体を左右する、そんな状況になってしまったのだ。各々の考えは様々あれど、現時点では中韓の外交圧力に対抗するという一点で一致せねばならない。


 靖国といえば、違和感を感じまくったこんなニュースがあった。

靖国神社の訪問を断念 台湾先住民、右翼の妨害で(共同)
 小泉純一郎首相が靖国神社を参拝したのは違憲で精神的苦痛を受けたとして、国などに損害賠償を求めている台湾先住民ら約60人が14日、戦死した台湾先住民の合祀(ごうし)取り消しを求めるため、靖国神社を訪れようとしたが、右翼が神社の周囲を占拠したとして、訪問を断念した。
 原告側の支援者によると、台湾先住民らはバスで靖国神社に向かったが、警察側の要請を受けて、神社の約300メートル手前で引き返した。靖国神社側は、神社を訪れることを拒否していないとしている。
 この後、先住民らは弁護士会館前で記者会見し「先祖の霊はわたしたちの方法で祭る。日本人がするのは間違い」と話し、合祀を取り消すよう求めた。


 どうにも解せない、台湾先住民がそんなことを訴えるのか…と思っていたところに、西村幸祐氏が疑問を氷解させるエントリーをあげて下さった。
酔夢ing Voice」6/14付エントリー

 マスコミは事実を伝えてはくれない。


具体論の提言と多様性の維持 (6/15)

 異論を許さないことは、事態の前進に何ら利益をもたらさないどころか、多数の団結を阻みより効果的な方策を見つけだす芽も摘んでしまい、不利益にしかならない。異論排除の行き着く先は、連合赤軍の「総括」であり、浅間山荘である。

 拉致問題に関して異論排除を唱えて恥としない論者は、総じて特攻論者でもある。日本の再生だの経済制裁即時実行だの小泉退陣だの…それ自体は意見として問題がないのだが、具体的な中身はまるで無し。経済制裁を拉致の解決という道のりの中にどう位置づけるのか、考えることすら間違っていると言う。憲法改正や自衛隊法改正のような手続きを求める意見に対してすら、精神性が付いてこないのに法を整備しても意味がないと平気で言う。ならば覚悟を持ってその後どうするのかという話になるのだが、やはり具体的な提言は聞かれない。

 拉致問題は人の命がかかっている。人生がかかっている。決して、己の憂国気分を満たすための存在にしてはならない。拉致は確かに有事だ。有事だからこそ、具体的な見通しをそれぞれが考えねばならない。戦には手順が必要であり、情報が必要であり、準備が必要であり、そして団結が必要だ。それらを無視して全てを精神論に帰結させるのは、無責任すぎる。

 なお、一致団結とは言っても、まったく同じ考え、同じ信条・心情である必要はないと私は思っている。また、拉致被害者のご家族の意見と違いがあっても構わないと考えている。日本全体に関わる問題という意味では私たちも拉致と直接関係があると言うことができるが、しかし直接の被害者・被害者家族ではない。その立場の違いこそが、意見の多様性を生むのだし、その多様性が様々な考えを生み、より幅広い運動、より効果ある運動に発展させる基盤になると思う。ご家族を応援する気持ちは当然持っているが、その感情に寄り添い同化する必要はない。違いがあるからこそ、拉致問題を一部の人たちの運動にせずに、国民的な運動にすることが可能となるのではないか。


「従軍」の定義を明確に (6/14)

従軍慰安婦という言葉なかった、歴史教科書で中山文科相(朝日)
 中山文部科学相は11日、静岡市で開かれたタウンミーティングで、歴史教科書に関連して、「そもそも従軍慰安婦という言葉は、その当時なかった。なかった言葉が教科書に出ていた。間違ったことが教科書からなくなったことはよかったと評価した」と述べた。従軍慰安婦や強制連行の記述が「減って良かった」とした昨年11月の自らの発言の真意を説明する中で言及した。
 中山氏は昨年の発言後、「文科相になった以上、個人的な考え方についての発言は控えるべきだった」と述べており、タウンミーティング後の記者会見では「質問されたから答えた」と説明した。

 何一つ問題がない発言。慰安婦の存在自体はあったかもしれないが、「従軍」というように「軍や政府が強制的に売春婦として雇った事実」があったことを示す厳然たる証拠は、無い。当時慰安婦でしたという人も、1947年まで日本軍の慰安婦をしていたとか、11歳で慰安婦をしていたとか、その信憑性が疑われるものばかり。軍の関与を示す証拠として左巻きが出してくる史料も、結局は不当な女狩りを取り締まるような内容であったりと、「軍が強制的に韓国女性を売春婦にした」という証拠は今のところ出てきていない。
 もしかしたら証拠が出てきていないだけで、実は軍の強制があったかも知れない…そう譲歩したとしても、現時点では「あった」と確定させられる状況ではない。教科書に載せないのは当たり前の話だ。

 「従軍慰安婦」という言葉もまた、いい加減な用語だ。「従軍」の定義を敢えて曖昧にすることで、左巻きはより広い層にこの言葉を流布させることに成功してしまった。
 軍に従っていれば従軍…それならば当時は殆どの軍が従軍慰安婦を持っていたことになる。しかし左巻きは「従軍」を「軍の強制下にある」という意味で考えている。元来の定義と違う言葉を用いることによって、元来の定義で考える人をも取り込んでしまった。

 慰安婦があったかなかったか、その問題と同様に「言葉」もまた非常に大きな問題であるのに、この男にかかっては、それすら疑問とはすべきでないということらしい。

文科相の「従軍慰安婦発言」、官房長官が事実上修正(朝日)
 細田官房長官は13日午前の記者会見で、従軍慰安婦問題について「問題は言葉ではなく実質だ。実質的に従軍慰安婦の存在があった以上、政府の今までの考え方は変わらない」と述べた。中山文科相が11日、歴史教科書問題に関連して「従軍慰安婦という言葉はその当時なかった。間違ったことが教科書からなくなったことはよかった」などと発言したことを、政府として事実上修正したものだ。
 細田長官は「従軍慰安婦問題が多数の女性の名誉と尊厳を傷つけた問題であると認識しており、これまで官房長官談話でおわびと反省の気持ちを表明している。この立場は変わらない」と強調した。

 確かに、実質は大事だ。しかし、従軍慰安婦という言葉の指す範囲が「従軍」という語によって歪められている現実を考えれば、言葉を無視して従軍慰安婦に関わる問題を考えるべきではない。
 元慰安婦と名乗る李容珠(1947年まで慰安婦という謎のプロフィールを持つ女性)に謝罪してしまった過去を持つ細田氏とすれば、「日本は従軍慰安婦について、謝罪し続けるべき」という見解で既に固まってしまっているのかも知れないな。
 そしてこの記事を見ると、一度世に出てしまった政府見解を覆すのは難しいのだなと、改めて思い知らされる。

胡錦濤は靖国参拝を了承していた? (6/14)

昨秋の日中首脳会談、参拝継続を事前伝達=郵政廃案なら解散−首相秘書官が講演(時事)
 小泉純一郎首相の飯島勲首相秘書官は11日夜、長野県辰野町での会合で講演し、昨年11月にチリで開催された中国の胡錦濤国家主席との首脳会談について、事前に日本側から「首相は2005年も靖国神社を参拝する考えだ」と伝えていたことを明らかにした。
 飯島氏は「チリで胡主席と会う前に(中国に対し)初めて強烈なカードを切った。『小泉首相は時期は別として来年も靖国神社を参拝する。それでも不都合がなければ会談を受ける』と伝えた上で会った」と指摘。中国側も小泉首相の意向を承知して会談開催を受け入れたとの認識を示した。
 飯島氏はまた、この首脳会談に続く昨年11月のラオスでの小泉首相と温家宝首相の会談でも同様に、小泉首相の靖国参拝継続の意向をあらかじめ中国側に伝達していた、と語った。その上で「国の指導者たる小泉(首相)が不戦の誓いで靖国神社に行くのは何らおかしくない。多分必ず参拝すると思う」と述べた。
(一部抜粋)

 これが事実ならば、胡錦濤は、小泉首相が05年に靖国に参拝することを承知した上で会談を行ったのに、靖国に対しいちゃもんを付け続けていることになる。
 胡錦濤としては、約束なんて証拠はないから守ろうが破ろうが中国の勝手、という気持ちかも知れないが、日本としては中国がどのように反応しようと、この話を大きく報道し、日本国内のみならず世界的に発信すべきではないのか。若貴はもうどうでもいいから、本当に重要なニュースを流してくれ。
 約束があった、いや無かった、という水掛け論になる可能性は高かろうが、だからといって日本の言い分を抑えなければならないということにはならない。どちらの言い分を信用するかは、各国にそれぞれ任せればよい。今のまま黙っていれば、中国の言い分しか聞こえず、日本がどんな主張を持っているのか見えないままだろう。

アメリカンクラッカー (6/14)

 DREAM THEATERの「Octavarium」を買った。
 最後の24分のタイトルトラックを除くと、短め(といっても10分の曲もあるが)にまとまっており、地味な印象は確かに受ける。しかし、「Falling into Infinity」が好きならばその地味さも気にならないだろうし、「The Root of All Evil」「Panic Attack」あたりは前作・前々作1枚目の流れを汲みつつメロディがキャッチーなので、なかなかに美味。
 今のところ前作の方が好きなのだが、聞き込めばまた変わってくるだろう。聞くほどに印象が変わるのが、シアターのアルバムの特徴でもある。

素晴らしいblogが一つ消える (6/14)

 娘通信♪さんが更新無期限停止。しかし、少なくともサーバのデータが消去されるまでは、リンクは残します。もしかしたら、消去されても永久欠番として残すかも。それくらい、彼女の文章は敬意と嫉妬の対象であった。「関ヶ原」の文には非常に親近感を覚えたが(自分もやったことなので)。
 様々ないきさつがあるのは分かっていても、でも寂しいものだ。


支持と盲信は別物 (6/13)

 「多事×論」がスゴいことになっている。電脳補完録管理人の山本氏まで批判。山本氏の「絶対化は何ももたらさない」という文章を非難しているのだが、その暴走ぶりには唖然としてしまった。とりあえず、座り込みに慎重だった意見をバッシングとしか捉えられない国語力を何とかして欲しいものだ。

