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韓国最高裁の異常な判決 (2018 10/31 10:30)

「徴用工」訴訟 新日鉄住金に損害賠償命じる判決 韓国最高裁(10/30NHK)
 太平洋戦争中に「徴用工として日本で強制的に働かされた」と主張する韓国人4人が新日鉄住金に損害賠償を求めた裁判で、韓国の最高裁判所は30日、「個人請求権は消滅していない」として、賠償を命じる判決を言い渡しました。日本企業に賠償を命じる判決が確定したのは初めてで、日本政府が徴用をめぐる問題は「完全かつ最終的に解決済みだ」としているだけに、今後の日韓関係に影響を及ぼすことも予想されます。
 この裁判は、太平洋戦争中に「徴用工として日本で強制的に働かされた」と主張するイ・チュンシク(李春植)さんなど韓国人4人が、新日鉄住金に対し、損害賠償を求めて2005年に提訴し、韓国の高等裁判所が賠償を命じたことから、新日鉄住金が上告していました。
 韓国の最高裁判所は30日午後、判決の言い渡しを行いました。
 この中で、最高裁は、1965年の日韓国交正常化に伴う請求権・経済協力協定で徴用をめぐる問題は解決されたという新日鉄住金側の主張に関して、国交正常化交渉は「日本の不法な植民地支配に対する賠償を請求するための交渉ではなかった」として、日本の統治は不法だったという認識を示しました。
 そのうえで、「個人の請求権も協定に含まれたと見るのは難しい」として、個人請求権は消滅していないという判断を示し、上告を棄却し、1人当たり1億ウォン(およそ1000万円)の支払いを命じました。
 徴用をめぐる問題について、日本政府は国交正常化に伴って「完全かつ最終的に解決済みだ」としており、日本企業に賠償を命じる判決が初めて確定したことで、今後の日韓関係に影響を及ぼすことも予想されます。
(以下略)

 非常に長い記事なので、ここでは冒頭の引用にとどめ、当文章の末尾に記事全文を引用する。

 それにしても、予想されていたこととはいえ、酷い判決が出たものだ。韓国が国際的な取り決めを守れない国だと、改めて証明したことになる。こんな国と約束を交わしても、どう扱われるか分かった物ではない。法秩序を最も重んじる立場であるべき司法が、国際法を無視するような情緒的判断をするのだから、安倍総理も言うように「あり得ない」ことである。「韓国だから」としか説明できない事象だ。

 対馬から仏像盗んだ件に関して「仏像は返さなくてOK」という判決を出してしまうような韓国司法なので、日韓請求権協定をひっくり返す判断が出ても「驚きの感情」はない。しかし、やはりこのような理不尽な判断が出たことに対して、憤りの感情はある。

 日本が韓国に経済支援をおこなう代わりに、戦時賠償の問題は解決したことにする、というのが1965年の協定の内容である。この経済支援は3億ドルであったが(他にも民間借款3億ドルもある)これは当時の韓国の国家予算に匹敵する規模である。そのような大規模の経済支援をおこなう引き替えに、戦時補償の問題は韓国が実施すると取り決めたわけだ。
 ゆえに、仮に徴用工問題で賠償を求めるとすれば、それは日本政府や日本企業ではなく、韓国政府が相手であるべきだ。損害賠償をおこなう義務は韓国政府に課せられている。

 李明博の竹島上陸と「天皇が韓国に来たければ独立運動家に謝罪せよ」発言は日本人の対韓感情に大きな影響を与えたと思うが、今回の韓国大法院の判断はそれに近いインパクトがあるのではないか。


「徴用工」訴訟 新日鉄住金に損害賠償命じる判決 韓国最高裁(10/30NHK)
 太平洋戦争中に「徴用工として日本で強制的に働かされた」と主張する韓国人4人が新日鉄住金に損害賠償を求めた裁判で、韓国の最高裁判所は30日、「個人請求権は消滅していない」として、賠償を命じる判決を言い渡しました。日本企業に賠償を命じる判決が確定したのは初めてで、日本政府が徴用をめぐる問題は「完全かつ最終的に解決済みだ」としているだけに、今後の日韓関係に影響を及ぼすことも予想されます。
 この裁判は、太平洋戦争中に「徴用工として日本で強制的に働かされた」と主張するイ・チュンシク(李春植)さんなど韓国人4人が、新日鉄住金に対し、損害賠償を求めて2005年に提訴し、韓国の高等裁判所が賠償を命じたことから、新日鉄住金が上告していました。
 韓国の最高裁判所は30日午後、判決の言い渡しを行いました。
 この中で、最高裁は、1965年の日韓国交正常化に伴う請求権・経済協力協定で徴用をめぐる問題は解決されたという新日鉄住金側の主張に関して、国交正常化交渉は「日本の不法な植民地支配に対する賠償を請求するための交渉ではなかった」として、日本の統治は不法だったという認識を示しました。
 そのうえで、「個人の請求権も協定に含まれたと見るのは難しい」として、個人請求権は消滅していないという判断を示し、上告を棄却し、1人当たり1億ウォン(およそ1000万円)の支払いを命じました。
 徴用をめぐる問題について、日本政府は国交正常化に伴って「完全かつ最終的に解決済みだ」としており、日本企業に賠償を命じる判決が初めて確定したことで、今後の日韓関係に影響を及ぼすことも予想されます。

