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良いお年を (2019 12/31 10:30)

 29日で今年の授業は全て終了。さぁ年末年始の休みだぁとなる直前に風邪を引いてしまい、最後の授業の日には話をしているうちに顎の関節や筋肉が痛くなるという初めての経験。休みになった瞬間に病気に苛まれるという「お約束」な状態に陥ったわけで、悔しくて仕方ありません。

 最後の最後にこんな状態で年を越そうとしておりますが、まぁ概ね平穏な一年でした。
 こんな時間がずっと続けばいいんでしょうが、まぁそうはいかないのだろうなぁ、平穏なうちにその幸せを味わっておくべきなんだろうなぁと思ったり。

 2020年は東京五輪もおこなわれます。賑やかな雰囲気の中、より多くの幸せが皆様にも訪れますように。



女系天皇容認の石破氏 (2019 12/29 10:30)

皇位継承「女系だからダメの議論に賛同しない」 石破氏(12/26産経)
 自民党の石破茂元幹事長は26日、CS−TBS番組の収録で、皇位継承のあり方について「皇室が途絶えることは国の本質が変わることだ。女系だからダメだという議論には賛同していない」と述べ、「女系天皇」の容認を含めて議論すべきだとの考えを示した。
 石破氏は収録後、記者団に「男系、女系ということだけで(皇位継承を)決めることなのか。お生まれになったときから、天皇として国民統合としての務めを果たすため、常人の及ばざる努力をしてこられた方がふさわしい」とも語った。
 石破氏は平成29年1月、上皇さまの譲位をめぐる法整備に関し「男系男子による皇位継承を基本としつつ、女系天皇の可能性もあえて追求し、早急に解を求めるべきだ」とする書面を党本部に提出していた。

 もちろん、最優先すべきは「皇室制度の維持」であるから、あらゆる方策を採った上でそれでも皇統断絶の可能性が高まった際には、「女系天皇」という選択肢も考えなければなるまい。最後の最後には、という意味での選択肢としては、「女系天皇」も残しておくべきではある。
 しかし、あくまで、男系男子を維持するあらゆる策を講じてからの話である。旧皇族の皇籍復帰など、女系天皇よりも先に議論すべきことはまだまだある。

 伝統は、覆すのは簡単だが一度失えば取り戻すことはできない。少なくとも継体天皇以降1600年間続いてきた「男系による皇位の継承」を、安易に放棄すべきではない。受け継がれてきた物をそのまま次世代に継いでいくのも、現世代の我々の責務であろう。

 そして、それこそが「保守」という思想であるのだが、石破氏はそれとは異なる位置に立っているようだ。「努力をすれば誰が天皇についても良い」というのは、伝統的な皇位に対する考えとは対極にある物だ。そして、「努力をしてこなかった人は皇位に相応しくない」という考えは、人民が皇位に対して手出しすることを容認するような、皇室制度を脅かす危険な思想でもある。

 ますます、石破氏を次期総理候補として支持することは難しくなった。



秋元議員逮捕 (2019 12/26 10:30)

秋元議員逮捕 与党に危機感、野党は「桜」に続き攻勢?(12/25産経)
 政府が進めるカジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業をめぐり、衆院議員の秋元司容疑者が収賄容疑で東京地検特捜部に逮捕されたことを受け、与党からは今後のIR整備や国会運営への影響を懸念する声が上がった。一方、安倍晋三首相主催の「桜を見る会」の疑惑追及で勢いづく野党は、カジノを禁止する法案を年明けの通常国会に提出し、政局の主導権を握る構えだ。
 「司法が一定の判断を下し、逮捕という事実があったことは非常に重たい」
 自民党の森山裕国対委員長は25日、国会内で記者団にこう述べた。また、公明党の斉藤鉄夫幹事長は記者団に「逮捕は誠に遺憾だ。被疑内容が事実であれば、あってはならない由々しきことだ」と語った。
 自民は政府と歩調を合わせ、IRを地域活性化の有効策と位置付けてきた。秋元容疑者は二階俊博幹事長率いる二階派(志帥会)に所属し、二階氏自身、地元・和歌山へのIR誘致に前向きな姿勢を示してきたが、逮捕により足踏みは避けられそうもない。自民幹部は「国が(IRを)これから始めようというときなので影響はあるだろう」と表情を曇らせた。
 桜を見る会に続く新たな疑惑の表面化は政局にも影響しそうだ。自民ベテランは「内閣支持率が悪くなったところに追い打ちだ。年明けの国会運営は厳しくなる」と漏らす。党内では早ければ年明けの衆院解散・総選挙もささやかれていたが、事件により遠のいたとの見方が強まっている。
 対照的に意気が上がるのは野党だ。立憲民主党の安住淳国対委員長は25日、IRを扱う内閣委員会の閉会中審査の開催を与党側に要求。記者団には「カジノは不正や腐敗の温床になると野党は再三言ってきた」と述べ、カジノ禁止法案を共同提出する考えも示した。 また、共産党の小池晃書記局長は記者団を前に秋元氏の議員辞職を要求し、「内閣府副大臣などに任命した政府・自民党の責任が鋭く問われる問題だ」と語気を強めた。
 とはいえ、IR導入は旧民主党政権下でも検討され、今の野党にも超党派でIRを推進する国際観光産業振興議員連盟(IR議連)に所属する議員がいることから、追及の足並みがそろうかは疑問だ。
 IR議連に参加する国民民主党の玉木雄一郎代表は25日の記者会見で、カジノ禁止法案について「色々な自治体が期待し、計画を進めているところもある。(既に成立したIR関連法の)法的安定性を考えれば慎重に考えるべきかもしれない」と発言した。一方で「法が成立した経緯の検証は必要だ」とも述べ、定まらぬ心中を吐露した。
(内藤慎二、田村龍彦)


 IRに対して抱かれていたそこはかとない不信感は、この事件で完全に定着することになるのではないか。IRに絡んで汚職がおこなわれていたとなれば、IRが現実の物となればさらに多くの利権が生まれる、裏で儲ける輩が出てくるだろうと想像されても、これはしかたなかろう。IR法案を通すことは、限りなく困難になった。
 公営ギャンブルもあるし、グレーなパチンコもあるのにカジノだけダメというのは筋が通らない、とは思いつつ、秋元氏の逮捕で印象が悪くなってしまったIRの法案を通すのは限りなく難しくなったのも事実であろう。

 まぁカジノが頓挫すること自体は私個人としては大した話ではないのだが(パチンコが既にあるのにカジノはダメというのは筋が通らない、カジノもパチンコもダメというなら分かる)、問題なのは、中国マネーがどれだけカジノ利権に食い込んでいるのか、国会議員たちの中に浸透しているか、ということだろう。今回の件で取り沙汰されている金額はさほど大きくはないが、秋元氏以外にも捜査の手は及んでおり、さらに広がりを見せるのか注視する必要がある。

 また、「桜を見る会」に続き、政権へのダメージにもなるだろう。
 もちろん、まだ逮捕されただけであり、秋元氏の罪が確定したわけではないのだが、「逮捕された」という事実から生まれる印象の悪さは否定できず、そのマイナスの雰囲気は当然支持率に影響を及ぼすだろう。

 さて、この件はどこまで広がるのか、それとも秋元氏で話は終わるのか。



対中外交 (2019 12/25 10:30)

(社説)習主席来日へ 国賓で迎えるためには(12/24朝日)
 世界で影響力を増す中国と、日本は今後どんな関係をめざすのか。対立でも迎合でもない、複層的で健全な隣国関係を生み出す機会ととらえるべきだ。
 安倍首相と習近平(シーチンピン)国家主席がきのう北京で会談した。今夏の大阪での会談に続き、「新時代にふさわしい関係」(習氏)をめざす姿勢で一致した。
 これまでの計画どおり、来年春に習氏を日本に国賓として招く方針が確認された。国家主席の国賓訪問は08年の胡錦濤(フーチンタオ)氏以来、12年ぶりとなる。
 近年の日中関係の激しい浮沈を考えれば、首脳往来が堅調に進むいまの環境は貴重である。世界第2と第3の経済大国として、国際秩序の安定をめざす大局的な対話を深めたい。
 中国が日本への態度を和らげた背景には、米国との覇権争いがあるのは間違いない。中国経済の伸びが減速していることもあり、日本を引き寄せておく考えに傾いているとみられる。
 巨大市場を持つ中国との良好な関係は日本経済にもプラスだが、習氏来日の際に両国がめざす合意事項は、そうした近視眼的な思惑や融和ムードの演出で終わらせてはならない。
 米中関係次第で揺れるような脆弱(ぜいじゃく)な関係から脱却し、懸案ごとに率直に討議できる関係が築けるかが問われている。
 たとえば中国の開発構想「一帯一路」と、日本のアジア支援とが補完しあうには、どんな調整が必要か。日米の「自由で開かれたインド太平洋」構想との衝突を避ける信頼醸成措置は何が可能か。自由貿易の枠組みを話し合うのも有意義だろう。
 もちろん、そうした論議を詰めるうえで、正面から向き合うべき対立点が多い。
 両国間で根本的に異なる自由と人権、民主主義の原則で、日本は主張を貫くことがすべての前提である。香港と新疆ウイグル問題について、安倍氏はきのう、積極的に懸念を伝えたと日本側は説明している。今後、もし日本側が言を濁すならば、国内外から不信の目を向けられることを忘れてはなるまい。
 そして東シナ海問題である。尖閣周辺では今年、接続海域に入った中国公船が延べ1千隻を超え、過去最多となった。これでは両国関係が「正常な軌道に戻った」(安倍氏)とは、とても言えない。
 日本国内には、さまざまな理由で「国賓」招待を疑問視する声が出ている。日本の世論の対中感情も改善しないままだ。その主な理由はやはり習近平体制の強権体質にある。
 日本の国民が来春、わだかまりなく習氏を歓迎できるか否かは、中身の濃い外交成果が望めるかどうかにかかっている。


 中国の「一帯一路」構想に協力しろとか、健全な隣国関係を生み出せとかといった辺りはいつもの朝日であるが、一方、香港やウイグルの問題、尖閣の問題を取り上げたのは、「あの朝日新聞が」と考えれば評価すべきではあろう。
 ただ、これまでさんざん中国に媚びろというような主張してきたくせに、いざ仲良くなってくると「毅然と主張しろ」というのは勝手だなぁと思わなくもない。安倍批判ができれば何でもいい、ということであろうが。

 中国の世界の中における位置づけを考えれば、国賓待遇で習近平をもてなす意味は非常に大きいと思うが、しかしながら、香港やウイグルのことを考えると、国際的な非難が高まっているこの時期に果たしてプラスに働くのだろうか、という不安は湧いてしまう。天安門事件の後、海部政権下の日本がいち早く中国への制裁を解除し中国よりの姿勢を示して議論を呼んだ、という過去を思い出すと余計にそう感じる。

 ところで。
 中国に媚びる傾向の強かった民主党が与党の時の方が、日中関係は冷え込んでおり、中国に対してどちらかと言えば強硬ではないかと目されていた安倍氏が政権を取って以降の方が日中関係が改善しているというのは、何とも興味深い話ではある。媚びへつらえば巧く行くというわけではない、ということの証左であろう。

 安倍氏は習近平氏に、香港やウイグルについてもきちんと言及したようだが、中国の友好は大切にしつつも、最低限の矜恃は示してもらいたいものである。



恫喝を「激励」と言い訳する原口一博氏 (2019 12/24 10:30)

「僕らが政権なら…真っ先に役所から去ってもらう」国民・原口国対委員長、官僚への“粛清”発言で炎上! 夕刊フジ直撃に「パワハラとの認識ない、激励だ」(12/22ZAKZAK)
 国民民主党の原口一博国対委員長が、首相主催「桜を見る会」追及本部ヒアリングで、官僚を脅迫・恫喝(どうかつ)するような発言をして、その動画がネットで拡散して大騒ぎになっている。発言を聞いていた官僚側だけでなく、合流に向けた協議入りを決めた立憲民主党側にも問題視する声がある。夕刊フジは20日、原口氏を直撃し、真意を尋ねた。
 原口氏の問題発言は17日、国会内で、目の前に居並ぶ内閣府の幹部職員らにぶつけられた。動画は同日、ネット上にアップされた。
 安倍晋三首相主催の「桜を見る会」の招待状が、悪質なマルチ商法で経営破綻した「ジャパンライフ」の元会長に出されていた。原口氏は招待状の「区分番号」をめぐる、官僚側の回答に不満だったようだ。
 しかし、「あなた方から出してくる予算案は一切、認めない」「もし、僕らが政権のときにいたら、真っ先に役所から去ってもらうというリストに入る」といった発言は、度を超えているのではないか。
 政府関係者(官僚側)は「原口氏の発言を聞いた瞬間、『言い過ぎ』『看過できない恫喝だ』と、周囲も言葉を失った。ヒアリングでの回答も、『クビだ』と言われるほど(=懲戒相当)ではなかった。そもそも、公務員を簡単に辞職させることはできない。『精神的に辞職に追い込むつもりなのか…』と怖くなった」と、夕刊フジの取材に語った。
 立憲民主党の中堅議員も周辺に「原口氏の発言はアウトだ。マスコミに騒がれても仕方がないだろう」と語った。
 原口氏の発言動画に対し、ネット上では、《パワハラ、脅迫では》《怖すぎる》《どうしてメディアは問題にしないのか?》などと批判と疑問の声が相次いでいる。
 野党合同ヒアリングは以前にも、何人かの議員が官僚を一方的に大声で責め立てたため、「官僚いじめ」「人権侵害行為」と問題視された。
 今回の発言を、原口氏はどう説明するのか。
 まず、「予算案は一切、認めない」発言について。
 原口氏は「内閣委員会で要請した質問にゼロ回答だった。予算の説明もできないなら、『桜を見る会』周辺の予算は一切認められないという意味。内閣府の予算というのではない」と説明した。
 次に、「役所から去ってもらうリストに入る」発言について。そんなリストが存在するのか。

 ■「政治のレトリック」
 原口氏は「パワハラとの認識の発言ではない。リストもありません」「政治のレトリックで、(彼ら役人への)激励、という意味だ。あくまで彼ら役人の後ろにいる政務三役(=政治家)に向け、『法律違反を官僚の人たちにさせてはいけませんよ』と話しているのだ。われわれは政務三役をあの場に呼んでいるが、逃げるから、代わりに役人さんが盾になっている。統治機構そのものを追及しており、応援してくださる方も多い。間違った税金の使い道を追及し、国益にも大きな役割を果たしている」
 読者の方々は、どう判断されるか。

【国民民主党、原口一博国対委員長の問題発言】
 「あの〜、止めましょ。あなた方から出してくる予算案は一切、認めない! 国会を冒涜している」
 「もしね、あなた方が僕らが政権のときにいたら、真っ先に役所から去ってもらうというリストに入る。脅しじゃないですよ」(首相主催「桜を見る会」追及本部ヒアリング=17日、国会内)


 原口氏曰く「レトリックで、彼ら役人への激励、という意味」だそうな。パワハラ野郎の典型的な言い訳としか思えない。仮に本当にそのような意図で言っていたとしたら、言葉の選び方が根本的に間違っているし、言葉を受け止める側の心情を全く考慮していない、自己中心的な物言いである。

 官僚を「政策を立案・実行するための仲間」としてではなく、「民主党のマニフェストを実現する上での敵あるいは奴隷」と設定したために、民主党政権は立ち往生したという歴史がある。原口氏の発言を見ていると、「官僚は敵、官僚は奴隷」というメンタリティは未だに変わっていないのだなぁ、と寒々しい気持ちになる。与党経験から、全く何も勉強していない。

 ふだん政府与党に対し、「権力のあり方をチェックする」とか言っている野党の面々こそ、権力を横暴に行使しようとする態度を見せることが多い。他者を批判するなら、まず自分の言動を振り返ったらどうか。



予算規模が増えることは悪いことなのか (2019 12/23 10:30)

過去最大の102兆円予算 「身の丈」に合わぬ放漫さ(12/21毎日)
 1000兆円超の借金があるにもかかわらず、税収を大幅に上回る予算をどんどん膨張させる。まさに「身の丈」に合わない放漫財政だ。
 政府の来年度予算案は総額102兆円強と過去最大になった。100兆円の大台突破は2年連続だ。
 来年度のもう一つの特徴は、増税した消費税の税収が20兆円を超え、個別税収では所得税を抜いて初めて最も多くなることだ。税収全体も63兆円台と今年度を上回るという。
 それでも歳出を賄うにはほど遠い。しかも危機的な財政を踏まえると借金返済にできるだけ回すのが筋だ。ところが歳出拡大に使ってしまうため、予算の3割以上も国債に頼る「借金漬け」は変わらない。
 膨張の主因は過去最大の35兆円台に上った社会保障費だ。高齢化による医療費などの増加に加え、安倍政権が看板政策に掲げる幼児・高等教育の無償化費用が大幅に増えた。
 少子化対策の充実は急務だ。ただ無償化の財源は消費増税の税収だ。あれもこれもと歳出を膨らますと財政は立ち行かない。なのに高齢者に配分が偏っている社会保障費の大幅な見直しには踏み込まなかった。
 大盤振る舞いは目白押しだ。典型は消費増税に伴う景気対策である。
 今年度の2兆円に続き、来年度もマイナンバーカード所有者への買い物ポイント還元など1・8兆円を計上した。公共事業も景気対策分を含め7兆円近い高水準を維持した。
 だが政府は増税後も「景気は緩やかに回復している」との認識を変えていない。ならば、ここまで大がかりな対策は不要なはずである。
 消費増税の目的は本来、将来世代への無責任なつけ回しに歯止めをかけることだ。国民に新たな負担を求めた以上、財政を立て直す道筋を明確に示す必要がある。
 安倍政権は高成長による税収増を当てにして、大型予算を編成してきた。だが今年度は法人税収が足りなくなり、2兆円超の赤字国債の追加発行を決めた。歳出抑制の重要性がよりはっきりしたのに、このままでは将来の負担が膨らむばかりだ。
 長期政権が取り組むべき課題は、高齢化と人口減少が進む社会の構造変化に対応できるように財政を立て直すことだ。借金の山という負の遺産を残すのはあまりに無責任だ。


 緊縮財政論者のテンプレートのような文章である。

 「借金のツケを将来世代に回すな」という主張は一見理があるように見えるが、不景気を現出させることによって、現役世代、そして次世代に対して不景気という重荷を背負わせることになるわけで、緊縮財政論者こそ「ツケを将来世代に回そうとする者」であろう。
 だいたい、「膨張の主因は過去最大の35兆円台に上った社会保障費」と書いた上で「傲慢な放漫財政」と述べているが、それは「社会保障費を切り詰めるべき」という主張になることは理解できているのだろうか。社会保障費を切り詰めれば、最も影響を被るのは経済的弱者であるが、普段の「弱者を守れ」という主張とどう整合性を取るのか。

 もちろん、適切な支出が為されているかをチェックすることは必要だが、マスコミや財務省が主張する通りにすれば、社会保障を必要とする弱者にまず悪影響が及ぶし、防衛費が減って中国や北朝鮮の発言力を相対的に大きくしてしまうし、大学への資金援助も細ることになるし、消費が低迷して景気悪化を招きますます税収を減らすことになる。
 社会保障費が膨張するのは避けられない以上、切り詰めよりも景気回復によって税収を増やす以外に道はないのではないだろう(その点でも消費増税は悪手だったのだが)。

 中学や高校の時に勉強した「景気の波」の教育効果が高すぎて、「好景気が来たら必ず不景気が来る」「成長期の後には後退期が来る」という意識が日本人には強すぎるのではないかと思うことがある。実際には、波はありつつも長期的には成長し続けているのが多くの国の状況なのだが、どうも日本には「成長意志続けることはあり得ない」という意識が根強く浸透しているように感じる。まさにそれが、デフレマインドと呼ぶべき物であるが、アベノミクスを経てもそれはなかなか払拭されない。

