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国を守れるか (5/31)
 東シナ海で調査活動を続けてきた中国が、日中中間線ぎりぎりの中国側海域で、天然ガスを採掘するための施設建設に着手したことが二十七日、航空機からの本紙調査で確認された。資源が日本側にまたがれば埋蔵割合に応じて配分を中国側に求めることができるが、日本側に具体的な資料はなく、中国側が独占する可能性が大きい。採掘には米国と英国・オランダの石油企業が一社ずつ加わっており、日中間の新たな懸案に発展する恐れがある。http://www.tokyo-np.co.jp/00/kei/20040528/mng_____kei_____004.shtml

 詳しくはこちらのページで理解していただきたい。すべて真実かは分からない部分もあるが。

 地下資源の経済効果などは二次的な問題で、これは主権に関する大きな問題だ。南沙諸島や尖閣諸島、台湾やチベットの例を考えて分かるように、中国は領土拡張の野心を未だに持っている前近代的国家。これに日本が何の反応も示さなければ、日本側地下に眠る資源を取られてしまうだけでなく、日中中間線を無視して自分の主張するラインで行動してくるようになるかも知れない。

 隣国の増長に歯止めをかけられないようであれば、日本は今後も近隣の意向を気にしながら肩身の狭い思いをしなければならなくなる。そればかりか、日本の軍事的危機が高まることも大いにあり得る。韓国は北朝鮮・中国に取り込まれようとしている。同じ状況が日本で起こらないとも限らない。毅然とした対応で主権を守る意思を示さなければ、工作員の草刈り場となってしまう。

 拉致問題もそうだが、日本という国が自らを守るだけの気概と能力を持っているのかが試されている。

不快 (5/31)
 蒸し暑い。気温があがるのは別にかまわないが湿度は何とかならないものか。梅雨に入るともっとじめじめするんだろうな、寒冷前線が静岡当たりで止まった状態になってくれれば、涼しく過ごせるのに。
 身辺俄に騒がしくなりにき。とばっちりは…来るんだろうな…。


プロの覚悟 (5/30)
 橋田信介氏、甥の小川功太郎氏が、イラクで襲撃され亡くなった。イラクで同じく活動をしている宮嶋茂樹氏の無事を祈願しつつ、お二人の死を悼む。

 テレビなどで橋田氏のこれまでの活動については報道されているが、実際にどのような思考をもって活動されていたのか、詳しい部分は知らない。しかし、彼らの家族の反応、そして橋田氏の取材に対する覚悟に関しての情報を知るにつけ、「ジャーナリスト」と呼ぶことに躊躇いはないし、尊敬に値する人物だというのは分かる。
 イラクへの自衛隊派遣に関する意見は、私と橋田氏はかなり異なるが、しかし自分の仕事に対する覚悟には素直に敬服する。まして今回に関しては、少し前にマイナスの比較例が出ていたので一目瞭然。 

作曲熱復活? (5/30)
 PCのMIDI環境を整理している過程で、作曲ツールが扱えるようになったため、またぞろ曲でも作るかという気分になってきていた…のだが、フリゲで長編RPGを入手したので今はそちらに集中。
 しかし、ちょっとブランクがあったから、作曲に時間かかるだろうな。勘を取り戻せれば、時間の合間を縫っても作り上げることは可能だろうが、しばらくは時間がかかりまくるだろう。基本的に何日もかけてやっていると熱が冷めてくるので。一気にやりあげないと。鼻歌ミュージシャンでも買うか。


情報操作か本音か (5/28)
 「線香でも送ったるわ」のどこが「批判」なのかね。
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sougou04/0526ke30520.html
 さらには、増元さんが「われわれの運動が上滑りだったかもしれない。だがどうしたらいいのか」と悩んでしまっている。
http://www.asahi.com/national/update/0526/041.html

 家族会への批判が殺到したという報道があってから、逆に激励のメールも来るようになったという。基本的に賛成派は意見を表に大声では言わないもの。はじめに総連か朝鮮寄り市民団体が総動員をかけて襲撃しただけじゃなかろうか。アッチ系の団体の動員力は侮りがたいものがある。
 というか、普通の日本人が家族会中傷の方向に向かうってのがどうしても理解できないんですわ。小泉訪朝評価の社民党や共産党の系統や朝鮮人ならいざ知らず、ふつうの日本人だったら家族会の感情は(仮に理解できない人もいるとしても)反感を持つようなものではないと感じるんじゃないかなと。マスコミの発言コラージュ報道に騙された人が多いのだろうか。

 なんか、拉致事件も戦争だと実感した気分。戦争では情報は命綱だ。


昨日の素粒子 (5/27)
朝日新聞夕刊「素粒子」05月26日(水)付
 昔々ちぐはぐ国の太政大臣が人さらい国へ出かけ子どもたちを取り戻してきました。
その時食べ物と薬を贈り、嫌がらせはしないと約束をしました。
 でも相手の国の船を入れないぞという法を作るそうです。さてもちぐはぐです。
    ×   ×
 イラクへの主権移譲は占領の終結と言いながら、米国は顧問団で実権を把握する考え。
ちぐはぐ。
    ×   ×
 虐待刑務所解体とは遺憾。米軍虐待記念館として保存すべし。


 経済制裁を「嫌がらせ」。そして「ちぐはぐだから入港禁止法案は作るな」という論(私にはそう見える)。飛ばしすぎです、朝日さん。

社会党の生まれ変わり (5/27)
民主・岡田代表「年金法案強行なら、有事法案廃案も」
http://www.asahi.com/politics/update/0525/011.html

社会党のやり方よろしく、審議を遅らせて与党を責めようと言う算段。当然、有事法制にも反対とか意ってやがるし、入港禁止法案も期限切れになってしまう可能性が出てくる。自民党でも物足りないところだが、野党に至っては話にもならない。消去法でいくと自民党に入れるしかないじゃないか。重要な法案を政争の犠牲にするなかれ。
ここで西村閣下を北へ派遣して行方不明者を連れ帰りでもしたら、迷わず民主党支持にまわるのだが。

どこが同じなのか (5/27)
 さすが筑紫哲也、昨日はイラクの人質家族と北朝鮮拉致被害者家族とを、同列に扱ってモゴモゴ言っておりました。復活して早々飛ばしすぎると体に悪いよ、筑紫さん。
 自分の利益のためにイラクに行くのを止められなかったうえ政府に責任転嫁する人間と、ほとんど落ち度もなく北朝鮮に連れて行かれたのを何十年と耐えている家族とを、なぜに同列に見ることが出来るのか、不思議でならない。

援助内容 (5/27)
 北朝鮮に送る食料は、米ではなくトウモロコシや小麦だそうです。総額80億円。


批判と中傷 (5/26)
「首相批判の家族会にメール500件 4分の3が批判の声」
http://www.asahi.com/national/update/0525/024.html
http://www.sankei.co.jp/news/040525/sha106.htm
イラク人質の家族へのマイナス意見は「誹謗中傷」と表現し、拉致被害者家族へのマイナス意見は「批判」と表現される。朝日のみならず産経までもそのような報じ方、他者も同様だ。

で、これ。
http://www.sankei.co.jp/news/040525/sha121.htm
要するに、テレビでは会見の全体を報道しておらず、家族会が首相に批判的・感情的な部分のみがピックアップされ、結果家族会は首相に失礼などと言うアホな意見が出てきたわけだ。それは総連の若い衆の工作活動により増幅された(断言してしまおう)。
まったく、新聞やテレビだけでは何が本当の情報か分かったものではない。

スパイ (5/26)
 平沢勝栄氏、最近は北朝鮮寄りの発言ですっかり「レインボーブリッジの小坂」状態になってしまっているが、平沢氏の朝鮮高官との会談に、吉田猛が関わっているらしい。
 吉田猛については、これとかこれとかこれを見てもらうか、或いは西岡力氏の『北朝鮮に取り込まれる韓国』や『北朝鮮利権の真相』などを読んでいただくと分かるだろうが、要するに北のスパイ。平沢と吉田のラインが繋がると言うことは、やはり平沢は北に取り込まれたということの証左になる。吉田と繋がりのあった加藤紘一氏の動きを振り返れば(前出のリンク参照)、平沢も…と考えても不自然ではない。