「徴用工」とは
 日本の統治下にあった朝鮮半島からは、企業による募集など、さまざまな形で多くの人々が日本に渡り、炭鉱や建設現場などで働きました。
 そして、太平洋戦争の終盤にさしかかった1944年、日本政府は、戦争の長期化によって軍需産業などで労働力が不足していたことから、国民徴用令を朝鮮半島にも適用し、現地の人々を徴用しました。
 日本の外務省は、当時の詳しい資料が残っていないため、徴用された人の数は、正確には把握できていないとしています。
 一方、韓国では、1944年に国民徴用令が朝鮮半島に適用される前に日本に渡った人たちも、一般的に「徴用工」とみなされています。
 韓国政府は、2004年に徴用の実態などを調べるための委員会を立ち上げて、当時の資料や関係者の証言を集め、「約14万8000人が徴用された」と認定しています。
 徴用をめぐる問題について、日本政府は、1965年の国交正常化に伴う日韓請求権・経済協力協定によって、「完全かつ最終的に解決済みだ」という立場です。
 また、韓国が2005年に公開した外交文書でも、個人に対する補償は韓国政府が責任を持つことで、日韓両国の政府が合意していたことが明らかになり、韓国政府は、日本政府と同様に、徴用をめぐる問題は国交正常化に伴って解決されたという立場を示しました。
 韓国政府は、1970年代にも補償を行いましたが、道義的に不十分だったとして、2008年以降、徴用されたと認定された人やその遺族を対象に、慰労金や医療費を支払っています。
 ただ、ムン・ジェイン(文在寅)大統領は、先月の安倍総理大臣との首脳会談で、一連の裁判については「三権分立の精神に照らし、司法府の判断を尊重する」と述べたということです。

裁判の経緯
 この裁判で、1審のソウル中央地方裁判所と2審のソウル高等裁判所は、ともに原告側の訴えを退けましたが、最高裁判所は2012年5月、「反人道的不法行為や植民地支配と直結した不法行為による損害賠償請求権は、日韓請求権協定の適用対象に含まれていると見ることは難しい」との判断を示しました。
そのうえで、「個人の請求権は消滅していない」として2審の判決を取り消し、高裁に差し戻しました。
 これ受けて2013年7月、高裁は、1人につき1億ウォン(当時のレートでおよそ890万円)の損害賠償を新日鉄住金に命じる判決を言い渡しました。
 徴用をめぐる問題の裁判で日本企業に損害賠償の支払いを命じたのは、この判決が初めてでした。
 これに対して新日鉄住金は上告し、最高裁も受理しましたが、およそ5年間にわたって本格的な審理は行われず、この間、原告4人のうちイ・チュンシクさんを除く3人が判決を前に亡くなりました。
 こうした中、ことし8月、最高裁は、13人の判事全員が参加する審理を始めたと明らかにし、裁判の行方が注目されていました。

韓国の政権が裁判の進展に介入の疑惑も
 戦時中に「徴用工として日本で強制的に働かされた」と主張する韓国人たちが日本企業を訴えた裁判について、韓国の最高裁判所は、これまで5年以上にわたって、判決を出してきませんでした。
 韓国の最高裁は、長期間にわたって審理を続ける場合もありますが、通常、半年程度で判決を出すとされていて、革新系の与党やメディアを中心に不自然だとの指摘が出ていました。
 こうした中、前のパク・クネ(朴槿恵)政権下で、最高裁が、日本との関係を懸念した外務省の意向を受けて、判決言い渡しを不当に遅らせた疑惑が持ち上がり、ことし8月には検察が外務省や裁判所に対する異例の捜索を行いました。
 そして今月27日には、最高裁の付属機関の前次長を裁判に介入したとして職権乱用などの疑いで逮捕し、この問題で初めての逮捕者が出ました。
 一方で、検察による捜査について、韓国国内では、革新系のムン・ジェイン政権による、以前の保守政権に対する攻撃という側面があるとの見方も出ています。

原告イさん「私1人が判決聞き涙が出た」
 判決を傍聴した原告や遺族が最高裁判所の建物から出てくると、支援者たちは拍手で迎えました。
 原告のイ・チュンシクさんは「ほかの原告たちが亡くなり、私1人がきょうの判決を聞き、悲しくて涙が出た」と述べ、ほかの3人の原告が判決を聞けなかったことに無念さをにじませました。
 また、別の原告の遺族は「賠償を命じる判決が出て感慨深いです。もう少し早く判決が出ていたら、夫にいい知らせを伝えられたのに」と述べて涙をぬぐったあと、支援者と抱き合っていました。

新日鉄住金「日本政府の対応状況など踏まえ適切に対応」
 今回の判決を受けて、新日鉄住金はコメントを出しました。
 この中で、「日韓両国およびその国民の間の請求権に関する問題は『完全かつ最終的に解決された』とする日韓請求権・経済協力協定と、これに関する日本政府の見解に反するものであり、極めて遺憾です。今後、判決内容を精査し、日本政府の対応状況なども踏まえ、適切に対応して参ります」としています。
 また「当社は今回の訴訟の4人の原告のうち2人から、1997年に日本で同様の訴訟を提起されましたが、2003年に当社の勝訴が確定しており、今回の判決は、この日本の確定判決に反するものです」としています。

