過去の世迷い言                前のページへ戻る

また来年! (2012 12/31 22:00)

 悪夢の3年が終わり、ようやく政権交代を経て復調に対して希望が見えるようになりました。自民党が完璧と言うつもりはありませんし、さまざま危惧している部分は確かにありますが、「こうして欲しい」という願いを訴えることが無駄にならないような集団が政権にいる、という安心感があることは確かです。

 個人的には、今年は(今年も)仕事についてはいろいろ逡巡を感じた1年でした。一方、家庭に対して殆ど懸念が生じることがなかったことが、非常に幸福なことではありました。土台がしっかりしているからこそ、仕事で多少問題があっても何とかやってこられたというのはありがたいことでした。

 来年は、今年以上に大変な年になることがほぼ確定しているのですが、まぁ肉体的に辛くとも精神的には充実した年になれば…と楽観的に構えることにしましょう。

 皆様良いお年を。そして、私にとっても良い年になりますように!いや、むしろ良い年にしてやる!



皆様、良いお年を (2012 12/30 22:00)

 年末年始は、例年どおり、更新するか更新しないかはテキトーにやります。確実に更新再開するのは1月3日です。ま、たぶん元日から更新かます可能性が高いと思いますので、訪問されている方も、テキトーに訪問してくださると幸い。もし宜しければ、ツイッターの方はそれなりにやってると思いますので、覗いてみてくださいませ。

 来年こそ、日本が復活する年になりますよう。皆様にとっても良い年になりますよう。
 私も、今年以上に気合いを入れて頑張らねばのぅ。


朝日節 (2012 12/30 22:00)

12/30付朝日朝刊 天声人語
 空前の434万票で東京都知事に選ばれた猪瀬直樹氏は、その地位を「4年間安定した総理大臣のようなもの」と語る。首相が7年続けて代わった師走の言葉から▼東大教授の森政稔(まさとし)さん(53)は、戦後最低の投票率に無言の政治不信を見た。「正義や公平が著しく損なわれれば、まじめに働くことがばからしくなる。人々がそれぞれの持ち場を放棄するようになり、この国に本当の危機がやってくる」▼「変化する社会と、選ばれた代表との距離がさらに開き、政治が遠いと感じる人が増える」。脱原発デモに加わる社会学者、小熊英二(おぐまえいじ)さん(50)の心配だ。「代議制とは別の参加回路を作らないと、無限に金をばらまくか、不満がたまり治安が悪化するか」▼西宮市の無職田中康次さん(65)はかつて、護憲のシンボル土井たか子氏の支持者だったが、今回は自民党に入れた。「この選挙がきっかけで危うい道へ進んだら、私たちの責任や」▼「肩ひじ張った外交は自信喪失と劣等感の表れ」。前中国大使の丹羽宇一郎氏が日中双方を戒める。「日本人を嫌う中国人には、日本の商品は素晴らしいという嫉妬、裏を返せば尊敬の念がある。こちらまで感情を爆発させる必要はありません」▼大阪で天津甘栗を商う藤田輝貴さん(61)はこの秋、新栗を仕入れに訪れた中国の河北省で、公安警察に「あまり出歩くな」と警告された。「甘栗は日中友好の象徴。歴史に思いをはせながら味わってほしい」。甘くない時こそ、草の根の絆が物を言う。

 「朝日とは何か」と聞きかれたらこの文章を見せるのが良いのではないか。「政治批判」「危機感の醸成」「いつか来た道」「毅然とした外交批判」「日中友好」……と、朝日らしさ全開のみごとな文章。

 「首相が7年続けて代わった」と言ってるが、何でも反対の野党のせいで行き詰まった自民時代と、勝手に自爆した民主時代を一緒くたにするのはどうかと思うぞ。



何でも反対? (2012 12/29 22:00)

日銀総裁人事「事前に相談してもらう」…前原氏(12/29読売)
 民主党の前原誠司前国家戦略相は29日、読売テレビの番組で、来年4月に任期満了を迎える日本銀行の白川方明(まさあき)総裁の後任人事について、「事前に相談してもらうということだ。相談なく(国会に)出されても、ノーだったらノーという」と述べ、民主党と事前調整が必要との認識を示した。
 前原氏は民主党が復活させた「次の内閣」財務・金融担当を務めている。
 自公両党は参院で過半数に満たず、民主党などが協力しないと人事案は国会で同意されない。
 日銀総裁人事をめぐっては、福田政権当時の2008年、野党だった民主党が、相次いで政府の人事案を否決し、総裁が一時的に空席となる事態を招いた。


 言葉どおり「事前相談して顔さえ立てておけば協力する」という意味なら良いんだが……いや、「野党になったからには何でも反対でいくぜ」という高らかな宣言にしか聞こえないな。


反原発デモ (2012 12/29 22:00)

薄れゆく脱原発に怒り 安倍政権発足後、初の官邸前デモ(12/29朝日)
 安倍政権発足後では初めてとなる東京・永田町の首相官邸前での脱原発の抗議行動が28日夜、あった。民主党政権時代の「脱原発」政策の転換が進む中、参加者は危機感を募らせた。
 防護服姿で「自民党はおごるな!」と書いた紙を掲げた埼玉県所沢市の介護職員大河雅彦さん(37)。茂木敏充経済産業相が、未着工の原発の新増設凍結を白紙にする考えを示したことに「民意は原発を支持したわけではない。そのことを伝えたい」。東京都小金井市から参加した女性(63)は「自民党は原発を推進したのに福島の事故の反省が全くない」と憤った。
 雨の中、参加者は「再稼働反対!」と連呼。マイクで「安倍さんが原発を止めるまでデモを続けます」と訴える人もいた。


 反原発たちの同じ主張をしていた共産党や社民党、未来の党が凋落したことを考えると、官邸前でデモをしている人たちが「民意は原発を支持したわけではない」と訴えることには、なんとも釈然とした思いが……。
 たしかに「脱原発」の方向性は多くの国民が支持していると思うが、デモをやっている人たちの意見とはかなりの隔たりがあるように思う。さまざまな世論調査の結果を見ても、国民の関心は「経済」が第一であり、原発停止による電力不足はその経済に大きなダメージを与える物である。目先の再稼働を支持する割合は高いように思うのだが。



小沢の乗っ取り (2012 12/28 24:00)

未来の党名「生活の党」に 嘉田氏ら分派へ(12/28朝日)
 日本未来の党は27日、党名を「生活の党」に改め、代表を嘉田由紀子滋賀県知事から森ゆうこ副代表(参院議員)に変更することを総務省に届け出た。一方、嘉田氏は28日、政治団体「日本未来の党」を総務省に届け出る方針で、未来は結党1カ月で「分派」することになった。
 総務省への届け出に先立ち、未来は27日、国会内で両院議員総会を開き、小沢一郎氏が代表だった旧「国民の生活が第一」出身の森氏と、嘉田氏のブレーンの飯田哲也代表代行が党を分ける方針を報告。16人の出席者から異論はなく了承された。小沢氏も出席したが発言はなかったという。
 所属国会議員17人のうち15人は「生活」にとどまり、嘉田氏の「日本未来」に加わる議員は阿部知子副代表だけ。議員5人の政党要件は満たさない。一方、亀井静香氏は27日、離党届を提出した。森氏は議員総会後、記者団に「円満に合意が整った」と強調した。
 党を分ける一連の協議では、嘉田氏らが引き続き「日本未来」の名称を使うことになったが、存続政党となるのは「生活」になる。制度上、2013年分の政党交付金8億円余り(見込み額)は生活に渡り、嘉田氏や阿部氏が国政政党を離れる形だ。


 大事な点なので、「続き」に書いてある部分を一部引用する。
〈分党と分派〉 政党が分裂するのは、二つ以上の対等の政党に分かれる「分党」と、もとの政党は存続するが一部議員が離党する「分派」がある。政党助成法などの規定では、未来は後者の分派にあたる。分党の場合、政党交付金はそれぞれの所属議員数に応じて比例配分されるが、分派の場合は離党議員に交付金は交付されない。

 表に出ていたのは嘉田の方で、小沢一派が出て行く方が筋だと思うが、小沢は「乗っ取り」に成功し、政党交付金をせしめることにも成功した。その額8億円。

 まぁ見事な策動だとは思うが、「金」以外に小沢はいったい何を手に入れられたというのだろうか。もちろん、参院選の選挙資金は重要ではあろうが、失った物も多かったように思う……いや、信用などもうとっくに枯渇しているか。


通りもん (2012 12/28 24:00)

博多駅土産は「通りもん」が独占 年間売り上げ、菓子が人気(12/28西日本新聞)
 JR西日本グループのジェイアールサービスネット福岡(福岡市)が、JR博多駅で運営する土産物店など9店の年間売り上げを28日までにまとめた結果、1〜5位を明月堂(福岡市)の菓子「博多通りもん」の5〜20個入りが独占した。
 年末年始には多くの帰省客や旅行客でにぎわう博多駅。古くから定番の「名菓ひよ子」(ひよ子・福岡市)や「筑紫もち」(如水庵・福岡市)、「博多の女」(二鶴堂・福岡市)も根強く支持されたほか、手ごろな価格の辛子めんたいこなども人気を集めた。
 ランキングの6、7位は山口油屋福太郎(福岡市)の「辛子めんたい風味めんべい」。


 確かに福岡土産ではいちばん反応が良かった。お隣さんにあげたら、「美味しかったから、自分でもお取り寄せで買っちゃった」と言ってたしのぅ。しかし、5位まで独占というのはすごい。

 梅が枝餅が大好きなのだが、できたてを食べるのが美味いのであって、お土産と食べるとなると1ランク落ちてしまうからな……。



相変わらずのメディア界隈 (2012 12/27 24:00)

新政権・識者談話(12/27時事)
◇ショーウインドー内閣
 政治評論家森田実氏の話 なすべきことと閣僚名簿に差を感じる。民主党が国民に不信任を下された国民生活の再建、東日本大震災からの復旧・復興を手掛けるのが最も重要なのに、実力のある人材を集めていない。大ベテランを使い「仕事師内閣」をつくるべきだったが、3年余の空白を埋める順繰り人事に見える。選挙対策のためパフォーマンスにたけた人を起用するショーウインドー内閣だ。民主党政権で懲りた国民は、本当に仕事ができるかを注視しているのに甘く見ているのではないか。
(一部引用)

 いったい誰を起用すれば「実力のある人材を集めた」と言ってくれるんだろうか。氏の言う「実力ある人材を集めた内閣」はどんな陣容になるのか、具体的な名前を見てみたいところ。

 鳩山内閣の時にも同様の批判をしていたんだったら、筋は通るんだけどね。

 
 今日は、朝日新聞では、安倍自民党を「頭を使わず気合いとノリで何とかなるという空虚に前向きなヤンキー」と評し(参照:http://uploda.cc/img/img50dc14ef63d8c.jpg)、中日新聞は偏った「識者」たちに「ネトウヨ」「極右はしゃぎすぎ」「まぐれはしゃぎすぎ」「国防軍オタク」と罵詈雑言。

 なんで安倍さんに対しては、いっきに論が情緒的になるのかねぇ。



安倍内閣発足 (2012 12/26 21:00)

安倍内閣の閣僚名簿を発表(12/26NHK)

麻生太郎:副総理兼財務大臣、金融担当大臣、デフレ脱却・円高対策担当大臣
新藤義孝:総務大臣、地域活性化担当大臣
谷垣禎一:法務大臣
岸田文雄:外務大臣
下村博文:文部科学大臣、教育再生担当大臣
田村憲久:厚生労働大臣
林芳正:農林水産大臣
茂木敏充:経済産業大臣、原子力経済被害担当大臣、産業競争力担当大臣
太田昭宏:国土交通大臣
石原伸晃:環境大臣、原子力防災担当大臣
小野寺五典:防衛大臣
菅義偉官房長官、国家安全保障強化担当大臣
根本匠:復興大臣、福島原発事故再生総括担当大臣
古屋圭司:国家公安委員長、拉致問題担当大臣、国土強靱化担当大臣、防災担当大臣
山本一太:沖縄・北方担当大臣、海洋政策・領土問題担当大臣、IT政策担当大臣
森まさこ:少子化担当大臣、女性活力・子育て支援担当大臣、消費者担当大臣
甘利明:経済再生担当大臣、社会保障と税の一体改革担当大臣、経済財政担当大臣
稲田朋美:行政改革担当大臣、公務員制度改革担当大臣、規制改革担当大臣


 3年3ヶ月の間に民主党政権にボロボロにされた経済、外交を立て直すのは容易ではないと思う。また、参院選で負ければまた政権運営が困難になるため、そこまでとりわけ外交問題に関して安全運転で慎重な対応にとどまるのもしかたないと思う。守るべき一線は守りつつ、柔軟に対応して、メディアの揚げ足取り的批判をうまくかわして参院選を乗り切って欲しいと思う。

 経済対策にしても、結果が出るまで時間がかかるとは思うが、少しでも展望が見られる状態で来年7月の参院選を迎えられるよう、心から願う。

 で、3年前の「鳩山"オールスター"内閣」の陣容を振り返ってみると……
鳩山由紀夫、菅直人、岡田克也、藤井裕久、原口一博、千葉景子、長妻昭、赤松広隆、直嶋正行、前原誠司、小沢鋭仁、北沢俊美、平野博文、中井洽、亀井静香、福島みずほ、仙谷由人……改めて見ると凄まじい面子だ(´・ω・`)


 さて、未来の無い未来の党は……

未来の党、分裂の公算=嘉田代表に兼務解消決議(12/26時事)
 日本未来の党の嘉田由紀子代表(滋賀県知事)は26日夜、今後の党の在り方に関し、滋賀県庁で記者会見する。これに関し、同党の阿部知子衆院議員は同日、国会内で記者団に、党役員人事をめぐる党内対立について「修復は難しい」とした上で、「成田離婚だ」と述べ、党分裂は避けられないとの見通しを示した。
 同党の亀井静香氏は26日午後、国会内で記者団に「きょう中に離党する」と表明。「今の党の状況では日本を立て直し、未来をつくっていく状況がつくれない。私は新しい出発を、七転八倒しながらでもする」と強調した。
 役員人事をめぐっては、嘉田氏が24日の両院議員総会で阿部氏を共同代表とする案を提示。これに対し、旧国民の生活が第一から合流した議員らは、生活代表だった小沢一郎氏を共同代表とするよう主張して譲らず、対立が続いている。
 一方、滋賀県議会は26日の本会議で、嘉田知事に対し、「県政運営に支障を来すことが予想される」とし、知事と未来代表の兼務解消を求める決議を賛成多数で可決した。これに対し、嘉田知事は「知事の職責をしっかりと果たしたい」とのコメントを発表。この中で「党の活動は継続する」としたが、代表を続けるかどうかには触れなかった。


 選挙のために作られた党だから、選挙が終われば、ましてや敗北したのだから、もはや用済みですわな。



お先の見えない未来と民主 (2012 12/25 24:00)

日本未来の党:共同代表巡り混乱 旧生活、阿部氏拒み小沢氏推す(12/25毎日)
 日本未来の党は24日夜、党本部で両院議員総会を開き、党役員人事について協議した。嘉田由紀子代表は、社民党を離れて参加した阿部知子副代表を共同代表とする案を示したが、旧「国民の生活が第一」出身の議員から、小沢一郎氏を共同代表とするよう求める意見が続出し、結論がでなかった。嘉田氏と小沢氏の主導権争いで党運営が混迷している。
 総会で嘉田氏は小沢氏と前国民新党代表の亀井静香氏を顧問とし、小沢氏に近い鈴木克昌氏を幹事長とする人事案を示した。
 総会には小沢氏は出席せず、阿部氏は「小沢共同代表」を求める声に「本人不在なのにいかがなものか」と反論。嘉田氏も「人事権は代表にある」と不快感を示した。旧生活側によると「小沢氏に就任を要請する」と決議したが、嘉田氏は「受け入れられない」と拒否したという。
 嘉田氏は小沢氏を要職に起用しないとしていた。未来所属の国会議員は17人(衆院9人、参院8人)で、阿部氏と亀井氏以外の15人は旧生活出身。嘉田氏は小沢氏を共同代表とすれば、小沢氏が事実上国会議員の代表となり、党の実権を奪われることを警戒しているとみられる。【笈田直樹、中島和哉】


 意外と自我の強い「御輿」ですな。むしろ、「御輿」という地位に抵抗して「自分の意思」を主張しているように見えたり。
 と同時に、子分が望んでいるほどには、小沢氏は表に出たがっていないようにも思う。裏でチョロチョロしている方が策謀を実行しやすいだろうし。


 一方、民主党は海江田氏が代表になったそうな。
 比例復活ゾンビが党代表か……民主党がまともな党になる芽は摘まれたんじゃないか。「菅がなぜか党代表に」ってのに次ぐぐらい、アホな選択肢じゃないか。いや、「海江田代表」ってことで、小沢の方と連携したりするのかな。



アベノミクス (2012 12/24 24:00)

 「アベノミクス」に対して期待と不安と、いろんな声が聞かれますな。

 いくら金融緩和を進めても「銀行に金がストックされる」だけだと意味がありませんから、お金を市場に回す手段が必要になります。さまざまな規制緩和を行って新業態が出るよう支援する必要もありますし、「国土強靱化計画」による公共事業200兆円もその流れの中にあります。
 もちろん公共事業は国債を元手に行う物ですから、借金の総額が増えるのは確かです。しかし、社会保障に金を使うばかりで経済浮揚に殆ど資することなく借金を増やすより、その借金を元手に経済を回す方が遥かに効果的でしょう。それで景気回復すれば税収も上がり、社会保障に回せるお金も結果的に増えます。もちろん、公共事業に全く頼らない景気浮揚策があるなら、それに越したことはないのですが。
 金融緩和と経済対策を同時に行うことで、お金をとにかく回そう、ということでしょう。現状、とにかく「金がまわっていない」のが問題なので、何かを起爆剤に「金がまわる状況」を作らないとどうしようもないです。

 「公共事業費10年で200兆円」という数字に懸念を抱く人もいます。
 現状でも公共事業費は10年で約70兆円。復興予算は約20兆円。さらに自民の言う公共事業には医療介護などの分野も含まれていますし、民間投資も入っているので、200兆と言っても「非現実的に膨大な額」というわけではありません。
 かといって民間投資と真水を合わせて年で5兆ほどのプラスなるはずなので、少ないというわけでもない。国債発行額との兼ね合いでひねり出せるギリギリの額だったのかなと思います。

 国債発行額は確かに気になるところですが、今のまま無策を続けていれば、「借金増える+景気低迷」のままです。景気が回復すれば財政バランスは改善しますし、インフレがある程度進めば借金の返済も楽になっていきます。
 もちろん、「借金増えたけど景気もあまり変化無い」とか「長期金利ばかり上がって国債の償還が大変」という可能性はありますし、危機感を訴える声も理解はできますが、少なくとも無策のままだと沈没する一方です。

 金融緩和による円安については、輸出企業を元気にする効果がある一方で、輸入に頼る燃料費がさらに膨れあがる危険性があります。やはりいったん原発再稼働を行い、円安のデメリットを解消しておく必要もあると思います。


 微調整を加えつつ5年くらいじっくり取り組めば光明はあると思います。私が恐れるのは、国民が我慢できずに参院選で自民が負けて、また政治が動かなくなることです。



小沢信者 (2012 12/23 24:00)

 未来の党の嘉田に対し、選挙敗北の責任をとるよう批判する声があるのは分かし、実際に政党の党首たる能力があるとも思えないのだが、小沢信者どもが「嘉田がすべて悪い」「小沢さんを表に出さなかったのが敗因」と喚いている姿はみっともない。「理念も信条も放置して政局に明け暮れる小沢とその腰巾着たちの行動」に呆れた……と言うのも、未来敗北の原因の一つだと思うんだがな。


精神的支柱 (2012 12/23 24:00)

 私自身は神とか霊とかは信じないが、神を信じている人を全否定することは無い。それに私も、先祖を敬う気持ちはあるし、「お天道様が見ている」という道徳観を有しているし、陛下が日本におわしますことのありがたさを感じている。

 神、宗教、権威などを精神的支柱とすることを全面的に否定する人に、たまに出くわすのだが、そういう人を私は不気味に感じる。道徳的な歯止めがどこに置かれているか分からないし、無根拠な万能感を自分に対して持っている人が多いようにも思う。また、それら精神的な拠り所にする心の有り様に無理解であるゆえに、他者の感情・弱さ・痛みに対して鈍感であるようにも感じる。自分の若い頃が、似たような物だったしねぇ……。

 「盲信」となるとカルトの様相が漂うが、「全否定」もまた、自身の視点を「盲信」している点で、全く同様である。

 ……ってなことを、天皇誕生日に考えた。
 陛下のご健康と、皇室の弥栄を心よりお祈り申し上げます。



グダグダ民主党 (2012 12/22 22:00)