逆拉致 (5/25)
朝日新聞夕刊「素粒子」05月24日(月)付
さまざまな人生――
○1年7カ月前、急に父母が出て行き、今度は突然友と別れ、日の丸機に乗せられた。そして着いた他国が祖国と告げられた5人。
○中間試験は駄目だったが、目が覚めたらカンヌ最優秀男優になっていた「誰も知らない」14歳。
○三菱自動車で堂々出世はしたけれど、人の命に鈍感で欠陥隠しを続けた罪で土下座の経営者。
    ×   ×
ベランダの鳩(はと)に子が生まれた。父と母とが交代で育てている。


 助動詞の使い方一つで書き手の意思が分かる、日本語は恐ろしいものだ。「日の丸機に乗せられた」。この新聞社は日本の新聞社か。確かに子供にとっては詳しい理由も分からない中とまどいもあるだろうし、私には理解もできない苦悩があるとは思う。しかし、「日本による逆拉致」と捉えるようなこの文の書き方は理解しがたい。

無法 (5/25)
http://www.asahi.com/national/update/0524/014.html
違法操業の韓国漁船に、対馬海上保安部の巡視船が催涙弾20発発射。
韓国メディアでは、この事件を批判的に報道、日本の過剰な対応と喧伝している。http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2004/05/24/20040524000021.html
日本のアナゴを拉致しようとした人間が何を言う。

 無法者には制裁、当たり前のことを当たり前に実行しないとどんどんつけあがる。実際、韓国船に特攻されて沈んだ船もあった。独裁国家の中国・北朝鮮だけでなく、民主国家のはずの韓国ですら他国の領土を侵犯して平気な顔をしている。日本の平和なんてけっこう危うく表面的な物に過ぎないのかも知れない。

続山崎正昭 (5/25)
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/feature/news/20040521k0000m010047000c.html
「地元紙に大きく載るやろな」ですと。下司。


山崎正昭 (5/24)
 昨日テレビに出まくっていた山崎正昭なる人物。その言葉の振りかざしようはかつての利権政治家のそれ。言語明瞭意味不明瞭。自分のHPでも(http://www.m-yamazaki.com/policy/index.html)やっぱり土建政策ばかり。安倍幹事長を連れていかずにこのような人物を平壌まで連れていった時点で、当地で議論をしようと言う意図はなかったように見える。

今までの総理よりは… (5/24)
 かつての総理に比べれば小泉首相はよくやった……確かにそうなのだが。時代によって首相に要求される物が変わるのは当然じゃなかろうかとも思うわけで。何か隠れた戦略を練っていると言うことを今は期待したい。

 ところで、昨日も書いたが家族会への批判が一部で高まっているようだ。それが世論なのか工作活動家は分からないが。20年以上も家族がさらわれて堪え忍んできて、さらに2年弱も忍耐を強いられて、それでも感情を表に出すことは許されないのか。

問題点箇条書き (5/24)
 一つ一つ細かく書くとえらい長さになってしまうので、問題点を箇条書き。
1.安否不明者の調査を北に任せたことで、情報小出しによる援助をむしり取られる可能性。
2.平壌宣言遵守を前提にしての経済制裁発動無しとの約束により、日本側の武器を一つ放棄したこと。(平壌宣言を見れば核持ってる北には経済制裁できるはずだがなぜかそうはならぬ)
3.ジェンキンス氏問題による、さらなる援助を引き出される可能性。
4.同上によりアメリカとの調整が必要になった点(イラクの状況を見るに現時点で彼への免罪は難しくなかろうか)。
5.さらに彼との面会が北京で行われることにより、中国に借りを作ることになってしまった点。
6.朝鮮総連への課税など公平な扱いが不可能になる可能性。
7.特定失踪者に関する調査が当面の議題から外されてしまった点。
8.援助利権は未だに日本国内で健在だと言うことを示した点。
9.北朝鮮相手では日本はまともな外交交渉が出来ないことを世界に示してしまった点。

まだありそうだがこの辺にして、今度は成果。
1.被害者家族5人を奪還したこと。

フンフンハァハァ復帰 (5/24)
 筑紫哲也が今日から復活。年金問題がスッ飛んだと見ての復帰か。
 てか、毎晩の晩酌代わりに電波を浴びていた拙者としては、実は復帰は嬉しいニュースだったりする。


軍事力なきゆえに (5/23)
 訪朝の成果は成果とはとても言えない物であったが、これは日本の限界かもしれないとも思える。外交力の裏付けとなる物、つまりは軍事力を持っていない日本が、どれほどの圧力をかけることが現実的に可能なのかという問題。それだからこそ、経済制裁関連の法の重要性も増すのだが。
 力を持たない日本。小泉首相はそんな中よくやったと見るのも間違いでは無かろう。しかし、身代金を渡さないと人質を帰してもらえない日本のありようには、やはり悔しさを感じる。首相が乗り込むというカードを切ったことを考えれば、さらなる成果を求めるのは当然のことだ。

 制裁しないと言う約束によるアメリカからの反発も心配だ。アメリカの軍事力をも頼らねばならないのに。

戦術的には負け (5/23)
 会談のはじめに、金正日は「複雑な状況の中よくおいでくださいました」と小泉首相に語ったらしい(5/23「報道2001」重村早大教授)。小泉首相の政治的状況を見透かされていた。交渉のアドバンテージは向こうが握っていたことになり、会談する前から勝負は決まっていた。今回の会談だけを見れば明らかに失敗だ。

 しかし、今回の会談を元に、解決に向けて発展させられれば、評価を変える準備はある。
 これから日本は安否不明者の調査の徹底をさせられるのか、ジェンキンス氏の問題は解決できるのか、他の特定失踪者の情報はもたらされるのか。せめて、今回の会談を足がかりにさらに強硬な姿勢で問題解決に当たって欲しい。

いや、戦略的にも? (5/23)
 と書いたものの、今後の交渉にも小泉首相は壁を作ってきてしまった…という事実がある。

 合意要項(http://www.asahi.com/special/abductees/TKY200405220230.html)の中に「日本は今後、在日朝鮮人に差別を行わず、友好的に対応する」とある。朝鮮総連への課税、在日朝鮮人への選挙権など、解決すべき問題を解決困難にしようとする文言だ。で、調べてみればこんな記事が出ている。
http://www.asahi.com/politics/update/0523/003.html
 朝鮮総連の幹部を日朝国交正常化交渉に参加させようという話。なにやらすべては北朝鮮ペースに持って行かれそうな勢いだ。というか、掘れば掘るほどに問題が見つかっていく。

二種類の批判 (5/23)
 概ねマスコミは小泉首相を批判。しかしその批判には二種類ある。

 日本国民の当然の人権を守ることが出来ず、解決すべき問題を先送りにしてしまった、あまつさえ北を利する条件ばかりのんでしまうとは…という真っ当な意見による批判。
 もう一方は、小泉叩きの理由の一つとして利用し、年金未加入問題などと呼応させて小泉下ろしに持っていきたいだけの批判。

 ごく真っ当な批判を、不当に利用されやしないかと心配でもある。上の三つの文でいろいろ記述が揺れているのはそのためだ。

 北のマスコミ工作に乗ってはならないと思えば思うほどに、テレビや新聞の誰の論調が本音で誰が裏を持っているのか、わけが分からなくなってくる。さらにそこに、「小泉首相は私たちにも気付かないような計算をしているのでは」と考えると、会談への評価はもっと難しくなってくる。
 私としては、自分の考えを信じてブレないでいよう…と考えるしかないと思っている。と同時に、表裏常無い連中への注視を怠らないようにしたい、と。ここを訪問されている方々も、二種類の批判を見分けるよう努力されたい。