 2度の消費増税がなかったら今ごろ景気は……と考えると、安倍政権の経済政策は、完全にプラマイゼロ、いや一度上げた消費税を元に戻すのは至難の業であろうから、将来に禍根を残したという意味ではマイナスですらある。



近視の子供が増加 (2019 12/21 10:30)

視力「1.0未満」の子ども 過去最多、スマホ以外の原因も(12/20TBS)
 子どもの視力低下が止まりません。裸眼の視力が学校生活に影響があるとされる「1.0未満」の子どもが、過去最多となったことが文部科学省の調査で明らかになりました。
 「(Q.いつごろから眼鏡をかけている)保育園の年長から。裸眼だと0.03とか」
 「携帯電話は結構いじってます。(Q.1日どれくらい)4時間くらい」
 子どもの視力は年々悪化しています。都内の眼鏡店に並ぶ、これらの商品はすべて子ども用の眼鏡です。およそ4年前から子ども用の商品にも力を入れています。
 「以前に比べて、目に関しての意識を非常に高く持った保護者が増えているなと感じます」(JINS 広報PRマネジャー 信田広美さん)
 文部科学省の調査で、裸眼視力が「1.0未満」の子どもの割合が過去最多になったことが分かりました。その割合は高校では67.6%に上り、小学生でも34.6%と、3人に1人以上が「1.0未満」という結果に。文科省は、スマホを近くで見ることなどが原因と分析していますが、専門家は、さらに別の問題点を指摘しています。
 「スマホだけが原因じゃないんですよ。一番の要因は、外遊びが足りなくなった。屋外で子どもたちが時間を過ごさなくなった」(慶応義塾大学医学部 坪田一男 教授)
 子どもの外遊びの時間が少なくなったことが視力低下を招いているというのです。慶応大学の坪田教授らの研究チームは、太陽光に含まれる光“バイオレットライト”に近視の進行を抑制する働きがあると注目していて、視力低下を防ぐために外遊びを推奨しています。文科省も、どのような生活習慣が子どもの視力低下に影響しているのか調査していて、今後、対策を検討していくとしています。

 近視については、スマホの普及で増えてきているとか、いや目の酷使よりも遺伝要素の方が影響大だとか、進行の原因についてはいろいろ学説があるらしいが、ともかく近視の子供が増えているという事実は確かである。

 私も、小5か小6の頃、ドラクエ3にハマっていた時期に、そのせいなのか偶然その時期に当たっただけなのかは不明だが、左目の視力が1.5から一気に0.5に下がった。ちなみに右目は1.5のまま。
 仮にドラクエのせいだったとしても、後悔は全くしていない。視力を損なってでもハマる価値のあるゲームだった。

 視力低下はその後も進み、現在は両目とも0.05以下。乱視もあるし、最近は老眼も少し出始めており、近視だわ乱視だわ老眼だわで、私の目は踏んだり蹴ったりである。

 まぁ常に眼鏡をかけている生活を30年ほど続けてきて慣れてるので、不便さを感じることはあまりないが、眼鏡が存在しない時代に生きていたら重度の障碍であろうなぁとは思う。眼鏡をかけていないと、30cm前のPCのモニターすら文字を読むことが不可能。眼鏡様々である。

 強度の近眼だと網膜剥離になる可能性が高いと聞いており、それだけが少し不安である。



伊藤詩織氏勝訴に関する雑感 (2019 12/20 10:30)

(社説)伊藤氏の勝訴 社会の病理も問われた(12/20朝日)
 ジャーナリストの伊藤詩織氏が元TBS記者山口敬之氏を訴えた裁判で、東京地裁は「酒を飲んで意識を失った伊藤氏に対し、合意のないまま性行為に及んだ」と認め、330万円の賠償を命じる判決を言い渡した。
 山口氏は準強姦(ごうかん)容疑(当時)で告訴されたが、嫌疑不十分で不起訴となった。刑事事件では検察側に厳格な立証が求められるが、民事裁判では両者の言い分のどちらがより確からしいかが判断される。地裁は、合意があったとする山口氏の主張を、「重要部分が不合理に移り変わり、客観的な事情に合致しない点も複数ある」と退けた。
 山口氏は控訴を表明したが、判決後の記者会見で見過ごせない発言があった。自らが話を聞いたとする「本当の(性犯罪)被害者は会見で笑ったりしない」という女性の声を紹介し、身の潔白を訴えたのだ。
 苦しみを抱え込み、下を向いて生きていくのが被害者の正しい姿だ、と言うに等しい。こうしたゆがんだ認識が、過酷な傷を負いながらも生きていこうとする人々を、追い詰めてきたのではないか。
 勇気をふるって告発すると、「あなたにも落ち度があった」などと責められ、二重三重に傷つく。性暴力を受けた人は、その体験に加え、声を上げることの難しさにも苦しんできた。
 その呪縛を断ち切り、被害をなくしていこうという動きが、世界各地で広がる。代表が「#MeToo」運動だ。国内ではことし、性犯罪をめぐる無罪判決が相次いだことへの批判をきっかけに、泣き寝入りせず性暴力に抗議する「フラワーデモ」が始まり、いまも全国に波及し続けている。伊藤氏が氏名と顔を明らかにして行動したことが、多くの被害者の背中を押したのは間違いない。
 この間(かん)、伊藤氏にはネット上などで異常な攻撃が加えられた。政権寄りの論者らが、安倍首相を取材した著作のある山口氏の応援にまわり、右派系雑誌には、伊藤氏の人格をおとしめる記事が掲載された。
 これに対し判決は、「伊藤氏は性犯罪の被害者を取り巻く法的・社会的状況の改善につながると考え、自身の体験を明らかにした」と述べ、その行動には公益を図る目的があったと認めた。名誉毀損(きそん)だという山口氏の主張は退けられた。
 曲折を経ながらも性犯罪に向けられる目は厳しさを増している。罰則を強化する改正刑法がおととし成立し、さらなる見直しの議論が進む。相談・支援態勢も強化されてきている。この歩みをより確かなものにし、被害者の尊厳を守る。私たちの社会が背負う重要な課題である。

 交際で判断が変わってくる可能性もあり、裁判の結果についてはここでは云々しない。

 まず、山口氏について。
 山口氏の主張が正しいとしても、そして山口氏の行為は法的に何ら問題が無いとしても、酒の勢いで+社会的に上の立場で…という時点で個人的な感情としては、嫌悪感を催す。だいたい、泥酔した状態で相手が合意したか否かが判然としない状態では、その気にならない物だと思うのだが……まぁ自身の性欲優先の人もいるということなのだろうが、私はまったく共感できないし、擁護する気にはなれない。

 そして、伊藤氏を応援している人達。
 彼ら・彼女らは、同じようにセクハラ行為を働いたとされる鳥越俊太郎氏が東京都知事選に出たとき、森友学園問題を追及していた菅野完氏の女性暴行疑惑について、反原発活動家の広河隆一氏の性暴力に関して、あるいは今般の立憲民主党の初鹿氏の猥褻疑惑について、同様に批判の声を上げていただろうか。むしろ、鳥越氏を応援したり、広河氏や初鹿氏の件には沈黙を守ったり、菅野氏と共闘して政権批判をおこなっていた者ばかりではなかったか。
 山口氏が安倍政権に近いということを主な理由として、伊藤氏を応援していたというのが本音ではないか、と邪推してしまう。性被害者の人権を守ろうと活動しているのなら、被害者や加害者の属性に関係なく、主張の筋を通すべきではないのか。
 「反安倍であることが何よりも最優先」になっている者ばかり、というように感じる。

 MeToo運動も、反原発も、環境問題も、政権批判の道具として消費され、国民の共感を得られずに衰退していく、本当に救われねばならない人達は忘れられてしまう、という流れが繰り返されているように思う。社会問題は、左巻きたちの遊び道具ではない。



問題点を理解できないで他者を腐す人 (2019 12/19 10:30)





 あまり同業者の批判をしたくはないと思っているのだが(「入試改革」推進の安河内氏に対しても、その実績を認めた上で主張を批判している)、この人に関しては別。他の著作や授業内容を批判し「自分の教え方が正しい」というのを前面に押し出しすぎだし、既に多くの人が本に書いている・主張しているようなことについて、「私が初めて本で書いた」というようなウソを平気でばらまける人種なので、私にとっては強い嫌悪の対象である。

 今回引用したツイートに関しても、この人の底の浅さが如実に露呈している。たしかに「どんな問題形式でも動じないような実力を身につけさせる」のが我々の仕事であるが、今回の所謂入試改革においては、実力が公正に測られないという問題があった。都心と地方の格差、経済的な格差が、今まで以上に広がるような形式であったし、採点が公正におこなわれる保証も無かった。「問題形式」の問題では済まなかったのだ。
 そうした問題点を認識していたからこそ、多くの人は「入試改革」を批判していたのだし、止めようと動いていたのだ。それに対し「ガタガタ言うな」とは、いったい何様のつもりなのか。

 民間試験導入や記述式問題の問題点を理解してもいない、あまつさえその問題点を批判し止めようと動いてきた人間を腐すような人間は、受験業界に関わってほしくない、というのが正直なところだ。



記述式問題の見送り決定 (2019 12/18 10:30)

記述式問題 導入見送り発表 萩生田文科相(12/17NHK)
 大学入学共通テストでの記述式問題について萩生田文部科学大臣は「受験生の不安を払拭(ふっしょく)し、安心して受験できる体制を早急に整えることは現時点では困難だ」と述べ、当初予定していた再来年1月からの導入を見送ることを発表しました。
 国語と数学の記述式問題の導入にあたって萩生田文部科学大臣は記者会見で、実際の採点者が決まるのは来年秋から冬になることや採点ミスを完全になくすことは期待できないこと、採点結果と受験生の自己採点の不一致を格段に改善することは困難だなどと説明しました。
 そのうえで、「受験生の不安を払拭し、安心して受験できる体制を早急に整えることは現時点では困難だ」と述べ、当初予定していた再来年1月からの大学入学共通テストへの導入を見送ることを発表しました。
 そして、記述式問題の今後の扱いについては「期限を区切った延期ではない。英語の民間試験と違い、全くまっさらな状態から対応していきたい」と述べました。
 また、萩生田大臣は「共通テストに向けて勉強している受験生や保護者、教師をはじめ関係者の皆さんには、ご迷惑をおかけする結果となりまことに申し訳なく思うが理解してほしい」と述べました。
 一方で、論理的な思考力や表現力を評価する記述式問題の役割は重要だとして各大学の個別試験では記述式問題の積極的な活用を要請する考えを示しました。
 また、みずからのもとに新たな会議を設け、英語の民間試験のあり方とあわせて記述式問題の充実策を検討する考えも示しました。
 そして、萩生田大臣は「誰か特定の人の責任でこうした事態が生じたわけではない。現時点では私が責任者なので、私の責任でしっかり立て直しをしたい」と述べました。
 大学入学共通テストをめぐって文部科学省は英語の民間試験の導入延期を発表していて、大学入試改革の2つの柱の実施が見送られることになりました。


 当然のことではあるし、見送りの憶測は既に出ていたのだが、実際に確定すると、やはり嬉しいものである。準備を進めていた塾や予備校、高校生は大変だとは思うが、問題山積のまま特攻するよりは遙かにマシであろう。

 現文部科学大臣と言うことで萩生田氏が矢面に立たされてしまっているが、責任重大なのは、萩生田氏よりも、問題を指摘されながらも耳をふさいで無理を通してきた歴代の文科相である。野党の働きかけや、支持率を気にする政府の意向などの要素はもちろんあったろうが、最終決断した萩生田氏はやはり評価したいと思う。批判意見に全く耳を傾けなかった元文科相の柴山や下村のような面々に比べたら雲泥の差である。

 今回は「見送り」ということであるが、「中止」に至るまで、気を緩めるわけにはいくまい。これからも、所謂「入試改革」の動きは注視していこうと思う。

 大学入試関連で、ついでにこれ。

孫会長、大学入試改革に喝「AIの入試科目化を」(12/17朝日)
 英語の民間試験や記述式問題の採否で揺れる大学入試。改革するなら、AI(人工知能)を科目に入れたらどうか――。ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長が17日、東京都内での講演でこう持論を展開した。世界中でAI投資を加速している孫氏には、AI人材が不足するとされる日本への危機感があるようだ。
 SBG傘下の投資ファンドを通じ、金融、交通、不動産などの分野でAIを活用した世界の新興企業に投資を重ねる孫氏。この日は日本の社会課題として高齢者による交通事故と、増え続ける医療費を挙げ、AIを使った自動運転やDNA解析などで解決すべきだと訴えた。
 その上で「教育も問題だ」と、AI研究で世界に後れを取っていると危機感をあらわにした。「AIのことをきちんと理解できる能力は致命的に重要」として、挽回(ばんかい)のためにAIの入試科目化が必要との考えを表明。「日本の学生はよく勉強するが、言わなければ勉強しない。そう(入試科目に)すれば日本の学生は必ず追いつける」と強調した。
 「研究者や科学者を米国や中国から呼ぼう」。孫氏はこうも呼びかけた。SBG傘下の携帯電話大手ソフトバンクには東京大学とAI研究所を設立し、10年間の活動資金として200億円を提供する計画もある。(井上亮)


 何でもかんでも「大学入試に絡めれば何とかなる」という短絡思考は、もういい加減にしてもらいたい。要するに、企業で教育すべきことを高校におっ被せて美味しい上前だけはねようという魂胆であろう。浅ましいことこの上ない。



初鹿氏が強制猥褻容疑 (2019 12/17 10:30)

タクシーで知人女性にわいせつ行為、容疑で立憲民主党の初鹿衆院議員を書類送検 警視庁(12/16産経)
 平成27年5月にタクシーの車内で知人女性にわいせつな行為をしたとして、警視庁葛西署が強制わいせつ容疑で、立憲民主党の初鹿明博衆院議員(50)を書類送検していたことが16日、捜査関係者への取材で分かった。書類送検は10日付。調べに対し、容疑を否認しているという。
 捜査関係者によると、27年5月、東京都内を走行中のタクシーの車内で、同乗していた知人女性にキスを迫り、わいせつな行為をした疑いが持たれている。女性は今年に入り、同署に刑事告訴していた。
 29年に週刊誌でこの疑惑を報じられ、記者団の取材に対し「強制わいせつに当たるような行為をした記憶はない」と説明。立憲民主党は報道を受け6カ月の役職停止処分としていた。


 初鹿氏は、以前にも似たような事案を引き越している。2016年12月、20代の舞台女優と食事をしたのち、その女性をラブホに連れ込もうとしたことが週刊新潮に報じられた。週刊新潮の記者に取材に対し「みんな奥さん以外に捌け口を求めていると思うよ」と発言して批判を受け、民進党青年局長を辞任した。

 多少の不祥事をねじ伏せるくらいの政治家としての実績があればまだしも、初鹿氏には実績と言えるような実績はまるでないし、そもそも性犯罪行為をはたらいたのなら「不祥事」というレベルではなく擁護のしようがない。

 立憲民主党は筋を通した対応ができるのかどうか。現時点では、福山哲郎氏が「捜査を見守る」と述べているに過ぎないようだが、容疑が事実であれば「再犯」であり、厳しい対処が求められよう。

 さて、確たる証拠もないのに県議だけで政府や与党を叩いてきた面々は、この件に対してはきっちり批判をしているのだろうか。とりわけ、不起訴になった山口敬之氏を批判し伊藤詩織氏を応援していたような面々。



期待できぬ野党合流 (2019 12/16 10:30)

立民・国民の合流「期待せず」55%…読売世論調査(12/15読売)
 読売新聞社が13〜15日に実施した全国世論調査で、旧民進党から分裂した立憲民主党と国民民主党が合流を目指す動きについて聞くと、2党の合流に「期待する」は30%で、「期待しない」55%の方が多かった。


 支持率・議員数から考えれば立憲民主主導になるわけで、無責任な万年野党路線の立民主導で、いったい何を期待できようか。
 立憲民主党、というか、玉木氏が中心になって野党共闘が進めば、政策中心になる可能性も出てきてそれなりの期待は示せるのだが、玉木氏はむしろ蚊帳の外のような状況で、期待する30%の人の考えが全く理解できない。

 「桜を見る会」に関するマスコミのネガティブ報道で(切り貼り印象操作に手を出したり、まともな報道ではない)、自民党や安倍政権への支持が減ることはあっても、野党に対する支持が増えることはないだろう。政治ではなく政局を優先する有象無象に対して、国民がそれほど寛容になれるはずもない。

 「合流して分裂」を何度も繰り返していることを思い出すに付けても、「今回は違う」という部分が全くない以上、「いい加減にしろ」としか思えない。


稲田氏の功績 (2019 12/16 10:30)

寡婦控除、未婚ひとり親へ拡大 稲田氏動き、自民一変 女性中心、賛同130人超(12/13毎日)
 公明党が近年の税制改正で自民党に求め続けていた「未婚のひとり親」支援の制度が、12日に自公両党が決定した2020年度税制改正大綱に盛り込まれた。伝統的家族観を重視する自民保守派や重鎮が「未婚の出産を助長しかねない」と退けていたが、今回は自民内で稲田朋美幹事長代行ら女性議員が「子供は等しく支援すべきだ」と声を上げ与党内の構図が一変した。【飼手勇介】


 自民党支持の私としても、稲田氏に対しては良いイメージが全く無い。空虚な保守思想と、下手な答弁、大臣としての管理能力の無さばかりが印象に残っている。

 しかし、この件に関しては高く評価せねばなるまい。稲田氏が伝統的家族観を重視する議員たちを説得し、安倍総理をも動かして、未婚のひとり親に対する控除の実現に漕ぎ着けた。
 野党議員は「反対!」とギャーギャー喚くだけで何の対案も出さず、きちんと根回しをして政策を練り上げると言うことができない議員ばかり。稲田氏は、各方面に働きかけて一つの法案を成立させるという実績を上げただけでも、多くの野党議員よりも遙かに「仕事のできる政治家」と言える。



印象操作を好き勝手にやりたいらしい (2019 12/14 10:30)



 メディアの人間が世耕氏の抗議に対して「民放が萎縮する」と危惧しているのだが、要するに「切り取り印象操作報道をのびのびとやりたい」という堂々たる宣言としか読み取れないのだが…。

 本当に「印象操作を好きにやりたい」と思っているのか、あるいは、自分たちは正しい報道をしていると本気で思い込んでいるのか。前者ならクズだし、後者なら間抜け。いずれにせよ害悪でしかない。

 マスコミ人士の一般人との意識の乖離は、絶望的なレベルである。



報ステの切り貼り印象操作報道 (2019 12/13 10:30)

「報道ステーション」世耕弘成氏VTR編集を謝罪「誤解を招く表現」「説明が丁寧では…」印象操作の批判に(12/11スポニチ)
 テレビ朝日の看板報道番組「報道ステーション」(月〜金曜後9・54)は11日の生放送内で、自民党の世耕弘成参院幹事長に関する前日10日のVTR編集について「世耕氏の『良いお年を』は桜を見る会とは直接関係のない発言。説明が丁寧ではなかった」「誤解を招く表現」と謝罪した。世耕氏は10日夜、自身のツイッターで「今夜の報道ステーションの切り取りは酷い。印象操作」と報ステのVTR編集を批判していた。
 メインキャスターの富川悠太アナウンサー(43)が「昨日、桜を見る会のニュースの中でVTRの最後に、自民党の世耕参院幹事長が『良いお年を』などと発言した様子をお伝えしました。これは定例記者会見が終わった後の世耕氏の発言で、今後の会見予定について述べたものでした。桜を見る会とは直接関係のない発言で、放送ではその説明が丁寧ではありませんでした。誤解を招く表現につきまして、世耕氏並びに視聴者の皆さまにおわびいたします」と説明、謝罪した。