民主代表選 海江田氏立候補へ(12/22NHK)
 民主党の海江田元経済産業大臣は22日、記者会見し、「あえて火中の栗(くり)を拾う覚悟で、代表選挙に臨む決意をした」と述べ、野田総理大臣の後任を選ぶ代表選挙に立候補する考えを表明しました。
 この中で、海江田元経済産業大臣は、「あえて火中の栗(くり)を拾う覚悟で、代表選挙に臨む決意をした。これからの民主党は厳しい状況にあり、私は民主党の創始者の1人として立て直す責任がある。その覚悟で代表選挙に臨みたい」と述べ、野田総理大臣の後任を選ぶ代表選挙に立候補する考えを表明しました。
また、海江田氏は、立候補に必要な推薦人について、「すでに20人を超えており、条件は整っていると思う」と述べました。
 さらに、海江田氏は、「来年の参議院選挙に向けて、自民党と対じしていかなければいけない。第3極がかなりの勢力になっているので、連携も考えなければいけない」と述べました。
海江田氏は、当選6回で63才。
 党内では、経済財政政策などに詳しい論客の1人として知られ、これまでに経済産業大臣や経済財政担当大臣を歴任したほか、菅前総理大臣の辞任に伴って、去年行われた代表選挙に立候補し、決選投票で野田総理大臣に敗れました。
 今回の民主党の代表選挙で立候補を表明したのは、海江田氏が初めてです。


 比例区復活のゾンビが代表選出馬か……菅とのゾンビ対決が俄然期待されますな。

 ついでに。

首相に批判続出=民主が衆院選総括(12/22時事)
 民主党は22日午後、衆院選の総括のため、党所属国会議員と落選した候補者らによる懇談会を都内のホテルで開いた。野田佳彦代表(首相)が選挙惨敗を「痛恨の極みでおわびする」と陳謝。出席者からは「衆院を解散すべきでないとの常任幹事会の意見を無視した」などと首相への批判が相次いだ。
 懇談会には、国会議員約120人と落選候補約140人、都道府県連の幹事長ら約80人が出席した。
 首相に続き、輿石東幹事長も「壊滅的敗北だ。首相を支え切れずに申し訳ない」と謝罪した。これに対し、約50人の出席者が発言。「惨敗が予想された選挙をなぜしたのか」「なぜ経済対策を打たなかったのか」などの批判のほか、次期衆院選に向けて「落選者の支援をしっかりしてほしい」「早く公認を決めてくれないと他党に移る」との意見も出た。「新体制を早くつくれ」と、速やかに新代表を選ぶよう求める声も上がった。 
 こうした意見を受けて輿石氏が、地方組織の意見をくみ上げる態勢を整える方針を表明。落選者が再挑戦しやすい環境づくりを進めることも約束し、懇談会は約2時間半で終了した。
 衆院選で民主党は、公示前の230議席を57議席に減らした。来年夏の参院選に向け、党の態勢立て直しが急務となっている。


 この期に及んでも「誰かのせい」にしなきゃ気に済まない民主党の体質がよく現れている懇談会だと思いました。


果たして「反原発デモ」が民意なのか (2012 12/22 22:00)

〈インタビュー〉小熊英二・慶応大教授に聞く脱原発(12/22朝日)
 金曜夜、首相官邸前はこの夏、脱原発を求める人の波で埋まった。怒りのドラムが鳴り渡り、民意は高揚したはずだった。だが総選挙では、脱原発とはほど遠い自民党が圧勝。この落差は何なのか。社会は変わらなかったのか。前回のインタビューで「新しい時代に入った」(7月19日付)と読み解いた小熊英二・慶応大教授に改めて聞いた。

 ――結局、デモで社会は変えられなかったということでしょうか。
 「いや、社会は変わっています。でもその変化が選挙に反映されていない。変化する社会と、選挙で選ばれた代表との距離がさらに開き、『政治が遠い』と感じる人はますます増えるでしょう。政治学用語でいえば、代議制の正統性が一層低下したのが今回の最大の結果です」
(以下略)

 後半の「日本の民主制度は、開発独裁型の政府が形だけ導入したという性格」という論考には肯ける部分があるものの、引用した冒頭部分には苦笑せざるを得ない。デモに参加し、デモで表現される「反原発」こそが民意だと疑わないからこその論考ではないのか。デモで表現される「反原発」が民意だと言うなら、確かに選挙結果はそれとは乖離している。しかし、有権者の多数が「脱原発は望むが非現実的な反原発には反対」と考えているとすれば、その結果は選挙に現れているように思うんだが。

 まぁこういう「自分たちの運動に対する反省」の念がまるでない、この辺りに反原発の敗因があるんじゃないかな。



現実的な対応 (2012 12/21 24:00)

竹島の日、政府式典見送り 安倍氏方針(12/21朝日)
 自民党の安倍晋三総裁は、竹島を日本に編入した日にあたる来年2月22日に政府主催の式典を開くのは見送る方針を固めた。自民党の衆院選の政策集では政府主催の式典実施を明記していたが、竹島問題で悪化した日韓関係の修復を重視し、首相就任早々に開催する必要はないと判断した。
 安倍氏はまた、韓国大統領選での朴槿恵(パククネ)氏の当選を受け、日韓議員連盟幹事長の額賀福志郎元財務相を総裁の特使として21日にも韓国に派遣する。額賀氏は朴氏に、「両国は戦略的利益を共有する」として早期の首脳会談を呼びかける安倍氏の親書を渡す予定。
 2月22日は島根県が「竹島の日」として毎年式典を開催。朴氏側は日本政府主催となるのを懸念し、実施されれば同月25日の大統領就任式への首相招待は困難との見方が強かった。


 仮に「政府式典」で韓国が噴き上がった場合、メディアは「ここぞ」とばかりに安倍政権を批判するだろうからなぁ……参院選までは安全運転で行くのは、残念ではあるがやむを得ない判断だと思う。ここで蹴躓いて参院選で敗北するのが、一番望ましくないシナリオだからね。

 それぞれに主張はしつつ、落としどころを探れるだけの信頼関係は醸成しておきたいところ。相手が韓国だけに、それは非常に困難だとは思うが、努力は必要だと思う。

韓国へ額賀特使 安倍氏、関係改善狙う(12/21朝日)
 自民党の安倍晋三総裁は韓国大統領選での朴槿恵(パククネ)氏の当選を受け、額賀福志郎元財務相を特使として21日にも韓国に派遣する。額賀氏は日韓議員連盟幹事長で、朴氏に安倍総裁の親書を渡す予定。日韓両国で新政権が誕生することを機に竹島問題で悪化した両国関係の修復を目指す構えだ。
 親書では「両国は戦略的利益を共有する」と強調。2月25日に大統領に就任する朴氏に早期の首脳会談を呼びかける。朴氏の父・故朴正熙(パクチョンヒ)元大統領と安倍氏の父・故安倍晋太郎元外相の緊密な関係にも触れ、同様の関係を築きたいと伝える。安倍氏も2006年の首相就任前から朴氏と会食を重ねるなど親しい。
(以下略)

 その意味で、額賀氏の派遣は妥当な判断だと思う。


それは中共の思うつぼでしょ (2012 12/21 24:00)

尖閣「争い」認め関係改善を=丹羽前中国大使が会見(12/21時事)
 丹羽宇一郎前駐中国大使は20日午後、都内で記者会見し、中国が領有権を主張する沖縄県・尖閣諸島をめぐる問題について、日本政府は「領土問題は存在しない」とする公式見解を「外交上の争いがある」と認める立場に転換し、中国との関係改善に取り組むべきだとの考えを示した。
 丹羽氏は会見で、「領土主権に関わる問題を白黒決着をつけるとか百対ゼロで解決する道は戦争以外にない」と断言。その上で尖閣諸島に関して「今さら『領土問題がある』とは言えないが、外交上の争いがあることを認め、両国の国益のために何をしたらいいのか考えるのが外交だ」と述べるとともに、尖閣付近での海難救助や漁業・資源をめぐる問題などで中国側と話し合いを進めていく必要があると訴えた。 
 また、日中両国は「仲良くやっていく以外に道はない。いくら狭い道になってもそこを歩いていくしかない」と強調。尖閣諸島をめぐる対立が「臨界点を超えないように日中関係をコントロールしないといけない」と語り、「臨界点」については「軍隊が出てくることだ」と説明した。


 「係争地域にする」のが中国の狙いで、「外交上の争いがある」と認めることは向こうの不当な行為に屈することになる。当然、思惑どおりにコトを進められた中国は、「次の獲物」を狙いに来ることになる。

 たしかに「臨界点を超える」訳にはいかないし、経済的な関係は今更覆せない状態にまで密になった。しかし、こちらから挑発する必要はないが、わざわざ譲歩する必要もない。



谷垣氏が入閣? (2012 12/20 24:00)

挙党態勢へ安倍総裁、谷垣・石原伸氏の入閣検討(12/20読売)
 自民党の安倍総裁は20日、26日に発足予定の第2次安倍内閣で、谷垣禎一前総裁を重要閣僚に起用する方向で検討に入った。
 石原伸晃前幹事長も入閣させる意向で、ポストを最終調整している。野党時代に党勢回復に尽力した谷垣、石原両氏の起用により挙党態勢を構築し、政権の安定を図る狙いがあるとみられる。
 谷垣氏は自民党が2009年衆院選の惨敗で野党に転落した後、総裁に就任。今年9月の総裁選では再選への支持が広がらず、立候補を断念した。しかし、党内には、政権復帰に手が届くところまで党勢回復に努めた谷垣氏の功績を評価する声があり、安倍氏もこれを尊重する考えだ。谷垣氏は財務相のほか、国土交通相や金融相なども歴任しており、「政策通の谷垣氏が加われば政権に安定感が増す」との指摘もある。


 谷垣氏の入閣には賛成。3年間の野党生活を支えた実績・功績は評価されるべきだし、安倍さんと近しいわけでもない彼を入れることでバランスも取れると思う。石破さんが牛耳る党人事の方に細田さんを入れるのも、同じくバランスを考えれば良い方向だと思う。復興担当だと、被災地もよくまわっておられたから適任に思うんだがなぁ。

 気になるのは……山本一太の名前も挙がっていることかねぇ。「近しいだけで能力が伴わない人を周りに置く」という失敗は繰り返して欲しくないんだけどな……。



的外れ (2012 12/19 22:00)

「小沢ファンと嘉田ファンが分極化」 未来の嘉田代表が敗因分析(12/18産経)
 日本未来の党の嘉田(かだ)由紀子代表は18日、滋賀県庁で記者会見し、大きく議席を減らした原因について「小沢ファンと嘉田ファンが分極化してしまった。戦略が不十分だった」と分析した。
 日本維新の会が、国会議員と地方自治体首長の兼職を可能とする地方自治法改正案を来年の通常国会に提出する方針を決めたことに「大変重要な方向だ」と賛同。自身は当面、党代表と県知事を兼務していく考えを強調した。


 こういうこと言ってる限り、未来の党に未来は無いわなぁ。原発のこと以外に、まともな施策を主張しなかったのが敗北の主因だと思うのだが……。つか、自分にファンがいるといいきってしまう辺りが何ともアレ。

滋賀県議会:嘉田知事ちぐはぐ答弁 党首と立場使い分け(12/19毎日)
 日本未来の党代表の嘉田由紀子・滋賀県知事は19日、衆院選後に再開された定例県議会一般質問に臨んだ。批判を浴びている党首兼務について「ゼロから9議席と、一歩を踏み出すきっかけを作れた」と改めて党首の続投を表明し、公務への影響も否定した。知事職については「任期満了まで全うする」と明言した。一方、消費増税についての答弁で知事、党首の立場を使い分け、議長からたしなめられる場面もあった。(以下略)

 なんで「ゼロから」ってことになってるの?改選前、61議席あったでしょうよ。


賢明な判断だったと思う (2012 12/19 22:00)

「年を越せば、もっとひどく」首相、決断の理由(12/19読売)
 野田首相が18日、首相官邸で川上義博首相補佐官と会談した際、今回の衆院解散・総選挙について「来年1、2月も考えたが、年を越せば(結果は)もっとひどくなる。年内にやるしかなかった」などと、年内の衆院選を決断した理由を語っていたことが分かった。
 首相は「(来夏の)衆参同日選はやってはいけないと思っていた」とし、衆院選と参院選の時期を離すことを考慮したと説明。社会保障・税一体改革関連法が成立した直後の解散も考えたが、「(衆院の)『1票の格差』や(赤字国債を発行するための)特例公債法案の問題があり見送った」と述べたという。


 解散を先延ばししていたら、維新の会が選挙準備をさらに進めていただろうし、参院選までに「自民批判」の流れを作れば捲土重来も可能だろう……と読むのは正しいと思うし、民主党にとって最善の選択は「早ければ早い程よい」だったと思う。

 鳩山と菅が一面を焼き払った後では、既に「詰み」の状態だった、ということで。

 次の民主党代表、岡田辺りで落ち着くのかな。他に火中の栗を拾うようなヤツはいないだろうし、岡田は「火中の栗」とか理解できずにその栗拾っちゃう人間だろうし。



さっそく中共の牽制 (2012 12/18 24:00)

憲法改正するな…人民日報が安倍氏に3つの指摘(12/18読売)
 【北京=五十嵐文】中国共産党機関紙・人民日報は17日、日本の新首相が「靖国神社」「尖閣諸島」「憲法」の三つの問題に真剣に取り組むべきだとする社説を掲載した。
 自民党の安倍総裁の名指しは避けているが、安倍氏に対し、靖国神社を参拝せず、尖閣諸島の公務員常駐や自衛隊を「国防軍」と位置づける憲法改正は行わないよう求める内容だ。
 社説では、安倍氏が衆院選で検討項目に掲げた「尖閣諸島への公務員常駐」を念頭に、「尖閣の(実効)支配を強化する試みはうまくいかない」と指摘。集団的自衛権の行使容認や憲法改正についても、「平和憲法の放棄は日本の前途を危うくする」と反対した。社説は、これらは中国があいまいにできない「原則」だと強調した。


 鬱陶しい内政干渉だ。

 ただ、機関紙にはこう言わせつつも、実際に中共としては、安倍さんを「対話のできる相手」と思っているんじゃないかな。もちろんそれは、「言うことを聞かせられる相手」という意味ではなく、外交相手としてきちんと対峙できる、落としどころを探れる相手、という意味で。民主党政権は、予測できない行動をとるからねぇ……弱腰だと思ったら、尖閣沖漁船衝突事件の時みたいにいきなり強気な態度に出たり。


ダニエル・イノウエ氏死去 (2012 12/18 24:00)

米議会重鎮 D.イノウエ議員死去(12/18NHK)
 アメリカ議会の重鎮で、日本とアメリカの親善に尽くした日系のダニエル・イノウエ上院議員が17日、呼吸器系の疾患のために亡くなりました。
88歳でした。
 ダニエル・イノウエ議員はハワイ生まれの日系2世で、1962年に日系人として初めて当選して以来、50年にわたって上院議員を務めてきました。
 議会上院の仮議長も務める与党・民主党の重鎮で、親日家の1人として日米の政界をつなぐ重要なパイプ役をつとめてきたほか、東日本大震災からの復興を支援するため被災地を訪れるなど、日米関係を強化する取り組みを続けていました。
 日米の友好親善に尽くした功績がたたえられ、去年、春の叙勲で「桐花大綬章」を受章しました。
イノウエ議員は体調を崩してこれまでも入退院を繰り返していましたが、17日、首都ワシントン郊外の病院で呼吸器系の疾患のため死去しました。

 第442連隊戦闘団に所属、日系人初の下院・上院議員で、上院仮議長も務める民主党の重鎮。民主党政権時に破壊された「アメリカとの関係」を修復しなければならない時期だけに、イノウエ氏の死去は非常に残念だ。

 イノウエ氏に類する知日家がアメリカにどれほど残っているのかなぁ……



選挙雑感 (2012 12/17 24:00)

 今回の総選挙の結果。「獲得議席(比例)←公示前」の順で書きます。

 民主:57(30)←230
 国民:1(0)←2
 自民:294(57)←118
 公明:31(22)←21
 維新:54(40)←11
 みんな:18(14)←8
 未来:9(7)←61
 社民:2(1)←5
 大地:1(1)←3
 共産:8(8)←9
 新党日本:0←1
 新党改革:0←0
 無所属:5←10

 自民党は小選挙区をきっちり取ってますが、比例は05年の時の77には遠く及ばず。自民を積極的に支持する国民よりも、「小選挙区は自民だけど比例は別にしておくか」という消極的支持が多かったのかなぁという印象。維新は比例区で利を得たという感じですな。やはり、「閉塞感を一気に打破して欲しい」という層は一定数存在するということです。

 「風は実感していない」という自民党候補者が多かったのですが、事実、比例の得票を考えると、追い風は吹いていなかったようです。民主が酷かったこと、第3極同士で食い合ったことが、自民党圧勝の原因と言えそうです。

 しかし、小沢の「壊し屋」能力は凄まじいですな。民主をぶっ壊し、未来も壊滅させました。



総選挙は自民の圧勝 (2012 12/16 24:00)

 民主党政権の終わりが確定しました。3年間、非常に長かったというのが率直な感想です。

 自民党が政権に返り咲くわけですが、民主党政権が酷かったことの反動で、自民党に過剰な期待を抱く向きに懸念を抱いていたりもします。

 現下の山積する課題は、一朝一夕に解決するわけではありません。麻生氏も、リーマンショックによる経済危機に際し、「日本経済は全治3年」と言っておりました。政治というのは生活という「現実」に直結するものであり、現実に対処するというのは非常に時間の掛かるプロセスを踏まざるを得ません。

 「時間を掛けずにバッサバッサと改革を進めて欲しい」という意志は、維新の会に対する支持に読みとることができます。たしかに、バブル崩壊以後、何となく漂う閉塞感に耐えるには、20年という時間は長すぎました。

 ただ、性急に政治に結果を求めるのは避けたいように思います。
 もちろん、政治に対し批判の声を挙げることの重要性は理解しますし、批判すべきではないと言うつもりは毛頭ありません。しかし、性急に結果を求めるあまりに足を引っ張る、という愚は犯したくないものです。安倍さんには、現実と対峙しつつ、したたかに事態を切り開いて欲しいと切に願います。

 民主党には、政権に与った経験を活かし、自民党のライバルとして対峙することができるよう、「責任ある野党」として行動するよう求めたいと思います。


スピードワゴン (2012 12/16 24:00)

施設の子供に贈り物、匿名男性から 浜松・南区(12/16静岡新聞)
 浜松市南区新橋町の児童養護施設「清明寮」に13日、荒木飛呂彦さんの人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」に登場する「スピードワゴン財団」の静岡県支部を名乗る男性が訪れ、子供用の自転車4台など10万円相当の贈り物を届けた。男性は「子供にメッセージを読んでほしい」と熱い思いを記した手紙を施設に託し、立ち去った。
 施設によると、今月5日に匿名の男性から「子供たちがほしいものを10万円ぐらいでプレゼントしたい」と電話があり、施設が希望品を伝えた。13日は30歳代とみられる男性が午後4時ごろ、ワゴン車で訪れ、自転車4台のほか、デジタルカメラとゲーム機各1台を渡したという。
 手紙には、お願いとして「男の子へ どんなに苦しくも、決して嘘(うそ)のつかない人になってね!」「女の子へ 『心』と『身体』を大切にしてね」と書かれていた。
 施設には2〜18歳の83人が入所し、自転車は人数分足りていない状況。川村啓一施設長(59)は「子供たちにとって一足早いクリスマスプレゼントでありがたい。大事に使っていきたい」と目を細めた。プレゼントは15日のクリスマス会でお披露目された。


 さすが「スピードワゴン財団」の人間と名乗る男!クールに去るぜ!



