Q&A 前のページへ戻る
メールでいただいた質問とそれに対する返事を、少々手直しした上で掲載していきます。
質問: She speaks very highly of your expertise and finds your work ethic to be outstanding. この文で、very highly of your expertise の文法構造がどうしても分からないです。of の前は名詞が来るはずなのにきてないです。「S+V+副詞+副詞+前置詞+人称代名詞+名詞」と理解したのですが……。 意味的には分かるのですがof の前後の文法がどうしても分からないです。何かを省略しているのでしょうか? 回答: She speaks very highly of your expertise and finds your work ethic to be outstanding. まず、一応理屈を確認しておきます。「S+V+副詞+副詞+前置詞+人称代名詞+名詞」で合ってます。このofはaboutと同じような意味をもつofで、think of のofもそうです。 で、直訳すれば、「あなたの専門知識について、非常に高く話す」、つまり「あなたの専門知識について非常に高く評価する」となります。 これが理屈ですが、実際に問題に出てきた場合は、「speak ill(well) of Aに似ている」と気付けるかどうかですね。speak ill(well) of Aは「Aについて悪く(良く)言う」というイディオムです。そのillの部分がvery highly「とても高く」となってます から、「高い評価を下す」という意味ではないかと推測するのです。highlyはふつう、プラス評価になります。 もちろん、「speak highly of A」と覚えてしまっても構いません。think highly of A「Aを高く評価する」というのもあります。 |
質問: You will find a complete list of lecture and discussin topics to help decide which session you want to attend. これは間接話法というものだと思いますが、このように目的語についての質問は主語、すなわちyouの前に目的語を出すのが通常の方法なのでしょうか。decide+O+S+V になんだか違和感があったもので、ご質問させていただきました。 回答: 間接話法ではなく、間接疑問と呼ぶべきですね。本文はdecideの目的語部分ですが、「間接話法」となると、say+"会話文"の言い換え、と考えるべきですから。 間接疑問は、「疑問詞+肯定文」か「if/whether+肯定文」の形になります(こんな言葉はありませんが仮に「間接平叙」というべき物があるとすれば、それがthat SVですね)。whichには疑問形容詞として名詞とくっつく用法があります。「which 名詞 SV」で「どの名詞を〜するか」です。今回は「which+sessions」でかたまりですので、それが節の頭に来ています。「[どの会議に参加したいか]を決める」と訳せます。 |
質問: I'd like to thank you for the time you spent with me discussing the marketing resercher position at Amain, Ltd.(TOEIC公式問題集文章より) meとdiscussingとの関係がどうもしっくりこないです。どういう構造なのでしょうか。 回答: 結論を言う前に、思考の流れを。 with A doingという形になっていますが、これで思い出すべきは、まず (1)with OCの付帯状況 (2)meが動名詞の意味上の主語 です。 (1)だと、「私が話している状態で」となりますが、そのまえのyou spentに巧く繋がらないので不可です。 (2)だと、要するにmeよりdicussingの方がメインの目的語(withの目的語)ということになりますが、これまた「話し合うことと一緒に過ごす」というのは気持ち悪い訳になります。 となると、別の可能性を考えるわけですが、the timeという名詞の直後にyou spentというSVがありますので、これは形容詞節(which省略の関係詞節)と判断できます(名詞のうしろにSVがあれば形容詞節です)。さらに言えば、spendのOはふつう時間が来ますので、先行詞のthe timeが本来spentの後ろにあったと推測できます。 ここまで来れば、spend A doing「Aを〜して過ごす」という必須構文を思い出さねばなりません。 つまり、 I'd like to thank you for the time (you spent <with me >discussing the marketing resercher position at Amain, Ltd). という構文で、「私と一緒に〜を話し合った時間について、感謝したいです」というのが直訳になります。 最後に、この構文で押さえておくべきことを確認。 ・would like = want(ゆえにwould like to do = want to do) ・thank A for B 「AにBのことで感謝する」 ・spend A doing 「Aを〜して過ごす」 ・discuss A = talk about A 「Aについて話し合う」、discussは他動詞 ついでに、 ・with OC「OがCの状態で」 ・動名詞の意味上の主語は、直前に所有格or目的格 |