妙な論調が… (5/23)
 家族会を批判する人間も(特に2ちゃんとかで)出てきている。今までに見たこと無いような論調の者どもがワラワラ、工作員かと思えてくるような状況。イラク人質の家族が批判されたのを見て、こっちでもいけると思ったのか。
 家族のことのみ心配なら金出せ物資出せとせっつくだろう。彼らは敢えて時間はかかるが真っ当な解決方法を望んでいる。私的な感情を越えた次元でものを語っている人たちだ。なぜ批判できようか。
 世論分断の流れに乗るなど北朝鮮を利するだけの愚かな行為だ。


号外 (5/22)
 「貞観の治」で書いた通りになった。予想はしていたのだが、悪い予想が当たっても嬉しくはない。

 米25万トン、これは国際支援帰還を通じて行われる物だが、果たして北の一般市民にその食料は届くのか。
 一人一ヶ月に5kgの米を食うとして、北朝鮮人民2000万人の一ヶ月分は10万t。てことは、2ヶ月半分だ。しかし、幹部にのみ米が行くことになれば、仮に幹部が10%としても約2年、5%なら4年分。つまりは、金正日政権を4年間長らえさせる物になる可能性がある膨大な量だ。
 さらに、医療支援が1000万ドルという。11億円。列車爆発事件の支援としては多すぎる。普通の医療支援だと、医療装備にどれほど金がかかるのか不勉強ゆえ分からないが、病院でも建てるつもりなのだろうか。もし、医薬品の現物支給でなく現金が渡るとすれば、医療物資に使われるかどうかも不透明な状況。

 かような援助と引き替えに、蓮池・地村両夫妻の子供だけが帰ってくる。離ればなれになっていた家族が再会するのは、確かに喜ぶべきことだ。しかし、曽我さんの家族は(裏に北の思惑有りと私は見るが)北朝鮮に残り、安否不明の10人は調査法も確約されていないのに調査を行うとの言葉を鵜呑みにし、何百人といる特定失踪者に関してはほとんど無視。
 しかも、小泉首相は午前の会談のみで切り上げ、積もる懸案に関してさらに話を深めようとしなかった。

 北朝鮮は何も損をしていない。

 北朝鮮は、米と金と経済制裁の中止の約束を得た。日本は、返されて当然の家族のしかも一部しか取り戻せなかった。一歩前進?確かに前進だ。確かに、一度ならず二度までも訪朝し、拉致問題に進展をもたらしたのは小泉首相だけだ。
 だが、今回の訪朝を「成果」と見られるのか。北朝鮮が小躍りして喜ぶようなこの状況を、私たちが喜ぶことが出来るのか。今後の進展は期待できるのか。

 散らかった文になってしまった。明日、冷静に振り返ってまた触れてみたい。 

私がブルーリボンをトップに貼る理由 (5/22) 
 上のような文を書くと同時に、自らの否について言及しておかねばなるまい。

 前回の訪朝後、私はこの欄で、「100万人の命を救うなら100人の犠牲はやむを得ない、と考えるのが「国益」の考え方。外務省幹部の中には「北朝鮮との国交正常化交渉が動かせるなら8人の犠牲くらい…」という論調があったそうだが、わざとらしいほど「官僚的」ではあれど、その考え方自体は(国を動かす側の視点からすれば)実は全く間違ってはいない」と書いた。

 北朝鮮と妥協して拉致被害者の人権以上の国益が得られるとは思われず、その意味では上の引用文に矛盾無く拉致被害者を助けよと言う論調を主張できる。また、政治を語るうえでは上記のような考え方は根本的に間違ってはいないと今でも思っている。さらに、拉致被害者を見捨てよと言っているわけではなく、むしろ別の文では死亡報告を鵜呑みにした政府を批判もしている。

 しかし、私は自分の不明・不徳を恥じ、詫びたい。

 22日の蓮池さんらの記者会見で蓮池さんや地村さんは曽我さんのことを気遣い、曽我さんは自らの不幸な状況への不満を抑えて蓮池・地村両夫妻におめでとうと言ったという。ラジオでこの報道を聴きながら、私は不覚にも泣いた。
 健気(失礼な言葉かも知れないが)なまでに素晴らしい人格の方々を見捨てるように聞こえる言説を述べた自分を、そして北朝鮮との国交正常化を国益とする考え方に疑問を持てなかった当時の自分の無知を、恥ずかしく思う。

 イラク人質の家族の反応と比べることで、よりはっきりと、拉致被害者の方々の崇高さを理解できた。さらに、横田さんの以下の中山内閣参与への要望書を読み、さらにその感覚は増した。
平成16年5月19日
内閣総理大臣  小泉純一郎様
外務大臣  川口順子様
内閣府官房参与 中山恭子様

キム・ヘギョンさんの現時点での訪日問題論議に賛成いたしません

横田めぐみの娘であるキム・ヘギョンさんの訪日要請を日本政府側からするとの報道がございます。私たちは誤報である事を信じます。去る2月13日に横田家連名で川口外務大臣ならびに中山参与宛請文をご提出申し上げましたが、改めて何故私達がキム・ヘギョンさんの現時点での訪日論議に対して賛成していないかを申し上げます。
先ず、私達家族は横田めぐみ自身の救出を目的に活動して参りました。そして数々の表に出ていない情報も含めた具体的な情報に基づき、めぐみ本人が生存している事を確認しており、その本人を差し置いてキム・ヘギョンさんのみが訪日する事自体本末転倒であると共に、横田めぐみ自身の救出を訴えなければ、日本政府が北朝鮮が提示した捏造した死亡情報を前提に行動している構図を作り出すという危険性があります。キム・ヘギョンさんの訪日論議は横田めぐみの即時なる救出の後に論じられるべき事柄である事を強く認識するべきであります。
1 私達は、横田めぐみ自身を救出する事を先決事項として要請致します。
2 私達は、横田めぐみを救出する際に家族も併せて同時に救出する事を要請致します。
日本政府は横田めぐみ自身を救出する事を第一義として頂く事を重ねてお願い申し上げる次第です。「今すぐ横田めぐみを出せ!」と強く北朝鮮に対して迫って下さい。
横田めぐみは26年以上も北朝鮮で幽閉されています。人生の3分の2以上を辛い環境下で生活を強いられています。どうかこの先の明るい将来を約束して下さいますよう宜しくお願いお申し上げます。

横田滋 横田早紀江 横田拓也 横田哲也


 この人たちは、誇るべき日本人の姿ではないか。過去の自分の否を認め、その責任を取りたいと思った、それも、ブルーリボンのキャンペーンに微力ながらも参加しようと思った理由の一つだ。


いよいよ (5/21)
 米をあげるフリをして成果だけを持ち帰ることはできないものか。経済援助を約束してしまうのは、アメリカとの協調を考えるうえでも愚策だ。もし援助を約束しないと結果が出せないのなら、せめて死亡とされた8人(+2人)や他の特定失踪者の情報も入手してきてほしい。安倍幹事長が同行していないのが不安だが、ここまで来たら小泉首相の蛮勇に期待をしたい。今目に見えている腰抜けぶりが、彼一流の策略であることを望む。

 明日が良き日でありますように。

遅い啓蟄 (5/21)
 イラク人質の一人高遠さんが代表取材によるインタビューを受けたとか。
http://www.asahi.com/national/update/0520/044.html
 朝日は「自己責任を問う批判がストレスになっている」とか言っているが、拉致問題に関しては曽我さんの家族の住所をばらしたり人権無視の意見を吐いている人ほど、人質さん方にはお優しい。自分にかかってくる当然の批判を受け止めるのも、あなた方のお嫌いな自己責任ってやつですわ。
 ウラン今井くんは、中日新聞に連載をしているご様子。web版では見当たらないので詳細は不明だが、立派な「功績」を挙げてのご帰還故に、そちらの筋の方々に諸手を挙げての大歓迎を受けているようだ。