 内容に関してはlog氏が既に私の言いたいことを殆ど述べて下さっている。しかし、言わなきゃ気が済まないので、書く。

 国民の生命・財産を護る事は国家の責務なのだから、一民間人の支援団体である救う会が仮に何を言おうが、何をしようが全く枝葉末節な事だ。
 前半はまさにその通りだ。本来は国が動かねばならないことなのに、民間が最も働いているのは本末転倒の異常事態だ。しかし、それが救う会に意見してはならないということにはならない。国が動かないからこそ、救う会を含めた拉致問題解決への運動は、国民全員が共有できるものとせねばならない。動かない国を動かさねばならないからこそ、拉致問題解決の運動は一部の先鋭的人間だけの活動にしてはならないのだ。

 「批判をすること」と「支持をすること」は決して矛盾しないし、同様に「支持すること」と「盲信すること」も全くの別物。
 大谷吉継は、親友の石田三成から家康とコトを構えるという計画を聞かされたとき、今はその時期ではないと猛然と反対したという。しかし、三成の意志が固く覆せないと見るや、自らの意見はひとまず措いて三成に協力することを約束した。結果、吉継は三成のために奮戦し、関ヶ原で討ち死にしている。

 救う会や、或いは家族会の考えでも、思うところがあれば意見の応酬はオープンにされるべきだろう。そうでなければ、より幅広い活動にはならないし、一部の人間の思惑だけで動いてしまっては、より効果的な運動を行う芽を摘むことにもなるからだ。

 私は、世の中には「全く」無意味な意見は無いと思っている。「多事X論」の意見も、その心意気の部分では頷けるものがあり、論に具体性はないが吸収できる部分がゼロというわけではない(反面教師として見ている部分が殆どなのは確かだが)。また、いわゆる小泉信者とされる人たちの意見や、拉致問題をゲームの一つとしか見ていないように感じられる人の意見でも、私の思いつかないような方向からの視点で意見が述べられたりしており、ほとんどには賛同できないがやはり吸収できる部分はある。サヨクの意見でも、意見自体には頷くところが無くても反面教師としての利用価値はある。
 もちろん、自分の考えは(その時その時で)正しいと考えてここに文章を書いているし、人間ゆえ自分と違う意見に対して噛みついてしまうこともある。しかし少なくとも、自分と違う意見に対してオープンな態度でいるように努めたいとは思っている。そう意識していないと、どんどん視野狭窄になってしまうという自覚があるのでね。今回の件もいい教訓になった。

 多事X論の筆者は別の日の文章で、「清廉潔白な拉致問題の支援者(引用者注:座り込みに消極的な論者と同義のようだ)はトラブルメーカーになるだけで、決して世の中の役には立たず、いないほうが良いということになる。」と述べている。では、そういう意見の持ち主を排除して、拉致問題は最も効果的な解決の道を辿れるのか。救う会に意見を述べない人間だけで行動して、拉致問題を国民的な運動に広げることが可能だというのか。自分と同じ考えの者のみ正しいという、典型的な視野狭窄の症状だ。己の特攻精神に酔っているだけとしか見えない。
 そもそも座り込みに消極的な意見を書いた人は殆ど(私も含め)、救う会を否定してなどいないし、座り込みが無駄だとまでは言い切っていない。行動を採るからには、ご家族の健康やメディア対策など十分留意して欲しいと意見し、意見することすら否定する輩に対して「他論排除はおかしいのではないか」と述べただけのこと。そういった言説の読みとりすらまともにできないで、「拉致問題の本質」と言われても…。

 北朝鮮の情報工作が本格化したら、ますますこの手の人たちは先鋭化した意見を出してくるんじゃなかろうか…と今から危惧している。それとも、もう既に工作は始まっているのか。


失踪が増えているのにビザ拡大目指す脳天気ぶり (6/13)

来日中国人の失踪急増 1−5月、44人 ビザ拡大控え対策急務(産経)
 今年一月から五月までの五カ月間に来日した中国人団体観光客の失踪(しっそう)者が四十四人に上ることが十日、国土交通省の調べで分かった。昨年同時期の二十八人を上回るハイペースだ。北側一雄国土交通相は七月初めにも訪中し、三市五省に限定している中国人団体旅行客の査証(ビザ)発給対象地域を全土に拡大する方針を中国側に伝える考えだが、治安当局は「ビザ発給地域の拡大が不法滞在者をさらに増大させる可能性がある」(警察庁幹部)と対応策の検討を迫られている。 (一部抜粋)

 こんな話があるのに、盗人に追い銭。

国交相、最終決着向け訪中へ=ビザ発給拡大問題−呉副首相帰国で宙に(時事同)
 【北京10日時事】日中両国政府は、北側一雄国土交通相が7月2日ごろ北京を訪問し、中国国家観光局長らと会談して中国の団体観光客へのビザ(査証)発給の対象地域を拡大する問題の最終決着に向けた調整を進めることが分かった。複数の日中関係筋が10日までに明らかにした。小泉純一郎首相は5月23日、呉儀副首相との会談でビザ発給を中国全土に拡大する方針を伝える予定だったが、同副首相による突然の帰国で宙に浮いていた。

 一つ目の記事見出しのような、「まずビザ拡大ありき」の考え方が全く理解できない(その意味で、普段は賛同することの多い産経の論調だが、この記事の見出しの付け方には非常に違和感を感じる)。現時点で既に問題があるのに、何故それを解決しようともせず、さらに問題悪化を招くような行動を採るのか。
 そもそも、呉儀がドタキャンしたせいで宙に浮いたのにこちらからお伺いしてまで実現させるべき話か、これは?日本政府にはプライドはないのか。

 中国の攻勢が強まると同時に、国内の「中国と仲良く=中国に隷属しましょう」運動が激しくなっている。「中国にはオーストラリアのスパイが1000人いる」なんて話が出たが、日本にはおそらくその何倍ものスパイが、他国よりもずっと気楽に活動していることだろう。
 下の記事を見ると、そういう感覚はさらにふくらむ。

中国人観光客を国会に呼ぼう 議員有志が企画(朝日)
 与野党の国会議員有志が、中国人観光客の国会見学を目玉にしたツアーを企画、第一陣の20人が13日に国会を訪れる。議員との懇談などを通じて日本の政治に理解を深めてもらうことで、冷え込んでいる日中関係の改善につなげる狙いだ。
 企画したのは自民、公明、民主各党の議員でつくる「日中新世紀会」(会長・遠藤乙彦公明党衆院議員)。昨年9月に来日した日中観光交流促進訪日団との合意をもとに、中国の大手会社の協力を得て、通常価格の半額程度で実現した。
 京都や東京ディズニーランドなどの観光に加えて、国会議事堂を見学。議員食堂での食事や議員との懇談・記念撮影もある。7月以降は毎週1グループのペースで国会を訪れる予定。
 遠藤氏は「実際の日本の政治を間近にみてもらうことが、関係改善に一番効果がある」と話している。

 日中新世紀会の面子については、名簿が掲載されているサイトを発見できなかったのだが、ここによると…
超党派で組織した「日中新世紀会」の第3次訪中団出発、成田から北京へ。
団員は、昨年8月とほぼ同じ、遠藤乙彦 鴨下一郎 竹下亘 西博義 松浪健四郎 山谷えり子の面々。


 日中友好議連に町村外相が入っていたりと、かような団体に入っていたからといって「媚びている」というのと同義ではなかろう。言うべきことを言うのだって友好の語義の範疇だろうし。ただ、山谷氏の名前を見て率直に驚いたという感想をここに述べておく。

 こういうイベントも、本来は友好に必要なものなのだろうし、国民レベルで日本に親近感を抱けば中共の反日政策の効果が薄まるという可能性は、非常に少ないだろうが否定はしない。
 しかし、日本と中国のそれぞれの行動を見るに付け、日本の片思いのような感覚を抱かざるを得ない。韓流ブームとやらでは、日本は韓国に対して、様々な友好に関わる行動を採ってきたし、少なからぬオバ様がたが韓国に親近感を覚えた。だが韓国では日本嫌いは加速、北朝鮮や中国に親近感を感じているような有様。
 日本のこういった「人の良さ」は、それはそれで美点と呼ぶべきものではあるが、極東諸国の性格を考えれば大きな短所とも言わざるを得ない。こちらが友好を望めば向こうも応える…そんな甘いレベルの話ではない。


 なんだか日本の行動って呑気だな、何につけても。

総連「学習組」を復活 北が指示、対日工作強化(産経)

 学習組ってのは、記事に拠れば「偉大な首領、金日成元帥が組織し、親愛なる指導者、金正日同志が指導する在日朝鮮人金日成主義者の革命組織」「活動任務は「祖国を擁護防衛」し、「日本で主体(チュチェ)革命偉業の遂行に積極的に寄与」すること」。
 こんな危険な組織を抱える朝鮮総連に対して、政府は何か施策を繰り出してくれるのか。破防法を適用するどころか、この学習組復活にも何ら対応をしないような気がするな。


お株を奪う毒舌 (6/10)

 昨日の「産経抄」は、うちら時事ネタサイトのお株を奪うような強烈な文言が並ぶ。
6/9付産経新聞「産経抄」

 「記者稼業を長く続けていると、自分のことを棚に上げて他人をあげつらってばかりいるのはどうか…と反省することがある。しかしごくまれだが、美点を探そうにも反証ばかりが先に出てくる人物にでくわすことがある。河野洋平衆院議長はその一人だ。」という段落に始まり、「首相になれなかったコンプレックス」という強烈な飛び道具までお見舞いしている。俺でも書いてないぞ、拙者も修行が足りないってことですかね。そしてとどめは「最後っ屁」。スゲェな、産経新聞。


雨に負ける日の丸 (6/10)

 ちょっと古いニュースだが、かなり落胆した話なので紹介。
「汚れるから…」官邸の国旗、雨の日降ろします(産経)