 問題となったのは、番組開始30分頃からの「桜を見る会」のニュース。政府は10日、「(招待者名簿のデータを)復元することは考えていない。(公文書をすべて)デジタル化し、永久保存管理すべきとは考えていない」「(招待客として問題視された)反社会的勢力はその形態が多様であり、社会情勢に応じて変化し得るものであるから、限定的・統一的な定義は困難だ」とする2つ答弁書を閣議決定をしたと報じた。
 立憲民主党・枝野幸男代表の「桜を見る会問題について、安倍総理は一言も何の説明もしていない」、共産党・小池晃書記局長の「私は今度は逃げ切れないと思いますよ。将棋で言えば完全に詰んでいる」という野党コメントを挟んだ後、菅義偉官房長官の「国民の皆さんに説明しきれない問題点が指摘されているわけですから、そこを中心に理解を頂けるような対応を取っていきたい」という記者会見映像を流した。
 そして「ただ政権幹部とは対照的に、与党内は早くも“年越し”ムードが」のナレーションの後、世耕氏の「(総理は)説明できる範囲はしっかり説明をした」「(石井準一幹事長代理の「年内の定例会見はいつまでやるんですか?」に)えっ?もう『良いお年を』というか…(笑)」という記者会見映像が続いた。
 スタジオに画面が切り替わり、メインキャスターの徳永有美アナウンサー(44)はVTRを受け「これだけ納得できないという声が上がっているのに『良いお年を』迎えられませんよ、という気持ちになってしまうんですけれども」とジャーナリストの後藤謙次氏(70)に水を向けた。
 後藤氏の「今日の閣議決定で、もう打ち止めだということを言いたいんでしょうね。しかし、そうは問屋がおろさないということだと思います」などというコメントの後、徳永アナは「年は簡単には越せないですし、年を越しても忘れたくないですね」と締めた。
 一連の放送の後、世耕氏はツイッターで「今夜の報道ステーションの切り取りは酷い。私は定例記者会見が終わった後、今日の会見が今年最後になるかもしれないという意味で『良いお年を』と言っただけなのに、それを桜を見る会をと絡めて、問題を年越しさせようとしているかのように編集している。印象操作とはこのことだ」「今日の世耕の会見の『総理は十分説明した』というコメントと、会見終了後に今年最後の会見の可能性があるので『良いお年を』と言ったことは時間的にも、文脈的にもつながっていない。なのに報道ステーションは『総理が説明したから、良いお年を』という風につなげて編集している。印象操作」などと当該シーンの動画もアップするなど“怒りの4連続投稿”。
 一夜明けた11日も、ツイッター「昨夜の報道ステーションで取り上げられた、私の定例記者会見の正確な流れをお伝えしておきます。朝日新聞から桜を見る会について質問があり、私が応答(この部分が報ステの私の前半映像)後、憲法、解散、NHK人事、宿舎家賃等7問の質問と応答があった。その後、司会役の石井幹事長代理が『他にありませんね。特にないようですので、これで記者会見を終了といたします。ありがとうございました』と宣言。私と末松国対委員長が『ありがとうございました』と挨拶して会見が正式に終了。その後は私、末松委員長、石井代理と記者の雑談(何とカメラは回っていた)。石井:(記者会見を)いつまでやるのですか、私:もうよいお年をというか…来週はある?記者:記者懇は?私:まだ決めていない(その後は略)。お分かりいただけるように、脈絡の異なる話を無理につなげて編集し、しかも後段は会見終了後の映像を使用している。酷い編集だ」と説明。再度、報ステの編集を批判した。


 明らかに、切り貼りによる印象操作報道であり、「捏造」と非難されてもしかたないような卑劣なやり口である。

 しかも、日頃は、失言した政治家が「誤解を招いたとすればお詫びする」と言えば「誤解なんかしていない!」「本音が出た!」と非難しているくせに、自分たちが責められると同様に「誤解を招く表現があった」と臆面も無くほざく。少しでも疚しさを感じたりしないものなのか。

 左巻きの方々、そして原口一博氏や蓮舫氏のような野党議員までもが、世耕氏の報ステへの抗議を「言論弾圧」と表現している。明確な間違い、悪意あるねじ曲げに対して抗議するのは当然のことであろう。切り取りで事実をねじ曲げるような報道をする自由など存在しないし、事実のねじ曲げは我々の知る権利の侵害にもなるもので、決して許してはならない。

 「報道の自由」「言論の自由」を盾に、好き放題にやり過ぎである。「社会の木鐸」と自称するならば、最低限の筋は通すべきではないか。



子供を利用する大人たち (2019 12/12 10:30)

“第2のグレタ”さん登場 8歳少女がCOP25で熱弁(12/10テレビ朝日)
 気候変動対策に関する国際会議「COP25」の閣僚級会合が始まりました。その一方で、会場の外には「第2のグレタさん」と呼ばれる8歳の活動家が現れました。
 ドイツの環境活動家・ゾゾさん、8歳。スペインの首都マドリードの街灯に上って抗議活動です。最後は警察に強制的に下ろされましたが、地球温暖化に警鐘を鳴らす姿勢はアピールできたようです。
 環境活動家(ドイツ)・ゾゾさん:「時間はありません。あと8年で気温が1.5度上がります。政治家が無意味な言葉で時間を無駄にする間に人々は死に家を失うのです」
 ヨーロッパでは環境への意識が高まっています。スペインで開かれている地球温暖化対策を話し合う国連の会議「COP25」にはスウェーデンの16歳の環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんも参加しています。環境保護活動の象徴的な存在となったグレタさんは、地球温暖化による被害の実情を訴えて早く対策を講じるよう世界の指導者たちに呼び掛けています。
 閣僚級会合の1日目が始まり、小泉進次郎環境大臣が出席しました。会合では地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」が来年から本格的に実施されるのを控え、温室効果ガスの削減目標を引き上げるかなどが話し合われます。
 小泉環境大臣:「まずは石炭の批判から逃げないということですね。やはり、ここの部分が日本にとっては、いくら前向きな取り組みをPRしても覆われてしまうという、そういった現状を打破したい」
 石炭は安定供給や経済性の面で優れている一方、加速する地球温暖化の原因とされる二酸化炭素を排出。石炭火力発電を推進している日本への風当たりは強くなっています。そのなかで日本の取り組みをいかにアピールできるか。小泉環境大臣の手腕が問われています。


 こういうのを見ると、「子供なのに偉いなぁ」とは到底思えず、裏で糸を引いて操っている醜い大人の影に強い嫌悪感を催す。本人は、周囲の大人が吹き込んだことを信じ込んでいるだけであり、子供を「主張の道具」として利用する輩に対しては、最大限の侮蔑の念を抱く。

 もちろん、子供がいろいろ興味を持って勉強したり意見を持つのはいいのだが、公の場で活動させて主張の責任を負わせるのは違うのではなかろうか。周囲の大人としては、「子供だから批判しづらいだろう」と、子供という属性を盾にして主張を押し通せると思っているのだろうが、そのあざとい思惑も限りなくクソである。

 ちなみに、主張内容は愚にも付かない綺麗事であり、現実の人々の生活や企業努力、各国の努力を完全に無視しているのみならず、「自分は正義」と酔いしれている傲慢さもあり、まったく話にならない。だいたい、最大のCO2排出国である中国への批判が全く無いのが何とも気持ち悪い。
 子供だろうが、おかしな言説は批判するのみ。言論の場では、弱者保護もクソもない。それが、相手を対等に扱う公正な姿勢だ。



死んでるのはどっちだか (2019 12/11 10:30)

「お前はすでに死んでいる」 野党が街頭で桜を見る会疑惑を追及(12/10産経)
 立憲民主、国民民主、共産などの主要野党は10日、東京・有楽町で街頭演説会を開き、安倍晋三首相主催の「桜を見る会」をめぐる疑惑を取り上げた。立民の福山哲郎幹事長、共産の小池晃書記局長らが集まり、国会閉会後も政権を厳しく追及する姿勢をアピールした。
 「内閣不信任決議案を出して(数の力で)あっさり否決され、(政権側に)『信任された』とドヤ顔で言われるようなことはしたくない。桜を見る会の追及を途中で終わらせるわけにはいかない」
 立民の福山氏は、9日に閉会した臨時国会で不信任案を出さなかった野党側の対応は正しかったと訴えた。また、桜を見る会の疑惑追及だけでなく、大学入学共通テストの英語民間検定試験の導入延期などを野党の成果として宣伝することも忘れなかった。
 共産の小池氏は漫画『北斗の拳』の主人公の決めせりふを使って、安倍政権に「お前はすでに死んでいる」と通告。また、社民党の福島瑞穂副党首は、桜を見る会が首相によって私物化されているとして、「安倍首相の、安倍首相による、安倍首相のための、安倍首相を見る会だ」と強調した。
 現場では野党の姿勢に共感した聴衆から5000円の寄付が寄せられる“サプライズ”もあった。司会を務めた立民の黒岩宇洋(たかひろ)国対委員長代理は「われわれは安倍政権と違ってムダ遣いはしない。これで1枚でも多くのチラシを作っていきたい」と述べ、追及の財源として使う決意を表明した。
 野党は約40分間にわたり政権批判を展開したが、平日のランチタイムと重なったためか、立ち止まる人は少なかった。(千田恒弥)

 「お前はすでに死んでいる」ねぇ……「安倍氏」と断末魔の「あべし!」をかけた表現ということであれば、少しは評価しようとは思うが。実際に支持率的に「すでに死んでいる」のは野党の方であろうに。

 政府も、桜を見る会の正体の仕方について見直すと言っているし、名簿などの文書管理のあり方についても改善すると明言していた。前夜祭の問題やシュレッダーにかけた日時の問題についても、安倍総理の説明で筋は通っているし、ジャパンライフの会長が出席していたのは2015年で、行政処分が出た2016年より前のことなので、攻め手としては弱い。
 足りないことがあるとすれば、国民に対する明確な謝罪であろうか。観桜会のあり方や文書管理のあり方について非を認め、改善の行程を明確に国民に説明することは必要だろう。

 しかし、これが内閣の退陣に当たる問題化と言えば、そうとは思えない。実施している政策が概ね誤った方向性にない限りは、手続き上の問題で政権をひっくり返すのは不利益が大きすぎる。
 ゆえに、野党が倒閣を目標に騒いでいるのは、建設的な行動とは思えない。具体的な改善プランを提示した方が、よっぽど国益に適うし、国民からの理解も得られよう。今のような馬鹿騒ぎを続けていては、結局「問題改善」よりも「政局にしたいだけ」にしか見えない。



改憲もいいけど景気と拉致も (2019 12/10 10:30)

改憲「私の手で成し遂げる」 時来れば解散断行―「桜」全般的に見直し・首相会見(12/9時事)
 安倍晋三首相は9日、臨時国会閉幕を受けて首相官邸で記者会見し、憲法改正について「決してたやすい道ではないが、必ずや私の手で成し遂げたい」と述べ、2021年9月までの自民党総裁任期中の実現に強い意欲を示した。また、衆院解散・総選挙に関し、「国民の信を問うべきときが来たと考えれば、断行することにちゅうちょはない」と表明。首相主催「桜を見る会」については全般的な見直しを進めると改めて説明した。
 首相は臨時国会で国民投票法改正案の審議が進まなかったことを「誠に残念だ」と振り返りつつ、改憲について「国民的関心は高まりつつある」との認識を表明。その上で「来る通常国会の憲法審査会の場で憲法改正原案の策定を加速させていきたい」と述べ、来年1月召集の通常国会で発議に向けた与野党の調整に入りたい考えを示した。
 首相は「国のかたちに関わる大改革に挑戦し、新たな国造りを力強く進める。その先に憲法改正がある」とも強調した。

 憲法改正も重要ではあるが(いい加減9条は改正すべきだろう)、消費増税で冷え込んだ景気の回復と、拉致問題の解決についても、言及して強い決意を述べて欲しかった。

 安倍晋三という人物に最も期待していたのは、景気回復と拉致事件の解決であった。他の政策ならば、他の人にも代わりが効く面があるが、ほとんどの人が緊縮財政派である以上景気回復については安倍晋三に期待するほかないし、拉致事件解決についても、最も期待できる人物は安倍晋三以外にいない。
 消費増税をしたことで、景気に関して安倍晋三への支持の思いはかなり弱まった(雇用環境を劇的に改善したという実績は決して色褪せないが)。しかし、拉致問題に関しては、安倍晋三以外に期待のできる人物が思いつかない。彼が解決できなければ、他に誰が解決できるだろう、と思わずにはいられない。

 しかしながら、第2時政権が成立して以降、安倍総理が拉致事件の解決に努力しているようには、私の目には映らない。3期目で終わりと決めているのなら、やれることは何でもやるような姿勢で取り組んで欲しい物だ。



皇后陛下が誕生日 (2019 12/9 10:30)

雅子さま「国民の笑顔が大きな支え」 誕生日に感想(12/9朝日)
 皇后雅子さまが9日、56歳の誕生日を迎え、宮内庁を通じて感想を文書で公表した。5月の天皇陛下の即位以降、多くの国民から祝意を寄せられたことに「心から感謝しております」とつづった。
 皇后さまは、5月の即位を祝う一般参賀や、11月の即位パレード「祝賀御列(おんれつ)の儀」などの際、多くの国民から「思いがけないほど本当に温かいお祝いを頂きました」と振り返り、「嬉しく、またありがたく思いながら過ごしてまいりました」と明かした。「各地で出会った沢山(たくさん)の笑顔」が「かけがえのない思い出として心に残り、これからの歩みを進めていく上で、大きな支え」だという。
 一方で、心が痛むこととして、今年、台風をはじめとする災害で多くの犠牲が出たことを挙げ、被災者に「安心できる生活が一日も早く戻ることを心から願っております」と案じた。
 国内の貧困や子どもの虐待をめぐる問題、プラスチックゴミなど環境問題のほか、世界の紛争についても言及し、アフガニスタンで医師の中村哲さんが命を落としたことを「とても残念」とつづった。
 今後については「天皇陛下のお務めの重さを常に心にとどめ」、健康の一層の回復に努めながら、「国民の幸せに力を尽くしていくことができますよう努力してまいりたい」と記した。(長谷文、中田絢子)

 適応障害に苦しんでこられた雅子様が、皇后陛下となられてからは精力的に活動なされており、正直、ホッとしている。「立場が人を育てる」という面があるのはよく言われることであるが、不遜かもしれないが、雅子妃殿下にもそういう面があったのだろうかと推測申し上げる次第。

 ただ一方で、立場上無理をなさってはいないかとも考えてしまう。もしかしたら「目前に存在する果たさねばならぬ役目を一生懸命に果たしている」という状態であるならば、その張り詰めた糸がぷつんと切れた場合に大丈夫であろうかとご心配申し上げる気持ちにもなる。どうかご無理をなさらずにできる範囲で頑張っていただきたいと思う。

 しかし……
 皇后陛下だけでなく、上皇陛下、愛子様と佳子様もお誕生日は12月。秋篠宮殿下は11月30日。ただの偶然であろうが、後続の誕生日ラッシュという印象。



消費増税後の消費落ち込み (2019 12/7 10:30)

消費落ち込み、前回増税より大きく 10月支出5.1%減(12/6日経)
 総務省が6日発表した10月の家計調査によると、2人以上の世帯の消費支出は1世帯あたり27万9671円だった。物価変動の影響を除いた実質で前年同月に比べて5.1%減った。マイナスは11カ月ぶり。落ち込み幅は5%から8%に消費税率を上げた後の2014年4月(4.6%減)より大きかった。増税前の駆け込み需要の反動に台風の影響も重なった。
 費目別でマイナスの影響が大きかったのは3.9%減の食料だ。軽減税率の対象ではない外食や酒類などで落ち込みが目立った。交通・通信は6.3%減となり、通勤や通学の定期代、タイヤなど税率が上がる前の9月に駆け込み消費がみられた品目で反動減が鮮明になった。
 家電を含む家具・家事用品は16.3%の大幅減となった。電気冷蔵庫や電子レンジといった耐久財のほかに洗濯用洗剤、トイレットペーパーなど買い置きのできる品物が顕著に減った。保健医療で紙おむつ、コンタクトレンズ洗浄液、栄養剤なども落ち込んだ。
 消費増税前後の変化を一時的なブレを除いて比べるため、増税前の1年間の平均の消費支出を100とする指数でみるとこの10月は95.6。前回の消費増税時の14年4月は95.3。今回はキャッシュレス決済でのポイント還元やプレミアム付き商品券など消費の変動をならす様々な対策を打ったが、少なくとも単月では効果が見えにくかった。
 ただ、今回は天候要因も無視できない。台風でそもそも店舗が営業できず、来客が減った影響もあるためだ。消費増税前の駆け込みとその後の反動の程度や消費の基調は読みにくい面がある。総務省の担当者は「今の時点で確たることは言えない。この流れが今後も続くのかどうか注意して見ていきたい」と語った。
 14年は4月に4.6%減った後、5月も8.0%減と落ち込むなど前年割れが消費増税後に13カ月も続いた。世界経済の減速で外需に頼れない状況で、内需の柱である個人消費の低迷が長引くようだと景気の下押し圧力が高まる。政府は5日に景気の下支えも狙った経済対策をまとめた。今後の消費の動向が日本経済のカギを握る。


 ポイント軽減とか軽減税率とか、対策をあれこれ打ったのに、結果はこの数字。もちろん、台風が重なったこともあるので「全てが増税の影響」と断言することはできないし、今後の動きを追跡していく必要はあるが、それでもかなり深刻な数字だと思う。

 11月以降盛り返していれば多少安心できるのだが、そこでも厳しい数字だった場合、今後の景気動向に不安を覚えずにはいられない。多くの人が「増税すべきでない」と訴え景気への悪影響を懸念していたが、まさに「だから言ったじゃないか」ということになってしまう。

 危機感があるからこそ、政府は大型の景気対策を打ち出そうとしているのだろうが、そんなことをするくらいだったら、「増税じゃなくて減税やれよ」と思わずにはいられない。増税でダメージ与えて景気対策でダメージ緩和など、「穴を掘って埋める」ような馬鹿馬鹿しい行為でしかない。
 まぁ今更消費税を減税するのは非常に困難を伴うだろうから、景気対策でダメージ軽減に取り組んでもらうよりしかたないのだが…。



新共通テストの記述問題も延期へ (2019 12/6 10:30)

【独自】国語・数学の記述式も延期検討、理解得られないと判断…共通テスト(12/5読売)
 来年度から始まる大学入学共通テストで導入予定の国語と数学の記述式問題について、政府・与党が実施を延期する方向で検討していることが、複数の関係者の話でわかった。実施には受験生や関係者の理解が得られないと判断した。公明党が5日午後に萩生田文部科学相に延期を提言する。
 政府は11月1日、英語民間試験の実施見送りを発表しており、記述式問題も導入が延期されれば、来年度からの大学入試改革は2本柱を失うことになる。


 もっと早く決まっていれば混乱ももっと少なかったろうになぁ、とは思いつつも、やはり朗報は朗報であろう。ただ、「延期」ではなく「完全中止」になるまで、追及の手を緩めないようにしたい。

 しかし、杜撰な制度設計のまま、よくここまでしぶとく生き残ったものだ、とも思う。実際に実施したらあちこちで問題が発生しまくって大混乱になるのは火を見るより明らかなのに、なぜ撤退できないままここまで来たのか。太平洋戦争の二の舞を見ているようだ。

 「マークシートだけでは学力は測れない」と言って現行のセンター試験を批判する人がいるのだが、そういう人達は、今でも二次試験で記述・論述式問題が課されていることを知らないのだろうか。どうしても記述・論述の能力を測りたいなら、大学が個別でおこなえばよいのだ。あらゆる学力荘の生徒を包括した共通テストで実施するという考え自体が、間違っている。