 最新の「新潮45」に興味深い記事があった。イラク拘束事件の犯人側の人物への取材記事だが、「彼ら(高遠さんたち)はよくやってくれた」などの言質を引き出している。犯行声明は、3人が草稿を書いたとも。
 マスコミの報道は既に終息方向。事実は何も明らかになっていない。


中古車といえば北朝鮮 (5/20)
 新潟に潜伏していたと報道されたデュモン容疑者、新潟で中古車販売の仕事をしていたという。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040520-00000017-kyodo-soci

 万景峰号で中古車を運ぶ様子をテレビで見た記憶があるが、北朝鮮とデュモンの繋がり、さらに言えば北朝鮮とアルカイダの繋がりについて、マスコミでの報道は殆ど目にしない。元々そうした事実がないのか、マスコミが事実を隠そうとしているのか、或いはただ取材能力がないだけなのか。

おバカ (5/20)
 朝日社説。
http://kdd.asahi.com/paper/editorial20040519.html
 だが、この問題(筆者注:年金問題)で政治が振り回され続けることの不毛さを意識したのだろう。岡田氏は、新執行部人事にあたっては、国会議員になる前の任意加入のことまで問題にするつもりはないと表明した。妥当な判断だと思う。

 さんざん振り回してきたお前が言うな。


小泉の釣り (5/19)
 http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20040518i304.htm
「未加入時期は大学生」首相、年金問題で釈明
 小泉首相は18日午後の参院厚生労働委員会で、国民年金に未加入だったとしていた1962年1―3月の予備校生時代について「友人に指摘され、調べてみたら、私が(慶応)大学に入学したのは1961年4月だった」と述べた。
 飯島勲首相秘書官は14日の記者会見で、当時、首相は予備校生だったと説明していた。首相の発言はこれを訂正するもので、大学生ならば、国民年金の加入は任意となり、保険料納付義務はないことになる。


 結果的に、小泉首相の盛大な釣りだったことに。てか、昨日も書いたように、任意加入の時まで問題にしたら、国会は機能しなくなる。未だに朝日新聞は「小泉首相は国外転出の手続きをしてなかったから、加入義務の公算大」http://www.asahi.com/politics/update/0518/010.htmlなどと寝ぼけた記事を書いている。国会を空転させて、説く船舶入港禁止法案を先送りにしたいというのが本音かも知れない。てか、民主党岡田新代表も任意加入の時期に未加入だったということになってhttp://www.asahi.com/politics/update/0518/009.html、収拾付かなくなっているだけなのだが。自民党はやはりそのあたりは、巧い。

台風 (5/19)
 台風が来てますけど、名前が付いてるんですね。
 http://www.jma.go.jp/JMA_HP/jp/typh/typh.0402.html

 台風ニーダ。タイの女性の名前らしいが、どうしても朝鮮人の方々を連想してしまうのはアレか。なんか日本で大暴れしそうな予感。


小沢氏代表就任を辞退 (5/18)
 小沢氏にも、年金未加入時代があったことが発覚。小沢さん、代表は元々受けたくないご様子だったから、「いい口実が出来た」としか思っていないかもしれない。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040518-00000000-san-pol
 あるいは、「小泉も責任取れ」という流れを作るためか。小沢氏本人の思惑は別にしても、実際にマスコミの一部は、確かにそのような方向に動いている。
 しかし、いい加減にして欲しいものだ。未納と未加入、任意加入と強制加入、その辺りの区別も付けずに、すべてをひとまとめにして批判するから、わけが分からなくなる。小泉首相まで責任を取らなきゃいけないのなら、過去に交通違反切符を切られたことのある人間は議員になったらいかんのかね。国民の半分以上が、政治に口出ししたらいけないってことにもなってしまう。他に大きな問題はたくさんあるのだから、年金問題一つで政局を混乱させるのは愚かしい行為だと思うのだが。
 今の年金法案はもうグダグダだから廃案にしてしまい、もう一度し切り直すのがよかろう。未納議員の責任は選挙で問えばよい。国民が、年金以外の仕事も含めて総合的に判断し、判決を下す。で、素早く特定船舶入港禁止法案を可決させて欲しい。

任意加入 (5/18)
 86年以前は、国会議員が国民年金に入ることは逆に批判の対象だったという話もある。議員年金には多額の税金が投入されており、さらに、税金が同様に投入される国民年金に入れば、税金の二重取りだと批判されることもあったようだ。となると、小沢氏も小泉氏も、なおさらその罪は軽い(というか無い)ことになる。

 小沢氏の代表辞退も、小沢(俺の未加入は強制加入以前だから大丈夫)→小泉「強制加入以前は未加入でした」→岡田「小泉、責任取れ」→小沢「漏れもなんだけど…」ってことでしかないのかも。要するに岡田のパーティアタック。


誘拐犯と一緒に調査 (5/17)
 行方不明者10人や他の特定失踪者に関しては、北朝鮮と合同調査委員会を作って調査継続…なんて話が出ている。誘拐犯と一緒に誘拐被害者の行方を探そうという、考えるまでもなく奇妙奇天烈な構想だ。

 それはさておき、テレビ朝日や朝日新聞も、小泉訪朝に関して懐疑的な見方をしている。てことは、例の法則発動で、小泉訪朝は大成功…となればいいな。
 しかし、同時に彼らは、安倍幹事長が「拉致被害者の家族8人が帰国し安否不明の10人もちゃんと解決するのなら、この法律は必要でなくなるかもしれない」と旭川市での講演で述べたことを「8人の家族帰国なら制裁見送りも」なんて捏造したりもしている。北朝鮮の工作活動はマスコミにしっかり浸透しているようだ(5/16「報道2001」)。

 さらにはこんな話も。
http://www.asahi.com/politics/update/0517/002.html「拉致問題進展なら北朝鮮にコメ25万トン 支援表明へ
 イラクの人質事件の時には「テロには屈しない」と見事な態度表明をしたのに、テロ国家北朝鮮には思い切り屈してしまっている。この米があれば、北朝鮮の軍人どもはいったいどれだけ生き延びられるのか。

 期待はしたいが、怪しい動きが多すぎる。

時事ネタサイト (5/17)
 今までの世迷い言の文をデータベース代わりに使えるように、また世迷い言に検索で来る人も多いため、テーマごとに再編成しようかなと思ったが、手間があまりにもかかりそうなので0.5秒で廃案決定。
 てか、読み返すと、本当に少しずつ時事ネタサイトに変貌してますな。サイト開設前は、ここはただの雑記コーナーで、メインは別のページのつもりだったのですけど。音楽をメインに据えると金がかかるさね、今は金が大事な時期ゆえそうは使えないんだがね。小説書かなきゃ。


首相の年金未加入問題 (5/15)
 首相の年金未加入についてはこんな話もある。

 首相は大学受験のために予備校生であった62年1月から3月までの3カ月間についても未加入であったことを明らかにしたが、20歳以上の学生が国民年金に強制加入となったのは、91年4月以降のこと。これも、法律的に問題にならない。
 首相はまた、ロンドン留学中に父純也氏が急死ししたため帰国し、69年8月から70年3月までの8カ月間についても国民年金に未加入になっていたことを認めたが、社会保険庁によると、首相の取り扱いは「学生」。「むしろ再びロンドンに戻るつもりだったのなら『適用除外』で、加入は不可能だった」(年金保険課)という。

http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20040515k0000m010100000c.html

 てなわけで、小泉首相の未加入問題は大きく取り上げるべき問題ではないようだ…と言いたいところだが、これまで「未納はない」と言い張ってきたことを考えると(未納と未加入は違うというのも屁理屈に聞こえるし)、問題無しとは言えない。
 おそらく、再訪朝決定のニュースに紛れ込ませようとしたのだろう。情報戦としては当然の戦術だが、ことさらに「未加入」の部分のみを取り上げて批判しようとするマスコミもいるし、傷になりかねない。