 防衛庁では、国旗に撥水加工を施し、雨の日でも掲揚しているという。しかし、
官邸では現在、開庁日と祝日には日の出から日没まで、正面玄関前の国旗掲揚用のポールに国旗を掲げているが、雨が降ると降ろしている。内閣府も降雨どきには官邸と同様に国旗を降ろしており、総務省はそもそも祝日には国旗を掲揚していない。
 ということらしい。特に総務省、お前はどこの国の役所だ。
 個人が国旗を掲揚しようがしまいが、それこそ本人の勝手なのだが、国を背負って働いているという意識を持つべきお役所が国旗を軽く扱っているのを知ると、なんとも情けなく感じる。雨が降ろうが雪が降ろうが悠々とたなびく日の丸、国旗もそういう姿を見せて欲しいと思うし、政府もそのような姿勢でいて欲しいとつくづく思う。


おめでとう日本代表 (6/10)
 一日遅れだが、日本代表のW杯本戦出場決定はめでたい。めでたいが、今のままじゃ本戦で勝つなんて夢じゃないかなぁ。点が取れる雰囲気が試合を通じてほとんど無い、けれども確変でも起こったか、予想もできないところから点が転がり込む、という感じ。勝ってはいるのだけど、強さを感じるほどじゃないような。ジーコの運の強さはお腹いっぱいになるくらい理解したので、実のある強さを身につけてぜひW杯ではベスト8以上に行ってほしい。

 しかし、サッカーの話であっても、本当に北朝鮮が好きなこの新聞。
6/9付朝日社説「サッカーW杯 さあドイツへ」
 もともとは北朝鮮が自国で試合をする権利を持っていた。だが3月のイラン戦でファンが騒ぎ、国際サッカー連盟から「中立国・無観客」の処分を受けた。北朝鮮にも言い分はあったようだが、ともかく出てきて、いい試合をした。国際的なルールに従った姿勢は評価できる。

 相手選手にかかと落としを喰らわすのが国際ルールに従う姿勢なんですかい?
 「北朝鮮にも言い分はあったようだが、ともかく出てきて…」とは、何だかFIFAの裁定に従ったのが偉いことのような書き方。「もともとは自国で試合をする権利を持っていた」という文面からは、FIFAの裁定は不当だという論説委員の叫びが聞こえてくる…というのは穿った見方ですかいのう。


増元氏のメッセージ (6/9)

 増元氏のウェブサイトで、座り込みに関する文章が掲載されている。
「姉の夢をみた」(増元照明ウェブサイト)

 また、「電脳補完録」には、増元氏へのインタビューの音声ファイルがアップされている。

 私たちが懸念していた部分についても考えておられたということが分かるし、私たちが6/24からの3日間に何ができるかについての考えを窺うこともできる。必見の内容です、是非。

 しかし、「首相への面会を請うと「3回もあったのだから、会う必要はない」と拒否された。」という文面を見ると、怒りがこみ上げる。面会を請うということは、政府の動きに不満があるということだ。政府がそれなりに動いているのならそれを説明する必要があろうし、動いていないのならば様々な施策を素早く繰り出さねばならない。要するに、何もしていないだけでなく、何もする気がないということではないのか。

中国・媚中議員・反日メディアの三位一体攻撃 (6/9)
 紅の傭兵とはよく言ったもの、雇い主が早速反応だ。

中国各紙が高い関心 河野議長の参拝自粛要請
 【北京8日共同】8日付の中国各紙は、河野洋平衆院議長が小泉純一郎首相に靖国神社参拝を中止するよう申し入れた7日の会談を一斉に報じ、日本の動向への関心の高さを浮き彫りにした。
 人民日報傘下の環球時報は「小泉首相をさらに孤立させる靖国参拝」との見出しで、河野議長と首相の会談内容を紹介。日本の報道を引用する形で「参拝継続に意欲を示す小泉首相は四面楚歌(そか)の状態だ」と指摘した。
 新京報は「衆院議長が小泉参拝にノー」との見出しで、議長の姿勢について「立法府の長が政府首脳に外交問題で意見するのは極めて珍しい」と高く評価した。
 また同紙は、小泉首相が首相官邸で7日、参拝問題に関する記者団の質問に「あまり聞かない方がいい」と述べたことも報じた。


 中国さん、反応早すぎ゚∀゚)。もちょっと間を置かないと、連係プレーって丸分かりッスよ。

 昨日「河野議長の異例の発言」と援護射撃した朝日新聞(その記事)は、今日は社説で野田毅の言葉を引きつつ町村叩きを敢行(「町村外相発言 すれすれはどちらか」)。これも靖国絡みでの連係プレーの一環だろう。

 ちなみに野田毅の話だが、流れを簡単にまとめると…
 訪中した野田毅が「呉儀のドタキャンは外交当局間で調整したものでドタキャンではない」という内容を発言したと共同が配信、町村外相が「事前に知っているはずがない」「中国にごまをする人がいるから日中関係はおかしくなる」と反応(記事)、それに対し野田氏は「外相は冷静になれ」と応戦。さらには「呉儀の話はしていない」ということだそうな(記事)。じゃぁこの共同の記事は何なのかという話になるのだが。

 野田が「呉儀はドタキャンじゃないよ」と中国擁護したと思いきや「そんな話はしていない」と攪乱。それに乗じてか援護してか朝日は(まともな発言を繰り返す)町村外相のイメージ低下を狙って社説を書く、と。町村さんが「ドタキャンじゃなかった」という話に反論しないとは考えられず、野田の言葉はすべて確信犯と考えるほうが自然。いずれかの発言に本心があるとしたら、これだけ矛盾した言説を並べることは不可能だろう。矛盾した言葉を吐くこと自体が目的としか思えない。

 それはともかく、反靖国キャンペーンは日毎に強まるばかり。中国の言葉を増幅するのが媚中議員と朝日の役目。

 呉儀がドタキャンと同時に、中国では首相の靖国に関する発言が取り上げられ、いわば「反日暴動スイッチをオンに入れた」状態となっていたが、そこから先は魑魅魍魎がうごめきまくり。

●野田など媚中議員が訪中
●河野が歴代首相を集めて靖国参拝反対で一致
●朝日などが靖国参拝反対キャンペーン

そして、

●河野が首相に申し入れ→中国マスコミ反応・朝日も反応
●媚中議員野田の情報攪乱→朝日が便乗→町村のイメージ低下作戦

となっている。ついでに、「ちゃんと出勤しようね」という6/9朝日天声人語のように、石原都知事への攻撃も強まっているのだが、これも中国の反日キャンペーンの一環と見るべき…というのは穿った見方か。
 
 中国も、かなり本気で攻勢を仕掛けているとみえる。それだけ、国内の問題が大きくなってきているのだろう。沿岸部の地価も下がってきていると聞く。見せかけの経済発展すら怪しくなってきたのでは、残るは「反日」しか共産党独裁の大義名分は存在しないのだから、当然といえば当然。 

 媚中議員・日本の媚中マスコミ・中国マスコミが、連携して「日本は悪い」「日本は中国に従うべき」という内容で運動を行っている。たしかにバカどもの喧噪は腹立たしいのだが、別の見方をすれば、それだけ日本は中国に取り込まれていると見ることもできるわけで…。町村さんの一連の発言や安倍さんの河野批判発言(記事)に対し、本来は「当然のこと」と冷淡に受け止めるべきなのに、「よく言った」と賞賛しているその状態こそが実は異常だったりする。その異常な状態を打破するためにも、今は絶対に中国の言い分を聞き入れてはならない。

 なお、log氏の6/8付エントリーでは、アメリカの中国への対応が、町村さんなど日本側の強気な発言の背後にあるのだと分析されている。この辺りの視点は拙者にはあまり無かったので、私も少し注視してみたい。

6/10追記
 野田のウソに関して、中国は梯子をおろしてしまった(記事)。哀れ野田毅。
 中国としては、情報攪乱の役割は果たしたから、あとは火の粉がかからないようにしようってところだろうか。しかし、これで野田の思惑が全く分からなくなった。共同がウソ記事を出したとするしか整合性のある解釈はない。攪乱だけが目的では、野田にデメリットが大きすぎる。それだけ忠誠を誓っているというコトかな…。


河野の暴挙 (6/8)
 中国に向かう飛行機がトラブルで台湾に着陸したとき、飛行機から一歩も降りず、中国に着いたら「台湾の地は踏みませんでした」とおべっかを使った、媚中派代表の面目躍如。

河野衆院議長、小泉首相に靖国参拝自粛求める(朝日)
 河野洋平衆院議長は7日、国会内の自民党総裁室に小泉首相を訪ね、首相の靖国神社参拝について「こういう状況の中で、慎重の上にも慎重に考えるべきだ」と自粛を求めた。議長によると、首相は「よくわかった」と答えたという。また、同席した森前首相によると、首相は「胡錦涛(フー・チン・タオ)(中国国家)主席にも盧武鉉(ノ・ム・ヒョン)(韓国)大統領にも、自分の考えを何度も申し上げてきた。もちろん『わかった』ということではないが、理解を得られたと自分では思っている」と強調した。
 会談後、首相は「(議長は)私の考えもよくわかってますからね」としたうえで、今後の参拝については「適切に判断するとしか、いまは言わないほうがいいと思います。こういうこと、あんまり聞かない方がいいんじゃないですか」と、記者団に官邸で語った。
 この日の会談は、河野議長が1日に海部、宮沢、村山、橋本、森の歴代首相5人と靖国参拝問題などで意見交換した内容を首相に伝えるため、呼びかけた。
 河野議長は、85年に中曽根首相(当時)が靖国神社を公式参拝したが、中国などの反発で、翌年以降は取りやめたことを示し、「この20年間申し送りがあったわけではないが、中曽根さんの判断が歴代総理の判断になってきている。それをよく考えていただきたい」と首相に参拝中止を迫った。
 立法府の長が行政府の長の行動に注文をつけるのは異例。河野議長は会談後、記者団に「議長が院を代表して何かを述べるということではない。非公式に、先輩総理の意見はこうだということをお伝えした。素直におわかりいただいた。その通りするかどうかは別の話でしょうから」と語った。

 立法府の長が行政府の長に申し入れ。三権分立に抵触する越権行為ではないかと思うのだが、どうだろう。
 仮にその点に問題がないとしても、靖国参拝を見合わせることは国益に反する。