「徴用工」裁判 韓国最高裁では他に2件
 「徴用工として日本で強制的に働かされた」と主張して、日本企業に損害賠償を求めている裁判のうち、現在、韓国の最高裁判所で争われているものは、今回の裁判のほかに2件あります。
 2件の裁判は、いずれも三菱重工業を相手取ったもので、このうちの1件は、1944年から45年にかけて名古屋にあった軍需工場などで過酷な労働を強いられたとして韓国人女性のヤン・グムドクさんや遺族、合わせて5人が2012年10月に起こしたものです。
 1審で原告側が勝訴したのに続き、2015年6月には2審のクワンジュ(光州)高等裁判所が三菱重工業に対して、当時のレートにして、1人当たりおよそ1100万円から1300万円を支払うよう命じました。
 これに対して、三菱重工業が上告し、先月、最高裁での本格的な審理が始まりました。
 もう1件は、戦時中に広島の工場で働いていた韓国人たちが「強制連行されたうえに被爆し、そのまま放置された」として、2000年5月に起こしたものです。
 1審、2審ともに「韓国の民法で定められた時効は10年で、賠償請求権はすでに消滅している」などとして原告側の訴えを退けました。
 しかし、新日鉄住金の裁判と同様に2012年5月、最高裁が「個人の請求権は消滅していない」という判断を示して、2審の判決を取り消し、高裁に差し戻しました。
 そして高裁は2013年7月、三菱重工業に対し、当時のレートで1人当たりおよそ700万円の損害賠償を支払うよう命じる判決を出しました。
 三菱重工業が最高裁に上告し、5年以上がたちましたが、本格的な審理はまだ始まっていません。
 今回、最高裁が新日鉄住金に対する判決を出したことから、三菱重工業が関わる2つの裁判についても、今後、大きく動くのではないかという見方も出ています。




憲法に理想を託しているのは護憲派の方 (2018 10/30 10:30)

枝野代表「憲法一から学び直して」首相の改憲案批判(10/29日刊スポーツ)
 立憲民主党の枝野幸男代表は29日、衆院本会議で行われた安倍晋三首相の所信表明に対する代表質問で、首相の憲法観について、「学び直し」の必要性を求めた皮肉を交えながら、痛烈に批判した。
 首相が所信表明で「国の理想を語るものは憲法」と述べたことに反論し、「憲法は総理の理想を実現するための手段ではない。憲法の本質は理想を語るものではない。本質は、国民の生活を守るため、国家権力を縛ることにある」と指摘した。
 その上で「総理の勘違いは今に始まったことではないが、憲法とは何か、一から学び直してください」と、、憲法の学び直しを要求。「縛られる側の首相が先頭に立って旗を振るのは論外です」とも指摘した。
 答弁に立った首相は、枝野氏の「学び直し」要求には、何も答えなかった。別の質疑の中で、憲法9条に自衛隊を明記する改憲案について「今を生きる政治家の責任だ。明確化は国防の根幹に関わる」と、あらためて意欲を示した。

 枝野氏は「憲法の本質は理想を語るものではない」と言っているのだが、9条は現実に合わないから改憲すべきだという意見に対して、多くの護憲派が「憲法は理想を語るべきだ」と主張していたはずだ。憲法に理想を託しているのは、現状では護憲派の方である。
 立憲民主党支持者の多くは、そのような「憲法は理想を語るべき」と主張していた層と重なると思うのだが……まぁそういう矛盾を気にしない、安倍批判なら何でも良いという人たちばかりでもあろうが。

 「憲法によって行動を縛られる側の首相が改憲の旗を振るのは論外」とも言っているが、首相は同時に自民党総裁であり、改憲を党是とする自民党のトップが改憲の旗を振るのは当然のことであろう。改憲案は党でまとめるよう指示して自身が改憲案を出すわけではないのだから、首相の立場でどこまで踏み込むかについて目配りしていると見るべきだろう。


日印外交 (2018 10/30 10:30)

訪中直後、偶然ではないモディ首相来日…安倍晋三首相、日印の絆見せつけ中国牽制(10/29産経)
 安倍晋三首相とインドのモディ首相との12回目となる首脳会談は、安倍首相が日本の首相として7年ぶりに中国を訪問した直後に行われた。これは偶然ではない。このような窮屈な外交日程をあえて組み込むことにより、自由、民主主義、法の支配など普遍的価値を共有するインドとの絆の深さを国際社会に見せつけ、中国の拡張主義を牽制(けんせい)する狙いがあった。
 安倍首相とモディ氏との信頼関係は極めて強い。昨年9月に安倍首相が訪印した際、モディ氏は郷里のグジャラート州に招き、手厚くもてなした。安倍首相はこれに感激し、山梨県鳴沢村の自らの別荘に、モディ氏を外国首脳として初めて招くことを決めたという。帰京の際も、特急「かいじ」で肩を並べた。
 政府高官は「両首相は、互いの国を訪れ、国内を飛行機や鉄道で移動する際、地図を広げて各国情勢について自然に話している。グローバルな視点を持つモディ氏との会談は常に意味がある」と語った。
 29日の首相官邸での公式会談で、安倍首相は、訪中時は封印した「自由で開かれたインド太平洋戦略」を強調した。自衛隊とインド軍が食料や燃料を融通し合う「物品役務相互提供協定」(ACSA)の早期締結の確認など日印の防衛協力をより深化させた。
 インド北東部のインフラ整備事業での協力強化に合意したことも大きな意味がある。この地域の国境で中印は激しくにらみ合っているからだ。
 先の訪中で安倍首相は日中通貨スワップ協定再開や第三国での日中経済協力を決めた。だが、これは「日中の戦略的接近」ではなく、単に日中関係が正常化し、元の「友好国」に戻ったにすぎない。
 インドは、オーストラリアなどとともに対中包囲網を形成する日本の「準同盟国」となりつつある。安倍首相はそれを国際社会に印象づけたかったようだ。(力武崇樹)


