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 この項では、接続詞を使った重要表現を見ていきましょう。


1.「〜するとすぐに」の接続詞・構文

 as soon as は有名ですが、元は名詞や副詞なのに、そのas soon asと同じ意味で使われる語がいくつかあります。まとめて覚えておきましょう。

「〜するとすぐに…」の接続詞
 the minute SV
 the moment SV
 the instant SV
 immediately SV
 instatly SV
 directly SV

 名詞由来の物は「瞬間」という意味、副詞由来の物は「すぐに」という意味の語なので、イメージはわきやすいと思います。

 また、接続詞ではありませんが、構文として「〜するとすぐに…」という意味になるものがあります。

「〜するとすぐに…」の構文
 S had hardly/scarcely done〜 before/when S did….
 S had no sooner done〜 than S did….             「〜するとすぐに…」

 補足説明をしておきます。
 まず、hardly/scarcely〜before/when…ですが、これは「hardly〜before」「hardly〜when」「scarcely〜before」「scarcely〜when」の都合4パターンあるということですね。それらに「no sooner〜than…」も含めた5つの構文、これらは、前半は過去完了形、後半は過去形となりますので、必ず覚えておきましょう。
 また、hardly、scarcely、no soonerはそれぞれ副詞ですので、hadの後ろに置きます
 さらに、これらは否定の副詞であり、否定の副詞は強調の意味合いを出すために文頭に置くことができます。その場合「否定の副詞が文頭に出ると倒置が起こる」というルールを押さえておかねばなりません。つまり、hardlyやscarcely、no soonerが文頭に出ると、前半は疑問文語順になるのです。

ex.1 No sooner had he heard the fire bell than he rushed out of the room.
    「彼は火災報知器の音を聞くとすぐに部屋を飛び出した」


2.目的構文

 次に目的構文です。

「〜するために」の構文
 so that S can/will/may V = so as to do
 in order that S can/will/may V = in order to do

 so thatやin order thatのうしろは、普通助動詞を用いた文が来ます「, so that SV」で「その結果…」という紛らわしい構文がありますが、助動詞の有無で判断できます(コンマがso thatの前にある場合も多いですが、必ずというわけではありませんので、確実な見分け方にはなりません)。
 また、so thatの方は、thatを省略できますin order thatの方は、thatを省略できませんから区別して覚えます。

 「〜しないために」という、否定の目的構文もあります。もちろん「so that 否定文」もありますが、まったく形の違う構文もあります。

否定の目的構文
 in case (that) S should V 「〜する場合に備えて、〜しないように」
 for fear (that) S might/shouldなど V 「〜しないように」
  (= lest S should do)

 in caseとfor fearは、どちらも使える場合もありますが、in caseしか使えない場合というのもあります。上の日本語訳で覚えておけば問題ないでしょう。また、in caseには、「〜という場合には」という、ifとほぼ同じ意味の用法もあります。
 lestは固い言い方なので、英作文では避けた方が無難でしょう。for fearも、使われる頻度は高くないですね。



3.強調構文

強調構文
 It is 〜 that ……  「…なのは〜だ」

 it is とthatで、強調したい物をはさみ、残りの部分はthat以下に書きます。はさんで強調できるのは、名詞と副詞です。「that以下なのは〜だ」「〜こそthat以下だ」と訳すと良いでしょう。

 具体的に強調構文を作ってみましょう。

ex.2−1 I met her five years ago. 「私は彼女に5年前出会った」
●「彼女」を強調して「私が5年前に出会ったのは彼女だった」とする場合
   ex.2−2 It was her that I met five years ago.
●「5年前」を強調して「私が彼女に出会ったのは5年前だ」とする場合
   ex.2−3 It was five years ago that I met her.

 強調構文では、単語や句だけでなく、節も強調することができます。

ex.3 It was because she was sick that we postponed the party.
       「私たちがパーティを延期したのは、彼女が体調不良だったからだ」
ex.4 It is not what you read but how you read it that counts.
       「大事なのは、何を読むかではなくどう読むかだ」


 さて、疑問詞を強調する強調構文について、説明しておきましょう。

 疑問詞を強調ですから、「It is 疑問詞 that〜」という形になりますが、疑問詞は文頭に来ますし、(間接疑問でなければ)疑問文語順にもなりますので、「疑問詞 is it that〜?」という形になります。知らないと長文で出てきて「?」となりますので、きっちり頭に入れておきましょう。

ex.5 What is it that you are looking for ? 「いったい何を探してるんだ?」


 さて、「It is 〜that…」と言えば、強調構文だけでなく、形式主語構文という可能性もあります。長文読解では非常に重要なポイントになりますので、その見分け方を押さえておきましょう。

 強調構文は名詞・副詞を強調します。一方、形式主語構文では、be動詞のうしろに来るのは補語、つまり名詞か形容詞です。となると、It isとthatの間が、副詞だったら100%強調構文形容詞だったら100%形式主語構文と言うことです。
 問題は、挟まれているのが名詞の場合ですね。
 強調構文は、強調したい物が前に飛んできて、it is とthatで挟まれます。名詞は、必ず文の要素になりますから、強調構文ではthat以下は主語か目的語の欠けた不完全な文になるのです。形式主語構文では、that以下は名詞節として独立していますから、中身は必ず完全な文になります
 なお、形式主語構文で名詞を採る形は、It is a pity thatやIt is a shame thatなど限られてますので、どうしても「よう分からん」となったら、強調構文で考えるようにしましょう。

