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パキスタンの3分の1が水没 (2022 8/31 10:30)

パキスタン洪水被害 国連が220億円規模の支援へ(8/31テレ朝)
 国連のグテーレス事務総長は豪雨による洪水で3300万人以上が被災しているパキスタンに220億円規模の支援を実施するために加盟国に対して協力を求めました。
 パキスタンでは2カ月にわたる豪雨で洪水がおさまらず、政府は国土の3分の1が水没したと発表しています。
 死者は1100人を超えていて、3300万人以上が被災しています。
 こうした状況を受けて、国連のグテーレス事務総長は1億6000万ドル=日本円でおよそ220億円の緊急的な支援を実施するため、加盟国に協力を求めました。
 これによって520万人に対し食糧や水、教育などが提供される見通しだということです。
 グテーレス事務総長は来月9日に首都イスラマバードに到着し、甚大な被害を受けた地域を訪問する予定です。




 今までほとんど報じられてこなかったと思うが、パキスタンが大変なことになっていた。

 国土の3分の1が水没というのは、言葉を失ってしまう。
 3300万人が被災し、1100名が死亡。40以上のダム、200以上の橋が破壊され、多くの農地や家畜も失われたという。
 国際的な支援を得て早く復興して欲しいと思うが、一方で、これほどの状況からどう立ち直れるのだろうか、と痛ましい気持ちにもなる。

 ヨーロッパや中国では逆に、雨量が少なすぎて干上がっている川も出てきているらしい。

 たまたま各地の異常気象が同時に発生してしまったのか、気候変動の流れの一部なのかは分からないが、こうした傾向が続かないで欲しいと願わずにはいられない。新型コロナに異常気象、ロシアのウクライナ侵攻と、試練が続きすぎである。



共産党は国葬欠席 (2022 8/30 10:30)

共産は国葬欠席へ「今の形では出席できない」(8/29産経)
 共産党の小池晃書記局長は29日の記者会見で、党として安倍晋三元首相の国葬への出席を見合わせる考えを示した。「今、言われているような形で国葬が強行されることになれば、出席はできないということになる。国葬という形をとらないということが基本だ」と述べた。

 共産党支持者は当然国葬反対だろうからこの決定には賛同するだろうし、国葬に賛成する立場からしても、悼む気持ちがない人間に出てこられても鬱陶しいだけなので、共産党の国葬欠席はありがたい。うん、win-winである。

 共産党はたしか吉田茂の国葬の時にも参加しなかったはずなので、ある意味筋は通っている。その点は評価しても良かろう。

 さて、同じく国葬反対の立憲民主党はどう対応するのだろうか。共産党が筋を通した以上、説得力のある言説を持ち出さないと参加しにくいと思うのだが。



相変わらずの面々 (2022 8/29 10:30)

立民新執行部が発足 幹事長に岡田氏、党再生目指す(8/26時事)
 立憲民主党は26日の両院議員総会で、幹事長に岡田克也氏(69)らを起用する人事を決め、新執行部を発足させた。政調会長に長妻昭氏(62)、国対委員長に安住淳氏(60)がそれぞれ就任。泉健太代表はベテランを活用することで、先の参院選で敗北した党の再生を図りたい考えだ。
 泉氏は総会後の記者会見で、民主党政権で閣僚経験のあるベテランを起用する狙いについて「政権党を目指す立憲民主党の姿をもっと強く打ち出す」と強調。ネクストキャビネット(次の内閣)を設置し、若手を積極的に登用する方針も示した。
 岡田氏は就任会見で「まずは政権を争えるような政党として、しっかりと立て直していきたい」と語った。国政選挙での野党間の候補者調整に関しては「自民党にかなわないところは無理にする必要はない」と述べ、柔軟に対応する考えを示した。


 「口ばかり達者だが実力が全く伴っていない」としか評しようのない民主党政権の戦犯たちが雁首そろえており、「相変わらず反省してないんだな」としか思えない。「政権奪還」とか言っているが、やる気が全く感じられない。新陳代謝の進まない党だ。

 しかも、執行部のほとんどは、旧統一教会との関連が週刊誌などで報じられた人物。自民党に対しては「接点があればアウト」と批判していたくせに、自分たちに対しては同じ基準を用いないダブルスタンダード。そもそも「接点があればアウト」という論調自体が間違いなのだが、少なくとも、他者を批判するなら自分たちも同じ基準で律するべきだろう。

 しかし、マスコミはほとんど立憲民主党は批判しない。その報道に煽られて、内閣支持率と自民党支持率だけは着実に落ちている。馬鹿馬鹿しいったらない。



至極正論 (2022 8/25 10:30)

自民・二階氏「国葬当たり前。やらなかったらばか」 都内で講演(8/24毎日)
 自民党の二階俊博元幹事長は24日、東京都内で講演し、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)や関連団体と自民党議員との関係について「問題があればどんどん出して、修正をしていくべきだ。自民党はびくともしないから」と述べた。旧統一教会問題は岸田内閣の支持率急落の一因になっており、党内の動揺を鎮めようとしたとみられる。
 二階氏は「電報を打ってくれと言われたら打つ。多くのみなさんから支援を得たいと思うからね。この人は悪い人かいい人かよく吟味して対応すべきだと言われればそれまでだが、そんなこと瞬時にわかるわけない」とも述べ、今後、関係を見直せば問題はないと強調した。
 二階氏はまた、9月27日に予定される安倍晋三元首相の国葬に報道各社の世論調査で反対意見が強いことについて「それがあったからといって国葬をやめるわけではない。国葬は当たり前だ。やらなかったらばかだ」と指摘した。【李舜】


 二階氏による正論である。

 海外から多くの要人が弔問に訪れるのだから、それなりの「格」が必要なのは当然のことだ。野党やメディアは「反対」と煽り立てているが、東京五輪も、さんざん「反対」を煽っていたが、始まればマスコミは五輪報道に沸き、反対論などどこかへ吹き飛んでしまった。一時の根拠のない感情論など、無視するが良い。

 二階氏の発言に対して「国葬をやらなかったらバカだと?国民を馬鹿にするのか!」と噴き上がっているそれこそバカがいるが、二階氏の発言の主語は政府与党であろう。言ってもいないことを勝手に受信して勝手に腹を立てている姿はみっともない。



藪蛇 (2022 8/24 10:30)

旧統一教会と関わり、枝野氏・安住氏ら立民6人判明…泉代表「ごまかそうとしているのが自民」(8/23読売)
 立憲民主党は23日、「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)と関わりがあった党所属国会議員について、枝野幸男・前代表や安住淳・元財務相ら新たに6人が判明したと発表した。関連が明らかになった立民の国会議員は計14人になった。
 発表によると、枝野氏は2006年、旧統一教会との関連が指摘される「世界日報」に座談会の記事が掲載された。安住氏も10年に同紙のインタビューを受け、記事が掲載された。大串博志衆院議員は関連団体の会合に秘書が出席していた。
 泉代表は発表に先立ち、23日の党執行役員会で、自民党と同連合の関係について、「調べない、説明しない、明言しないという『3ない』状態だ。ごまかそうとしているのが自民党の姿勢だ」と批判していた。


 マスコミも、旧統一教会関連のメディアから記事をもらう提携関係を結んでいたことが明らかになったり、野党もこの記事のように、様々な関連が出てきて、完全に藪蛇状態。
 政府や自民党にあれだけ食い込んでいるのだから、自分たちにもそれなりの関わりがあると予想するのは当然だろうに、「少しでも接点があったらアウト!」と噴き上がって自民叩きに邁進していたのだから、ある意味自業自得ではある。

 マスコミも野党も、本当に問題を解決したいのなら、自民批判のネタとして消費するのではなく、みんなで協力して解決策を考えよう、とするべきだった。そうでなく全力で自民をぶっ叩きに行くから、いざ自分たちにも問題が降りかかってきたときに「ブーメラン」になるのだ。

 マスコミも、これまでの態度を改めて、「旧統一教会関連団体との繋がりを精査し、報告します。今後繋がりは一切絶ちます」と特集番組を流せば、筋は通るとは思うが……期待するだけ無駄ではある。



雑な批判、落ちる支持率 (2022 8/22 10:30)

内閣支持率16ポイント急落36% 発足以降で最低 毎日新聞世論調査(8/21毎日)
 毎日新聞と社会調査研究センターは20、21の両日、全国世論調査を実施した。岸田内閣の支持率は36%で、7月16、17日の前回調査の52%から16ポイント下落した。昨年10月の内閣発足以降で最低となった。不支持率は54%で前回(37%)より17ポイント増加した。
 岸田文雄首相は8月10日に内閣改造と自民党役員人事を実施した。内閣改造後の調査で、支持率が改造前より低下するのは異例。今回の内閣改造と自民党役員人事については「評価しない」との回答が68%に上り、「評価する」は19%にとどまった。「関心がない」は13%だった。
 自民党と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関係に問題があったと思うかとの問いでは、「極めて問題があったと思う」が64%、「ある程度問題があったと思う」が23%で、合わせて9割弱が問題があったと答えた。「それほど問題があったとは思わない」は7%、「全く問題があったとは思わない」は4%で、問題がなかったとの回答は合わせて1割強だった。自民党支持層でも、7割超が問題があったと回答した。内閣支持率の急落は、閣僚ら政務三役や党役員と旧統一教会との関係が相次いで表面化したことが影響したとみられる。
 政治家は旧統一教会との関係を絶つべきだと思うかと尋ねたところ、「関係を絶つべきだ」は86%に上り、「関係を絶つ必要はない」は7%だった。自民党支持層でも「絶つべきだ」は77%で、「絶つ必要はない」の12%を大きく上回った。
 政党支持率は、自民党は29%で前回の34%から5ポイント減。その他の政党は、日本維新の会13%(前回15%)▽立憲民主党10%(同8%)▽共産党5%(同3%)▽参政党4%(同4%)▽国民民主党4%(同3%)▽れいわ新選組4%(同5%)▽公明党2%(同4%)――などで、「支持政党はない」と答えた無党派層は25%(同20%)だった。
 調査は、携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)機能を使う方式と、固定電話で自動音声の質問に答えてもらう方式を組み合わせ、携帯536件・固定429件の有効回答を得た。【伊藤奈々恵】


 内閣改造自体に問題があったとは考えられないので、完全に、旧統一教会の問題による失速だろう。内閣支持率だけでなく、政党支持率も落としていることからも、それは窺える。

 統一教会について政府や自民党議員の歯切れが悪いという批判は分かるし、信者を食い物にしている統一教会も問題だし、そんな教団と繋がりがあることは確かに問題ではあろう。

 しかし、マスコミの煽り方が非常に危険な方向に向かっているように思えてならないし、その影響でこのように政権の支持率が落ちるのも、良いこととは思えない。

 世界平和統一家庭連合は、様々な問題を起こしているとはいえ法的には存在を認められている宗教法人であり、暴力団のような反社会的集団とは法律上認定されていない。宗教活動についても、たとえば多額の寄付について「問題がある」というラインを具体的に設定することは不可能であり、違法行為一つ一つを検挙することは可能だが、宗教活動自体を取り締まることは憲法上許されない。

