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報じ方 (2008 4/29 0:00)

「フリーチベット」の叫び届かず亡命2世 泣きながら乱入 聖火リレー(4/26産経)
 ハプニングは突然起きた。JR長野駅や善光寺周辺と比べて、比較的観客の数が少ないコース中ごろの沿道。「フリーチベット!」。チベットの旗を握りしめた男がロープをまたいで車道へ飛び出し、聖火ランナーの列に飛び込んだ。警官隊に取り押さえられ、地面に顔を押さえつけられながらも、「フリーチベット」の泣き叫ぶような声は消えない。
 男は、台湾に住む亡命チベット人2世の古物商、タシィ・ツゥリンさん(42)。「私はオリンピックに反対しているわけではない。ただ、チベットの惨状を全世界に訴える絶好の機会だと思っている」。この日朝、沿道の別の場所でチベットの旗を広げていたタシィさんは記者にそう話していた。
 タシィさんは、中国のチベット侵攻後の1959年、チベットからインドに亡命し、その地で生まれた。紛争は直接経験していないが、父親の壮絶な体験がタシィさんの心に刻み込まれている。
 父親は紛争の最中、政治的理由で中国公安当局に拘束され、死刑を宣告された。しかし執行の前日、一か八か、小さな窓から絶壁に向かって飛び降りて脱走、一命を取り留めた。その後、夫婦で当時7歳だった兄を連れて2週間かけて、命からがらヒマラヤ山脈を越えたという。
 「チベット独立は両親の悲願でもある。それを実現するためには、残りすべての人生を犠牲にする覚悟がある」
 チベット難民として暮らしたインドでは、常に「どこにも所属しないホームレスのような感じだった」。しかし、ダライ・ラマ14世の言葉に接し、考え方が変わった。「チベットはチベット人のもの。暴力を使わず、平和的に訴えることで、私たちの『自由』を取り戻したい」。
 タシィさんは25日夜に長野入り。タイの聖火リレーでも抗議活動に参加したが、そのときと比べると、日本のほうがチベット支援者が多いことに驚いたといい、「応援してくれる日本のみなさんに感謝している」と述べていた。
(一部抜粋)

 この話が、毎日や朝日に書かれるとこうなる。

聖火リレー:日本を離れ韓国に 逮捕6人…大きな混乱なく(4/27毎日)
 ほかに同容疑で現行犯逮捕されたのは▽北京五輪卓球日本代表、福原愛さん(19)を妨害しようとした台湾籍の建設作業員(42)▽東京都中野区の会社員(38)▽世田谷区の無職(25)の3人。また、愛知県津島市の自営業者(63)は聖火に向けて投げたトマトが警官に当たり、暴行容疑で現行犯逮捕された。
 調べに対し、川崎市の会社員は「チベット問題を訴えたかった」と話し、台湾籍の建設作業員は「中国人がたくさんいたので興奮した」と供述しているという。【藤原章博】
(一部抜粋)

騒然長野聖火リレー 投げ込み・乱入など6人逮捕(4/26朝日)
 県警はトマトを投げた男を暴行容疑で、4人を威力業務妨害容疑で、それぞれ現行犯逮捕。沿道から火のついていない発煙筒と抗議ビラを投げ込んだ神奈川県の会社員の男(33)を暴行と道交法違反の容疑で逮捕した。いずれも容疑を認めており、神奈川県の30歳の男は「チベット問題の解決を訴えたかった」、台湾人の男は「中国人がたくさんいたので興奮した」などと話している。また、県警は観客同士の暴行、傷害事件2件を調べている。(一部抜粋)

 血が上った短気者というイメージしか浮かんでこない書きよう。
 まぁこれは、実際にタシィさんが語った言葉を引用しているだけだろうから、理解の範囲内。次に引用するデイリーの記事は、あまりにも酷すぎる。

愛ちゃんにチベット旗男“乱入”(4/27デイリースポーツ)
 「北京五輪聖火リレー」(26日・長野市内)
 第19走者・福原愛選手(19)の笑顔が一瞬、凍りついた。松岡修造さんから聖火を引き継いだ約1分20秒後。突然、左の人垣から男が飛び出した。すぐに警備隊に取り押さえられたものの、手にはチベットの旗を持ち、何事かわめいていた。
 かつて中国超級リーグに参戦し、現地では今でもアイドル級の人気。チベットとの対立構造の中、男に余計な“妄想”がふくらんだのか?威力業務妨害で長野県警に現行犯逮捕されたのは、チベットと同様に中国からの独立問題を抱える台湾在住の男(42)という。
 幸いケガもなく、無事に聖火をつないだ愛ちゃんは「ちょっと驚いた。何が起きたのか分からなかった」と話した。関係者も「ショックはない」と説明し、午後には帰京し、練習で汗を流して“悪夢”を振り払った。


 いくらスポーツ紙でも、これは酷すぎるのではないか。もはや変質者扱いである。


 ところで。
 
 聖火リレー本来の趣旨を考えれば、「何のための聖火リレーか?」と言わざるを得ない聖火リレーだった。しかし、中共の異常性が喧伝されるという聖火を思えば、これほど意義のある聖火リレーは過去無かった。ふつう、聖火リレーなどやったかどうか分からぬままに終わっている物。注目されたがゆえに、中共の人権抑圧ぶりやプロパガンダの方法論が白日の下に晒された。まことに意義あるリレーであった。

 読者の方からメールで教えていただいたのだが、客観的な目でレポートされているサイトがあったので紹介しておく。現場の雰囲気がよく伝わってくる。
http://www.ami3s.net/odekake/20080426/index.htmlhttp://www.ami3s.net/内のページ)


業務連絡 (2008 4/29 0:00)

 ゴールデンウィーク中は、更新は適当にやります。休みの日は訪問者少ないし、先週後半から酷い風邪を引いてるし、飼ってた鳥が死んでかなり落ち込んでるし。



思いやり予算 (2008 4/28 0:00)

思いやり予算 日米同盟にカゲ 求められる透明性(4/25産経)
 「思いやり予算」に関する新特別協定案が、19年度内に承認されなかった上、参院で否決されたことは、日米同盟に暗い影を落とした。ただ、国会審議では、民主党など野党の指摘で遊興施設の労務費など不適切な支出が次々に指摘された意味合いは大きい。財政難にあえぐ日本政府にとって、思いやり予算の負担は軽いとはいえないだけに、経費の透明性をめぐる論議は今後ますます活発になりそうだ。(加納宏幸)

 「思いやり予算はあまりにも高くなりすぎている。もう一度原点に立ち返って議論することが必要ではないか」
 25日の参院本会議では、民主党の白真勲参院議員は反対討論で「思いやり予算」を厳しく批判。賛成討論した自民党の浅野勝人参院議員も「野放図な財政支出は許されない。今回の負担軽減は到底満足できる数字ではない」と政府に苦言を呈した。
 実際には、日本側は新協定締結に向けた日米協議で光熱水料や労務費の大幅な削減を求めてきた。石破茂防衛相も米軍基地で働く日本人従業員の給与水準が高いことなどを問題視。思いやり予算についてゼロベースから見直しを進めるべきだとの考えを示していた。
 日米安保をめぐっては、ミサイル防衛(MD)システムの整備に加え、在沖縄海兵隊のグアム移転費用など今後も巨額な負担が発生する。納税者の理解を得ながら着実に防衛力を整備していくには「米側にも目に見える努力が必要だ」(政府高官)との思いがある。
 これに対し、米政府は、イラク、アフガニスタンでの巨額の戦費に苦しんでおり、中国の軍備拡大など北東アジア情勢の不安定化を理由に日本側に「応分の負担を」とさらなる財政負担を要請。結局、減額したのは8億円だけだった。
 新特別協定案の審議を通じ、野党は経費支出の不適切さを徹底追及。民主党の渡辺周衆院議員は「思いやり予算」にボーリング場マネージャーやバーテンダーの給与まで含まれることを指摘し、「なぜ私たちの国家が米兵の休日の遊興費にまで税金を出さなければいけないのか」と批判した。
 これまでスルスルと審議を終了していた「思いやり予算」の問題点が浮かび上がったのは、衆参ねじれによる与野党拮抗の“成果”ともいえる。
 ただ、日米両政府が署名した特別協定の承認が遅れ、約1カ月間の空白期間が生じたことで、米政府が迅速に政策遂行できない日本政府に不信感を強めたことも事実だ。しかも参院では現行憲法下初めて条約を否決。自衛官出身の佐藤正久参院議員(自民)は「米国だけでなく周辺諸国に誤ったメッセージを送ることとなった」と日米同盟の将来に強い危機感を示した。


 「思いやり予算」というネーミングが気持ち悪いのは措くとして…。

 現実として、今の日本は自前で国防をおこなうことはできず、米軍の協力は必要不可欠である。もちろん、危機の際に本当に米軍が動くかという疑問はあるのだが、かといって畸形憲法を擁している現状で米軍を当てにしない方策は、現実的ではない。
 アメリカに防衛を委ねている現状を思えば、日本が応分に負担するのは当然の論理である。日本の国防を(形式的であれ)委任しているのに、日本が何も負担しないというのは筋が通らない。「金を払う」ことで安全を手に入れているのだとすれば、多少の出費は安いものだろう。

 ただし、アメリカに国防を委ねることを前提にしたままでは、「自存自立」の精神が培われず、お金では計算できない大切なものを失っているとも言える。経済的観点からのみ思いやり予算を捉えるのは誤りであり、その視点で言えば、「思いやり予算が米兵の娯楽なんぞに利用されているのはけしからん」というのも片手落ちの主張である。

 憲法9条を擁して国軍を持たない状況では、アメリカとの交渉すらままならない。アメリカを頼りにする以外の選択肢がないからだ。選択肢を増やすには、憲法を改正して自衛隊を日本軍に改めなければ、始まらない。私たちの税金が遊興に使われるのは腹立たしい限りではあるが。

 将来的には、日本軍が日本防衛の主体となり、それを補う形で米軍の協力を仰ぐというのが望ましいのだが、憲法改正の動きは安倍政権崩壊以後、すっかり滞ってしまった。


文革 (2008 4/28 0:00)

 熱狂する中国人留学生の姿を見るに、リアルタイムでは知ることができなかった文化大革命の一端を窺い知ることができた気がする。

 なお、リレーのゴール地点には中国人のみで入りが許され、日本人は別の場所に閉め出されたことに対しては、長野県警を責める気にはなれない。たぶん、上からのお達しがあったのだろう。警察官も、心の内で悔しがっていたのだ…と信じたい。



聖火リレー (2008 4/27 0:00)

 長野に翻る中共の国旗に、いったいここはどこの国だと首を傾げることしきり。旗の多さもさることながら、一つ一つの旗がデカすぎる。聖火リレーを応援しているのは動員をかけられた中共の留学生ばかりで、日本人のほぼ全員が等しく「何のための聖火リレーか」という思いを強くしたことと思う。
 赤い中共の旗がはためく姿は異様ではあったが、中共や中国人留学生のマッドっぷりが日本中に喧伝されたわけで、中川秀直の「1000万人移民を受け入れよう」とか、「在日外国人にも参政権を」という主張は、多少なりとも通りにくくなったのではないか、と。

 BBCの記事を見るに、日本人の中共のチベット弾圧を許さないという意思は、世界に伝わったようだ。ついでに中国人の狂乱ぶりもガンガン伝えて欲しい。日本のメディアは…言わぬが花か。

 ちなみに、反戦とか反米方面でご活躍の人権団体の中に、チベット人への人権侵害に抗議すべく長野に姿を現した奴らはいました?