 昨日、「日中会談の直後に日印会談というのは、計算の上なのか」と書いたが、やはり、練られた日程だったようだ。
 麻生氏が提唱した「自由と繁栄の弧」は、安倍内閣でも踏襲され、巧く機能しているようだ。もちろん中国と過剰に対立する必要は無いのだが、覇権主義国家故に完全に同調して進むことはあり得ない。遠交近攻策にも通じる日印友好は、中国を牽制するのに大きな意味を持つ。



日中接近 (2018 10/29 10:30)

【日中首脳会談】習近平主席「拉致問題解決促進の役割果たす」 対北制裁も「継続」を明言(10/28産経)
 中国・北京で26日に行われた安倍晋三首相と中国の習近平国家主席の首脳会談で、安倍首相が北朝鮮による拉致問題解決への協力を要請したところ、習主席が「拉致問題の解決を促進する役割を果たしたい。日朝対話促進のためにも役割を果たしたい」と応じたことが27日、分かった。習主席は、国連安全保障理事会決議に基づく対北朝鮮経済制裁も「継続する」と約束したことも判明した。
 複数の政府高官が明らかにした。9月の国連安保理で中国は対北制裁緩和を求めていた。北朝鮮に強い影響力を持つ中国が、習主席の言葉通りに方針転換すれば、拉致問題が解決に向け動き出す公算が大きくなる。
 李克強首相も26日に安倍首相と会談した際、拉致問題に関し、習主席と同様の表現で前向きに取り組む意向を表明したという。
 習主席、李首相ともに北朝鮮問題で協力する姿勢を示したのは、米中貿易戦争による経済的な打撃が広がる中、北朝鮮問題まで日米と対立するのは得策ではないという判断に傾いたからだとみられる。
 安倍首相は、中国両首脳との会談で、東シナ海や南シナ海での中国の軍備拡張に対する懸念も表明した。両首脳は、東シナ海については海空連絡メカニズムなどの協議に前向きな姿勢を示したが、南シナ海については平行線だったという。
 一方、安倍首相は、中国両首脳に対し、福島第1原発事故後、中国が行っている日本産農林水産物に対する輸入規制の解除を要請した。李首相は「科学的評価に基づく緩和を積極的に考える」と前向きな意向を示した。習主席は明言を避けたが、「日本側が手応えを感じる雰囲気だった」(政府高官)という。
 26日の安倍首相と習主席の首脳会談は1時間20分に及んだ。会話の大半は安倍首相と習主席が交わし、両国高官が口を挟む場面はほとんどなかったという。

 米中が対立している中で中国としては日本をできるだけ取り込んでおきたい、という思惑があるのは事実であるにしろ、「強硬的な右翼」と評する人もいるような(私はそうは思わないが)安倍政権の方が、中国に対して融和的であったはずの民主党政権時よりもはるかに中国と良い関係が築けそうなのは、皮肉な話ではある。

 かといって、安倍総理は中国に譲歩しているというわけでもない。南シナ海や尖閣沖の問題、ウイグルの人権問題にも言及するなど、言うべきことは言っている。

 必ずしも「安倍総理の態度が中国の歩み寄りをもたらした」というわけではないが、少なくとも、中国寄りの姿勢を示していれば中国は譲歩する、というわけではないことは、ここ10年の日中外交から読み取れるだろう。

 そして、安倍総理はインド首相との会談へ。

日・インド首脳外交スタート=防衛協力など推進(10/28時事)
 安倍晋三首相は28日、自身の別荘のある山梨県にインドのモディ首相を招き、2日間にわたる日印首脳外交の日程をスタートさせた。安倍氏はインドを「自由で開かれたインド太平洋」戦略の最重要パートナーと位置付けており、防衛協力の推進などを確認したい考えだ。
 安倍氏による外国要人の別荘招待は初めて。2017年にモディ氏の地元グジャラート州に招かれたことに対する返礼の意味合いがある。歴代首相では1983年、当時の中曽根康弘首相とレーガン米大統領が「日の出山荘」で会談している。
 安倍氏は28日昼、山梨県山中湖村のホテルでモディ氏を出迎え、少人数の昼食会を開催。両首脳は朝鮮半島の非核化に向けて協力していくことで一致した。安倍氏は25〜27日の中国訪問の結果についても説明。夕方には同県鳴沢村の別荘で夕食会を開いてモディ氏をもてなした。
 両首脳は夕食会に先立って、県内にある産業用ロボット大手ファナックの工場を視察した。


 中国との会談の直後にインドとの首脳会談をおこなうという日程は、偶然そうなったのか、あるいは何らかの意図が働いたのか。計算であれば、中国への牽制の意味もあるのかなぁと思ったり。



とことん反政府 (2018 10/26 10:30)

「地獄だった」安田純平さん機内での主なやり取り(10/25NHK)
ーその時の気持ちとしてはどうでしたか。ほっとしたとか?