 まとめます。

強調構文と形式主語構文の見分け方
It is X that…
 Xが副詞  → 強調構文
 Xが形容詞 → 形式主語構文
 Xが名詞  → that以下が不完全なら強調構文 
           that以下が完全なら形式主語構文



4.譲歩構文

譲歩構文
 動詞/形容詞/副詞/名詞(無冠詞) + as SV 「〜だけれども」

ex.6 Dark as it was, we managed to find our way home.
    「暗かったけど、私たちは何とか家にたどり着くことができた」

 though SV = 〜as SVと覚えておけばよいでしょう。



5.so 〜that…とその周辺

 まず公式をまとめ、後から説明を加えます。

「とても〜ので…」「…するほど〜」の構文
  so 形容詞/副詞 that SV
  so 形容詞 a 名詞 that SV
  such (a 形容詞)名詞 that SV
 A is such that SV

 原則的には、soは形容詞や副詞を修飾、suchは名詞を修飾する物です。ですから、「とても〜なので」の「〜」が形容詞や副詞ならsoを、「〜」が名詞の場合にはsuchを使うのが基本です。ただし、名詞に形容詞もくっついている場合は、公式にもあったようにsoで強調することは可能です。
 また、suchは単独で「so great」の意味で使うことができます。「A is such that」がそれで、「A(の程度)は甚だしいので〜」という訳になります。

ex.7 Her delight was such that she could not speak a word.
    「彼女の喜びはとても大きかったので、言葉が出なかった」


 so〜that…やsuch〜that…は、enough 名詞 to doあるいは形容詞/副詞 enough to doでも表現することができます。ほぼ同じ意味ですが、日本語では「…するのにじゅうぶん〜」と訳すことが多いですね。

 また、so〜that S cannot Vの意味で、too 形容詞/副詞 to doという構文もあります。

ex.8 This book is too difficult for me to understand.
    = This book is so difficult that I cannot understand it.
      「この本はとても難しいので理解できない」

 too〜to do構文の場合、to doの部分が形容詞限定の副詞的用法不定詞になっていることがあります(不定詞の目的語が文の主語になっている場合のことです→参照:準動詞 1)。その場合、to do部分には目的語を書いてはいけませんので、注意してください。

 また、この辺りは、notが入ると混乱することがありますね。
 コツとしては、notは後ろ全体を否定するんだということを頭に入れておきましょう。ゆえに、notの後ろを先に訳しておいてから、最後にnotの「〜というわけではない」という訳を付け加えるといいでしょう。で、慣れてきたら、後ろから前に訳し上げるようにしてみましょう。文章を理解するだけでしたら、前者のカタコト訳でも問題無いですが、下線部訳の場合はきれいな日本語が求められますので、後者の訳もできるように練習しておく必要があります。

 具体例を挙げておきましょう。

ex.9 The river is not so wide that we cannot get across it. 
    「この川は とても広くて渡れない ということはない」
   →「この川は 渡れないほど広くはない」

ex.10 This book is not too hard to understand.
    「この本は 難しすぎて理解できない ということはない」
    →「この本は 理解できないほど難しくはない」



6.同格のthat

 同格のthatという用法があります。
 ある名詞の内容を詳述した文を、名詞の直後にthat SVの形で展開するという物です。

ex.11 I was surprised to hear the news that he had died yesterday.
    「彼が昨日死んだという知らせを聞いて私は驚いた」

 名詞+that SVで「SVという名詞」と訳します。この形がとれる名詞は限られていますので、見かけるたびに熟語のようにして覚えておきましょう。いくつか例を挙げておきます。

同格のthat
  the fact that SV 「SVという事実」
  the news that SV 「SVという知らせ」
  the possibility that SV 「SVという可能性」
  the truth that SV 「SVという真実」
  the idea that SV 「SVという考え」


 ちなみに、同格には、名詞 of A名詞 to doの形もあります(準動詞 1も参照)。これらも、この形をとれる名詞は限られていますので、the way to doやthe chance to do、the chance of doingなどを熟語のように覚えていきましょう。



7.その他覚えておくべきこと

 その他の単発項目を列挙しておきます。

 まず、「前置詞+that SV」のパターン。
 that節は原則的に前置詞の目的語にはなりません。たとえば、be surprised at Aも、Aがthat SVの場合には、be surprised that SV というように、at が消えてしまいます。
 しかしながら、例外的に、前置詞のうしろにthat SV が来る表現がありますので、覚えておきます。

前置詞+that SV
  in that SV 「〜という点において」
  except that SV 「〜という点を除いて」


 次に、if と同じような意味で使われる表現をまとめておきます。

if SVの類似表現
  providing/provided (that) SV 「〜ならば」
  suppose/supposing (that)SV 「〜ならば」
  granting/granted (that)SV 「仮に〜としても」


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