 聖火リレーに関しては、水尾。さんの4/26付エントリが詳しいので、参照されたし。



なんたる開き直り (2008 4/25 0:00)

問題の牛肉「誤って出荷」 時々起こると米農務省(4/24共同)
 【ワシントン23日共同】米農務省は23日、伊藤忠商事が輸入した米国産牛肉から輸入が認められていない特定危険部位が見つかったことについて声明を発表し「日本に輸出するものではなかった」として、誤って出荷されたとの認識を示した。
 農務省のウィリアムズ報道官は共同通信に対し、特定危険部位が混入したのは「
700箱中の1箱にすぎず、こうしたことは時々起こる」と述べた。
 農務省は問題の牛肉を出荷したカリフォルニア州の工場に対し「混入の原因が解明されるまで日本への出荷再開を禁止した」ことを明らかにした。


 この発言が事実とすれば、中国並みの開き直りっぷり。700分の1は結構な確率だし、混入が時々起こるんだったら輸入禁止措置を執らざるを得まい。
 狂牛病牛肉に関しては、日本のように全頭検査をすべきか、或いはそこまで神経質になる必要はないと考えるか、人によって考えは異なるだろうが(私はどちらかと言えば後者)、それとは関係無しに決められた約束は果たしてもらわねば困る。約束を守るか否かは、牛肉だけでなく外交関係の全般に影響を与える。

 間違いを認めるだけ中国よりマシだが、まぁどっちもどっちだわな。


悪い冗談 (2008 4/25 0:00)

日本記者クラブ賞に筑紫氏=テレビジャーナリズムに貢献(4/24時事)
 日本記者クラブは24日、今年度の日本記者クラブ賞をTBS報道局キャスター筑紫哲也氏(72)に贈ることを決めた。筑紫氏は1989年からスタートした「筑紫哲也ニュース23」のメーンキャスターとして18年余り活躍。テレビジャーナリズムの確立に多大な貢献をしたことが評価された。

 悪い冗談だ。中国や北朝鮮に「人権賞」を授与するようなものだ。
 中国や韓国、北朝鮮の言い分を垂れ流し、反日思想を前面に出した「ニュース番組」とは名ばかりの洗脳番組を作り続け、「〜という意見があります」と自分の言説に責任を持たない言い方を駆使し続ける、それらのどこがジャーナリズムだというのか。しかも、こいつはたしか日本記者クラブを批判していなかったっけ?批判相手からの賞を蹴るだけの気骨も持ち合わせていないのに、ジャーナリストとは笑わせる。

 このニュース自体は実害がないから悪いジョークで済むが、この男がこれまでやってきた言論活動を思うと、笑い話で済ませたくなくなる。



受け入れと拒否が反対だろ (2008 4/24 1:00)

 青ジャージが2人、伴走するという話はあったが…。。

青ジャージー隊やっぱり来る 長野聖火リレーに100人(4/23朝日)
 日本オリンピック委員会(JOC)の遅塚研一専務理事は23日、聖火が豪州から日本に運び込まれる25日に、北京五輪組織委員会から派遣された100人前後の中国人スタッフが来日することを明らかにした。100人の詳しい役割などは把握していないというが、スタッフの公式ユニホームは青色のジャージー。このうち2人は、26日の長野でのリレーで青色ジャージを着て、「フレームアテンダント」として聖火に伴走するという。
 遅塚専務理事はこの伴走者について「青色のジャージーを着るが、ロンドンやパリなどで見られたような警備の役割をするのではなく、あくまで聖火が消えた場合などに備えるスタッフ。アテネ五輪の聖火リレーが日本で実施された時なども受け入れてきた」と話した。


 一挙に100人。何がフレームアテンダントだ。「聖火が消えた場合などに備えるスタッフ」と嘯いていても、実際にはどんな行動に出るかは全く分からず、信用できない。だいたい「火の管理役」になぜ100人も必要なのか。
 しかも帰るときには人数が減っていました…ってことになったら、目も当てられぬ。

 中国の武装警官は受け入れるのに、こっちの方は拒否したがっているというのが、現政権のクズっぷりを体現しているというか、何ともはや…。

「できれば入国お断り」 国境なき記者団に政府苦慮(4/23朝日)
 北京五輪開会式への不参加を呼びかけている市民団体「国境なき記者団」(RSF、本部パリ)が、長野で26日に予定されている聖火リレーへの抗議活動のため来日を計画していることに、政府が頭を悩ませている。できれば混乱を回避したいが、入国を拒否する法的な根拠が見つからないためだ。
 RSFは、ジャーナリストのロベール・メナール氏らが85年に結成し、01年の北京五輪開催決定時から抗議活動を展開。3月にギリシャで行われた採火式では、メナール氏らが五輪の輪を手錠で描いた旗を掲げ、当局に拘束された。メナール氏らは長野でも横断幕を掲げるなどの抗議活動を予定しており、22日に日本に向けて出発するという。
 これに対し、日本政府は「平穏な目的とは考えづらい。なるべく来日は遠慮してもらいたい」(政府高官)として、入国を拒否できるかどうか検討に入った。
 政府関係者によると、入国の可否を判断する法務省に対し、首相官邸から「拒否できる合法的な理由を見つけるように」と水面下で話があったという。政府高官は「サミットも控えており、混乱は未然に防いで当然だ。報道や集会の自由への侵害と批判される理由はない」と主張する。
 だが、入管法の規定では、警察官に身柄を拘束された過去があっても、1年以上の懲役・禁固刑を受けない限りは「入国拒否理由」には当たらない。鳩山法相は22日の記者会見で「入国拒否は非常に例外的なこと。今のところ、その例外的なケースに当てはまるのではないか、との議論は出ていない」と語った。
 法務省幹部は「どのような目的で長野に行くのかなどの情報が少なく、判断しづらい」。同省は空港での入国審査で、メナール氏が計画している抗議活動が合法的なものかどうかを中心に審査し、最終判断する見込みだ。(餌取稔也、市川美亜子)


 青ジャージを入れるのならこちらも入れねば辻褄が合うまい。だいたい、「警察活動をしようとする輩」と「言論による抗議活動をおこなおうとする人間」と、どちらがより「入国する正当性」を有しているか、まともに考えれば誰でも同じ判断を下すはずだ。法に触れる行動をとったらその時点で捕まえればいいわけで、根拠もなく入国を拒否することは、法治国家として、また言論の自由を標榜する国家としては許されないだろう。



ひとでなし (2008 4/23 1:00)

 判決自体は常識的な物で、私が論評する必要は無かろう。
 朝日のバカ記者の質問には、大いに腹が立ったので、そちらを扱う。

<光母子殺害>【本村洋さん会見詳細(3)】被告の反省文は「生涯開封しない」(4/22毎日)
 −−今回の少年は(犯行時)18歳。ハードルが外れ、今後、少年の死刑判決が続くと思いますか。

本村 そもそも、死刑に対するハードルと考えることがおかしい。日本の法律は1人でも人を殺めたら死刑を科すことができる。それは法律じゃない、勝手に作った司法の慣例です。
 今回、最も尊うべきは、過去の判例にとらわれず、個別の事案をきちんと審査して、それが死刑に値するかどうかということを的確に判断したことです。今までの裁判であれば、18歳と30日、死者は2名、無期で決まり、それに合わせて判決文を書いていくのが当たり前だったと思います。そこを今回、乗り越えたことが非常に重要でありますし、裁判員制度の前にこういった画期的な判例が出たことが重要だと思いますし、もっと言えば過去の判例にとらわれず、それぞれ個別の事案を審査し、その世情に合った判決を出す風土が生まれることを切望します。
(一部抜粋)

http://jp.youtube.com/watch?v=7AjmJ3WnxAU動画はこちら。このフザけた質問が、朝日新聞記者の物であることが分かる。(また、「それは法律じゃない」という言葉の「それ」は、おそらく「2人以上殺さないと死刑にならない」というような慣習のことを指していると思われる。)

 その質問、本村さんに聞く質問ではないだろう。裁判官に対しての質問であれば、まだ理解できる。しかし、この記者は被害者遺族にかような質問をしてのけた。被告への死刑を望んでいた被害者遺族に対し「死刑のハードルが下がったと思いますか?」とホザける非常識・無配慮は、想像の範疇を超えている。私だったら激怒して殴りかかっているだろう。

 朝日としては、本村さんの抱く感情よりも、死刑の適用範囲が広がることに、危機感を抱いていたわけだ。死刑にならざるを得ないような犯罪が犯されたという現実を鑑みず、「死刑はなるべく為されるべきでない」というイデオロギーにしか目が開いていないがゆえの、非人間的な質問であろう。
 その朝日の心理がよく現れているのが、この記事。
変わるか、死刑の臨界点 光市母子殺害(4/22朝日)

 ちなみに、「死刑判決が出て本村さん自身は救われることがありますか」と聞いたヤツもいた模様。頭にウジが湧いているとしか思えない。



空き地 (2008 4/22 0:00)

聖火リレーの新スタート地点は市の空き地に(4/21NNN)
 今月26日に長野市で行われる聖火リレーで、辞退した善光寺に代わる新しいスタート地点について、実行委員会は21日、善光寺近くの市の空き地に決定した。
 実行委員会によると、新たなスタート地点は善光寺から約800メートル南西の長野市所有の勤労者福祉センター跡地の空き地とすることを決めた。リレーのコースは、いったんスタート地点から北上して善光寺方向へ向かい、当初予定されていたコースに戻るという。聖火ランナー80人のうち、善光寺境内を走る予定だった3人が変更ルートを走ることになる。
(以下略)

 スタート地点、空き地。テレビで報道された際は、私は「駐車場でやるのかな」と思っていたが、本当に「空き地」から始まるらしい。嫌がらせとしては非常にレベルが高い。日本らしさが顕著に表れている上品な嫌がらせだ。

 以前テレビで、長野市職員が外国での抗議活動に対して「バカなことやってるよなと思います」と言って批判されたが、もしかしてこの「空き地作戦」のことを知っていたのだろうか?


マレーシアで袋叩き? (2008 4/22 0:00)

<マレーシア>聖火リレーで日本人3人保護 中国人ともめ(4/21毎日)
 【マニラ矢野純一】マレーシアの首都クアラルンプールで21日、北京五輪の聖火リレーが行われた。出発地点の独立広場近くで、チベットの旗を掲げた日本人3人が中国人留学生らに取り囲まれもみ合いとなり、マレーシア警察に保護されて事情聴取を受けた。一連の聖火リレーを巡る抗議活動で、日本人が治安当局に事情を聴かれたのは初めて。
 警察などによると、保護されたのは夫婦と少年。スタート直前、独立広場に集まった観衆の中で「チベットに自由を」と叫び、チベットの旗を掲げた。中国人留学生らが旗を奪おうと取り囲み、警官が3人を引き離した。
 在マレーシア日本大使館によると、3人は同警察で事情を聴かれており、けがなどはない。3人は氏名や年齢の公表を拒んでいる。
 聖火リレーは約1000人の警官に警備されて無事終了した。


 この記事だと、日本人3人の身に危険はあまりなかったように感じられるが、NHKニュースだとニュアンスがかなり違ってくる。

マレーシア 聖火リレーで騒ぎ(4/21NHKニュース)
 北京オリンピックの聖火リレーの開催地となったマレーシアの首都クアラルンプールで21日、会場近くでチベットの旗を持った日本人の家族とみられる3人が中国支持派のグループに囲まれて殴られるなどの騒ぎになり、3人は警察に保護されました。
 地元の警察や目撃者によりますと、聖火リレーが始まる2時間ほど前の日本時間の21日正午すぎにスタート地点の独立広場の近くで日本人の若い男女2人と小さな男の子のあわせて3人が持っていたかばんから大小のチベットの旗を取り出し「チベットに自由を」と英語で叫びました。これを聞いた
数十人の中国支持派のグループが3人に詰め寄り、男性の体を中国の国旗で覆って殴ったりけったりし始めたということです。このため、周囲の警察官が3人を群衆から引き離して保護し、現在も警察で事情を聞いています。現場に居合わせた地元のカメラマンは「3人は家族だと言っていた。中国支持派のグループは集団で男性を袋だたきにし、見ていて非常に乱暴だった」と話していました。一方、現地の日本大使館によりますと、3人にけがはないということですが、旅行者なのかなど詳しいことはまだわかっていません。また、リレーの直前、マレーシアの女性1人が同じように「チベットに自由を」と叫んでいたところ、中国からの留学生のグループに取り囲まれて、小競り合いになる一幕もありました。

 数十人に袋叩きにあったということになる。ただ、それだと「怪我はない」というのがよく分からない。また、殴った側の中国系グループがどうなったかも、記事からは分からない。

 海外のも当たってみると、

Olympic torch starts Malaysia leg amid high security as Japan route altered(4/21AFP)
 "A Japanese family and their son were waving a Tibetan flag when they were set upon by Beijing Olympic supporters in the Independence Square," senior police official W.Karthik told AFP.
 An AFP reporter who witnessed the incident said a group of Chinese nationals hit the Japanese family and their child with plastic air-filled batons and shouted: "Taiwan and Tibet belong to China."
 Malaysian police then quickly intervened and took the Japanese family away.
 "They have been taken away to a police station for documentation (of their travel details)," Karthik said.
(一部抜粋)

 AFPの記事も、日本で報じられている以上に詳しいわけではない。「台湾とチベットは中国の物だ」と中国人が叫んでいた、というくらい。

 詳しいことはよく分からない。現時点で言えるのは、子供が一緒にいるときに危険な行動をとるのは親として無責任だ、ということだ。もちろん、暴力行為に及ぶ中国系グループがクズなのは言うまでもないのだが。


ボーナス (2008 4/22 0:00)

「北朝鮮へのボーナスある」=韓国大統領に伝言依頼−福田首相(4/21時事)
 「北朝鮮を説得するとき、(日朝国交正常化の暁には)『日本からのボーナスがある』と話してほしい」。福田康夫首相は21日の日韓首脳会談の席上、韓国と北朝鮮が相互に連絡事務所を常設する構想が実現すれば、国交正常化後に経済協力をするとの日本の基本的立場を北朝鮮側に伝えるよう依頼した。
 韓国側の説明によると、李明博大統領は今後、北朝鮮に連絡事務所設置を改めて提案する方針であることを説明。首相はこの構想が実現することを前提に「(北朝鮮への)ボーナスがある」と2度発言、念押ししたという。


 好意的に見れば、膠着した北朝鮮問題を動かすため、北朝鮮をおびき出すためのエサを示した……ということになるんだろうが、福田さんのことを考えると、文字通り北朝鮮にボーナスをあげたがっているように思えてくる。
 また、北朝鮮は、利益を得ても約束は反故にするのが慣例。ゆえに交渉材料を示すと、かえって北朝鮮から何も引き出せなくなってしまう。核問題に絡んでさんざん譲歩を示したアメリカが結局何も得られていない現状を見れば、誰でも分かる。

 もう退陣は間近なんだから、アホな約束はしないで寝ていてくれ。てか、ボーナスに福田さんの身柄をあげるってことで。



それはお前らの得意技だろ (2008 4/21 0:00)

人民日報、人権問題でダライ・ラマを非難(4/19CRI)
 中国の新聞「人民日報」海外版は19日署名入りの文章を発表し、人権問題でダライ・ラマを強く非難しました。
 この文章は、「1948年の12月、パリで開かれた国連総会では『世界人権宣言』を採択した。この宣言には、いかなる形式の奴隷制度と奴隷売買は禁止されるべきだと明記している。昔のチベットではダライ・ラマが領主であり、邪悪勢力の代表であった。当時、ダライ・ラマの生誕記念日を迎えるため、農奴は生きたまま皮を剥がされ、内臓を抉り取られ、首を切られたりした。これは人間のやることではない。。ダライ・ラマは『人権』を論じる資格がまったくないのだ」と指摘しています。


