接続詞とは、ある構造とある構造を接続する役割を果たす品詞です。andやbutは、すぐに頭に浮かぶのではないでしょうか。
英語の接続詞には、等位接続詞と従位接続詞(従属接続詞)の2種類があります。
1.等位接続詞
and / but / or / nor / for の5つをまず覚えましょう(他に比較構文で使うthanやasがありますが、これは比較の項で押さえます)。
等位接続詞については、まず2つのことを押さえておきます。
1つ目は、等位接続詞は同じ種類の物を繋ぐということ。例えばandなら、名詞and名詞、不定詞and不定詞、前置詞+名詞 and
前置詞+名詞、that節and that節、文and文……というように、前後に同じ種類の物が来ます。
これは、長文読解でも重要なルールですね。andやorの接続関係が分かりにくい場合は、直後を見て、まず繋いでいる物の種類を判断します。そして次に、前の方から同じ種類の物を探すというわけです。ちょっと例を見てみましょうか。
ex.1 I bought a book and read it.
これは分かりやすいですね。andのうしろはread、つまり動詞ですから、andの前から動詞を探します。boughtがありますね。ですから、andはboughtとreadを繋いでいることになります。
ex.1の訳 「私は本を1冊買って読んだ」
では、これはどうでしょう。
ex.2 We can view utterances as acts of various kinds and the exchanges of utterances that we call conversations as exchanges of acts. (utterance:発話)
非常に分かりにくい文です。
andの直後を見て、繋いでいる物の種類を判断するのですが、「the exchanges of utterances」だけを見ても、その前の何と繋がっているのか分かりません。もっと後ろまで読んでいくと、ようやく見えてきます。[the exchanges of utterances (that we call conversations)] as [exchanges of acts]……andの前にも[utterances] as [acts of various kinds]というA as Bの構造がありますから、andは2つのA as Bを結んでいるんだ、と分かります。すなわち、「AをBと見なし、またAをBとみなす」と訳すわけです。
ex.2の訳 「我々は発話を様々な種類の行為とみなし、また会話と呼ばれる発話の交換を行為の交換とみなすことができる」
次に、等位接続詞について押さえるべき2つ目の項目。
2つ目は、前から訳すということ。X and Yなら「XとY」、X but Yなら「XしかしY」というように、必ず前から訳していきます。
まとめておきましょうか。
等位接続詞
X and Y 「XとY」「XそしてY」
X but Y(≒yet) 「X しかしY」
X or Y 「XあるいはY」
X nor Y 「XでもYでもない」
X for Y 「X、というのはYだからだ」 |
yetは、butを強めた意味合いで使えますので、一緒に覚えてしまいましょう。
norは、notとorがくっついた形と思っておきましょう。not X or Y = X nor Yです。
forは、意味的にはbecauseと同じなのですが、becauseは副詞節を作る従位接続詞なのに対し、forは等位接続詞なので前から訳すように心がけてください(詳しい違いはまた後で説明します)。
特殊な等位接続詞もいくつか覚えておきましょう。ただ、これらは熟語・構文のように覚えてしまいます。
特殊な等位接続詞
not X but Y 「XでなくY」
not only X but (also) Y 「XだけでなくYも」
either X or Y 「XかYかどちらか」
neither X nor Y 「XでもYでもない」 |
1語ではなく、2語1セットで接続詞としての役割を果たしているのですね。
ちなみにこの4つが主語の場所に来た場合、動詞はYの方に合わせます。たとえば「not only he but also I」の場合、be動詞ならば「am」を用いるということです。
2.従位接続詞
次に従位接続詞です。
従位接続詞は、一言で言えば、文の一部を作り出す役割を持っています。具体的にいえば、副詞節や名詞節を作ります。うしろにSVをとってかたまりを作りますので、訳は後ろから訳し上げとなります。例えばbecauseなら、「because SV」という風に、うしろのSVとかたまりを形成し、「SVので」と訳します。前置詞の後ろに目的語として名詞が来るように、従位接続詞は後ろにSVをとると考えれば分かりやすいでしょう。
主な従位接続詞
when 「〜とき」 / if 「〜ならば」 / because 「〜ので」 /
though/although 「〜だけれども」 / as 「〜とき・つれて・ので・ように」 /
since 「〜ので・〜以来」 / while 「〜間・一方・けれども」 /
before 「〜前に」 / after 「〜後に」 / till / until 「〜までずっと」 /
once 「いったん〜すると」 / unless 「〜する場合を除いて」 /
by the time 「〜する時までに」 / as soon as 「〜するとすぐに」 /
even if 「〜としても」 / now that 「今や〜ので」 |
主な物を挙げてみましたが、等位接続詞として挙げた物以外は、みな従位接続詞と思って結構です。
また、主語の場所にあったり動詞の後ろにあるthatは名詞節を作るのみ(名詞の後ろのthat SVは関係詞です)、if/whetherは副詞節と名詞節の両方を取り得ますが(あとで説明します)、それ以外はすべて副詞節を作ります。ですから、and / but / or / nor / forと特殊な等位接続詞、ifとwhetherとthat以外の接続詞を見たら、無条件で後ろのSVとセットで括って「副詞節!」としておけばいいのです。
さて、先ほど「if / whetherは副詞節と名詞節の両方を取り得ます」と書きました。時制の項でも説明しましたが、もう一度まとめておきます。
名詞節・副詞節どちらも導ける接続詞
if 名詞節「〜かどうか」/副詞節「〜ならば」 whether 名詞節「〜かどうか」/副詞節「〜であろうと」 |
最後に、さっき少し触れた「becauseとforの違い」について話しておきます。
既に説明したように、becauseは従位接続詞、forは等位接続詞です。ゆえに、becauseは後ろのSVとセットになって副詞節を形成しますが、forは2つのSVを結ぶ役割を果たすだけで副詞節は作りません。意味だけで言えばほとんど同じ because と for ですが、文法的な役割については全く別物なのです。
理由を表すSVをX、結果を表すSVをYとおきましょう。
「because」は「because X」で副詞節=文の一部となりますから、次のように正誤が言えます。
○ Because X, Y.
○ Y because X.
× Y. Because X.
「because X」はあくまで文の一部なので、(Why...?の答えとして述べる場合以外は)「because
X」だけで文を形成することはできないのです。
一方 for は、and の仲間ということを考えれば、
× For X, Y.
○ Y for X.
○ Y. For X.
ということが言えます。「And …」という文が可能であるのと同様、「For X.」という文もOKなんですね。
英作文の際などには気を付けて下さい。
その他の重要な従位接続詞、接続詞を使った重要構文は、次の項で説明しましょう。
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