またもやズレた対応 (2019 12/5 10:30)

神戸市立小教諭いじめ「連帯責任」 小中高校長ら320人ボーナス増額見送り(12/4毎日)
 神戸市立東須磨小で男性教諭(25)が同僚教諭4人からいじめや暴行を受けていた問題で、市議会は4日、市立小中高の校長や市教委幹部ら約320人分の冬のボーナス(期末・勤勉手当)の増額を見送る条例改正案を賛成多数で可決した。
 ボーナスの増額が見送られるのは、市立学校の校長や事務長約250人と市教委事務局の課長級以上の職員約70人。総額で計約1000万円分になる。他の職員については、市人事委員会の勧告を受け、年間のボーナスを昨年比0・05カ月増の4・5カ月分にする。
 一部の議員から「対象者の範囲が広いのではないか」などの異論が出たが、市側は「市教委全体のガバナンスの欠如が問題の要因で、市民の理解が得られない」などと説明していた。【反橋希美】

 「カレーの自粛」に引き続き、意味不明な対処。ここまで的を外しまくるのも凄まじい。

 問題を起こしてもいない人が処分対象になるのは全く意味不明であるし、連帯責任で問題のない人にまで累が及ぶのなら、問題教師の行状を見た人が内部告発しにくくなってしまう。これから同様の問題が発生しても、教師たちは「関係ない人達に迷惑がかかるかも」などと考え、隠蔽しようという方向に動く可能性が高くなり、事態はいっそう酷いことになろう。

 早急に実施すべきは、加害者教師たちの言動を詳しく調査して、適切な処分を下すことであろう。加害者への処分が最終決定していないのに(後付けの法令で給料を抑えるようなこれまたズレたことをやっているが)、関係ないところへの処分をさっさと決めてしまうのは、筋が通らない。

 神戸市はいったい何を考えているのか。



国民民主党内から合流圧力 (2019 12/4 10:30)

国民民主17人、玉木代表に早期立民合流圧力 実現にはハードル(12/3産経)
 臨時国会が9日に閉じるのを待たずに早くも旧民主党勢力の再結集を目指す動きが表面化した。国民民主党の中堅・若手議員が3日の党会合で、立憲民主党との早期合流に向けた交渉入りを玉木雄一郎代表に要請した。合流の動きは年末に向けて本格化するとみられるが、実現のハードルは高い。(千葉倫之)
 「野党の共同会派はうまくいっている。機も熟した。年内に合流に向けた交渉を開始してほしい」
 3日に国会内で開かれた国民民主の代議士懇談会で、奥野総一郎国対委員長代行は真っ先に挙手し、こう執行部に迫った。津村啓介副代表も「党内のサイレントマジョリティーは早期合流を望んでいる」と主張。立民側と慎重に交渉する構えの玉木氏は黙って聴くだけで、平野博文幹事長が「週内に話を聞く場を設けたい」と引き取った。
 懇談会の前に行った意見交換に参加した早期合流派の衆院議員は17人。国民民主の衆院議員は38人だが、出席者の一人は、さらに賛同者がいるとして「過半数が早期合流を望んでいる。一度は執行部を突き上げ、多数派の声を可視化したかった」と狙いを語る。
 17人には次期衆院選をにらみ事を急ぐ事情がある。その多くは比例代表での復活当選組で、立民と合流すれば「復活当選枠」が増え、バッジを失わずに済む可能性が高まるからだ。
 一方、選挙基盤が脆弱な若手が多い立民側から見れば、「復活当選枠」を奪われる恐れがある。立民中堅は「『枝野幸男代表に忠誠を誓ってきたのに守ってくれないのか』という話になる」と合流に懐疑的だ。


 国民民主党の支持率は伸び悩んでおり、確かに、所属議員からすれば「これでは選挙に勝てない」と焦るのは当然のことではある。
 ただ、バカ揃いで万年野党路線を取って政府や与党の揚げ足取りばかりに勤しんでいる立憲民主党が大きくなったところで、日本に利益をもたらすとは到底思えない。むしろ、バカが力を持つことになり、国益を損なう方向にしか作用しないだろう。

 一方で、国民民主党は立憲民主党よりもマシなのは確かだが、それは「党主の玉木氏が他の民主党系議員よりも相対的にマシ」という話でしかなく、国民民主党の他の所属議員はどうかと問われれば、言わぬが花である。今回引用した記事の件も、政策よりも目先の選挙を優先したダメ議員の行動であり、玉木氏のまともさは党全体には浸透していないのが実情だ。

 細野氏や長島氏が野党を離れて自民党に接近して以降まともになったように、玉木氏も自民党に来た方が仕事できるんじゃないか、と思わずにはいられない。



もう弾切れの感 (2019 12/3 10:30)

野党が「桜」で攻勢、今国会最後の首相との直接対決(12/2産経)
 主要野党は2日の参院本会議で、安倍晋三首相主催の「桜を見る会」をめぐる疑惑を追及した。しかし、首相から「反省の弁」を引き出すことには成功したものの、質問の多くが従来通りの答弁でかわされた印象は否めない。逆に批判の根拠が揺らぎ始めた疑惑もあり、攻め手を狭められつつある。
 「安倍首相と昭恵夫人は『ジャパンライフ』元会長と面識があるのか」
 立憲民主党などと統一会派を組む社民党の吉田忠智前党首は、預託商法などを展開した業者の元会長との“親密な関係”をあぶり出そうと試みた。しかし、首相は「個人的な関係は一切ない」と否定。夫人との面識もないと明言した。
 野党が「現地視察」まで行った内閣府のシュレッダー問題でも、首相は反論した。
 野党は桜を見る会の招待者名簿が、共産党が資料請求した5月9日に破棄されていたことから「隠蔽(いんぺい)」の可能性を指摘。しかし、首相は破棄の予約を入れたのは請求前の4月22日だったと説明。障害を持つ担当職員の勤務時間などを考慮した結果、破棄日が5月9日になったとも述べ、「野党議員からの資料要求とは全く無関係だ」と強調した。事実であれば、追及は根拠を失うことになる。
 「税金を使った事実上の買収行為ではないか」
 共産の田村智子氏は、桜を見る会に多くの首相の後援会関係者が参加したことや、経費が年々、増加したことを批判した。
 首相は「基準が曖昧だった結果、招待者の数が膨れ上がった」と神妙に語りつつ、取りまとめは内閣府と内閣官房で行ったと強調。「公職選挙法に抵触するとの指摘は当たらない」という従来通りの答弁で疑惑をはねつけた。
 そもそも「買収行為」との野党側の追及は説得力を欠いている。民主党政権下でも桜を見る会に絡み「後援者の方等をご夫妻でご招待いただく絶好の機会になる」との文書が存在し、「後援会固め」に使うよう指示があったことが判明しているからだ。
 終盤に入った今国会で、首相と野党との直接対決はこれが最後となる見通しだ。野党は年明けの通常国会でも引き続き追及する構えだが、「違法性を追及しきれていない。新事実を掘り起こすこともできず、攻め手としてはかなり苦しい」(立民関係者)と手詰まり感も漂ってきている。
(中村智隆)


 「ジャパンライフ」の件は、行政処分前の2015年の話であり(行政指導だけなら有名企業も結構食らってる)、批判されるべきは「桜を見る会の招待状」を宣伝材料にして悪徳商法に利用していたジャパンライフ側であろう。また、マスコミもジャパンライフのCMを流したりして宣伝の片棒を担いだ疑いがある。

 前夜祭の領収書の件も、安倍総理がぶら下がり会見などで説明した内容で合理的に理解できる。シュレッダーの件も、予約は野党の質問要求以前から出ていたのだから、証拠隠滅という追及は当たらない。

 新しいネタはもう出てこなくなっており、既に弾切れの感も漂う。野党は来年の国会でも追及すると意気軒昂のようだが、国民はそれを応援するのだろうか。

 野党が手当たり次第に「これが怪しい、あれも怪しい」と騒ぎ立てたことで、かえって「文書管理」という最も改善すべき点から焦点がズレているのが現状だ。マスコミが野党の応援団をやっているせいで、「安倍政権は何となく怪しい」という雰囲気だけは醸成されているが、同時に、野党のやり方に辟易する空気も出てきているのではないか。その証拠に、野党の支持率はほとんど上がっていない。

 桜を見る会に関する馬鹿騒ぎのせいで、新共通テストにおける記述式問題がまったく話題にならなくなってしまっているのが、悔しくてならない。



「人生会議」のポスター (2019 12/2 10:30)

小籔千豊 「人生会議」ポスター問題で「責任感じる」「僕じゃなかったら燃え上がらなかったんかな」(11/29スポニチ)
 吉本新喜劇座長の小籔千豊(46)が29日、金曜の週替わりゲストを務めるMBSテレビの情報報道番組「ミント!」(月〜金曜後3・49)に生出演し、物議を醸している自身が起用された厚生労働省のポスターについて、「責任を感じる」と神妙な面持ちで語った。
 同ポスターは、終末期の医療ケアを事前に家族で話し合う「家族会議」を啓発するもの。酸素チューブを装着して厳しい表情でベッドに横たわる小籔の写真とともに、「まてまてまて オレの人生ここで終わり? 大事なこと何も伝えてなかったわ」と始まる長文を掲載した。今月25日に公開後、患者団体などからの抗議やSNSでも批判が相次ぎ、26日に同省が自治体への発送を中止。同省局長が「吉本興業と4070万円の委託価格で契約した」と明かしたことも話題となった。
 小籔は、ポスターの表情や文言を「僕が決めたわけじゃないけど、“一味”。申し訳ない」と声を落とした。世間の批判について、「(テーマに)関西弁、芸人がふさわしくないと言われた。“グロテスクなポスター”という批判は、僕の顔面がキモいと言われているようなもの。僕じゃなかったら、もう少し燃え上がらなかったんかなと思う」と自責の念を切々と語り、「ここまで“男前やったらよかったな”と思ったことはない」ともらした。
 自身が母を亡くした際にちゃんと思いを伝えられなかった後悔の念から、同じ思いをする人が減ることを願っていた小籔。過去には母への思いをつづった楽曲「プリン」をリリースし、今回の啓発活動にも賛同して選定委員を引き受けた。「批判はあるとして、できたら、もっとみんなが家族がもしもの時にどうするか話し合う機会が広がっていったらいいなと思う」と訴えた。
 公費4070万円が使われていたことについては、「ポスターだけでそんなにかかったのかとびっくりして聞いたら、CM何パターンか撮って、PRイベント、メディアPRなどすべて入れての額。僕も勘違いしてた。それでも高い、と思われる人もいるかもしれませんが…」と説明した。

 ある程度「刺激的な内容」でなければ多くの人には刺さらないわけで、一定の批判があった、反響があったという意味では、このポスターは効果ありだったと考えるべきだ。

 問題は、その一定の批判に対して簡単に屈してしまった厚生労働省の役人たちだろう。 それなりの反応があることは想定できていたはずなのに、クレームが来た途端に日和ってしまった役人の対応こそが、問題の根源である。税金を投入して実施している事業なのだから、もっと腹を据えて対応すべきであった。

小籔氏が責任を感じる必要は全く無いし、自身が母親を亡くしていることもあるから「患者や家族の気持ちが分かってない」という批判はまったくの筋違いだ。

 「癌患者や家族の気持ちを理解していない」という批判が多いらしいが、「亡くなる直前にあれこれ後悔するよりも、自分が死んだときのことを早い段階から準備して話し合っておこう」という趣旨なのだから、おためごかしで「死んだときのこと」を想定せずに蓋をしようとする態度の持ち主は、それこそポスターの内容をきちんと受け止めるべき対象であろう。

 くだらない批判で作品やイベントが潰される案件が最近多すぎるように感じる。難癖には毅然と対応すべきだ。


シュレッダーは質問要求前に予約 (2019 12/2 10:30)

4月22日のメールに「シュレッダー予約」 内閣府提出(11/29朝日)
 内閣府は29日、今年4月の「桜を見る会」の招待者名簿を廃棄したシュレッダーについて、実際に廃棄した「5月9日」を事前に予約していたことを示す資料として、4月22日が送信日時とするメールを野党の追及本部会合に提出した。
 メールは野党側が求めていたもの。4月22日付のメールで、文面に「5月9日(木)13〜15時 シュレッダー室を予約しました」と記載されている。どのような資料を細断するのかは、公開されたメールには記されていない。
 政府は5月9日の午後1時20分から1時間25分かけて12袋分の招待名簿を廃棄した。この1時間前には共産党の宮本徹衆院議員が資料を要求していた。


 文書自体を残しておくべきだというのが私の考えで、そこを変える気はないけれども、少なくとも、「野党の質問要求を受けて急いでシュレッダーにかけた」というのは間違った認識だと言うことになる。

 先日、私もこの行動に疑問を呈する文章を書いたので、ここに、情報の上書きをしておきたいと思う。



国公立大の8割で民間試験利用を取りやめ (2019 11/30 10:30)

英語民間試験、国立大64校で取りやめ 2020年度(11/29朝日)
 文部科学省が大学入学共通テストでの英語民間試験の活用を見送ったことを受けて、2020年度に実施する一般選抜で、独自に民間試験を活用する国立大は、一部の学部での活用を含めて13校にとどまることが29日、わかった。見送り前は全国82校のうち78校がほぼ全学部で活用する方針だったが、東京大や京都大など64校が取りやめた。東京学芸大は未定としている。大量の成績を評価する態勢を整えられないと判断した大学が多かった。
 一般選抜は、学校推薦型選抜(現在の推薦入試)や総合型選抜(現在のAO入試)などを除いた最も受験生が多い試験。文科省が今月1日、20年度に予定していた国の成績提供システムの導入見送りを発表し、大学側は、システムを通じて民間試験の成績データを受け取れなくなった。国立大学協会は各大学に対し、29日までに民間試験をどう扱うかの方針を発表するよう求めていた。
 システムが使えなくても、大学が独自に受験生から成績の書類を受け取って活用することはできるが、評価に大勢の人員が必要になるため、「このタイミングで、来年度の入試担当者を増やすことは難しい」と説明する大学が目立った。活用をやめた大学は、大学入試センターが実施する共通テストの「読む・聞く」の2技能試験と、各大学個別の2次試験で英語力を測ることになる。

 民間試験について国公立大学が実はどう考えていたのかが如実に表れた結果だろう。
国公立大学のほとんどは、民間試験は大学入試に必要ないと思っていたのだ。

 ちなみに、諸悪の根源のこのお方は、いまだに諦めてはないようだ。

下村元文科相 英語民間試験導入の必要性強調(11/29NHK)
 大学入学共通テストへの英語の民間試験導入が延期されたことについて、自民党の下村元文部科学大臣は日本記者クラブでの記者会見で、理解を示す一方、今後の時代に対応できる人材育成には、話したり書いたりする能力を問う、英語の民間試験の導入が必要だという考えを強調しました。
 この中で下村元文部科学大臣は、大学入学共通テストへの英語の民間試験の導入が延期されたことについて、「国が関与するなら公平・公正にしなければならない。準備不足があるということで萩生田文部科学大臣が延期を決めた」と述べ、理解を示しました。
 一方で、「英語は『読む・聞く』の2技能だけでは世界で活躍できる人材育成は難しい。『話す・書く』を追加した4技能の向上こそが、今後の時代に対応できる人材育成だ」と述べ、民間試験の導入が必要だという考えを強調しました。
(以下略)

 「世界で活躍できる人材育成」は入試と関係ないところでやってほしいものだ。大学入試は、その大学に入るのに値するかどうかを測る物、大学で学ぶのに必要な能力を有しているかどうかを測る物である。


大勲位が亡くなる (2019 11/30 10:30)

政治への情熱と執念 中曽根元首相、強い指導者像確立(11/30日経)
 「暮れてなお 命の限り 蝉(せみ)しぐれ」。日本の政界に一時代を築いた中曽根康弘元首相はこの句を好んで詠んだ。長い生涯を貫いていたのは、政治へのあくなき情熱と執念である。
 首相就任以前の中曽根氏は「政界の風見鶏」「かんなくずのようにぺらぺら燃える男」などと世間の評価は芳しくなかった。首相に就任した中曽根氏はその手腕と実績で世評を一変させた。
 従来の歴代首相とは異なり、自ら前面に出てリーダーシップを発揮する独特の「大統領型首相」の政治スタイルを確立し、内政・外交にわたって多くの足跡を残した。その裏には、政治家として不断の修練と努力の積み重ねがあった。
 中曽根氏は生粋の政党人だが、旧制静岡高校―東京帝国大(現東大)法学部から旧内務省に入省したエリートである。エリートの座を捨てて戦後政界に打って出たのは、敗戦国日本の再建への強い情熱と使命感からである。
 当選直後から「青年将校」と脚光を浴び、吉田茂長期政権のもとでは長く野党議員だったが、颯爽(さっそう)とした容姿と弁舌で論客ぶりを発揮した。早くから憲法改正論を唱え、「憲法改正の歌」を作って全国を行脚した。「右翼反動」などと批判されたが、ひるむことはなかった。
 自民党では実力者・河野一郎の派閥に属し、河野死後に河野派の大半を継承して「新政同志会」を結成し、政権取りをめざした。中曽根派は保守傍流の少数派閥であり、政権への道のりは苦難の連続だった。少数派閥ゆえに自民党内の合従連衡に腐心し、「風見鶏」と揶揄(やゆ)されたのもこのころである。資金調達にも苦労し、殖産住宅事件では国会で証人喚問されたこともある。
 同期当選組の田中角栄の支援を得て念願の首相の座に就いたのは1982年。そのとき、中曽根氏の手元には首相に就任したら何をやるべきか、どう振る舞うべきかについてびっしりと書き込んだ大学ノートがあった。
 中曽根政権のハイライトは「増税なき財政再建」を掲げ、土光敏夫臨調会長と二人三脚で行政改革に取り組んだことである。その成果が国鉄、電電公社、専売公社の3公社民営化であり、今日のJR、NTT、JTとなった。英国のサッチャー改革、米国のレーガン改革に続く中曽根改革は当時の新自由主義の世界的潮流の象徴だった。
 外交面ではレーガン米大統領と「ロン・ヤス」関係を結び、日米同盟関係を飛躍的に強化した。中国の胡耀邦総書記、韓国の全斗煥大統領とも個人的な信頼関係を結んで積極的なアジア外交を展開した。サミットの場で議論をリードし、日本の存在感を世界に示した手腕も卓越していた。
 中曽根氏は首相在任中、靖国神社への公式参拝に踏み切った。このことで親日派の胡耀邦総書記が中国国内で苦境に陥ると1回限りで参拝取りやめを決断した。中曽根氏らしい「君子豹変(ひょうへん)」ぶりだった。
 首相退陣後、リクルート事件で逼塞(ひっそく)していた時期もあったが、すぐに影響力を回復し、「大勲位」として元老のような存在感を示した。56年間の議員生活を終えてからも、中曽根氏の意欲は衰えず「憲法改正実現までは死んでも死にきれない」と執念を燃やしていた。憲法改正こそは中曽根氏の「見果てぬ夢」であった。
(元特別編集委員 安藤俊裕)


 ロン・ヤス関係に代表されるような外交面でのプラスと、バブル経済への対応を誤り火消しに失敗したというマイナスと、功罪相半ばする総理であったが、間違いなくスケール感の大きな総理であり、偉大な政治家であったという評価は揺るぎないだろう。個人的にも、記憶している初めての総理であった。

 国鉄・電電公社・専売公社の民営化は大きな実績であろうし、それを成し遂げた政治力は評価せねばなるまい。小泉内閣の郵政民営化と比較しても、「成功した民営化」と言える。