 敬虔な仏教徒が、皮を剥いだり内臓を抉ったりするか?むしろ、ちょいと三国志など中国古典に興味を持っていれば、皮剥や内臓抉りは漢民族の得意技だということを知っているだろう。つまり、漢族が自分の物差しで「チベット人の暴挙」を捏造した、ということだ。

 このでっち上げを大々的に世界に喧伝して、日本の「大戦中の悪行」もこのように捏造されたんだ、と知らしめるべきじゃなかろうか。日本の悪行の殆どは中共が捏造した物だと知らしめる、いい機会だ。


だってホントに関係ないし (2008 4/21 0:00)

「そんなの関係ねえ」の空幕長発言、原告団が抗議(4/19日経)
 航空自衛隊のイラク空輸活動を違憲とした名古屋高裁判決を受け、防衛省の田母神俊雄航空幕僚長が「『そんなの関係ねえ』という状況だ」と述べたことに対し、原告で「訴訟の会」の池住義憲代表らは19日「司法判断を愚弄して判決の価値をおとしめようとするもので、許されない」とした抗議文を防衛省に送った。
 抗議文は「政府や防衛省の『本音』を端的に示したもので『憲法なんて関係ねえ』と発言したに等しい。三権分立を否定した発言の責任は厳しく問われなければならない」としている。
 田母神航空幕僚長は18日の定例会見で「隊員の心境を代弁する」として発言をした。〔共同〕


 空幕長が発言すべき語彙かどうかは確かに疑問有りだが、述べている内容は何の問題もない。判決は「原告の訴えを棄却」であり、自衛隊の活動に制限を与える物ではないからだ。違憲だなんだという部分は、裁判官の独り言だからなんの影響力も持たない。

 「軍人が司法を無視」とか言うバカも(沖縄の新聞に)発生しているらしいが、判決と傍論の仕組みも分からないバカが司法を語るな、というバカバカしいお話。



くだらない傍論 (2008 4/19 1:00)

 バカバカしいこと限りないが、一応触れておく。

「空自イラク派遣は憲法9条に違反」 名古屋高裁判断(4/18朝日)
 自衛隊イラク派遣差し止めなどを求める集団訴訟の控訴審判決のなかで、名古屋高裁(青山邦夫裁判長)は17日、航空自衛隊が首都バグダッドに多国籍軍を空輸していることについて「憲法9条1項に違反する活動を含んでいる」との判断を示した。ただ、結論は原告側の敗訴とした。
 各地で提起された同種訴訟で違憲判断が示されたのは初めて。「実質的な勝訴判決」と受け止めた原告側は上告しない方針を表明している。勝訴した被告の国側は上告できないため、今回の高裁判決は確定する見通しだ。

 判決はまず、現在のイラク情勢について検討。「イラク国内での戦闘は、実質的には03年3月当初のイラク攻撃の延長で、多国籍軍対武装勢力の国際的な戦闘だ」と指摘した。特にバグダッドについて「まさに国際的な武力紛争の一環として行われている人を殺傷し物を破壊する行為が現に行われている地域」として、イラク復興支援特別措置法の「戦闘地域」に該当すると認定した。
 そのうえで、「現代戦において輸送等の補給活動も戦闘行為の重要な要素だ」と述べ、空自の活動のうち「少なくとも多国籍軍の武装兵員を戦闘地域であるバグダッドに空輸するものは、他国による武力行使と一体化した行動で、自らも武力の行使を行ったとの評価を受けざるを得ない」と判断。「武力行使を禁じたイラク特措法に違反し、憲法9条に違反する活動を含んでいる」とした。
 さらに判決は、原告側が請求の根拠として主張した「平和的生存権」についても言及。「9条に違反するような国の行為、すなわち戦争の遂行などによって個人の生命、自由が侵害される場合や、戦争への加担・協力を強制される場合には、その違憲行為の差し止め請求や損害賠償請求などの方法により裁判所に救済を求めることができる場合がある」との見解を示し、平和的生存権には具体的権利性があると判示した。
 ただ、今回のイラク派遣によって「原告らの平和的生存権が侵害されたとまでは認められない」と述べ、1人1万円の支払いを求めた損害賠償は認めなかった。また、訴えの利益を欠くなどとして、違憲確認や差し止め請求はいずれも不適法な訴えだと指摘。原告側敗訴とした一審・名古屋地裁判決の結論を支持し、原告側の控訴を棄却した。


 おみくじを何度も何度も引いて、何十回と引いたところでやっと大吉が出たら、やたらとその大吉が出たことを吹聴する、それまでに引いた何十回というおみくじはなかったことにする……そんなヤツが神社にいたら、はり倒したくなりますな。原告のやっていることはその類で、同じような訴訟を至るところで起こし、気に入った内容の判決が出たらそれを以て大々的に騒ぐ、と。
 しかもマスコミがまた、「裁判官の傍論」、つまり何の影響力も無い独り言を、さも「大きな影響力を持つ言葉」のように騒ぎ立てるから始末が悪い。朝日は、18日は1面、2面、社説、社会面と大騒ぎ。よっぽど嬉しかったのだろう。

 さらに、原告の請求自体は棄却して、違憲判断に不満を感じた国が上告する道を絶つという、裁判官の非道っぷりも酷い。ちなみにこの裁判官、3/31に依願退官しており、判決は代読だったらしい。左巻き裁判官の最後っ屁、ということのようだ。

 最もバカバカしいのは、憲法9条という「まともな国家にあるまじき条項」を根拠に自衛隊派遣の是非を判断しているところ。まともでない代物を元に判断を下すのだから、出てくる判断がまともなはずがない。
 要するに、アホ判決も出てきてしまうことだし、とっとと畸形の憲法を変えるべき、ということだ。「戦闘地域だから軍隊を派遣できない」なんてアホな国が、どうして信用されようか。



メディアの印象操作 (2008 4/18 0:00)

新医療制度、保険料天引き開始 制度に不信「家賃ぐらい高い」(4/15北海道新聞)
 後期高齢者医療制度の保険料の年金からの天引きが十五日、全国で始まった。保険料の算定ミスなどトラブルが相次ぐ中のスタートだけに、道内の金融機関窓口では、負担増になる年金暮らしのお年寄りから生活への不安の声が漏れる一方、制度の周知不足などを指摘する声が相次いだ。
 道内の市で最も高齢化が進む夕張市。夕張郵便局では、通帳の記帳に訪れた市内の主婦(74)が、夫(81)の保険料二万四千五百円(二カ月分)が天引きされているのを見て「家賃と同じぐらい引かれている」と、ため息をついた。
これまで世帯で払ってきた国民健康保険の保険料に比べ、千円程度の負担増。「財政破たんで税金が上がった上、灯油代や病院代も増え、負担は重い」。夫の生命保険を解約するつもりだという。(以下略)

 1000円程度しか負担が増えていないのに「家賃くらい高い」。家賃くらい高いのは、前からじゃないか。そのくせ、この見出し。だから、後期高齢者医療制度が本当に国民の負担増になっているのか、判断がつかんのだ。
 後期高齢者医療制度の周知の不備には、政府のみならず、必要な情報を国民に伝える役目を担うマスメディアにも責任の一端があるといわざるを得ない。にもかかわらず、その点を反省せずにあまつさえ印象操作をおこなってまで政府批判に利用するメディアの姿勢には、呆れるよりほかない。

 ちなみに保険料が2ヶ月で24,500円ということは、年収はかなりの物じゃないか?昨日「本当に負担増?」という文で取り上げた記事を参考にするならば、年収300万を超えると思われるのだが。


国≠政府 (2008 4/18 0:00)

4/17付朝日新聞「天声人語」
 劇作家の島村抱月が「スペインかぜ」で急逝するのは1918(大正7)年の秋だ。相愛の女優、松井須磨子は2カ月後に自ら後を追い、劇中歌「ゴンドラの唄」の詞〈いのち短し恋せよ少女(おとめ)〉を地でいく。大正ロマンに影をさすこの病は、日本だけで40万人の命を奪った▼90年前と同様、鳥インフルエンザが人から人にもうつり始め、免疫のない人類に大流行――。これが今語られる新型インフルの恐怖だ。国内で数十万人が亡くなると心配される新型ウイルスへの備えが、いよいよ動き出す▼感染の危険に身をさらす医師や検疫官ら6千人へのワクチン接種が、世界に先駆け年内にも始まるという。副作用がないと確認されれば、他の医師、看護師、警察官や国会議員ら「社会機能の維持にかかわる」1千万人への接種も考える▼国が備蓄する2千万人分のワクチンは、鳥インフルのウイルスから作った「大流行前ワクチン」で、未知の新型に効く保証はない。新型が出現したら、それをもとに全国民分を大急ぎでそろえるしかない▼感染症でも地震でも、今見えぬ敵に備えるのは難しい。恐ろしげな数字が独り歩きし、逃げ場のない人々は焦るか、思考停止に陥りかねない。右にパニックの谷、左に絶望の淵(ふち)。間の細道で「国家の総合力」が試される▼政府の意識調査によると、国を愛する気持ちが他より強いと答えた人が57%もいた。77年にこの質問を始めて以来の記録という。そういう民であればこそ、国は人事を尽くして守らねばならない。「愛される者」の務めである。

 前半はどうでもいい。気になるのは末尾、「そういう民であればこそ、国は人事を尽くして守らねばならない。「愛される者」の務めである。」という部分。愛国心と言うときの「国」は、決して「政府」とイコールではない。そこを混同するのは、天声人語子がアホなのか、故意なのか。「愛国心は政府を盲信することであり危険だ」とする普段の朝日の論調を考えれば、朝日らしい混同ではある。

 ついでに言えば、「国家の総合力」には、当然マスメディアの成熟度も含まれるだろう。明らかに国にマイナスを及ぼしている朝日クンが「国家の総合力」を云々するなど、お笑いぐさでしかない。


都合のいい歴史教育 (2008 4/18 0:00)

集団自決の指導で事例集=教科書削除の「軍強制」肯定−沖縄県教委(4/17時事)
 沖縄県教育委員会は17日、高校歴史教科書の沖縄戦の集団自決の記述から日本軍の「強制」の文言が削除されたことを受け、県立の全60高校に「強制」を肯定する内容の指導案事例集を配布したと発表した。県教委は「これまでの指導を継続し、沖縄戦の実相を正しく伝えるためにまとめた」と説明している。
 これまで14校の歴史や総合学習の授業で行われていた沖縄戦の指導例計20例を基にまとめた。集団自決命令の有無をめぐる元日本軍隊長と作家の大江健三郎さんらの訴訟で、集団自決の体験を証言した沖縄キリスト教短大の金城重明名誉教授や、沖縄戦の専門家の林博史関東学院大教授の著述からも引用した。


 史料(或いは証言)を精査し実証的に検討するという歴史学の基本も分からぬバカどもが、歴史教育に関わるべきではない。このような各自治体の教育委員会の暴走が許されるとすれば、左巻きや右翼の好き勝手な歴史教育を許すことになる。文科相が手を出すとまた左巻きやメディアが総叩きをするだろうから、ここは歴史学者が批判を加えるべきだ。



自分の欲求>人の犠牲? (2008 4/17 10:30)

「人の夢摘むなら根拠示して」代理出産報告書で向井亜紀さんインタビュー(4/17産経)
 日本学術会議が16日、代理出産を「原則禁止」とする一方で、限定的な試行を認める報告書を法相と厚生労働相に提出した。代理出産で子供を授かりたいと考える人にとっては厳しい内容だ。米国での代理出産の経験が今回の議論のきっかけともなったタレントの向井亜紀さんに聞いた。(神庭芳久)(以下略)

 発言の幾つかを抜粋しながら、批判してみる。

 向井さんは報告書について、「自分と血のつながった赤ちゃんを抱きたいと思う人の夢を摘み取るなら、摘み取るだけの根拠をきちんと示してもらいたい」と反発する。そして「立法化に向けては当事者の声を十分に吸い上げて議論してもらい、救済する道をつくってほしい」と訴えた。

 代理出産を容認する人、推進する人に共通するのは、代理母となる側の女性や、代理母から生まれる子供について考慮することが殆ど無い、ということだ。「自分と血の繋がった赤ちゃんを抱きたいと思う人の夢」は、別の女性を「産む機械」に仕立て上げてまで成就せねばならないものなのか。そこまでしても正当化できるものなのか。「摘み取るだけの根拠」を示す以前に、「摘み取らなくても良い」と言える根拠こそ示されるべきではないか。

 また、おそらく向井氏の言う「当事者の声」とは、代理母を求める側の声であろうが、最も配慮すべきは、代理母となる女性の声である。しかも、家族内のパワーバランスの問題があり、代理母になることを決断するときに自由意思が担保されるのが確実でない限り、代理母になる女性の声は正確な物とは言えなくなる(例えば「姑に言われたから義姉(or義妹)の代理母になることを拒めない嫁」を想像するといい)。

 「おかしいのは子の福祉を最優先すべきなのに、子供の存在に目がいっていないこと。私の場合、米国の代理母は親である権利も義務も放棄している。そういう人を親とすることがどう福祉にかなうのか。最高裁の決定にも感じたが、今回の報告書も理論の積み上げが整っていない。バランスが悪いと思う」と指摘する。