 しかし、今や「統一教会は悪」という空気が確実に醸成されている。
 それ自体がダメというわけではないが、信教の自由を侵すような過剰な叩きになっている部分、なりつつある部分が見受けられ、大変危険なことに感じる。

 また、自分たちを棚に上げて「統一教会とわずかでも接点あったらアウト」と統一教会批判・自民批判に躍起になってるマスコミの姿勢も雑すぎる。「信教の自由」との兼ね合いを考えれば、批判するにしても慎重さが必要だが、自民叩きができればとりあえず燃やしとけ、という姿勢が丸見えである。

 岸田政権の支持率低下を見て、そんなマスコミや野党の雑な批判が功を奏しているのは何だかなぁという気持ちになる。

 ちなみに、統一教会からはメディアに対して抗議がなされたようだ(参照:旧統一教会がメディアを挑発「かつて関わりあった報道機関を調査、公表する」敵対心あらわ(8/21弁護士ドットコム))。雑な叩きを繰り返していたことを思えば、統一教会から逆ねじ喰らっても自業自得としか思えない。
 というか、論理的には正当な批判に対して「挑発」って何やねん。この件に関しては、弁護士や憲法学者という肩書きの人たちも、雑な批判を繰り返している印象がある。

 雑な批判が飛び交う状況に、2009年に感じたのと似たような脱力感を覚えている。



9条教という名のカルト (2022 8/18 10:30)

憲法賛歌を歌って「平和の力」感じて 憲法記念日の朝に思い浮かび一気に制作(8/16東京新聞)
 衆参両院で改憲勢力が国会発議に必要な3分の2以上の議席を確保し、改憲の具体案が議論される中、戦争放棄を明記した9条などを掲げる日本国憲法の素晴らしさを再認識してほしいと、元共同通信記者の山本邦晴さん (69)=名古屋市=が憲法をたたえる歌を制作した。希望者に楽譜を配布する予定で、「憲法を守る集会やデモを後押しする存在になれば」と広く活用されることを願っている。(市川千晴)
 憲法賛歌と銘打った曲のタイトルは「憲法 日本の誇り」。「平和の力だ」「福祉の心だ」「みんなの願いだ」といった簡潔な歌詞に、誰もが平和のうちに希望する仕事に就いたり、芸術を楽しんだりできるようにとの願いを込めた。明るいマーチ風の曲だ。
 「憲法は国の将来のあるべき姿を書いた規範で、前文は格調の高い文章だ」と、記者だった山本さんは訴える。報道の使命は平和を保つことだと心がけて、赴任地で市民の戦争被害や反戦運動を取材してきた。
(以下略)

 記事には歌詞どころか、曲の動画も載っているが(メロディも音程もおかしい)、「気持ち悪い」の一語に尽きる。私は、即座に「麻原彰晃マーチ」を想起した。彼らは「9条教」というなのカルトに洗脳されているという点では、たしかにオウム真理教と同類である。

 一国の平和は、外交安全保障政策と軍事力によってもたらされる。教条的に「平和」を主張していても、侵略されるときは侵略されてしまうと言うのは、ロシアのウクライナ侵攻で思い知らされたはずだ。その現実を受けてもなお教条的な態度を改めないのは、やはり「カルト」と言うべきだ。

 まぁ9条教徒がアホをやらかしてその愚かさを世間に開陳するのは、改憲論者である側の身とすれば、ありがたいことではある。



ベテルギウス減光の原因 (2022 8/17 10:30)

大減光の影響が続くベテルギウス(8/16AstroArts)
 2019年に起こったベテルギウスの大幅な減光は大規模な質量放出によるものだという説が新たな観測データから示された。質量放出の影響は現在も続いている。
【2022年8月16日 ハーバード・スミソニアン天体物理学センター】

 米・ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのAndrea Dupreeさんたちの研究チームは、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)や地上望遠鏡・宇宙探査機のデータを解析し、2019年から2020年にかけて起こったオリオン座の1等星ベテルギウスの大幅な減光(参照:「2等星に陥落!ベテルギウス減光のゆくえ」)が、星の表面から大量の物質が宇宙空間に放出された表面質量放出(Surface Mass Ejection; SME)によるものだと結論した。
 ごくありふれた恒星である太陽でも、コロナの一部が宇宙空間に放出される「コロナ質量放出(Coronal Mass Ejection; CME)」という現象がしばしば起こる。だが、2019年のベテルギウスのSMEでは、太陽のCMEで放出される物質の4000億倍にもなる莫大な量の物質が放出されたと推定されている。恒星の表面物質がこれほど大規模に宇宙空間へ放出される現象はこれまで観測されたことがないため、SMEはCMEとは本質的に異なる現象かもしれない。
 現在のベテルギウスは、2019年の破局的な大変動からゆっくり回復しつつある途中だ。「ベテルギウスは現在も通常とは違った活動を続けていて、星の内部で一種の『反動』が起こっている状態です」(Dupreeさん)。
 Dupreeさんたちは2020年の段階で、大減光の原因は大規模な質量放出によるものだという説を唱えていた(参照:「ベテルギウスの減光は大量の物質放出が原因」)。今回Dupreeさんたちは、HSTに加えてスペイン領カナリア諸島の「STELLA」、米・アリゾナ州の「FLWO」、NASAの太陽観測衛星「STEREO-A」、さらにアメリカ変光星観測者協会(AAVSO)の観測データなど、大減光前後のベテルギウスを観測した様々な望遠鏡・探査機などのデータを集約して解析し、この大規模な変動のシナリオを作り上げようと試みた。
 「私たちはこれまで、恒星の表面で起こる巨大な質量放出を見たことがありませんでした。私たちの目の前で、まだ完全に理解できていない現象が続いています。これは完全に新しい現象ですが、HSTを使って直接観測し、表面の詳細を分解できます。私たちは恒星進化の過程をリアルタイムで観察しているのです」(Dupreeさん)。
 2019年に起こった巨大な質量放出はおそらく、幅が160万kmを超える巨大な対流プリュームが星の深部から上昇して起こったとDupreeさんたちは考えている。この現象が衝撃波と星全体の脈動を引き起こし、ベテルギウスの光球の一部が宇宙に放出された。放出された光球の物質は月の質量の数倍で、これが冷えて塵の雲ができた。また、星の表面には大きな低温の領域が残された。この塵の雲が星からの光を遮り、2019年の終わりから数か月も続いた大減光として観測されたというのだ。
 興味深いことに、これまで約200年間にわたってベテルギウスで観測されてきた約400日周期の脈動も、現在は止まっている。これも質量放出の激しさを物語るものだ。
 ベテルギウスの内部では、星を形づくるガスが細かく分かれて対流する「対流セル」という状態になっていて、これが規則的な脈動を引き起こしていると考えられるが、現在は不安定な洗濯機の洗濯槽のように対流セルが動き回っているのかもしれない、とDupreeさんたちは考えている。スペクトル観測によると、ベテルギウスの外層大気は通常の状態に戻っているが、光球の表面は今もゼリーのように揺れ動いているようだ。
 今後、NASAのジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を使えば、ベテルギウスから離れつつある放出物質を赤外線で検出できるかもしれない。


 大幅に減光し「すわ超新星爆発か?」と話題になっていたベテルギウス。その後も原因究明の調査が続いており、その減光の原因が徐々に明らかになってきている。

 巨大な対流の結果、光球の一部が噴火のように宇宙空間に放出されたらしい。太陽の通常のコロナ質量放出の4000億倍以上、月の質量の数倍の噴出が起きたというのだから、さすが赤色超巨星と言うべきすさまじい規模だ。

 今すぐ超新星爆発を起こすという物ではなさそうだが、臨終間際の様々な現象を、ベテルギウスは見せてくれている。死の間際にある巨星が存在し、しかもそれを観測できる時代に生きていることに、幸せを感じている。
 あとは超新星爆発を待つばかり、さぁ早く爆発してくれ。



未だに降伏論を唱える豊永郁子氏 (2022 8/12 10:30)

(寄稿)ウクライナ、戦争と人権 政治学者・豊永郁子(8/12朝日)
 2022年7月8日の安倍晋三元首相の射殺事件によって、私たちは少なくとも一つのことを知った。銃器がいかにむごたらしく人間の体を破壊し、命を奪うかということだ。そのときウクライナのことをふと思った。このような銃撃、さらには砲撃による人間の破壊が日々起こっている。これはそれ自体がとてもよくない、(以下有料)

 冒頭から文末に至るまで、浅薄な思考と筋違いの言説にあふれた、唾棄すべき駄文である。侵攻をおこなったロシアに対する批判は一切なく、公選するウクライナをまとめるゼレンスキー大統領を一方的に非難する内容。最後の方には、「パリやプラハは、降伏したからこそ昔の歴史を感じる町並みが残っている」という妄言まで載っている。

 ロシア軍がウクライナの占領地で何をおこなったか、すでに多くのことが明らかになっている。ブチャでの虐殺、と運部での強制連行、ロシア語教育……降伏したからといって、人権が守られる保証などどこにもないことは、明々白々ではないか。

 この期に及んで「降伏すれば命が守られる」と主張するのは、底抜けの大馬鹿者か、ロシアの手先でしかない。
 この愚論を述べている豊永氏は恥知らずとしかいいようがないし、こんな駄文を掲載した朝日新聞も同様だ。


墓参り (2022 8/12 10:30)

 11日には、義母のお墓と義祖父のお墓にお参りして来ました。

 義母のお墓参りは墓掃除も兼ねており、夏場のお墓掃除の際には毎年着替えをきちんと持って行く習慣だったのですが、今年はなぜか忘れてしまい、人がいないのをいいことに上半身裸で墓掃除に邁進しておりました。
 結果は、背中の酷い日焼け。夕方の時点で真っ赤に腫れ上がっておりました。夏の昼間の紫外線をなめてはいけません。

 しかし、お墓で卒塔婆を見ると、それを持って胸の前にかざして「聖徳太子」と一発芸をしたくなったり、卒塔婆で人の肩をパシーンと叩いて「喝!」と叫びたくなるものです。カミさんに「不謹慎だ」と毎年たしなめられておりますが、わき上がってくる感情はしかたありません。もちろん、実際に行動を起こすところまでは狂ってないのですが。



夏期講習中 (2022 8/9 10:30)

 夏期講習で、授業時間だけでも通常の2倍ほどになっており、なかなかハードな日々が続いております。

 毎年、夏期講習から中3の受験対策国語を担当するのですが、これがかなりエネルギーを消耗します。
 まず、中学生相手に何時間も国語の授業をするのは、集中力を切らさないようにあれこれ工夫せねばならず、気を張り続けていて精神的に疲労しますし、集中力を絶やさないためにこちらは手振り身振りをオーバーにしますので、肉体的にも疲れます。そもそも、夏から新しく持つ生徒なので、その点でもあれこれ意識をせねばならず精神を消耗します。
 高3生を続けて6時間やるのと、中3生相手に3時間の国語の授業をやるのと、ほぼ同じくらいの消耗度合いです。