明日は投票日 (2012 12/15 22:00)

 明日は衆議院議員選挙の投票日。選挙に行きましょう。自分の意思を示す機会を放棄せず、きちんと主権を行使しましょう。もちろん、どんな結果になろうとも、3年前と同じように、国民の一人としてそれを受け入れますよ。

 明日は10時半頃まで帰ってこられないので、選挙結果で盛り上がられるのはその後になりそう。


ジュリー (2012 12/15 22:00)

 山本太郎の応援演説に沢田研二が現れたとか。その人の作る音楽と、その人の思想は別個で考えたいとは思うが、やっぱりがっかりはするものだわな。

 タケチャンマンみたいな格好でパラシュート付けて登場したら、ちょっとは評価したんだが。いや、それならTOKIOの格好で東京都知事選に出た方が良かったか。



やっぱり自民優勢? (2012 12/14 24:00)

自公、300議席うかがう 朝日新聞情勢調査(12/13朝日)
 衆院選中盤の情勢について、朝日新聞社は11、12の両日、全300小選挙区の有権者を対象に電話調査を実施し、全国の取材網の情報も加えて情勢を探った。(1)自民は好調を維持、単独過半数のラインを大きく超えて280議席以上をうかがう(2)公明も堅調で自公で300議席を上回る公算が大きい(3)民主は80議席を切る可能性がある(4)日本維新の会は40議席台は確保しそう、などがわかった。
 調査時点で投票態度を明らかにしていない人が、小選挙区で5割弱、比例区で4割おり、情勢が変わる可能性もある。今度の選挙で「必ず投票に行く」と答えた人は76%。過去のデータを踏まえて投票率を推計すると、前回2009年の69.28%を下回り、60%台半ばになりそうだ。
 自民は小選挙区で優勢な選挙区が170あまりに達している。競り合っている選挙区などの上積みを加えると、05年の219議席を上回りそうだ。比例区は60議席前後になりそう。
 公明は8選挙区で議席獲得に見通しが立ちつつあり、残る1選挙区でも競り合う。比例区と合わせ、計30議席台が有望だ。
 民主は反転の兆しがみられない。議席獲得の見込みが有望な小選挙区は20程度にとどまり、比例区との合計で80議席に届くかどうかの情勢だ。
 維新は小選挙区では序盤とほぼ同じ14議席前後の見通し。比例区では30議席台前半にとどまりそうだ。
 日本未来の党は、小選挙区、比例区合わせて10議席前後で、公示前61議席から大幅後退が確実。みんなの党は比例区で大きく伸ばし、全体で10議席台後半をうかがう。
 共産は比例区で前回とほぼ同じ8議席前後。社民は2議席ほど、新党大地と国民新党も1議席を確保する可能性がある。
     ◇
 〈調査方法〉 11、12の両日、コンピューターで無作為に作成した番号に調査員が電話をかける「朝日RDD」方式で実施。目標有効回答数は各選挙区400人。世帯用と判明した番号は全国で計18万2390件、有効回答は計12万3668件。回答率は68%。


 実際にはどうなりますかねぇ。
 調査結果を信用するとすれば、先週辺りからの「自民圧勝予測」の報道があっても、「圧勝はマズいよな……自民以外に入れるべ」という流れは生まれていないということになります。それくらい、民主党の政治は酷かったし、他の野党も「民主党の二の舞」という不安を払拭するに至っていないようです。


国防軍=戦争? (2012 12/14 24:00)

 「自民党政権になると、憲法改正されて国防軍ができて徴兵制が敷かれ、戦争をする国になる」って主張、ツイッターでは時々目にするけど、一般的にはどれくらい影響力がある言説なんでしょ。

 自民党も「徴兵制導入」は正式に否定しているし、これだけ兵器がハイテク化している状況で素人を軍隊に入れても、デメリットしかない。仮に「教育的側面」を考えても、「自衛隊に入れる」という手法に拘る必要はないわけで。
 また、自衛隊を国防軍として定義することは、「戦争をする国になる」ということに全く直結しない。「国防軍になったら日本は戦争をする国になる」と言っている人は、「日本人の多くは、護身術として武術を習ったら誰彼構わずぶちのめしに行く人間です」と言いたいのか。自分がそういう人間なだけじゃないのかね。

 ……こんなことをツイッターで書いたら、「そういう人(ぶちのめしに行きたくなる人のことか)がいるから、絶対的な足止めが必要」とか言われた。自衛隊について憲法で規定せず、解釈改憲でどうにでもなるような状況を、「戦争に対する絶対的な足止め」と言う感覚は、私にはよく分からない。



英語 (2012 12/13 24:00)

僕の英会話「放置したのは自民政権」 維新・橋下氏(12/13朝日)
■橋下徹・日本維新の会代表代行

 ゆとり教育を許してきたのは自民党政権だ。英語教育も、僕なんか10年たってしゃべれるのはグッドモーニングだけ。頭に来たので大阪市は小学校1年生から英語教育をやる。大阪市のこどもは高校卒業するまでに日常会話できる。国全体でやったらいいが、日本の英語の先生の職域を守るため、日本の教育委員会はやらない。英語の教員なんて(教員)免許なんかどうでもいい。アジアで英語をしゃべれないのは日本人だけ。僕も国際会議に呼ばれる。中国人も韓国人もベトナム人もタイ人も英語べらべら。僕だけ通訳がついている。みんなゲラゲラ笑いながら英語で会話している。僕は通訳入っているから1分後にゲラゲラ笑う。何でこんな人間になってしまったのか。日本の英語教師が英語をしゃべれないからだ。総入れ替えしたらいいが、教員組合は認めない。放置していたのは自民党政権じゃないか。(自民党政権に)もう一度戻すのか。僕は嫌だから、日本維新の会を立ち上げた。(福岡市内での街頭演説で)


 ただの「勉強不足野郎」の僻みじゃないか。自分が勉強してこなかったのを、システムの責任に転嫁して喚いているだけ。「グッドモーニングだけ」は誇張だろうが、それでも、みっともないったらありゃしない。その気になれば大人になってからでも学び直せる。で、学び直すと、「学校英語」が実は優れたカリキュラムであったことがよく分かるはずだ。

 日本の英語教育に瑕疵があるとすれば、それは音読と読解の量が致命的に不足していること。精読が重視されているが、多読も同時平行でやるような形にすべきだ。
 文法教育に関しては、細かすぎるところに力を入れすぎの感はあるが、総じて体系的で分かりやすい。それでも分かりにくいという点があるならば、それは講師の力量の問題だと思う。たしかに、英語を知らない英語教師は、かなりの数に上ると思う。

 橋下は「英語教育で国際競争力アップ」と言っているが、英語ができればそれでOKって発想が、「コンプレックスを持つ人間」の域から出ていないように思う。英語を話すことではなく、英語を使って何を話すかが問題で、そこを伸ばすには国語や数理教育にも力を入れるべきだろう。いや、英語など練習すればすぐにそれなりのレベルになるのだから、むしろ国語や数理教育こそ力を入れるべきだとも思う。



「事実上のミサイル」 (2012 12/12 22:00)

 北朝鮮がミサイル発射したのだが、ツイッターで、「事実上のミサイルって何よ、ロケットと何が違うの」「何で北朝鮮はロケット打ち上げたらダメなの」という話が出たので、ここでもちょいと整理しておきます。

 まずミサイルとロケットの違い。先っぽに付いている物が弾頭か衛星かが違うくらいで、技術的にはほぼ同じと考えて良いです。ロケットを改良してミサイルに技術を応用したり、ミサイルを改良してロケットにしたり、という例はいくらでもあります。

 で、他の国は幾つも人工衛星をあげているのに、北朝鮮がこれだけ非難されている理由については、この記事を参照されたし。中央日報の記事ではありますが、よくまとまっていると思います。

<北ミサイル発射予告>「羅老」はよくて「銀河3号」は打ち上げてはいけない理由(12/7中央日報)
 Q.同じ衛星なら韓国は羅老号を打ち上げてもかまわないのにどうして北朝鮮は銀河−3号を打ち上げてはいけないのか。
 A.北朝鮮が衛星の名前を銀河につけようが、韓国と同じように「羅老号」としても発射すれば不法だ。北朝鮮はロケットを開発して核兵器運搬手段に利用しようとする意図を持っているためだ。 国連安保理決議案1718号と1874号はミサイル技術を使った北朝鮮の衛星発射を禁止している。中国も2日、「宇宙利用権利は国連安保理決議案の制限を受けなければならない」と強調した。

 Q.それでは北朝鮮が核を放棄するなら、その時はロケットを打ち上げてもかまわないか。
 A.2005年に合意した9・19共同声明により北朝鮮がすべての現存する核計画を放棄して、核拡散禁止条約(NPT)体制に復帰し国際社会の責任ある一員として義務を果たす場合、各国の平和的宇宙利用権利により衛星をのせてロケットを打ち上げることができる。

 Q.韓国の羅老号とは何が違うのか。
 A.人工衛星発射体と長距離ミサイルは技術的に同一だ。ロケットに核や武器など弾頭を結合すれば弾道ミサイル、衛星を搭載すれば宇宙発射体となる。また、北朝鮮ミサイルはヒドラジンという燃料を使う。酸化剤では四酸化二窒素を使う。これらの物質は常温で運用するのでミサイルに転用することがはるかに容易だ。一方、韓国の羅老号は液体ケロシンを使い酸化剤には沸点がマイナス185度の極低温液体酸素を使う。このため軍事用、すなわちミサイルとしては使うことができない。

 Q.ロケットなのか、ミサイルと呼ばなければならないのか。
 A.北朝鮮はミサイル発射実験を衛星発射と偽装しているというのが国際社会の共通した認識だ。 これに伴い、韓国政府は「長距離ミサイル」という用語で統一している。しかも今回のロケット発射は射程距離1万キロメートルで、米国本土全域を打撃できる「大陸間弾道ミサイル(ICBM)」技術確保を目標にしたと推定される。国防部も5日、「4月に発射された銀河3号の1段ロケット燃焼時間(130秒)を計算した結果、成功したとすれば射程距離が1万キロメートルに達しただろう」としながら「今回のロケットもやはり銀河3号と同一なだけに同じ目標だろう」と話した。2009年に発射されたテポドン2号の1段ロケット燃焼時間は112秒であり、射程距離が6700キロメートルであった。


 ちなみに、「ミサイル技術を使った衛星発射を禁止」という安保理決議ですが……

 まず、2006年の北朝鮮の核実験に対する安保理決議。
国際連合安全保障理事会決議1718 - Wikipedia
 北朝鮮が2006年10月9日に行った核実験を非難
 北朝鮮に対し、これ以上の核実験と弾道ミサイルの開発・発射の中止を要求
 北朝鮮に対し、核拡散防止条約と国際原子力機関(IAEA)への復帰を要求
 北朝鮮に対し、既存のあらゆる核計画と大量破壊兵器を、完全な、検証可能な、不可逆的な方法で放棄することを決定し、核不拡散防止条約とIAEAが定める条件に厳格に従って行動することを決定
 国連憲章第7章第41条に基づく経済制裁を実施することを決定( 臨検の実施、奢侈品の禁輸、戦闘機・軍艦・ミサイルなどの特定の兵器の禁輸とそれらに関連する物資や技術やサービスの移転や調達の禁止等を決定)
 北朝鮮に対し、直ちに無条件で六者会合に復帰することを要請


 次に2009年の核実験に対する決議。こちらはミサイル関連の項目のみ抜粋。
国際連合安全保障理事会決議1874 - Wikipedia
 北朝鮮に対する輸出入を禁じる品目として下記を追加し、加盟国に対し、下記品目に当たる貨物を検査、押収し、廃棄する権限、ならびにこれら貨物を搬送する船舶の補給を拒否する権利を付与
  1 武装軍用車両
  2 大口径砲術システム
  3 攻撃用ヘリコプター
  4 軍用艦艇
  5 ミサイル及びミサイル部品
 決議1718号パラ8(d)および(e)項に規定する渡航禁止および資産凍結の条項に加え、北朝鮮の弾道ミサイル若しくはその他の大量破壊兵器開発計画に関連するとみられるあらゆる金融資産および資源の転送を行う金融サービスを停止する権限を加盟国に付与


 さらにこういう決議もありまして。
国際連合安全保障理事会決議1695 - Wikipedia
 北朝鮮による2006年7月5日の弾道ミサイル発射を非難
 北朝鮮に対し、弾道ミサイル計画に関わる全ての活動の停止を要求
 全加盟国に対し、国内法に従い、国際法の枠組みの範囲内で、弾道ミサイルと核兵器などの大量破壊兵器に関連するあらゆる物資や技術や資金の北朝鮮への移転を防止し、これらに関連する北朝鮮からの物資や技術や資金の調達を防止することを要求
 北朝鮮に対し、六者会合への早期の無条件復帰と、IAEAへの早期復帰と、全ての核計画の放棄を強く要請


 てことで、ミサイル技術に応用可能な「ロケット開発」に関しても、北朝鮮は事実上認められていないわけです。

 今回は、実際に人工衛星を軌道に乗せることに成功したらしいですが、だからといって「北朝鮮がミサイル開発に色気を出していない」というわけでは、決してありません。NPTへの復帰を明言しているわけではありませんし、「人工衛星が実際に飛んでいる」ことは何の免罪符にもなりません。


おばちゃん党 (2012 12/12 22:00)

全日本おばちゃん党:始動 大阪の中年女性中心に、フェイスブックで「党員」1000人超 谷口真由美さんに聞く(12/5毎日)
 ◆今の政治は「オッサンによるオッサンのためのオッサンの政治」。だって、世界経済フォーラムが今年発表した「男女格差報告」では、経済活動や教育、政治などへの女性の参画度を示す総合順位で、日本は調査対象国135カ国中101位。政治分野に限ると110位やで。女性の参政権獲得に頑張りはった市川房枝もびっくりやん。

◇全日本おばちゃん党 ハッサク
【その1】うちの子もよその子も戦争には出さん!
【その2】税金はあるとこから取ってや。けど、ちゃんと使うなら、ケチらへんわ。
【その3】地震や津波で大変な人には、生活立て直すために予算使ってな。ほかのことに使ったら許さへんで!
【その4】将来にわたって始末できない核のごみはいらん。放射能を子どもに浴びさせたくないからや。
【その5】子育てや介護をみんなで助け合っていきたいねん。そんな仕組み、しっかり作ってや。
【その6】働くもんを大切にしいや! 働きたい人にはあんじょう(いい具合に)してやって。
【その7】力の弱いもん、声が小さいもんが大切にされる社会がええねん。
【その8】だからおばちゃんの目を政治に生かしてや!

(一部抜粋)

 「男ばかりの政治」に異義があるなら、そのカウンターとして成立するレベルにまで引き上げないと、バカにされて終わるだけになりかねない……こういう物こそ、むしろ女性を貶める物だと思うんだがね。



活断層 (2012 12/11 24:00)

活気づく「脱原発」政党、自民は沈黙 敦賀廃炉の公算大(12/11朝日)
 日本原子力発電敦賀原発(福井県)が廃炉になる公算が大きくなり、衆院選で「脱原発」を訴える政党は活気づいた。苦戦を強いられているだけに、反転攻勢に向けてアピールに躍起だ。一方、政権に返り咲くと判断を迫られる自民党は沈黙している。

 「今日は歴史的な転換点の日。活断層なので再稼働すべきではないという判断を規制委員会の委員長自身がした。まさに原発ゼロに向かって歩み出した。この流れを止めてはならない」
 民主党の細野豪志政調会長は10日、福島市での演説でこう強調し、脱原発を掲げる党への支持を訴えた。
 6月の関西電力大飯原発(福井県)の再稼働の判断には細野氏も加わり、野田政権が決めた。この日、野田佳彦首相がコメントする機会はなかった。ただ、民主党内では選挙戦にプラスに働くとの期待が広がる。
 菅直人前首相は「早く廃炉手続きに入るべきだ。こういう形での廃炉は初めて。国民に理解していただければ、大変大きな意味を感じてもらえる」と勢いづく。閣僚経験者は「民主党の主張が再稼働ありきではないことが証明された。もっと原発問題を訴えていけばいい」と歓迎。別の中堅は「ちゃんと原子力規制委員会が機能している証拠。自民党は3年以内に再稼働するかどうかを判断するとしているが、それでは遅い」と誇った。
 報道機関の序盤情勢調査では、民主党や日本未来の党など「脱原発」を公約に掲げる党の苦戦が目立つ。超党派の「原発ゼロの会」や脱原発基本法案の賛同者に名を連ねた前議員で、朝日新聞の調査で優勢だったのは1割程度にとどまる。
 再稼働反対を掲げる未来の嘉田由紀子代表は10日、名古屋市で記者団に「委員全員が活断層だと言っている以上、即時廃炉を求めていくしかない」と強調。「既成の大政党が本気で(原発を)やめる気がない。実践的な提案を出したという意味で未来の党しかない」と訴え、巻き返しを図る。
 日本維新の会は選挙公約とともに発表した政策実例で「既設の原子炉による原発は2030年代までにフェードアウト(消えていく)」と記したが、脱原発を強調する勢力とは一線を画してきた。それでも所属議員の一人は「電力側が安全を証明しない限り、原発は止めないといけない」と語る。公明党の山口那津男代表も10日、取材に「専門的な判断は尊重しなければならない」と語った。
 一方、自民党は公約で「原発の安全性については、原子力規制委員会の専門的判断に委ねる」とし、再稼働の可否は「3年以内の結論を目指す」と先送り。「脱原発」の世論が逆風となる展開にはなっておらず、このまま封印しておきたいのが本音。再稼働に関しても主張は鮮明にしていない。政権に戻ればさっそく判断が問われることになるが、幹部の一人は「今も止まっている原発の再稼働は難しいと言っても仕方ない」と言葉を濁した。


 活気づく「脱原発」政党ねぇ……「脱原発」以外の政策を訴える能力に乏しいから、こういうので活気づくしかない、ってことですかね。自民党も「規制委員会が判断し、安全でない物は廃炉に」と言ってるのだから、今回の規制委員会の発表は、そして廃炉の方針は、自民党の訴えてきたことと何ら矛盾しない。反原発政党が活気づいている理由もよく分からんですな。

 「活断層の上=とにかく危険」という見方にも疑問があるんですがね。原発は地震自体には非常に強い。中越沖地震の時に(原発の地震計で)震度7を観測しつつも、柏崎刈羽原発は事故を起こさなかった。
 だいたい、その活断層は何年スパンで動く可能性がある物なの?10万年オーダーの活断層で経済活動にダメージを与えるのが合理的なのか、という疑問が湧く。



利権の何が悪い (2012 12/10 24:00)

「将来担う人、自民にいない」 細野・民主政調会長(12/8朝日)
 ■細野豪志・民主党政調会長
 自民党の政策集には、業界団体の要望が書かれている。彼らは税金を使って、業界団体に恩返しをするんですよ。民主党は、業界団体から色々と要望をいただいても、国民のためになることはやったが、ならないことはお断りした。こういう政治を続けてきた我々か、業界団体に恩返しをする政治か。皆さんにぜひ立ち止まって考えてもらい、できれば私どもをご支援いただきたい。
 この広い政界において誰が将来の日本を担うのか。自民党にそんな人はいません。民主党には人材がいる。私も41歳という未熟者ではありますけれども、逃げずに、民主党をもう一度立て直して、この日本を良い方向に持っていくために全力を尽くす。(静岡県富士宮市の街頭演説で)


 「民主党は、業界団体から色々と要望をいただいても、国民のためになることはやったが」「民主党には人材がいる」……何をフザけたこと言ってるんだ?長崎県知事選で「民主候補を応援すれば交付金も道路も来ます」って言ったり、当選した相手候補が政権批判したら陳情拒否したりしたのは、どこのどいつだ、と。

 だいたい、利権政治と自民党を批判するが、日本人の誰の利益にもならないような民主党の政治よりも、誰かの利益になる政治の方がはるかにマシ。その利益が巡り巡って自分の所に流れてくるかも知れないしな。

 公共事業を全否定する輩は、バカと思って構わないと思っています。


様々な視点 (2012 12/10 24:00)

日本の軍事的強化「歓迎」=「中国の対抗勢力に」と要望−比外相(12/10時事)
 フィリピンのデルロサリオ外相は10日付の英紙フィナンシャル・タイムズとのインタビューで、軍事的に台頭する中国の対抗勢力として、日本が戦後の平和憲法から解き放たれ、軍事的強化に進むことを歓迎すると表明した。同紙は、中国の高圧姿勢に懸念を強めるアジアの国々が日本の軍事的強化を支持することによって、自衛隊を「国防軍」に格上げする憲法改正を目指す自民党の安倍晋三総裁に勢いづける可能性があると指摘している。
 インタビューの中でデルロサリオ外相は、「われわれはアジア地域でバランス形成の要因を求めており、日本はそのための重要な存在になり得る」と述べ、中国に対抗するための日本の「再軍備」を「強く歓迎する」と語った。 
 同紙によれば、今回の外相発言は、日本の軍国主義復活に警鐘を鳴らし続けてきた中国を刺激するリスクがある。しかし、中国の脅威にさらされているフィリピンなどは今、「第2次世界大戦時の旧日本軍の侵略の記憶以上に、現在の中国の圧迫により大きな懸念を持ち始めていることが示されている」と同紙は解説している。


 別にフィリピンの思惑に沿うように行動する必要はないのだが、中国や韓国以外にもアジアには国があり、日本に対してさまざまな視点を持っているのだ、ということは頭に入れておきたいところですな。中韓以外に目が向かない人には、聞こえない意見でしょうけど。



田中真紀子の演説に思う (2012 12/9 24:00)

田中文科相、民自両トップを批判 新潟で演説(12/8朝日)
 「安倍さんは本気だ。岸信介さんのお孫さんです。国会議員はみんな国防軍に入り戦争に行ってみたらどうか。どれだけ悲惨か。人殺しがあってはダメです」
 田中真紀子文部科学相は8日、新潟県内で演説し、「国防軍」創設を掲げる自民党の安倍晋三総裁を批判した。
(以下略)

 岸信介の孫だからどうだというのか。仮に岸信介を「戦犯の極悪人」と見なしたからと入って、それが孫である安倍氏の評価にどう繋がるのか。だいたい、安倍氏が「国防軍=戦争やって人殺し」と主張したことがあると言うのか。

 自民党は、言ってもいないことで批判されることが多すぎる。まともな批判なら資することもあるだろうが、藁人形論法は何の益も生み出さぬ。


 ちなみに、この時の演説、こんな様子だったようで。

野田首相応援も真紀子文科相に猛吹雪…新潟5区(12/9スポーツ報知)
 先立っての真紀子氏の演説ではヤジが多かった。持ち前の毒舌で「未来の党は必ず分裂します」「(日本維新の会の)橋下(徹代表代行)さんは選挙の後でポイされる」「(自民党の)安倍(晋三総裁)さんは岸(信介元首相)さんのお孫さんだから戦争をやってみたくてしょうがないのよ! そんな自民党がいいと思う人がいたら手を挙げてください」。すると「ハイ!」「ハイ!」と次々と手が挙がり、街宣車上から「どうしてよ!」と絶叫した。(一部抜粋)

 コントかよ。



悲惨な結末 (2012 12/8 23:00)