 靖国参拝のせいで、中国や韓国との関係が悪くなり、経済にも悪影響を与えているという論がある。さらには、中国や韓国との関係悪化のせいで、北朝鮮問題にも悪影響を及ぼしているという論もテレビで聞いた(誰が言っていたっけなぁ…)。拉致問題解決のために靖国参拝は見合わせろという暴論だ。

 靖国参拝で譲歩すれば、中韓との関係は良好となるか。そんな保証はどこにもない、むしろ関係は殆ど変わらないというのはここ20年ほどの歴史をひもとけば明らかなことだ。靖国に限らず、日本は譲歩し続けてきた。教科書問題でも、従軍慰安婦問題でも、ODAでも、領土問題でも、日本は涙ぐましいまでに中韓に配慮し、譲歩を重ね、争いが起こらないように努力をしてきた。
 その結果はどうか。日中戦争や南京虐殺の死者は途方もない水増しをされ、竹島は不法占拠あまつさえ日本漁業にも不利益を与えっぱなし、東シナ海のガス田はとっとと開発され、ODAに対しては何の感謝も無し、中国では反日教育が行われ反日暴動まで起きる始末、中韓のファンタジー歴史は世界中に発信され日本は悪者だという印象が植え付けられる。

 譲歩し続けているときは、それにつけ上がってさらに不当な要求を繰り返す。
 現在の靖国のように少しこちらの意見を主張すれば、「言うこと聞くアル!」「言うこと聞けニダ!」と脊髄反射。

 靖国で折れてしまっては、また譲歩のデフレスパイラルに逆戻り、中韓の好き放題にされ続けることになってしまう。ここで一度、すべての譲歩の歴史を断ち切り、日本が自身の利益と信条を考えて行動する必要がある。
 靖国に限っても、A級戦犯を分祀すれば、次はB級・C級にも文句を言ってくるだろうし、靖国神社自体を解体しろと言ってくる可能性もある。

 靖国にA級戦犯が祀られていることを問題視したり、神道に限らない多宗教の国立慰霊施設を作る考えなど、それらの意見が出ること自体は、私は問題無しと考えている。慰霊に対する考えは人それぞれであるし、神道以外の宗教を信仰している人もいるし、先の戦争に対する考えも人それぞれであるべきだからだ。しかし、そのような変化は、日本人が自ら考え決定すべきものでなくてはならない。つまり、中韓が靖国についていちゃもんを付けてきている間は、今の靖国を守り首相の参拝を支持するべきだ。靖国神社に対する考えがどのようなものであれ、中韓の意志に迎合するような形での解決は決して望むべきではない、中韓ではなく日本のことを真摯に考えているのならば。

 てことで、河野は売国奴扱いしてもOKというこっちゃ。

分祀 (6/8)
 日曜日の「報道2001」だったか。分祀しても、ろうそくの火と同じで、元の場所にも魂は居続けることになるとか。となると、逆に中国の言うとおりに分祀しまくって日本中の神社に英霊をお祀りし、、「お前らの言うとおりに分祀したらA級戦犯の魂が増殖しましたよ」と喧嘩を売ることも可能なのか。
 いや、英霊を軽々しく扱うことになるから、本気でそんなことされても困るのだが。

語彙力低下 (6/7)
<日本語の語彙力>私大生の19%「中学生並み」(毎日)
 大学生の語彙(ごい)力が低下していることが、大学、短大の中堅校を対象にした調査で分かった。独立行政法人メディア教育開発センター(千葉市)が実施し、私立大1年生の19%、短大1年生の35%が「中学生レベル」と判定された。補習や授業で「日本語技法」「日本語コミュニケーション演習」などを開講する大学が増えているが、調査はこうした大学側の不安を裏付けた。
 同センターの小野博教授らは02年、中・高校生約20万人に予備調査を実施。この結果に基づいて、日本語力を「中1」から「高3以上」までの6レベルに分けた。
 一方、「読む・書く・話す」といういわゆる「日本語力」は、語彙の豊富さから類推できるため、今回の調査用に75の言葉の意味を選択肢から選ぶマークシート方式の「日本語力判定テスト」を作成。19大学、6短大と国立高等専門学校の計26校の昨春の新入生7052人に、このテストを受けてもらい、予備調査結果と照らし合わせてレベルを判定した。
 その結果、「鶴の一声」「露骨に」などの意味が分からない「中3レベル」以下の学生の割合は、国立大(3校)で6%、私立大(16校)で19%に上った。短大では35%と、3人に1人が中学生レベルだった。国立高専は4%にとどまった。
 大学の授業を理解するには、高校レベルの日本語力が必要とされる。98〜00年に実施した同様の調査では、中学生レベルの割合は国立0.3%、私立6.8%、短大18.7%。語彙力の低下ぶりが目立つ。
 小野教授は「ゆとり教育、活字離れに加えて、学科試験を課さないAO入試や推薦入学など大学入試が多様化したため、私立大では多様な学生が混在する状況だ。短大も日本語の補習なしでは授業が成り立たなくなる心配がある」と指摘する。【元村有希子】


 最近の高校生は本当に熟語や漢字の語義を知らない。センター漢文の問題も、字義を知っていれば一発で解ける問題すら、間違える。最近ショックだったのは、高3生のくせに「大器晩成」という四字熟語や「捕らぬ狸の皮算用」という諺を知らない生徒が複数いたことだ。もはや日本語が通じない感じだ。
 例えば「いささか」のような、私たちの世代以上なら当たり前の言葉も、高校生は知らない、ゆえにそれが「古文単語」として覚えねばならない語となってしまう。

 高校生がそのレベルだから、大学生の日本語レベルもたかが知れる。「総合学習」に力を入れるのもそりゃ意味はあるかも知れないが、基本的な読み書き能力が不足しているのに「総合学習」をやったって、基礎工事をしていないのにビルを建てるようなものでほとんど意味がない。

 まぁ、とりあえず「どこの大学で調査したか」というのも知っておきたいところ。


「北朝鮮外交の真実」を読んで (6/7)
 日曜日にやっと、原田武夫の「北朝鮮外交の真実」を入手。2005年度までアジア大洋州局北東アジア課課長補佐だった氏が、北朝鮮外交についてどんな真実を示してくれるのか、期待していたのだが…。
 「暴露本になっていて、日本外交のいらぬ部分まで晒していたら困るな」という懸念は、全くの無駄だった。そもそも、北朝鮮外交と直接関係のある事柄は少ない。本のタイトルに偽りあり、「日本の外交の真実」とすべきだったろうに。

 内容も、具体的提言はほとんど無し。情報工作を扱う部局が必要とか、国益に経済的概念を入れて外交せよとか、目新しい話はほとんどない。そのくせ、自分だけが気付いていましたみたいな書き方、話もあちこちに飛んでまとまりが無い。読むのに酷く疲れる。「娘通信♪」さんの方が、同じテーマでもっと分かりやすく面白く書けると思う。
 期待していただけに、逆に落胆も大きかった。一緒に買った石破茂「国防」は読みやすかったから、なおさらがっかり。

細田発言 (6/7)
拉致座り込み:「政府も対応、ご理解を」細田官房長官(毎日)
 北朝鮮による拉致被害者の家族会などが北朝鮮への経済制裁を求めて24日から首相官邸近くで座り込みをすることについて、細田博之官房長官は6日午前の記者会見で「伺っていないが、政府もいろんな角度から対応しているのでご理解をいただきたい」と話した。拉致問題に関する北朝鮮側との動きについては「ございません」と述べた。

 「ご理解いただきたい」と言われても、何の説明もなく、目に見える進展もない、そんな状態で何を理解すればいいのか。あまつさえ、北朝鮮との動きについては「ございません」と来た。座り込みに至ってしまった経緯に対する思いなど、微塵も感じられない。
 どのような努力を行い、どんな情報が入り、どんな反応があったのか無かったのか、何の説明もなく理解されるための努力を行ってこなかったから、今回のような事態になったのだ。

町村発言 (6/7)
日中関係、対話で打開=教科書批判当たらぬ−町村外相(時事)
 町村信孝外相は6日午後、都内のホテルで開かれた内外情勢調査会(会長・榊原潤時事通信社社長)の月例懇談会で講演し、小泉純一郎首相の靖国神社参拝などで悪化した日中関係について、「良いことも悪いことも語り合えるようにならなければ本当の友好関係にはならない」と述べ、対話による関係改善を目指す必要性を改めて強調した。
 外相は、靖国問題については「小泉首相が最終的に、いろいろな要素を全部加味して適切に判断すると言っているので、その判断に期待している」と指摘。一方で「
中国に行って、中国の要人に無用にごまをする人がいるから日中関係はおかしくなる。伝統的な日中友好派という人たちの行動が理解できない」と語り、中国の靖国参拝中止要請に同調する日本国内の動きに不快感を示した。
 また外相は、日本の教科書検定に対する中韓両国の批判に触れ、「軍国主義や植民地支配を賛美する教科書はもとよりない。どちらかと言うと左がかった人が教科書を書いている。そうでなければ日本教職員組合が採択にもっていかない」と述べ、批判は当たらないとの認識を改めて示した。
 一方、外相は国連安保理常任理事国入りに決意を表明しながらも、「容易な戦いではない。選挙運動を始めてしまった手前、いまさら途中でやめるわけにもいかない」として、常任理事国を拡大する枠組み決議案採択への票固めが難航していることを明らかにした。


 赤字部分に、拍手喝采。毅然とした態度を採ろうとも、中国詣でで媚びる連中がいる限り、中国は「日本に対しいちゃもんを付けること」が利益になると考え続ける。中国のいちゃもんは、一度全て断ち切らないとその連鎖は収まらない。町村発言が媚中派への牽制となってくれればいいのだが。
 常任理事国入りについては、疑問。拒否権無し、敵国条項の削除も実行されず、そんな状態で常任理事国になって何の利益があるのか、詳しい説明を政府にはお願いしたい。国民が判断する材料を提供して欲しいもんだわさ。