 「既成事実を作り上げることで無理矢理に代理母制度を認めさせようと強行突破を図った女」が「子の福祉を最優先すべき」とは、よく言えたものだと呆れる。子の福祉を本当に考えるならば、環境が整っていないのに国外で代理母出産をしておきながら「日本は環境整備が為されていない、私の要求を受け入れろ」という筋の通らない主張はしない。養子縁組すれば問題ないのに、それを拒んでおいて子の福祉を云々するなど、不条理極まりない。

 また、報告書に対して理論の積み上げが為されていないと批判しているが、むしろ向井氏をはじめ、代理母制度を容認する向きこそ理論の積み上げが為されていないと感じられる。子供を産みたいという欲求ばかりが主張され、代理母や子供に対する視点が完全に欠落しており、そこには情緒は感じられても論理は全く感じられない。

 積み重なる問題が解決されねば、制度として認めるべきではない。ゆえに、問題山積の現状において、敢えて代理母制度を認める合理性は、無い。
 先に述べた、代理母となる側の自由意思が担保されるのかという問題がある。代理母の生命の危険がゼロでない以上、自由意思の担保は必要不可欠だ。また、生まれてくる子供にまつわる問題もある。戸籍の問題のみならず、子供のアイデンティティ形成に少なからぬ影響が考えられる以上、それに対応する手立ても考えられておかねばなるまい。さらに極端な例も考えれば、例えば子供が障害児だったときや、代理母が「自分の子だ」と主張してしまったときにどう対応するかも、決めておかなければならないだろう。

 仮に今挙げた問題点がすべてクリアされて、なおかつ代理母を要求する女性達の「我が儘な自己愛」が全く見られなくなれば、私も代理出産には反対しなくなるだろう。前者はともかく、後者は絶対に実現しないと思うが。

 向井さんは「これから代理出産を考える人を迷わせないためにも、法的に親子関係がないと宣告された私たちのような家族だって、一つ屋根の下で楽しく暮らしていけることを証明できるよう丁寧に生きていきたい」と話している。

 「代理出産を考える人を迷わせないため」という考え方は、どうにも私には受け入れられない。むしろ、代理出産することに迷うような人間でなければ、人として重要な倫理観が欠落しているとしか思えない。


 余計かもしれないが私個人のことを言っておくと、結婚して5年になるが未だに子供ができない。子供は欲しくて仕方ないが、できない。女性と同じ気持ち…とまで言うつもりはないが、それでも子供ができないことのつらさは、それなりに分かっているつもりだ。


本当に負担増? (2008 4/17 2:00)

 騒がれている後期高齢者医療制度。マスコミの報道の仕方が扇情的で、実際に何が問題なのかが非常に分かりにくい。「天引き」を問題にする向きもあるが、余計な手数料を払わずに済む、或いは年金受け取りと同時に手続きできるという意味では、むしろ歓迎すべき仕組みではないのか(お役所が取りっぱぐれることがない仕組み、ということで印象が悪いのかもしれんが、そんな物はイメージの問題でしかない)。「負担増」という話もあるが、こんな記事もある。

後期高齢者医療制度、保険料は月1800〜1900円程度減(4/4読売)
 厚生労働・総務両省は4日、今月から始まった75歳以上を対象とした後期高齢者医療制度の月額保険料(全国平均額)について、従来の国民健康保険と比較し、<1>国民年金受給者(月6万6000円の場合)は、2800円が1000円程度に減る<2>平均的な厚生年金受給者(月16万7000円の場合)は、7700円が5800円程度に減る――とする調査結果を公表した。
 保険料は2年ごとに見直される。高齢化により、将来は保険料が引き上げられる可能性が高い。
 会社員である子供らに扶養され、これまで保険料が不要だった高齢者は、9月末まで保険料が全額免除される。10月以降の半年間は保険料が9割軽減され、月350円程度となる。来年度は5割軽減されるため、月1700円程度となる。
 保険料は原則、今月15日支給の年金から天引きが始まる。天引きの対象者は全国に約793万人いる。


 ただ、これは厚労省による「大本営発表」だから、信用性はいまいち。こんな記事もあるし。

後期高齢者医療制度:新制度、来月スタート 75歳以上、変わる保険(3/25毎日)
 「保険料はいくらになるのか」「加入手続きは必要なのか」−−。75歳以上を対象とした新しい医療制度が4月1日からスタートするのを前に、市町村の窓口に多くの問い合わせが寄せられている。月内には1人に1枚ずつ被保険者証が配られるが、加入していた保険制度や個々の年金額(収入)などにより保険料や納付方法も異なるので注意が必要だ。【有田浩子】

 ◇都道府県で異なる負担
 東京23区に住む2組の高齢者夫婦を例に、保険料の変化をみよう。2組を仮に、佐藤さん、鈴木さんとする。どちらも今は国民健康保険に加入し、収入は夫が厚生年金201万円(05年の受給者平均額)、妻は基礎年金(国民年金)のみ。
 2組は、佐藤さん夫妻がともに新保険に加入するのに対し、鈴木さん夫妻は夫のみ新保険に加入し、妻は75歳未満なので国民健康保険に残るという違いがある。07年度の国保保険料はどちらも、8万1112円だった。
 新保険の保険料は加入者全員が負担する「均等割り」と、支払い能力に応じて決まる「所得割り」の2本立てで、額や率は都道府県で異なる。たとえば、東京都の均等割り額は3万7800円だ。
 均等割りは所得によって7割、5割、2割の軽減があり、佐藤さん夫妻は2割の軽減措置を受けるが、それでも保険料は9万1968円。年約1万円の負担増になる。
 東京都以外の都道府県では計算はここまでだが、東京都だけ、追加の低所得者対策を講じており、年収が208万円以下だと所得割りでさらに、25%、50%、75%、全額の軽減措置がある。佐藤さんの夫は25%軽減で、最終的な保険料は8万4096円。07年度と比べて約3000円アップとなる。
 一方、鈴木さん夫妻は夫が均等割りの2割軽減の対象となり、25%の所得割り軽減措置も受ける。だが、国保に残る妻の保険料は3万6900円で、世帯の最終的な保険料は9万756円。07年度より約1万円高くなり、佐藤さん夫妻よりも高い。
 新制度で保険料が増えるか否かは一概には言えないが、
東京都の国保加入世帯では、年収400万円弱を境に、高い層は負担減に、低い層は負担増の傾向という
 なお、夫婦とも国保の場合は、新保険への加入手続きは必要ないが、夫などが被用者保険に加入していたケースでは別途手続きが必要な場合がある。
(以下略)

 金持ちは得をして、貧乏人はさらに苦しくなる?「金持ちほど高い負担になるような制度」と書いてあるのを見たこともあるのだが、そうではないのか?

 実際のところはどうなのか、調べてみよう…と思ったはいいが、毎日の記事もあるように、各自治体で軽減措置が異なるために、保険料が増えるか否かは一概に言えない。統計を取るのも手間がかかるし…ということで、調べることを放棄。子供の扶養に入っていた人は新たに払わなきゃイカン、そういう人にとっては負担増だ、というのは明らかなんだが…。

 現役世代だけで高齢者を支えるのは無理があるというのは事実で、お金を持っているのならば高齢者にも応分の負担をしてもらう、というのは道理である。確かに高齢者からは不満が出るだろうが、かといって現役世代から搾り取るにも限界があり(というか派遣やフリーターばかりの世代を考えると既に限界に来ているような気も)、今回の施策はいずれ避けて通れない物だっただろう。
 ただし、国民に負担を求めるのなら、国の方もちゃんと無駄を切りつめて欲しい、と考えるのは当然のことで。年間何百万もタクシー代使われちゃ、たまりませんわ。


 なお、後期高齢者医療制度と従来の国保との、負担額の比較について分かりやすいサイトがあれば、教えていただきたい。



草刈り場 (2008 4/16 1:00)

禁止薬物、持ってるだけでもアウト(4/11ニッカンスポーツ)
 今夏の北京五輪でのドーピング取り締まりを強化するため、国際オリンピック委員会(IOC)が新たな規定を導入することになった。大会中は禁止リストに記載された薬物を所持しているだけで五輪から失格となる。デービス広報部長は「IOCが掲げる寛容度ゼロ政策を推進するもの」と胸を張った。
 同五輪でIOCは4500件のドーピング検査を実施する。これは4年前のアテネ五輪の3600件から25%増。競技後は各種目の1−5位に加え、無作為に選んだ2選手を検査する。
 さらに北京での規定が重点を置くのが大会中の抜き打ち検査だ。選手村が開村する7月27日から大会閉幕の8月24日までを「大会期間」と定め、この期間は事前の通告なしでいつでもどこでも検査する。
 期間中に2度の検査を受け損ねた選手はドーピング違反とみなされ、大会から追放される。IOCは41ページに及ぶ規定集をすべての参加国・地域に送付し、ルールの徹底を図る方針だ。


 他の開催地だったらそれほど問題ないと思うんだが、何せあの中国なわけで。ホテルの部屋に何者かが潜入、選手の荷物の中に禁止薬物をしのばせる、とか。或いは、有力選手が、試合直前に長時間にわたって抜き打ち検査に連行される、とか。中国にとっておあつらえ向きの草刈り場になりそうな。


鉄拳制裁 (2008 4/16 1:00)

事件・事故:小学生殴った傷害容疑で逮捕 /滋賀(4/15毎日)
 長浜署は14日、長浜市西主計町、農業、堀江典富祐容疑者(72)を傷害容疑で緊急逮捕した。同日午後3時ごろ、自宅近くの路上で、同市内の小学6年の男児(11)の頭を数回殴るなどし、4日間の軽傷を負わせた疑い。同容疑者が道端に止めていた自転車を、男児が同級生2人と用水路に投げ入れたことに腹を立て、同級生2人にも同様のけがを負わせたという。「大人げなかった」などと供述している。

 殴ったらイカンという建前はあるから逮捕は仕方ないかもしれないが、しかし堀江さんには同情の念を禁じ得ない。クソガキの名前が出せないのは分かるが、せめてクソガキの親の名は公表して欲しい…というのが私の偽らざる心情。バカガキに鉄拳制裁を加える…いい爺さんじゃないか。



文化破壊 (2008 4/15 0:00)

甘粛省の3500戸のチベット族牧畜民、定住生活へ(4/14CRI)
 中国西部の甘粛省甘南チベット族自治州では、3500戸余り2万人近くの牧畜民が遊牧生活に別れを告げて、新しい定住生活を過ごせるようになりました。
 ここでは、長期にわたって、伝統的な習慣から、チベット族を主とした牧畜民は水のある場所を求めてはテントを張って、遊牧の生活を送っていました。2004年から、中央政府は甘粛省で『貧困扶助移住モデルプロジェクト』を実施しました。地元政府はチベット族遊牧民のため、1戸当たり面積80平方メートルの家屋や家畜小屋などの関連生産施設を建設したほか、道路や下水、電気などのサービス施設を建設しました。
 2008年には、甘南チベット族自治州は4万戸のチベット族牧畜民のための家屋建設を完成させるということです。(翻訳:董)


 毎日中共から「大本営発表」が為されている。「パリでは平穏に聖火リレーがおこなわれた」とか、よくもそんなに平気で嘘がつけるなぁ…という物ばかりで、当欄ではあまり相手にしてこなかったが、この記事はまさに「語るに落ちた」という物なので、紹介した。
 まるで「功績」のように語っているが、要するに「遊牧民を無理矢理定住させました」という話。伝統的な居住スタイルを強制的に放棄させたわけで、とんでもない文化破壊である。それをいかにも人道的な政策のように語っているところは、もはや末期症状。

 中共は無茶苦茶なことをやるが、それなりの知性を持っていると思っていた。しかし最近の様子を見るに、共産党独裁が長く続きすぎたせいで、「国際的な常識」が全く分からなくなっている様子。


まことハウス (2008 4/15 0:00)

まことハウス裁判→毎月10万円の賠償金支払いに変更(4/14ANN)
 楳図かずおさんの「まことハウス」の裁判で動きがありました。建物が完成したことで、住民らは請求の内容を建築差し止めから毎月10万円の賠償金の支払いに切り替えることにしました。
 漫画家・楳図かずおさんの新築の自宅をめぐっては、デザインが近隣の景観を損ねるなどとして、住民2人が建設中止を求めて提訴していました。しかし、先月中旬に建物が完成したことから、原告住民らは請求を変更しました。赤と白のストライプの外壁をすべて撤去すること、撤去するまでの間、原告側に毎月10万円を支払うこと、また建物から突き出る塔の窓部分に目隠しをすることを新たに求めています。さらに、原告側は建物が完成して以降、見物客が押しかけ、住環境が一層悪化しているなどと主張しています。


 「住民」の請求を端的に表現すれば、「お前んトコの家は目障りなんじゃ。外装を変えるか、そうでなければ毎月10万払え」……ヤクザの脅迫にしか聞こえませんがな。

 リンク先に画像も出ているのだが、「楳図かずお」から予想されるようなけばけばしい色彩でもないんだな。まぁデザインに対する感覚は人それぞれだから、よっぽど不快に感じる人もいるんだろうけど。しかも、この原告住民、本当に「近隣住民」かどうか疑問だったりもする。

 ちなみに、見物客が押しかけているのは、「住民」が訴えて騒いだからだと思う。



他人事 (2008 4/14 0:00)