いや、とにかく荷物がないことに腹が立って、ということと、トルコ政府側に引き渡されるとすぐに日本大使館に引き渡されると。そうなると、あたかも日本政府が何か動いて解放されたかのように思う人がおそらくいるんじゃないかと。それだけは避けたかったので、ああいう形の解放のされ方というのは望まない解放のされ方だったということがありまして。
(一部抜粋)

 救いようのない人間、としか言いようがない。生死の境にありながら、それでも「日本政府に助けてもらったという形は避けたい」などと、よくもホザけたものだ。筋金入りの反政府である。救出に尽力した政府関係者も、やりきれなかろう。

 ただ、このような人間でも日本国民である以上、日本政府は救出のために動かなければならない。自分勝手な行動で命を落とすのは自己責任ではあるが、同時に、できる限りのことをせねばならぬ義務を政府が負っているのも、事実である。

 一方、「日本政府には日本国民を守る義務があるから安田さんは政府に感謝する必要なし」という主張は、確かに論理的にはそういうことにはなるが、助けてもらうこと、権利を享受することを当然のことと居直る態度は、どうも好きになれない。論理的に正しくても人として持つべき謙虚さを放棄して良いわけではなかろう。この辺り、「金払ってるのはこっちなんだから、外食で"いただきます""ごちそうさま"というのは変」と言う人に対する違和感と、似てるかもしれない。



安田純平氏解放 (2018 10/25 12:30)

安田純平さんの解放確認=健康状態は良好、早期帰国へ−河野外相(10/24時事)
 【アンタキヤ(トルコ南部)時事】内戦下のシリアで武装勢力に拘束され、23日に解放が発表されたフリージャーナリストの安田純平さん(44)とみられる男性をめぐり、河野太郎外相は24日、記者団に対し、安田さん本人であると確認したことを明らかにした。河野外相は安田さんの健康状態について「一見するといいようだ」と指摘した上で、「最終的に健康状況を見た上で、なるべく早い方法で日本に帰国していただく」と述べた。
 安田さんはシリアから隣国トルコに入国し、南部ハタイ県アンタキヤの入管施設で保護。現地に派遣された在トルコ日本大使館の職員が24日、安田さんの本人確認を行った。
 一方、ハタイ県当局は24日、安田さんを撮影した約20秒の動画を公開した。安田さんは英語で、「私の名前は安田純平で、日本人記者だ」と名乗り、「シリアで40カ月拘束されていて、今はトルコにいる。安全な状況にある」と話した。同日午前(日本時間同日夕)の撮影だという。
 今回の解放をめぐっては、シリア反体制派を支援してきたカタールが交渉の仲介役を担ったとみられる。安倍晋三首相は24日、記者団に対し「カタール、トルコには大変な協力をしていただいたことに感謝申し上げたい」と表明。カタールはイスラム過激派組織にも影響力を持ち、安田さんと一緒に拘束されていたとみられるスペイン人記者が2016年5月に解放された際にも協力していた。
 身代金支払いの有無については明らかになっていない。日本政府は「支払ったという事実はない」(菅義偉官房長官)と否定。ただ、武装勢力は身代金を要求していたとの情報もあり、在英のシリア人権監視団は解放に際して「多額の身代金が支払われた」と主張した。
 安田さんは15年6月、取材目的でハタイ県アンタキヤからシリア北部イドリブ県に徒歩で密入国し、直後に武装勢力に拘束されたとみられている。16年3月に初めて、安田さんとみられる男性の動画がインターネット上に投稿され、それ以降も複数回、同様の画像や動画が確認された。今年7月に公開された動画では、安田さんとみられる男性が「とてもひどい環境にいます。今すぐ助けてください」と訴えていた。


 助かって良かったとは思う。一方で、迷惑をかけたことはきちんと反省して欲しいし、二度とこんなことにならないよう気をつけて欲しいとも思う。「助かって良かった」と「身勝手な行動で迷惑かけてるんじゃねー」は両立する。英雄視と非難の二者択一にする必要は無い。

 安田氏が謝罪や反省の弁を述べるのか、それとも強硬な態度を示すのか、少しだけ注目している。
 ただ、たぶんまた性懲りも無く行くんだろうな、と思う。「自己責任だから政府はつべこべ言うな」と言いながらシリアへ向かったような人間であり、自分の行動が周囲に迷惑を振りまくことに関して、全く無頓着であった。今回の件で反省するほど殊勝な人間とも思えない。
 だったら全てを自己責任で収拾付けろやと思うのだが、まぁ政府としてはそういうわけにもいかないから難しいところではある。

 もちろん、危険な場所に趣き「いかに危険か」を伝える存在が必要というのも分かっている。しかし、そういう場所に行くたびにホイホイ捕まっている人間は、果たしてその役割を果たしていると言えるのか。戦場カメラマンの渡部陽一氏は、「捕まってしまったらジャーナリスト失格」と言っていたことがある(実際にはその媼旨の発言はしたことがないとのこと。撤回します……参照:戦場カメラマン「渡部陽一さん、戦場取材の掟」はフェイク。本人が否定 | HuffPost Japan)。


 ちなみに、「日本政府は全く何もしてこなかった、カタールが手をさしのべてくれなかったら安田氏は殺されていた」という馬鹿な言説を吐いている向きも見かけたが、日本政府はちゃんと働いている。