納得不可でも理解は可能でしょ (6/7)
 行動しているヤツは無条件で偉いとか、信念が正しければどんな行動をしてもOK、方法論とか戦術は二の次三の次…って考えは危ういと言っているだけなのだが、どうしても座り込みに消極的な意見の持ち主を「反救う会」とか「拉致問題解決の障害」に持っていこうとしている論調があるようで。頭が悪い人が喚いているだけかと思っていたが、意見の相違とかいうレベルではなく、もしかしたら慎重論を排除しようという明確な意図が裏にあるんじゃないかとも思えてきた。特攻精神溢れる方々の意見を見ていると、北朝鮮の情報工作が本格的に行われたら、ひとたまりもないような気もする。家族会を支持しないなんて意見は、どこにも書かれていないと(少なくとも私は)思うんですが。

 とりあえず、ここの「ネットの世界では首相官邸前の座り込みに賛同する論者をバッシングする論陣が存在する。」「座り込みに賛同する論者に向かって「これでもかっ!」とあらん限りの罵倒を繰り広げる様は、異様としか言いようがない」のように、意見をバッシングとか罵倒としか捉えられない人が、「知性の欠如」云々を語るなど論外。


座り込みに関する個人的意見 (6/6)

<拉致被害者>家族会など、24〜26日官邸近くで座り込み(毎日)
 北朝鮮による拉致被害者の家族会と支援団体・救う会は5日、東京都内で合同会議を開き、このまま政府が北朝鮮に対して経済制裁を発動しなければ、今月24〜26日に首相官邸近くで座り込みをすることを決めた。家族会代表の横田滋さん(72)は記者会見で「座り込みは望むところではないが、このままでは拉致問題がうやむやになってしまうおそれがある。家族の意思を示すために決定した」と述べた。
 両会の座り込みは、00年10月に北朝鮮へのコメ支援に反対して自民党本部や外務省前で行って以来3回目。24日は、昨年12月に政府が横田めぐみさん(77年の失跡時13歳)の「ニセ遺骨」鑑定などを元に北朝鮮の対応を厳しく非難してからちょうど半年にあたる。
 座り込むのは、全国から集まった家族や各地の救う会幹部ら60人程度になる見通し。【西脇真一】


 私は座り込みに参加することは不可能だが、子供たちに今何が起きているか、家族が座り込みをせねばならない日本の状況について話をすることはできる。自分のできる限りの応援はさせていただく。

 電脳補完録のアンケートが終わったので、自分の意見を述べる。既にぴろんさんのblog(「話の花束」)を紹介しつつそれに全面同意と述べているが、アンケートに答えたとき(当欄にアンケートの存在を紹介した日)の自分の心情を書いてみる。

 まず、座り込みを行う家族会への賛否と、座り込み自体の賛否と、私の中では明確ではなくぼんやりとではあるが、「別物」という感覚があった。被害者ご家族がやむにやまれぬ気持ちで座り込みを決断する、そのお気持ちに対して否定しようと言う気持ちは全くなかった。多くのblogで言われているように、決断されたのならそれを支持し応援する、という気持ちは私にもあるということだ。
 しかし、座り込み自体について、それにも賛成であるかと言われると唸ってしまった。

 高齢の方も多い、家族会の人たちに座り込みをさせてしまうような日本政府、そして私たち日本国民のあり方を考えると、すすんで賛成するような心情にはならない。つまり、座り込みをさせてしまうような状況に対して「反対」する気持ちが一つ。

 座り込みを運動の中にどう位置づけるのか、座り込みの目的は何なのか。小泉首相に決断をさせるため、議員たちに動いてもらうため、世論喚起のため、どれなのか。座り込みで小泉首相が動くとは思えず、また世論喚起のために実行するとしても、それ以外の方策はなかったのだろうか。つまり、座り込みの実効性に対する疑問が二つ目。

 世論喚起では最も効果的な手段と言える座り込みを、今この時期に行うことに意義はあるのか、もっと行うのに適当な時期があるのではないか。座り込みの時期に関する疑問が三つ目。

 経済制裁よりも前に、スパイ防止法を作る、法的にも実質的にも自衛隊が国軍として動ける状況を作る、経済制裁と奪還を戦術的に結びつける、などやっておくべきことはたくさんあるのではないか、という経済制裁即時断行に対する疑問が四つ目。経済制裁自体が目的化しているような論調が最近目立つので、余計に気になる。(経済制裁以外について政府が何か行動しているかと問われれば、何もしてはおらず、経済制裁の即時断行に反対しているからといって政府を支持するわけではない、念のため)

 これらの考えから、私は「保留」か「反対」か迷ったが、最終的に「反対」に票を投じた。繰り返すが、家族会の心情について反対をしているのではないし、決定したことに反対し「座り込みを辞めよ」という気は毛頭ない。ただ、人の人生・命がかかっている問題、テポドン怖いと現状維持を望むのは言うまでもなく愚かなことだが、行動を裏打ちする計算もまた必要ではないかと。家族会の方にそれを求めるのは酷なことと分かっている、ゆえに冷静に判断できる立場の救う会に、それを求めたい。これは批判ではなく、意見だ。

 今回の件に限らず、理屈より行為を優先させることがあっては、より活動が先鋭的になり、拉致問題が国民運動に広がる可能性を阻害することになるのではないか、という危惧もある。正しい考えであっても、理解されるような努力は必要ではないのか。(小泉退陣論者の全てがそうだとは言わないが)理屈と計算無しに経済制裁や小泉退陣を訴えて、多くの人が納得・理解できるのだろうか。戦は勝たねばならない、勝つためには理屈も必要だ。

逮捕はいいけど (6/6)
 犯人が捕まって良かったとは思うが…。

警官襲い拳銃強奪容疑、手配のブラジル人ら逮捕 岐阜(朝日)
 岐阜県多治見市の拳銃強奪事件で、岐阜県警は5日未明、指名手配していた愛知県瀬戸市、職業不詳エグチ・マウロ・デ・ソウザ(22)、同県豊田市、同エグチ・ジョルジ・エドガル・デ・ソウザ(26)両容疑者を強盗致傷容疑で逮捕した。静岡県浜松市と浜北市で岐阜県警と静岡県警の捜査員が両容疑者の身柄を確保したという。また、岐阜県警はジョルジ容疑者の逮捕時、JR浜松駅で一緒に乗用車に乗っていたブラジル国籍の男(29)も犯人蔵匿の疑いで逮捕した。

 警察の情報公開の姿勢や、防災無線の内容については、結局大した議論にもならずに終わってしまいそうだ。
 午後7時に事件発生、にもかかわらず防災無線で市民に事件について説明がされたのは午後9時頃。しかもその内容は、「拳銃を持った犯人が逃走しています。注意して下さい」というもの。犯人の特徴も逃走手段も説明しないで何に注意すればいいんじゃ!と突っ込んだ多治見市民は数知れず。事件を恥と思った警察が細かい情報を隠しているように感じられた。

こういう人もいる (6/6)
<オーストラリア>中国領事が亡命申請 本国の抑圧に反発(毎日)

 やっぱり中国内部ではいろいろと崩壊の前兆が見られるのかな。内陸部の農民反乱は大規模になってきているという話も聞くし。外骨格国家、中国。
 今回は中国の完全内部ではなく、内部の人間が外国で…という話だが、こういう話が本国でたくさん聞けるようになると、崩壊が現実的に見えてくるのだがなぁ。

MD (6/6)
<ミサイル防衛>日米の共同研究、06年度から開発段階に(毎日)

 湾岸戦争のパトリオットをイメージして、「MDなんて無意味」という意見もあるらしいが、石破茂前防衛庁長官の「国防」によると、現状で6〜7割の成功率とのこと。決して高くないが、技術を上げていけば成功率は上がっていくわけで、無意味と否定するようなものでは決してない。


敵ながら天晴れ (6/5)
 我が日本の周りにはアレな国がたくさんだが、こんな国がお隣だったら、さぞ気楽なことだろう。

バーレーンの新聞各紙大きく扱う 歓迎ムード失わず
 熱戦から一夜明け、バーレーンの新聞各紙は3日の一戦を大きく扱っていますが、目立つのは、日本代表が素晴らしいチームだったという論調です。
 「ベストのチーム、日本が我々を打ち破った!」、「日本が我々を飲み込んだ!」という見出しが躍り、「試合は完敗だった」というトーンでした。また、バーレーンサポーターをたたえる内容も目立ちました。「人々よありがとう! 」という見出しが複数の新聞に載り、日本選手、日本人応援団に対して、最後まで歓迎ムードを失わなかったマナーは賞賛に値するとしています。
 しかし、一方で、バーレーンのワールドカップ出場の希望はほぼなくなってしまったというあきらめムードが濃くなっているのも事実です。


 敵の見事さも褒め上げる、それが武士道。イスラム圏やヨーロッパや南米には、戦士の採るべき行動の心得というのがある、文官至上主義のアレな国々にはそういうものが無い。
 こういう国との付き合いを大事にしたいものだ。アレな国の船など沈めてしまえ。

サバ読み (6/5)
 悪魔さんが復活するんだと。

6年ぶり甦る聖飢魔II…悪魔の日ニッポン放送で発表
 1999年12月31日に解散したロックバンド、聖飢魔IIが今秋、再結成することが1日、分かった。ボーカル、デーモン小暮閣下(42)が「地球デビュー20周年を記念し、期間限定で再集結する運びとなった! ファハハハ」と宣言。黒ミサと呼ばれる全国ツアーも展開する。奇抜なメークと衣装で人気を博し、ヘヴィメタルバンドとして初めて紅白歌合戦にも出場した伝説のバンドが、地獄の底からよみがえる。

 とりあえず年齢が違う。正しくはデーモン小暮閣下(100042)だ。

ウソ歴史を勉強しろだとさ (6/5)
 朝日新聞東京版にこんな投稿が載ったらしい。「mumurブログ」より。「子供が中国嫌いになった」という内容の投稿に対する反論らしい。