 中3国語をやって、小学生もやって、夜には高校生、という日が続いているのですが、これは50歳とか60歳になったら難しいだろうなぁと思ってます。

 プラス、普段なら昼に少し昼寝の時間を取っているのですが、それがとれないのも痛いです。普段の生活スタイルが変わることによるダメージというのは、「休みだろうが何だろうが同じ時間に寝て同じ時間に起きる」というのを続けている人間からすると、結構なストレスだったりします。

 というわけで、更新が滞っていますがこんな状態ですので、ご容赦願いたい……まぁ言い訳なんですけどね。



ペロシ氏の訪台、中国の反発 (2022 8/5 10:30)

 中国が、アメリカ下院議長ペロシ氏の台湾訪問に対して、強硬に反発している。
 台湾沖で軍事演習をおこない、日中外相会談をキャンセル、台湾との貿易を一部停止する発表もおこなった。

 中国は台湾を「中国の領土の一部」と主張し、アメリカはそれに対してその主張を認めつつも曖昧な態度を取る戦略をとってきた。
 しかし、アメリカはその戦略を転換しようとしている。台湾に対するコミットメントを明確にし、台湾に対する中国の武力行使を抑止しようと動いている。それはもちろん、ロシアのウクライナ侵攻を止められなかった反省に基づく部分もあろう。台湾で再びウクライナの轍を踏んではならない。

 「中国が反発しているのはアメリカが中国を挑発したからだ」とアメリカ側を非難する意見もある。たしかに、台湾に具体的な「お土産」を持って行ったわけでもない今回のペロシ氏の訪問に、中国の反発を招いてでも実行する理由があったかというと、疑問はある。
 ただ、近年の中国の行動を考えれば、ここでアメリカをことさら非難するのは中国の覇権的行動にお墨付きを与えかねない。ウクライナに侵攻したロシアに対して「ロシアを追い込んだNATOが悪い」と主張するのと同類の愚論になりかねない。
 中国は、台湾に対する威嚇的な動きを強めているし、これまで数十年、軍備を大幅に強化し、東シナ海や南シナ海で傍若無人な行動を取ってきた。そのような状況を看過することは、台湾だけでなく、東アジアの安全保障に大きな悪影響を及ぼす。中国の覇権的行動は押さえ込まねばならない。

 それにしても、中国の反応は過剰にも見える。

中国ミサイル5発が日本のEEZに落下 政府が抗議(8/4産経)
 外務省の森健良事務次官は4日、中国軍が同日発射した弾道ミサイルのうち、5発が日本の排他的経済水域(EEZ)に落下したと発表した。森氏は中国の孔鉉佑駐日大使と電話会談を行い、強く抗議するとともに「軍事訓練の即刻中止を求める」と申し入れた。
 森氏は中国軍のミサイル発射について「EEZを含むわが国近海に落下したことは、わが国の安全保障、国民の安全にかかわる重大な問題だ」と非難。さらに「中国の行動は地域および国際社会の平和と安定に深刻な影響を与えるものだ」と抗議した。


 「ミサイルが我が国のEEZに落下」って、北朝鮮と同類ですがな……。
 これを受けて、「やはり中国とは仲良くすべきだ」と思うか。いや、むしろ軍事的挑発に走る中国を警戒するのが当然だろう。毅然とした態度を取りつつ互いに実利を得るため経済交流継続を模索する、というのが現実的な態度だ。実際、安倍外交がそのような戦略で成功を収めていた。

 アメリカと中国による、新たな冷戦時代に突入しているかのように見える。我が国政府は、未来像を描いて確固とした立場を示し続けられるかどうか。大きな未来図を描いて「自由で開かれたインド太平洋」を謳った安倍氏の損失は、やはり大きい。



トヨタ社長に関するデマ拡散 (2022 8/3 10:30)

「トヨタ社長『ワクチンは毒』」とデマ拡散 ブログが掲載し削除(8/2毎日)
 新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、トヨタ自動車の豊田章男社長が2日の記者会見で「私は、ワクチンを打っていない。ワクチンはDS(ディープステート、影の国家)が人口削減のために用意した遅効性の毒。打つと2年以内に死ぬ」などと呼びかけたとする事実ではない情報がネット上に掲載され、拡散した。毎日新聞の調べでは、同日はトヨタは記者会見を開いておらず、完全に虚偽情報だった。
 この虚偽情報は、報道機関の記事を装っており、「トヨタ社長豊田章男氏、ワクチン打たず『DSが人口削減のために用意した遅効性の毒』 株価は3%下落」との見出しで、2日午後に流されていた。豊田社長が2日に名古屋市で会見を開いて「(ワクチンを)大切な人に打たせないでください」「私の影響力を使い、少しでも死ぬ人を減らしたい」などと発言したとする虚偽の内容も書かれていた。また、この会見の直後に「トヨタ自動車の株価は1・8%下落、その後も下げは止まらず一時3%程下落した」との不正確な情報も載せていた。
 この情報は「TECH NEWS ONLINE」と題するブログで出され、ネットで拡散。ツイッターでは、「遅効性の毒」「人口削減のため」など関連する言葉がトレンド入りした。ネット上では批判も多く出て、このブログの記載内容は2日夜、削除された。【デジタル報道センター、経済部】


 最近は反ワクチン、少し前だと反原発……非科学的というか、反科学的な輩は、「自信は正しい」と信じ込んでいるが故に、尚更やっかいな存在だ。ただ、人が言ってもいないことを言ったように吹聴する、というのは悪事と分かってやっているはずで、確実に一線を越えている。

 豊田社長もお忙しいとは思うが、デマを流した反ワクチンのバカに対して、本気で追い込みかけて欲しいところ。「デマを垂れ流したら報いを受ける」のが当然という状況にしないと、どうせ訴えられないと高をくくって嘘をばらまく輩が跡を絶たなくなる。償わせましょうよ、豊田さん。



粗雑な批判 (2022 8/1 10:30)

安倍元首相国葬に反対53% 内閣支持12ポイント急落51%(7/31共同)
 共同通信社が30、31両日に実施した全国電話世論調査によると、安倍晋三元首相の国葬に「反対」「どちらかといえば反対」が計53.3%を占め、「賛成」「どちらかといえば賛成」の計45.1%を上回った。岸田内閣の支持率は51.0%で7月11、12両日の前回調査から12.2ポイント急落し、昨年10月の内閣発足以来最低となった。不支持率は7.1ポイント増の29.5%。
 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政界の関わりについて実態解明の「必要がある」は80.6%、「必要はない」は16.8%だった。
 回答は固定電話425人、携帯電話625人。


 安倍氏国葬への反対が過半数……連日これだけマスコミが「統一教会と自民党の繋がり」を煽り立てていれば、まぁ水を差される形にはなるだろう。

 もちろん、被害者が多数出ているカルト教団とのつきあいには、政治家は慎重であって欲しいと思う。
 ただ、法的に問題ある行為はその都度摘発する必要はあるが、一方で、宗教活動自体を問題視したり、宗教団体と政治との繋がりを過剰に忌避するのも、また筋違いである。政教分離は、宗教団体が政治家を支援すること自体を禁じる物ではない。

 今のマスコミの報じ方は、旧統一教会は潰されて当然という方向に進んでいるように見えるし、「統一教会と繋がりがある安倍は顕彰に値する政治家ではなかった」という印象を与えたい意図が見え隠れしている。モリカケで巧く安倍を追い落とせなかったマスコミが、安倍氏の暗殺を奇貨として、反撃がないのをいいことに「モリカケの仇を統一教会で討とう」としているようにしか見えない。

 統一教会への批判は当然なされるべきだが、批判のやり方が雑すぎて、まったく同調する気になれない。「宗教団体への多額の寄付行為は禁止すべきだ」という声も出ているようだが(維新がそのような法案を検討しているという記事が出ていた)、仏教での檀家の寄付行為に上限を設ければ、寺院の運営に大きなダメージを与えかねない。以前もここに書いたように、「どこまでがまともな宗教で、どこからがカルト的事案か」の境界線を引くのは非常に難しいのだ。宗教団体への扱いは、今マスコミがおこなっているような粗雑な物であってはならない。

 今のこの流れは、まさしく安倍氏を殺したテロリストの思惑通りに進んでいるのではあるまいか。その片棒を担いでいる、いや、率先してテロの有効性を証明しているのが、我が国のマスコミどもである。



キジも鳴かずば撃たれまい (2022 7/29 10:30)

「残した派閥をばかに」 安倍派の猛反発で甘利氏の追悼演説頓挫(7/28毎日)
 自民党が8月の臨時国会で実施する予定だった安倍晋三元首相の追悼演説を先送りする検討に入ったのは、甘利明前幹事長(麻生派)が演説を行うことに対して与野党の反発が強まったためだ。特に銃撃事件で会長の安倍氏を失った自民党安倍派(清和会、97人)で批判が強まったことが大きな要因となった。
 安倍派が反発を強めたのは、甘利氏の20日のメールマガジンがきっかけだ。この中で甘利氏は安倍派について「『当面』というより『当分』集団指導制をとらざるを得ない。誰一人、現状では全体を仕切るだけの力もカリスマ性もない」と指摘した。
 これに安倍派最高顧問の衛藤征士郎・元衆院副議長は21日の同派会合で「こんなに侮辱されたことはない」と激しく反発。派内では他にも「甘利氏こそカリスマ性がない」などと批判する声が相次いだ。
 党は甘利氏の演説を検討したのは「安倍氏の遺族の意向を踏まえた」ためだとしているが、同派から「なぜ安倍氏が残した派閥をばかにする甘利氏に演説させるのか」「国民の気持ちは甘利氏ではない」などの声が漏れた。反発は安倍派のみならず党内の他派閥にも広がり、党執行部には「いつ甘利氏に決めたのか」など、再考を求める意見が寄せられているという。党内では、甘利氏に代わって第2次安倍政権で安倍氏を官房長官として支え続けた菅義偉前首相や岸田文雄首相による演説を求める声があり、野党からは野田佳彦元首相らを推す声が出ている。
【東久保逸夫、李舜】


 残された安倍派内に安倍氏に匹敵する統率力やカリスマ性を持った人物がいないのは確かだ。若手には有望株はいるがあくまで「@若手」であるし、ベテラン組でも下村氏のようなトンデモか塩谷氏のような地味な人物ばかり。
 しかし、事実を述べれば良いという物ではないのは、政治の世界では常識だろう。安倍派の反発は当然のものだ。

 ヒステリックに喚く野党は無視できようが、党内最大派閥の安倍派からの反発には、さすがに応じるほかあるまい。まったく余計なことを言ったもので、これで追悼演説の大役を逃しても自業自得という物だ。

 反安倍に凝り固まった立憲民主党などがあれこれ言うのはもう諦めているのだが、与党内でこういう揉め事が起きるのは、本当に嘆かわしい。安倍さんが不憫でならない。



追悼演説を巡っても野党が難癖 (2022 7/27 10:30)