物価上昇しょうがない 首相、桜を見る会で(4/12東京)
 福田康夫首相が主催する恒例の「桜を見る会」が12日午前、東京都内の新宿御苑で開かれ、暖かい日差しの中で、政財界人、タレントら約1万人の招待客が満開の八重桜を楽しんだ。
 首相はあいさつで「こんな桜ばかりのような日本にしたい。政治と行政をしっかりさせるのが私の役割で、先は明るいと思っていただきたい」と強調。ただ「まあ、いろいろありますよ。
物価が上がるとか、しょうがないことはしょうがないのだから、耐えて工夫して切り抜けていくことが大事だ」とも述べた。
 首相は御苑内を約1時間半歩き、握手や記念撮影に応じた。招待客から「党首討論はよかった」と声を掛けられ、にこやかに手を振る場面もあった。タレントのギャル曽根さんや女優の菊川怜さん、歌手の西城秀樹さんらも招かれた。(共同)


 たしかに物価上昇に関しては、不可抗力と言えなくもない側面はあるだろう。しかし、時の首相がそういう物言いはしたらイカンだろ。とりわけ「何もしていない」印象が強い人なのだから、なおさら「工夫して切り抜けていくことが大事だ」と言われると腹が立つ。「工夫して切り抜ける」主語が私たちだったら噴飯物だし、主語が総理の側だとしても「何も工夫してないやないけ」という感想しか出てこない。

 無能のくせに行動力があるようなタイプではなく、無能でしかも行動力もない。近衛文麿とか宮沢喜一ではなく、海部俊樹の系統か。海部さんに失礼なくらい、かなり劣化させたレベルではあるが。いったい何をするために総理になったんだろう。



映画「靖国」 (2008 4/13 0:00)

 映画「靖国」に関するニュースをいくつかピックアップしてみる。

 念のために述べておくが、「靖国」という映画はどんな内容の代物であれ、公開されるべきだと私は考えている。映画館に対して妨害行為をおこなったという街宣右翼に対しては、表現の自由を侵害するクズどもということで、この上ない侮蔑の念を抱く。
 ただし、文化庁が補助金を出すべき映画なのかどうか、また撮影された人間に対する不義理は、また別の問題として批判すべきである。

 では、まずこの記事から。

映画「靖国」:出演の刀匠「李監督は信用できない」(4/11毎日)
 映画「靖国 YASUKUNI」の中心的な登場人物で高知市の刀匠、刈谷直治(かりやなおじ)さん(90)と妻貞猪(さだい)さん(83)が、出演場面のカットを求めていることが10日分かった。刈谷さんは自民党参院議員から問い合わせを受けていたことも判明。会見した李纓監督は問い合わせを「介入だ」と批判し、「刈谷さんの了承を得ている。カットすると上映できなくなる」と説明している。
 刈谷さんは毎日新聞の取材に「映画は刀作りのドキュメンタリーと聞いていた。李纓監督はもう信用できない。出演場面をカットしてほしい」と話した。
 映画では、靖国神社に軍服姿で参拝する団体など、境内でのさまざまな出来事とともに、第二次世界大戦中、軍人に贈る「靖国刀」を作った刈谷さんへのインタビューなどが全編にわたって登場する。
 刈谷さんによると、05年10月ごろ、知人を介して出演依頼があった。数カ月後、李監督ら3人が訪れて2日間撮影。昨年春ごろ、刈谷さん宅で試写が行われた。貞猪さんが「政治的な内容でダメだ」と言うと、李監督は「近いうちに代わりのものを送る」と話したが、連絡はないという。刈谷さんは「今さら何を言っても仕方がない。もう静かにしてもらいたい」と話した。
 この問題を巡っては有村治子参院議員(自民)が自身のホームページで、「心外なお気持ちでいることを人づてに聞いていたので、伝聞では国会質問はできないと考え、刈谷さんご夫妻と直接初めて連絡をとった」と、3月25日に刈谷さんに連絡したことを明らかにしている。
 李監督は10日の会見で、「刈谷さんに作品を見てもらい、了承を得た。チラシに使うコメントとして、刈谷さんから“誠心誠意”という言葉もいただいた。一国会議員が直接出演者に連絡を入れて、結果的に出演部分を削除するよう求められる事は残念だ」と述べた。
 刈谷さんは、有村議員からの電話について「問い合わせを受けただけで圧力を受けたとは思っていない」と話している。
 有村議員は日本マクドナルド勤務を経て、社会人大学院生として在学中の01年参院選の比例代表で初当選し、2期目。議員在職中に出産し話題を集めた。


 撮影者は私が思っている形で映像作品を完成させるはずだ…撮影される側がそう期待するのは間違いではないが、しかしその期待は常に実現するとは言えない。撮影される側の思惑が常に実現されることが期待されるなら、映像作品は完成させることが非常に困難になってしまう。
 ただし、「刀作りのドキュメンタリー」という約束で撮影協力を求めたというなら、事情は少し違う。期待通りの仕上がりでないことを理由に監督を批判するのは筋が悪いが、しかし「靖国神社」を巡る、政治的思惑の絡んだ映画を作る意図を持っていながら、協力者に対しては「刀作りの話です」と騙していたとすれば、人の信用を逆手に取る不道徳な行為ではないか。

 ちなみに、有村治子参院議員の内閣委員会での質疑の議事録はこちら。
参議院会議録情報 第169回国会 内閣委員会 第3号(最後から2/10の辺り)
映画「靖国」について有村治子(自由民主党・無所属の会)質疑2008年3月27日 (木)  参議院 内閣委員会 其の壱(YouTube)
2008.03.27_参議院 内閣委員会 有村治子質疑(ニコニコ動画)


 さて、稲田朋美議員の「文化庁から補助金が出ていること」に絡んでの「試写要求」に対し、「国会議員の圧力・言論弾圧」と批判する向きがあった(確かに左巻きにエサをやったという意味では、巧いやり方ではなかったとは思う)。同様に、有村議員に対しても、「議員の言論弾圧」と言わんばかりの反応を示す向きが存在する。

「靖国」上映中止で抗議の記者会見(4/10ニッカンスポーツ)
 ドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の上映問題をめぐり、ジャーナリストや映画監督らが10日、「上映中止や政治圧力に抗議する」とした記者会見を参院議員会館で開いた。
 靖国を撮影した李纓(リイン)監督は、有村治子参院議員が出演者の「靖国刀」を作り続ける刀匠から事情を聴き「出演シーンの削除を希望している」と主張していることについて、「作品が成立できないよう働き掛けているとしか理解できない」と懸念を表明。「この問題を乗り越えることが日本が文化大国に向かう道だと確信している」と述べた。
 映画の内容について、ジャーナリスト田原総一朗さんは「隠し撮りをせず、ナレーションも入っていない。偏向とか反日と決めつけるのは間違い」と評価。上映中止については「映画館の親会社が問題になっては困ると考えた。そういう日本社会を責めるべきだ」と強調した。
 漫画家の石坂啓さんは「靖国や従軍慰安婦など、10年前は漫画にできたテーマも今はできない。見たいものを見る権利が奪われている」と指摘。
 「靖国」に文化庁の所管法人から助成金が出ている点を国会議員が問題視していることについて、映画監督の是枝裕和さんは「第三者機関で審査する助成金の使い道に、税金のチェックだと言って政治家が口を挟むのはおかしい」と話した。


 冒頭の記事にあるように、刀匠の刈谷さんは「問い合わせを受けただけで圧力を受けたとは思っていない」と述べている。「作品が成立できないよう働き掛けているとしか理解できない」というのは妄想に過ぎない。ただ、妄想を根拠に批判する人は後を絶たない……たぶん数日もすれば、朝日の投書欄に有村議員を批判する意見が掲載されるのだろう。

 また、「助成金の使い道に、税金のチェックだと言って政治家が口を挟むのはおかしい」という意見もズレている。
 助成金を出すに際しては、宗教的、政治的な宣伝に当たらないような作品に対してでなければならない、と決められている。ゆえに、政治的意図を有する可能性がある「靖国」に対して、政治家が税金のチェックだと口を挟むのは、おかしくも何ともない(政治的だろうと反日的だろうと助成を行う、という懐の深い助成金制度であれば確かにおかしいだろうが、現行の助成制度はそういう物ではない)。

 しかし、石坂啓は相変わらずアホだね。別に、靖国や従軍慰安婦をテーマにした漫画は描けるだろ。描きたきゃ描けばいい。ただ、支離滅裂な内容なら、当然批判される。この女が言っているのは、「批判されたくない」「ウソを描いても批判されないのが言論の自由だ」ということだろう。

 要するに、表現の自由には、責任や義務が派生し、同時に批判される危険性を背負うことにもなる…という当たり前のことを理解できていない向きが多すぎる、ということだ。

 さらには、靖国神社も抗議をおこなっている。

靖国神社が映画「靖国」へ映像削除要求(4/11産経)
 靖国神社は11日、ホームページ上で映画「靖国 YASUKUNI」の李纓監督らに対し、「境内における撮影許可手続きが遵守されていないだけでなく、内容についても事実を誤認させる」として、映像削除などの対応を求める通知を行ったことを明らかにした。

 これでは田原総一朗の「隠し撮りをせず」というのも怪しく思われる。


 確かに、内容については、見てからでないと批判できない。
 しかし、内容以前に、問題とすべき点が多すぎる。靖国神社に肯定的であろうと批判的であろうと、今回は関係ない…もちろん靖国に否定的であるなら、それはそれで私にとっては批判対象にはなるが、それは今回の騒ぎとは何の関係もない。

 さらに言えば、もっとも問題とすべきは映画の方ではなく、まともな審査もせずに女性をおこなった文化庁の方だ。有村議員の質疑においても、最も問題とされているのはその部分であるし、稲田議員が当初疑問視したのも、そこである。今はなぜか「表現の自由」という方向に話題が移されようとしているが、まともな審査が為されないのに税金が注ぎ込まれることが決められる、いい加減な助成制度こそ、議論の対象にすべきである。


当たり前の判決 (2008 4/13 0:00)

市民団体3人の有罪確定へ=反戦ビラ配布で上告棄却−最高裁(4/11時事)
 自衛隊のイラク派遣に反対するビラを配るため、東京都立川市の旧防衛庁官舎に立ち入ったとして、住居侵入罪に問われた市民団体メンバー大洞俊之被告(50)ら3人の上告審判決で、最高裁第2小法廷(今井功裁判長)は11日、「表現の自由は無制限ではなく、他人の権利を侵害する手段は許されない」として、被告側上告を棄却した。罰金20万−10万円とした二審の逆転有罪判決が確定する。

 当たり前すぎてここで取り扱うのも憚られるような記事。
 「立ち入り禁止」の貼り紙が掲示されて以後もしつこく侵入、住民が貼り紙を見せて警告して以後も侵入を続けたバカどもに、同情の余地はない。ビラの内容は関係ない。警告を無視して侵入を続けたことは、どう考えても犯罪である。

 しかし、朝日にかかるとこんな話になる。

ビラ配り有罪―社会が縮こまっていいか(4/12付朝日社説)
 しかし、だからといって、いきなり逮捕し、2カ月余りも勾留(こうりゅう)したあげくに刑事罰を科さなければならないほど悪質なことなのだろうか。度を超した捜査や起訴をそのまま追認した最高裁には、失望してしまった。
 気がかりなのは、今回の最高裁判決で、ビラ配りなどがますますやりにくくなり、ひいては様々な考えを伝える手だてが狭まっていくのではないか、ということだ。これでは社会が縮こまってしまう。
 そうでなくても、このところ、言論や表現の自由をめぐって、息苦しさを覚えるようなことが相次いでいる。映画「靖国」が、トラブルを恐れる一部の映画館で上映中止になった。右翼の街宣活動を理由にホテルが日教組の集会を断った。
 だれもが自由に語り、自分の意見を自由に伝えることができてこそ、民主的な社会といえる。そこでは、自分とは異なる意見や価値観を認め合い、耳を傾けることも求められている。
 そんな寛容さや度量を社会として大切にしていきたい。
(後半のみ抜粋)

 この判決で「縮こまる」のは、犯罪集団だけだ。



生涯のハイライト (2008 4/10 21:00)

【総合】長野市に問い合わせ殺到 聖火リレーコース変更?「対応ムリ」(4/10中日)
 北京五輪の聖火が欧州から米サンフランシスコへ渡り、抗議行動も大西洋を越え“リレー”された。国内で唯一、聖火リレーを26日に実施する長野市では市民や市実行委が困惑の色を深める一方、市民団体はチベット問題のアピールへ向けて動きだしている。
 公募で聖火ランナーに選ばれた市民の一人、長野市の山岸重治さん(76)は「チベットの人の主張も分かる。でも非暴力は徹底してほしい」と訴える。10年前の長野五輪でも聖火ランナーとしてトーチを持った。80人の走者の中で最年長。国際ルートの中止やコース見直しも取りざたされているが「生涯のハイライトだと思っている。(中止になったら)気持ちの整理がつかない」と話した。
 長野市実行委の田中信行事務局長は「昨年11月から準備している。今更変更されても対応は無理」と頭を痛める。海外で騒動が起きるたび実行委には問い合わせが殺到。「本筋の仕事ができない」とぼやく職員もいる。
(以下略)

 いや、晴れの舞台で聖火片手に颯爽と…というのが憧れだったというのは分かる。しかし、チベットの虐殺という事実があるにもかかわらず、「生涯のハイライト」という言葉で抗議行動を批判するのは、チベット人の命に対してあまりに無体ではないか。