(時時刻刻)解放、過激派に焦りか シリア内戦で窮地に 「重荷になった」指摘も 安田純平さん保護(10/25朝日)
  ■官邸直轄で長期対応 身代金支払いは否定
 普段なら夜の会合を終えて東京・赤坂の宿舎に帰宅しているはずの23日午後10時半ごろ、菅義偉官房長官が首相官邸に戻った。「シリアで拘束された安田氏が、早ければ本日中に解放されるという情報がカタール国からもたらされた」。同11時過ぎの緊急記者会見で明かしたのは、3年以上も行方不明となっていた安田さんの解放情報だった。
 安田さんの行方が分からなくなった当初、政府内には「自己責任と言ってはいけないのか」(外務省関係者)などと冷ややかな声もあった。
 一方で政府は、官邸直轄の「国際テロ情報収集ユニット(CTUJ)」を中心に長期にわたり対応にあたった。CTUJは、日本人10人が死亡したアルジェリア人質事件やISによる日本人殺害事件などを踏まえ、15年12月に警察庁、外務省、防衛省など省庁横断で職員を集めて発足。約90人体制で、現地の情報機関と情報共有できるルートを構築した。政府高官は「いまや中東のどの大使館にもユニットのメンバーがいる。その成果だ」と胸を張る。
 官邸幹部によると、日本政府はトルコとカタールについて、安田さんを拘束していた過激派組織とのパイプがあると判断、両国を交渉の窓口に選んだ。
 首相による「直訴」もあった。安倍首相は9月下旬、米ニューヨークでトルコのエルドアン大統領と会談した際、安田さん解放への協力を直接要請した。
 身代金が支払われたのではないかとの観測に対し、政府は「テロリストとは交渉しない」(首相周辺)と否定。政府関係者は「イドリブ県の戦況の変化も含め、様々な要因で解放につながった」と話した。(二階堂友紀、大久保貴裕)

 日本政府は、トルコとカタールを交渉の窓口に選び、安倍さんはトルコのエルドアン大統領に安田氏解放への協力を直接要請している。何もしていなかったわけではない。普通に考えれば、何の見返りもないのにカタールが勝手に助けてくれるわけがなかろうて。



やむを得ない不摂生もある (2018 10/24 10:30)

不摂生な人の医療費負担「あほらしい」に麻生氏が同調(10/23朝日)
 麻生太郎財務相は23日の閣議後会見で、不摂生で病気になった人の医療費を負担するのは「あほらしい」とした知人の発言を紹介し、「いいことを言う」と述べた。
 麻生氏は「おれは78歳で病院の世話になったことはほとんどない」とした上で「『自分で飲み倒して、運動も全然しない人の医療費を、健康に努力している俺が払うのはあほらしい、やってられん』と言った先輩がいた。いいこと言うなと思って聞いていた」と話した。記者から麻生氏も同じ考えかと重ねて問われると「生まれつきもあるので、一概に言うのは簡単な話ではない」と説明。予防医療の推進自体は「望ましい」とも語った。
 麻生氏は2013年1月の社会保障国民会議では、終末期医療に触れ、「さっさと死ねるようにしてもらうとか、考えないといけない」と発言。延命治療についても「(自分なら)その金が政府のお金でやってもらっているなんて思うと、ますます寝覚めが悪い」と述べ、その後、発言を撤回している。

 また言葉足らずな発言をしたのかなと思っていたが、一応ちゃんと「生まれつきもあるので、一概に言うのは簡単な話ではない」と言っているな……。一部の人が、麻生発言は「病人差別だ」「不摂生だから病気になるとは限らない」といった内容で批判をしているが、明らかに筋違いである。

 ただ、貧困や労働環境などが理由で不摂生な生活をせざるを得ない人もいるので、政治家としては不注意な発言ではあるのも確かである。政治家であれば、そういう層に対しても配慮した発言をすべきだ。また、自堕落な不摂生か、やむを得ない不摂生か、傍目から見て簡単に判断できない場合もあろう。

 自堕落な生活しておきながらその結果医療費をガンガン消費している人間を見ると腹が立つというのも正直なところゆえ、言いたいことは感情としてはよく分かるけれども。



相変わらずの白川前日銀総裁 (2018 10/23 10:30)

白川日銀前総裁、経済課題解決「答えは金融政策にない」(10/22朝日)
 日本銀行前総裁の白川方明(まさあき)氏が22日、日本記者クラブで会見し、「過去5年の経験が示すように、日本経済が直面する問題の答えは金融政策にはないことは明らかだ」と述べた。白川氏が2013年3月の総裁退任後、会見で金融政策を語るのは初。安倍政権が黒田東彦(はるひこ)・現総裁と5年以上続けるアベノミクスや異次元緩和への直接的な批判はなかったが、金融緩和の副作用を指摘し、人口減と高齢化が低成長の背景にあると主張した。
 白川氏は会見で、「物価が上がらないことが低成長の原因ではない」と持論を展開。日本の00〜10年の実質国内総生産(GDP)の成長率は先進国で下位だが、働き手(15歳以上)1人当たりGDPの成長率ではトップクラスだとして、「根本問題は急速な高齢化と人口減少だ」と訴えた。
 金融緩和の最大の副作用については、痛みを伴う社会保障費のカットなどから国民の目を背けさせ、「日本全体のエネルギーが、本来向かうべきところでないところに向かったことだ」と指摘した。

 相変わらず緊縮と財政規律が最優先という考えは変わっていないようで……自分が退場してから景気が急回復したという事実は認めて欲しいものだが。
 少なくとも、白川氏のおこなった(放置した、と述べた方が正確かもしれない)金融政策で、日本は円高にあえぎ、失業者に溢れ、景気は冷え切っていた。いまさら偉そうに「金融政策で問題は解決しない」と言っても、説得力ゼロである。

 旧民主党の面々も、この白川前総裁も、自分たちのやらかした政策が日本を不景気のどん底に叩き落としたという自覚・反省が足りなさすぎる。

 そして一番大きな問題は、政権与党である自民党の中にも、財政再建は最優先事項である、消費増税は10%で止めるべきではない、もっと緊縮しなければ、と考えている人間が多いと言うことだ(参照:自民・竹下氏「消費税10%打ち止めとはいかない」(10/23朝日))。