 というか、この未納騒ぎは誰が起こしたのだろうか。このせいで、年金問題は論点がずれまくっているし、北朝鮮問題(特定船舶入港禁止法案)もまともな議論を出来ないままに首相の再訪朝が決まってしまった。国会のゴタゴタを、北朝鮮に利用されまいか。この騒ぎが北朝鮮の工作活動の一環…と考えるのは穿った見方だろうか。

首相再訪朝 (5/15)
 で、首相の再訪朝だが、「貞観の治」で取り上げたような方向に動いている。しかも、悪い予測が当たりつつあるように見えるのが不安だ。しかも、再訪朝というプラスのニュースで悪いニュースを霞ませようとしている可能性もある。上記の年金問題や小沢氏の就任のニュースのみならず、イラクの問題も関わっているかも知れない。サマワの状況にも気を付けるべきだ…が、情報が入らないんですな、マスコミの記者はみんな引き上げちゃってるから。
 小泉首相が目先の利益(参議院選挙や政権の延命)のために拉致問題を利用しているかどうか、しっかりと目を開いていなければならない。

スイカ (5/15)
 なんか山形の女子アナが東京進出とか騒がれているそうな。でまぁそれはそれでどうでもいいのだが、気になる報知の記事(写真)。中身よりも、そのURLが気になる。
http://www.yomiuri.co.jp/hochi/geinou/may/o20040514_10.htm
http://www.yomiuri.co.jp/hochi/geinou/may/0514suicap.jpg

 なんとかならなかったのか、そのファイル名。


あなたもですか? (5/14)
 筑紫哲也氏が、昨日の番組で自身にも年金未加入時期が2年11ヶ月あったことを明かした。海外赴任中の話だし、手続きミスというのは誰しもあり得る話だから、ただ未加入だったというだけなら私もそう責めはしない。しかし彼は以前にこんなことを話している。

 崩壊しているのはこれだけではありません。言うまでもなく、「政治家に対する信頼性」であります。自分の身の始末をしなきゃいけないテーマについて言えば、例えば議員年金とか、あるいは議員秘書の問題とかいろんな問題があるにも関わらず、ずっとうやむやにしたまま、今日まで来ております。「自己責任、自己責任」とおっしゃる人たちが、自分の自己責任をきちんと果たしているのかという大変疑問があります。
http://www.tbs.co.jp/news23/taji/s40428.html

 菅直人や神崎武法と同じく、人を非難しておいて自分はどうするのか、という問題が生じる。どうやら出演をしばらく見合わせるらしいが、また戻ってきたりするのかね。ていうか、久米さんも辞めているし、そろそろ潮時だと既に思っていたのではないか。本当にジャーナリストとしての気概があるのなら、自身の経験を許にして年金の問題点を詳細に検証することも可能だろう。辞めれば済むという問題ではない。だいたい、週刊誌が大物キャスターたちに未納の話を聞いて回っている最中ということで、先手を打っただけというのが正解だろう。
 しかし、坂本弁護士を殺したり、神戸で被災者の感情を逆撫でしたり、よう問題を起こすなこの放送局は。

そろそろ前へ (5/14)
 未納の話にばかり目が向きがち、というかマスコミがそう先導しているが、もう未納の話は打ち切りにして、政治家の方々には建設的な議論をお願いしたい。年金の問題を年金単独で考えるから、妙案が浮かばないだけではないか。
 少子化をくい止める対策を行ったり、経済対策で不況脱出させたり、年金問題を解決する方法論は探せばいくつもあるように思える。特に前者は、今の政治家は何を考えているのか…という感じだしな。女性の社会進出を促せば、そりゃ「子育てしにくい」環境になるのは当然で、さらにそこに男女共同参画とかやれば、女性の男性化=子供を作らずに働くという方向に向かうのも当然。結局、男女平等とかいいながら、社会的には男に払う給料の一部を女にまわしているだけで、夫も妻も両方働かないと昔の男一人分の給料にならないという状況。女は働くなとは言うつもりはないが、今の状況は「働けてなおかつ子供も作れる」状況じゃなくて、「働けるけど子供は作れない」状況だということ。

 あとはお役所の教育。役所の人間が年金のことをよく分かっていないと言うのでは話にならない。税金もらってるんだから、もっと勉強しておくれ。


年金一元化 (5/13)
 年金一元化なんて、無理もしくは十年くらいはかかると思うのだが。
 厚生・共済年金と国民年金をどうやって統合するのか。自営業者に厚生年金並の負担を強いると猛烈な反発があるだろうから、おそらく国民年金の負担額に併せることになるだろう。そうなると、給付額も国民年金レベルになって、今度は厚生・共済年金を払ってきていた側から文句が出ることになる。じゃぁ収入に合わせて定率制にしましょうとなれば、それは税金じゃないのかということになる。税金じゃないとなったら、国民年金のように払わない輩も出てこようにどうやって徴収するのかという問題が出てくる。
 税金で賄う方向にしないと、絶対無理ですわ、年金一元化は。それでも大増税になるからなかなか進まないだろうし。

お初です (5/13)
 案外童貞・処女って多いのな。
http://www.ipss.go.jp/Japanese/doukou12_s/chapter2.html#23国立社会保障・人口問題研究所
 性経験があると回答した未婚者(18〜34歳)は、男性59.8%、女性55.4%であり、25歳以上では男性7割、女性6割強となっている。

 25歳ともなれば8割以上になるかと思っていたが、これは朗報(?)だ。
 江戸時代までは日本は夜這いが当たり前にあったり性にオープンなところがあったから、明治以後の道徳教育の縛りが緩くなってきて、本来の姿に戻ってきていると言えるかも知れない。
 ただ、貞操観念については明治期の教育を復活してもいいのではないかとも思う。自分で自分の値打ちを下げる行為を屁とも思わない人が増えているのは問題だし、考えなしに子供作ったりすると家族のあり方まで歪んだ形になってしまう。


原理主義 (5/12)
 市民団体連中の平和連呼運動は、オウム真理教や解同団体や朝鮮総連と、性質は同じものだ。

 自分たちは正しいことをしている、自分たちは権力にて移行する人間だ、権力に虐げられている弱者だと認識すること(或いはそう演じきること)にはじまり、自分たち以外は間違っていると断じ、結果自分たち以外を攻撃の対象とする。自分たちの自由と権利を主張しながらも、他人の自由や権利は認めない。
 活動は何か目的を達するための手段でしかないはずなのだが、原理主義的にものを考えることによって、手段自体が目的となってしまっている。背後に元来あったはずの理念は消え失せ、もはや何のために活動しているのか分からない状態となる。

 言っていることの中には、部分部分を見れば正しい物も、当然ある。だが、それが総論となると整合性が取れなくなるのは、自分たちの考えを絶対視して客観的に自己を省みていないから。また、手段に暴力を取り入れた時点で、持論との整合性はすべてご破算となる。

動画 (5/12)
 アメリカ人の首を取るイラク人…という殺害動画がネットで出回っている。イラクの武装集団が公表したものらしい。
 アメリカの捕虜虐待に報復する動きの一つだろう。イラク人がそういう動きをとるのも無理からぬ話かも知れない(ただ、この動画の主が生粋のイラク人かは疑問だったりする)。
 こういう時こそ、日本が仲介役を買って出られないものかな…と思ったりするが、テロリストには日本が友好国という意識はないはずで、イラク人でなくアルカイダが相手だと日本にそこまで要求するのは難しいか。安倍幹事長はアメリカの行為を非難したようだし、もうアメリカもボロボロになってきているから、小泉首相がうまくブッシュを操縦してほしいものだ。