看護師、偽電話応対で自殺か 病院、英妃の容体漏らす(12/8共同)
 【ロンドン共同】第1子を妊娠した英王室のキャサリン妃(30)が入院していたロンドン市内の病院の女性看護師が死亡したことが7日、分かった。英BBC放送などが伝えた。自殺とみられる。
 女性はキャサリン妃が入院中の4日、オーストラリアのラジオ局DJが王室メンバーをかたり病院にかけた偽電話に応対した看護師の一人。電話対応に責任を感じて自殺した可能性がある。
 偽電話はDJ2人がキャサリン妃の夫、ウィリアム王子の祖母であるエリザベス女王と父のチャールズ皇太子を装って病院にかけた。病院側は偽の電話と見抜けず「体調は安定しています」などと同妃の様子を伝えた。


 悪質かつ、くだらない悪戯の結末としては、なんともやりきれない話。

 もちろん「本当に女王ですか」と聞くことはできないが、当たり障りのない返答をすることはできたはずで、確かにその点は迂闊だったとは思う。しかし、あくまでオーストラリアのDJどもがクズであり、責任感じて自殺することはなかったのに、と痛ましく思う。

 さて、DJどもには責任をきちんととって頂きましょうかね。


放射脳の主張のまんま (2012 12/8 23:00)

未来 原爆ドーム前で街頭演説(12/8産経)
 ■嘉田代表、「卒原発」強調
 日本未来の党の嘉田由紀子代表が7日、広島市中区の原爆ドーム前で街頭演説を行い、「ノーモアヒロシマ、ノーモアフクシマ」と訴え、「卒原発」を掲げる党を強調した。
 嘉田代表は、原爆犠牲者の慰霊のため原爆ドームに向けて黙祷(もくとう)。広島は核廃絶の原点として、「党は日本から原発をなくしたい」「電力制度の改革で、電気料金を上げずに原発から卒業することができる」と語り、集まった市民らと握手を交わしていた。


 福島に今も暮らす人はいるというのに、福島を「フクシマ」と記号化し、「ノーモアフクシマ」と主張するというクズっぷり。未来の党なんて、「放射脳党」って名乗ればいいだろ。

 「日本は2発の原爆によって軍国主義から抜け出した。いま、原発事故によって目覚めることができた」とも言っている。自分は常に「分かっている側」に立っている、そして国民が「目覚める」ならば多くの犠牲も「良かった」と言ってしまう、そういう「ご立派」な人間なわけだ。

 ふざけるな、クズが。



鳩山の後継者 (2012 12/7 24:00)

嘉田氏 KY応援演説 三宅雪子氏より自著PR?(12/7スポニチ)
 日本未来の党代表の嘉田由紀子滋賀県知事(62)が6日、野田佳彦首相の地盤、千葉4区(船橋市)入りし、三宅雪子氏(47)の応援演説を行った。陣営が鋭い“野田批判”を期待する中、嘉田氏が野田首相を名指ししたのは約15分間でわずか1回。果ては自著をPRしだす“KY”ぶりに、三宅氏は戸惑いを隠せなかった。また三宅氏は東京8区から立候補した山本太郎氏(38)が10日に応援に入ることを明かした。
 嘉田氏が演説を行ったJR船橋駅前は、野田首相がかつて毎朝“朝立ち”を行った、いわば敵将の本丸。ただ、刺客として戦いを挑む三宅氏が期待した援護射撃は、不発に終わった。
 嘉田氏に先立って演説を行った三宅氏は、野田政権下での消費増税や原発をめぐる政策に触れ、「国民の命をおびやかしたのは野田総理」「政局混乱の責任は野田総理一人にある」などと何十回も野田首相を個人攻撃。聴衆にアピールし、喝采を浴びる場面もあった。しかし、嘉田氏の登場と同時に流れは止まった。
 約15分の演説は、党が掲げる「卒原発」や、女性に優しい世の中づくりなど観念論に終始。「野田」の名が出たのは「野田さんは(関西電力大飯原発3、4号機の)再稼働を決断しました。でも私はまだまだ不安」と話した1回きりだった。
 終盤にさしかかると、「きょう話したことはこれを読めばわかります」と、自著「知事は何ができるのか」をどこからともなく取り出し、聴衆に購読を勧めるなどマイペースぶりは加速。話し終わり、著書を三宅氏に手渡すとすぐ車で去り、聴衆からは、「ここが野田首相の地盤だってこと、理解してるのかね?党代表のあいさつとは思えない」と冷ややかな声も上がった。
 演説後、三宅氏は「正直(嘉田氏に)もっと野田さんのことに触れてほしかったのでは?」との問いに「はい…ハハハ」と思わず苦笑い。すぐ「それは私が十分言いましたから…。嘉田さんは嘉田さんのやり方で強く訴えられた」とフォローしたが、“KY演説”に困惑の色は隠せなかった。
 4日、福島県飯舘村での第一声で有権者が集まらず、報道陣に「有権者の皆さま…」と語りかけた嘉田氏。またしても、どこかピントのずれた部分を露呈した格好だ。


 さすが第2民主党、党首の雰囲気まで鳩山を真似ているようで。
 応援演説で自著を宣伝するって、聞いたことがないなぁ。公職選挙法的にはどうなんでしょ?


消極的な支持? (2012 12/7 24:00)

総選挙・論戦後半へ―自民党への風の意味(12/7朝日社説)
 総選挙に「大いに関心がある」という人は44%にとどまり、前回、前々回の54%から大幅に減った。
 選挙や政治に関心をもてない有権者が増えているさまも読み取れる。
 最大の責任が、3年前、あれだけの巨大議席を与えられながら、いまの政治の閉塞(へいそく)を招いた民主党にあるのは明らかだ。
 民主党は評価できない。「第三極」の新党も物足りない。
 「自民党過半数」の調査結果は、行き場を失った有権者の消極的な支持とも見える。風向きしだいで議席が大きく動く小選挙区制の特性も働いていよう。
(一部抜粋)

 「消極的な支持」の方がまだ安心できる。民主党政権への落胆の反動で、自民党に過度な期待をしている向きの方が大勢いる場合の方が、よっぽど恐ろしい。過度な期待は落胆を生む、そうなれば、朝日などのメディアは危機として「自民もダメだ」と報道するだろう。「消極的な支持」でじゅうぶんだ。



自民過半数、の情勢だそうだが…… (2012 12/6 24:00)

自民、単独過半数の勢い 衆院選序盤、朝日新聞情勢調査(12/5朝日)
 16日投開票の衆院選について、朝日新聞社は4、5日、全300小選挙区の有権者を対象に電話調査を実施、全国の取材網の情報も加えて公示直後の序盤情勢を探った。それによると、現時点で(1)自民は小選挙区が好調で比例区と合わせ単独で過半数を確保する勢い(2)民主は惨敗で100議席を割り込む公算が大きい(3)第三極の日本維新の会は比例区で民主と肩を並べ、小選挙区と合わせて50議席前後に(4)日本未来の党は比例区で8議席前後を確保しそうだが小選挙区では苦戦、などの情勢になっている。
 調査時点で投票態度を明らかにしていない人が小選挙区でほぼ半数、比例区でも4割いる。公示直後は各候補が有権者に十分浸透しているとは限らず、今後、情勢が大きく変わる可能性もある。


自民、過半数超す勢い…衆院選情勢10万人調査(12/5読売)
 読売新聞社は、16日投開票の第46回衆院選を前に、4、5の両日、全国の有権者約10万1000人を対象に世論調査を行い、全国総支局などの取材を加味して序盤の情勢を探った。
 政権復帰を目指す自民党は小選挙区選、比例選とも優勢に戦いを進めており、単独で過半数(241)を大きく上回る勢いだ。


衆院選、自公3百議席うかがう 政権奪還も、民主激減(12/6共同)
 共同通信社は第46回衆院選について4、5両日、全国の有権者約12万3700人を対象に電話世論調査を実施し、現時点での情勢を探った。自民党は小選挙区、比例代表ともに優位に立ち、単独過半数(241議席)を確保、公明党と合わせ300議席をうかがい、政権奪還の公算が大きくなっている。民主党は公示前の230議席から激減し70議席前後となる可能性がある。日本未来の党、日本維新の会、みんなの党といった第三極勢力は伸び悩んでいる。
 共産党は公示前を下回りかねず、社民党、新党大地も厳しい。国民新党、新党日本、新党改革は議席確保の見通しが立っていない。ただ「まだ決めていない」との回答が小選挙区で56.0%、比例代表で48.0%あり、16日の投開票に向けて情勢が変わる可能性がある。

 朝日だけが「自民過半数」と言っていれば、有権者に「自民を勝たせすぎたらマズい、他に入れなければ」と思わせるための陰謀だとか夢想したりもするが、各社似たような数字になっているので、おそらく実態なのかなぁ、と。もちろん、朝日に限らずメディアがこぞって「自民の大勝を阻止しようとしている」のなら別だが。
 未来の党はやはり沈没しそうですな。小沢の「神通力」ももはや通用しなくなったということだろうかね。

 民主党が酷いことをやらかしたせいで政治家に対するハードルが下がっているなら、自民党政権は巧くやれるだろう。ただし、民主党が酷かった反動で、自民党を過剰に評価するような向きが増えている場合、政権奪取後に落胆する者も多いのではなかろうか。神格化するべからず、である。



未来はあるのか、未来の党 (2012 12/5 22:00)

未来の届け出、午後5時ギリギリ 選管で泣くスタッフも(12/5朝日)
 東京・霞が関の総務省・中央選挙管理会。衆院選比例区の届け出会場で、締め切り間際に記者が目撃したのは。
 4日午後4時すぎ。締め切りまで1時間を切っても、日本未来の党が提出する予定の比例11ブロックの立候補届け出書類のうち、北陸信越ブロックしか届いていない。ほかの主要政党は軒並み朝のうちに手続きを終えていた。
 「本当に来るのか」。選管職員が首をかしげる。締め切り39分前。書類を持って現れたのは、未来でなく、日本維新の会で唯一残っていた東北ブロックの関係者。「立候補辞退者が出て書類の修正に手間取った。慣れないので…」
 「もう未来は間に合わないのか」。集まった記者たちから声が漏れる。そんな中、未来の各ブロックの届け出書類を持った関係者が駆け込んだ。東海、近畿、南関東、中国、四国、九州……。残りは東京など数ブロック。
 午後5時。締め切りの合図で両開きのドアが閉まる瞬間、隙間から男性2人が届け出書類を手に飛び込んできた。
 間に合わないと、比例単独候補と、小選挙区との重複立候補も認められなくなる。ぎりぎりの時間帯に入り、選管も会場手前で名前を書かせていた受付を会場内に変更する異例の措置をとっていた。記者が自分の電波腕時計で確認すると、2人が入ったのは5時ちょうどから10秒すぎ。だが選管は「5時までに入った」として、受け付け審査に進んだ。
 ほっとした空気が流れたのもつかの間。いったん選管に書類一式を出した後、未来の党関係者らが、肝心の比例名簿が見あたらないと探し始めた。後から来た森ゆうこ副代表が見守る中、スタッフの女性が泣き出した。まもなく男性が名簿を見つけ出した。
 全てのブロックでの届け出書類が受理されたのは午後10時半。選管関係者は「こんなことは初めて」とあきれ顔だった。


未来、比例区届け出で混乱 締め切り直前、駆け込み提出(12/5朝日)
 日本未来の党が4日、届け出締め切りの午後5時直前に中央選挙管理会に比例名簿を提出し、比例区の候補者数の確定が同日夜まで遅れる事態となった。比例名簿の順位をめぐって党内調整が難航したためだ。
 未来は同日午前には比例名簿を提出せず、午後になって順次提出した。いくつかの名簿は受け付け終了を知らせる放送中に提出した。中央選管での審査に時間がかかり、全11ブロックの名簿が受理されたのは4日の午後10時半だった。
 嘉田由紀子代表は4日夜、記者団に「たった1週間前に生まれた政党。時間がかかってしまい、大変申し訳なく思っている」と釈明。森ゆうこ副代表は「代表に了承いただき、作業を進めたが、飯田哲也代表代行から方針転換の話がありストップした。(名簿順位で)すべてのブロックを変更することになった」と語った。
 総務省の米田耕一郎選挙部長は未来を念頭に「ある政党は受付時間ギリギリに来られ、事前審査も受けていなかった。通常の審査を行ったが時間がかかった。私どもは法に従って受け付け事務を行った」と記者団に語った。


 朝日新聞朝刊2面にはさらに詳しく事情が説明されている。
 小沢系の人間が名簿を完成させ、嘉田氏も3日の内に了解していたらしいが、飯田哲也が急に電話を入れてひっくり返したらしい。

 比例区の名簿を見ると、重複候補がみな名簿1位になっている。朝日紙面には「比例単独候補の一人は当初案で1位だったがブロックで最下位になり、「飯田氏は選挙の素人だ」と反発」という記述があり、自身も重複候補である飯田哲也の名簿順位を上げたため、整合性を取るために全国の名簿を書き換えることになったというのが真相のようだ。

 寄り合い所帯、烏合の衆という事実を如実に示した事象だった。

 しかし。
 選挙名簿の提出を、選管のお情けで「間に合ったこと」にしてもらうような党が、10年で原発ゼロにまで漕ぎ着けるような能力を持っているのかねぇ。



プロレス (2012 12/4 23:00)

首相「石原氏にスリーパーホールド」プロレス技に例え打倒誓う(12/3スポニチ)
 野田佳彦首相(民主党代表)は2日、本紙などのインタビューに応じ、大ファンのプロレス技に例えて衆院選での他党の打倒を誓った。
 先月16日の解散以降、連日全国を応援に回り「ガンガン燃えます。国会答弁は言葉尻を取られないようにディフェンスになるが、選挙中はオフェンスで攻めていく」。故ジャンボ鶴田さんのファン。各党党首との戦いを技に例え、自民党の安倍晋三総裁については「伝家の宝刀のバックドロップで決めに入って、逆エビ固めであぶくを吹かせてタップさせるところまで持っていきたい」と強気。日本維新の会の石原慎太郎代表に対しては「お年寄りなので荒技は気の毒。スリーパーホールドで静かに眠ってもらう」と述べた。日本未来の党の嘉田由紀子代表については、同党に合流する「国民の生活が第一」の小沢一郎代表らの存在を示唆しながら「周りの“魔界倶楽部”が勝負。全部ラリアットでなぎ倒していく」と宣言した。


 魔界倶楽部という文字列を政治家の言葉に発見するとは……すこしだけ、野田さんのことが好きになってしまった。


古典 (2012 12/4 23:00)

「古典は高校での教え方が悪い」キーンさん(12/4読売)
 11月1日の「古典の日」の普及を図る「古典の日推進フォーラムin東京」(読売新聞社など後援)が4日、東京・渋谷の国立能楽堂で開かれた。
 作家の瀬戸内寂聴さん、米コロンビア大のドナルド・キーン名誉教授らのリレートークのほか、京舞と能が披露され、約600人がみやびな雰囲気を楽しんでいた。
 古典の日は、平安時代の1008年11月1日の「紫式部日記」に、源氏物語に関する記述があることにちなみ、古典文化に親しむ目的で今年9月に制定された。
 リレートークでは、キーンさんが、英訳の源氏物語との出会いを振り返ったうえで、日本人が古典に親しめない理由を「高校での教え方が悪い」と指摘。「係り結びなど文法ばかりに力を入れ、文学の美しさを教えない。源氏物語がなぜ世界中で翻訳され、傑作とされるかを、日本人がわかっていない」と手厳しかった。


 たしかに、高1の古典の授業は文法に特化しすぎの面はある。もちろん、ある程度文法が分かっていないと古典は読めないので、文法が不要という論には立たないが、しかし、文章読解を通じて必要な文法を押さえる方式にすれば、「読むために必要な文法」という意識付けができて、多少は古典に対する感じ方も変わるんじゃないかなとは思う。

 そこまでして古典を読む必要があるのか、という意見に対しては、「ある」と断言する。自国の文化の源泉を理解することは絶対に必要。漢文も、我が国の国語に大きく影響を及ぼしている物で、到底無視できる物ではない。
 古文も漢文も実生活で不要だ、と言っている者は、必要であることが理解できてないだけだと思うよ。それは、数学でも理科でも社会でも、同じこと

 ま、いちばんの問題は、その教科を分かっていない、好きではない人間が、教師をやっていることだけどな。



誰がやっても同じじゃなかった (2012 12/3 22:00)

 政権交代にメリットがあったとすれば、それは「政治は、誰がやっても同じというわけでは、決して無い」ということを知らしめたことだろう。この3年間の民主党政権の体たらくを経てなお、「誰がやっても同じ」と言ってる人がいるとすれば、その神経は私には到底理解できない。

 せめて、この3年間の勉強量が無駄でなかったと言える選挙にしたいですな。


笹子トンネルの事故に思う (2012 12/3 22:00)

 個人的には、岐阜県民として恵那山トンネル下り線が笹子トンネルと同じ構造であることが気になっているが……。

 笹子トンネルの事故は、「インフラは維持も重要」という当たり前の事実を改めて思い知らせた。新しい道路や建物を造ることの優先度は下がっても、今まで作った物の維持改修の優先度は、むしろ年を経るごとに高まっていく。

 公共事業で「安全と雇用」をもたらすことができるのならば、決して「悪者」にすべきではないだろう。むしろ、農家の戸別補償だの、高校の無償化などといったバラマキではなく(私は国公立大学こそ授業料を無料にすべきと思っている)、全国の道路や橋やトンネルの改修にこそ、きっちりお金を掛けて欲しいと思う。

 無駄の削減がもてはやされた結果、必要な部分にもお金を掛けなくなっては本末転倒。
 しかし、そこに掛けるリソースが不足していればどうにもならないという現実もある。やはり、経済再生しか道はないよなぁ……



烏合の衆 (2012 12/2 24:00)

維新、新人に「公開討論会に出るな」…失言懸念(12/2読売)
 4日公示の衆院選で、日本維新の会が新人の立候補予定者に対し、各小選挙区で開かれている公開討論会への参加を見送るよう指示していたことが分かった。
 維新の会幹部は「遅れている選挙準備に専念させるため」と説明するが、維新の会の大阪府議は「準備不足の新人は討論会で袋だたきに遭いかねないため」としている。
 維新の会の小選挙区公認候補152人のうち、選挙の経験がゼロの新人は約80人。立候補する選挙区とつながりのない「落下傘候補」も多い。維新の会の府議は「新人が討論会で失言するとイメージダウンが大きく、地元事情に疎い落下傘候補は特に危ない」と話す。
 維新の会は新人の参加見送りを先月下旬に決定。討論会は全国各地で市民団体などが企画しており、大阪や京都などの討論会では、維新の会の立候補予定者が不在のまま行われている。


 要するに「維新の会の候補者は、まともに論戦できないバカばかりです」と公言しているわけだ。トップがどんな主張をしていようと、駒がバカ揃いの集団に、国政を任せるわけにはいかない。

 ちなみに、その「トップ」の一人は、原発に関して言説を修正してきている。

橋下氏 未来の原発政策を批判(12/2NHK)
 日本維新の会の橋下代表代行は、金沢市で街頭演説し、日本未来の党が衆議院選挙の公約で「遅くとも10年以内に、すべての原発が廃炉となる『卒原発』への道筋を作る」としていることについて、「具体的なプランがなく、無責任極まりない」と述べ、批判しました。
 この中で橋下代表代行は、「今、この段階で、原発ゼロはいつだなどと言えるわけがない。10年後にゼロとか、20年後にゼロとか、バーゲンセールではあるまいし、言ったもの勝ちだ。日本維新の会は、原発政策が変わったと言われるが、何も変わっていない。2030年代のゼロを目指しながら、新しいエネルギー供給体制で国家を運営するプランを検討している」と述べました。
 そのうえで橋下氏は、日本未来の党が衆議院選挙の公約で、「遅くとも10年以内に、すべての原発が廃炉となる『卒原発』への道筋を作る」としていることについて、「全く具体的なプランがない。嘉田知事は、小中学校の義務教育が9年で、原発も9年で卒業しましょうと言っているが、こんなことで原発ゼロというのは無責任極まりない」と述べ、批判しました。


 プラン無しに多い再稼働に反発していたのはお前だろう、と言いたいところではあるが、マシな方向に舵を切り直したのは評価したいと思う。マシとは言っても、ほんの少しだけだが。無責任であることに変わりはないしねぇ。



針の穴 (2012 12/1 23:00)

嘉田代表 再稼働あり得ず必要性もない(12/1NHK)
 日本未来の党の嘉田代表は、東京都内で記者団に対し、原発の運転再開について「再稼働には針の穴に糸を通すぐらい難しい条件があり、今の段階ではあり得ないし必要性もない」と述べ、反対していく考えを示しました。(一部抜粋)

 老眼だと難しいかも知れんが……いや、意外と「再稼働は簡単だ」と言いたいのか?
 ちなみに、聖書に載っているのは「らくだが針の穴を通るよりも難しい」ですな。

 土曜朝のテレビ番組では、嘉田さんはこんなことを言っている。

未来:嘉田氏が原発再稼働容認「政府の判断あれば」(12/1毎日)
 「卒原発」を唱える日本未来の党の嘉田(かだ)由紀子代表は1日午前、原発について「原子力規制委員会が安全性を担保し、政府が必要だという判断をした場合、再稼働を認める」と述べ、条件が整えば再稼働を容認する考えを明らかにした。未来が掲げる「10年後の卒原発」については「目標」との認識を示した。嘉田氏は11月27日の結党会見で、原発再稼働の是非に言及していなかった。(一部抜粋)

 やっぱ再稼働を否定しているわけじゃないんだね……どっちなんだよ!