 中曽根以降、能力や功績は別として、スケールの大きさを感じさせる総理はほとんどいなくなったように思う。吉田茂、岸信介、池田勇人、佐藤栄作、田中角栄に続く、昭和の大宰相であった。



本筋からどんどん離れていく (2019 11/29 10:30)

野党、29日から審議拒否 ジャパンライフ「首相枠」見方強める―桜を見る会(11/28時事)
 立憲民主党など主要野党は28日、首相主催「桜を見る会」をめぐり、当時の「ジャパンライフ」会長への招待状送付が安倍晋三首相の推薦枠だったかどうか明らかにするよう政府・与党に要求した。与党はこれを拒否し、主要野党は29日以降の国会審議に応じないことを決めた。
 ジャパンライフは今年4月、特定商取引法違反容疑で家宅捜索を受けた。政府は2015年の桜を見る会にこの会長を招待。招待状には「60」という区分番号が記されている。内閣府が共産党議員に提出した同年の会の「仕様書(案)」には、「総理、長官等の推薦者」の横に「60〜63」と記載されており、野党は首相や昭恵夫人の推薦枠だった可能性が高いとみている。
 主要野党の幹事長・書記局長は28日、国会内で会談し、(1)「60」が首相夫妻の推薦枠かどうかの説明(2)衆参予算委員会の集中審議開催と会計検査院の調査(3)招待者名簿の電子データ復元と国会提出―などを求めることを確認した。会談後、立憲の福山哲郎幹事長は記者団に「(首相が)認めていただくのが審議の前提だ」と語った。

 野党は、2015年にジャパンライフの会長を招待したことを問題視しているようだが、ジャパンライフが業務停止命令など行政処分を受けたのは2016年以降のこと。それ以前にも行政指導は出ていたが、行政処分でなく行政指導なら例えば携帯電話大手3社にも出されていたことがあるし、大した問題ではなかろう。

 文書管理の問題などに絞って追及すれば良いものを、手当たり次第に攻撃材料にしているので、「それは違うのではないか」という物まで混ざってしまっている。結果、些末なことばかりクローズアップされ、ネタとして消費されていき、本当に解決すべき部分すら解決されないままになってしまう。

 安倍政権において文書管理にずさんさがあるのは事実だ。しかし、野党は「シュレッダーを見る会」や「審議拒否」などのパフォーマンスばかりに走って期待できない。自民党や公明党の中から、文書管理の改善策をとりまとめる動きが出てきても良いのに、とは思っている。



誰からも歓迎されぬ提案 (2019 11/28 10:30)

原告側、韓国議長案に抗議 元徴用工問題、解決にハードル(11/27時事)
 【ソウル時事】元徴用工訴訟をめぐる問題解決を図るため、韓国の文喜相国会議長が立法化を目指す法案の内容について、原告側は27日、国会で文議長に抗議した。日韓両国の企業や国民の「自発的な寄付」による基金から「慰謝料」を支給し、日本からの賠償金の支払いと見なす内容だが、原告側は議長案が「(日本の)法的責任を前提としていない」と批判し、撤回を要求。立法化は難航しそうだ。
 原告側弁護士らは27日、国会前で記者会見を開き、文議長が元徴用工らの意見を聞いていないと批判。議長案は「被害者を清算するための法律だ」と反対を表明した。慰安婦支援団体関係者も日本側の謝罪がないと指摘し、議長案は「破棄すべきだ」と切り捨てた。
 弁護士らはその後、文議長を訪ね、抗議する書面を提出。議長案を検討してきた経緯を問いただし、懸念を伝えた。
 一方、日本政府は様子見の構えだ。菅義偉官房長官は27日の記者会見で「他国の立法府における議論や動向についてはコメントを控える」と述べるにとどめた。
 報道などによると、議長案は日韓両国の企業や国民の自発的な寄付を募り、既存の財団を改組した「記憶人権財団」の下に基金を創設。財団は元徴用工らに慰謝料や慰労金を支給する。慰謝料を受け取った場合、「和解」が成立し、日本企業の賠償が肩代わりされたと見なす仕組みだ。
 支給対象は日本企業を提訴した人と提訴予定者を合わせた約1500人を想定。計約3000億ウォン(約277億円)の原資が必要と推定し、対象範囲や金額を審議する委員会を設置して支給事業を行う。


 日本側としても、日韓慰安婦合意に基づく基金が韓国側に勝手に解散されたことを考えれば、またぞろ基金を作っても同じことになるだろうとしか思えないし、その時既に10億円を払っているのに、何でまた新たに資金を(しかも民間企業まで巻き込んで)出さねばならないのか、理解に苦しむ提案内容であった。

 そして、そもそも韓国国内でも反発が出ており法案成立すら怪しい、というのが記事の内容。誰からも賛同されない提案をぶち上げておいて、「いったいお前は何がしたかったんだ」と思わずにはいられない状況だ。

 戦時賠償の問題は、日韓請求権協定で解決している。確かに民間人の賠償権は消滅していないが、それは「日本側がさらに賠償すべき」という話ではなく、韓国政府が韓国人に対して賠償する責務を負うという話である。条約に則って考えれば、慰安婦や徴用工に対して賠償する責任は、日本ではなく韓国政府にある。

 原理原則に基づいて行動する以外に、取れる手立てはない。韓国が、国際的な約束を守って行動するか否か、問題はそれだけだ。



ブラックホールの周囲に「惑星」 (2019 11/27 10:30)

常識を覆す「惑星」、巨大ブラックホールの周りに存在か 鹿児島大と国立天文台(11/25 IT media)
 鹿児島大学と国立天文台は、「全く新しい『惑星』の種族が銀河中心の巨大ブラックホールの周囲に形成される可能性がある」とする世界初の理論を11月25日に発表した。この理論によると、ブラックホールの周囲10光年程度の距離に、地球の約10倍の質量の「惑星」が1万個以上形成される可能性があるという。
 研究チームが「惑星」とカッコ付きで説明するのは、「従来の天体に当てはまらないからだ」という。
 惑星は太陽など恒星の周りを回る天体だが、今回研究チームが提唱するのはブラックホールの周りを回る、光らない天体だ。「まだ適切な名前がないため、『惑星』としている」(研究チーム)。
 惑星は恒星の周りに形成されるというのが常識だ。「太陽のような恒星が誕生するとき、星の周りにはガスとちりでできた原始惑星系円盤が形成される。惑星はこの円盤の物質を材料に作られると考えられている」(同)
 「一方、ブラックホールは光すらも脱出できないほどの強力な重力を持った天体。これまでは、巨大ブラックホールと惑星の誕生の間に接点があるとは考えられていなかった」(同)
 しかし研究チームは、巨大ブラックホールの周りに太陽10万個分を形成できる莫大な量のちりがあることに着目。恒星の周りで惑星が形成される理論を巨大ブラックホールに適用するとどうなるか理論計算を行ったところ、巨大ブラックホール周囲にも岩石と氷でできた「惑星」が形成されることが分かったという。
 研究チームは理論的に「惑星」の存在を示したが、「現在のところ、発見する有効な観測手段はない」としている。巨大ブラックホールがあるのははるか遠くで、「惑星」も地球の10倍程度とはいえ小さな天体だからだ。
 「今後、多くの研究者によって詳細な研究や、実際に検出する観測手段の研究が進むことを期待する」(研究チーム)という。
 「この『惑星』で生命は誕生するのか」という問いに対して、研究チームは「ブラックホールの周りのガス円盤からは強い電磁波が出ているが、太陽とはスペクトルが違い、もっと強いエネルギーの電磁波が届いているはず。この『惑星』にもし生命があったとしても、地球型惑星のそれとは全く異なる進化をしているかもしれない」と答えている。
 研究成果は、米国の天文学会誌「Astrophysical Journal」に11月26日付で掲載される。


 「ブラックホールの周囲に惑星ができるの?どうやって?」と思って読んでみたが、「ブラックホールの周囲10光年程度の距離に、地球の約10倍の質量の「惑星」が1万個以上形成される可能性」だそうで、予想よりずっとスケールの大きな話だった。

 たしかに、降着円盤のはるか外側であれば、ブラックホールの重力の影響は相対的に小さくなり、塵が集まって「惑星」になるような「穏やかな」状況であるのかも知れない。それにしても、10光年の範囲に地球の質量の10倍程度の天体が1万個以上というのは、想像を絶する状況だ。10光年も離れたところを周回する天体を「惑星」と呼んで良い物かどうかは別問題だが。
 ちなみに、天王星が地球の15倍ほどの質量なのでそれに近い質量の天体ということになる。

 観測は難しいらしいが、それでも、技術が進歩して、ブラックホールの周囲に漂う無数の惑星が観測されるようになると良いなぁ。できれば私の生きている間に。



香港区議選で民主派が大勝 (2019 11/26 10:30)

香港区議選、民主派が歴史的勝利 反政府デモに支持―親中派は惨敗(11/25時事)
 【香港時事】香港で24日投票が行われた区議会(地方議会)選挙は25日、開票結果が確定し、公共放送RTHKによると、民主派は452議席中、85%に相当する388議席を獲得して歴史的な勝利を収めた。改選前に議席の約7割を占めていた親中派は大敗した。1997年の中国への返還後、民主派が過半数を取ったのは初めて。
 今回の区議選は、逃亡犯条例改正案に端を発した6月の大規模デモ以降、初の全土的な選挙となった。投票率は前回(2015年)の47%を大幅に上回る71%で、中国返還後に実施された立法会(議会)選、区議選を含めて過去最高。選挙に対する香港市民の関心の高さを示した。
 民主派の圧勝は、6月以降の反政府抗議活動が市民から支持を得ていることを裏付けると同時に、香港政府と背後の中国政府の強硬姿勢を拒否する民意を明確にした。中国の習近平政権はメンツを失った格好で、香港政策の抜本的な練り直しを迫られそうだ。香港では来年秋、半数を市民の直接選挙で選ぶ立法会選(定数70)が控えており、区議選で追い風に乗った民主派が議席を伸ばす可能性もある。
 香港政府トップの林鄭月娥行政長官は25日、声明で「政府は選挙結果を尊重する。社会の現状や根深い問題に対する市民の不満が反映されたもので、政府は市民の意見に謙虚に耳を傾け、真剣に反省する」と強調。一方で「平和で安全な秩序ある状況がこのまま続くことを願う」とも述べ、デモ隊にくぎを刺した。
 当選した民主派候補のうち、「100万人デモ」を実施した民主派団体「民間人権陣線」代表の岑子杰氏は「私の勝利ではなく、香港人の勝利だ」と述べた上で、普通選挙の実施など市民が掲げる五つの要求を実現するよう林鄭氏に迫った。
 親中派は、区議を兼務していた現職の立法会議員が落選するなど予想以上の劣勢を強いられ、獲得議席は63にとどまった。ただ、4割の得票率を確保し、支持の根強さも浮き彫りにした。

 独裁国家よりも民主国家に生きる方が幸福であると信じているので、香港の有権者たちの意思を尊重したいし、応援したいと思う。
 もちろん、有能な君主による独裁政治は民主国家よりも幸福である場合はあるが、それでもその君主が死んだ場合に跡継ぎによる悲惨な独裁制に変化するだろうし、権力が一ヶ所にとどまり続ければ腐敗する可能性は高い。チャーチルが言ったように、「民主主義は最悪の政治形態と言うことが出来る。これまでに試みられてきた民主主義以外のあらゆる政治形態を除けば」である。

 だいたい、中国共産党による一党独裁は、「有能な君主による幸福な独裁政治」ですらない。ウイグル人やチベットの民に対する人権蹂躙は、筆舌に尽くしがたい物であるし、全ての中国人民に対して言論の自由や結社の自由などが認められているわけではない。財産権や生存権ですらも怪しいレベルだ。
 拙速は避けるべきだろうが、中共独裁はいずれは解消すべき物であろう。人権は普遍的に認められるべき物であるはずだ。

 苦々しい思いで見ている中国共産党の側の反応。

香港民主派支持に警戒 区議選圧勝受け―中国外相(11/25時事)
 来日中の中国の王毅国務委員兼外相は25日、民主派が圧勝した香港の区議会選挙について「まだ結果は出ていない」とした上で、「香港でいかなることが発生しようとも、香港は中国の一部であり、特別行政区だ。香港を混乱させたり発展や繁栄を損なったりするどんなたくらみも達成しない」と述べた。
 王氏の発言は、今回の区議選を受けて民主派を支持する国際社会の声が拡大することを強く警戒している表れとみられる。


 中共としては、選挙結果に焦るのは当然だわなぁ、とは思うが、決して同情はしない。

 中共との関係も大事なのであまり表立って香港の民主派を応援はできないのかもしれないが、日本政府には、自由主義国家としての矜恃を以て対応してもらいたいとは思う。



ローマ教皇が広島訪問 (2019 11/25 10:30)

核の傘の下で語る平和は偽善 広島訪問のローマ教皇(11/24朝日)
 訪日中のフランシスコ教皇は24日午後、広島市の平和記念公園で、「平和の集い」に出席した。教皇は「戦争のために原子力を使用することは、犯罪以外の何物でもない」と指摘した。また、「核戦争の脅威で威嚇することに頼りながら、どうして平和を提案できるか」と述べ、名指しは避けながら、核抑止力を唱える国々を批判した。
 ローマ教皇が被爆地で平和のメッセージを出すのは、冷戦下の1981年に故ヨハネ・パウロ2世が訪問して以来、38年ぶり。フランシスコ教皇は広島について「大勢の人の夢と希望が、一瞬の閃光(せんこう)と炎によって消された。人類に刻まれた記憶であり、私は平和の巡礼者として、この場所を訪れなければならないと感じてきた」と語った。
 教皇は演説で、「核の傘」の下にいながら平和について語る「偽善」を、強い言葉で非難した。「最新鋭で強力な武器をつくりながら、なぜ平和について話せるのだろうか。差別と憎悪の演説で自らを正当化しながら、どうして平和を語れるだろうか」
 戦争のために原子力を使用することを、「人類とその尊厳に反し、我々の未来のあらゆる可能性にも反する犯罪だ」と宣言。「次の世代の人々が『平和について話すだけで何も行動しなかった』として、我々の失態を裁くだろう」と警告した。さらに、60年代に核の抑止力を否定し、軍備撤廃を唱えた教皇ヨハネ23世が出した回勅(公的書簡)を引用し「真理と正義をもって築かれない平和は、単なる『言葉』に過ぎない」とも語った。
 その上で、フランシスコ教皇は人々に三つの行動を呼びかけた。これからの世代に「二度と繰り返しません」と言い続けるために「記憶すること」。自分だけの利益を後回しにして、平和に向かって「ともに歩むこと」。そして、原爆と核実験、紛争の犠牲者の名の下に「戦争や兵器はもういらない」と叫び、平和を「守ること」。これらが「広島においてより一層強く、普遍的な意味を持つ」と強調した。(河原田慎一)


 宗教家という立場であるので、理想論を語ることは当然であるし、むしろ理想の世界像を高らかに主張して欲しいと思う。

 しかし、政治の世界は、現実と対峙し少しずつ現実を理想に近づけていく地道な作業が求められる。北朝鮮のような「核で火遊びする厄介な国」が近隣に存在する以上、そして核のみならず強大な軍事力を持って近隣に脅威を与えている中国という国が隣にいる以上、核兵器による抑止力を完全に無視するわけにはいかないし、早期の核廃絶は現実味に乏しい。

 この朝日新聞の記事に対して、反安倍の方々がなぜか「安倍にも聞かせたい」「安倍は理解できないだろうな」という批判ツイートが大量にぶら下がっている。教皇と違って安倍総理は政治家であり、現実を踏まえた上で対応せねばならないというのが理解できないバカが大量にいるらしい。
 また、安倍総理が戦争を望んでいるというのは妄想でしかないし、教皇の核廃絶のメッセージを真摯に受け止めるべきは、日本ではなくむしろ北朝鮮や中国の方であろう。記事にぶら下がっている批判ツイートの数々は、筋違いも甚だしい。

 それはそれとして……核兵器のない世界、戦争のない世界が訪れたらいいなぁ、とは夢想している。限りなく可能性の低い夢想だとは分かっているが。



韓国が土壇場で折れる (2019 11/23 10:30)

GSOMIA「協定終了を停止」韓国政府が日本政府に伝える(11/22NHK)
 23日午前0時に失効が迫る日韓の軍事情報包括保護協定=GSOMIAについて、韓国政府が、日本政府に協定を終了するとした通告を停止する方針を伝えてきたことがわかりました。これにより、協定の効力は維持されることになります。

協定の効力は維持
 日韓のGSOMIAの失効が23日午前0時に迫る中、韓国大統領府は、21日に続いて、22日午後、NSC=国家安全保障会議を開き、最終的な対応を協議しました。
 韓国政府は、GSOMIAを終了するとした通告を停止する方針を日本政府に伝えてきたことがわかりました。
 これにより、協定の効力は維持されることになります。
 GSOMIAは、弾道ミサイルの発射に向けた動きなど、秘匿性の高い軍事情報を2国間で交換できるよう情報を適切に保護するための仕組みなどを定めたもので、韓国との間では3年前に締結しました。
 協定は1年ごとに自動的に延長される取り決めになっていますが、韓国政府は、ことし8月、日本が輸出管理の優遇対象国から韓国を除外したことなどを理由に終了を決定し、日本に通告しました。
 これに対し、日本政府は、地域の安全保障環境を完全に見誤った対応だとして、終了の決定を見直すよう求めてきたほか、アメリカ政府も、エスパー国防長官が韓国のムン・ジェイン大統領と会談するなどして、決定の見直しを繰り返し求めていました。


 アメリカからの圧力があったとはいえ、また、「いつでも終了することができる」と相変わらず強気を押し通してはいるが、土壇場で愚かしい判断を撤回したことについては、ひとまず韓国を評価したい。

 ただ、これを以て韓国が「じゃぁ日本も輸出管理の優遇の復活、お願いね」と要求、或いは期待をしてくるとすれば、それは筋違いだ。GSOMIAの問題と輸出管理の問題は全く別の話である。

 また、この韓国の動きを「大人の対応」と評価する向きがいるようだが、そもそも「輸出管理の問題とは全く無関係な安全保障の問題で日本に当てつけるかのごとくGSOMIA破棄を通告してきた」ことが狂気の沙汰であって、こんなものを「大人の対応」と呼ぶのは間違いだし、さらに「日本も大人の対応をせよ」と日本批判に結びつけるのは大間違いである。

 韓国が日本に対して「折れた」のは、初めてのことではないか。ここは、筋を通した言動をとり続けてきた日本側の外交姿勢を評価すべきだろう。脈絡無しに譲歩する愚を繰り返してきたせいで、ここまで韓国が日本に対して付けあがるようになってしまった。まともな関係を作り上げるためにも、日本は原則を守り通して欲しいと思う。



ボールはずっと韓国にある (2019 11/22 10:30)

GSOMIA、日本に譲歩迫る 韓国外相「最後まで努力」―23日失効期限(11/21時事)
 【ソウル時事】23日午前0時に失効期限を迎える日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)について、韓国の康京和外相は21日の国会で、韓国向け輸出管理強化措置に関し日本側の譲歩がない限り「再考しないというのが現在の韓国の立場だ」と語った。その上で康氏は、失効回避に向けて「最後まで努力する」と強調した。
 康氏はこの中で、GSOMIAが失効しても、北朝鮮の核・ミサイル関連の防衛情報を共有するために2014年に日米韓が締結した取り決めで代替できると説明し、影響は少ないとの見方も示した。
 一方、大統領府は21日午前、国家安全保障会議(NSC)の常任委員会を開催し、GSOMIAの失効をめぐる対応を協議した。大統領府は終了後、「韓日間の懸案解決を目指して政府の外交努力を検討した。主要関係国との緊密な協議を続けていく」と発表するにとどめた。
 韓国側はGSOMIA失効に関する最終的な結論を明確にしないことで、外交当局を通じて期限ぎりぎりまで日本側の翻意を促す狙いとみられる。韓国大統領府高官は20日まで極秘裏に訪米し、米政府高官と意見交換。韓国紙・東亜日報は21日、外交筋の話として、日韓の政府高官が接触し、失効回避へ外交努力が続けられていると伝えた。