安倍氏追悼演説、自民は甘利氏で調整 「国葬」審議応ぜず、野党反発(7/26時事)
 自民党は26日、参院選中に銃撃され死亡した安倍晋三元首相の追悼演説を、8月3日召集の臨時国会で同党の甘利明前幹事長が行う方向で調整に入った。自民党の首相経験者に対する追悼演説はこれまで野党が行うことが慣例だった。野党は国葬開催の是非などを審議するため十分な会期を求めているが、与党は8月3〜5日の3日間とする方針。野党は反発しており、甘利氏の人選も新たな対立の火種になりそうだ。

 政府は26日、衆参両院の議院運営委員会理事会で、臨時国会を8月3日に召集すると伝達。これに先立ち、自民党の高木毅国対委員長は立憲民主党の馬淵澄夫国対委員長と国会内で会談し、会期を3日間とする考えを示した。
 高木氏は追悼演説を同5日に行うことも提案したが、馬淵氏は「国葬の是非も含めて政府の説明責任が果たされていない状況で行うのは筋として通らない」と反発。馬淵氏は3日間の会期についても「到底認められない」として、両氏は折り合わなかった。
 追悼演説を行う方向で調整している甘利氏は、経済再生担当相などとして安倍政権を支えた。安倍、麻生太郎両氏とともに「3A」と称され盟友関係を築いた。今回の人選は「遺族の意向」(自民党幹部)という。
 ただ、2000年の小渕恵三氏への追悼演説は社民党の村山富市元首相が、1980年の大平正芳氏の場合も飛鳥田一雄・社会党委員長が行ってきた。
 このため、野党からは「自民党のお手盛りが過ぎる」「何を聞いても自民党は『遺族の意向だ』としか説明しない」(立民幹部)といった不満が出ている。
 これに関して、立民の西村智奈美幹事長は党本部で記者団に「追悼演説の慣例からも極めて逸脱する」と指摘。その上で「政治とカネをめぐる問題の甘利氏ならば、何重もの意味で故人の弔い方としてはよくないことだ」と批判し、自民党に再考を求めた。


 今までの慣例を考えると、野党議員が追悼演説する方が形式的には良かろうとは思うが、野党議員とりわけ立憲民主党の連中にまともな追悼演説ができるとは思えない。「国葬反対」「神格化反対」と喚いている連中に、追悼の演説を頼む気など起きないのは当然だろう。普段の言動を考えるに、追悼の演説だろうとここぞとばかりに批判をねじ込んでくる可能性もある。要するに、信用ならないのだ。浅沼稲次郎に対する池田勇人の演説のような物が、今の野党議員にできるとは到底思えない。

 仮に野党側が追悼演説するにしても、それは立憲民主党ではなく国民民主党の方だろう。何でもかんでも反対でギャーギャー喚くしか能のない立憲民主党など、お呼びでない。

 しかも、「高木氏は追悼演説を同5日に行うことも提案したが、馬淵氏は「国葬の是非も含めて政府の説明責任が果たされていない状況で行うのは筋として通らない」と反発」という経緯もあって追悼演説は自民甘利氏ということになったのだが、追悼演説に反対しておきながら、演説を甘利氏がやることになったとたんに「立民の西村智奈美幹事長は党本部で記者団に「追悼演説の慣例からも極めて逸脱する」と指摘」と難癖。本当にこいつらは何なのだろうか。



世界における安倍氏への評価 (2022 7/26 10:30)

 長いが、CNNの記事を引用する。

 これが、安倍氏に対する世界的な評価なのだと唸らされる記事。我が国のメディアは、本当に「反安倍」で凝り固まっていて、彼の功績についてまともに論評しようともしない。日本のジャーナリストたちには、安倍氏は「右翼政治家」「独裁者」と表されることが多かったが、国際社会では、リベラルな政治家、自由と平等の理念を守ろうとした政治家として評価されている。そして、それが正当な評価であろう。

「自由で開かれたインド太平洋」、安倍元首相の一言が変えた米国のアジア観と中国観(7/22CNN)
 韓国・ソウル(CNN) アジア太平洋地域の多くの人々にとって、安倍晋三元首相は先見の明のある人物だった。台頭する中国を課題ととらえ、米国主導の政治・軍事同盟システムにもたらす影響について認識していたからだ。
 今月8日、暗殺者の銃弾で殺害された安倍氏は生前、西側の同時代人の誰よりも多くのことに取り組み、その課題に対応してきたと言っていい。
 首相の連続在任期間は歴代最長。多くの人々は、安倍氏の主導によりようやく日本が第2次世界大戦の影を脱することができたと記憶するだろう。
 同氏は中国人民解放軍の急速な拡大を予見していた。世界最速レベルの経済成長に支えられた同軍が、地域の力の均衡を乱すだろうと見抜いていた。そして日本は、こうした変化の結果、戦後米国から与えられた平和的な憲法について再考する必要に迫られるだろうとも主張していた。
 2014年、当時の安倍政権は同憲法の解釈を変更。理論上、自衛隊による海外での武力行使を可能とした。そのためのツールも与え、ステルス戦闘機を購入したほか、それらを艦載機とする戦後初の国産空母完成に向け、護衛艦の改装も進めている。
 しかし、おそらく自国の防衛――多くの人々にとってはより広範なアジア地域の安全保障――に対して安倍氏が行った最大の貢献は、軍備ではなく言葉にある。つまり同氏が作り出したシンプルなフレーズ、「自由で開かれたインド太平洋」だ。

パラダイムシフト
 このごく短い言葉によって、安倍氏は多くの外国の政治指導者たちを変えた。彼らがアジアについて語り、考えるその手法を変化させた。
 現在、中国の指導部にとっては大変厄介な話だが、このフレーズは至る所で聞かれる。米軍が題目のように唱えるほか、誰であれ意欲的な西側の外交官なら、好んで口にする言葉になっている。
 そのためつい忘れそうになるが、安倍氏以前にはこれらの分野で「インド太平洋」なるものを語る人はほとんどいなかった。
 07年以前に米国政府が好んでいたのは、アジアをオーストラリアから中国、米国にまで広がる地球上の巨大な領域として概念化し、「アジア太平洋」と呼称することだった。
 この概念は中国をその中心に据えており、安倍氏には受け入れ難いものだった。多くの日本人と同様、同氏は中国政府の影響力が伸長すれば自国がはるかに規模の大きい隣国から不当な扱いを受けかねないと危惧していた。
 安倍氏の目的は、世界に対し、もっと大きなレンズを通してアジアを眺めるよう促すことだった。「インド太平洋」というそのレンズは、インド洋と太平洋の両方にまたがる概念で、07年のインド議会での演説で初めて提唱された。演説のタイトルは「二つの海の交わり」だ。
 このようにアジアの境界を捉え直すことには2つの意味があった。まず地理的な中心が東南アジア及び南シナ海に移った。好都合にも人々の注目が集まったその地域では、中国政府が多くの国々と領有権争いを繰り広げていた。
 次に、おそらくもっとも重要な点だが、結果的にある一国が表舞台に登場することになった。純粋に国の規模だけで中国の対抗勢力となり得る国、すなわちインドだ。

インドを迎え入れる
 安倍氏は「インドの重要性を認識し、民主主義の立場から将来の中国覇権に対して均衡を保つ役割を担うと考えていた」。そこで「組織的にインドの指導者らへの呼びかけを開始し、構想の中へと引き入れた」。米研究機関イースト・ウェスト・センターのジョン・ヘミングス氏は20年に発表した安倍氏の評価の中でそう記した。ちょうど首相としての2度目の任期を終えるころだった。
 「民主主義国であるインドをアジアの将来に含めることは、地政学的のみならず地経学的にも望ましかった。インドの人口と民主主義体制は、中国の同等に膨大な人口並びに権威主義体制と釣り合いが取れていた」
 安倍氏が原動力となって進めた枠組み、日米豪印戦略対話「QUAD(クアッド)」はインドを他の3カ国との提携へと引き込んだものであり、立ち上げは前述した「二つの海の交わり」の演説と同年だった。
 この提携のルーツは04年に発生したインド洋大津波での救助活動にあるが、「イデオロギー的要素」を帯びるようになったのは06年の安倍氏による選挙演説においてだったと、米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)は指摘する。その後07年に戦略フォーラムとして生まれ変わり、半ば定期的に首脳会談や情報交換、そして極めて重要な合同軍事演習が行われるようになった。中国はこれに対し抵抗感を示した。
 数カ月後、安倍氏は自らの掲げる「拡大アジア」「広大なネットワーク」の構想を明らかにした。それによって結ばれた国々は、自由と民主主義、共通の戦略的利益といった「基本的価値」を共有する。
 こうした説明からは、中国の入り込む余地がほとんどないように思われる。同国はこれ以降クアッドに脅威を抱き続けており、王毅(ワンイー)外相は米国を公然と非難。「北大西洋条約機構(NATO)のインド太平洋版」によって中国を取り囲もうとしていると主張した。

自由で開かれたインド太平洋
 一時期、中国の敵対心がクワッドをつぶすかに見えたことがあった。中国政府による経済的報復の脅迫を受け、08年に枠組みが崩壊。ここで安倍氏が再び積極的に動いた。
 外務省によれば、安倍氏が最初に自身の「自由で開かれたインド太平洋」構想について説明したのは、16年のケニアでの基調演説だったという。
 構想は「3本の柱」からなっていた。第一に法の支配や航行の自由、自由貿易などの普及と定着、第二に経済的繁栄の追求、第三に平和と安定の確保だ。
 こうした言い回しが「中国政府を際立たせる役割を果たした。自国中心主義を一段と強めつつアジアの将来を見据える同国の構想が浮き彫りになった。一方で開放性と価値観を奨励し、域内で態度を決めかねている国々にアピールした」と、イースト・ウェスト・センターのヘミングス氏は分析する。
 安倍氏がケニアで演説した翌年、クアッドは再生した。そして当時のトランプ米政権は、独自の概念としての「自由で開かれたインド太平洋」を発表した。
 安倍氏の死去まで、クアッドは相当に拡大していた。過去2年間、4カ国は2度の合同海軍演習を実施。「自由で開かれたインド太平洋」の促進を合言葉に集結した。