 ちなみにこの山岸重治さん。こんな人のようで。

JBOOK:13歳の関東軍兵士 ヤポンスキー・マーリ:山岸 重治:書籍

「眠れぬ夜のひとりごと」を読むより
          山岸さん 略  歴
1931年 上水内郡神郷村(長野市豊野町)に生まれる
1941年 旧満州国(中国東北地区)へ移住
1944年 陸軍燃料廠研修生として入隊(13歳)
      敗戦後はソ連軍、八路軍、国民党軍の管理下におかれる
1947年 国鉄・長野工機部技能者養成所入所
1987年 国鉄民有化の伴い国鉄退職
 現在   自由業、国鉄詩人連盟会員


長野市日中友好協会だよりより
 総会では、「歴史を鑑として未来志向の民間交流を市民ぐるみでとりくみ地域に定着を図る」などとする総会宣言を採択しました。
 第2部記念講演では、詩人「群れの会」代表の山岸重治氏が「私と日中友好活動」と題して話をしました。第3部祝賀パーティーでは大正琴の友情演奏をバックに懇親を深めました。


 年齢も符合する。おそらく同一人物。
 その思想がどういったものかはよく分からないが、「日中友好」に心を砕いてきた人のようではある。ただチベット問題よりも聖火リレーを優先する発言から考えるに、彼の言う日中友好は、間違いを犯していれば非難するという真っ当な友好ではなく、中共に都合のいい友好であるように思われる。

 生涯のハイライトごときでチベットの問題を云々して欲しくない、というのが私の思い。同列に並べるべき問題ではない。

 そのチベット問題。ダライ・ラマ猊下が日本を訪れ、会見をされた。

来日したダライ・ラマ14世が会見 北京五輪支持も暴動については国際機関の調査求める(4/10FNN)
 来日したチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世が10日午後、会見を開き、「北京オリンピックの開催は支持する」としたものの、暴動については国際機関の調査を求めた。
 ダライ・ラマ14世の発言には、中国はもちろんのこと、世界中が大きな関心を寄せている。
10日朝、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世が、訪米前に日本に立ち寄り、午後3時すぎに会見を開いた。
 ダライ・ラマ14世は「わたしはとても悲しい。わたしを『悪魔化』しようとしている。わたしには、こんな角は生えていません。問題は、チベットに発言の自由がないということです。ですから、わたしたちは意図的に、民主主義と発言の自由を広めようとしたのです」と話した。
 また、混乱を極める聖火リレーについて、「調和の世界というのは、信頼によってつくられる。世界には信頼が必要なんです。ロンドン、パリなどで暴動があったが、サンフランシスコでも暴動行為をしないようにと言いたい」と語った。
 千葉・成田市のヒルトンホテルで行われた会見では、会見場内への傘やペットボトルの持ち込みが禁止され、セキュリティーチェックを待つ長い列ができた。
 ダライ・ラマ14世が座るいすの前には、机が置かれ、近づけないようにされ、報道陣は床に座って会見を聴く形となった。
 注目の人物の会見に、国内外の記者100人が集まった。
 ダライ・ラマ14世は「3月10日以降、チベットでは数百人が殺され、数千人が逮捕されています。わたしは国際社会、特に中国政府に対して、徹底的な調査を現地で行うように求めました」と述べた。
 そして、「オリンピックに招待されたら?」との質問には、「ノー」と答えた。
 一方、この会見に先立ち、ダライ・ラマ14世は、安倍前首相の妻・昭恵夫人と面会した。
 ダライ・ラマ14世と面会した昭恵夫人は、「今の状況を大変心配していますとお伝えいたしました」と話した。


 落ち着いた物腰と吟味し尽くされた言葉、懐の広さと醸し出される品性には、頭を垂れるほか無い。ただ、その高潔さが、チベット独立に関してはマイナス方向に働いているというのも、否定し得ない現実であるように思う。

 一方で、中共におもねる(というか五輪を恙なく実行することしか頭にない)IOC会長のバカ発言。

北京五輪でチベットの旗はダメ?(4/10産経)
 【北京=川越一】中国政府のチベット政策に対する抗議活動のシンボルになっている「雪山獅子旗」が、北京五輪の競技施設から締め出されることが10日、明らかになった。
 国際オリンピック委員会(IOC)のロゲ会長は同日、北京で開いた記者会見で、「雪山獅子旗」を念頭に置いたとみられる「2つの旗を掲げることはできるのか」との質問に、「地域の旗を掲げることは認められるが、
外国人がそれを掲げ、プロパガンダとみられる場合は許されない」と答えた。
 IOC憲章は五輪関連施設での政治的な意思表示を禁止しているが、シドニー五輪陸上女子四百メートルで金メダルを獲得したキャシー・フリーマン(豪州)は、ウイニングランの際、アボリジニの旗と豪州国旗を掲げた。
 しかし、「雪山獅子旗」は政治色が極めて強い。中国国内では「チベット独立の意思表示」とみなされ、掲揚した場合は取り締まりの対象となっている。今年3月にはチベット自治区ラサで「雪山獅子旗」を市中心部の広場で掲げたチベット民族の容疑者が逮捕されており、中国人選手が掲げることも、事実上、不可能だ。


 北京五輪自体がプロパガンダになってるだろ。

 さらに、日本国内にも、どうしようもないバカ野郎がいるらしい。

安倍前首相の昭恵夫人がダライ・ラマ14世と面会(国を憂い、われとわが身を甘やかすの記)
 また、ある政府関係者からは「昭恵さんがダライ・ラマ氏がいるホテルに入ったのを、わざわざ中国大使館に通報した日本人記者がいる」という話も聞きました。中国側からそう聞いたというのです。一体何のつもりか分かりませんが、特定アジアに「ご注進」に走るメディアがあるのは以前から変わりません。私が繰り返し、「日本の敵は日本人」ではないかと書いてきた所以です。(一部抜粋)

 あのメディアじゃないか、と誰もが頭に浮かべる所がありますわな。



仲間にされた (2008 4/10 1:00)

日本など数カ国が聖火リレーの妨害を批判(4/9人民網)
 ここ数日来、日本、ロシア、ハンガリー、カザフスタン、フランスなどの政府高官、学者、メディアが、北京五輪聖火リレーへの破壊行為を批判し、北京五輪ボイコットへの反対を表明している。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
 ロシアのグリズロフ下院議長は8日、北京五輪ボイコットの動きを厳しく非難。「政治問題は他のルートで解決されるべきだ」「いかなる状況が発生しようとも、北京五輪は計画通り行われるべきだ」「オリンピックは祭日であり、(私たちは)その破壊をもくろむ者を見たくはない」と述べた。
 ジューコフ副首相も同日「オリンピックは国際的な大イベントだ。ロシアはオリンピックのボイコットに反対する。いかなる北京五輪ボイコットも受け入れられない」と述べた。
 日本の町村信孝官房長官は8日の記者会見で「北京五輪はスポーツの祭典であり、全世界の人々が北京五輪の成功を期待している。この意味から言って、暴力的活動を伴う抗議行動は断じて好ましいものではない」と述べた。
 高村正彦外相も同日、別の会見で「暴力は良くない」「いかなる理由であれ、聖火リレーを暴力で阻止する行為には賛同できない」と述べた。
 カザフスタン戦略研究所のクシクムバエフ副所長は記者の取材に「政治とスポーツを結びつけるべきではない。西側の一部の政治屋は北京五輪のボイコットによって何らかの政治目的を達成しようと企み、『チベット独立』を鼓吹する者たちは聖火リレーの途中で騒動を起こしているが、これらはみな間違っている」と述べた。
 フランスの「欧州時報」は8日の社説で、「オリンピックの理想の1つの重要原則は、政治制度、イデオロギー、文化伝統、肌の色の違いを乗り越えることだ。スポーツの政治化はオリンピック精神に反する」と指摘した。(編集NA)


 これ、国際的に配信される記事なのかなぁ……日本の恥をさらすことになるのか、それとも冷静な日本という捉えられ方になるのか……って、後者はかなり希望的観測。ふつうに考えれば、中共寄りのチベット無視の発言に思われても仕方なかろう。町村さんや高村さんの真意がどうであれ、中共のプロパガンダに利用されることは、やはり恥ずかしい。別に国際的にどう見られるかを過剰に気にする必要はないのだけど、それでも勝手に「仲間」にされるのはイヤなもんです。

 テロリストの要求を飲んだ親父に、テロ国家にモノが言えない息子。たしかに中国の混乱は日本に直接間接の影響が及ぶので、それほど強硬な発言はできないのは分かる、しかし、それでも日本の総理・閣僚の発言は穏当すぎるし、世界に誤ったメッセージを送りかねない。


 ちなみに、中国がどういう国かを知るにはうってつけの参考記事。

中国裁判官が日系企業にわいろ強要、断ったら設備破壊(4/9読売)
 【瀋陽=末続哲也】中国遼寧省大連に進出した日系企業が係争中の民事訴訟の担当裁判官からわいろを強要され、断ったところ、設備を破壊されて8年以上も操業停止に陥っていることが分かった。
 中国の司法当局の腐敗ぶりを象徴する出来事で、日系企業側は、来月訪日予定の胡錦濤国家主席らに先月、「裁判所の違法行為」を告発する異例の直訴状を送った。
 日系企業は、東京都江東区の貿易会社「富士貿易」が1992年に設立したプラスチック成形「大連富士模塑微電子」(小宮貴雄会長)。ごみ箱などを製造、約1800万元(約2億6000万円)の年商があった。
 小宮会長が99年、知人から大連市中級人民法院(地裁)に借金返済訴訟を起こされたのを受け、法院側は同年、同社の財産差し押さえを決定するとともに、担当の女性裁判官が、押収した原価58万元(約850万円)の同社の高級乗用車を「8万元(約120万円)で私の夫に譲りなさい」と強要した。
 小宮会長が断ると、法院は2000年、成形機の金型交換などに使う大型クレーンを切断、破壊し、押収。工場は操業不能となり、従業員約70人の大半も失業状態となった。
 女性裁判官は翌年、別の汚職事件で有罪判決を受け失職し、押収された車が偽の同社印を使い、第三者に所有変更されたことも判明した。本紙は法院に取材申請したが、8日現在、回答はない。




親の責任 (2008 4/9 9:30)

エスカレーターで指切断=1歳女児転倒し挟む−神奈川(4/8時事)
 8日午前11時半ごろ、神奈川県平塚市東中原のスーパー西友平塚店地下1階のエスカレーター前で、同市万田のパート松永麻美さん(28)の長女茉衣花ちゃん(1)が転倒、下りエスカレーター前端部と床面のすき間に手を挟まれ、左手の薬指を切断した。県警平塚署は事故の詳しい状況を調べているが、店側の管理に問題はなかったという。
 調べによると、茉衣花ちゃんは両親が目を離したすきに、上りエスカレーターに乗ろうとして、並んでいた1階と地下1階を結ぶ下りエスカレーターの前で転倒した。茉衣花ちゃんは両親と一緒に買い物に来ていた。
 エスカレーターは段差のないスロープ式で、長さ約32メートル、幅約1メートル。約10度の傾斜で下る。


 親が悪い。以上。

 しかし、左手薬指か…不憫でならない。
 もひとつ気になるのは、両親と一緒に来ていたのに、記事に出ているのは母親の名だけ。父親の名はなぜ出ない?


コントかよ (2008 4/9 9:30)

あゆ10周年にミラクル!左耳が回復(4/9スポーツニッポン)
 浜崎あゆみ(29)がCDデビューから満10周年を迎えた8日夜、東京・国立代々木競技場第1体育館で記念公演を行った。アンコールで1万2000人の観客が代表曲「Who…」を合唱して祝うサプライズがあり、浜崎は感涙。フィギュアスケートの浅田真央(17)も祝福に訪れた。また、聴力を失ったとされる左耳もメモリアルデーに向け、回復していたことが分かった。(以下略)

 もし私が同じ立場だったら、もうしばらくは「聴力回復」は黙っている。アルバム発売直前に聴力を失ったとブチ上げて、記念講演で聴力復活を報告…って、どう考えても茶番、話題作りにしか思われないからだ。
 事実ならマネジメントが下手だなぁとしか思えないし、仮に難聴の話自体が作り話だったとすれば人として最低。少なくとも前者であることを信じたいところ。


また不同意 (2008 4/9 0:00)

日銀人事 「渡辺副総裁」に民主不同意強まる(4/7朝日)
 政府は7日、日本銀行の総裁に白川方明(まさあき)副総裁(58)を昇格させ、白川氏に代わる副総裁に前財務官の渡辺博史・一橋大院教授(58)を充てる人事案を正式に国会に提示した。民主党は白川総裁は同意する方針。ただ、小沢代表は財務省出身の渡辺氏の副総裁起用に反対しており、不同意となる公算が大きくなっている。(以下略)

 小沢さんは、「日銀総裁、或いは日銀副総裁に誰が相応しいか」という観点で物を考えてはおらず、「自民党との対決姿勢を鮮明にして解散総選挙に追い込むにはどうすべきか」という観点でしか、日銀人事を考えていない。国際社会における日本経済の信用力など、ミジンコほども考慮しちゃいない。一般人ならともかく、いっぱしの政治家が「日銀の総裁(或いは副総裁)がいなくたって、経済は動くじゃん」という考え方をしているとは思いたくないが…。

 まともに仕事もしないでゼニだけ持ち逃げするような無駄な天下りはもちろん排除していくべきだが、培ったノウハウをきちんと生かせるならば、天下りも絶対的な悪ではない。「天下りなら何でも悪い」という単純思考は、分かりやすいかもしれないが、弊害も大きすぎる。単純さを利用して大衆に迎合するようなやり方を、ポピュリズムという。



消えた聖火 (2008 4/8 0:00)

AP Top News at 8:41 a.m. EDT
PARIS (AP) ? The Olympic torch was extinguished and put on a bus for protection at least twice Monday as it moved through Paris amid heavy protests, including at least one attempt to rush a torch-bearer. A man identified as a Green Party activist was grabbed by security officers as he headed for 1997 400-meter world champion Stephane Diagana, who was carrying the torch at the beginning of its relay from the first floor of the Eiffel Tower. The man was tackled before he got close to Diagana.