 相変わらず強気の韓国である。
 輸出管理の問題は、韓国側が北朝鮮に軍事物資を横流ししている可能性に対する対応であり、韓国がきちんと説明をして疑念を払拭しない限り、日本から輸出管理で優遇策を回復することはあり得ない。
 ゆえに、日本が譲歩する余地など全く無く、GSOMIAの継続に関して行動すべきは、ずっと韓国のままであり続けている。ボールはずっと韓国の元にあるのだ。

 歴史問題を蒸し返せば日本は譲歩する、という甘い考えを韓国はすぐに捨て去るべきだろう。歴史問題と、輸出管理の問題は全く別問題であり、混同して取り沙汰すべき物ではない。

 日本政府も、ここで安易に妥協をして、韓国がまともな対日外交へ立ち直る機会を奪うことは、絶対にしてはならない。筋を通し続けるのが、韓国のためでもある。



採点業務を宣伝に利用するベネッセ (2019 11/21 10:30)

共通テスト、文科省がベネッセに抗議へ「中立性に疑念」(11/20朝日)
 萩生田光一文部科学相は20日の国会で、2020年度に始まる大学入学共通テストで、記述式問題の採点を請け負う会社を傘下に持つ通信教育大手ベネッセコーポレーションに対し、「採点業務の中立性、信頼性に疑念を招く(行為があった)」として、文科省が今後厳重に抗議し、是正を促すことを明らかにした。
 ベネッセが高校向けに配布した資料に、共通テストに向けた記述式の採点基準の作成などで助言事業を請け負っている旨の記載があり、模擬試験や対策講座などのほかの営業活動に利用した疑いがあるという。関係者によると、資料はベネッセが17年、首都圏約250の高校、約300人の教員を対象に大学入試改革に伴う自社サービスなどについて説明した会合で配られたという。

 共通テストの採点業務を請け負っていることを、自社の宣伝材料に使ったという話であるが、そもそも、受験対策教材や模試を作っている会社に受験本番の採点をさせるというのがおかしな話で、何を今更という感は否めない。

 できれば、この件についてもっと追及を強め、共通テストの記述式をなくすこと、ベネッセを共通テスト利権から排除することまで持って行ければ、と願わずにはいられない。

 マスコミも野党も、桜を見る会よりも、こっちにウェイトを置いて行動して欲しいのだが。


資料要求日に名簿廃棄 (2019 11/21 10:30)

桜を見る会名簿、野党の資料要求日にシュレッダー廃棄(11/20朝日)
 「桜を見る会」をめぐる20日の衆院内閣委員会の質疑で、政府は今年の招待者名簿について、野党から招待者数や支出額などの資料要求を受けた5月9日に「シュレッダーで廃棄した」と説明した。野党は、森友学園の公文書を廃棄・改ざんした問題と通じる安倍政権の体質だとして追及を強めている。
 政府が今年4月13日の「桜を見る会」の招待者名簿を廃棄した5月9日、共産党の宮本徹衆院議員が同13日の国会質問のために桜を見る会に関する資料を要求。2008〜19年の「各年の招待者数の推移」や予算額、参加者数が増えている理由などを求めていた。
(以下略)

 さすがに資料要求した日に破棄するのはタイミング良すぎだろう。また、毎年5月に名簿は廃棄しているのだろうか。参加者については翌年度の招待者決定にも関係することだから、少なくとも1年は保管するものだと思うのだが……

 安倍政権に対しては基本的には支持なのだが、資料要求の日に資料を廃棄という話には、さすがにドン引きした。官僚が勝手にやったという言い訳は成り立つだろうが、それが横行するような風潮は、やはり改善すべき物であるし、政権が責任を負うべき問題であろう。

 5000円で前夜祭ができるか否かとか、久兵衛の寿司が出たとか出ないとか、そんな些末なことよりも、野党は「文書管理」の問題の方を追及した方がいいのではないか。民主国家において、「記録」「文書」はその根幹に位置する物であるはずだ。



下村氏を徹底的に糾弾せよ (2019 11/20 10:30)

英語民間試験 下村氏「東大に活用するよう指導を」党内会議で(11/19NHK)
 今月導入が延期された英語の民間試験について、東京大学は去年4月、それまでの慎重な姿勢を転換し、活用へとかじを切りました。
 今回、NHKは、その直前に開かれた自民党の会議の音声データを入手しました。そこでは大臣経験者が、東京大学に民間試験を活用するよう、文部科学省に指導を求める発言などをしていたことが分かりました。専門家は「大学が萎縮する発言だ」と指摘しています。これについて、東京大学は外部からの影響はなかったとしているほか、大臣経験者は「発言は当たり前で議院内閣制の意味も無くなる」と話しています。

自民党 教育再生実行本部の会合で
 大学入学共通テストの英語の民間試験について、文部科学省は今月、導入の延期を決めましたが、その決定過程などが不透明だと批判されています。
 NHKは、去年4月13日に開かれた自民党の教育再生実行本部の音声データを入手しました。
 この会合には、自民党の国会議員に加えて、文部科学省の幹部や、大学の関係者なども呼ばれ、英語の民間試験をテーマに意見が交わされました。
 当時、文部科学省は、民間試験を大学入学共通テストに導入すると公表していましたが、多くの大学はそれを活用するか、態度を表明せず、東京大学が去年3月に、現時点では入試に活用することは拙速だと会見で表明したことが注目を集めました。
 会合では、主査を務めた遠藤利明元オリンピック・パラリンピック担当大臣が、東京大学の五神真学長らが訪ねてきて、会見の内容を説明したと報告しています。
 さらに、下村博文元文部科学大臣が、東京大学の名前を挙げて、「間違ったメッセージを国民や他大学に対して、与えている。文部科学省は、よく東大に指導していただきたい」などと発言していました。
 東京大学は会合の2週間後に、民間試験の活用を検討すると方針を転換しました。
 大学入試の方法や内容は、憲法が保障する学問の自由に基づいて、大学の権限で、決めることになっています。
 取材に対して、東京大学は、「文部科学省や政治家からの指導や問い合わせはありません」と回答しました。

(以下略)


 下村元文科大臣にマスコミの追及の手が伸び始めていて、まことに喜ばしい限りである。国会でも、彼のベネッセなどとの癒着をガンガン追及して、政治生命を絶ち切って欲しいものだ。

 しかしまぁ、東大を恫喝するとは、利権のためなら「何でも有り」ですなぁ、という印象。民間試験を導入するように東京大学を恫喝するなど、大学の自治と学問の自由を侵害する行為であり、憲法の理念を蔑ろにする政治家としてあるまじき行為である。

 文科行政がまともになるように、問題点は全て明るみに出して欲しい。とくに安倍政権になってから酷さが目立つが、それより以前、少なくともゆとり教育導入の頃から日本の教育行政は迷走しすぎである。英語教育も、コミュニケーション重視といわれてから久しいが、文法や精読を軽視して会話やディベート(もどき)を重視した結果、話す能力モア初度向上していないが、読む能力は明らかに減退している。

 下村氏の問題に限らず、我が国の教育行政が真っ当な方向に進むよう、今般の「入試改革」については徹底的に問題点を洗い出してほしい。


安倍総理の在職日数が歴代最長に (2019 11/20 10:30)

安倍首相、在職日数が憲政史上最長に 20日で桂元首相を超え(11/19毎日)
 安倍晋三首相(65)の通算在職日数が20日、2887日となり戦前の桂太郎元首相(1848〜1913年)を抜き憲政史上最長となる。自民党総裁としての任期満了の2021年9月末までに憲法改正など積み残しの課題に取り組む。
 安倍氏は06年、戦後最年少の52歳で首相に就任。閣僚の不祥事などに見舞われた末、約1年で退陣した。しかし、12年9月、野党だった自民党の総裁選で返り咲き、同年12月の衆院選で政権を奪還。第2次内閣を発足させた。
 経済再生を掲げアベノミクス三本の矢(金融緩和、財政出動、成長戦略)を実行。冷え込んでいた米国との関係を改善し安定政権の基盤を固めた。第2次内閣の発足から約6年11カ月となっており、東京五輪後の20年8月24日まで政権を維持すれば連続在職日数でも佐藤栄作元首相の2798日を抜き単独首位となる。菅義偉官房長官は19日の記者会見で「一つ一つ課題に取り組んできた結果、あっという間に7年近く来た」と述べた。
 もっとも、悲願の憲法改正論議は野党の賛同を得られず停滞。足元では国費を使った「桜を見る会」に自身の後援会関係者を多数招いた問題で批判の矢面に立たされている。立憲民主党の福山哲郎幹事長は記者団に「レガシー(遺産)も成果もない長期政権と言わざるを得ない」と述べた。【杉直樹】

 安倍総理が2007年に退陣したとき、もちろん幾分の期待は持っていたのだが、吉田茂以来「総理の再登板」の例がなかったこともあり、まさか総理として復活するとは予想していなかった。
 また、安倍氏が再登板した時も、当初はここまで長期政権になるとは思っていなかった。もちろん民主党政権における絶望感の反動で、それなりに持つだろうとは思っていたが、さすがに7年持つとは思わなかった。

 雇用環境と外交は合格、経済に関しては財政緩和の不足や消費増税の分のマイナスがあるがまぁ及第点だろう。文科行政に関しては落第である。しかし、何の成果も上げられない内閣も多い中で、一定の成果を上げており、2000年代以降の内閣の中ではもっとも功績を挙げた内閣ではなかろうか。

 しかし……
 福山哲郎曰く「レガシーも成果もない長期政権」。相変わらず現実度外視のアンチ発言しかできない大馬鹿野郎である。少なくとも雇用環境と外交に関しては合格だろうに。



老老介護の果て (2019 11/19 10:30)

男性に後遺症、母要介護 逮捕の妻「3人を殺害」(11/18産経)
 福井県敦賀市の住宅で住人の親子3人の遺体が見つかった事件で、3人のうち、会社役員、岸本太喜雄さん(70)が軽い脳梗塞の後遺症で足が不自由になり、母の志のぶさん(95)が要介護1の認定を受けていたことが18日、県警への取材で分かった。太喜雄さんに対する殺人容疑で逮捕された妻で会社役員の政子容疑者(71)は「3人の首を絞めて殺害した」と供述しているという。
 もう1人は父の芳雄さん(93)で、政子容疑者が3人を介護。県警は介護疲れが動機の可能性もあるとみている。18日、住宅を現場検証する。
 逮捕容疑は17日未明、自宅で太喜雄さんの首を絞めるなどして殺害したとしている。
 県警によると、太喜雄さんの首には手ではなく、何らかのもので絞められた痕があった。県警は近くに落ちていたタオルで就寝中に首を絞められたとみて、遺体を司法解剖して死因を調べる。

 殺人はもちろん許されるものではないが、90歳以上の義両親と夫の世話をしなければならなかった71歳女性の犯行、という点にどうしても同情せざるを得ない。71歳であれば、むしろ日頃の生活の世話をしてもらっても当然の年齢ではないか。

 また、「嫁」としての立場がどういう物だったのかも気になる。義両親らが「嫁が世話をするのは当然」と考えて感謝しないタイプの人種だった場合、いくら頑張っても精神的に全く報われないどころか、24時間365日継続するパワハラの中にいるような状態になってしまう。仮にそうやって追い込まれた末の犯行だとすれば、彼女を批判する気にはどうしてもなれない。

 もちろん、実情がどうなのかはまだ判明していないので想像でしかないのだが、どうしても、そういった想像を巡らせてしまう。
 行政を含め、何とか手差し伸べられなかったのだろうか。複雑な思いを抱かせる、哀しい事件だ。



どんどん劣化する枝野氏 (2019 11/18 10:30)

桜を見る会で「解散に追い込む」 立民枝野代表が講演(11/17共同)
 立憲民主党の枝野幸男代表は17日、東京都内での講演などで、安倍晋三首相が主催した「桜を見る会」の問題に関し「衆院を解散せざるを得ないぐらいまで追い詰めないといけない」と述べ、追及を強める考えを示した。国民民主党などとの合流については「政治状況によってさまざまな判断をする。立民の綱領に賛同してもらえる方と幅広くやりたい」と語った。
 桜を見る会の「前夜祭」の夕食会で、首相の事務所職員が費用を集金した点などに触れ「政治活動であり、政治資金収支報告書に載せないのは明確な脱法行為だ。首相の説明は矛盾だらけだ」と批判。「衆院選がいつあってもおかしくない」と指摘した。


 「桜を見る会」やそれに関連する問題については、勿論襟を正さねばならない部分、改善すべき部分はあるのだが、どう考えても解散とか倒閣とか辞任とかいうレベルの話ではない。

 まぁそれでも解散を狙うのは自由ではあるのだが、読売新聞の最新の世論調査で立憲民主党の支持率が7%しかないのを見るに付けても(参照:内閣支持率6ポイント低下49%…読売世論調査(11/17読売))、実際に解散になったら涙目になるのは枝野氏の方ではなかろうか。

 枝野氏は、民主党議員の中では相対的にまともな方かなと思っていたが(あくまで「相対的に」だが)、立憲民主党の党首になってからはどんどん劣化して社民党レベルに酷くなっている。
 野党から脱出して言動がまともになっている細野氏などとは対極であるが、枝野氏本人にそもそも問題があるのか、情緒的な反安倍的言動ばかり支持する支持者に問題があるのか、その相乗効果でどんどん酷いことになっているのか。



大河ドラマに大きな影響 (2019 11/18 10:30)

1月スタート大河撮り直し間に合わない 沢尻容疑者 初回から登場「最悪中の最悪」(11/17スポニチ)
 沢尻エリカ容疑者(33)が麻薬取締法違反の疑いで逮捕されたことで、来年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」(1月5日スタート、毎週日曜後8・00)の現場も大混乱に陥った。初回放送から登場する重要な役どころだけに撮り直しや編集が事実上不可能な状態。16日に幹部が緊急で集まって対応を協議したが、先行きが見えない状況で関係者は「最悪中の最悪」と頭を抱えている。
 沢尻容疑者の突然の逮捕劇にNHKに激震が走った。斎藤道三の娘・帰蝶で、後に織田信長の正室となる濃姫役。6月4日のクランクイン時から撮影に参加しており、出演シーンも多い。初回放送まで2カ月を切った段階で大枠の編集作業も完了しており、関係者は「ほぼ出ずっぱりなので、これから再編集するにしても時間がない。前半部分の十数話の撮影は終わっている。セットも別のものに造り直しているため、スケジュールの調整がつかない。最悪中の最悪です」と声を落とした。
  当然、出演者やスタッフを再招集することも難しく、編集も不可能となれば、放送時期の見直しや放送中止に追い込まれる事態も考えられる。この日の緊急協議でも明確な対応策は見いだせなかったようで、今後も善後策を話し合っていくことになる。
 大河初出演の沢尻容疑者は、今年3月の発表会見で「たくさんの失敗も挫折もして、ここまでやってくることができました。自分の持っている全てをささげたい。沢尻エリカの集大成を見せたい」と目を潤ませながら意欲を見せていたが、自ら犯した罪で最悪の結果を招いた。
(以下略)

 沢尻エリカがクスリで捕まろうがどうなろうが知ったことではないのだが、来年の大河ドラマの主人公である明智光秀出生の地とされ、大河ドラマに関する施設建設やイベント予定で盛り上がっている可児市に住む身としては、大河ドラマの成り行きに関しては関心を抱かずにはいられない。試聴の冨田さん、頭を抱えているだろうなぁ。

 クスリで身体が蝕まれようが逮捕されて豚箱にぶち込まれようが、それが本人の中だけで収まるのならある意味「勝手にしろ」なのだが、実際には今回のように、発覚した場合の迷惑の範囲が尋常でないわけで。クスリやってるんだったら仕事を受けるな!と思ってしまう。

 NHKは、大河ドラマのキャスティングをする前に、文春や捜査関係者にある程度情報を入れてもらっておかないといけないですかね。



首相自ら説明 (2019 11/16 10:30)

「桜を見る会」安倍首相「すべての費用は参加者の自己負担」(11/15NHK)
 総理大臣主催の「桜を見る会」をめぐり、安倍総理大臣は、前日夜の懇親会を含め、旅費などのすべての費用は参加者の自己負担であり、みずからの事務所や後援会の収支はないことを確認したとして、政治資金規正法違反にはあたらないという認識を示しました。
 総理大臣主催の「桜を見る会」をめぐり、安倍総理大臣は15日夜、総理大臣官邸で記者団に対し、「さまざま報道があったので事務所から詳細について、きょう報告を受けた。夕食会を含めて、旅費・宿泊費等のすべての費用は、参加者の自己負担で支払われており、安倍事務所なり、安倍晋三後援会としての収入・支出は一切ないことを改めて確認した」と述べました。
 そして、旅費や宿泊費は、参加者それぞれが旅行代理店に支払い、懇親会の会費は、会場の入り口で事務所の職員が集めてホテル側に渡す形をとっていたと説明しました。
 また、安倍総理大臣は、前日夜に開かれた懇親会について広い意味での後援会活動だという認識を示すとともに、「価格設定が安すぎるのではないかという指摘があるが、5000円という会費は、大多数がホテルの宿泊者だという事情を踏まえ、ホテル側が設定した価格だと報告を受けている」と述べました。
 そのうえで「収支報告書への記載は、収支が発生して初めて義務が生じる。交通費や宿泊費などを直接、旅行代理店に支払っていれば後援会に収支は発生せず、前夜祭についても、お金をそのままホテルに渡していれば収支は発生しないので、政治資金規正法上の違反には全くあたらない」と述べました。
 一方、安倍総理大臣は官邸内や与党にも招待者の推薦依頼が出されていたことについて、「『桜を見る会』には、叙勲を受けた人や会社のトップなどもたくさん来るが、市井の方々も来られる。どのように選ぶかはなかなか難しく、今までの手法がとられてきたのだろう」と述べました。
 そのうえで、安倍総理大臣は「基準があいまいで、プロセスが不透明ではないかという指摘があり、年数を経るごとにだんだん人数が多くなってきたことも反省しなければならない」と述べ、招待基準の明確化などの見直しを進めていく考えを示しました。
 また、安倍総理大臣は、国会から求められれば説明責任を果たすのは当然だと強調したうえで、記者団から「長期政権の緩みがあったのではないか」と指摘されたのに対し、「長期政権というのは、日々、全力を尽くした結果なんだろうと思う。当然、そのうえで緩みが出ないか、みずからに問いかけつつ、より緊張感をもって進んでいきたい」と述べました。


 前夜祭の話も筋は通っていて理解できるし、「人数が多くなってきたことも反省しなければならない」とも言っている。確かに「疑われるようなことしてるんじゃねぇよ」「桜を見る会に呼ぶ人選をもっと真面目にやれよ」とは思うが、あとは人選の見直し内容が出そろったときに精査をおこなうこととして、国会は正常化させるべきではないのか。少なくとも、野党が倒閣だと息巻くほどの話なのだろうか、と思う。

 まぁ野党や一部マスコミは、「安倍が悪事を働いた」という結論ありきで考えているので、何をどう説明しようが納得することはないだろう。しかし、「久兵衛の寿司が出たのか出なかったのか」とか「唐揚げ追加でいくらになるのか」など、論点がどんどん些末になってきているので、もうこの問題は既にして弾切れになっているのではないか。モリカケの時の10倍速ほどでショボい話に収束していっているように感じる。

 野党もマスコミも、まだやるの?