 しかし、この動画でアメリカはどうでるか。米兵撤退の動きが強まる可能性もあれば、逆に報復の動きが出てくるかもしれない。アメリカが本気にならないことを祈るばかり。


47氏 (5/11)
 nyの作者が逮捕されたが、どういう決着を見るのか非常に興味がある。
 しかし、これってひき逃げ事件が起きた時に、その車を作ったメーカーも逮捕するような、大きな違和感を感じる。見せしめ以上の意味があるのか無いのか。

ソース明示 (5/11)
 ソースを明示しながら文章を書く…論文では当然の行為ですな。卒論で後ろの方に注を付けて書物名と年次を記した記憶のある人も多かろう。
 で、今回の「貞観の治」の更新で、その手法を使ってみた。本格サイトのみならず、時事ネタを扱っているところだと最近は殆どこの形になっている。うちも、この1年くらいはネットソースの明示はなるべく行うようにしている。

 けっこう大変なんですな、これ。時事ネタで、昨日今日のネットソースならすぐに探せるけど、ちゃんとした文を書こうとすると古いソースも探さねばならず、保存していないページがあったりすると探すのが面倒。でも、文章の信憑性や説得力は上がるはずで、今回は(中身は置いておくとしても)形式的にはまともな状態に出来たのではないかと思う。

 あとは、いかに切り口鋭く話が出来るかだが、これはさらに難しい問題であります。

成長ぶりに感心 (5/11)
 オーストラリアに留学している友人がいる。彼とは、なぜか英語でメールのやりとりをしているのだが、向こうに行って3ヶ月ほどでも英語がかなり上達している。語法や構文のミスが結構あったのだがそれが少なくなり、語の運び方も自然になってきた。環境でかなり変わるものですな。


タブー (5/10)
 同和利権の大物であるハンナンの浅田会長が捕まったのは先月のことだったか。こういう「これまでタブーとされていた領域」にメスが入るようになってくると、拉致の実働部隊たる朝鮮総連の数々の罪が暴かれることも期待してしまう。北利権の方は、関わっている政治家が多すぎるから、もう少し時間がかかるかも知れないが。

 「貞観の治」を更新しました。ちょっと長めの文ですが、読んで下さいませ。


福田辞任 (5/9)
 菅源太郎も未納だということらしい。未納兄弟じゃなく、未納親子。

 引き際を見極めようとして、墓穴を掘ったな、菅。年金議論に道筋を付けてから辞めたい、政治力を残したまま辞めたい、ということだったろうが、自身も未納でしかも他人を批判しまくってなおかつ行政に責任転嫁したという点で、多くの人は彼を見限っている。

 その点、福田康夫はうまいですな。相手がぐずぐずしている間に先手を打ってしまった。

 私は、一人の人間としての福田氏はなかなか皮肉屋で大好きですが、政治家として考えるなら、今回の辞任は良かった、と思っている。後任に安倍自民党幹事長と同系譜の細田氏が起用されたことを考えても、福田−田中均ラインが消滅し、北朝鮮に対してもっと強硬な態度で臨むことが期待できるからだ。ただ、小泉首相の本音が見えないので、彼が選挙目当ての迎合を行わないことを同時に希望せねばならないが。
 6月に大きな動きが出てくるだろうが、北朝鮮を喜ばせるような結果にならないか、注視する必要がある。

アメリカの擁護は無理だ (5/9)
 米兵による拷問写真、私は二つの感情を持つ。

 一つは、アメリカを非難する気持ち。
 今回の戦争は、名目上は領土拡張のための戦争などではない。他国を占領し統治しているとは言え、アメリカはイラクの民主化に関し絶大なる責任を負っており、アメリカ自らがフセイン政権のような行動をしていては、建前すら崩壊してしまう。アメリカは本気でイラクを統治しようとしているのか。

 二つ目は、戦争ではこういうのも当たり前に存在する一つの局面ではないかと感じる冷めた気持ち。軍隊という暴力装置は、よほど歯止めをかけていないとすぐに暴走してしまう。だからこそ、軍法は厳しく制定されており、歴史の中でシビリアンコントロールが重要視されてきた。だからこそ、逆にアメリカの軍規律の乱れは非難すべき対象ともなる。仮に組織ぐるみであれば、なおさら問題だ。


 イラク人を狙撃する米兵の上官と部下のやりとり、そして狙撃するため二人が見ている映像が、テレビで放映されていた(5/9のTBS「サンデーモーニング」)。私などはヘタレなので、撃てと言われても躊躇うだろうなと見ていたが、画面の中で撃たれ倒れるイラク人は、戦争の現実そのものだ(それでも実物を見て撃つほどには現実感が無いとも感じたが)。
 戦争は殺人を合法行為としてしまうものであり、拷問行為も戦争の一要素と見なすことは不可能な見解ではない、ゆえに二つ目のような考えが出てくる。しかし、アメリカが世界のリーダーであろうとするならば、戦争とはいっても越えてはならない一線であったとも言え、そうなると一つ目のような考えになる。

 どちらの考えに傾くかは個人の見解だろうが、いずれにせよアメリカを擁護するようなポイントは無い。反米だろうが親米だろうが、今回の件は非難するより他無い。

韓国 (5/9)
 なかなかに愉快な韓国の朝鮮日報、風刺漫画。
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2004/05/04/20040504000075.html

 そんなに竹島が韓国領土と言い張るなら、堂々と国際司法裁判所に出てくればいいのだが、なぜかお出ましにならない。自国で勝手にギャンギャンわめくだけ。
 そして、精神病患者に対する侮辱の意味もありますな、これ。障碍者に対する差別意識は相当な物らしいが、このマンガに対してなんの反論も為されていないようだし、確かにそういう風土があるのかも知れない。

 他にもこういった主張が目白押しなこういう国が隣にいることを心しておかないと、日本の外交について華にも考えることは出来ない。一応民主国家である韓国でさえこうであり、さらに向こうの北や中国を見るに付け、やはり頼るべきは欧米と言うことになってしまう。言論の自由がない国で反日感情、ということは、政府が反日を正当思想として認めていると言うこと。

変遷 (5/9)
 人生、勉強続きです。サイト立ち上げ時から半年くらいまでの世迷い言を読むと、社民党や靖国問題に関しては、今とかなり異なる意見を持っていたことが分かる。アメリカについても、感情的な反米意識でなく、現実的な面も考慮に入れた上で考えることが出来るようになってきていると自覚している。
 例えば「A級戦犯とは何か」を知らないままに書いていたような文章、はっきり言って、恥ずべきものなのかもしれない。でもまぁ事実だしね。誰しも恥ずかしい過去はあろうて。私も他にたくさんある。

 一人の人間が「どちらかと言えば左寄り→どちらかと言えば右寄り」へ変化していく過程を見ることが出来て、思考変化のサンプルとしてこの欄は有意義かも知れぬ。私も読み返して興味深い。成長したなと思える。

MIDI (5/9)
 自作曲のコーナー、曲の一部(ページの大体上半分)のデータを変更しました。以前のデータだと、ギターの音量が小さすぎたため、ギター音量を上げ、キーボード(ハモンド)の音を抑えた、ということです。
 MIDI環境で音色や音量はかなり変わるのだなぁ…と、自らのサウンドボードを変えたために気付いた次第。現PCのMIDI環境はデフォルトから大きく変えていない(逆に前のPCではギターの音を大きく変えていた)ため、今のミキシングが最良かと思います。
 お暇なときに聴いていただけると光栄です。

 あ、そういえば、古い作曲ソフトでなぜかMIDIが動きました。わけあってサウンドボード関係のソフトを再インストールしたのが功を奏した様子。まったく、パソの構造はよくわからんわい。


北朝鮮 (5/7)
 北朝鮮による拉致問題、最悪のシナリオになる可能性が出てきた。

 藪中氏と田中均が北朝鮮で会談を行った。その細かい内情までは報道されていないものの、永田町では「小泉首相が訪朝して5人の家族を連れてくる」という話が出てきているという話を聞くにつけ、日本からのお土産と引き替えに家族の帰国を引き出したという可能性が否定できなくなってきた。
 お土産とは、経済援助、あるいは特定船舶入港禁止法案の決議延期か。