 聖火リレーの話。パリで、聖火が消され、バスで輸送されたとのこと。もはや聖火リレーではないし、火が消えてしまったってことで聖火の価値も半減。
 まぁ見世物としては、これほど楽しい聖火リレーも無い。開催する前から、五輪は大失敗である。いや、ある意味では成功か。


きれいなノリさん (2008 4/8 0:00)

2打席連続弾で援護 中日の中村紀(4/6スポーツナビ)
 中村紀が昨年4月21日のヤクルト戦以来となる2打席連続本塁打で、吉見を援護した。
 4回、先頭で外角直球を右中間席へ運ぶ今季3号を放つと、6回にも高めの直球を流し打って右翼席に4号ソロ。「なかなか反対方向には入らないので自信になる」と納得の表情を浮かべた。
 試合後は、ヒーローインタビューの要請を断って吉見を単独でお立ち台に立たせるベテランらしい気遣いも見せた。(ナゴヤドーム)
[ 共同通信社 2008年4月6日 18:46 ]


 きれいなノリさん、どころの騒ぎじゃない。ヒーローインタビューを断るなど、もはや聖人君子の域。


不法残留 (2008 4/8 0:00)

不法残留20年 韓国人夫婦が提訴 「実績評価して」(4/7産経)
 約20年も不法残留し、東京都内で焼き肉店を経営している韓国人夫婦が、退去強制処分の取り消しを求める訴訟を東京地裁に起こしたことが6日、分かった。夫婦の代理人によると、これほど長期間の不法残留者の処分取り消し訴訟は極めて珍しいという。夫婦は「いまさら『国に帰れ』は酷。日本での生活実績を評価してほしい」と訴えている。
 提訴したのは、姜柄勲(カン・ビョンフン)さん(53)夫婦。訴状によると、夫婦は昭和63年に短期滞在資格で入国し、そのまま飲食店従業員として働いていた。平成16年に東京・池袋で焼き肉店を開店。同店のオーナーとして約20人の日本人を雇用して経営に当たっていた。
 夫婦は18年、法的に不安定な立場を解消しようと、自ら東京入国管理局に出頭。在留特別許可を申請したが認められず、昨年末から茨城県牛久市の入管施設に収容されている。
 夫婦には不法残留以外の違法行為はない。韓国に生活拠点がないため、帰国させられれば生活に困ることは明白という。夫婦の知人らは、処分取り消しを求める署名活動を始めている。
 代理人によると、長期間平穏に生活していたことを理由に退去強制処分の取り消しを認めた裁判例は、地裁判決が1例あるだけ。このケースも高裁で原告が逆転敗訴し、最高裁で敗訴が確定している。訴えが認められるのは、かなり難しいとみられる。


 「実績」って何よ?不法行為を20年も続けてきたという犯罪者としての実績か?

 さすがにこの訴えが認められる可能性は低いだろうから、ニュースとしての価値はあまりないとは思うが、しかしこの「盗人猛々しさ」に清々しささえ感じてしまったので、取り上げてみた。
 こういう「日本に生活拠点を置いている不法滞在の外国人」に対しては、しばしばエセ人権団体などが感情論を持ち出して、「かわいそうな彼らを救え」という主張をするのだが、日本は法治国家であるから「例外」は極力つくらないようにすべきである。感情論で不法滞在を正当化したり延長したりするのは、法治国家の為すべきことではない。記事の件も、短期滞在資格のまま居座るという不法行為をはたらいていたのは明白な事実であり、厳格な措置が執られるべきである。



訪朝団 (2008 4/7 0:00)

山崎拓氏が超党派訪朝団結成へ(4/2産経)
 自民党の山崎拓元副総裁が自民、公明、民主各党の議員による超党派訪朝団を結成し、早ければ今月中にも北朝鮮を訪問する方向で調整していることが2日明らかになった。関係者によると、訪朝団は山崎氏、民主党の岩國哲人衆院議員、公明党の東順治副代表らで構成される予定という。議員外交を通じて拉致、核開発問題について協議し、日朝国交正常化を目指すのが狙いだ。
 これに関連し、山崎氏が最高顧問を務める自民党朝鮮半島問題小委員会は3日、平成14年9月の小泉純一郎首相(当時)の初訪朝を手がけた田中均・元外務審議官から朝鮮半島情勢について意見聴取する。


 行くのはいいが、帰ってくるな。

 金丸もそうだし、森もそう、こういう訪朝団が組まれたときに何か成果があるってことは、まずあり得ない。むしろ、妙なお土産(無印の金塊とか)をもらってくるか、妙な約束(米支援とか)をしてくるか、北朝鮮のでっち上げ(拉致を「遭難していたのを救出」という美談に捏造したりとか)を追認してくるか…いずれにせよ、ロクなことはない。


外資 (2008 4/7 0:00)

Jパワー株問題 政府「外資に閉鎖的」批判どうかわす?(4/6朝日)
 公の秩序の維持を妨げる恐れがある――。経済産業省と財務省は、英国の投資ファンドによる電力卸Jパワー(電源開発)株の買い増しを、こう認定した。両省が投資計画の変更か中止を初めて勧告する方向となったが、勧告には「外資に閉鎖的」という批判に耐えうる説明が必要だ。
 問題となっているのは、Jパワー株の9・9%を持つザ・チルドレンズ・インベストメント・マスターファンド(TCI)の申請。両省は外国為替及び外国貿易法(外為法)に基づき、20%までの買い増しを求めるTCIの申請を3カ月間、審査してきた。
 両省が「懸念のある投資」と判断したのは、Jパワーが国のエネルギー政策の根幹を担っているためだ。電力インフラを多数保有する同社の経営にTCIが影響力を強めれば、卸電力料金の値上げや、資産売却、設備投資計画の遅滞などの懸念が生じ、「電力の安定供給に支障が出かねない」(経産省幹部)という。
(以下略)

 電力や空港のような、国の根幹に関わる事業に外資が関わるのは、もちろん避けた方がいい。ただ、上場して広く資金を調達することを目指していながら、外資の介入だけはイヤだというのは、筋が通らず、印象が悪い。そもそも上場しないのがいちばんではないのか。


ガソリン (2008 4/7 0:00)

 必要ならば国民に不評な政策でも責任を持って遂行するのは、政治家の責務だ。ただ、金解禁を国民に納得させた浜口雄幸のようにいかなければ、政権の終わりにも繋がる。だからこそ、安保改定をおこなった岸信介や、消費税を導入した竹下登を、私は評価する。

 ガソリンは、そりゃ安いに超したことはない。しかし、先々のビジョンを示さずにただガソリンが安くなったことを「我が党の勝利」と言祝いでいる民主党の姿勢を見るにつけ、政治家の責務とはほど遠い、大衆迎合の匂いを感じてしまう。
 もちろん、ワケの分からん天下り法人に無駄な金を使うのはやめて欲しいし、特定財源ではなく一般財源化して、道路に限らず他の分野にも金を回せるようにすべきだと思う。また、「暫定」税率というならば、いつまでも続けるべきではないという理屈も当然である。

 しかし、ガソリンが安くなったことを、何となく素直に喜べないのが正直なところ。このまま暫定税率廃止で行くにしろ、国交省絡みの特殊法人の整理などを具体的に進められなければ、朝三暮四になるように思う。



道義より実利の方々 (2008 4/4 11:00)

韓国、アジア連盟に罰金支払いへ=ハンドボール(4/2時事)
 【ソウル2日時事】聯合ニュースは2日、韓国ハンドボール協会がアジア連盟(AHF)から科された罰金を支払う方針を固めたと伝えた。やり直しとなった北京五輪アジア予選に参加した日本と韓国に対し、AHFは1000ドルの罰金を科し、支払期限を5日としていた。
 韓国協会の鄭亨均副会長は「5日までに1000ドルを払う方向だ。韓国は男女が五輪出場という目標を達成したから、これ以上AHFと良くない関係を続ける必要はない」との考えを明らかにした。一方、AHFの東西分離案について、同副会長は「罰金を払うからといって、やめるのではない。6日に熊本で東アジア連盟会議を開き、詳細について論議する」と語った。
 日本協会は3日に罰金の支払いについて幹部で対応を協議する。市原則之副会長は「韓国と歩調を合わせ、支払った上で(AHFと)話し合いをする方法もあるが、個人的にはその必要はないと思っている」と話した。

 韓国がやっぱり裏切った……というか、韓国にしてみれば、別に「フェアプレーの精神」で日本に同調したわけではなく、「五輪出場に有利だから」という理由でしかなかったのだから、それが実現できればAHFに尻尾を振るのは当然ではある。そもそも、「中東の笛」がこの件の元凶であるが、韓国は先のW杯でさんざん「韓国の笛」を吹かせていたわけで。

 スポーツをただの競技と言うよりは「道」と捉えてしまう日本人にとっては、今回の韓国の行為も、中東の金満どもの態度も理解しがたい物であるが、国際社会においては韓国や中東の方の考え方が多数派なのかもしれない。欧米はそのやり方が巧妙で分かりにくいだけで、スキーや柔道のルール変更を考えれば、似たような物だろうし。

 もちろんAHFや韓国のやり方を真似る必要は無いのだが、相手の悪意を前提にして物を考える必要はあるだろう。スポーツのみならず、外交の世界においても。



広義の強制 (2008 4/3 11:00)

国歌斉唱不起立 担任全員、指導認める 門真の第三中(4/2産経)
 大阪府門真市立第三中学校の卒業式で、男子生徒1人を除く卒業生が国歌斉唱時に起立しなかった問題で、この学年を受け持っていた5人の担任全員が、市教育委員会などの調査に対し「君たちには内心の自由がある。君が代を歌わなくてもいい」などと指導したと認めていることが1日、分かった。担任らは「立たなくてもいいとは教えたが、不起立を促してはいない」と主張しているという。5人は大半の生徒と同様、国歌斉唱の開始と同時に着席し、斉唱していなかった。
 問題の発覚後、市教委や第三中は、卒業生の学年を受け持っていた担任5人、副担任6人への聞き取り調査を実施した。
 関係者によると、調査に対し5人の担任は「君が代を歌っても歌わなくてもいい」「自分自身の考えで判断しなさい」「親御さんと相談して決めなさい」といった内容を生徒たちに話したことを認めた。これらの指導は卒業式の当日か前日のホームルームなどの場で行われ、中には「先生は起立しないから」と生徒に告げた教員もいたという。
 このほか、副担任のうちの一人も「(昨年度の)最後の授業で、卒業式での君が代斉唱について生徒たちに話した」と答えている。
 ただ、調査に対し担任らは「起立や斉唱をしない自由もあると言っただけで、強要はしていない」などと訴え、不起立を促す指導ではなかったと主張。また、申し合わせたうえでの指導ではなく、各教員がそれぞれの判断で行ったと説明しているという。


 「強要はしていない」んですって。でもこれって、「広義の強制」じゃぁございませんこと?

 沖縄の集団自決に軍の関与があったと主張するならば、「従軍慰安婦」が売春をおこなったのは広い意味での強制力が働いていたからだと主張するならば、この教師の「君が代歌うな圧力」も、まさしく強制であると言える。

 国家や国旗に対する敬意を教えるという、教育者が為さねばならない義務を果たせないのなら、教員などやめてしまえ。子供はお前達の思想を実現するための道具ではない。


公教育の無力を宣言 (2008 4/3 11:00)

塾代 生活保護世帯を支援 都 中学3年 年間15万円 『格差』抑止4月から(3/29東京)
 東京都は新年度から全国で初めて、生活保護受給世帯の中学生以下の子どもが、学習塾に通う費用を援助する方針を固めた。所得格差が教育格差につながる傾向があり、高校進学支援で「貧困の連鎖」を抑止する狙いだ。 
 都内では、小金井市など五市区が既に塾費用を支援しているが、その必要性を認めた都が都内全域での適用に乗り出した形。都の年間補助額は一人当たり▽中学三年=十五万円▽中学一、二年=十万円▽小学校四−六年=五万円。対象は約一万人で、補助の利用は市区ごとの判断に委ねられる。都保護課は「一般家庭の子どもの塾費は平均約二十六万円。それには及ばないが最低限のサポート」とする。家庭教師や通信教育の費用に充てることも認めている。


 「公立校ではまともな教育が行えない」ということを、都が高らかに宣言したバカバカしい限りの話。確かに現実を考えれば効果的な施策かもしれないが、塾代の支給よりも公立校の教育内容を改善するのがスジであり、「プライドも矜恃もあったモンじゃないな」というのが率直な感想。補習授業やクラス別授業などの工夫をより推し進め、学校だけでも「最低限」の教育は行えるようにするのが、道理である。もちろん現実を見て施策を考えるのは必要だが、塾代支援は最低限のラインを超えているように思う。
 私も塾業界の末席に身を置いている者ゆえ、塾に通う子供が増えればそりゃ嬉しいのだが、しかしこの都のやり方に賛同することは決してない。塾が潤うこと以上に、道理が大切だと考えるからだ。


カルト電機 (2008 4/3 11:00)