小沢教 (2012 12/1 23:00)

100万円以上が109人=前年10倍超、総額も3倍−「陸山会」個人献金・小沢氏(12/1時事)
 小沢一郎「国民の生活が第一」代表が民主党時代の2011年中に、資金管理団体「陸山会」へ100万円以上の個人献金をした人が、10年の10人から急増して109人に上ったことが、30日公開された政治資金収支報告書で分かった。総収入額は約3億4300万円で10年からほぼ横ばいだったが、個人献金の総額は3倍以上に膨らんだ。
 報告書によると、109人の職業は主婦・主夫33人、会社員22人、無職21人、パート・アルバイト8人、公務員・市嘱託職員6人など。うち101人が小沢氏の刑事裁判が始まった10月以降にのみ献金。100万円を一括寄付し、他に寄付のない人が80人に上った。政治資金規正法の個人献金上限の150万円は9人。
 都道府県別の最多は鹿児島(23人)で、以下東京(13人)、福岡(11人)。他に長崎、熊本、宮崎で計10人と九州地方が目立つ。小沢氏の地元・岩手県は1人だった。
 この結果、個人献金総額は約1億6100万円と10年の3.3倍に増加。民主党代表だった08年からは10倍以上に増えた。
 一方、09年に4億1400万円、10年に2億300万円あった民主党岩手県第4区総支部(12年に解散)からの寄付はゼロに。これらの一部は、小沢氏の関連政治団体に残された旧新生党資金を、同支部を迂回(うかい)させ陸山会に移したとの指摘が出ていた。
 100万円の寄付をした宮崎県の無職女性は取材に、「初めて寄付した。小沢さんのことはよく知らないが、裁判の報道を見て正しいと思ったため」と話した。鹿児島県の主婦は「寄付は初めて。裁判でお金もいると思った」と理由を述べた。「娘を助けたいなら(小沢氏に)寄付するよう医師に言われた」とした無職女性もいた
 小沢事務所の話 選挙で多忙なため、対応できる者がいない。


 最後の方にさらりと凄いことが書いてあるんだけど……なんだ、この新興宗教みたいなやり口は。てか、これって犯罪にはならんのかねぇ。





ネットと選挙 (2012 11/30 24:00)

選挙中もつぶやき宣言=橋下氏【12衆院選】(11/29時事)
 日本維新の会の橋下徹代表代行は29日、衆院選が公示される12月4日以降も、ツイッターで自身の見解を表明する考えを明らかにした。
 橋下氏は大阪市役所で記者団に「候補者当事者じゃないから、一般的な考え方とかは表明していく」と宣言。「見解表明は投票呼び掛け行為じゃない。間接的に(票に)つながったとしても選挙運動ではない」と強調した。
 ただ、総務省選挙課は「選挙運動であればツイッターも含めてインターネットの利用は認められない」としており、再考を迫られる可能性もある。橋下氏のツイッターのフォロワー(読者)は90万人を超えている。


 「俺は候補者じゃないモンね」と屁理屈で選挙活動する橋下も卑怯だなぁと思いつつ、ネットで選挙活動ができない状況は時代にそぐわないなぁという思いもある。全面的に認めたら、スパムメールやスパムな書き込みの嵐になりそうだが、それはそれで規制を掛ければある程度は押さえ込めるだろう。

 時事ネタ扱っている拙者としても、不便が解消されるしなぁ。


松坂慶子 (2012 11/30 24:00)

「けいこ」号優秀賞1席に 松阪肉牛共進会(11/26中日)
 高級和牛・松阪牛の品評会「松阪肉牛共進会」が二十五日、松阪市伊勢寺町の松阪農業公園ベルファームであり、明和町斎宮の深瀬晃さん(65)の「けいこ」号が優秀賞一席に選ばれた。深瀬さんの入賞は初めて。津市北丸之内の精肉店・朝日屋が二千二百万円で競り落とした。

 これはやっぱり、「松坂慶子」を狙ったんだよなぁ……



政党ロンダリング (2012 11/29 24:00)

当選したらみどりに復帰=未来に移る前議員【12衆院選】(11/28時事)
 みどりの風の亀井亜紀子共同代表は27日夜、国会内で記者会見し、同党から日本未来の党に移る前議員3人が衆院選で当選した場合について「みどりの仲間として迎えたい」と述べ、みどりに復帰させる方針を示した。
 公職選挙法99条の2は、比例代表での当選者に関し、選挙期日以降、同じ選挙で比例名簿を届け出た政党に移動した場合は当選を失うと定めている。ただ、みどりは今回の衆院選に候補者を立てないため、前議員が比例で当選後、みどりに戻っても、同法には抵触しない。 
 一方、みどりの前議員3人が未来に移ると、同党の所属議員は参院議員4人となる。所属国会議員5人(前職も含む)の政党要件を満たさず、政党交付金を受ける資格を失う。


 マネーロンダリングならぬ「政党ロンダリング」を堂々と宣言し、しかも「未来の党」が「選挙互助会」でしかないことを堂々と公言するたぁ、なかなか剛気ですのぅ

 というか、「未来の党」に集まる「国民の生活が第一」「減税日本」「みどりの風」の奴らは、その多くがその前には「民主党」議員だった民主党の奴らばかり。いくつかの党歴を経て「民主党」出身であることが分かりにくくなっている様は、やっぱり「政党ロンダリング」と呼ぶべき状態。
 多くの元民主党議員はそれを黙ってやろうとしていたが、亀井さんはその辺りが非常に甘かった、と。国民新党上がりだから、亀井静香の脇の甘さを受け継いでいるのか?


 で、未来の党が「第2民主党」でしかないことの証明。

中学生以下に年31万円 「未来」公約、小沢氏は無役職(11/29朝日)
 日本(にっぽん)未来の党(代表・嘉田由紀子滋賀県知事)は28日、総務相宛てに政党設立届を提出、受理された。未来は「卒原発プログラム」策定のほか、中学卒業までの子どもに子育て応援券を含む年間31万2千円の手当を支給するなどの政策要綱原案をまとめた。(以下略)

 年間31万と言うことは月26000円ほどですな。「子供手当」マニフェストがまた出てきたわけだ。「未来の党」は分かりやすく、第2民主党とか元祖民主党とか民主党総本家とか名乗ってほしいね。


最古級のひらがな (2012 11/29 24:00)

最古級のひらがな出土 土器に「け」や「あ」 平安京跡(11/29朝日)
 【筒井次郎】平安京の高級貴族の邸宅跡で、最古級のひらがなが書かれた土器(9世紀後半)が多数出土した。京都市埋蔵文化財研究所が28日発表した。解読にかかわった研究者らは、10世紀に確立したとされるひらがなが、半世紀ほど前にすでに文章を書くのに使われていたとみている。
 土器が出土したのは、平安時代前期の右大臣(政権ナンバー3)、藤原良相(ふじわらのよしみ)(813〜867)の邸宅跡(京都市中京区)。庭の池から墨で文字が書かれた土器約90点が見つかり、うち約20点にひらがなや、漢字が崩れてひらがなになる途中の「草仮名(そうがな)」が多数書かれていた。大半は良相が没した867年前後のものとみられる。
 1枚の皿(直径13.5センチ)の裏には約40字が書かれていた。「け」「あ」「ら」「と」「は」などは現在と同じ形。「ひとにくしとお□はれ」という部分は、□(欠損部)を「も」と推測すると「人憎しと思われ」(うとましく思われての意味)と読める。


 万葉仮名と草仮名と現在使われている形とが同居していて、とても興味深い。



いい加減学習しろ (2012 11/28 22:00)

がれき積んだトラック 反対派、進入阻む 新潟・江南区(11/27朝日)
 【三木一哉】岩手県大槌町の震災がれきを受け入れる新潟市江南区の亀田清掃センターで26日、試験焼却されるがれきを収めたコンテナを積んだトラックが、反対派市民グループや住民に進入を阻まれた。(以下略)

 大槌と福島第一原発の距離は約230km。
 新潟と福島第一原発の距離は(間は多少山がちとは言え)約180km。
 東京と福島第一原発の距離は約230km。

 「放射能怖い」で反対している奴らは、古今無双のアホだろ。そして、少数のアホに屈してしまう新潟市も度し難い。


プラズマクラスタ (2012 11/28 22:00)

シャープ掃除機に“表示性能ない”(11/28NHK)
 大手電機メーカーの「シャープ」が製造、販売した、イオンを発生させる装置を組み込んだ掃除機について、消費者庁は、カタログなどにアレルギーの原因となる物質を分解、除去するなどと表示していたにもかかわらず、実際に室内で使用した場合、その性能はなかったとして、「シャープ」に、景品表示法に基づいて再発防止を命じる方針を固めました。
 「シャープ」は、おととしからことしにかけて、「プラズマクラスター」という、イオンを発生させ空気を浄化するという装置を組み込んだ掃除機について、カタログやホームページで「ダニのふん・死がいの浮遊アレル物質のタンパク質を分解・除去」などと表示していました。
 この掃除機について、消費者庁が研究機関に実験を依頼したところ、実際に室内で使用した場合、表示のような性能はなかったということです。
 カタログなどでは、「1立方メートルのボックス内での実験結果」などと注釈がつけられていましたが、消費者庁は、室内で掃除機を使用した際の性能だと消費者に誤解を与える表示だとして、「シャープ」に対し、景品表示法に基づき、再発防止を命じる方針を固めました。
 「シャープ」は、「コメントできない」としています。


弊社掃除機のカタログ表示等に関する措置命令についてのお詫びとお知らせ | ニュースリリース:シャープ
 今般のご指摘は、弊社掃除機の性能についてのカタログ等での表示に関するものであり、プラズマクラスターの性能自体の問題ではありません。また、対象となる掃除機以外の弊社のプラズマクラスター搭載製品の性能について、問題とされているものではありません。
 プラズマクラスターの効果・効能は、これまで国内外の22の第三者機関で実証頂いております。
(一部抜粋)

 既に大ダメージを食らっている会社にトドメを刺すようで、かわいそうな気がしなくもないが……シャープは「第三者機関で実証」と言ってはいるが、科学論文で効果が実証されたという話では無いと聞いたこともあるし、本当に効果があるか疑問。「マイナスイオン」と同類じゃないかと私は思っている。ついでに、ナノイーとかもきっちり調べて欲しいな。

 さらに言えば。
 コラーゲン絡みの食品も際立った効果があるわけではないし(消化すりゃけっきょくアミノ酸だ)、ダイエットサプリはインチキ商品だらけ(飲むだけで痩せられるんだったら金持ちはみんなスリムだ)。さらには「聞き流すだけ」と謳うインチキ教材まである。こういった詐欺商品、ことごとく駆逐されて欲しいんだが。



電気料金の値上げ (2012 11/27 24:00)

関電社長が電気料金値上げ申請で陳謝、今期赤字は過去最大(11/27ロイター)
 [東京/大阪 26日 ロイター] 関西電力(9503.T: 株価, ニュース, レポート)の八木誠社長は26日、大阪市内の本店で開いた定例会見で、電気料金値上げを政府に申請したことについて、顧客の「生活や産業活動に多大なる負担をかけることを、誠に申し訳なく深くお詫びを申し上げる」と陳謝した。
また、値上げ申請に向けた原価算定において、高浜原発(福井県高浜町)3、4号機の2013年7月以降の再稼働を前提としたことについて、「独自の判断」で算定に織り込んだとした上で、同原発の再稼働が実現しなかった場合に再度値上げをする可能性については「その時の状況によって判断する」と述べるにとどめた。
 関電は同日、これまで未定としていた13年3月期業績予想を修正し、今期の連結最終損失が2650億円(前年同期は2422億円)になるとの見通しを発表した。赤字幅は同社にとって過去最大となる見通し。

<標準的世帯で月599円の値上げに>
 関電は、東日本大震災以降の定期点検中の原発が長期にわたり停止し、火力発電用の燃料コストが増加。業績悪化により財務体質が大きくき損し、電力の安定供給体制に支障をきたす恐れが「現実味を帯びてきた」(八木社長)ため、値上げに踏み切る。本格的な電気料金の値上げが来年4月に実施されれば、第二次石油危機当時の1980年4月以来、33年ぶりとなる。
 値上げ幅は家庭向けで平均11.88%。認可不要の企業向けは19.23%。値上げの算定期間における原子力利用率は34.5%とした。同利用率は、高浜原発3、4号機が再稼働することを前提としており、大飯3、4号機と高浜3、4号機以外の原発稼動は織り込んでいない。標準的な世帯の場合、月599円の値上げとなる見通しという。
 値上げ幅を最小限にとどめるため、関電は来年度からの3年間、平均で年1553億円のコスト削減を実施する計画。うち人件費は給料手当の削減や採用の抑制、厚生費の削減などで平均で年345億円、燃料費は、姫路第2発電所(兵庫県姫路市)のコンバインドサイクル化などを進め同486億円、諸経費で同370億円、修繕費で同287億円、それぞれ今年度の当初計画に比べ削減する考え。人件費においては790万円(昨年度実績)に上る社員平均年収を16%削減し、664万円の水準に抑える方針。
 今期の売上高は2兆8400億円(前期は2兆8114億円)、営業損失は3500億円(同2293億円)、経常損失は3900億円(同2655億円)の見通し。従来、未定としていた期末配当予想も無配(前期末は30円)とした。同社が年間配当が無配となるのは初めて。
 関電の杉本康執行役員は同日、大阪市内での会見で、通期業績予想は大飯3、4号機以外の原発が再稼働しない前提で算定したとした上で、現時点で繰延税資産を取り崩す考えはないとした。値上げを機に来期、黒字化を達成できるかどうかについて、八木社長は、電力需要や経営効率化の動向などで状況は変わるとし、「一概には申し上げられない」と明言を避けた。
(ロイターニュース 浜田健太郎 長田善行;編集 山川薫)


 企業向け2割アップは、自家発電設備を持っていないところは痛いよなぁ……。民間の電力会社も、高まる需要に応えきれるのかどうか。安定供給できなければ、「関電の代替」にならないわけで。

 原発を止めて電力会社の経営を圧迫すれば電気代が上がるのは当然で、さんざん指摘されていた話なのに、その自明の理に対してまともに対応せず、いたずらに原発を停止させた菅政権の責任は重い。
 原発を今後どうするのか見通しを政府がきっちり示さないのであれば、対応策も限定的な物となり、経営努力では到底追いつかない。東電であれば「原発事故を起こした会社」という責めを負って「原発事故が遠因となる電力不足」を批判されることも理解できなくはないが、関西電力は何ら瑕疵がないのに政府(と関西広域連合の首長たち)の無策のために苦しんでいる。

 もっと人件費を減らせ?仮に人件費をゼロにしても補えないほどの赤字額なんだが。しかも、インフラを担う企業が平均664万円は決して高くない数字だろう。

 原発停止で電力不足・燃料費高騰、そして経済にダメージ……という、これまで言われていた不安が、改めて現実として立ち現れたということ。先のことを考えずに反原発を喚いている人たちには、そろそろ目を覚まして欲しいところ。



インフレ、国防軍 (2012 11/26 24:00)

野田総理VS安倍総裁 金融政策や「国防軍」で応酬(11/25テレ朝)
 野田総理大臣と自民党の安倍総裁は、テレビ朝日の番組に出演し、金融対策や自衛隊の国防軍化などについて議論を戦わせました。
 野田総理大臣:「安倍さんのおっしゃっていることは極めて危険です。なぜなら、インフレで喜ぶのは誰かです。株を持っている人、土地を持っている人は良いですよ。一般の庶民には関係ありません。それは国民にとって大変、迷惑な話だと私は思います」
 自民党・安倍総裁:「びっくりしましたね。税収も名目経済が上がらなければ、税収は上がらない。そのことが総理には基本的に分かっていなかったということが驚きですね」
 野田総理はまた、自民党が自衛隊を「国防軍」と名称変更することを公約に盛り込んでいることを取り上げ、批判しました。
 (民主党代表)野田総理大臣:「あえて国防軍と名前を変えて、憲法を改正して位置づける意義というものがよく分かりません。中身が変わるんでしょうか。大陸間弾道弾を飛ばすような組織にするんでしょうか。そういう意味が分かりません」
 自民党・安倍総裁:「極端な例を出して不安をあおるということなんだろうと思います。いわば軍としてちゃんと認めますよ。そして、そのための主要組織もちゃんと作りますよ。ですから、海外と交戦する時には交戦規定にのっとって行動する。そして、シビリアンコントロールも明記します」
 安倍総裁は、選挙後の日本維新の会との連携について「個性の強い人たちだから、うまくいくのかなというのはある」と述べ、慎重に見極めながら対応していく考えを示しました。


 私は庶民だが、インフレになったらローンが事実上目減りして喜ばしいんだけどな。持ち家がある人間は庶民じゃないと?国民は家も株も土地も持つなと?

 過度なインフレは経済を破壊し得るけれども、現状のデフレは所得を減らし税収を減らし、日本から経済的にも精神的にも「余裕」を失わせている。そんな厳然たる事実があるというのに財務相も経験した現職総理が「デフレ主義者」だったというのは、驚愕である。

 「国防軍」の件に関しても、軍としてきちんと規定していないことで、海外派兵のたびに武器使用基準などが問題視されてきた。イラク派兵では「他国軍は自衛隊を守るのに、他国軍が攻撃を受けた場合は援護できるのかどうか」という議論もあった。国際法上は軍隊であるのに、国内法的には軍隊ではない。この齟齬を改善し体制を整えようとするのは当然の話だ。

 自民党の憲法改正草案(日本国憲法改正草案(pdf注意))に問題がないわけではない。「家族は助け合え」とか余計なお世話だという文言があるし、「憲法は国家権力を規定する物」という基本を忘れ、国民の権利を規定しているように見られる部分もある。
 しかしながら、「国防軍」に関しては自民党はごく当たり前の主張をしているに過ぎない。

 最後に。国防軍の件について、石破さんの話を引用しておく。

「自衛隊、れっきとした軍隊」 石破・自民幹事長(11/26朝日)
 ■石破茂・自民党幹事長
 (民主党は)国防軍が実にけしからんという話を始めたが、だけど、よく考えてみてください。自衛隊は国際法的には間違いなく、れっきとした軍隊だ。軍隊と警察は何が違うか。国の独立を守るのが軍隊。国民の生命・財産、公の秩序を守るのが警察。明らかに違う組織だ。
 日本国憲法のもとに、あらゆる法秩序は形成されている。どこを読んでも「自衛隊」というものは出てこない。憲法のどこにも、国の独立を守る組織が書いていない国が、本当の独立国家なのかというのが、この問題の本質だ。
 なぜ書いていないか。当たり前だ。憲法ができた時、日本は独立していなかった。
 名称のいかんを問わず、国の独立を守る組織が憲法に書かれるのは当たり前だ。国家として当然のことだ。そのことを、国防軍という名前がけしからんなぞという、言いがかりに近いことを言って、これを争点にしようというのは、健全な考え方では断じてない。(札幌市内の党会合での講演で)




癌リスク (2012 11/25 24:00)

福島のがんリスク、明らかな増加見えず WHO予測報告(11/25朝日)
 【大岩ゆり】東京電力福島第一原発事故の被曝(ひばく)による住民の健康影響について、世界保健機関(WHO)が報告書をまとめた。がんなどの発生について、全体的には「(統計学的に)有意に増える可能性は低いとみられる」と結論づけた。ただし、福島県の一部地域の乳児では、事故後15年間で甲状腺がんや白血病が増える可能性があると予測した。報告書は近く公表される。
 福島第一原発事故による健康影響評価は初めて。100ミリシーベルト以下の低線量被曝の影響には不確かな要素があるため、原爆やチェルノブイリ原発事故などの知見を参考に、大まかな傾向を分析、予測した。
 WHOはまず、福島県内外の住民の事故による被曝線量を、事故当時1歳と10歳、20歳の男女で甲状腺と乳腺、大腸、骨髄について、生涯分と事故後15年間分を推計した。その線量から甲状腺がんと乳がん、大腸がんなどの固形がん、白血病になるリスクを生涯と事故後15年間で予測した。
 成人で生涯リスクが最も高かったのは福島県浪江町の20歳男女。甲状腺がんの発生率は被曝がない場合、女性が0.76%、男性は0.21%だが、被曝の影響により、それぞれ0.85%、0.23%へ1割程度増えると予測された。他のがんは1〜3%の増加率だった。


 記事の続きは有料部分になってしまうが、その記事の末尾に「今回の健康影響の予測では、過小評価になって健康被害が見逃されることを防ぐため、予測結果が過大になっている可能性もあるという。5月に公表された被曝線量推計を基に予測されたが、この推計は、原発近くの住民は事故後4ヶ月、現地に住み続けたほか、福島県民は地元産の食品ばかり食べていたなどの想定になっている」とある。