 経済成長こそが最も有効な税収アップ策であることを、いい加減に理解して欲しい。



自民系候補連敗 (2018 10/22 10:30)

那覇市長選、城間幹子氏が再選 玉城知事らが推す(10/21朝日)
 那覇市長選が21日投開票され、玉城デニー知事ら「オール沖縄」勢力が推す無所属現職の城間幹子氏(67)が、安倍政権の支援を受けた無所属新顔の前県議翁長政俊氏(69)を破り、再選を決めた。投票率は48・19%。
 9月30日の沖縄県知事選と同様に、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対するオール沖縄勢力と、移設を進める安倍政権が支援する自民系候補による対決構図で、自民系候補は、知事選と14日の豊見城(とみぐすく)市長選に続き3連敗。来春の統一地方選や4月にもある衆院沖縄3区補選に向け、安倍政権に痛手となった。
 防衛省が17日、県による辺野古沿岸部の埋め立て承認撤回に対し、石井啓一国土交通相に効力停止を申し立てたことが、結果に影響を与えた可能性もある。
 故・翁長雄志氏の後継として2014年に初当選した城間氏は、玉城新県政との連携を強調。給付型奨学金の創設や子どもの貧困対策など1期目の実績を訴え、支持を広げた。
 元自民党県連会長で、菅義偉官房長官と太いパイプを持つ翁長氏は子育て支援や経済振興などを訴えたが、及ばなかった。(山下龍一)


 所謂「オール沖縄」勢の勝利で、玉城氏の勝利に次ぐ連勝である。

 辺野古移設で固まっていた状況を「最低でも県外」と混ぜっ返して混沌の渦に叩き込んだ鳩山由紀夫が全ての元凶であることは当然であるが、安倍政権のことの進め方も、「日本のために必要なこと」とは言え、少し強引に感じるのも事実である。沖縄の世論がそれに反発して反政府系の候補を応援する真理は、理解できなくもない。
 鳩山の尻ぬぐいとは言え、政権を与る側としては、こじれてしまった物をもう一度丁寧に解きほぐす必要はあろう。もちろん、沖縄側にも、対話する姿勢は示して欲しいものではあるが。

 朝日新聞は「安倍政権に大きな痛手」と喜んでいるが、日本政府と沖縄が反目し合っても、プラスになることは何もない。喜ぶとすれば、沖縄を自国の支配権におきたい中国であろう。
 「中国が沖縄に野心を持っていると考えるのは妄想」と断じる向きもいるが、太平洋に勢力を伸ばしたい中国とすれば、沖縄は「邪魔くさい防波堤」である。それが中国寄りの立場を取ってくれれば、中国としてこれほど喜ばしいことはないだろう。そしてそれは、日本にとって「シーレーンを脅かされる」という、自国の生命線に関わる重要事態に繋がってしまう。

 沖縄の人たちには冷静な対応を求めたいし、政府には、沖縄の人たちの心理を考慮した穏健な対応を求めたい。政府と沖縄がいがみ合って得することは、少なくとも日本にとっても沖縄にとってもゼロである。



的外れ (2018 10/19 10:30)

消費税、全商品で2%還元検討…中小店で決済分(10/19読売)
 経済産業、財務両省は、2019年10月の消費税率10%への引き上げに伴う経済対策として、現金を使わないキャッシュレス決済を利用した際の2%のポイント還元策について、税率を8%のまま据え置く軽減税率が適用される飲食料品も含め、原則全ての商品・サービスを対象とする方向で検討に入った。
 対象となる店舗は原則、小売店のほか、飲食店や宿泊業など、消費者向けのビジネスを展開する全ての中小事業者とする案が浮上している。ポイント還元の対象範囲を広げることで、増税後の消費者や中小事業者の負担を和らげ、景気の腰折れを防ぐ狙いがある。キャッシュレス決済の普及拡大も目指す考えだ。
 政府は、増税のショックを和らげる対策を巡り、クレジットカードなどのキャッシュレス決済をした消費者に、増税分と同じ2%のポイントをカード会社などを通じて付与し、次回以降の買い物で使える仕組みづくりを進めている。
(以下登録読者のみ)

 もはや何がなにやら……という状態である。
 軽減税率適用対象にまでポイント還元をおこなえば、税率アップの多くのを相殺してしまいかねないし(まぁ時限的な経過措置ではあるが)、以前にもここで書いたように、負担軽減策が必要な貧困層や高齢者層はクレジットカードの利用率が相対的に低いという問題もある。負担軽減と言いながら消費税の逆進性を加速させるような、非常に馬鹿馬鹿しい対策になっている。

 増税の負担軽減ならそこに集中して考えるべきなのに、「キャッシュレス化もついでに実現しよう」と欲をかいて盛大に外してるようにしか見えない。出てくる対応策の悉くが間抜けなのは、いったいどういうことか。

 「増税を決めたのは民主党」と言って安倍政権を擁護する向きも見られるが……民主党から政権を奪って、一体何年経ったと思っているのか。



酷いパワハラ事案 (2018 10/18 10:30)