ヤマダ電機:創業者・山田氏が会長に、新社長は一宮氏(4/3毎日)
 ヤマダ電機は1日、創業者の山田昇社長(65)が会長に就任し、一宮忠男副社長(52)が社長に昇格する人事を内定した。山田氏は最高経営責任者(CEO)、一宮氏は最高執行責任者(COO)を引き続き兼務するが、初の社長交代となる。6月27日の株主総会を経て就任する。一宮氏は山田氏の姉の長男で、おいにあたる。
(中略)
 一宮 忠男氏(いちみや・ただお)
創価大卒。83年ヤマダ電機。取締役、専務などを経て95年4月から副社長。宮崎県出身。

 ヤマダ電機で買い物をしたことは一度もないが、これからも決してヤマダ電機では物を買わないと、心に強く誓った。マハーポーシャと同じ位置付けで捉えることとする。


上映中止 (2008 4/3 1:00)

「靖国」上映中止―表現の自由が危うい(4/2朝日新聞社説)
 これは言論や表現の自由にとって極めて深刻な事態である。
 中国人監督によるドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の今月公開を予定していた東京と大阪の五つの映画館が、すべて上映中止を決めた。来月以降の上映を準備しているところも数カ所あるが、今回の動きが足を引っ張ることにもなりかねない。
 右翼団体の街宣車による抗議や嫌がらせの電話など具体的な圧力を受けたことを明らかにしている映画館は一つしかない。残りは「お客様に万が一のことがあってはいけない」などというのが上映をやめた理由だ。
 トラブルに巻き込まれたくないという気持ちはわからないわけではない。しかし、様々な意見がある映画だからこそ、上映してもらいたかった。
 すぐに思い起こすのは、右翼団体からの妨害を恐れて、日教組の集会への会場貸し出しをキャンセルしたプリンスホテルである。
 客や周辺への迷惑を理由に、映画の上映や集会の開催を断るようになれば、言論や表現の自由は狭まり、縮む。結果として、理不尽な妨害や嫌がらせに屈してしまうことになる。
 自由にものが言えない。自由な表現活動ができない。それがどれほど息苦しく不健全な社会かは、ほんの60年余り前まで嫌と言うほど経験している。
(以下略)

 上映中止を決めた映画館の行為は、たしかに残念ではあるが批判できるものではないし、公的な助成金が使われたことに疑義を呈した稲田朋美議員の行動も、それ自体に問題があるわけではない。(ただし、今回のような事態を招かないような努力は必要だったとは思う。少なくとも、左巻きに格好のエサを提供してしまったわけで。稲田朋美氏がもし本気でこの状態を「残念だ」と言っているのであれば、自身の行動がどのような影響を有するのか分かっていないことを以て批判の対象となるし、このような状態を密かに望んでいたのだとすれば、巧い方策ではないということでやはり批判の対象になる。)
 上映はされるべきだとは思うが、どこに責任があると言い切れるものでもないので、何とも歯切れの悪い物言いしかできぬ。

 しかし、「新しい歴教科書をつくる会」の教科書をさんざん批判して採択を妨害し、従軍慰安婦や南京虐殺に懐疑的な意見を「戦争礼賛」とレッテルを貼り、朝鮮統治の良い面を挙げる行為を「悪行の正当化」と抑圧してきた朝日新聞が、このように「表現の自由」を云々する資格など無いと思うのだが。左寄りの言説は良い言説、右寄りの言説は表現の自由に対する圧力、という考え方をしている限り、何の説得力もない。



超党派活動 (2008 4/2 1:00)

「偏狭ナショナリズムはダメ」 超党派活動が再び活発化(4/1産経)
 揮発油(ガソリン)税の暫定税率を失効に追い込んだ民主党の小沢一郎代表が早期解散に向けて気勢を上げる中、自民、民主両党などの超党派活動が再び活発化した。環境、外交、拉致などテーマはさまざまだが、参加議員が今後の政局の流動化をにらんでいることは間違いない。
 中川秀直元幹事長は1日、国会内で議員連盟「京都議定書目標達成議員連盟」(略称・もくたつ議連)を発足させた。自民、公明両党の議員約60人が入会し、30人が出席。会長に中川氏、幹事長に小池百合子元環境相、会長代理に浜四津敏子公明党代表代行、小泉純一郎元首相が名誉顧問に就任した。
 1日から京都議定書の実行期間に入ったことに合わせての議連発足だが、中川、小池両氏は3月23〜24日に訪中したばかり。自民党内では「次期総裁選で中川氏は麻生太郎前幹事長の対抗馬として小池氏を擁立するための布石ではないか」(自民中堅)との見方も強い。
 小池氏は「議定書の『出発の日』にガソリン値下げという逆の流れとなり、このままでは日本は世界に支離滅裂なメッセージを出してしまう。集まった人数が多くてこの部屋も温暖化しているようですね」とにこやかにあいさつ。小泉氏は姿を顔を見せなかったが、中川氏は「次は必ず出席するように申し上げたい」と自信を見せた。
 議連は今後も賛同者を募るが、「政局的な憶測を呼ばないように」(関係者)するため民主党とは連携しない方針。温暖化対策をめぐっては安倍晋三前首相が3月5日に勉強会「クールアース50懇話会」を発足させたばかり。安倍氏は麻生氏と連携を強めており、環境問題で「麻生VS小池」の図式が浮かび上がったともいえそうだ。
 一方、自民党の加藤紘一元幹事長は1日、外交などの超党派勉強会「ビビンバの会」の第2回会合を国会内で開き、梅原猛国際日本文化研究センター名誉教授が哲学的な見地から日本のナショナリズム論について講演した。
 3月26日の初会合の出席者は15人だったが、今回は自民党から山崎拓元副総裁、海部俊樹元首相、石原伸晃前政調会長、民主党から鳩山由紀夫幹事長、仙谷由人元政調会長、公明党から東順治元国対委員長ら67人が出席した。
 あまりの盛況ぶりに加藤氏も「まさかこんなに集まるとは…」と上機嫌。「この会は中川昭一元政調会長や平沼赳夫元経産相らとは違い、『偏狭なナショナリズムはダメだ』という流れの勉強会だ」と述べ、中川昭一氏らの「真・保守政策研究会」を強く牽制(けんせい)、この会を軸に「リベラル勢力の再結集」を狙うホンネをちらつかせた。
 超党派の「拉致議連」(会長・平沼赳夫元経産相)も1日、国会内で総会を開催。13日で期限切れとなる対北朝鮮経済制裁の延長に加え、北朝鮮への渡航・輸出の全面禁止などの追加制裁を求める決議を「家族会」「救う会」と連名で採択した。
 自民党から中川昭一氏ら、民主党から松原仁衆院議員ら保守色の強い議員約40人が参加。拉致問題に特化した議連ではあるが、政府が北朝鮮に対し融和姿勢に転じることがあれば、「保守勢力の再結集」の核となる可能性もある。


 加藤紘一のアホ発言はともかく、こうした超党派の勉強会が隆盛な状況を見るにつけ、「これが将来の政界再編の礎となれば…」と夢想してしまう。
 衆院と参院の第一党が異なるという「ねじれ国会」が取り沙汰されるが、与党と野党それぞれに愛国系と売国系の議員が入り交じっているという「ねじれ」現象も、大きな問題である。超党派の勉強会を通じて、それぞれの党の保守系の議員、或いは各党のリベラル系の議員が連携を深め、それが将来の政界再編の際に「右と左にスッパリ別れる」ことに資してくれれば、と期待する。
 逆に、超党派の活動が、与党と野党の間に妙な地下茎を作り上げ、55年体制のような「なぁなぁの関係」を作り上げるようでは困るのだが。

 現状では、民主党は媚中・媚韓・媚北の輩が権力を握っているし、かといって自民党内にも左巻き売国奴が潜んでいるため、まともに支持できる政党が存在しない(公明や社民など論外、共産は役には立つが支持までは…)。とっとと、愛国と売国で、真っ二つに別れて欲しいもんだ。理想的には、安全保障ではどの党も一致した政策を掲げ、生活や経済関係で論を戦わせるような状態がいいんだが。


 ちなみに、暫定税率の期限切れについて。
 政府や自民党のやり方が正しいと主張する気はないが、話し合いに全く応じない民主党の姿勢にもウンザリである。話し合いを重ねることで事態を打開しようという意識は全くなく、暫定税率の期限切れに追い込んだことで「勝利宣言」する卑小さは、見ていて醜さしか感じない。
 スタンドは、暫定税率実施時の在庫が残っているのに、客からの有形無形の圧力のために(0時をまわるのを待って行列を作ってまで給油する姿は滑稽極まりない)、値下げ競争に参加せざるを得ない状況。暫定税率が回復したからと言って、すぐに値上げするのも、今回は難しかろう。暫定税率に対する是非以前に、ガソリンスタンドを苦しめるような状況を生み出した政治の有り様には、腹立たしさを感じる。


本日のでっち上げ (2008 4/2 1:00)

ラサ暴動の一主犯、ダライ・ラマ勢力の指図を認める (4/1CRI)
 公安省の武和平報道官は1日北京で、「ラサ警察当局が拘束した暴動の一主犯は、ダライ・ラマ勢力の高官の指示に従い、その手下に分裂活動を起こさせたという事実を認めた」と発表しました。
 武和平報道官は、「この主犯はダライ・ラマ勢力と暗号で連絡をとり、中国で情報収集活動に従事していたことを認めた。しかし、事件は今審理中であることから、その実名は明かせず、法に基づき、刑事事件として処理している。警察当局はまた、ダライ・ラマ勢力の"安全部門"の一高官の中国領土内での活動網を発見し、さらに一部寺院から武器と弾薬を押収した」と述べました。
 武和平報道官は、「警察当局は、ラサ暴動はダライ・ラマ勢力が画策した"チベット人民大蜂起運動"計画の一部分であり、その目的はチベットで指導的に破壊活動を引き起こし、危機を作り出すためであることという証拠をつかんだ」と述べました。


 この話を信じる人がいるならば、その人の脳味噌を解剖して見てみたい。拷問でもして「自白」させたんだろうと考えるのが自然。もしくは、中共らしからぬエイプリルフールネタか?



4/1 (2008 4/1 0:00)

胡錦濤国家主席 来月8日に池田大作氏と会談(4/1毎曰)
 中国の胡錦濤国家主席が、来日中の5月8日に、創価学会の池田大作名誉会長と会談する方向となっていることが1日、分かった。先月19日に、中国側が「胡主席が日本で会いたい民間人3人のうちの1人」として池田氏を指名したことが伝えられていたが、今回、具体的な日程が明らかになった。
 中国の外交部関係者によると、会談の際、池田氏に対して胡錦濤国家主席から直々に「名誉中国人民」の称号が与えられるほか、北京大学の名誉博士号も併せて与えられることが決まっている。

 そのまま中国に行って戻ってこないことを痛切に希望。


こっちは本物の記事 (2008 4/1 0:00)

ウイグルで500人拘束か(3/31産経)
 31日付の香港紙、東方日報などは、中国新疆ウイグル自治区ホータンで23日と24日、約1000人が参加したデモがあり、計500人以上が当局に拘束されたと報じた。
 中国からの独立を目指す少数民族ウイグル族の活動家らでつくる「世界ウイグル代表大会」のスポークスマンの話として伝えた。
 同紙などによると、デモ参加者の8割が女性で、地元政府が未婚女性を強制的に連行し低賃金で働かせているとして抗議したほか、政治犯の釈放も要求した。当局はデモが周辺に波及することを警戒し、デモ関連情報が広まらないように努めているという。(共同)


 未婚女性の強制連行というのは、このことだろう。3/23に引用した読売の記事から一部引用。

 また、昨年5月から当局がウイグル族のパスポートの回収を始めたとして、「海外渡航が不可能になり、人権侵害だ」と批判。就労斡旋(あっせん)の名目で、中国政府が数年前から未婚女性を数十万人単位で沿岸部に移住させる計画を進め、学校でもウイグル語の使用を制限しているとし、「100年後、我々の文化が残っているだろうか」と非難した。

 強制移住の後には、当然漢民族との結婚という結末が待っていると思われる。低賃金で労働させること異常に、中共の狙いは「ウイグル人の増加を防ぐ」ことであるはずだから。チベットでの断種・強姦と比較すれば一見穏便ではあるが、しかし冷酷な民族浄化の一手段だ(かつてはウイグル(東トルキスタン)でも、850万件の強制中絶など、チベットと同等の残虐行為が行われていた)。

 過去の虐殺行為のせいでガタガタの、しかもそれを武力で無理矢理抑え込もうとしている、そんな国で「平和の祭典」ですよ。冗談にしてもタチが悪すぎです。

 ちなみにこれが東トルキスタンの旗。イスラム系なので、月が描かれていますね。



貢ぎ物 (2008 4/1 0:00)

トヨタが北京市警察に寄贈、プリウスなど4車種16台(3/31サーチナ)
 31日中国新聞社電によると、豊田汽車(中国)投資有限公司は同日、北京市の警察にクラウン、カムリ、レクサス、プリウスの4車種計16台を寄贈した。
 うちプリウスは5台。寄贈された車両は、価格600万元(約8500万円)で、パトロールなど第一線の任務で使用されるという。(編集担当:如月隼人)


 中共に貢ぎ物か?ちゃんと時限爆破装置はセットしてあるんだろうな?
 いや、ホンダもたしか広州警察にパトカーを寄贈していたはずで、こういう「寄贈」は日常茶飯事ではあるのだが、しかしチベット問題があるこの時期にやらかすのは、ちょいと間が悪いんじゃないか、と。