 悪影響を過大に見積もっても、癌リスクはさほど高くないということで、ほっと安堵できる報告内容。一部の反原発は「でっち上げの数字だ」と喚くかも知れないが、そういう人間の言説は放置して、ひとまず安心するのが賢明に思う。



加速度的に劣化 (2012 11/24 23:00)

維新、「野合」批判にナーバス 火消しに走る橋下氏(11/24ZAKZAK)
 太陽の党と合併した日本維新の会が「野合」批判にさらされ、神経をとがらせている。両党の政策合意には、太陽側への配慮から、橋下徹代表代行が強くこだわってきた「脱原発」が明記されず、企業・団体献金の禁止にも経過措置が盛り込まれた。橋下氏は「国民の関心がある事項については完全に合意した」と強調して火消しに走り、衆院選の実動部隊となる地方議員の間では批判への理論武装が進むが、次々とトップダウンで決まる方向転換に、不満もくすぶっている。(以下略)

 「野合」と批判されることを気にしているくせに、まだ「みんなの党」には秋波を送ってるようで。

維新・橋下氏が合流呼びかけ みんな・渡辺代表「合流は難しい」(11/24FNN)
 23日午後9時ごろ、みんなの党の渡辺代表は「『合流すれば、じゃんけんでも決める』っていうのは、ちょっといかにも乱暴なものの言い方ではないでしょうか」と述べた。
 23日、橋下氏は、みんなの党の渡辺代表らに電話し、「国のことを思うなら一緒になりましょう」と、あらためて総選挙前の合流を呼びかけた。
 しかし、福岡・北九州市で23日午後7時前、みんなの党の渡辺代表は「わたしたちは、なんといってもアジェンダの党ですから、アジェンダが一致するのかしないのかと、もうすべてはそこにかかっています。旧たちあがれ系の方々とご一緒だと、合流は難しいですね。それと別れてというんだったら、また話は別ですけどもね」と述べた。
 渡辺代表は、石原氏以外の旧たちあがれ日本のメンバーを排除し、反増税、脱原発などの政策で一致しないかぎり、合流は難しいとしている。


 「太陽の党」と合流するために強気で主張してきた「反原発」「企業献金禁止」をコロッと撤回し、さらに政策の違いを無視して合流を呼びかけるようでは、「野合」と言われてもしかたあるまい(でもなぜか河村たかしはダメなんだよね、かわいそうにw……要するに、絶対に譲れない政策は「消費税増税・地方税化」だけと言うことですな)。
 あまつさえ、グラドルだのお笑い芸人だのを候補者に立てるようなことをしていれば、「無節操」という評価以外にどう考えればよいのか。

 民主党も「選挙互助会」以上の物ではなかったが、維新の会はその民主党以上に酷い集団になろうとしている。党首の主張は(是非はさておき)はっきりしているが、駒が駒として通用する実力を持っているのか甚だ疑問である。



新嘗祭 (2012 11/23 24:00)

 「勤労感謝の日」の由来って知らない人がけっこう多いようで。
 元々は陛下のおこなう新嘗祭の日。「にいなめさい」「しんじょうさい」と読む人が多いようですが、私は全て訓読みで「にいなめのまつり」と読んでおります。所謂「収穫祭」で、その年に収穫された物を陛下が初めて口になさるので「新嘗」なわけです。ちなみに、即位後初めの新嘗祭を大嘗祭と呼びます。

 「建国記念の日」が神武天皇の即位日だとか、「文化の日」が日本国憲法公布の日であると同時に明治天皇の誕生日だとか、祝日の由来は調べると面白いですよ。



欠席理由 (2012 11/22 24:00)

ノーベル授賞式に出席せず=「風邪引きそう」−田中文科相(11/22時事)
 田中真紀子文部科学相は22日の閣議後記者会見で、山中伸弥京都大教授に医学・生理学賞が授与されるノーベル賞の授賞式(12月10日、スウェーデン・ストックホルム)に出席しない意向を明らかにした。
 ノーベル賞で日本人受賞者が出た場合には、文科相が授賞式に出席するのが通例。田中文科相は「(山中教授夫妻からは)自宅に電話もよくいただいている。(授賞式出席は)光栄なことだが、風邪も引きそうだし、個人的に親しく話ができればそれをもって最大の光栄だと思っているので参りません」と述べた。


 「風邪なので」ではなく「風邪ひきそう」。なかなか斬新な欠席理由だ。


朝日社説の自民批判 (2012 11/22 24:00)

 長いので一部を抜粋。それでも長いけど。

自民党の公約―3年間、何をしていた(11/22朝日社説)
 この間、自民党は何を学び、野党としてみずからをどう鍛えてきたのか。政権に復帰したら、日本の経済や外交、社会をどう立て直すつもりなのか。
 この政権公約は、その出発点になるはずのものだった。
 だが残念ながら、失望した、と言わざるをえない。
 まず、年金や医療、介護、雇用といった国民のくらしにかかわる公約の多くが、省庁や支持団体の要望を並べたような内容になったことだ。
 少子高齢化のなかで、社会保障にかかる国の支出は毎年1兆円規模で膨らむ。どの政党が政権を担っても、国民に負担の分かち合いを求めざるを得ない。
 ところが、公約にはそうした痛みを伴う政策はほとんど見あたらない。目に付くのは「生活保護の給付水準の10%引き下げ」ぐらいだ。
 「自助・自立を第一に」というのが自民党の社会保障政策の基本だ。ただ、削りやすい生活保護をやり玉にあげるだけでは社会の分断を広げ、かえって活力をそぐことにならないか。


 安倍氏は「建設国債をできれば日銀に全部買ってもらう」と主張する。それを元手に、10年間で大規模な「国土強靱(きょうじん)化」を進めるのだという。
 しかし、そのために国債発行を膨らませれば、財政悪化のみならず、金利の急騰を招く危険がある。世界経済にも、無用の混乱を広げかねない。
 経済のグローバル化が進むなか、一国の視野で解決できるほど問題は単純ではない。日銀の白川総裁が「現実的ではない」と反論するのも当然だろう。
 憲法改正、集団的自衛権の行使容認など、5年前までの安倍政権で手をつけられなかったテーマでも主張は鮮明だ。
 教科書検定基準の抜本改革をうたい、とりわけ歴史教科書の検定をめぐって近隣国に配慮するとした「近隣諸国条項」の見直しを盛り込んだ。
 さらに「戦後補償裁判や慰安婦問題の言説に的確な反論・反証を行う」ことも掲げた。

■目立つ右派的主張
 慰安婦問題で安倍氏は、当局が人さらいのように慰安婦を連行する「狭義の強制性はなかった」と主張してきた。旧日本軍の関与を認め、日本政府としての「おわびと反省」を述べた、93年の河野官房長官談話の見直しもかねての持論だ。
 だが、近隣諸国条項も、河野談話も、近隣国との信頼を築くうえで重要な役割を果たしてきた。次の政権がこれらを引き継がないとなれば、近隣国との関係がいっそう悪化しかねない。慰安婦問題には米国や欧州も厳しい目を注いでいることも忘れてはなるまい。
 公約はさらに、尖閣諸島への「公務員の常駐や周辺漁業環境の整備」も盛り込んだ。問題をいっそうこじらせかねない主張である。
 そうした強腰の外交で、どのように近隣国との関係を立て直すつもりなのか、きちんと説明してもらいたい。
 複雑な問題を直視せず、勇ましい言葉で国民受けを狙う。金融緩和論にしても、右派的な主張にしても、自民党の公約には、そんな危うさを感じざるをえない。

(一部抜粋)

 朝日は本当に自民党が嫌いだねぇ……

 「消費税増税」を訴えて前の参院選で勝ってるし、今回も消費増税について取り下げることはしていないのだから、「痛みを伴う政策はほとんど見あたらない」って批判は当たらないと思うんだが。「痛みを伴わないマニフェスト」の極致は09年の民主党の物だと思うが、朝日は批判をしてなかったよね?

 「国土強靱化」に対しては、「公共事業は無駄だ」という印象論に終始している。
 民主党は公共事業に対する予算を減らしバラマキをおこなったが、景気回復に資する政策は何もやっていなかったため、「景気は減速、予算は膨張」という最低の状況を招いた。自民党の公共事業は、経済対策としても雇用対策としても、非常に有効な手段ではないかと、改めて思う。もちろん、もっと乗数効果の高い政策があればそうすべきだろうが。

 対外政策も、中韓の難癖に対して「黙っていろ」というばかりで、朝日に何ら建設的な提言はない。だいたい、中韓に宥和的態度をとっていた民主党政権こそ、中韓との問題をこじれさせているわけで、「宥和しても向こうは配慮しない」ことはきっちり証明されている。朝日の論は現実を見ていないと言わざるを得ない。

 2009年の選挙の時に、民主党のマニフェストに対しても同様の厳しい視点で批判をおこなっていたかね、朝日は。実現可能性のマニフェストを歓迎して無責任政権を作りだしたことの総括を早くして欲しいね。



闇鍋党 (2012 11/21 22:00)

 維新の会から、元キャンギャルとかグラドルとかが立候補するんだと。
 原発推進の太陽の党と合流した辺りから「政策度外視」の姿勢は理解できたが、政策実現能力すら度外視することがよく明らかになったわけだ。
 橋下の訴える政策の是非がどうこう以前に、党としての体を為していない。こんな集団が多数の議席を占めるようになったら、民主党以上に国益を損ねることになるんじゃないかね。橋下の主張もむちゃくちゃになってきてるし。


海の酸性化 (2012 11/21 22:00)

海洋酸性化:日本近海、急速に 大気中のCO2溶け 温暖化に拍車の恐れ(11/21毎日)
 気象庁は20日、日本近海を含む北西太平洋で海洋が急速に酸性化し、84年以降は過去250年間と比べて約5倍のペースで進行していると発表した。大気中の二酸化炭素(CO2)が増加して海に溶け込んでいる影響とみられ、このまま酸性化が進むと海がCO2を吸収しにくくなり、地球温暖化に拍車がかかる恐れがあるとしている。
 気象庁は紀伊半島南方の海域で、水素イオン濃度指数(pH)を定期的に観測。今年は北緯10〜30度でpH8・07〜8・12の弱アルカリ性だった。10年当たり約0・02の割合で低下し、産業革命以前から20世紀末の全海洋の酸性化のペースより大幅に早くなっていた。
 酸性化が進むと貝類や甲殻類の小型化、サンゴ礁の発達阻害などの影響が出るとみられている。
 また、気象庁は同日、昨年の世界の大気中CO2濃度が平均390・9ppm(1ppmは100万分の1)で過去最高を記録したと明らかにした。82年の統計開始以来、30年連続の記録更新となる。【池田知広】


 二酸化炭素が温暖化の原因かどうかは措くとして、また大気中の二酸化炭素が増加したことが海水の酸性化に繋がっているのかどうかは措くとしても、海洋の酸性化は好ましくないというのは確か。そして仮に「CO2=温暖化の原因」が事実であったら、影響はさらに悪い意味で大きくなる。

 経済を犠牲にしてまで二酸化炭素の排出量を下げねばならない、という考えに私は反対だが、可能である範囲の排出削減はおこなった方がいいとも思う。はっきりしていない部分があるのは確かだが、無理のない範囲で予防原則を適用するのは合理的だろう。
 ただ、原発の再稼働をせず、火力発電の割合を高めている現状では、排出量の削減など不可能。電力不足も懸念されているのだから、二酸化炭素排出量削減のためにも、当面は原発を稼働して「時間稼ぎ」をするべきだと思うんだが。

 反原発の人はどういう反応をしているのかな…と検索してみたら、「酸性化は原発のせいだ」と言ってるアホがいた。原発でなんで海が酸性化するのよ?



炭水化物の共演 (2012 11/20 24:00)

 ご飯無しにお好み焼きを食べるなど考えられない。
 うどん食べるときには、かしわご飯を共に食すのが最強(「牧のうどん」方式)。
 デブだった頃は、お好み焼き+フライドポテト+ご飯という剛気なこともやっていた。


慢心 (2012 11/20 24:00)

「慢心すれば選挙は負ける」 石破幹事長、党内引き締め(11/20朝日)
 【石井潤一郎】敵は身中にあり――。自民党で総選挙の責任者を務める石破茂幹事長が、党内の引き締めに苦心している。民主党に対する逆風に加え、年内解散の実現で自民党内に選挙前から「与党ムード」が漂うからだ。
 「3年3カ月前に国民から否定された自民党をどう乗り越えたかということが問われている」
 石破氏は19日、都内で記者団にこう語った。報道各社の世論調査では、比例区の投票先で自民党が民主党に水をあけてトップを走る。党内からは「自民で単独過半数だ」と気の早い声も出る。
 石破氏は記者団に「慢心が片鱗(へんりん)でもうかがわれることがあれば、この選挙は負ける」と懸念を表明。今後は各候補者の演説や発言について直接指導していく方針だ。


 この石破さんの危機感を自民党議員は共有できているのだろうか。総裁たる安倍さんすら、ちょっと言葉が浮ついているように感じられる。浮かれた雰囲気は反感を買いやすい。意外と自民党は大勝ちできないのではないか。



亀井新党の酷い党名 (2012 11/19 24:00)

亀井氏が「反TPP」新党結成 山田元農相も参加(11/19共同)
 亀井静香前衆院議員と民主党に離党届を提出した山田正彦元農相が19日夜、国会内で記者会見し、新党結成すると表明した。党名は「反TPP・脱原発・消費増税凍結を実現する党」とした
 政党要件を満たす5人の国会議員(衆院解散後は前議員も可)が集まったかどうかについて明言を避けた。
 亀井氏は「政策はどうでもいいという勢力のアンチテーゼになりたい」と強調した。山田氏は「国民の危機感と同じ目線に立って、国民政党として戦いたい」と述べた。
 設立趣意書は緊急課題として環太平洋連携協定(TPP)反対などを掲げ「決起する」と強調した。


 「反TPP・脱原発・消費増税凍結を実現する党(仮)」だったら分かるのだが……略称はどうなるのよ?「反脱消党」?漢方薬みたいだな。
 「亀党」じゃいかんの?「きとう」って読まれちゃかなわんですか?


相変わらず無責任 (2012 11/19 24:00)

 民主党の面々。さすがに誇るべき功績など殆ど無かろうに……と思いきや、「政権交代直前からは失業率は改善した、有効求人倍率は上がった」と細野がテレビで言っておった。それは麻生政権での経済対策が効果を現しただけで、民主党政権が何か有効な経済対策をおこなった事実はなかろうに。
 あるいは、「自民党の負の遺産があまりにも大きすぎた」と言ってる者もいるが、それを全て引き受けてバラ色の世界に変えると豪語していたのが09年のマニフェスト。そもそも「負の遺産」とは何か。リーマンショック対策の緊急出動的な赤字国債発行額を、本予算のデフォルトにしてしまって凄まじい勢いで借金を積み増したのは、民主党政権なんだが。



世襲批判 (2012 11/18 24:00)

自民は「世襲ばかり」=民主・細野氏(11/17WSJ)
 民主党の細野豪志政調会長は17日午後、岐阜県各務原市内で街頭演説し、自民党の安倍晋三総裁、石破茂幹事長、甘利明政調会長らの名を挙げ「共通しているのは皆さん世襲の政治家ということだ。世界を見渡して、共産主義の国々ですら、こんなに世襲の人ばかりがトップをやっている政党はない」と批判した。 
[時事通信社]


羽田国交相、公認せず=野田首相−「脱世襲」自民と差【12衆院選】(11/17時事)
 野田佳彦首相(民主党代表)は、羽田孜元首相の引退で空白となる衆院長野3区について、長男で参院議員の羽田雄一郎国土交通相のくら替え出馬を認めない意向を固めた。党幹部が17日明らかにした。世襲を禁じる党の内規に抵触するためで、自民党との違いをアピールする狙いもある。
 民主党の内規は、国会議員が引退したり他の選挙にくら替えしたりした場合、その直後の選挙は世襲を禁じ、同じ選挙区で配偶者や3親等以内の親族が立候補すれば公認しないと定めている。
 雄一郎氏は参院長野選挙区の選出で当選3回。地元で元首相の後継に推す声があり、雄一郎氏自身もくら替え出馬に前向きとされてきた。党が公認を見送ることで、雄一郎氏が無所属でも出馬するかが焦点となる。
 首相は16日の記者会見で「世襲政治家が跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)する古い政治に戻ることがあってはならない」と脱世襲を強調した。
 自民党は、引退する福田康夫元首相や武部勤元幹事長、中川秀直元幹事長らの後継に息子の擁立を内定しており、民主党幹部は「世襲の是非は明確な対立軸になる」としている。 
 一方、民主党長野県連の北沢俊美代表は17日、長野市内で記者会見し、雄一郎氏のくら替え出馬について「参院で3期当選し、現職大臣である確立した政治家だ」と述べ、世襲に当たらないとの認識を示した。羽田元首相の後援会は19日の後継者検討委員会で雄一郎氏の擁立を正式決定する見通し。北沢氏は「いきなり公認申請するのではなく、党側といろいろ協議したい」と述べた。


 「世襲」でしか自民批判をできなくなってるのかね。

 「世襲」自体は何も問題ではない。問題なのは、「無能なくせに世襲で議員になる輩」であり、その代表は民主党の鳩山由紀夫ではないのか。仮に世襲で議員になろうとする候補者に気にくわない者がいれば、選挙で落とせばよい。「世襲」自体は議員としての適性に何ら関係がない。

 むしろ、橋下のやっている「立候補したければ金を出せ」というやり方の方が、「経済力がない場合は政治家になれない」という状況を生み出してしまう。自民は公募もしており、なおかつ資金援助もおこなっている。よっぽど間口が開かれていると考えるべきではなかろうか。




無能を国会に送らないために (2012 11/17 23:00)

 党の主張の是非以前に、議員一人一人が無能だったり勘違い野郎だったりするとどうなるか。この3年間でいやという程味わったはずです(私の頭に真っ先に浮かんだのは松ジャギこと松崎でござる)。維新の会に投票しようかなと考えている方には、候補者がきちんと政治家としての素養を持っているか、冷静に見ていただきたいところです。


あわれ河村 (2012 11/17 23:00)

「減税外し」に河村市長…そんなことないと思う(11/17読売)
 「減税日本が合流しない状態の中で話をした」。
 日本維新の会代表の橋下徹大阪市長が16日、太陽の党との合併協議を進める際に減税日本は含めないとの考えを示したことに対し、減税日本の河村たかし名古屋市長は「そんなことないと思う。一度大阪と話し合ってみる」と動揺を隠さなかった。河村市長は「第3極」勢力の結集を前提に選挙準備を進めてきただけに、戦略の練り直しを迫られそうだ。
 河村市長は前日、太陽の党共同代表の石原慎太郎前東京都知事とともに都内で記者会見し、減税日本と太陽の党の合流方針を発表したばかり。会見では終始笑顔で「既存の政治を打ち壊していきたい」と決意を語り、石原氏を「大先輩」と持ち上げていた。


 原発やTPPに対する意見が全く違う「維新」と「太陽」が合流するんだから、そこに「減税だぎゃぁ」が入ったって、「烏合の衆」っぷりには変わりないのにね。いったんは「合流」となっていたのに、1日明けてそれを反故にされる河村さんが、ちょっとかわいそうな気もする。ま、あくまで「ちょっと」だけで、感情の大半は「面白いなぁ」であるが。



維新の会 (2012 11/16 24:00)

維新の会:候補者から100万円 「広報費」として徴収(11/16毎日)
 日本維新の会が、次期衆院選の公募候補の内定者に対し、公認発表までに「広報費」として100万円を党本部に振り込むよう指示していることが分かった。既成政党は党が公認料を候補者に支払うのが一般的で、公認時に逆に徴収するのは異例という。
 維新関係者によると、1次公募での内定者に対し、正式発表する17日までに100万円を振り込むよう文書で通知した。さらに、小選挙区の候補者が比例代表に重複立候補する場合の供託金300万円も、併せて振り込むように指示した。候補者の一人は「時間もなく、本部で(選挙準備を)仕切ることが多くなるからではないか」と解釈するが、明確な説明はなかったという。
 維新は、企業・団体献金を禁じているうえ、政党交付金もまだ受け取っていないため、資金の確保に苦心している。候補者を発掘する維新政治塾の塾生に対しても、立候補する際の経済的な負担を求めてきた。
 民主、自民両党では、党の公認候補者には500万?1000万円程度の公認料を支払うほか、少なくとも比例代表の供託金は全て党が負担するといい、自民党大阪府連は「逆に上納させる例は聞いたことがない」と話す。【杉本修作】


 資金繰りに困ってるんだなというのは分かるが、「客から取れなきゃ、契約店から集金するぜ」というロイヤリティ商法を想起したり。

 で、太陽の党は、維新の会に合流(減税日本との合流は白紙)だそうな。民主党以上に「選挙互助会」っぷりが加速しているような……ただ、「第3極」の中心になるのは確かだろうね。小沢?息してるの?