6月3日東京版 「声」
「現代史教えぬ教育こそ原因」 大学教員  佐藤 友則(長野県松本市 40歳)
 「中国の『終戦』、いつ来るのか」(5月29日)を読み、本当の負の連鎖が始まっていると感じた。まず親の側に、戦中日本の行動、戦後日本のアジア諸国への接し方に関する知識が欠けており、子供にそれを伝えられないでいるのだ。
 私も十分な現代史教育を受けてきたわけではない。だが、留学生など多くのアジアの人に接し、韓国で教鞭を執った経験から痛感するのは、日本が残した傷がどれだけ深いかを、傷付けた当の日本人が最も知らないということだ。
 それだけではない。戦後、日本は欧米にあこがれの目を向け、アジア諸国には無関心と軽蔑のまなざしを向けた。国土を蹂躙され、その後無視された人々がどう考えるようになったか、想像に難くない。
 戦後60年の歳月は、反感と憎悪を増長させた。日本が「戦争放棄」「世界平和への尽力」と言っても、アジア諸国を納得させるだけの行動をどれだけなしたのか。
 子供が中国嫌いになったのなら、まず親が子供に歴史を教え、他国の反感の背景を伝えなくてはいけないのに、親はそれを教えられない。原因は戦後の歴史教育にある。現代人として世界の国と関わるのに、現代史を教わらずにどうやって接すればいいのだろう。


 要約すると、「中国が嫌いという子供に、何故日本は悪い国だと教えないのか。日本が悪い、中国は正しいと教えれば、子供は中国を嫌いにならない。親のあなたが反省汁!」ということか。細かく見れば、「戦後中国を無視した日本も悪い、日本はもっと中国を崇めるべし!」という主張も見える。
 ちなみに私は、現代史を勉強するたびに中共が嫌いになっていくのですが。

 たしかに、戦争をしたのは事実だから、政治レベルではともかく国民レベルでは確かに傷ついたと認めよう。しかし中共は、その傷を誇張し有りもしない責任まで求めるようになっている。交通事故に遭って、実際にはむち打ちくらいなのに、病院に行くたびに「腕の骨が折れていた、足の骨が折れていた、首がモゲていた」と怪我の程度が上がっていき、金をむしり取ろうとするようなもの。そんなモン勉強してどうするよ。

 朝日新聞の撒き餌の策の本領発揮である。


韓国暴走中 (6/4)
 穏便にコトを済まそうとしても、向こうはそういう計らいを理解できない民族なのだから、とことん強気に出るべきだったのだ。

逃走漁船、日本側を提訴へ=韓国通信社(時事)
 【ソウル3日時事】韓国の通信社・聯合ニュースは3日、長崎県・対馬沖で日本側の立ち入り検査を無視し、海上保安官を乗せて一時逃走した韓国漁船「502シンプン」の船長らが、海上保安官に殴られるなどしたとして、海上保安庁を相手取り損害賠償請求訴訟を起こす意向だと報じた。

 自分たちが悪いことをしても、被害者面をしておのれの主張ばかり喚き散らすのが、ウリナラクオリティ。李承晩ラインで、不当に日本漁船を拿捕し、銃撃で射殺した、そんな過去などお構いなし。「自分は正しい、日本は悪い」が彼らの思考回路の根底にある核なのだろう。歴史問題、教科書問題、竹島問題、すべて芯にあるものは同じだ。

 念のため、韓国の不法漁民への暴行は、海保は否定している。

 おのれの不法行為には目を瞑り自分は正しいと思いこんでいるから、こんなことも平気でできる。

【韓日の海上対峙】蔚山海警30人を表彰へ(朝鮮日報)
 今月1日から蔚山(ウルサン)の沖合いで2日間にわたって展開された韓日警備艇の対峙事態と関連し、蔚山海警所属の警察官20人と機動隊 10人の計30人が、海洋警察庁長の表彰を受ける。
 蔚山海警は3日、「事態の初期、蔚山海警警備艇の速やかな対応により、韓国漁民と船を守ることができた。また、韓日間の長期間にわたる海上対置の状況の中、国の自尊心を守った功労を認め海洋警察庁長が表彰者選定を指示した」と明らかにした。
 海洋警察で、1か所から30人がいっぺんに表彰を受けることは異例のことだ。
 李承栽(イ・スンジェ)海洋警察庁長は今月8日、蔚山海警を訪れ職員らを激励し、直接表彰状を渡す予定だ。


 やはり、韓国漁船の不法操業は不問に付されるようで。日本の暴力保安官から善良なる漁民を守りました、という構図があちらではできあがっている。

 「子供が喚いているだけだから放っておけ」とか「この件で政府を非難するのはバカ、悪いのは韓国だろ」とかいう筋違いな意見もそろそろ出てくるのだろうが、こういう事例を一つ一つ潰してこなかったことが、韓国の自儘な態度をより肥大させていると考えるべきで、日本のこれまでの「穏便に済まそう」という態度が日本の漁業関係者などの権利を損ねてきたのだ。
 韓国が悪いのは当然の前提であるが、日本政府の宥和的態度が変化しなければ、同じような事態は今後も続く。不法漁業の問題だけでなく歴史問題や領土問題にも絡む話であるし、対韓国だけの問題ではなく対中国・対北朝鮮にも通じる問題でもある。日本外交の病理を最も端的に示す一症例であり、今回の事件で韓国を叩くのみで終わるのは愚考としか言い様がない。

 テロに屈したらダメという認識はもう常識になっているだろうが、犯罪者に屈する、譲歩するという行動を日本政府自らが採っているのだから話にならない。犯罪者に譲歩したらどうなるか、犯罪者がつけ上がるのみ。おそらく、韓国は嬉々として違法操業を続け、日本の漁師は不利益を被り続ける。自国民の権利を損ねてまで相手国に譲歩するのが、日本外交の基本方針…って書けば書くほど情けなくなるな。


やっぱり有耶無耶に (6/3)
 結局はなぁなぁの解決に終わってしまいそうだ。

韓国漁船逃走:政府間決着の見通し 日韓、洋上でにらみ合い
 対馬海峡の日本の排他的経済水域(EEZ)内で立ち入り検査を拒否し一時、海上保安官を乗せたまま逃走した韓国のアナゴ漁船「シンプン」(乗員10人)を巡り、第7管区海上保安本部の巡視艇と韓国海洋警察庁の警備艦は2日正午現在、シンプンを挟んでにらみ合う状態を続けている。船長と船の引き渡しについて日韓双方が漁船の捜査権を主張したが、政府間で交渉を行い、日本側の巡視艇が撤収することなどで同日午後にも決着する見通しになった。
 7管本部によると、巡視艇「あきぐも」と韓国の警備艦がにらみ合いを続けているのは、同日午前10時現在、長崎県対馬市・三ツ島灯台北東約80キロの洋上。海流の影響で、1日午前1時50分過ぎにシンプンが警備艦に横付けして停船、保安官が最初に追跡した巡視艇に戻った位置より16キロ北東に流されている。別の保安官が1日未明から韓国の警備艦に乗り込んで交渉に当たっているという。
 海保は「シンプンの漁業法違反(立ち入り検査忌避)容疑は日本のEEZ内で、日本側に捜査権がある」と船長の身柄と漁船の引き渡しを要求している。【中園敦二】
 【ソウル堀信一郎】韓国の聯合ニュースによると、日本側との交渉を担当している蔚山(ウルサン)海洋警察幹部は「韓国漁船が日本のEEZ内で不法操業した証拠がない」と主張。船長の引き渡しには応じない方針を示している。(冒頭抜粋)

 ちなみに、朝日新聞朝刊では「違法漁船については同様の措置を執ることが多い」と、今回の事件が特別ではないという見方を示している。しかし、相手が日本の主権を侵害しまくっても屁とも思わぬ韓国であること、領海侵犯という主権侵害を冒していること、保安官を乗せたまま逃走を企てたこと、を無視している。

 細田官房長官は2日午前の記者会見で、「海上保安庁と(韓国の)海洋警察庁はこれまでも協力しながら海洋の安全などを守ってきた間柄なので、円満に解決することを期待している」「個別事案についてどう対応するかを実務的に話し合えばいい」と述べている。要するに、問題点を毅然と指摘し主張することはせず、有耶無耶決着でコトを済ませようとしているのだ。

 韓国側も、「日本が妥協した」という点を強くアピールしている。
韓日の「海上対峙」が39時間ぶり解決(朝鮮日報)
 韓日警備艇が蔚山(ウルサン)の沖合いで韓国の小型漁船「シンプン」号を間に挟んで展開した海上対峙という異常事態が、両国政府の交渉により、2日午後5時に解決された。
 韓国海警の警備艇6隻と日本巡視艇7隻の計13隻が蔚山・カンジョル岬の南東22マイルの海上でにらみ合いを始めてから39時間ぶりだ。
 日本側が撤収する代わりに、韓国側は日本側の排他的経済水域(EEZ)を侵犯した事実と、立ち入り検査を忌避し、日本巡視艇の職員を乗せたまま、逃走した事実を認めた。
 シンプン号はこれによる責任として、事実を認める書類と日本法令違反担保金50万円(約480万ウォン)支給の保証書を作成し、日本側に伝達した。
 韓国海警は「50万円の違反担保金は不法操業とは関係なく、立ち入り検査のための停船命令に応じず、逃走したことに対して科された」とし、「その部分に対しては日本の管轄権を認めた」とした。
 海警は船員9人全員をシンプン号に乗せ、蔚山港から帰ってきて、不法操業の有無について調査する予定だ。取調べと裁判、処罰はすべて韓国の裁判所と政府が行う。
 政府当局者は「2日未明まで、日本海上保安庁が合意に強く反対していたが、この日午前、日本政府の上部が妥結を促したと聞いている」と述べた。


 EEZを侵犯した事実を認めたとあるが、それについての調査は韓国側が行うことになってしまい、まともな調査になるとは到底思えぬ。また「違反担保金は不法操業とは関係なく…」とあることから、決してEEZ侵犯について韓国は日本側の見解を認めたとは言い難い。むしろ、「日本海上保安庁が合意に強く反対」という文言は、海保が嘘を付いている、EEZ侵犯は行っていないという今後の主張への布石のようにも思えてくる。
 海保が強硬な態度をとっているかのような言い方は、次の記事にも通じてくる。