安倍氏の遺産
 安倍氏の死後、英シンクタンク、国際戦略研究所(IISS)で日本部門の責任者を務めるロバート・ウォード氏は、安倍氏がどのように自身の国の外交政策を再構築したかを記した。「日本及び地域の秩序に対する脅威をいち早く認識したことが原動力になった。それは中国の急速な台頭がもたらしたものだ」
 その意味で「同氏の遺産の重要性を誇張するのは難しい。それは日本の内外に転機をもたらすものだった」と、ウォード氏は記した。
 安倍氏の影響力が広範に及んでいたことは、死後に寄せられた追悼の言葉から明らかだ。
 弔意を表した政治家の中に、インドのモディ首相がいた。同氏は07年に会って以来、安倍氏を「親愛なる友」と呼んでいる。9日には安倍氏のため、国を挙げ喪に服することを宣言した。
 思いがこもっているのは米国からのメッセージも同様だ。米国は中国の最大の競争相手であり、日本にとっては最大の軍事同盟国となる。
 安倍氏の下、米国と日本の関係は「新たな水準」に達したと、米シンクタンク、センター・フォー・アメリカン・プログレスのアジア担当上級研究員、トビアス・ハリス氏は指摘する。バイデン大統領が全国のあらゆる公共施設と世界中の連邦施設で半旗を掲揚するよう命じたのはその表れだった。
 ホワイトハウスの公式の追悼文もそうした認識を反映していた。そこでは安倍氏を米国にとって「信頼できる友」とし、「両党の大統領とともに、両国間の同盟を深化させるべく尽力した。開かれたインド太平洋のために、共通の構想を推し進めた」とたたえた。

追悼の言葉
 ここでもまた、「自由で開かれたインド太平洋」という文句が登場する。
 このフレーズは、米国の政治や軍事に関わる声明の随所に見られるようになった。18年、ハワイに司令部を置く米太平洋軍はその名称をインド太平洋軍に改めた。「米国が西方向を注視する中、インド洋と太平洋の結びつきが一段と増している」ことを念頭に置いた措置だ。
 昨年12月、インドネシアでの「自由で開かれたインド太平洋」と題した演説の中で、ブリンケン米国務長官は米国政府の意向として「同盟国や提携国と力を合わせて、ルールに基づく国際秩序を守る」と明言。「我々はそうした秩序を数十年かけて築いてきた。地域を確実に開かれた状態に置き、アクセス可能なまま保つためだ」と述べた。
 そして先月シンガポールで開かれた「アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)」では、オースティン国防長官が「ルールに基づく国際秩序」もしくはそれに類する言葉を8回口にした。
 岸田文雄首相はこの言葉を19回用いて「自由で開かれたインド太平洋」構想を進める日本の姿勢を説明。同構想は国際社会から広範な支持を得ているとの見解を示した。
 この広範な支持こそが、安倍氏の残した極めて永続的な遺産かもしれない。称賛すべきその構想について、安倍氏は8年前のシャングリラ・ダイアローグでの自身の演説で遠回しに言及していた。
 聴衆に向けたその内容は、日本政府が覚悟を持って先頭に立ち、地域を繁栄させながら全ての人を豊かにするというものだった。安倍氏はこの中で、あらゆる国々に国際法を順守するよう呼び掛けた。そうすることで将来世代がこうした恩恵を共有できるとの認識を示した。
 「この広い、太平洋、インド洋のように、私たちの可能性は、どこまでも広がっています」。安倍氏はそう語った。


本稿はCNNのブラッド・レンドン、アンドリュー・レイン両記者による分析記事です。




食料輸出合意の翌日に攻撃する蛮族国家 (2022 7/25 10:30)

穀物積み出しのオデーサ港にロシアがミサイル 食料輸出合意の翌日に(7/23朝日)
 ウクライナ軍によると、23日午前、同国南部の黒海に臨むオデーサ港がロシア軍のミサイル攻撃を受け、一部の施設が爆発した。同港は22日に国連、トルコがロシア、ウクライナとそれぞれ署名した食料輸出再開のための合意文書で積み出し港に定められており、関係者は相次ぎ攻撃を非難した。
 発射された4発のうち2発は迎撃されたが、2発が港の施設に命中したという。同国農業省はオデーサ港に数日内の輸出再開に向けた穀物がすでに用意されていたとしている。ウクライナのウニアン通信は、着弾したのは揚水設備で、同じ区域内の穀物倉庫は無事だったと伝えた。
 合意を仲介したグテーレス国連事務総長の報道官は23日、「事務総長は本日のオデーサへの攻撃を明確に批判する」との声明を出した。さらに合意について「昨日、すべての関係国、機関がウクライナの穀物と関係産物を世界市場に確実に移送することを誓った。完全な履行は必須だ」とし、輸出を再開するよう釘を刺した。

「顔につば吐いた」プーチン氏
 ロイター通信によると、ウクライナのゼレンスキー大統領は「(攻撃が)意味するのは、ロシアは何を約束しても実行しない方法を見つけ出すということだ」とコメントした。ニコレンコ外務省報道官も「ロシアのプーチン大統領はグテーレス氏や(ともに合意を仲介した)エルドアン・トルコ大統領の顔につばを吐いた」と批判した。一方で、ウクライナの担当閣僚は「食料輸出再開に向けた技術的な準備を続ける」とし、合意を履行する意思を示した。(喜田尚)


 ロシアはそういう国だと分かってはいるが、それにしても合意の翌日にその港を攻撃とは、さすが蛮族国家ロシアである。中国や北朝鮮の方が、まだ理性的に行動している。

 仮に万が一、ロシアがウクライナの一部を占領して「ロシアの望む形での和平」に漕ぎ着けたとして、その後、ロシアは国際社会でどう生きていくつもりなのだろうか。どの国からも信用されず、国家観での取り決めを新しく結ぶことは当面不可能だろうし、何かロシア国内で災害や経済危機などの問題が発生したときの支援も、得られがたくなるのではないか。

 ロシアが全面的に非を認めてウクライナから撤兵すれば、失った物を取り戻す可能性は出てくるが、かなり望み薄である。

 ところで。
 プーチンが仮に安倍氏の国葬に参列したいと言ってきても、政府は断ることを決めたようだ。入国禁止措置の対象を特例で入国させることは国際社会へ誤ったメッセージを発することになる、という説明を聞いて、確かにその通りだと納得した。「プーチンが参加してウクライナ和平への端緒になれば」と夢想していた我が不明を恥じるばかりである。



原発事故による健康被害は否定されている (2022 7/22 10:30)

国連科学委、福島第一原発事故での「放射線被曝を原因とする健康被害は認められない」(7/19読売)
 「原子放射線の影響に関する国連科学委員会」のメンバーらが19日、日本記者クラブで記者会見し、東京電力福島第一原子力発電所事故について「放射線 被曝ひばく を原因とする健康被害は認められない」とする解析結果を紹介した。メンバーは、昨年3月に公表した事故影響に関する報告書を住民や科学者らに解説するため来日している。
 同委員会は世界の放射線医学などの専門家が参加しており、500本超の論文や調査を基に報告書をまとめた。報告書では、住民の避難経路などを精査した結果、被曝線量は高くないと推計し、「被曝によるがんなどの健康影響が増加する可能性は低い」と結論づけた。前議長のギリアン・ハース氏は「報告書は最新の知見やデータに基づいている。結論は堅固で将来も大きく変わるとは思われない」と強調した。
 メンバーは22日まで東京と福島で住民や学生、科学者らと対話イベントを開く。


 この10年、非科学的反原発の連中は、原発事故による放射能の影響を盛んに吹聴し、その不安をさんざんに煽ってきた。しかし、その言説は全て非科学的な物だったし、多くの人たちによって論理的に否定されてきた。
 そして、国連の科学委員会からも、反原発人士たちの主張は完全に誤りであることが明言された。今回はその説明のために、来日してくれているらしい。もういい加減に黙れ、情緒的反原発どもよ。

 「もう東日本には住めない」「数年後には100万人死ぬ」とか言っていた連中がゴロゴロ存在していたが、彼らが自分たちの言説を反省し、過ちを認めたという話は全く聞かない。いやそれどころか、言説を少しずつスライドさせつつも、未だに、「汚染水を海に流すな」「福島の農作物は危ない」「原発は危険だ」と喚き続けている。まったく害悪としか言いようのない存在だ。

 原発再稼働に対する世論も穏当になってきているし、「10年以上経ってようやく」という思いだ。処理水の海洋放出や原発再稼働への流れを、もっと加速させて欲しい。



安倍派の新体制 (2022 7/20 10:30)

自民 安倍派 後任会長置かず現体制維持 幹部が派閥運営へ(7/19NHK)
 安倍元総理大臣が亡くなったことを受け、自民党安倍派は幹部らが会合を開き、当面、後任の会長は置かず、現在の体制を維持するとともに、2人の会長代理を軸に幹部が話し合いながら派閥を運営していく方針を確認しました。
 自民党内最大派閥の安倍派は、会長を務めていた安倍元総理大臣が演説中に銃撃されて亡くなったことを受けて、19日夕方、幹部や中堅・若手の代表らおよそ20人が党本部で会合を開き、今後の派閥の運営について協議しました。
 この中では、安倍氏の遺志を継いで一致結束すべきだとして、当面、安倍派の名称は継続して後任の会長は置かず、現在の体制を維持するとともに、塩谷元文部科学大臣と下村前政務調査会長の2人の会長代理を軸に幹部が話し合いながら派閥を運営していく方針を確認しました。
 そして、21日に派閥の総会を開き、こうした方針を正式に決定することになりました。
 会合のあと、塩谷氏は記者団に対し「安倍氏あっての派閥であり、安倍氏が政治的にやり残したことをいかにまとめるかが大事なので、当面は『安倍派』とする必要がある。少なくとも国葬が済むまでは今の体制で進んでいく」と述べました。


 安倍氏の存在は非常に大きかったゆえに、その喪失も大きくならざるを得ない。

 萩生田氏や世耕氏、西村氏など、将来安倍派を担うに値する人物はいるのだが、「重し」になるには年齢的に厳しいという現実もある。かといって、いまさら森さんや細田さんを引っ張り出すわけにも行くまい。幹部たちによる合議制をとるのは当然の流れだろう。

 ただ、集団指導体制はいいのだが、下村氏がデカい顔をするのだけは勘弁して欲しい。
 彼は「親学」などカルト系との親和性が高く、大学入試制度に関しては不要な改悪を目論んで受験生たちを混乱に陥れた張本人である。また最近は、安倍氏の葬儀も済んでいないうちから岸田氏に「保守派を優遇せよ、大きな顔をするな」と牽制するなど、人としての常識すらわきまえていない姿をさらしている。

 下村氏が前面に出てくれば、安倍派の結束も乱れるのではないか。彼が表に出ると、碌なことにならない。



旧統一教会への対応 (2022 7/19 10:30)

 旧統一教会への風当たりがかなり強くなっている。
 もちろん、信者から金を巻き上げ破産させるような有り様は、本来の宗教の有り様からは逸脱しているし、法に反する物は厳しく取り締まるべきだろう。

 ただ、「統一教会をつぶせ」という意見には、賛同できない。

 いや、心情としては統一教会系の宗教団体は滅びればいいとは思うのだが、たとえば「宗教団体への行き過ぎた寄付行為」を根拠にすると、お寺への寄進との区分けをどうするかという問題が発生するし、たとえば「壺を高額で買わせる行為」を問題にすると、高額な墓石は、高額なお札は、高額な厄除け費用は、葬式代は、という問題とぶつかってしまう。要するに、「境界線を作るのが非常に難しい」のだ。