メディアの責任 (2012 11/16 24:00)

 民主党の3年間の政治に対し、「実現可能性の低いマニフェストを掲げ、期待を煽ったのにその期待に全く応えられずに、政治不信を招いた」とする意見。たしかにその通りではあるが、そんなマニフェストの実現可能性についてまともに検証することなく、ひたすら政権交代を煽っていたマスコミどもがこの意見を述べているのを見ると、「民主党批判もいいが、まず自己批判しろや」と言わずにはいられない。

 たとえばこれ。

マニフェスト―バラ色に染めるな(11/14朝日社説)
 もっとも、昨今、マニフェストの評判は芳しくない。その責任の多くは民主党にある。
 09年総選挙で、民主党は予算の見直しなどで16.8兆円の財源を確保するバラ色の公約を掲げ、破綻(はたん)した。
 消費増税法を成立させたことは野田政権の功績だが、公約にはなく、結果的に有権者を裏切ることになったことも事実だ。
 守れない約束をし、痛みを分かち合う必要性には目をつぶる。そのことが、深刻な政治不信を招いた。首相が「過ちは心から率直におわびする」と国会で陳謝したのは当然である。
 それでも、マニフェストの意義は損なわれていない。
 政策を裏づける財源や達成時期をマニフェストに明記し、実行し、検証して改善する。それを有権者が政治を評価する際のモノサシとして使う。
 もちろん、限界はある。
 国の財政に限りがあり、経済のグローバル化が進むなか、政治のとりうる選択肢は、じつは多くない。政党がマニフェストで国民受けを狙ったり、無理に対立軸をつくったりすると、逆に政治に混乱をもたらす。
 民主党の「甘い公約」に懲りた有権者は、その点にも厳しい目を向けている。各党ともそのことを忘れてはなるまい。
(一部抜粋)

 何を偉そうに言うとるんじゃ。まずは3年前の報道姿勢を総括しろ。

 で、我々国民は、メディアの煽りに乗らない賢さを身につけたいところ。



選挙互助会 (2012 11/15 24:00)

 河村たかしの減税日本と石原の太陽の党が合流するんだと。で、維新の会も一緒になれよ〜と秋波だそうな。理念も政策もバラバラの奴らが寄り集まった「選挙互助会」が民主党だったわけだが、今回も新しい選挙互助会ができあがるようで。
 選挙互助会が力を持ったらどうなるかは、この3年間の民主党を見ていればよく分かる。何もできず立ちすくみ、何かやろうとしたらバラバラになる。我々国民も、同じ失敗は繰り返したらいかんですよ。


16日解散しかなかった? (2012 11/15 24:00)

 1日考え、いろんな意見を読んだら……昨日の解散は「最もマシな負け方のできるタイミング」だったのか、と思えてきました。というか、「遅らせて良いことは何もない」ということですな。

 半年あれば自民批判の世論を期待でき、参院選の勝利もあり得る……というのは昨日も書きました。他にも、「第3極に時間的余裕を与えない」「むしろ動揺する邪魔者には出て行ってもらい、似たような政治信条の者たちで党を固める」という利点が考えられます。解散が早まろうが遅れようが、今回の衆院選で負けるのは必定で、しかも遅れれば遅れるほど「先送り派」が勢力を持ち(TPPなど)掲げる政策をまとめることもできません。いかに「最小限の被害」に食い止めるかを考えれば、できる限り早く解散するしかなかったということです。「追い込まれて解散」と言われれば確かにそうかも知れませんが、ズルズル迷うよりは遥かにマシな決断だったと思います。

 自民党としては、衆院選でいかに勝つかも重要ですが、その後の半年をどう処理するかの方が重要です。参院選で勝利できず「ねじれ」になれば、また民主が好き勝手に暴れることになります。

 今回の解散を決断したのが鳩山だったら「ご乱心」の一言で理解できるんですけどね。野田の場合、「何か計算がある」と考えなきゃいけないくらいには、彼は頭が回ります。



いよいよ解散 (2012 11/14 20:00)

 野田が党首討論で今週16日の解散に言及した。
 0増5減はともかく、比例での議員定数削減や連用制に関して、たった2日で合意ができるのかどうか。実際には解散せず、「自民党が定数削減に応じなかったから」という形で逃げるだけ、「どうせ2日でまとまるはずがない」という計算の上での発言……と思っていたが、衆院選は来月16日と決まったようで。
 ただ、現状で民主党が解散に対応できるように思えないんだよなぁ……もう民主党自体、四分五裂で選挙どころではなくなるように思うのだが。野田さんは、本気で「消費税増税」「定数是正」に取り組んでいたと見るべきなのか、何か他の計算があったというのか。たしかに、いま選挙で負けても、半年あれば、来年の参院選では逆転し「ねじれ」で与党を追い込むことを期待できないわけではない。

 しかし昨日も書いたが、このまま選挙して最高裁が「選挙無効」とか言ったらどうなるのよ、という疑問も。


関ヶ原? (2012 11/14 20:00)

太陽の党結成 石原氏、「既存政党との『関ヶ原』に挑む」(11/13産経)
 石原慎太郎前東京都知事とたちあがれ日本は13日、石原氏とたちあがれの平沼赳夫代表を「共同代表」とする新党「太陽の党」を結成した。石原氏は同日夕、都内のホテルで記者会見を開き、次期衆院選前に日本維新の会やみんなの党と合併することを視野に入れた「大同団結」を急ぐ考えを改めて示し、「既存政党と新たな『関ケ原の戦い』に挑む」と表明した。(以下略)

 「関ヶ原」で「第3極」ってのがイメージ湧かん。
 日和見も結局はどちらかには付いているし、中立とは言っても後から徳川方から所領安堵受けている人ばかりだし。黒田官兵衛が適度に暴れ回って面白いけど、彼も西軍方を攻撃しているから東軍寄りだし。



そろそろ解散? (2012 11/13 24:00)

野田首相、年内解散の意向 党内情勢見極め判断(11/12朝日)
 野田佳彦首相は年内の衆院解散に踏み切る意向を固めた。民主党の輿石東幹事長と11日夜、首相公邸で会談して伝えた。特例公債法案や選挙制度改革法案、社会保障国民会議設置の三つの課題の進捗(しんちょく)状況を見極め、環太平洋経済連携協定(TPP)への交渉参加表明の時機を探ったうえで、最終判断する。課題の処理のため、年内に解散しても選挙は年明けになる可能性がある。
 野田首相は12日午前の衆院予算委員会で、「近いうち」とした衆院解散の時期について「自分の言葉は重たいとの自覚は持っている」と強調。一方で「特定の時期を明示するつもりはない」と述べた。
 11日夜の輿石幹事長との会談は約1時間にわたり、当面の国会対応や衆院解散について意見交換。首相は環境が整えば、年内に解散に踏み切りたいという考えを伝えた。ただ、党内では年内解散への反対が強いことから、輿石氏は慎重な姿勢を示したという。


 12月16日だとか12月24日とか、あるいは来年早々の選挙という噂が出てきていますな(12/24は月曜日だが、天皇誕生日の振り替え休日)。しかし、年の瀬の忙しい時期、しかも24日ならばクリスマスイヴに選挙ということになり、投票率が下がりそうな……投票率が下がり、逆風を切り抜けようという思惑があるのかも知れない。

 とりあえず1月1日の議員数を元に算定される政党交付金のために、解散は年明けかなと思っていたのだが……

 定数不均衡の問題はどうなるんだろうね。仮に0増5減が通っても、区割りは絶対に間に合わないから、下手したら無効にされる可能性もあると思うのだが。



太陽の党 (2012 11/12 24:00)

 石原新党が「太陽の党」という名前になるそうで(参照:石原前都知事、13日に新党結成会見 名称は「太陽の党」で最終調整(11/12FNN))。自分の小説『太陽の季節』からとったのだろうが、どうしても岡本太郎の「太陽の塔」を想起するし、さらには羽田孜が党首となった「太陽党」という最低なネーミングセンスの党も想起する。
 名前で政治をするわけじゃないんだが、激しくダメダメ感の漂う名前だ……


やっぱりダメだ (2012 11/12 24:00)

 昨日は細野擁護のような文章を書きましたが、彼の政治家としての能力を評価していると言うことではありませんので。今日の衆議院予算委員会でも、「ジミンガー」を連発して、能力の無さを余すことなく露呈していましたし。
 能力にも疑問有り、私生活もだらしない、と。原発対応に関しては、民主党議員としてはまともかなぁと思う部分もありましたが……



潔癖ばかり求めても…… (2012 11/11 24:00)

細野氏に「不倫は駄目」=民主報告会で厳しい指摘(11/10時事)
 「30代、40代の女性は、不倫をしたような人が表に出ることを良く思っていない」。民主党が福岡市で開いた10日の政策進捗(しんちょく)報告会で、2006年に女性キャスターとの親密交際を写真週刊誌で報じられた細野豪志氏が政調会長の要職を務めていることについて、出席者から厳しい意見が飛び出した。
 発言したのは福岡県久留米市の女性。報告会の冒頭、細野氏が民主党の主要政策について説明するビデオ映像が流され、参加者との対話に入ると、女性は「もうちょっと信頼感のある人に表に出てほしい」と強調。野田佳彦首相が細野氏を抜てきしたことに関しても「党内でどうであっても、一般の皆はそうは思っていない」と批判した。
 報告会に出席していた首相は、内政・外交に関する参加者からの質問に丁寧に答えていたが、細野氏の問題に触れることはなかった。


 細野氏の能力や不倫の是非以前に、2つ違和感を覚える点が。

 1つは、本当に「30代、40代の女性は、不倫をしたような人が表に出ることを良く思っていない」のか。アンケート結果に数字として表れているなら分かるが、そうでないなら「勝手に多数の意見を代弁して個人の思いを吐露した」にすぎない。気にする人がいないとは言わないが、果たして多数派と言えるのかどうか。

 もう1つは、不倫と政治家としての能力は関係ないだろう、ということ。女にだらしないことで政治家失格であれば、時代背景が違うとはいえ、伊藤博文も高橋是清も三木武吉も、政治家失格と言うことになってしまう。他者に私生活での清潔さを求めておいて自分は……というならまだしも。まぁこの辺は、個人的な感覚の違いもあるし、男女差もあるかも知れない。
 ただ、潔癖な人間を求めて、突出したところの無いつまらない政治家ばかりになっても、意味があるまい。「潔癖な無能」よりも、「好色で有能」な政治家の方が遥かに有用である。潔癖な人間を求めすぎて、小粒な人間ばかりになってしまったのも、政界の現況を招いたようにも思う。

 もちろん、政治家として有能でなおかつ私生活も清潔なのが最強だとは思うけど……



未熟 (2012 11/10 22:00)

鳩山元首相「党も私も未熟で迷惑かけた」と謝罪(11/10読売)
 民主党の鳩山由紀夫元首相は9日、北海道室蘭市で開かれた連合北海道室蘭地区連合会の定期総会に出席し、環太平洋経済連携協定(TPP)について「あらゆる私たちの暮らしに影響し、成り立たなくなる産業が出ることは十分に目に見えている」と、あらためて反対の立場を主張した。
 また、政権交代後の3年を振り返り、「党も私も未熟でご迷惑をかけた」と謝罪し、「(党と政治を)正しい方向に向けるために努力したい」と述べた。


 「未熟」というのは「未だ熟さず」であり、いずれ熟す可能性を持つ物に対して使う言葉。鳩山のような、更正可能性の感じられない物に対しては、不適当である。
 つか、65歳にもなって未熟って、バカか。


遺髪 (2012 11/10 22:00)

足利将軍の遺髪 保存か(11/10読売)
 ◇ゆかりの園城寺、X線調査で仏像頭部に「和紙」

 足利将軍の遺髪が頭部に納められている可能性が高まった地蔵菩薩像(大津市歴史博物館で) 室町幕府を開いた足利氏とゆかりの深い大津市の園城寺(三井寺)が所蔵する仏像頭部の中に、足利将軍の遺髪が包まれた可能性のある和紙が入っていることがエックス線撮影により確認された。市歴史博物館が9日、発表した。初代将軍の尊氏(たかうじ)(1305〜58)か2代、義詮(よしあきら)(1330〜67)の可能性が高いという。(田畑清二)
 園城寺は、尊氏が再興したとされる新羅善神堂(しんらぜんしんどう)(国宝)が残り、足利氏御用達と位置付けられた仏師集団「院派(いんぱ)」が作った3体の木造の地蔵菩薩(ぼさつ)像が伝わる。
 この時代の仏像は内部がくりぬかれた構造のものが多く、なかでも1350〜70年頃に作られたとみられる1体は内部の首の付け根部分に布が漆で貼り付けられており、専門家からは「頭部もくりぬかれていて中に何かが納められている可能性が高い」との声が出ていた。
 今回、東京文化財研究所の協力を得て、エックス線で頭の内部を撮影したところ、折りたたまれた包み紙(縦約7センチ、横幅は不明)の存在が確認できた。
 南北朝時代の資料「園城寺文書」では、3代、義満の後見役として知られる武将・細川頼之が1368年、同寺に送った書状があり、そこでは「源頼朝や足利尊氏の先例にならって、義詮の遺髪を納めた地蔵菩薩像を園城寺に奉納した」という趣旨の記述が出てくる。
 当時は弔いの儀式として亡くなった人の耳の近くの「鬢髪(びんぱつ)」を、仏像に納めて寺社に奉納する習わしがあったことなどを踏まえ、同博物館は「時代状況を考えると、菩薩像の中で確認できたのは、尊氏、義詮のいずれかの遺髪を包んだ紙だと思われる」と判断した。
 同博物館の寺島典人学芸員(43)は「伝承が裏付けられた格好で感動した。解体修理の時期が来れば中を視認することもできるが、それは何十年以上も先のことになる」と話す。
 地蔵菩薩像とエックス線写真のパネルは13〜25日、同博物館で一般公開される。問い合わせは、同館(077・521・2100)へ


 DNAを取り出し足利将軍のクローンを……

 戯れ言はさておき、非常に興味深い話ですな。同じように遺髪が残っている仏像って、見つかっていないだけで、他にもけっこうあるんですかねぇ。



朝日の戯れ言 (2012 11/9 24:00)

 長くて読むのが面倒という人は、太字だけ追ってくだされば。

オバマと日本―東アジアで共同作業を(11/9朝日社説)
 オバマ大統領の再選で、国際協調路線の米外交が、さらに4年続くことになった。
 アジア・太平洋重視を打ち出し、「核なき世界」を訴えるオバマ外交の継続は、日本にとっても歓迎すべきことである。
 中国の台頭や北朝鮮の核・ミサイル問題で、東アジアは混迷を深めている。この地域に安定的な秩序をどう築くのか。
 次の4年間、日本からも主体的に米国に働きかけ、共同作業で取り組まねばならない。
 「米国は核兵器を使ったことがある唯一の核保有国として、行動する道義的責任がある」
 3年半前、オバマ氏のプラハ演説は、被爆国日本の心を揺さぶった。大統領が広島訪問に強い関心を寄せていることも、共感を呼んだ。
 これを手がかりにして、新たな日米関係のあり方を考えてはどうか。
 残念ながら、大国間の力学に阻まれ、「核なき世界」への歩みはきわめて遅い。広島訪問も希望の域を出ていない。2期目はぜひ実現してほしい。
 大統領の広島訪問は、新しい安全保障環境づくりを進める力強いメッセージになる。朝鮮半島の非核化や、中国の核軍縮もにらんだ緊張緩和を進めるてこにもなるだろう。
 そのためには何が必要か。
 領土や歴史をめぐり、日本が中国などと対立する状況が続けば、大統領の広島訪問は逆に近隣国を刺激しかねない。また、日米関係がぎくしゃくしていても、米国の歴史の傷にさわる被爆地を訪れるのは難しい。
 となると、日本がなすべきことは明らかだ。
 ひとつは、中国や韓国との緊張関係をしずめ、改善の道筋をみつけることだ。
 国際社会に日本の主張を訴えることは大切だが、この種の問題はまずは二国間で取り組むのが筋だ。日米安保に頼れば解決するものでもない。いかに困難でも、中韓との直接対話をつないでいくほかはない。
 そして、日米関係の懸案である沖縄の基地問題について、首脳同士で仕切り直しをすることである。もはや不可能となった普天間基地の辺野古移設に固執することは、沖縄と本土との溝を深め、結局は日米間の信頼関係をも揺るがすだけだ。
 国内・国外をふくめ、新たな移転先を本腰を入れて探るときではないか。
 世界の現実も、東アジアの課題も厳しい。であればこそ、理想を掲げる大統領が米国を率いていることを、日本はチャンスとして生かすべきだ。


 「大統領の広島訪問の実現を希望→日中が対立していると広島訪問は中国に刺激を与える→中韓との緊張関係をしずめるべきだ」……何言ってるのかよく分からん(´・ω・`)

 米大統領の広島訪問でなぜ中国が刺激を受けるのかについて説明が為されていないし、文章に唐突に表れる「韓国」も意味不明。そもそも、米大統領が広島を訪れることに、象徴的な意味合い以上の物があるのだろうかという疑問もある。

 限られた文字数とは言え、論旨がむちゃくちゃすぎる。「受験に出る」を売りにしている朝日新聞だが、少なくともこの15年ほどは、天声人語含め文章のレベルはさほど高くない。受験に出るのは、大学教員に左巻きが多いのと、小論文の題材として使えるな、というだけのこと。「文章が巧いから」という理由では、決してない。



変わりない? (2012 11/8 24:00)

熱血!与良政談:「大同」と「小異」の大問題=与良正男(11/7毎日)
 私たちはこれまで何度も政策の一致なき数合わせを見てきた。古くは自民党と旧社会党との連立政権。あるいは今の民主党もそうかもしれない。「寄せ集め所帯」との批判からなお逃れられない。政党もそして政党同士の連携も、政策や理念が一致していた方がいいに決まっている。
 でも、こうも考えるのだ。では、今の政党の間にどれだけの違いがあるのか。つまり、本来の意味での「大同小異」ではないか、と。
 民主、自民、公明3党は消費増税と社会保障の一体改革で合意した。私はこの点は高く評価しているが、政権獲得後の民主党を振り返れば「民主党も自民党と結局、ほとんど変わらなかった」と失望している人も多かろう。
(一部抜粋)

 まともに政治に取り組めば、とりうる手段が限られるのは当然だろうに。政権をとるつもりが無いからこそ、自衛隊反対だの9条守れだの米軍出て行けだのの寝言が言えるわけだ。

 しかし、民主党を「自民党と変わらない」と評するのは、民主党を贔屓しすぎだろう。政策の実行能力も責任感も、雲泥の差ではないか。


民主党で孤軍奮闘 (2012 11/8 24:00)

 民主党議員にもまともな方はいる、と言うことで引用。長尾氏が仮に離党しても、他の「泥船から逃げ出したクズ」とは別に考えるべきでしょうな。

綱領に関する議論、人権委員会設置法案について - 長尾たかしの・・・未来へのメッセージ
以下、FBよりペースト。

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おはようございます。厚生労働部門会議、年金WT終了し、議員会館です。「心の熱」がまだ下がりません。

党綱領案には、「天皇制のもとで古今東西の文化を融合・発展させてきた我が国の特性に更に磨きをかけます」という文章があります。天皇制ではなく、「天皇」とすべき等、やっつけ仕事的なこの文章の修正点は他多々ありますが、昨日の綱領に関する全議員会議では、この文章を削除せよという意見が非常に多かったのです。削除すべきという意見があるだろうということは承知していました。そういう政党です。しかし、その理由を聞いて気絶寸前になりました。

「何故、天皇制が唐突に出てくるのか?」、「いつまで天皇制に引きずられるのか?!!」、「前文に新しい社会を創造すると書いてあるのに、古い制度(天皇制のこと)を書くのはおかしい!!!」等の意見。通常呼吸はおろか、全身の毛穴が塞がり、皮膚呼吸も出来なくなりそうでした。他にもひどい意見がありましたが、これ等を記すと指が腐るので割愛します。

党の憲法たる綱領には、何をも優先して国家像がイメージ出来なければなりません。我が国の国家像を語るには、天皇、皇室は大前提です。国のかたちそのものです。その点は、日本国憲法も不十分です。天皇のもと、国民・主権・領土という国家を構成する3要素を誰が守るのか、侵害された時どうするのかという概念が憲法においても欠如しています。よって、綱領には憲法改正を掲げるべきです。これらがなければ、無機質・無国籍なものになってしまいます。私はこれを会議で主張しましたが、後ろから嘲笑、小さな野次がしっかりと聞こえました。

因に、「民主中道」、「リベラル」という文言が入った場合、「個人的には次の選挙は戦えません」と発言してきました。

尚、今日の動き・・・人権委員会設置法案、ヤバいです、力が足りなく、本当に申し訳なく思っています。





撤回したけれども (2012 11/7 23:00)

3大学新設、「認可する」 田中文科相が表明(11/7朝日)
 来春の開学を予定していた3大学の新設認可をめぐり、田中真紀子文科相は7日、認可すると表明した。認可を正式決定する時期は明言しなかったが、文科省幹部は「一両日中」との見方を示した。3大学側は今週中の認可を求めている。
 田中文科相は、7日午後の衆院文部科学委員会で「現行の制度にのっとり、適切に対応する」と発言。審査基準などの見直し後に判断するとしていたが、世論や大学側の反発を受けて方針を転換した。委員会の終了後には、記者団に「(認可の仕組みの見直しは)鋭意、一番速くやっているが、この3校については認可する」と話した。
 3大学の認可をめぐっては、田中文科相が2日に不認可を表明したが、6日には「新基準で再審査」に転換。今回、さらに「現行制度で審査」に転じた。