 北朝鮮の狙いは明白で、拉致問題の幕引きだ。しかし現状のままでの幕引きは不可能となった今、5人の家族の引き渡しで手打ちにしようと金正日政権は考えている。5人の家族係に帰ってきたとしても、私たちはすぐに喜んではいけない。残りの拉致被害者・失踪者に関する情報を手に入れられるかどうか、それで手打ちにすると言う約束を日本政府がしていないかどうか、確認してからでないとならない。

 参議院選挙がポイントとなる。被害者家族が帰ってくれば、しかもそれを小泉首相自らが訪朝して実現させれば、自民党は圧勝するだろう。だが、選挙での勝利を手に入れたいがために、北朝鮮寄りの妥協で「解決」とされてしまったらどうなるか。

 嫌な動きは既に見えている。平沢勝栄氏は完全に北朝鮮政府の代弁者になった。彼だけでなく、マスコミから報じられる政治家や官僚の発言が、北朝鮮の言い分と同じになってきている。勿論そうでない政治家も多かろうが、マスコミは完全に北の代弁者になってしまっている。それに応じて、世論も被害者家族の帰国のみを成果と捉えるような風潮になってしまえば、北朝鮮の工作は成功に終わる。

 しかし、自分の国を自力で守れないことの何ともどかしきことか。

訂正 (5/7)
 沖縄で暴行事件起こすような軍隊だから、本当の戦場ではもっと野蛮になっても不思議ではないですね。この間はアメリカ兵がそんなことするかなとか言っていたが、訂正。

空虚 (5/7)
 5/3と5/5だったか、筑紫哲也の番組で「憲法」をテーマに討論していて、そこに「自由の森学園」の生徒が並んでいた。自由の森学園は、筑紫哲也が主催する宗教団体゚∀゚)。
 で、彼らも意見を言っていたのだが、どれもこれも口先だけで意見を述べている感じで、自分の中から出てきた意見を吐いていたとは思えない。というか、整合性も何もなくグダグダ。いったい何を勉強しているのだ。てか、筑紫の「ハンハン、フンフン」を聴いてればああなるか。

 そういえば、昨日筑紫ショーに出てたあの今井くんも似たような、いや、さらに煮詰めたような雰囲気を持っていた。彼の姿に「18にしては賢い」なんて言う人がいるが、どこが賢く見えるのか分からない。「小賢しい」なら分かる。自由の森の人たちより、意見の整合性はあるから。

 よく言われているが、オウムの幹部と同じような目なのだ。言っていること、その一文一文はまさしく理論的に納得は出来る。しかし、全体としてみると、何を言っているのか分からなくなってくる。共産党系の支援団体に何か言い含められているからかもしれないが、言葉の一つ一つに中身がない。どこかで聞いたような、教科書的な言辞を垂れ流し、それに洗脳されてしまって自己批判精神が見えない。
 筑紫の番組で「自分が希薄になっていく」「自分のやろうとしていたことが否定された気がして、無気力になっていく」という内容のことを言っていた。自分の思考がおかしいものだから、日本中から批判されて攻撃されると、拠るべき根拠ががなくなってしまい、自分を見失っているだけのこと。自分の(真の意味での)信念で行動していれば、自分が希薄になるということはあるまい。この点では(取材能力は無いが)信念を持つ郡山氏の方が上だ。今井くんは洗脳が解けかけている状態かも知れない。まともになる最後のチャンスかも。しかしこういったことを考えるに付け、一人の前途ある若者をかような存在に洗脳した左巻き団体が憎たらしい。

 私も、仕事がら今井くんと同じ年頃の若者と、(授業外・授業内科変わらず)雑談で会話をすることがある。その時、相手がどんな意見でも(いやらしいとは分かっていながらも)突っ込みを入れる。右寄りの意見の子には左寄りの、左寄りの意見の子には右寄りの。自分の考え、或いはある特定の思想に入れ込んで他者を客観的に見ないと、今井くんや自由の森のように、確信のない空虚な戯れ言になる。
 これは自分への戒めともせねばならないのだが。

願望 (5/7)
 受験生向けの英文法ページでも作ろうかと画策中。


捕虜虐待 (5/6)
 米英軍の捕虜虐待、アメリカの高官の反応を見るに、またブッシュ自ら謝罪したこともあり、事実と考えても良さそうだ。軍隊は、道徳的規範を有していれば世界に誇れるオブジェクトともなるし、道徳的退廃をしていれば世界の恥となる。軍隊の問題以上に、その国のイメージを左右する非常に大きな問題だ。一部の人間の問題、と片付けることもできない。第三者から見れば、一部であってもそれが全体のイメージとなることは自然なことだし、第三者がどう思うかまでのコントロールは当事者には無理だ。

 日本にとってもマイナス。米軍のイメージが悪くなれば、同盟国である日本にも当然悪影響が出る。逆手にとってアメリカに注意を促す立場になれれば大したものだが……小泉首相に期待できるだろうか。

シアター (5/6)
 ドリームシアターのDVDが出るそうで。東京のライヴを録音していたようですな。今回の日本ツアーに行くことは出来なかったので、ぜひ入手しておきたいところ。Stream of Conciousness聴きたかったな…。
 てか、HR/HMに関しては、新しい物はシアターとイングヴェイくらいでいいか、てな気分で。結婚してお金が使えなくなったというのもあるけど、興味の方向性が完全に今は別方向で。そのうち戻ってくるかも知れないけど。

 でも一応、Stream〜はドラム叩けるようになったでよ。


劣化ウランの害の証明 (5/5)
 イラクの小児ガン増加や白血病の増加が、劣化ウランのせいであるということは、現時点ではまだ立証されていない。てか、劣化ウラン自体が放射能汚染の源となるかどうかについても、科学的な断言は為されていない。

 イラクでの上記のような状況について、劣化ウランが原因であると断定するにはいくつもの壁がある。
 病気の子供たちの映像がフセイン政権のプロパガンダではなかったことの証明。湾岸戦争時の油田破壊による環境汚染(放射能も漏れてくるらしい)が原因ではないことの証明。劣化ウランがエアロゾル化して体内に入ったときのメカニズムの解明。
 医者とか左翼団体だけで証明しきれる物ではない(ましてやウラン今井のような科学的知識のない人間に何が調べられようか)。かなり大規模な調査を行わないことには、劣化ウランの被害など証明できない。「劣化ウランによる被害の可能性もあるから、もっと認知度を高めて、大規模に調べられる体制を整えよう」というのなら分かるが、「劣化ウランは核兵器」と断言する人間を私が信じないのは、科学的検証よりも政治活動を優先しているようにしか見えないからだ。まだ何も確定していない。

祭り (5/5)
 ネットだからと言って無責任な言動が許されると言うわけではなく、自分の発信する物には責任を持たなきゃいけないってことですわな。


定義 (5/4)
 「自己責任」って何?という意見を郡山さんが言ったとか、他のアホが言ったとか。そういえば天声人語か朝日社説でも、「辞書に載っていない」とか書かれていたような。
 でも、私はここの10/22「タバコ訴訟」の文で、「自己責任」って言葉を使っているんですけど。造語なんて思いもよりませんでした。もしかしたら、私が「自己責任」って言葉を編み出した第1号ですか?゚∀゚)
 というか、自分の書いた文章ながら、自己責任の意味は私の中でより明確になった。自分の過失を棚に上げて人に責任転嫁するときに使うべき言葉、ってことですな。となると、今回の件はまさにぴったりの事例になりますわ。

虐待写真 (5/4)
 イラクで、駐留英軍がイラク人捕虜を虐待していると、写真付きで報道されています。「ほらイラク人は虐待されている」「アメリカの占領統治は野蛮だ」という意見がそこかしこで見られるのですけど、気になる点も。