1300年の伝統のためなら安い (2019 11/15 10:30)

大嘗祭「一晩のため税金27億円」 東京駅前で反対集会(11/14朝日)
 東京都千代田区のJR東京駅・丸の内駅前広場で14日夜、大嘗祭(だいじょうさい)に反対する集会があった。主催者の男性はマイクを持ち「たった一晩の儀式のために27億円もの税金を使い、巨大な神殿が建てられた」と訴えた。参加者は「インチキ大嘗祭」などと書かれたプラカードを掲げ「大嘗祭反対」「税金返せ」とシュプレヒコールの声を上げた。武蔵野市から来たという女性(37)は「天皇制に反対する人は潜在的にいるのに、声を上げにくい息苦しい状況が生まれている」と語った。


 「たった一晩の儀式のために27億円もの税金が!」と主張しているが、一人当たりわずか20円ちょいで1300年以上の伝統が継承されるのなら、非常に安い物だと思わずにはいられない。

 伝統というのは、止めるのは簡単だが、いったん止めてしまうと、復活させるのはとても難しい。首里城の火災に関しても、「瓦を焼く職人の技術が継承されておらず、完全な再現は難しい」と報じられていた。大嘗祭に関しても、いったんやめてしまえば、関連する技術の継承は非常に難しくなるだろう。
 記事に書かれている団体は皇室自体も消滅させたいのだろうが、天皇という存在は、いったんやめた場合に復活させる難しさは、首里城や大嘗祭の比ではなかろう。神話的な部分も含めれば2700年近くの歴史を有する物を排除してしまって、後世の日本人に責任が取れるわけがない。

 伝統の重み、大嘗祭の価値が理解できないくせに、安易に「要らない」と言って欲しくはない。



桜を見る会が中止に (2019 11/14 10:30)

来年の「桜を見る会」は中止 菅官房長官(11/13NHK)
 総理大臣主催の「桜を見る会」について、菅官房長官は午後の記者会見で、招待者の基準の明確化などを図り、予算や招待者数の削減も含め、全般的な見直しを検討するとして、来年の開催を中止することを発表しました。
 また、安倍総理大臣は13日午後7時前、総理大臣官邸を出る際、記者団に対し、「すでに菅官房長官が説明したとおり、私の判断で中止することにした」と述べました。
 この中で、菅官房長官は「桜を見る会」の招待者について「内閣官房の取りまとめにあたっては、総理大臣官邸内や与党にも推薦依頼を行っており、官邸内は、総理、副総理、官房長官、官房副長官に対し、事務的に推薦依頼を行ったうえで、提出された推薦者の取りまとめを行っている」と述べました。
 そして「こうした手続きは、長年の慣行で行ってきているものだが、さまざまな意見があることを踏まえ、政府として、招待基準の明確化や、招待プロセスの透明化を検討したい。予算や招待人数も含めて、全般的な見直しを幅広く意見を聞きながら行うこととし、来年度の桜を見る会は中止をすることにした」と述べました。
 また菅官房長官は、来年の開催中止は安倍総理大臣が判断したことを明らかにしたうえで、再来年以降は再開する前提で見直しを進めていく考えを示しました。
 さらに、見直しにあたっては、規模の縮小が念頭にあるのかと問われたのに対し、「当然だ」と述べました。
 一方、みずからに対しても招待者に関する事務的な推薦依頼があったことについては、「慣行だったので、それが自然のことかなと、ずっと思っていた」と述べました。
 そして、「私どもが野党の時も、その時の政権が行っており、やはり慣行だったのだろう。さまざまな意見を真摯(しんし)に受け止め、疑問点を明確にしていきたい」と述べました。
 総理大臣主催で毎年開かれている「桜を見る会」をめぐっては、年々、参加者が増えていて、野党側は、安倍総理大臣の後援会から多くの人が招待されているとして、「公的行事の私物化だ」などと追及しています。
(以下略)

 規模や人選の見直しをおこなう、そのために来年度はいったん中止にする、という話。規模が大きくなりすぎていたこと、当初予算の3倍もの費用がかかったことは確かに問題であるから、それらを見直すのは良いことだ。これで適正な形に修正されれば、それで良いのではないか。

 これで問題点が改善されればそれで済む話だと思うのだが、野党どもはいよいよ「倒閣だ!」と勢いづいているようだ。野党はこれで倒閣まで持って行こうと本気で思っているのか。こんな些末な問題にかまけて、台風・豪雨の被災地復興や、所謂入試改革の問題などは店晒しのままなのか。

 しかし、マスコミはこれまで、桜を見る会について嬉々として「今年はこんな人達が招待されました」って報道していたではないか。これまでもてはやしていた物を、少し問題が見つかったら一斉に叩き始める。この掌返しの様はさすがにみっともない。



野党や反安倍たちは盛り上がっているが (2019 11/13 9:30)

桜を見る会、招待者の基準「見直し検討」 菅官房長官(11/12朝日)
 首相が毎年春に都内で主催する「桜を見る会」の招待者の基準について、菅義偉官房長官は12日午後の記者会見で見直す考えを明らかにした。基準の明確化の必要性を問われ、「政府としてそこは検討していく。必要があるとも思っている」と述べた。
 今年の「開催要領」によると、招待範囲は、皇族や各国大使、衆参両院議長、閣僚、国会議員、都道府県知事の一部のほか、「その他各界の代表者等(とう)」と定めている。「計約1万人」となっているが、実際には同伴者を合わせ約1万8200人が出席した。
 菅氏は会見で「各界において様々な功績・功労のあった方々などを幅広く招待できるよう『等』をつけている。特定の分野やカテゴリーを想定しているものではない」とも述べた。
 桜を見る会は、各界で功績・功労のあった方々を招待して慰労することが目的とされるが、「等」の範囲が明確でなく、首相の地元後援会関係者も含め政治家の支援者らが多数出席していると、野党が国会で指摘している。
 官邸幹部によると、招待人数についても、今後見直しを検討するという。


 民主党政権時も「桜を見る会」に支援者達を呼んでいたのだから、あまり追及すると野党の面々にも火の粉がかかる。故に、記事のように安倍政権側が「今後は人数や人選を見直す」と言えば、それで収束すべき話であるはずだ。

 ただ、マスコミは民主党政権の時の話は持ち出さないし、野党も自分たちの行状は無視して知らない振りして追及するので、「安倍政権だけがあくどいことをしていた」という空気が醸成される可能性はある。

 18000人ほどが招かれた会で予算が5000万円ほどなのだから、一人当たりで行けば3000円ほどの額。「有権者を買収」と噴き上がるほどの話とは到底思えないのだが。他の政治課題をほったらかしにするほどの大きな問題か?



ハラール給食の要望 (2019 11/12 10:30)

「ハラール給食」はわがまま? ムスリム一家の苦悩(11/8朝日)
 外国にルーツを持つ子どもたちが増える中、学校や園の給食に新たな課題が浮かんでいる。宗教上の理由で特定の食材をタブー(禁忌)にする子への対応だ。社会に多文化共生の考えは広まっているが、現場の負担増も懸念される。身近な困りごとや疑問を募って取材する#ニュース4Uが、「共育」への道を探った。
 「お友だちの子どもが小学校で宗教食(豚肉除去)に対応してもらえず困っています」。東京都新宿区の女性(42)からニュース4UのLINEに取材依頼があった。
 「ママ友」はオーストラリア出身の女性(33)。コートジボワール出身の夫(36)がムスリム(イスラム教徒)のため、日本で生まれた7歳と3歳の2人の娘も生まれながらにしてムスリムになった。
(以下有料)

 さすがに「ハラール給食」を求めるところまで言ったら、我が儘と言わざるを得ないのではないか。

 厳格にハラールを適用しようとすれば、豚肉のみならず、調味料や調理器具、調理法の問題も出てくる。それらのために調理ラインを一から整理し直すのは、合理的な負担とは言えまい。

 日本では宗教の自由が認められているが、何を信仰するかは自由であり、つまり選択したのは自分たちである。自分で選択したわけではないアレルギーの子たちに対する対応とは、分けて考えるべきだろう。自身で選択した結果については、それによって発生するコストはある程度以上は自分たちで負うべきだろう。

 「弁当を許可する」というのが、もっとも妥当な解決策ではなかろうか。それ以上を求めれば、やはり「我が儘」であろう。


イランが大規模油田を発見 (2019 11/12 10:30)

イラン、大規模油田発見 確認埋蔵量で世界3位か(11/10時事)
 【カイロ時事】イランのロウハニ大統領は10日、中部ヤズドでの演説で、南西部フゼスタン州で大規模な油田が発見されたと明らかにした。大統領は「米国の専制的な制裁にもかかわらず、巨大油田を見つけることができた。イランは豊かな国家だと米国に告げたい」と語った。
 イランのメディアによれば、見つかった油田の面積は2400平方キロで、埋蔵量は推計530億バレル。英石油大手BPによると、イランの確認原油埋蔵量(2018年末時点)は1556億バレルで世界第4位。今回の発見で埋蔵量は1.3倍に増え、ベネズエラ、サウジアラビアに次ぐ3位になるとみられる。

 アメリカに対しての「強がり」という可能性もあるので、この発表をそのまま鵜呑みにするわけにはいかないのだが、事実であれば石油枯渇が遠のくことになるので、喜ばしい話ではある。

 埋蔵量が530億バレルという量がどれほどの物なのかと思って少し調べてみたら、1日の世界の消費量が1億バレルらしい。ちなみに世界全体での埋蔵量は1.7兆バレルで、世界消費量から行くと約46年分。
 もちろんこれからも新たな油田が発見され続けるだろうから本当に40年ほどで枯渇するわけではなかろうが(私が小学校の頃から「石油はあと40年ほど」と言われていたように記憶している)、石油がなくなるのは遠い未来の話というわけでもない。

 化石燃料に変わるエネルギー源を開発する〆切は、まだまだ先だと楽観視しているうちに、気が付いたらすぐそこに、ということになりそうな気もする。



「桜を見る会」批判 (2019 11/11 10:30)

玉木氏、「桜を見る会」追及へ 「後援会招待なら買収」(11/10共同)
 国民民主党の玉木雄一郎代表は10日、首相主催の「桜を見る会」を巡り、招待の基準が不透明だとして国会で追及する考えを示した。安倍晋三首相の地元後援会メンバーを多数招いているのではないかとの共産党の指摘を踏まえ、岐阜県大垣市で記者団に「後援会旅行(費用)の肩代わりなら、税金を使った買収に見える」と批判した。
 桜を見る会の招待者や予算額について「安倍政権になって明らかに増えている」と指摘。「誰をどのような基準で選んだのか、政府に説明を求めたい」と述べた。
 与党が早期の衆院通過を目指す日米貿易協定承認案に関しては、今国会での承認反対を明言した。


 モリカケの次は「桜を見る会」がターゲットですか、という印象。

 長期政権なので人数がある程度増えていくのはしかたない面もあるとは言え、それでも少し規模が大きくなりすぎているようには感じるので、「まったく問題なし」というつもりはない。さすがに当初予算の3倍という数字は、看過してはならないだろう。

 ただ、「後援会の人を招待すること」を問題視し批判するのであれば、民主党政権時代の「桜を見る会」にも後援会や民主党県連の関係者が多数参加していたという事実は無視するわけにはいかない。この件で安倍政権を批判すると野党も返り血を浴びることになるのだが、その覚悟はあるのだろうか、とは思う。

 自分たちに火の粉がかかり、有耶無耶にしつつフェイドアウト、という未来が見えるのだが、どうなるだろうか。


秀吉の様子を伝える直江兼続書状 (2019 11/11 10:30)

秀吉の気配り、書状見つかる…直江兼続が「人たらし」ぶり生々しく(11/9読売)
 豊臣秀吉(1537〜98年)が、居城とした伏見城(現在の京都市伏見区)築城の工事現場に自ら赴き、現場の労働者一人一人に声をかけた様子を記した書状が発見された。専門家は「秀吉の気さくな面と人使いのうまさを具体的に伝える史料だ」と注目している。
 書状は、戦国武将上杉景勝の家臣で、伏見城普請に派遣されていた直江兼続が、京に向かう途上の景勝の随行者とみられる人物に宛てたもの。米沢藩主時代の上杉氏の別荘だった山形県南陽市の旅館「御殿守ごてんもり」が古書店から購入して所蔵しているのを、東京大史料編纂所と新潟県立歴史博物館などの共同調査で確認した。
 文禄3年(1594年)の4月2日付で書かれ、兼続の花押がある。兼続は築城現場の様子を報告するとともに、「昨日も大(太)閤様御覧なされ候そうろう、普請衆何いずれニも、御言葉を被下くだされ候」(昨日も秀吉様が工事をご覧になりました。工事をしている者たちに直接言葉をかけて下さいました)と、身分制の厳しい時代に、現場の士気を高めるための気配りを見せた様子を記している。
 調査した同編纂所の村井祐樹准教授によると、秀吉が工事の様子を検分したことは知られていたが、具体的な様子がわかる史料は珍しく、「人たらしと言われた秀吉の姿を生々しく伝えて貴重だ」と話している。


 書状に描写されている秀吉の態度も興味深いが、それを観察した直江兼続の書状、というのも趣深い。

 信長も、訪れた賓客に対して自ら食事を運んだり、相撲大会を主催して力士に声をかけたり、身分の卑しい者にも気さくに声をかけたり、というのが信長公記などに記録されている。秀吉も、主君のそういった面を真似たのかもしれない。



なぜ政局に走るのか (2019 11/9 10:30)

萩生田氏を攻めきれず、焦る野党 「教育問題で主導権」図るも(11/8毎日)
 野党は8日の参院予算委員会の集中審議で、大学入学共通テストに焦点を当て、採点ミスが多発しかねないとして国語や数学の記述式試験の導入中止を重ねて求めた。導入が延期された英語民間試験も含む教育問題で主導権を握ろうと図ったが、混乱を招いた萩生田光一文部科学相の責任論まで攻めきれず、焦りも広がる。【野間口陽、東久保逸夫】
(以下有料)

 攻めるのなら延期を決定した萩生田氏ではなく、無茶な「改革」を推進してきた下村や柴山の方ではなかろうか。むしろ延期を決断した萩生田氏を評価してさらなる譲歩を引き出した方が政治的には上策であるのに、何でズレた方向へ進んでしまうのか。

 民間試験延期のために動いていた野党議員に対して、萩生田氏の「身の丈」発言によるオウンゴールとは言え、「民間試験採用延期」という成果を勝ち取ったことを評価していたのだが、けっきょくは「首取り」に動いている姿を見て、その評価も台無しである。

 けっきょくは政局優先。いつまで経っても成長しない面々である。



入試改革問題の本丸 (2019 11/8 10:30)

下村元文科相 “事業者と蜜月関係”報道を否定(11/7NHK)
 延期された大学入学共通テストへの英語の民間試験の導入をめぐり、自民党の下村元文部科学大臣は、事業者と「蜜月関係にある」などと週刊誌で報じられたのに対し、「全くない」と否定し、導入決定の経緯に問題はないと強調しました。
 自民党の下村元文部科学大臣は、延期された大学入学共通テストへの英語の民間試験の導入をめぐり、民間事業者と「蜜月関係にある」などと、7日発売された「週刊文春」で報じられました。
 下村氏は、高知市で記者団に対し「そのようなことは全くない。『業者のための入学試験』というのは、ためにする議論だ」と否定しました。
 そして、「党で議論し、文部科学省でも審議会などで議論を積み重ねる中で決まったことだ。6年間勉強しても、まともに英語を話すこともできないのは、いかがなものかということで、『読む、書く、話す、聞く』の4技能すべてをマスターできる英語教育が必要だとなった」と述べ、導入が決まった経緯に問題はないと強調しました。


 安倍政権の教育行政がおかしい理由の一つが、この下村博文の存在。どんどん追及して欲しいところだ。特にベネッセとの関係は重点的に攻めてもらいたい。
 望んでいる人がほとんどいないような「改革」がなぜ進んでしまったのか、それで利益を得るような流れが生み出されてはいないのか、受験生を食い物にするような仕組みがなぜ生み出されたのか、徹底的に解明する必要がある。

 しかし考えてみれば、安倍政権より前に、既に「ゆとり教育」という大失敗の前例があった。安倍政権の教育行政と言うより、文科省と文教族がずーっと酷いということかもしれない。
 「入試改革」の流れを止めなければ、「ゆとり教育」と同等以上の大損害を国にもたらすことになるだろう。いや、既に「文法軽視、会話重視」の英語教育は始まっており、まともに文章を読めない高校生が量産されつつあるのだが……。

 ちなみに、この件に関するNHKの秀逸な記事。

WEB特集 ババ引かされたのは受験生だ! 英語民間試験 なぜ国は推進した(11/7NHK)
 50万人の受験生に衝撃が走った英語民間試験の延期。文部科学省を取材する私たちは、こう思いました。「どうしてこんな政策を官僚たちは推し進めたのか、絶対明らかにしたい」
(霞が関リアル取材班 記者 伊津見総一郎・鈴木康太)


 ぜひ全文を読んでいただきたい。



総理の下劣なヤジ (2019 11/7 10:30)

安倍首相、議員指さしヤジ その後「申し訳ない」 衆院予算委、審議一時中断(11/6毎日)
 6日の衆院予算委員会で、安倍晋三首相が着席中に飛ばしたヤジに野党が猛反発し、審議が一時中断した。立憲民主党などの会派に属する今井雅人氏(無所属)が加計学園問題で文部科学省内で見つかった文書に言及した際に首相が不規則発言。今井氏によると、首相は今井氏を指さして「あなたが(文書を)作ったんじゃないの」とヤジったという。
 文書は、文科省が2017年6月に省内で保存されていたものだとして公表した「個人的メモ」。当時官房副長官だった萩生田光一文科相が獣医学部新設計画に関わっていたのではないか、と今井氏が尋ねた際に首相発言があり…
(以下有料)

 これは、ヤジ自体もいけないが、文書を捏造したと指摘するようなヤジの内容もかなり酷い。これはとても擁護できるようなものではなく、自制・自省して欲しいと心から思う。もうすぐ歴代の在任記録を抜くということもあってか、少し緩みすぎではなかろうか。

 まだ加計学園問題やってるのか、という今井雅人に対する批判とは別の問題である。日本の舵取りを担う人間が、こんな卑小な人間であって欲しくはない。

 まぁ、消費税を上げてしまった時点で、他の総理候補との差異なんてほとんど無いので(在職期間が長いのは外交で有利かなぁというくらい)、以前ほど支持の気持ちは強くなくなっている。


ボイジャー2号の観測データ (2019 11/7 10:30)

 興味深い内容なので引用。へリオポーズに対する知識をあまり持っていないので、この記事に何かを付け加えるようなことはできない。ただただ、読んで「そうなのかぁ」と感心するのみ。