 他者から見て異常に高額な宗教グッズであっても、本人が納得しそれで幸福感を覚えているなら、周りがとやかく言うわけにはいかない。もちろんそれで家族が困り果て、というなら問題だが、それも、法律則ち国家がどこまで口出ししていいのか、という問題がある。

 違法行為を一つ一つ摘発していく以外にないのではないか、というのが私の考えだ。

 また、オウム真理教でさえ破防法を適用できなかったのに、統一教会に対して厳しい措置を執ることは、法的矛盾を来してしまうのではないか。


 おまけ。

銃撃現場の献花台に供えられた花束、段ボール1000箱分以上に…西大寺で花供養の法要(7/18読売)
 事件現場に近い奈良市の真言律宗総本山・西大寺で18日、現場の献花台に供えられた花束を供養する法要が営まれた。
 安倍元首相を悼み供えられた花を供養する僧侶ら(18日午後、奈良市の西大寺で)=東直哉撮影
 僧侶8人が読経する中、約50人が順に焼香。今月8日の事件発生時に現場で安倍元首相の応援演説を受けていた自民党の佐藤啓参院議員(43)は法要後、「悲しみは癒えないが、多くの人が哀惜の念を持って花を手向けた。一つ一つの思いが元首相の元へ届けば」と話した。
  市が事件当日から設置した献花台には、段ボール箱約1000箱分以上の花束が供えられた。19日朝に撤去される。


 いろんな人が安倍さんを貶めようと躍起であるが、これが現実である。

 統一教会との繋がりは、様々な人がそれぞれの思惑で語っているので、今は様子見。安倍さんの功績が毀損されるわけでもないし。



醜悪な朝日川柳 (2022 7/18 10:30)

朝日川柳 西木空人選(7/16朝日)
 疑惑あった人が国葬そんな国(福岡県 吉原鐵志)
 利用され迷惑してる「民主主義」(三重県 毎熊伊佐男)
 死してなお税金使う野辺送り(埼玉県 田中完児)
☆忖度はどこまで続く あの世まで(東京都 佐藤弘泰)
 国葬って国がお仕舞いっていうことか(三重県 石川進)
(以下有料)

 いまだに、安倍氏とは何の関係もなかった森友学園や加計学園の問題を絡めて批判している物がある。死の直後にまで難癖をつけるのもどうかと思うし、そもそもモリカケは安倍氏に関しては空中楼閣だとはっきりしているのではないか。
 さらには、「国葬は国がおしまい」などと、人の死を安直に揶揄している物もある。死をネタに誹謗中傷できる精神性は、全く以て朝日読者らしい醜悪さである。

 そもそも、川柳として全く巧くない。ただ安倍氏への悪感情を17文字にしたと言うだけ。

 この選者の西木空人という人物、勝つ点天声人語の筆者だった栗田亘氏らしい。
 栗田氏以降、天声人語は文章の内容の劣化が著しくなっていったと記憶している。栗田亘とか小池民男とか、目に見えて文章の劣化がすさまじかった。ゆえに、この川柳の選考も、まぁ宜なるかなと言うところである。

 もちろん、これら視野を冒涜する揶揄さえも、言論の自由と言えば言論の自由である。そして、これこそが、「安倍独裁」とか「自民独裁」の反証である。言論の自由のすばらしさよ……もちろん批判する自由もあるので、それはお忘れなく。



国葬決定 (2022 7/15 10:30)

首相「暴力に屈しない決意世界に示す」 「国葬」実施を表明(7/14産経)
 岸田文雄首相は14日の記者会見で、参院選の応援演説中の今月8日に銃撃され、死亡した自民党の安倍晋三元首相の政府主導の葬儀について「この秋に『国葬儀』という形式で安倍氏の葬儀を行うこととする」と述べ、今秋に「国葬」として実施すると表明した。
 首相経験者の国葬は、昭和42年の吉田茂元首相以来。最近は、令和2年の中曽根康弘元首相など内閣と自民による「合同葬」が主流だった。
 岸田首相は国葬を決めた理由として@(第1次政権、第2次政権あわせ)憲政史上最長の8年8カ月にわたり、卓越したリーダーシップと実行力をもって厳しい内外情勢に直面するわが国のために首相の重責を担ったA東日本大震災からの復興、日本経済の再生、日米関係を基軸とした外交の展開など大きな実績をさまざまな分野で残したB外国首脳を含む国際社会から極めて高い評価を受けているC民主主義の根幹たる選挙が行われている中、突然の蛮行により逝去されたものであり、国の内外から、幅広い哀悼・追悼の意が寄せられている─の4点を挙げた。
 その上で、岸田首相は「国葬儀を取り行うことで、安倍元首相を追悼するとともに、わが国は暴力に屈せず、民主主義を断固と守り抜くという決意を示していく。あわせて、活力にあふれた日本を受け継ぎ、未来を切り開いていくという気持ちを世界に示していきたい」と強調した。

 何日も連続で関連の話題が続いているが、ご容赦願いたい。

 昨日「国葬を希望する」という文章を書いたが、岸田総理が早くも決断をしてくれた。
 吉田茂以来となるが、吉田茂に匹敵する功績は十分に挙げているし、その突然の死を悼み「暴力に屈しない」という意思を見せるには、ふさわしいレベルであろう。

 さっそく「何の功績もないのに税金を使って葬儀などもってのほか」と暴れている手合いがいるが、とりわけ海外からの評価の高さを考えれば、全くズレた意見なので無視すれば良い。しかし、「何の功績もない」って、ちゃんと現実を直視したらどうか。

 その功績や志半ばで凶弾に倒れたこともあるが、これだけ海外から弔意表明が相次いだことを考えれば、海外からの弔問客を受け入れる規模としては国葬しかない。また、安倍総理の遺志を国家首脳同士でもう一度確認するという、外交的な意義も大きかろう。

 プーチンも訪れて、そこでウクライナ問題が解決する方向に向かう何かが起きれば、と夢想もしてしまうが、さすがにそれは楽観的に過ぎるか。



国葬を希望 (2022 7/14 10:30)

安倍元首相への弔問希望殺到 対応追われる外務省(7/13産経)
 参院選の街頭演説中に銃撃され死亡した安倍晋三元首相への弔問を希望する各国からの連絡が殺到し、外務省が対応に追われている。政府は各国要人らが参列できる大規模な葬儀を検討しているが、葬儀の形式や招待者の対象範囲をめぐっては「参考になる前例がない」と頭を悩ませている。
 海外からの弔問は、すでにブリンケン米国務長官が岸田文雄首相を官邸に表敬訪問したほか、台湾メディアによれば、頼清徳副総統が安倍氏の自宅を訪れた。トランプ米前大統領も葬儀参列を検討していると報じられている。
 外務省幹部は「多くの国から弔問の連絡があり、中には『今から飛行機に乗っていいか』という連絡もあったが、『少し待ってほしい』と伝えている」と明かす。ただ、政府は葬儀の形式を検討中で、外務省幹部は「誰に葬儀の案内を出すかなど政府の大方針が決まらないと動けない」と語る。
 一方、各国要人が集結すれば、日本は弔問外交≠フ場となる。自民党の河野太郎元外相はツイッターに「日本外交を引っ張って来られた安倍元首相らしく、政府主催のご葬儀の式典とすることで、来年のG7(先進7カ国首脳会議)の前にもう一つ、日本での外交の舞台をつくるべきです」と書き込んだ。
 安倍氏は「自由で開かれたインド太平洋」を提唱するなど、各国から高い支持を得た。葬儀は国際社会に名を残した安倍氏を弔うとともに、各国の結束を再確認する場にもなりそうだ。


 前例を踏襲しながら少しずつ物事を進めていくのが「官僚」という人種である。それは分かる。しかしながら、安倍総理は憲政史上最長の在職日数を誇り、国内経済を立て直し、外交において多大な実績をあげた大宰相である。その功績に「前例がない」以上、葬送についても前例踏襲など考えずに盛大におこなうべきだろう。

 反安倍どもがどれだけギャーギャー喚こうが、その実績は世界中で高く評価されているのが現実であり、その事実に見合った見送り方をすべきだ。

 しかし、安倍元総理は本当に海外からの評価が高い。我が国のマスコミがガラパゴス化している、偏っていることの証左であろう。そして、改めて彼の功績を、世界中からの声で知ることになった。



どうか安らかに (2022 7/13 10:30)

安倍元首相の葬儀営まれる 永田町に最後の別れ(7/12NHK)
 自民党安倍派の関係者によりますと、葬儀には岸田総理大臣や森元総理大臣ら政界関係者をはじめ、経団連の十倉会長や台湾の頼清徳副総統らおよそ1000人が参列して焼香などを行い、このうちおよそ200人が会場内での告別式に出席したということです。
 告別式では麻生副総裁が「安倍氏とは国益を考える絆で結び付いていた。国際社会での日本の存在を高めた戦後、最も優れた政治家だ。天国で父の晋太郎さんに胸を張って報告し祖父の岸総理とも政治談義をすることだろう。そのうち私もそちらに行くからまた楽しく話しましょう」と弔辞を述べました。
 また喪主を務めた昭恵夫人は「まだ夢を見ているようです。主人のおかげでいろいろなことを経験でき感謝しています。政治家としてやり残したことはたくさんあったと思いますが、種をいっぱいまいているのでそれが芽吹くことでしょう」とあいさつしました。
 会場内では安倍氏がピアノを弾き昭恵夫人が歌っている様子や、2人で卓球をしている様子、さらに2人の若い頃の写真などの映像が流れていたということです。
(一部抜粋)

各国首脳から「安倍は何と言っている」、日本人として誇らしい気持ちに…麻生氏弔辞(7/13読売)
 自民党の麻生副総裁が12日の安倍晋三・元首相の葬儀で、友人代表として述べた弔辞の詳しい内容は出席者によると、以下の通り。