質問: He has given us a state-of-the-art, user-friendly space in which to feature our special interactive science exhibits(TOEIC公式問題集文章より) in which の次にS+Vが来ていないケースは初めてです。which とto の間の文字が省略されているのでしょうか?たとえばin which it is でしょうか。また、このin which はwhereに置き換えることができるでしょうか。 回答: the pen to write with(準動詞 1参照)= the pen with which to write と言えます。「名詞+前置詞+関係代名詞+to不定詞」で、前置詞以下が名詞を修飾するというものです。 ですので、 a state-of-the-art, user-friendly space in which to feature our special interactive science exhibits は、 a state-of-the -art, user-friendly space to feature our special interactive science exhibits in と同じ意味で、 「特殊な対話的化学展示を取り上げた 最新の使いやすい空間」といった訳になります。修飾部分は元々は、「feature our special interactive science exhibits in a state-of-the-art, user-friendly space」ですね。 これは難度の高い表現なので、知らなかったとしても恥ずかしいことではないでしょう。大学入試でも、偏差値70くらいないと、知らない生徒が多いんじゃないでしょうか。 |
質問: 「主節が過去なら従属節も過去、しかし従属節内が不変の真理や歴史的事実の場合は例外」という時制の一致のルールを学校で習いましたが、そうなると、下の文は例外には当たらないのでは? As I finished a work, I am very tired now. これは、As I finished a workが従属節の副詞、I am very tired now.が主節になると考えた時、時制の一致のルールにより、 As I finished a work, I was very tired now. に、なるのではないかと言うことです。 ただ自分でも、I was very tired now. は文章の形としては、現在と過去が混在しているので違和感がありますが……。 回答: たしかに、拙サイトにおいても、「主節が過去なら従属節も過去」と書いていますが、その直前には、時制の一致について、「「英語の時制は客観的だ」と理解しておけば、敢えて覚える必要がない概念」とも述べています。また直後にも、「(そう暗記しておけば)確かに文法問題を解くスピードは上がりますけどね」と、あくまで保留付きで述べています。 つまり、私は「時制の一致」という概念には否定的なのですが、その理由が、状況によって、あるいは話者の気持ちによって、「時制の一致」でくくれない場合が多々あるからです。大学入試レベルの文法問題では、その「例外」が出ることは(問題としては)まず無いので、「そう覚えれば問題は早く解ける」と書きましたが、私の真意は「時制の一致は覚える必要は本来無い物だ」ということであり、その理由の一つは、あなたが示すような例外的事例が、多くの文をより細かく分析すると目に付くからです。 時制はあくまで客観的に考えるものであり、「仕事を終えた」のが過去で、「疲れている」のが今なら、前者を過去形、後者を現在形で書くのは、まったく当たり前のことなのです。ただ、修正しておくと、「仕事を終えて今疲れている」と 言うことは、「仕事を終えたこと」が現在まで影響しているので、 As I have finished my work, I am very tired now.とする方が、自然な表現でしょう。 これだと主節も従属節も両方現在形となり(現在完了形は大きく括れば現在形です)、「やっぱり過去形と現在形が混ざっている文はあり得ないんだ」と思われるかもしれませんが、たとえば、Mike said that he runs every morning. 「マイクは毎朝走っていると言っていたよ」という文はあり得ます。通常は、「マイクが話した時が基準で、その時(過去)に走るのが習慣だ」ということなので、Mike said that he ran every morning.となります。もし文法問題で「run」の部分が問われた場合は、このような解釈で解けばいいです。ただし、この文の発話者が、「マイクが喋ったときにも走る習慣はあったけど、今もその習慣は続いているんだよ」というように、「今も走っているのだ」というのを強調したい場合に、Mike said that he runs〜という形になります。話者の気持ちで、時制の一致の原則が崩れる、という例です。 これは、入試の文法問題として問われることは無いと思って良いでしょうすが、英作文する際には、「時制は客観的に考える」ということを念頭において下さい。その際、時制の一致のルールとぶつかったならば、「客観的な時制」の方を優先して考えるようにしましょう。 |