 思ったより突っ張り続けなかったのは幸い。被害は最小限で済んだ。
 しかしながら……「大学の数や質、審議会のあり方について問題提起したのは良かった」という意見をちらほら目にするが、どんだけ贔屓の引き倒しすれば済むのか、と嘆かわしく思う。問題提起というのは、こういうちゃぶ台返しのバカバカしいやり方でしか為せない物なのか。

 で、自分の言動の影響も反省せずこんなことも言っていたり。

田中文科相「3大学はいい宣伝になった」(11/7産経)
 「今回(の騒動が)逆にいい宣伝になって4、5年間はブームになるかもしれない」
 田中真紀子文部科学相は7日、不認可としながら一転して新設を認めた秋田公立美術大(秋田市)など3大学について、首相官邸でこう語った。不適切な発言との批判が出そうだ。
 3大学への認可通知は「事務的に(行う)」とし、突然の不認可判断に始まる今回の混乱について自ら大学側に説明するかは明らかにしなかった。
 いったんは不認可とした判断については「私には日本の教育のあるべき姿についてイメージがあり、文科相を拝命して(役所の)中からだったらブレークスルー(突破口)をつくれると思った」と説明した。
 さらに「(大学の)経営者が代わって、借金ができたりしないように応援しないといけない」とも指摘した。


 極めつきのバカとしか言いようがない。

 ちなみに、「認可が下りる前から施設を造ったりするのはおかしい」と、田中大臣も擁護する人たちも述べていたが、施設がなきゃ認可が下りないんですよ。擁護するのはいいんだが、報道されている内容くらい確認した方がいいと思う。


何を今更 (2012 11/7 23:00)

09年公約はポピュリズム=前原国家戦略担当相が著書で告白(11/7時事)
 「違和感を拭えなかったのは『国民の生活が第一』とのキャッチフレーズ。単なるポピュリズムで政権を取っても自民党以上のバラマキになるのではないか」。前原誠司国家戦略担当相は近く著書を出版、この中で小沢一郎元代表(現在は新党「国民の生活が第一」代表)を中心に作成された民主党の2009年衆院選マニフェスト(政権公約)に当時から不信感を募らせていたことを明らかにした。
 「政権交代の試練 ポピュリズム政治を超えて」(新潮社)と題する著書で、前原氏は主要公約だった高速道路無料化やガソリン暫定税率廃止について「当初から納得できなかった」と告白。小沢氏に関しても「見え隠れするのは政権を取れば後はどうにでもなるとの考えで、自民党の最も古い体質を引きずった政治家かもしれない」と強く批判した。 
 民主党の政権運営については「国民の信頼感を揺るがせたのは統治能力の問題だ。『非自民』の側面が矛盾となった」と総括し、「将来的には今と違う政党の枠組みを模索することもある。『保守の再編』を実現したい」と、政界再編に意欲を示した。


 前原が、09年の衆院選の時点でマニフェストに異を唱えていたという話は、寡聞にして聞いたことがない。もしきっちり自党批判を行っていなかったとすれば、ポピュリズムと自覚しつつだんまりを決め込んでいたと言うことになり、無自覚に衆院選を戦った鳩山などよりもよっぽど悪質な態度ということになる。
 本当にこの男は、口先だけですな。



暴走老婆 (2012 11/6 24:00)

 石原慎太郎を「暴走老人」と呼ぶならば、この人は「暴走老婆」だ。

独演“真紀子劇場” 正論、暴論(11/6産経)
 衝撃を与えた3大学の新設不認可決定から、わずか4日で認可方針へと方向転換を図った田中真紀子文部科学相。50人以上が集まった6日の会見では、正論あり暴論ありのまさに“真紀子劇場”となった。
 「大学の乱立に歯止めをかけて教育の質を向上させたい」
 田中文科相は冒頭、こう述べ、初めて大学設置・学校法人審議会の答申を覆し、3大学を不認可とした自らの判断に間違いがなかったことを、身ぶり手ぶりを交えて強調した。
 設置審の答申を尊重して認可するという、戦後長く続いてきた認可手続きについて「事なかれ主義」と切って捨て、自らが進んで「劇薬」となって改革に臨む姿勢をアピールした。
 田中文科相はまず、委員29人中22人が大学関係者で構成される設置審をやり玉に挙げた。「いい意見は出されるが、数カ月に1回しか開かれていない」と、委員構成に加え、議論時間の少なさも問題と指摘した。
 さらに、3月末までに大学新設を申請し、10月に設置審の答申を受けて認可され、翌年4月から開学となる現行システムについても「極めて不自然だと思っている」と疑問視。「認可されてから(校舎の)工事を始めるなり、教授を呼ぶなりというのなら分かるが、なぜかとっくにビル(校舎)が建っていて教授も確保されている。不思議だと思わないか」とし、「どこかからサインが出てたんでしょうかね」と皮肉った。

 一方、暴論も飛び出した。3大学の受験予定者らに動揺が広がっていることについて「答申を受けて判断するのが大臣の職能。したがって『かわいそうじゃないか』という意見があるようだが、それには当たらない」と言い放った。
 また、3大学に落ち度はあったのか問われると「個別の大学のことは全然考えていないし、落ち度なんていう細かいところまでは分からない」と語った。
 田中文科相は約20分間で会見を自ら打ち切った後、会見場を後にしたが、「ちょっと誤解を与えたらしいことに今気付いたので…」と言いながら再び登場。3大学について「全部、不認可ということではない」と改めて新基準で審査する意向を表明。「新基準が分かるように言おうと思ったら、質問が来たので混乱しちゃったんですけれど、混乱もしていませんけど…」と言って、質問が飛び交うなか足早に立ち去った。


 「個別の大学のことは全然考えていないし、落ち度なんていう細かいところまでは分からない」って発言なんかは、無責任極まりない、古今無双のバカっぷりを露呈している。
 審議のあり方、大学の数や質の問題と、今回の3大学新設の可否とは、全く別の問題。区別しないどころか、混同を当然のことと開き直る姿勢は、クズとしか言いようがない。

 何度も言うが、私も大学の数は大いに減らすべきだと考えている。しかし、悪戯に被害を増やすだけのやり方には到底賛同できない。


隕石の痕跡 (2012 11/6 24:00)

2億1500万年前に巨大隕石=木曽川地層に証拠−大絶滅の原因か・鹿児島大など(11/6時事)
 約2億1500万年前にアンモナイトなどが絶滅した原因とみられる巨大隕石(いんせき)衝突の証拠を、鹿児島大などの研究チームが5日までに発見した。隕石と絶滅の関係では、恐竜などを滅ぼした中生代白亜紀末(約6500万年前)の隕石衝突が有名だが、衝突の証拠を捉えたのは珍しいという。論文は米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。
 古生代三畳紀後期(約2億〜2億3700万年前)には、アンモナイトなどの種が大規模に絶滅した。カナダ・ケベック州のマニクアガンクレーターを作った直径数キロ規模の巨大隕石衝突が原因の一つとされるが、衝突の証拠が見つかっていなかった。
 鹿児島大の尾上哲治助教らの研究チームは、岐阜県坂祝町の木曽川河床の地層を採取。鉱物などを詳しく調べた結果、地球の表層にほとんどなく、隕石に特有のイリジウムなど6種類の白金属元素を、通常の50〜2000倍の濃度で検出した。白亜紀末の地層で見られる特殊な鉱物も含まれており、衝突で巻き上がったちりが降り積もったと分かった。
 地層の上下には海洋プランクトン類の化石も含まれており、衝突時期を約2億1500万年前と特定。北米付近でアンモナイトや哺乳類型は虫類などの大規模絶滅が起きた時期に当たるという。


東北大など、2億1500万年前の地層から巨大隕石衝突の証拠を発見(日経プレスリリース)

 「日本ライン」と呼ばれる木曽川中流域ですな。濃尾平野の北東端で、木曽川沿いに剥き出しの岩肌が並んでいる情景が見られる場所です。
 しかし、カナダに落ちた隕石の影響が遠く岐阜に到達し、これほど顕著に残っているんですな。そりゃ、動物も絶滅しますわ。

 この隕石の跡を示す地層だけでなく、アンモナイトなどの化石が出たり、1000万年以上前の動物の足跡の化石があったり、ウラン鉱床が横たわっていたり、岐阜県の地層はなかなか興味深い。



労働問題 (2012 11/5 24:00)

除染手当、作業員に渡らず 業者が「中抜き」か 福島(11/5朝日)
 【青木美希】政府が主導する東京電力福島第一原発周辺の除染で、現場作業員に税金から支払われる「特殊勤務手当」が本人に支給されていない事例が相次いでいることが分かった。元請けのゼネコンに続いて下請けがいくつも連なる多重請負構造の中で手当が「中抜き」されているとみられ、環境省は実態調査に乗り出す。
 環境省は今年1月から作業拠点となる役場などの先行除染に着手。すでに18件(計35億円)を発注し、数千人が働いている。環境省は、通常の給料とは別に現場の線量や原発からの距離に応じて1日3300円〜1万円の特殊勤務手当を作業員に支払う契約を元請けの11社・1組合と結び、手当分を含めて除染事業の予算を計上している。
 ところが、ゼネコン6社が受注した1億円以上の先行除染の6件すべてで、作業員に手当が適正に支給されていない事例が朝日新聞の取材で見つかった。
 複数の下請け会社幹部や作業員が「作業員に渡していない」「受け取っていない」と証言。「他の会社も払っていない。作業員に手当のことを知らせず、日当5千円で働かせている会社もある」と話す社長もいた。


 この件は除染に関する手当の話だが、「必要な手当が末端に届かない」「末端の労働者がもらうべきお金が下請け・孫請けと下がるにつれどんどん消えていく」ってのは、派遣業務、請負業務の世界では常識のように見られる現象。非正規雇用全体に関わる問題でもある。
 つまり、原発周辺に限った話ではない。

 「だから原発はやめるべきだ」と原発に限った問題に落とし込むのではなく、下請けの問題、派遣の問題と合わせて改善を考えるべきだろう。

 ただ、不信感を抱かれがちな原発に関しては、とりわけ問題のある部分は無くすよう努める必要があるように思う。
 何次にも下請けが連なり、その中で作業員に与えられるべきお金が雲散霧消するシステムは、何としても改善せねばなるまい。将来的に止めるにしろ数十年のオーダーで進めるべきことで、電力需給も考えると当面は原発を動かす必要がある。ならば、安全対策と同様に、原発にまつわる労務問題もきっちり整理しておくべきだと思う。

 事故直後からこの辺りの問題は指摘されていたんだが……未だに全く改善されていないのな。



受け止める能力も気持ちも無いでしょ? (2012 11/4 24:00)

厳しい声ください、全て受け止めます…民主広告(11/4読売)
 民主党は3日の読売新聞など主要全国紙や地方紙の朝刊に、2009年衆院選政権公約(マニフェスト)への批判を含め、次期マニフェスト作りへの参加を呼びかける野田首相の写真入りの全面広告を掲載した。
 10、11日と17、18日に全国11か所で開催する「政策進捗(しんちょく)報告会」の参加者を募集し、「どうぞ厳しい声をください。すべて、受け止めます」と結んだ。
 民主党幹部によると、費用は数億円といい、衆院解散に向けた環境整備との見方が広がりそうだ。


 意見を募るのはいいんだが、その厳しい声をきちんと受け止められる能力があるんだったら、日本は今のような惨状を呈していなかったはず。そもそも、本気で受け止める気があるのかすら、疑問だったりするがな。根本的な属性が嘘つきだからな。


バックアップは大事です (2012 11/4 24:00)

 古い文書データをとっておかなきゃいけないのに、新しく書き加えたデータを上書きしてしまった。追加・変更に半年くらいかかりそうなので、当座のために元データを残しておく必要があったのだった。
 完全にデータを消失した訳じゃないし、元データのさらに少しだけ古いバージョンもあるので、被害は非常に少なくて済んだ。やたらとバックアップを残したがるクセが多少はプラスになったかな、と。



乱暴な不認可 (2012 11/3 23:00)

3大学の新設認めず 田中文科相、審議会の「認める」答申覆す 来春の開学不可能に(11/2産経)
 田中真紀子文部科学相は2日、2013年度に大学の新設を予定していた秋田公立美術大(秋田市)、札幌保健医療大(札幌市)、岡崎女子大(愛知県岡崎市)の新設を不認可とした。公私立大の設置認可を文科相に答申する大学設置・学校法人審議会は「新設を認める」としていたが、田中文科相の判断で覆した。答申通りに認可されないのは極めて異例。3大学の来春の開学は不可能となる見通しだ。
 田中氏は記者会見で「大学設置認可の在り方を抜本的に見直す」と明言。大学設置・学校法人審議会の見直しを進めると同時に、設置認可手続きを厳格化する考えを示した。文科省によると「見直しを先送りにしたまま、新設を認めることはできないと文科相が判断した」という。


「田中文科相の思い付きに振り回されたくない」 新設不認可で岡崎女子大の学校法人(11/3産経)
 田中真紀子文部科学相が認可しないとした岡崎女子大学(愛知県岡崎市)を新設予定の学校法人清光学園は2日「納得できない」とのコメントを出した。
 清光学園によると、約2年前から文科省に設置を相談し、今年3月に認可申請。2013年度の開校に向け、大学設置・学校法人審議会からの問い合わせなどに応じていたという。
 清光学園は「審議会の認可は得ていたが、大臣の判断で不認可だと伝えられた。詳しい理由を教えてもらえず納得できない」として、今後、抗議を含め対応を検討するとした。
 清光学園は岡崎女子短大や幼稚園を運営。短大を改築し大学校舎にするほか、大学案内のパンフレットなどを作成していたという。認可を前提に学生の募集を始め、今月末にも推薦入試を実施する予定だった。
 担当者は「資金を投じて準備してきた。文科相の思い付きに振り回されたくない」と話した。


大学新設不認可:文科省幹部、頭抱え 学生への影響危惧(11/3毎日)
 田中真紀子文部科学相が2日、大学設置・学校法人審議会が来春の開学認可を答申していた秋田公立美術大(秋田市)▽札幌保健医療大(札幌市)▽岡崎女子大(愛知県岡崎市)の3大学を不認可とした。田中文科相は、10月26日と同30日の閣議後に開かれた記者会見でも「大学の認可が多すぎる」と持論を述べていたが省内の驚きは大きかった。
 ある幹部は「認可を想定し大学に進学する予定で就職活動していない短大生がいる」とあまりの影響の大きさを危惧。別の幹部は「法人や学生のサポートなどできることをこれから最大限考えるしかない」と頭を抱える。
 田中文科相は2日の記者会見で「副大臣にこの話が伝わっているか分かりません」とも述べ、省内で十分な説明を尽くしていないことをうかがわせた。
 また、批判の的とされた審議会委員は、慎重な対応に終始。ある委員は「委員としては設置審査を粛々と行った。認可か不認可かは、文科相の判断だと思っている」とコメント。また、別の委員も「お答えできる立場にないのでコメントは控える」とした。【石丸整、福田隆】


 私は、大学の数を減らすことには大賛成である。しかしながら、今回の田中文科相の決定には批判せざるを得ない。

 審議会の決定に対して大臣が異を唱えることは認められており、それ自体に問題はない。しかしながら、審議会が「是」としている物をひっくり返すならば、それなりの正当性が必要となる。今回の判断については、個々の新設大学に問題が無いことを大臣自ら認めており、理はない。
 「審査会のメンバーに多様性がない」「大学設置認可の在り方を抜本的に見直す」という理由が述べられ、そこには一定の正当性があるものの、全体的な議論と個別の事案を混同することは、「現在の審査法」を基準に準備を進めてきた側とすれば到底認められる物ではない。

 取り得る手段があるとすれば、「今回の申請に関しては認めつつ、審査会のあり方について検討を開始する」というものではないか。開設の手続きの「最後の段階」になってからひっくり返されるのでは、準備する側は何を基準に考えればいいのか分からない。まともな理由が示されないなら、「思いつきのとばっちりを食らった」という認識も的外れではない。

 権力を持たせてはいけない人間に権力を持たせたらどうなるのか、非常に分かりやすいケーススタディになりましたな。



北海道の電力不足 (2012 11/2 24:00)

北海道は7%節電で設定 農業と観光は自主目標 冬の電力需給対策(11/2産経)
 北海道での節電目標の導入を柱とする政府の今冬の電力需給対策の全容が1日、分かった。火力発電所のトラブル時の大規模停電が危惧される北海道には、平成22年度比で7%以上の節電目標を設定する。ただ、北海道の地域性に配慮し、農業や観光業などは「実質的な影響が生じない範囲で自主的な目標の設定」を求める。2日朝に開く関係閣僚のエネルギー・環境会議で正式決定する。
 沖縄を除く全国の節電期間は、12月3日から来年3月29日までの平日が対象。北海道以外の地域は数値目標を設定しなかった。
 北海道の7%の節電は、12月10日から3月8日の平日の午後4時〜9時までが対象。厳冬となる1月7日〜3月1日は、要請開始時間を朝8時に早める。暖房などで一日を通じ電力需要が発生するため、「指定時間帯以外も可能な範囲」で全時間帯の節電を求める。なお、年末年始は節電期間から外す。
 農業などの生産活動には自主目標の設定を求めるが、供給予備率が3%を下回った場合には7%以上の節電を要請する。また、病院や鉄道などの重要施設にも制限緩和措置を講じる。
 厳冬となる北海道での計画停電を含む停電は「生命、安全に直結する」と同時に、「観光業などの経済活動に悪影響を与える」と指摘。道内の全ての大口需要家(契約電力500キロワット以上)を対象に「計画停電回避緊急調整プログラム」に参加させ、発電所の故障などに備え、30万キロワットの需要抑制などができるようにする。


北海道、節電12月10日から 政府方針、目標7%以上(11/2朝日)
 野田政権は2日の関係閣僚会合で、今冬の電力不足が懸念される北海道電力管内の節電目標について、2010〜11年の冬に比べて7%以上とすることを正式に決める。電力不足が生じた場合、電力使用量を減らした大口需要家の料金を割引する「計画停電回避緊急調整プログラム」も実施する。
 エネルギー・環境会議(議長=前原誠司国家戦略相)は北海道電力管内の予備率(余裕度)を5.8%と試算したが、他の電力会社からの電力融通に制約があるため、今夏と同じ7%以上が必要と判断した。
 要請期間は今年12月10日〜28日の16時〜21時、来年1月7日〜3月1日の8時〜21時、来年3月4日〜8日の16時〜21時で、いずれも平日が対象。予備率が1%を切った場合は、産業・業務用で契約電力500キロワット以上の需要家に対し、生産活動の一時停止や臨時休業などを求め、管内で合計33万キロワット以上の需要削減を目指す。


 もともと発電量の分母が小さい北海道電力においては、5.8%の余裕といえど、たったの33万kWhでしかない。火発が故障すれば一気に吹っ飛んでしまう。冬の北海道で停電など起きようものなら、本当に命に直結する事態となる。
 しかも、大口需要家に生産活動の停止を要請するなど、経済的な打撃は計り知れない。

 泊原発を動かせば全て回避できるんだから、動かそうよ。起きるかも知れない事故に対して安全対策を採るのは勿論大切だけど、まずは目前の電力不足を乗り切るのが先でしょうよ。

 ところで。
 「原発無くても電力は足りる」って言っていたバカどもはどこ行きやがった。



相続税を中心に? (2012 11/1 24:00)

社会保障財源、相続税中心に=橋下氏(10/31時事)
 日本維新の会代表の橋下徹大阪市長は31日、維新が掲げる「消費税の地方税化」が実現した場合の社会保障財源について、「相続税を中心に考えるべきだ」と述べた。市役所内で記者団の質問に答えた。
 橋下氏は「高齢化社会になれば、亡くなる方も増えてくる」と指摘。その場合、相続税収の増加が見込まれるとの認識を示す一方で、「消費税を10%に上げたとしても(その後の)税収は一定なので、(増加する社会保障費とは)どんどん差が開いていく」と述べ、消費税の増税分を社会保障費に充てることに反対した。


 私も、相続税の税率は上げた方がよいと思っている。ただし、それは高齢者が持つ資産を若い世代に分配するという視点から言っているのであり、贈与税の非課税限度額をもっと引き上げることを前提にしている。
 もちろん、「相続よりも贈与」という主張であるから、税収アップのために相続税を引き上げるなど考えもしていない。

 橋下氏が相続税によって税収アップを考えているならば、贈与など「納税の回避」を許さないという前提で考えていることになる。
 そうなると何が起こるか。それなりの規模の会社だったらそれを経由した迂回策も取れるが、同族経営の零細中小企業だったり、会社を作れるほどの資産を持っていない中途半端な資産持ちが最も不利益を被ることになる。地方の土地は相続されることなく国に物納され、地方の荒廃はさらに進むことになる。
 
 個人資産の形成を許さないという思想が高じれば、それは共産主義。しかも、橋下氏の主張通りにやれば、金持ちは逃げ切り、貧乏人が損をするという笑うに笑えない話となる。氏の理想が実現しようが、主張通りに実行して失敗しようが、いずれにせよとんでもない結果しか招かない。
 いくら「強くぶち挙げておいて、後から修正」というのが氏のスタイルとしても、物には限度がある。金持ちに対するルサンチマンを煽って支持を得よう、というならそれなりの効果はあるかも知れないが。