韓国漁船逃走:日韓、くすぶる火種 「竹島」感情引きずる(毎日)
 ◇「日本側が暴行」−−韓国メディア
 【ソウル堀信一郎】韓国メディアは「日本側が韓国の漁船員に暴行した」と日本の対応を非難、「日韓の新たな火種になる可能性がある」と報道しており、引き渡しに反対する国内世論が強まった。
 韓国メディアが問題視しているのが「日本側による暴行」だ。韓国側報道によると、日本の巡視艇の海上保安官2人が漁船に乗り込んで来たため、漁船の乗組員が操舵(そうだ)室のドアを閉めて抵抗した。その際、日本の海上保安官がこん棒とヘルメットで操舵室の窓を割って侵入したという。「日本の海上保安官がこん棒を振り回して5〜10分間、めちゃくちゃに殴られた」との甲板長の証言も報道した。
 韓国のニュース専門テレビYTNは「日本側メディアは韓国人のけがについては触れずに報道している」と批判した。

 ◇「けがさせた認識はない」
 韓国メディアが「日本側の暴行」を報道したことについて、第7管区海上保安本部は「韓国漁船に乗り移った海上保安官が漁船乗組員から羽交い締めにされたり、体当たりされた際に振り払おうとしたかもしれないが、けがを負わせた認識はない」としている。(一部抜粋)

 保安官2人は暴力的だ、好戦的だ、というイメージを植え付け、あくまで韓国漁船の乗組員は被害者だという構図を作ろうとしている姿勢が見える。

 こうした韓国の報道の仕方を見ておいたうえで、細田官房長官の言説を見ると、ただでさえ主権を主張しない弱腰発言が、より一層凶悪なものと認識できる。暴力的な海保に韓国漁師は不当な扱いを受けた、だから日本政府は妥結を図った、という見方を裏付けるような発言になりかねないからだ。主張すべきところで主張しないのは、何か非があるからだと見られても仕方ないのではないか。一つ一つの事実(保安官の暴行)に関して否定的発言をしても、全体像としてはやはり日本が譲歩した妥協したと見える。そうせねばならない理由は何なのか、国際社会は理解できるだろうか。

 何より、命がけで海上警備を行っている海上保安庁に失礼な話だ。現場は法に則り日本のために警備を行っているというのに、政府は法的措置をすっ飛ばして外向的解決を図ろうとする。そこに原則など存在せず、現場は大いに混乱するのではないか。海保の方々の任務への誇りを奪いかねない発言だと私は感じる。
 そして、何より漁業関係者もショックだろう。自分たちの権利が侵害されても、政府は有耶無耶での決着を図り、国民の権利を守ろうとはしてくれない…そのように見えるのではないか。

 EEZで魚を獲っても、ゴネまくれば50万円で解決してしまう、という悪しき前例が作られた。拙者が韓国なら、今後も喜んで違法漁業をやらせていただくし、拙者が中国なら、喜んで違法漁船や潜水艦を多数派遣させていただき、ガス田開発もガンガン進める。小さな妥協の積み重ねが、大きな損失となってのしかかる。その場しのぎで摩擦を解消しようとしても、韓国や今回の件を見ている中国や北朝鮮は、いっそうの摩擦を日本にもたらしてくるだろう。その都度、宥和的解決を図るのだろうか。一度に解決を目指しても、積み重ねられた妥協をひっくり返すのは困難が伴う、それは靖国問題を見ても明白だ。
 
 ヤクザのチンピラが空き巣をやっていて、それを捕まえようとしていたのに、ヤクザの事務所に引き渡して「そちらで調査して下さい」……国家レベルでこんなことをやったらいかんだろ…。

 …と、ここまで書いてさらにネットを歩いていたら、こんな記事を発見した。
韓国漁船:合意文には暴行謝罪と賠償要求も 韓国側発表(毎日)
 【ソウル堀山明子】日韓が韓国漁船の捜査権をめぐり対立した事件で、韓国の海洋警察庁は2日、漁船は日本の排他的経済水域(EEZ)を侵犯したが、冷凍器の故障で操業できる状況になかったとの調査結果を発表した。また、日韓の海上保安当局が交わした合意文には、韓国漁船側がEEZの侵犯を認め担保金を払う一方、日本の海上保安官の漁船乗組員に対する暴行の謝罪と、漁船の損害賠償2000万ウオン(約213万円)の要求が盛り込まれたことを明らかにした。
 韓国国内では、漁船員が保安官から暴行を受けたとの主張により、違法操業かどうかの判断以上に、「漁船を守れ」という国民感情が盛り上がっていた。賠償請求は、1日夕、潘基文(バンギムン)外交通商相が逢沢一郎副外相に妥結案を示した時には含まれていなかったが、その後、加えられた

 早くも調子に乗り始めてます、韓国。ナメられたもんだな、日本。

つらい (6/3)
 ある人・団体を支持し応援することと、その行いについて意見を言い批判することは、矛盾しないんですがね。親友ならば意見せず盲目的に追従するのか?行為の前に理性的判断をすることと、その行為に対して熱意を持っていることも、矛盾しない。
 見ていてつらいんですよ。


韓国の誘拐船、歴代売国首相、拉致認定 (6/2)
 まずは、各所で話題の、この話から。
 
韓国船が海上保安官乗せ逃走 違法操業? 対馬沖で2時間(産経)
 長崎県・対馬沖の日本海で五月三十一日から六月一日にかけて、日本の排他的経済水域(EEZ)内での違法操業の疑いがある韓国漁船が、立ち入り検査をしようとした日本の海上保安官二人を乗せたまま二時間にわたって逃走。現場海域では、捜査権をめぐり日韓の海上保安当局のにらみ合いが続いた。
 第七管区海上保安本部(北九州)によると、三十一日午後十一時半ごろ、対馬の北東約五十キロで、対馬海上保安部の巡視艇「たつぐも」が、アナゴ漁をする韓国漁船「シンプン」を発見。約十分後に停船させ保安官二人が立ち入り検査のために乗り込んだが、漁船は保安官を乗せたまま逃走した。
 約二時間後、漁船は韓国のEEZ内の公海上で韓国海洋警察庁の警備艦に自ら接触して止まり、保安官二人は巡視艇に戻った。
 海保によると、漁船に乗り込む際に保安官一人が海に転落、巡視艇に救助された。二人は漁船の乗組員に羽交い締めにされたり体当たりされたりしたという。
 国際法上の捜査権は日本側にあるとして、海保は漁業法違反(立ち入り検査忌避)での船長の現行犯逮捕と船体引き渡しを要求したが、韓国側は船長の身柄引き渡しを拒否。
 現場海域では、漁船をはさんで両国の船が停泊した状態が二日未明現在も続いている。
 韓国の潘基文外交通商相は一日、訪韓中の逢沢一郎外務副大臣との会談で、韓国側が事実関係を調査するとし、日本側に現場から離れるよう要請。違法行為があった場合は必要な措置を講じるとした。 (6月2日2時51分)


 共同操業水域でも、韓国は日本漁船を締め出し不当に水産資源を強奪している。それに対しては厳しい措置が必要であり、ましてや排他的経済水域における違法操業はなおさら厳しい姿勢で臨まねばならない。へたな妥協で最も困るのは、日本の漁業関係者だ。
 さらには、保安官二人を誘拐暴行、一人は海へ転落。ここでなぁなぁに済ませてしまっては、韓国に対して「多少酷いことをやっても大丈夫」という認識を持たせることになってしまう。

 しかし、なめられたモンだな、日本は。他国での犯罪はその国が取り調べるもの、しかし韓国は治外法権を要求している。ただアホ漁船が勝手なことをやって日本の海保に迷惑をかけました、ってな問題ではない。国家主権に関わる重要な問題と捉えるべきだ。
 事件レベルの話はこれまでもたくさん起きてきた。韓国の特攻船の話に限っても、今回が決して初めてではない。その小さな事件一つ一つを、その都度有耶無耶にしてきたツケが、今一気に噴出している。国が国の主権を守ることを意識しないまま来た結果が、中韓のいちゃもん外交であり、歴史問題であり、ガス田問題であり、拉致問題だ。

 今回のこの事件、「韓国がまた馬鹿なことをやって」というレベルの話で終わらせるべきものではない。これもまた、戦後日本のマイナス面を如実に表している事実の一つだ。

 そういった日本の現状に関し、もちろん私たち日本人一人一人に責任があるのは言うまでもないが、こいつらの責任が重いというのもまた言うまでもない。

首相経験者ら、靖国参拝自粛求める=公明代表も「連立に悪影響」(時事)
 河野洋平衆院議長は1日、議長公邸で自民党の森喜朗氏ら首相経験者と懇談し、小泉純一郎首相の靖国神社参拝について「慎重の上にも慎重に対応すべきだ」との認識で一致した。一方、公明党の神崎武法代表は同日の記者会見で、首相が同党の反対を押し切る形で参拝した場合、「連立の基盤に悪影響がある」と表明。与党内で参拝自粛の声が強まり、首相は一段と苦しい対応を迫られそうだ。
 河野氏との懇談には、森氏のほか橋本龍太郎、村山富市、宮沢喜一、海部俊樹の各氏が出席。河野氏が「昨今の近隣諸国との急速な関係悪化はとても看過できない。その大きな原因の1つに小泉首相の靖国神社参拝がある」と指摘したのに対し、森氏らも首相の参拝自粛が必要との考えを示した。


 海部俊樹、宮沢喜一、村山富市、橋本龍太郎、森喜朗、そして河野洋平。すさまじい面子だ。
 思いつくままにこいつらの総理時代の悪行を並べると(追記:河野は総理にはなっていないが)、
海部:湾岸戦争でまともな対応が出来ず「金だけ出して人は出さない」と感謝されず
宮沢:近隣諸国条項(教科書では近隣に配慮する)の元となる宮沢談話
村山:悪名高い村山談話、阪神大震災での無策(「はじめてのことじゃから」だと?)、オウムに破防法適用できず、首脳会談でオリーブ油がもたれてぶっ倒れる
橋本:消費税アップで不況促進、中国の女スパイにたらし込まれる、ペルー大使館人質事件ではまともに行動できず「あんパンの買い出し」でしか役に立てず
森:言動に慎重さが無くマスコミに揚げ足取られまくりで自爆
河野:従軍慰安婦を認める河野談話、中国の毒ガスに賠償を約束