質問: This river is dangerous to swim in. 「この川は泳ぐには危険だ」 この文のto doは副詞的用法とありますが、この例文を To swim in this river is dangerous. と書き換えられると考えると、これは名詞的用法ということになります。この区別のところで混乱してしまうのですが……。 回答: はじめに断っておきますが、このような分類は「用法を整理する」ために使う物で、「このto doは何用法か」ということを「意味」を超えて認識する必要はありません。つまり、「A is 形容詞 to do」の形も「It is 形容詞 to do」の形も、訳すことができ、正確に書く(話す)ことができれば、「何用法か」はあまり重要ではありません。解釈・発話の手助けとして文法があるわけですから、それを超えた部分まで文法を意識する必要はありません。 それをふまえた上で、ご質問に答えていきます。 同じような意味でも、文の中での役割が違うということです。そもそも、目的語の有無という、形の上でも大きな違い がありますし。 This river is dangerous <to swim in>. これは、dangerousの内容を詳述する、つまり形容詞を修飾するので副詞的用法です。 一方、 [To swim in this river] is dangerous. や、 It is dangerous [to swim in this river]. これらは、to do部分が主語になってますから、(名詞しか主語になれませんので)名詞的用法になります。 意味が同じでも、構文が変わることはいくらでもあります。It seems that SV と S seem to do は同じ意味ですが、文構造は全く違いますよね。日本語でも、「美しい」は形容詞ですし、「美麗だ」だと形容動詞になります。意味と形は、一致するとは限らないのです。 |
質問: Susan, do you know when our performance evaluations are due? I can't find e-mail with the instructions Mr. Paulson sent us for completing them. (1)instructions とMr. Puulson の間は関係副詞のwhereが省略されていると解釈しましたが正しいでしょうか? (2)sentは第四文型をとる動詞で間接目的語はus、直接目的語はthem、for completing は副詞節と考えましたがあっていますでしょうか? (3)上記(1)(2)と考えていたのですが、for completing themが副詞句で直接目的語が抜けているのかという気がしてきました。でもthem= performance evaluations と思いますし……混乱しております。意味を考えるとMr. Paulson が送ったものはe-mail ですよね。 (4)Mr. Paulson 以下はe-mail を先行詞とするwichまたはthatが省略されている関係代名詞節のようにも考えてしまいます。 この文章を書いていて、再度意味を踏まえ考えました。(4)が正しい気がしています。 回答: (4)が正解です。 sendは、基本的に「send 人+物」の第4文型をとりますので、send usのうしろが欠けている→節が不完全→関係代名詞節と考えます(参照:関係詞 1の最後の項)。[e-mail with the instruction] (Mr. Paulson〜)という構造です。 関係副詞節は文の要素に欠けている物がないので、(1)はあり得ません。 (2)だと、forは前置詞なのでcompletingは動名詞になりますが、completeは動詞としては必ず他動詞=目的語を要する動詞になりますので、うしろのthemをcompleteingのOと考えねばなりません。つまり、for completing themで1つのかたまりです。動詞が他動詞か自動詞かは、その語の意味と一緒に押さえておくべき事項です。 また、確かに副詞句が被修飾語のすぐそばにくることはあり得ますが、それは「本来の場所(文頭や文末)に置くと誤解が生じてしまう場合」に限ります。ましてや、長い副詞句のあとにポツンと1語のOが来るというのは、通常は考えにくいです。英語は、長いかたまりはなるべく後ろに置こうと考える言語ですから。 直接目的語がやたら長い句になっていたらあり得なくもないですが、それでもSVOOで2つのOの間に副詞句を入れるのは、私の記憶にもあまりないです。 訳すだけで言えば(つまり文法問題でなければ)、(1)と考えてもあまり問題はないですけどね。名詞のあとにSVのかたまりがあれば、とにかく形容詞節(名詞を修飾)とすれば、意味をとる分には問題ないですから。 |