 安倍先生、今日はどういう言葉を申し上げればよいのか、何も見つけられないまま、この日を迎えてしまいました。参院選の街頭遊説のさなかに凶弾に倒れた。いくら何でもそれはなかろう。この事態は私にとって、到底受け入れられるものではありませんでした。そしてまた、多くの国民もやり場のない怒りや悲しみに暮れております。誰もがどうお悔やみを申し上げればよいのか、その言葉すら知りません。
 ただただ、ご冥福(めいふく)をお祈りするばかりであります。振り返りますと、先生と私は随分長い時間、お付き合いをさせて頂いたことになります。時に官房副長官と政調会長、時に総理と幹事長、時に総理と副総理として、先生とは政策、また政局において様々な課題に取り組んで参りました。そこにありましたのは、先生との信頼関係。いかなる局面においても、日本という国、及び国益を最優先する信念、先生と私をつなぐ一番の絆であることを確信しております。
 少々、かっこよく言い過ぎたのかも知れません。普段はお酒を酌み交わし、ゴルフ場で冗談を言いながら回る。むしろ、そんないつもの光景の、そこにあった安倍先生の笑顔が目を閉じれば浮かんでまいります。
 総理としてのご功績は今更私が申し上げるまでもなく、多くの方々の知るところであります。内政はもちろんのこと、外交において、間違いなく、戦後の日本が生んだ最も優れた政治家ではなかったか、そう確信するものであります。
 戦後最長となられた在任期間を通じ、積極的な安倍外交は、あなたの持ち前のセンスと、守るべき一線は譲らない類まれなる胆力によって、各国の首脳からも一目置かれ、日本のプレゼンス、存在を飛躍的に高めたと確信しております。
 あなたが総理を退任された後も、ことあるごとに「安倍は何と言っている」と、各国首脳が漏らしたことに私は日本人として誇らしい気持ちを持ったものであります。
 世界が今、大きな変革の下に、各国が歩むべき王道を迷い、見失い、進むべき羅針盤を必要とする今この時に、あなたを失ってしまったことは日本という国家の大きな損失にほかならず、痛恨の極みであります。
 先生はこれから、(父親の)晋太郎先生の下に旅立たれますが、今まで成し遂げられたことを胸を張ってご報告をして頂ければと思います。そして、(祖父の)岸信介先生も加われるでしょうが、政治談議に花を咲かせられるのではないかとも思っております。
 ただ先生と苦楽を共にされて、最後まで一番近くで支えて来られた昭恵夫人、またご親族の皆様もどうかいつまでも温かく見守って頂ければと思います。そのことをまた、家族ぐるみのお付き合いをさせて頂きました友人の一人として心からお願いを申し上げる次第であります。
 まだまだ安倍先生に申し上げたいことがたくさんあるのですが、私もそのうちそちらに参りますので、その時はこれまで以上に冗談を言いながら、楽しく語り合えるのを楽しみにしております。正直申し上げて、私の弔辞を安倍先生に話して頂くつもりでした。無念です。

 令和4年7月12日 元内閣総理大臣 友人代表 麻生太郎


 麻生さんとしたら、中川昭一さんと安倍さんを失い、まさか自分が最後まで残るとは思っていなかったろう。「安倍先生に弔辞を読んでもらうつもりだった」は本心だろう。
 麻生さんの弔辞に、安倍さんの功績、偉大さが端的に表現されている。そして、改めて、世界中で評価される類い稀なる大宰相だったのだなぁと実感する。

 私も、なかなか彼の死を受け入れられないが、前を向いて、より良い日本を作るために自分にできることをやっていこう。

 多くの種が芽吹きますように。



参院選は自民の圧勝 (2022 7/12 10:30)

 昨日は免許更新で午前中忙しかったので、遅ればせながら参院選の雑感をば。

 事前の予想通りに、自民党の圧勝だった。
 我が県は、自民と国民民主、共産などという構図だったが、かろうじて野党の中ではマシな部類の国民民主党とは言え候補者が元CBCアナウンサーで私の大嫌いな人間だったため、選択肢になり得ず。迷うことなく投票できた。

 維新や国民民主党を含めた改憲に前向きな勢力が3分の2を超えたことが、私にとっては最も嬉しい知らせである。安倍さんの遺志を継いで、是非とも改憲の発議にこぎ着けて欲しいところだ。

 個人的には、赤松健の当選がめでたいし、逆に森ゆうこや有田芳生の落選もめでたい知らせ。これで福山哲郎や小西洋之も落ちていればと思うが、まぁそれは欲張りすぎだろう。
 参政党が議席を獲得したのは悪いニュース。非科学的右翼なんぞ、影響力を発揮しないまま6年で消えて欲しいものだ。

 安倍さんの喪失は非常に痛いし、はっきり言って彼の穴を埋めるのは不可能ではあろう。最大派閥の安倍派を、誰がどうまとめていくのか、一筋縄ではいかない。「森喜朗さんならまとまる」という話も出ているようで、もうさすがに引っ張り出してやるなよと思うが、それくらい安倍さんの喪失は混乱をもたらしていると言うことだ。
 しかし、前を向いて進んでいくよりない。安倍さんの遺志を継いで多くの自民党議員がいっそう仕事に励んでくれれば、と望む。



岸田氏の演説 (2022 7/9 23:40)

首相「安倍氏が愛した日本、次の世代へ」 街頭演説で(7/9産経)
 岸田文雄首相(自民党総裁)は9日、参院選(10日投開票)の山梨選挙区(改選数1)の応援演説のために訪れた山梨県富士吉田市で銃撃で死去した安倍晋三元首相に言及した。内容は次の通り。

「まず冒頭、昨日の出来事について触れなければならない。昨日、安倍元首相が奈良県で遊説中、暴漢に襲われ、命を落とされた。心からご冥福をお祈りしたい。民主主義国家日本において、民主主義の基盤である選挙の最中に暴力で言論が封殺される、こうしたことは絶対に許してはならないことであり、最大限の強い言葉で非難するとともに、私たちはこうした暴力行為には決して負けない、私たちの民主主義はこうした暴力には決して負けないんだということをしっかりと示さなければならない」

「安倍氏は卓越したリーダーだった。リーマン・ショック後、日本経済の再生に、大きな成果をあげたのが安倍氏だった。また、平和安全法制の議論などを通じて、日本の外交安全保障の基軸である日米同盟の信頼の絆を取り戻したのも安倍氏だった」

「また、世界のリーダーと渡りあって、民主主義国家の結束を固め、『自由で開かれたインド太平洋』の実現に貢献したのが安倍氏だった。(北朝鮮による日本人の)拉致問題、あるいは憲法改正、こうした課題にも並々ならぬ熱意を示し、努力を続けてきたのが安倍氏だった。間違えなく、安倍氏は素晴らしいリーダーだったと思う」

「安倍氏は私にとって衆院当選同期だ。当選してからも同僚議員として行動をともにし、また、安倍内閣の閣僚の一員としても苦楽をともにし、長い時間をともにした大切な友人でもあった。安倍氏をこのような形で失ってしまったことは、私は残念でならない。悔しくて仕方がない」

「しかしながら最も悔しいと思っているのは、民主主義を強くしよう、日本の経済を強くしようと、今日まで努力をしてきた安倍氏本人だ。事件を受けて、『今日の街頭での遊説も中止した方がよいのではないか』との意見もあった。しかし、現職の日本国首相として安倍氏の思いをしっかりと受け止め、そして民主主義を守るため、この参院選を自由で公正で安全な形で完結させる責任が私にはあると思っている」

「暴力には決して屈しない、最後までこうして皆さんの前に立ち、この選挙で訴えを続けていきたい。そして今日もご協力いただいている皆さん、警察の皆さん、警備の皆さん、また選挙関係の皆さん、そして何よりもこの暑い中、この街頭演説に駆けつけてくださった多くの皆さん。民主主義を守るのは、皆さんお一人お一人だとぜひ考えていただき、この選挙を最後までしっかりと完結させる。そのことによって私たちの民主主義、選挙の大切さを示す、そうした選挙にしたいと思っている」

「私たちは安倍氏が愛した日本を、より明るく元気にして次の世代に引き継いでいかなければならない。そのためにもこの選挙を充実したものにしなければいけない。意義あるものにしなければならない」


 岸田氏のすばらしい演説。ただ、選挙演説のため、日曜日には紹介することは避けたいため土曜日中に取り急ぎ紹介させていただく。



安倍元総理暗殺 (2022 7/9 10:30)

 安倍元総理が凶弾に倒れた。

 銃撃の第一報を聞いたときから、何とか回復して欲しいと願っていたが、かなわなかった。

 ショック、悲しみ、犯人への憎悪、安倍さんに対する憎悪をさんざんぶつけてきた連中への怒り、いろいろな感情がない交ぜになっている。

 バブル崩壊後続いていたデフレに対し、脱却までは行かなかったのは残念だが、しかしながら脱却できるかもという希望を与えたし、金融政策・財政政策によって円安株高へ誘導し、雇用環境を大きく改善させた。
 外交では、民主党政権下で悪化していた日米関係を改善し、「自由で開かれたインド太平洋」の構想を実現させ、トランプ大統領を巧く操縦し、世界の大国の調整役として唯一無二の活躍をしていた。
 総理を辞めて以後も、菅氏や岸田氏にとっては相談相手として心強い後ろ盾となっていたことだろう。

 その損失は計り知れない。国際社会においては調整役としてまだまだ活躍する舞台はあったろうし、国内においても、財務省への牽制役を失ったのは大きな損失であるし、説得力ある意見を言える重鎮がいなくなったことは自民党においても大きな穴であろう。
 本当に、偉大な政治家を失ってしまった。歴史に名を残す大宰相でありながら、佐藤栄作や吉田茂のような強面ではなく、人当たりが非常によい、等身大の、まことに希有な政治家だった。

 そして、元総理・現役の衆議院議員が銃撃されてしまう社会になってしまったという衝撃も当然大きい。総理・元総理の暗殺は、2・26事件での斉藤実や高橋是清の暗殺以来である。
 選挙中の演説のさなかに銃撃される可能性があるという事実は、今後の政治活動に少なからず影響を与えるだろう。警備はより厳重になるだろうし、政治家を志す人が躊躇するきっかけにもなりうる。

 テロによって何かが変わってはならない。しかし、どうしても変わらざるを得ないものはあるだろう。それでも、テロによって萎縮することなく、私たちはできる範囲内で、民主主義的行動を継続しよう。暴力を容認せず、言論には言論で、自由を守り……それが、自らを批判する人に比較的寛容だった安倍さんの遺志を守ることにもなる。

 どうか安らかに眠られますように。



ジョンソン英首相が辞意 (2022 7/8 10:30)

ジョンソン首相が辞意表明 相次ぐ不祥事受け首相交代へ(7/7NHK)
 相次ぐ不祥事で求心力が急速に低下しているイギリスのジョンソン首相は日本時間の7日夜、与党・保守党の党首を辞任する意向を明らかにし、次の党首が決まりしだい首相が交代することになりました。
 ジョンソン首相はEU=ヨーロッパ連合からの離脱を実現させるなどその実績をアピールしてきましたが、就任からおよそ3年で辞任に追い込まれることになりました。
 イギリスのジョンソン首相は日本時間の7日夜8時半すぎからロンドンの首相官邸前で声明を読み上げ、与党・保守党の党首を辞任する意向を明らかにしました。その後、後任を選ぶ党首選挙で次の党首が決まりしだい首相が交代することになりました。
 ジョンソン首相は「党の新しいリーダー、新しい首相が必要だ。新しいリーダーを選出するプロセスを始めるべきで、そのスケジュールは来週、発表されることで合意している」と述べました。
 ジョンソン首相をめぐっては新型コロナウイルスの厳しい規制が続く中、首相官邸などでパーティーが繰り返されていた問題に加えて、与党幹部が性的なスキャンダルで先週辞任し、二転三転する首相の対応が不誠実だなどとして反発が強まっていました。
 こうした中で主要閣僚やおよそ50人の政府高官が相次いで辞任を表明するという異例の事態を受けて、ジョンソン首相はこれまでになく厳しい状況に追い込まれていました。
 ジョンソン首相はEUからの離脱が最大の争点になった2019年の総選挙で与党・保守党を圧勝に導き、離脱を実現させるなどその実績を強調してきました。
 またことし2月、ロシアがウクライナに軍事侵攻して以降はプーチン大統領に対してとりわけ強硬な姿勢を示す一方で、ウクライナの首都キーウをたびたび訪問してウクライナへの積極的な支援を打ち出すなど存在感をアピールしてきました。
 しかし最大野党・労働党にも支持率でリードされる状況となるなど保守党内でもジョンソン首相に対する圧力は一層強まり、就任からおよそ3年で辞任に追い込まれることになりました。