 小泉首相を全力で支持したくなってくる面子だ…。
 総理時代に限らなければ、北朝鮮に行って気持ちよく酔っぱらった森とか、定見のないばらまきしか出来なかった宮沢とか、さらに酷いことになる。

 これって、中国の策略が絡んでいるのか、本人たちが己の意志で売国活動に勤しんでいるだけなのか。中国としては、小泉首相が孤立するような形を作り上げたいと考えているだろう、となればこの売国首相のお歴々による諫言は、中国が非常に喜ぶ構図だろう。

 公明党も気になるなぁ…大作の一声でそれまでの政策をガラリと変えられるコウモリ政党だから、連立解消をちらつかせているのが不気味に感じられる。通信傍受法でも国旗・国歌法でも、さんざん批判しておいてコロッと賛成にまわったし。

 最後に。

政府、拉致認定訴訟で却下求める(日経)
 政府は31日、1973年に千葉県市原市の自宅を出たまま失跡した古川了子さん(当時18)を北朝鮮による拉致被害者に認定するよう家族が国に求めている訴訟で、東京地裁に答弁書を提出した。拉致の可能性は排除しないものの、拉致被害者として認定するための証拠がそろっていないとして訴えの却下を求めた。

 拉致被害者の認定に必要な証拠は、どれくらい強固でなければならないのだろうか。警察や政府が必死になって特定失踪者の情報を集めようと捜査しているならば、そのレベルの証拠が出てくることもあり得よう。しかし調査会が調査の中心になっている現状で、国が動くのと同レベルの証拠を見つけだすのは、極めて難しい作業だ。
 国が「認定のための証拠」を求めるというのは、筋違いではないのか。本来は国がそういった証拠を集めようと努力すべきものであり、民間に対して「証拠を出せ」というのは酷い仕打ちではないか。拉致問題は国家の問題ではなく被害者家族の私的な問題…そう捉えていると見ても仕方がないような、政府の動きだ。


日本政府よ、積極的に動いてくれ (6/1)
 拉致に関わったとされる人間の刑としては、あまりに軽い。問われているのは旅券法違反であり、その量刑も仕方ないというのは分かるのだが、それでも納得するような感情は持てない。
 
よど号メンバーの妻に有罪判決、旅券返納拒否で(読売)

 つくづく、スパイ防止法がない日本の現状を嘆かざるを得ない。
 拉致被害者の有本恵子さんの教育係であったという話もあるのに、問われるのは旅券法違反のみで、懲役1年6月、執行猶予4年。
 よど号メンバーや朝鮮総連の拉致にまつわる活動を明らかにすることは不可能なのだろうか。今の法体系でも、国家反逆罪や外患誘致罪に問うことは理論上可能であろうし、公安が真剣に取り調べを行えば犯罪に関与した証拠を集めることも可能ではないのか。現行の法体系で難しいというのならば、スパイ防止法を制定すべきであろうが、そのような動きは全く見られない。それどころか、北朝鮮人権法の話もどこかへ吹き飛んでしまっている。

 北朝鮮との外交が進まないとしても、その間に日本がやっておくべきことは山積している。しかし政府に真剣さは見られない。「油濁法でじわり制裁」などと悠長なことを言っている場合ではない。次々に施策を繰り出し北朝鮮を追い込む武器を、一刻も早く多く身につけねばならない状況だ。


曽我ひとみさんが有本恵子さんに会った時期は1987年6月(電脳補完録)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2005.5.28)
■ 曽我ひとみさんが有本恵子さんに会った時期は1987年6月
本日、家族会・救う会が曽我ひとみさんから直接確認したところによると、平壌市内の外貨ショップで曽我ひとみさんが有本恵子さんと思われる女性と会ったのは、1987年6月であることが明らかになった。
曽我さんと同行していたレバノン人の女性が平壌産院で男子を出産したのが87年4月であり、そのとき有本さんも同産院で出産のため入院していた。有本さんと曽我さんが会ったのは、レバノン人女性が退院してから1から2か月後で、87年6月であると、曽我ひとみさんははっきりと記憶している。なお、外貨ショップは楽園百貨店である。
(改行変更有り)

 この件に関しては、はじめは「曽我さんは、いつ目撃したか記憶にない」という報道がされていたはずだが、上記記事のように曽我さんは目撃時期をはっきりと覚えてらっしゃる。政府はその情報を把握していたのかいなかったのか。把握していないとすれば情報収集能力への疑問となるし、していたならば、なぜ救う会が確認して初めて公のものとなるのかという、政府の情報管理体制への疑問となる。
 だいたい、有本さんへ情報を伝えるのに、曽我さんに携帯で電話して…というのも解せない。会談をセッティングして顔を合わせた上での情報伝達をするべきではないのか。
 また、曽我さんの目撃時の状況から、拉致被害者が「軟禁状態」にあったと考えるのは誤解だということが見えてくる。ゆえに、私たちが考えている以上に多くの情報を持ってみえる可能性があるのだが、政府はそれを収集し被害者の家族の方々にしっかりと伝えているのか。情報を全て公表することはないのだが、少なくとも家族の方には伝えておくべきだろうし、家族の方に伝えられない情報であるならば情報源の方(拉致被害者)へはその旨を伝えておくべきだろう。その辺りをしっかりやっているのか、疑念は尽きない。


 一方、アメリカは拉致問題解決に協力的な動きを見せている。

<拉致被害者>家族会などが駐日米国大使に協力要請(毎日)
 北朝鮮による拉致被害者の家族会と支援団体・救う会は31日、4月に着任した米国のトーマス・シーファー駐日大使と大使館で面会し、被害者の早期救出への協力を訴えた。家族会によると、シーファー大使は「日本人が拉致された現場を見たい」と語るなど、積極的な姿勢を示したという。
 面会したのは家族会代表の横田滋さん(72)や救う会の佐藤勝巳会長ら。ブッシュ大統領の古い友人であるシーファー大使は「拉致問題に対する米国の姿勢は以前と変わっていない。被害者全員を取り戻すことが重要だ」などと述べたという。両会は同大使の現場視察に向け、早急に日程や場所の調整に入る。【西脇真一】


 なぜ政府ではなく、民間人自らロビー活動を行わねばならないのか。政府内での拉致問題に対する関心度は、低いと見ざるを得ない。だいたい、日本の政治家の何人が、拉致現場の視察を行ったのか。当事者たる日本よりも、アメリカのほうが真剣に拉致問題を考えているように見えるこの状況、何とかならないものか。アメリカが動いていることを素直に喜ぶ気にはなれない。一つは、日本が最も積極的に動くべき問題であること、もう一つは、アメリカが本当に最期まで拉致問題に関して面倒を見てくれる保証など無いということ。


 溜息ばかり出てしまう現状に、拉致対策挙国一致内閣の登場を夢想してしまう。

慎重と消極は別物 (6/1)
 信念が正しければどんな行動も正当化できるわけではない。また、何か行動するに当たってはその効果とコストを勘案し、最大限の利益が得られるように考えを巡らせるのは、至極当然の話。
 反対ではなく慎重にと言っているだけなのに、拉致問題解決の障害のようにあげつらう意見は、見ていて気が滅入る。ここのことなんですがね。

 小泉退陣を叫んだり、すぐに経済制裁しろという意見は、以前から見かけた。
 その意見自体は別に問題ではない。が、そうした後に、どのような戦略を考えているのか、それを示さないままに「考えるよりも行動が大切」とばかりに特攻精神溢れる主張をする人は以前からいた。

 座り込みに限った話ではない。拉致問題は一部の支持団体が支えればいいというものではなく、日本人全体が考えなければならないもので、いわば国民運動とすべきもの。北朝鮮の独裁政権に対して、確かに多くの意見が出る民主主義体制はマイナス面に働くこともあるが、多くの知恵が出されその中から最上の策を選択できるという意味で、プラスに生かすことも可能。異論の排除など愚の骨頂としか言い様がない。
 自分の意見に確固たる信念を持つのは良いことだ。しかし、信念の強さのあまり自らの行動に対する批判性を失ってしまっては、拉致事件解決の意識を日本人全体に拡大していくことは難しくなる。

家族会・救う会が、それにより、立ち直り不可能な打撃をこうむったら、責任を取って、私はサイトを閉めます
 この言葉も気になるなぁ。一つサイトを畳むことで、責任が果たせるのだろうか。

 救う会に小泉政権打倒を掲げるように、との主張もしているようだが、小泉政権を打倒した後どのような流れを予測しているのか、そしてそれをどのように実行に移そうとしているのか、ぜひとも示して欲しい。

 安倍政権?できたら嬉しいですわな。しかし、直接民主制ではない日本において、安倍首相の可能性は高いのだろうか。
 ネット世論は無視できない力を持っているとは思うが、テレビや新聞など既存メディアの攻撃を反撃できるほどの力があるとは思えない。ネットの力に期待するのはいいが、過信は禁物。ゆっくりと世論を醸成するにはネットは大きな武器だろう、しかし、選挙や首相の決定のような「最大瞬間風速」が重要視される局面では、既存メディアが本気になった場合にネットはそれほど威力を発揮できないのではないか。

 私が恐れているのは公明党の動きで、小泉退陣の流れから「民主党に風が吹いているようだ」と読めば、外国人参政権などをエサに民主+公明という「最凶連立政権」ができあがる可能性は無いわけではないと考えているからだ。
 小泉は任期満了で退陣、となれば、次の首相も自民党である可能性は高かろう。ゆえに、小泉退陣で自民党人気が凋落すると同時に民主が政権奪取、という最悪のシナリオは避けるためにも、小泉退陣は望むべきではないというのが私の考え。小泉が退陣するまで、状況はなかなか進まないかも知れないが、心ある議員の手によって憲法改正やスパイ防止法制定が行われることを期待しつつ、今は我慢すべき時ではないかと考えている。

 勿論、安倍政権成立に向ける確たる算段があるのであれば、私は喜んで小泉政権打倒を掲げることになるだろう。