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040502-00000489-jij-int
 http://yomi.kakiko.com/mlt/faq/faq01d.htm#obscenity
 このような記事・考えも出ている。
 私は別に米英を無条件に礼賛するつもりはなく、むしろ占領統治は失敗しつつあると思っているし、ブッシュはバカだと本欄で書いたこともある。だが、あの写真が出てきたときに、少し違和感を感じた。
 違和感の理由はいくつかある。米英軍があのようなことをするのだろうかという気持ちもあるし(あり得ないとは言い切れないが)、写真の信憑性に関する疑問だったり、説明できないような感覚だったりいろいろだが、米英軍のすべてがああいうわけでもないのに、マスコミがそれをひとくくりにして「米英軍は野蛮→米英軍は撤退しろ」といった論調がおかしく思えるのも大きい。
 いずれにせよ、あれらの写真を根拠に何らかの結論付けをするのは、まだ早いと思う。

自虐 (5/4)
 GWの最中だというのに、PCに張り付いて祭りに参加しているなんて…。


類似 (5/2)
 やしきたかじんが、短髪の時のグレン=ヒューズに見えてしかたない。

駄文 (5/2)
 「週刊金正日金曜日」に本多勝一が駄文を書いていた。彼をジャーナリストとして崇めている世代もいるかな、ということで、その文を引用してみる。

「自己責任」という変造日本語(本多 勝一)
 イラクの日本人拘束事件をめぐって、その解放後も大いに問題とされたのは、拘束された5人の「自己責任」です。

 この言葉が何のことか、初め私は理解できませんでした。私だけではなく、たとえば『東京新聞』(以下新聞名は『東京』などと略す)は社説で「使い慣れない言葉」(今月19日)とし、『朝日』の「天声人語」子(同20日)も数冊の辞書に当たったが「載っていなかった」として、過去の使用例をさぐっています。

 この単語だけから私が受ける印象は、小泉政権の主張とは逆に、むしろ人間の尊厳にかかわる積極的な内容でした。ところが小泉首相や福田官房長官・竹内外務事務次官・小池環境相・冬柴公明党幹事長等の発言は、まるで正反対の解釈にみえます。
 これは次の人々の例からも明らかです。

「(本当の意味での)自己責任は活動の原則だ」(熊岡路矢氏・JVC代表=『朝日』同20日)
「本当の意味での自己責任が(日本で)定着するにはあと百年はかかる。西欧型の個人主義が土台にないと……」(斎藤環氏・精神科医=『東京』同日)
「戦後間もない47年の国会議事録に、自由主義の特性として『自己責任においてイニシアチーヴをとつていく』とある」(前記「天声人語」子)
「リベラル=デモクラシーの社会における個人の自由な活動に対する各人の責任」(千葉眞氏・国際基督教大教授=『赤旗』同21日)

 
ところが小泉政権の解釈によれば「自業自得」(『東京』22日、同紙21日「こちら特報部」)と同義語になってしまうのです。日本語を解する能力さえない男を首相に選んでいるのが日本の民度、ということになります。これは変造日本語、ニセ札と同類の変造紙幣でしょう。
 だから菅直人・民主党代表の「もし徹底して自己責任を言うなら、政府はいらない」(『朝日』同22日)という正しい日本語解釈にもなる。「自国民を保護するのは、そもそも国家の義務」とする吉岡達也氏(ピースボート代表=『朝日』20日)ら多くの識者が指摘するとおりなのですから。

 この反国際的な恥さらし首相に対してフランスの『ルモンド』や『南ドイツ』などが呆れて論評を書き、前者は先週私も引用したパウエル米国務長官の言葉で皮肉っています(『赤旗』21日)。それにしても、こんな恥さらしになってしまったモトは、本誌先週号での山口正紀氏によると『読売』(9日社説)にあるようですね。さもありなん、自民党政権の宣伝機関紙になった『読売』は購読していないので気づかなかったけれど、こんなものの主張に「飛びついた」(山口氏による)ブッシュのペット政権。そんな新聞が部数日本一となる民度。

 もはやこの国で希望が託せる部分は、本誌先週号で栗田禎子氏や綿井健陽氏も書いているように、人質となりながら解放された5人に象徴されるような、NGO市民運動やフリーのジャーナリストになってしまったのでしょうか。


 中国の言い分を何の検証もせずに垂れ流して、南京虐殺を政治問題化した諸悪の根元である、この男。まぁ、そこから始めると人格の問題になってくるし、引用されている菅代表の言葉はただの極論で論評に値しないと言ってもどうしても理解できない思想の持ち主も存在するので、この文章の論理構成のみを検証対象として批判してみる。現代文の勉強にもなるでよ。

 「自己責任という語は人間の尊厳に関わる」という筆者の感覚とは、政治家の発言は正反対である=人間の尊厳に関わらないという論を補強するために、4つの引用を行っている。そしてその後、政府内の意見では「自己責任=自業自得」と断定している。
 しかし、4つの引用は、筆者の感覚つまり「自己責任は人間の尊厳に関わる」という論の補強をしているだけで、政府の発言がそれに合致しないことの証明には全くなっていない。筆者は、西欧型個人主義やリベラリズムを持ってくることで、人質さんたちの行動がそれに当てはまり、彼らの行動は自己責任に基づいている、としたいのだろうが、そういう意図は透けて見えても文章の中にそれを証明できる論理が存在しない。まさに、「同様の思想の持ち主」でなければ理解できない文です。

 そういうわけで、「日本語を解する能力さえない男を〜」の文は、根拠のない妄言となります(確かに小泉首相の日本語能力には疑問の部分もありますけど)。さらに、そうなると、その後ろの部分、読売新聞を批判した部分も、最終段落の結論部分も、すべてが筆者の主観であり、評論文としては論理的根拠のない「駄文」となります。

 「日本語を解さない」という文句が出てきているが、まず本人がその批判を受けるべきです。まともな文章の勉強をしていれば、このような無茶苦茶な文章にはならない。ましてや「検証」が必須作業となるジャーナリストが、論理的整合性を無視できるということ自体が脅威です。

 自己責任論を批判する向きは、だいたい似たような支離滅裂ぶりです。自己責任を論点にして、事件の背後にある問題点を隠そうとしているようにも見えます。


二つのイベント (5/1)
 筑紫哲也はやはり30秒くらいしか扱いませんでした、国民大集会。ぜひ行きたかった。

 で、人質さんの2人が全く同時刻に記者会見。わざととちゃうかと穿ちつつも、夜にはニュースでその映像をチェック。
 目新しい話は何も聞けませんでしたが、それは予想の範囲内。収穫というか確認できたのは、あの二人に、イラクでの現地取材に対する意識や覚悟というものが決定的に欠けていたこと。他のボランティアに対して「信念を持っていけばいい」とか「私も準備が出来たら行きます」とか、何だか理想に邁進することを絶対的正義としていて、その裏につきまとう責任や覚悟を理解できていないように私は感じた。「私はこれをやらねばならないのだ」という理想だけが先走りして、現実問題に対してどう対処すべきかという思考が根本的に欠落しているような。
 ゆえに、取材活動も客観性を保てない。劣化ウランの取材に行くのに、大がかりな機械は何も持たず、現地の被害だけを検証もなく垂れ流そうとしていた。おそらく病気の子供がいて劣化ウランの被害だと言われれば、本当にそうなのかを検証することもなく鵜呑みにして帰ってきていたのだろう。「論証」への認識の甘さは、理想論の先走りと軌を一にしているのだろう。

 ていうか、どこがPTSDだ。これから講演でガンガン稼ぐからねぇ。立て板に水。ま、事前に予行演習をしていたらしいから、しゃべりがなめらかなのは当然か。

何が偉いのか? (5/1)
 ボランティアってそんなに偉いものかね。誉めるべきはカンパを募る行動力暗いじゃないか。私も、生徒に勉強を教えるのは好きだし、給料無くても講師としての仕事はできますよ、誰かカンパしてくれれば。