 国民の支持も落ち、与党としては選挙への悪影響も気になるだろうし、ジョンソン首相の辞職は避けられないのだろう。それは英国民の意思であろうし、日本人である私がその民意にどうこう言うつもりはない。

 ただ、我が国との経済連携を強化する方向で動いていた政権だったし、ウクライナ支援でも積極的に動いていた。また、福島の桃ジュースやかりんとうを愛好していたのに非常に好感を持っていたので、彼の辞任は非常に残念である。

 後続の政権が、日本との関係を同様に強化する方向であって欲しいし、ウクライナ支援に後ろ向きになることのないよう強く望む。
 いや、彼が実際に辞任する秋頃まで、イギリスの外交が停滞することにも危機感を覚える。ウクライナ情勢に悪い影響を及ぼすことがないといいのだが……。



予想できたはずなのに (2022 7/7 10:30)

政府、ロシアの「弱点攻め」警戒 サハリン2で相次ぐ揺さぶり(7/7時事)
 石油・天然ガス開発事業「サハリン2」をめぐり、ロシア政府は対ロ制裁を継続する日本への揺さぶりを強めている。プーチン大統領がサハリン2を事実上接収する大統領令に署名して7日で1週間。日本政府は電力不足という日本の弱点を狙った動きと見て警戒し、情報収集を急いでいる。
 「日本はロシアから石油もガスも得られなくなる。『サハリン2』への参加もなくなる」。ロシアのメドベージェフ前首相は5日、日本をこう挑発した。
 先進7カ国(G7)は、ロシア産石油への価格上限設定を検討することで合意。岸田文雄首相は参院選の応援演説で「ロシア産石油はいまの半分程度の価格を上限とし、それ以上では買わない仕組みをつくる」と訴えており、メドベージェフ氏の発言はこれに反応したものだ。日本外務省幹部は「(ロシアは)相当手ごわい。すぐにカウンターパンチをかましてくる」と警戒感をあらわにする。
 ロシアメディアは、ロシア側が「非友好国」向けの液化天然ガス(LNG)輸出でロシア通貨ルーブルでの支払いを求める動きを報じた。実際、ロシアはルーブル払いを拒んだオランダやドイツに対しガス供給を絞っており、日本への揺さぶりとの見方が強い。
 サハリン2の大統領令をめぐり、日本は外交ルートで照会を続けるものの、詳細ははっきりしないままだ。日本企業がサハリン2での権益を失えば、液化天然ガス(LNG)輸入の約9%を占めるロシア産の大半が途絶え、ただでさえ逼迫(ひっぱく)する電力需給に重大な影響を与えかねない。
 日本政府はあくまで厳しい対ロ制裁と権益維持の両立を図る方針。ただ、政府内からは「言葉で強いことを言っても、日本の電力不足は深刻。完全に足元を見られている」(関係者)といった声も漏れており、今後も難しい対応を迫られるのは必至だ。


 ロシアの行動が批判されるべきなのは当然として、我が国外務省幹部の「(ロシアは)相当手ごわい。すぐにカウンターパンチをかましてくる」という言葉も情けない。
 欧米のロシア制裁に乗っかった時点で、ロシアがサハリン2の日本権益に揺さぶりをかけてくることは当然の話であったろう。しかしながら、この記事を読む限り、それに対する対応策はほとんど考慮されていなかったようだ。「ロシアは手強い」って、予想通りの順当な反応だろうに。エネルギー問題は国の屋台骨であるのに、いったい何をしていたのか。

 ロシアからのLNGはもはや当てにはできない以上、老朽化した火力発電所をだましだまし使うだけでなく、石炭火力発電や原子力発電での対応にも具体的に動くべきだろう。原発などはすぐには動かすことができないが、エネルギー不足はこれからもしばらく続くだろうから、できるだけ早く動いておく必要がある(もっと早くやっておくべきだったので「必要があった」と言うべきか)。安倍政権からの未解決課題である原発再稼働を、ここで大きく進めるべきだ。



与党を牽制する勢力は必要だが (2022 7/5 10:30)

 昨夜ツイッターを眺めていると、「#参院選でねじれさせよう 」というハッシュタグがトレンド入りしていた。野党支持者、反自民の方が作ったタグだろう。

 与党を牽制する勢力がある、与党に緊張感を与えうる勢力が存在することは必ずしも悪いことではない。いやむしろ、自民支持の私もそうあるべきだと思っているし、多くの与党支持の人たちもそのような気持ちを持っているのではないか。真っ当な野党の存在は、成熟した民主主義国家にとって非常に重要である。

 しかしながら、与党を掣肘する勢力として、立憲民主党とか共産党とか山本太郎党とかは選択肢になるはずもない。あんな筋違いのスットコドッコイどもにそんな力は与えたくない、というのが正直な気持ちである。

 日曜の夜には、また「民主主義は死んだ」という左巻きの断末魔が響き渡るのだろうな。



実際は野党の話も聞いているのに (2022 7/4 10:30)

山際担当相、「野党の話は聞かず」 発言に反発相次ぐ(7/3時事)
 山際大志郎経済再生担当相は3日、青森県八戸市で街頭演説した際、「野党の人から来る話はわれわれ政府は何一つ聞かない。本当に生活を良くしたいと思うなら、自民党、与党の政治家を議員にしなくてはいけない」と述べた。野党議員の意見なら無視するかのような閣僚の発言として、野党は反発した。
 山際氏は参院選の自民党公認候補の応援のため青森入りした。岸田文雄首相は「聞く力」を売りにしている。
 立憲民主党の逢坂誠二代表代行はツイッターで「山際氏は民主主義を理解していない。与党の声しか聞かないとはどう喝による独裁政治だ。発言を撤回すべきだ」と非難した。
 国民民主党の玉木雄一郎代表は「だから経済も成長しないし給料も上がらない。ずいぶん傲慢(ごうまん)になった」と批判。共産党の小池晃書記局長も「断じて許されない暴言。野党の声は無視するのが岸田政権か。一体どこが『聞く耳を持つ』か」と糾弾した。


 「野党には影響力はないから、野党ではなく自分たちに投票して欲しい」ということであろうし、立憲民主党逢坂氏の「与党の声しか聞かないのは恫喝による独裁政治」という批判もズレた物ではあるが、それでも、山際氏の発言は批判されても当然だ。

 まず、野党議員も民意を得て議員になっているのだから、彼らの意見を聞くのは民主主義の基本だ。建前かもしれないが、その建前を捨ててはならない。
 勿論、野党議員の意見はスットコドッコイな物がほとんどだが、「傾聴に値する意見には耳を傾ける」という姿勢は保つべきだ。

 そして、実際に野党の党首等と会談して政策に関する意見を受け入れたり、野党議員の意見を踏まえて政策を修正することがある、という事実がある。「野党から来る話を政府は何一つ聞かない」というのは事実ですらない。

 「民主主義の否定だ」とまで息巻くのは行き過ぎと思うが、事実に反する話をして逆に印象を悪くしているようでは世話ないな、という話ではある。政治家としての能力に疑問を感じざるを得ない。

 ところで。

 自民党が政権に復帰して以降の選挙では、マスコミは政府をとにかくこき下ろしていた印象が強いが、今回は、そのような雰囲気があまりない。政府批判をしていないわけではないが、トーンはかなり落ちている印象だ。安倍・菅から岸田に変わっただけで、ここまで雰囲気変わるんだなぁと妙な感慨を覚えている。

 マスコミの批判が弱いうちに、岸田氏には原発再稼働や改憲など、これまでなかなか進まなかった事案を前へ進めて欲しいものだ。まぁ、「やりにくいことを果断に実行する」という姿勢がないからこそ、岸田氏への批判が弱いという面もあろうから、仮に岸田氏が実行力を発揮し始めたら強烈な政府批判が始まるのかもしれないが。



東京地裁が職業差別を肯定 (2022 7/1 10:30)

性風俗業へのコロナ給付金 不支給は“合憲” 東京地裁(6/30NHK)
 新型コロナの経済対策として行われた国の給付金制度で、性風俗業が対象外とされたことについて関西地方の事業者が「職業差別であり、法の下の平等を定めた憲法に違反する」と国などを訴えていた裁判で、東京地方裁判所は「異なる取り扱いをすることには合理的な根拠がある」として、憲法には違反しないと判断し、訴えを退ける判決を言い渡しました。
 関西地方の性風俗業者は、新型コロナの影響を受けた事業者に国が支給する「持続化給付金」や「家賃支援給付金」の制度で対象から除外されたことについて、「職業差別であり、法の下の平等を定めた憲法に違反する」と主張して、国などに給付金の支給と賠償を求めました。
 30日の判決で東京地方裁判所の岡田幸人裁判長は「限られた財源で行われる公的な給付金の制度設計は行政の裁量に委ねられている。客から対価を得て性的好奇心を満たすようなサービスを提供するという性風俗業の特徴は、大多数の国民の道徳意識に反するもので、異なる取り扱いをすることには合理的な根拠がある」と指摘しました。
 そのうえで「性風俗業を給付の対象から除外することは差別にあたるとはいえず、憲法には違反しない」として、訴えを退けました。
 公的な給付金を性風俗業に支給しないことが憲法違反かどうかについて司法判断が示されたのは初めてとみられます。
(以下略)

 給付金をどの業種に対して支給するかについて、国に裁量権があるというのは理解できる。しかし、そこには合理的な理由、法的な根拠が必要であろう。

 しかしこの裁判で東京地方裁判所は、所謂性風俗業に対し、法に反しているわけでもないのに、「大多数の国民の道徳意識に反する」という理由で支給対象から外すのを正当化した。法律ではなく根拠があやふやな「国民の大多数の道徳意識」を持ち出して特定の職種を貶めているわけで、どう見ても司法による職業差別としか思えない。
 記事に書かれていない何か真っ当な説明が他に存在すると思いたいところだが……まぁ地方裁判所の発狂なんだろうな。

 「道徳に反する」から支援対象から外す、というのであれば、(私は別段道徳に反しているとも思えないがたとえば)エロ漫画家だから、AV女優だから、という理由で国の様々な生活支援策を受けさせないことも正当化されてしまう。

 暴力団のような違法行為を日常的におこなっている組織は別として、法に触れてもいない国民に対し、「道徳意識」というざっくりした物で差別をおこなうのは、司法の判断としては全く理解できない。
 高裁でひっくり返されることを切に願う。