打ち上げから42年 ボイジャー2号が迫る星間空間の謎(11/6時事)
 【パリAFP=時事】米航空宇宙局(NASA)の探査機ボイジャー2号が、太陽系を包む泡構造「太陽圏」を離脱した際の観測データを解析した5件の論文が4日、英科学誌ネイチャー・アストロノミーに発表された。ボイジャー2号は1977年8月20日に打ち上げられ、今も太陽圏を越えた領域からのデータを地球に送り続けている。(写真は米航空宇宙局が提供したボイジャーのイメージ画像)
 科学者らはボイジャー2号と双子の探査機ボイジャー1号から送られてくる観測データを比較することで、数々の疑問に答えが出ると期待していた。だが、ボイジャー2号が太陽風や磁場、太陽の影響範囲である太陽圏と星間空間との境界を飛び交う宇宙線などに関する謎を解決するごとに、また新たな謎が出てくるという。
 太陽圏は太陽系を包む荷電粒子の泡で、宇宙線に対する保護膜のような役割を果たしている。激しい風にさらされた吹き流しのような形状をしており、太陽磁場と、太陽から放出される電離したプラズマ粒子の太陽風で形成されている。この太陽風は時速300万キロの速度に達することもある。
 ボイジャー2号は今回、理論で予測され、ボイジャー1号によって観測されていた太陽圏外縁部の「磁気バリア」の存在を確認した。この磁気バリアは、「ヘリオポーズ(太陽圏界面)」と呼ばれ、太陽風の荷電粒子と恒星間風(星間物質の流れ)が衝突する、比較的薄い接触境界領域となっている。
 さらに、粒子の漏出という謎も出てきた。
 ボイジャー1号が太陽圏の境界を通過した時は、反対方向に高速で進んでいる太陽系外空間からの粒子、特に宇宙線が検出された。だが、「ボイジャー2号の場合は、真逆だった」と、論文執筆者の一人で米カリフォルニア工科大学のエドワード・ストーン教授は指摘する。「太陽圏を離れると、内部から外へ漏出している粒子が観測され続けた」
 この漏出の謎について、荷電粒子の測定に関する今回の論文の執筆者であるジョンズ・ホプキンス大学応用物理学研究所のトム・クリミギス氏は、11年周期で増減を繰り返す太陽活動との関連を示唆している。
 打ち上げから42年を過ぎたボイジャー1号と2号は5年以内に電力が尽き、データの送信が途絶える見通しだ。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕


 この件に関しては、ナショナルジオグラフィックの記事が非常に詳しい。

星間物質は3万度超、ボイジャー2号が初の直接観測(11/6ナショナルジオグラフィック)



首里城火災に関して (2019 11/6 10:30)

首里城、地下の世界遺産遺構が一部損壊か がれき入る(11/5朝日)
 首里城(那覇市)の正殿などが焼けた火災で、正殿の地下にある世界遺産の遺構にがれきが入り込んだことがわかった。5日に開かれた沖縄県議会文教厚生委員会で県教育委員会が明らかにした。遺構の一部が損壊している可能性がある。
 正殿の地下には、17世紀以前に建てられた遺構があり、ここを含む「首里城跡」が、「琉球王国のグスク(城)及び関連遺産群」として、2000年に世界遺産に登録された。正殿の床は一部がガラス張りになり、遺構を見ることができていたが、火災でガラスが割れ、がれきが入り込んだという。

 首里城の多くの建物が火災で消失してしまったことには、お見舞いを申し上げたいとは思うのだが……
 「沖縄の心のよりどころ」とか「沖縄の歴史・文化の復興」とか言うのであれば、なぜ防火体制を万全に整えていなかったのだろうか、と不思議でならない。一部を焼損というなら分かるのだが、あそこまで豪快に燃やしてしまうのは、防火体制に不備があったと断じねばなるまい。

白川郷で小屋全焼 合掌造り集落は被害なし(11/5東京新聞)
 四日午後二時四十分ごろ、岐阜県白川村荻町の白川郷で、小屋が燃えていると付近の住民から一一九番があった。県警高山署によると、駐車場の小屋二棟が全焼し、約二時間後に鎮火した。世界文化遺産に登録されている合掌造り集落への被害はなく、けが人もいなかった。
 署によると、燃えたのは、集落に向かう観光客らが利用する村営「せせらぎ公園」の駐車場にある物置小屋と配電設備小屋。集落の中心部から約四百メートル離れ、川を挟んで対岸にある。かやぶき屋根だが文化財ではないという。出火原因を調べている。
 付近では一日から、夕方以降に紅葉のライトアップが行われていたが、火災を受け四日は中止となった。
 現場近くの飲食店の女性従業員は「外に出たら小屋が燃えているのが見えた。首里城の火災があったばかりなので、とても怖かった」と話した。

◆延焼防ごうと集落内も放水
 火災があった小屋の対岸にある合掌造り集落では、住民たちが自主的に集落内などに設置された放水銃五十九基を稼働。対岸からの火の粉を防ごうと、各家屋の周りに水のカーテンを張り巡らせた。
 合掌家屋に住む三十代の女性は、火災を知らせるサイレンを聞くと同時に、消防団員の夫から「火事だ」とメールを受けた。外に出ると、対岸の小屋から黒煙と炎が上がっているのを確認。他の住人たちが放水銃を準備しているのを見て、自宅前に設置されている放水銃を作動させた。
 白川郷では、合掌造り集落の火災に備え、地元消防団が年に一回、放水訓練を実施。今年も十月下旬に、一斉放水訓練があったばかりだった。
 女性は「訓練のおかげで、すぐに放水に取り掛かることができた。合掌家屋に住む者として、いっそう火には注意しないといけない」と話した。
 白川村消防団長の小坂秀昭さん(60)は「放水銃のおかげで延焼を防ぐことができたと思う」と住民の素早い行動をねぎらった。
 首里城の火災後に防災無線で注意を呼び掛けたといい、「『同じ世界遺産を持つ白川村では、絶対に火事を起こさないようにしよう』と放送していたので、住民たちの意識が高かったと思う」と話した。


 白川郷においては、1個ごとに放水中が整備され、毎年10月には防災訓練をおこなっている。今年は、先月27日に、放水中で実際に放水をおこなう訓練を実施している。
 本当に大事な遺産であれば、このような体制を整えるのが当然ではないのだろうか。

 沖縄の首里城に対しては、対策が甘いと言わざるを得ないし、玉城沖縄県知事も、国に支援を呼びかける割には自らの責任に言及することがないのが少し気に掛かる。国に要求する前に、まず自分たちが率先して役割を果たすべきではないか。ましてや玉城氏は「沖縄の自立」を標榜していたのだから、国に全面的に頼るのは筋が通らない。

 沖縄の人達が「痛ましい」と感じるのはともかく、管理側まで同じように被害者のような顔をしているのは少し違うのではないか。



10分間の会談 (2019 11/5 10:30)

韓国大統領、安倍首相にハイレベル協議提案 国際会議の合間に(11/4朝日)
 [ソウル 4日 ロイター] - 韓国大統領府は4日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会合の合間に短時間、安倍普三首相と話をし、冷え込んでいる日韓関係の修復に向け、ハイレベル協議を行うことを提案した、と発表した。
 韓国大統領報道官の声明によると、文大統領と安倍首相は会合の合間に11分間、話し合った。
 声明は、両国の外務省が実施している実務レベル協議に言及し「両首脳は、2国間問題は対話を通じて解決すべきという原則を再確認した」とし「文大統領は、必要ならさらにハイレベルの協議を提案し、安倍首相は、可能なあらゆる方法を通じて解決を目指すことを提言した」としている。
 NHKによると、両首脳は、日韓関係は重要で、対立は対話を通じて解決されるべきとの認識で一致した。
 元徴用工問題や日本の輸出管理厳格化で韓国と日本の関係は極めて悪化しており、両国首脳会談は1年以上、開かれていない。
 韓国は、日本との安保協力の枠組みである軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を表明したが、日本が輸出管理の厳格化をやめれば、GSOMIA破棄を撤回する可能性があるとしている。


 たった10分の会話(通訳を交えてであるから実質数分だ)であるし、日本側としては原則論を話しただけのようだ。しかし、韓国側は、本来撮影禁止の控え室の写真を公開し、大々的にこの「会談」を報じている。まぁ成果が欲しかった、ということなのだろうが。

 対話を通じて解決するというのは良いのだが、行動をとるべきは条約に違反した行動をとり続けている韓国の方であり、日本から何か行動を起こして譲歩する必要は全く無い。

 韓国議長が「日韓で寄付金を集めて元徴用工に支給する」という案を出していたが、仮にそれを実行しても、またそのうち韓国側が勝手に基金を解散してしまったり、さらに賠償金を取ろうという裁判が続発したりという恐れがある以上、日本が易々とそれに乗るわけにはいかない。

 繰り返すが、ボールは韓国側にある。韓国が、日韓請求権協定に則って徴用工問題を韓国国内で解決させてからでなければ、日韓関係は前に進めようがない(できれば韓国軍によるレーダー照射やGSOMIA破棄についても謝罪すべきであるし、さらに言えば、対馬の寺から盗んだ仏像返せ、不法占拠している竹島を返せ、という問題もあるが)。

 日韓関係を正常化させたいなら、韓国が誠意ある対応をすべきだ。



歴代文科相の妄言 (2019 11/4 10:30)

英語試験延期で自民に賛否 「身の丈」発言の萩生田氏に怒りの声も(11/1産経)
 自民党は1日、萩生田光一文部科学相が大学入試への英語民間試験の導入延期を発表したことを受け、緊急の文科部会を党本部で開いた。政府の判断について賛否両論が出たほか、すでに準備を進めてきた受験生に混乱をきたさないための施策を盛り込んだ決議文を出すことも決めた。
 「非常に残念だ。なんのためにここまで苦労してきたのか」
 英語民間試験の導入を主導してきた柴山昌彦前文科相は部会でこう語った。「すでに大学の3割が民間の試験を使っており、今回の導入によってさらに3割増える。受験生にとってはありがたい制度設計だ」と効果を強調。導入に向けた準備が遅れていることは認めた上で「徐々にそれも改善している。47都道府県で民間試験をできるようになっている」と主張した。
 下村博文選対委員長も「クリアしなければいけない問題はあるが、パーフェクトを求めていたらやれない」と指摘。すでに準備を進めてきた受験生のため、大学入試センターが一元管理する現在の制度を見直し、各大学による民間英語試験の導入を国が私学助成金などで支援する代替案を示した。
 民間試験をめぐり「自分の身の丈に合わせて頑張って」と発言して批判を集めた萩生田氏を批判する声も出た。議員の一人は「撤回せざるを得なくなったのは(萩生田氏の)発言によって政策の中身ではなく感情的な議論に変わってしまったからだ。猛省を促したい」と強調した。
 一方、「政治判断として仕方ない」「受験生の経済的な問題や地理的な問題をクリアできていない」といった導入延期に理解を示す意見も上がった。
 部会では、英語4技能(読む・聞く・話す・書く)で評価する方向性を堅持することなどを盛り込んだ決議を来週にもまとめることを決めた。


 下村氏や柴山氏に比べれば、萩生田氏が何と良心的な素晴らしい政治家に見えることか。
 下村氏曰く「各大学による民間英語試験の導入を国が私学助成金などで支援する」。民間試験導入にお金を注ぎ込むくらいなら、大学独自の記述試験・スピーキング試験にお金を注ぎ込む方がよっぽど有意義だろう。どうしても民間試験にお金が流れる仕組みを作りたいようだが。
 柴山氏曰く「非常に残念だ。なんのためにここまで苦労してきたのか」。お前の苦労など知ったことではない。間違った方策に苦労をしようと、そんなものを評価するわけにはいかないし、最も留意すべきは、受験生が報われるか否かであろう。

 この二人の発言は、所謂「入試改革」を推進する者たちの馬鹿さ加減、身勝手さを端的に表してくれている。「入試改革」はろくでもない物だという評価の裏付けにしかならない、馬鹿馬鹿しい主張である。



「入試改革」を支持する駄文 (2019 11/2 10:30)

英語民間試験の延期は天下の愚策 既得権にしがみつき政局政治やってたら本当に日本は亡びるぞ(11/1FNN PRIME)
ヨコメシが苦手な理由
 大学入試の英語民間試験が延期になった。天下の愚策だ。
 なぜ延期してはダメなのか。
 ここからは先週の英語コンプレックスの続き。
 僕の場合「読む」は何とかできるが、「聞く」「話す」「書く」が苦手な典型的な日本人の英語である。だから「ヨコメシ」の時は緊張する。ヨコメシとは外国人と横並びでテーブルに座って、英語をしゃべりながら、洋食を食べる事。つい最近も日本の外交官に誘われ在京の欧州某国の大使公邸でのヨコメシランチに夫婦で行った。選挙前だったので僕は得意の議席予測の話をして大ウケしたので良かったが、あれがなければヤバかった。絶対、間が持たなかった。
 僕の英語コンプレックスの原因は単純に「読む」ばかり勉強して残りの「聞く」「話す」「書く」をやらなかったからだ。でもしょうがない。日本の英語教育がそうだったのだ。だから自分の娘には早いうちに英語に慣れて、コンプレックスを持つことなく英語を使ってほしい。

なぜ英語民間試験を延期するのか
 だから大学入試の英語民間試験には大賛成で、いろいろもめた末に6割以上の大学が参加を表明したのでホッとしたところだった。
 それが萩生田文科相の「身の丈」発言で、あっさり延期となってしまった。野党やメディアは萩生田発言に引っ掛けて英語民間試験に対し「地方でお金持ちでない家の子供は教育を受ける権利がないのか」と批判したのだが、すごい論理の飛躍だ。何をもってそんな話になるのだろうか。
 しかし菅原、河井両大臣の更迭で守勢の安倍政権はあっさり英語民間試験を延期してしまった。
 
大事なのは柔軟性、思考力、創造性、協調性
 昨日、元文科相の下村博文・自民党選対委員長と延期の可能性について話した時、彼は「大学の入試改革をそんなに悠長に構えていいのか」と怒っていた。確かに日本の大学入試はいまだに暗記重視ではっきり言って世界標準ではない。
 社会に出るとわかるが、東大京大や早慶など偏差値の高い大学出身者が必ずしも仕事ができるわけではない。仕事に暗記力は、ないよりはあった方がいいが、むしろ柔軟性や、自分で考える思考力、新しいことを考える創造性、そして他人と触れ合う協調性の方が大事だというのはまともに仕事をしている人はみんな知っている。
 だからフジテレビもそうだが、企業の採用はすでに学歴偏重ではなくなっている。当然大学も変わらねばならない。そのしょっぱなが英語民間試験だったので、これをダメだと野党やメディアの人たちが言っているのを聞いて本当にビックリしたのだ。

教育改革を急げ
 下村氏が言うように教育改革はのんびりやってる余裕はない。むしろかなり切羽詰まっている。民間試験は確かに平等ではない。でも地方在住者や低所得層への優遇措置をもう少し増やせばみんな納得するのではないか。世界に周回遅れなのだから、とりあえずスタートして、やりながら変えなければだめだ。それをこれから1年もかけて検討して始めるのは5年後って、この国、はっきり言って終わってる。
 日本はこの30年停滞した。経済だけでなく、教育、ITなどいろいろな面で世界について行けてない。なぜなのか。おそらく規制緩和して新しいことをやろうとしても既得権益を持っている人たちが死に物狂いで反対する。もう一つは野党が常に政権批判の材料を探して結果的に「変化」を許さない。もちろんほとんどのメディアも同罪。
 なぜ片田舎の長州藩が明治維新を起こせたか。それは教育である。長州藩は寺子屋が盛んで武士の子も農民の子も一緒に学び、それが松下村塾につながって日本で初めての「革命」を起こした。初代首相伊藤博文は貧しい下級武士の生まれである。
 アジアの小国日本の経済発展は教育水準の高さが産み出した。その教育がどうも怪しくなっているのだとしたら、我々は他に先駆けて改革しなければいけない。「身の丈」がどうのこうのと言っている場合ではないのだ。

【執筆:フジテレビ 解説委員 平井文夫】


 民間試験採用の延期を批判し、「入試改革」をどんどん進めるべきだという主張。現場の状況を全く理解せずにひたすら「改革は善」と信奉する、ゴミみたいな文章だ。

 "僕の英語コンプレックスの原因は単純に「読む」ばかり勉強して残りの「聞く」「話す」「書く」をやらなかったからだ。でもしょうがない。日本の英語教育がそうだったのだ"とか"。確かに日本の大学入試はいまだに暗記重視ではっきり言って世界標準ではない"とか、実情も知らないでよくもまぁ平気でデタラメをばらまけるもんだ。少なくとも学校の英語教育では「書く」はきっちりおこなわれていた。また、実際のセンター試験やほとんどの国立大入試は暗記一辺倒ではなく、思考力を問う良問が揃っている。
 教育の現場も実際の入試問題も見ていないくせに、「日本の教育は間違っている」「日本の入試はゴミだ」とか言うべきではない。少なくともメディアの人間だったら少しは調べてから口を開いたらどうか。

 だいたい、"大事なのは柔軟性、思考力、創造性、協調性"とか言ってるが、民間の英語試験を受ければその柔軟性だの思考力だの創造性だの協調性は身につくのか?まったくそうは思わないのだが、そう考えるなら、きちんと論拠を提示したらどうだろうか。

 入試制度を批判する前に、自分の文章力、論理的思考力の無さを反省すべきだろう。このような頭の悪い人間だけが、「入試改革」を応援しているのだ。



英語民間試験採用延期へ (2019 11/1 10:30)

英語民間試験 来年4月からの実施を見送りへ(11/1NHK)
 萩生田大臣の「身の丈にあわせて」という発言が問題となった新たな大学入試に導入される英語の民間試験。文部科学省は、予定していた来年4月からの実施を見送る方針を固めたことが関係者への取材でわかりました。
 文部科学省は、来年度から、今の大学入試センター試験に代わって、「大学入学共通テスト」を新たに実施します。英語の民間試験は、この共通テストの柱の1つとして導入が決まり、ベネッセや日本英語検定協会など6つの事業者による検定試験が実施される予定でした。
 しかし、文部科学省などは、1日までに、来年4月からのこの民間試験の実施を見送る方針を固めたことが、関係者への取材でわかりました。
 試験まですでに半年を切り、1日、受験に必要な共通IDの手続きが始まるのを前に、50万人に上る受験生への影響を考慮し、判断したものとみられます。
 民間試験をめぐっては、利用する大学から、難易度の異なる試験を、合否判定に使うことは難しいという指摘が相次ぎ、結果的に、初年度利用する大学と短大は、全体の6割ほどにとどまる見通しとなりました。
 また、高校や受験生からも、受験料などの費用負担が大きいといった問題に加えて、先日の萩生田大臣の「身の丈にあわせて」という発言や、事業者側から、試験会場などの詳細な情報が10月になっても、公表されなかったことなどに、不満が高まっていました。

萩生田文部科学相 実施延期を表明へ
 萩生田文部科学大臣は、大学入学共通テストに導入される英語の民間試験について、受験生の不安を解消するのは難しいとして、予定していた来年4月からの実施を延期する方針を固め、このあと、表明することにしています。
 大学入学共通テストに導入される英語の民間試験をめぐって、野党側は、「地方の所得の低い家庭の子どもが影響を受ける制度だ」などとして、導入を延期するよう求めていて、政府・与党内からも政策的に欠陥があるなどとして延期すべきだという意見が出ています。
 こうした中、萩生田文部科学大臣は、英語の民間試験について、受験生の不安を解消するのは難しいとして、予定していた来年4月からの実施を延期する方針を固め、このあと、閣議のあとの記者会見で表明することにしています。
(以下略)

 ひとまず延期が決まって一安心。できれば、民間試験採用の延期だけでなく、所謂「入試改革」の中止にまで進めたいところだが、まずは、関係者の勇気ある決断に感謝し敬意を表したいと思う。
 また、抗議の声を上げた方々、署名活動、議員への働きかけをおこなった方々にも敬意を表したい。真っ当な物であれば(反原発のドンチャン騒ぎのような物ではなく)、国民の声はちゃんと政治に届くのだなぁと感じた。もちろん、萩生田氏の湿原がなければ強行されていた可能性は高いが、反対の声が大きくなかったら、失言があっても強行されていただろう。
 ささやかながらいろいろ行動していた身としては、本意がかなって安堵している。一方で、全く反応してくれなかった議員のことも記憶し続けるだろう。

 柴山、萩生田という最近の文科相がアレだったせいで逆に英語民間試験採用延期に漕ぎ着けたという面もあるので、野党は萩生田氏の辞任を求めるのではなく、このまま居座らせてさらに失言をさせて民間試験採用中止にまで進めて欲しいものである。