「生きてるだけで迷惑」女性自殺、社長をパワハラで提訴(10/17朝日)
 ゲーム業界の求人広告会社などと業務委託契約を結んで働いていた女性(当時30)が自殺したのは、同社社長のパワーハラスメント(パワハラ)が原因だなどとして、女性の遺族や元同僚の男性2人が同社と社長に計約8800万円の損害賠償や未払い賃金の支払いを求める訴訟を17日、東京地裁に起こした。
 求人広告会社は「ビ・ハイア」(東京)。訴状によると、女性と元同僚の計3人は2006〜14年に入社し、同社や関連会社との業務委託契約を結んだ。しかし、社長の指揮命令を受け、実質的には雇用関係のある従業員として働き続けていたという。
 社長は、3人にブランド品のカバンや靴などを買い与え、その費用を会社から社長への貸付金という形で計上した。その自分への債務について、16年ごろから3人のうち2人を保証人にして返済を求めるようになった。
 さらに社長は、原告の1人が賃金の情報を知人に伝えたことを「守秘義務違反だ」などと主張し、数千万円の損害賠償も求めるようになった。社長はやがて賃金の天引きなどを始め、3人にはほとんど賃金が支払われなくなったという。
 3人の生活費が尽き、家賃を払えなくなると、会社事務所に住まわせ、その家賃も請求するようになった。社長は3人に「生きているだけで迷惑」「殺すと問題があるので、交通事故にあって死んでほしい」などと、大声で罵倒するパワハラを繰り返したという。
 会社事務所で深夜も働いていることを確認するためにLINEで数分ごとに報告させたり、建物に取り付けたカメラや携帯電話のGPSで行動を監視したりもした。会社事務所での生活は、風呂もなく、寝るときは床にタオルをひく程度だったという。
 今年2月、女性が「私は死んだほうがましですか?」という趣旨の発言をしたところ、社長は激怒。女性の目の前で使っていたパソコンを破壊し、「(死んだら)ゴミが増えるだけだ」などと暴言を繰り返した。その日の午後、女性は自殺したという。
 原告らは、賃金の天引きは違法で、社長の一連の言動や行為は、原告の人格権などを侵害したパワハラにあたると主張している。
 提訴後、原告である元同僚の男性2人と代理人弁護士が東京・霞が関で記者会見した。自殺した女性とともに社長の債務の保証人になったという39歳の男性は、社長について「外向きと内向きの顔がまったく違う」と話した。取引先などからは「仲良くやっている」とみられ、パワハラの実態は外からは見えにくかった。このため、このようなパワハラが再び起きないよう歯止めをかけるために提訴を決意したという。
 男性自身、何度も会社を辞めようとしたが、その都度、社長からなだめられ、辞められなかった。自分と女性に負わされた借金について、どちらか一方が逃げた場合、もう一方が2人分の返済責任を負うとされていたことも、辞められなかった理由の一つだという。
 代理人の深井剛志弁護士は「借金で縛り付けて馬車馬のような形で働かされるという関係がパワハラで問題だ」と語った。
 会見では、亡くなった女性の父親が書いたという手紙を弁護士が読み上げた。そこには「娘の死後半年以上が経過いたしましたが、社長からの謝罪の言葉も娘の私物の返還もない。娘はきっと現世でさまよっていると思われ、残念でなりません」と記されていた。
 同社は朝日新聞の取材に対し、訴状をみてから対応を検討する意向を示した。


 記事の内容の全てが事実かどうかは措くとしても、その幾つかが事実だと言うだけで、十分に酷い話である。民事だけでなく、刑事事件としても処罰をして欲しいというのが正直な感想だ。パワハラとかいうレベルを超えて、間接的な殺人ではないか。

 この会社、7年前から既に話題になっていたようで(参照:ビ・ハイアのブラック - Togetter)、そのパワハラ体質は筋金入りだと言えよう。

 しかし、会社はこのような発表を出しており(参照:弊社に関する提訴およびその報道について | ビ・ハイア株式会社 アニメゲームマンガ専門の求人サイト運営 営業サポートサービス)、朝日の記事内容、訴訟の内容を真っ向から否定している。
 ただ、原告の訴える内容の全てが虚偽だとも思えず(虚偽だらけの内容で訴訟を起こすか?)、「社長は自覚がない」というケースではないかと思われる。パワハラは、行使する当事者は自覚がなく、むしろ「社員のためを思ってやった」と考えている場合が多い。



与党も野党も… (2018 10/17 10:30)

野党、増税表明に一斉反発=与党、参院選へ危機感も(10/16時事)
 安倍晋三首相が来年10月の消費税率引き上げを表明したことについて、野党各党は15日、「この経済状況でやれるのか」(枝野幸男立憲民主党代表)などと一斉に反発、24日召集の臨時国会で首相を追及する方針だ。与党は軽減税率や景気対策の検討を急ぐが、来年の統一地方選や参院選への危機感も出ている。
 枝野氏は文化放送の番組で、世界同時株安を踏まえ「過去2回、景気を理由に(増税を)先送りしたこととの整合性が取れない」と疑問を呈した。その上で「もうかっている企業や金融で稼いでいる方の課税を見直した上でないと、理解を得られない」と指摘した。
 国民民主党の玉木雄一郎代表は記者団に、増税と同時に導入される軽減税率に触れ「混乱が生じる可能性が高いし、税収に穴があく。安倍政権の増税には反対だ」と強調。共産党の小池晃書記局長は「貧困と格差の拡大に拍車を掛ける。『社会保障のため』という言い方は国民を愚弄(ぐろう)する宣伝だ」と厳しく批判した。
 一方、自民党の岸田文雄政調会長は記者団に、「全世代型の社会保障や財政再建への取り組みは歓迎すべきことだ」と強調。公明党の石田祝稔政調会長も「社会保障の観点からもやらざるを得ない」と理解を示した。
 両党は選挙への影響を最小限に抑えるため、それぞれ党内で対策のとりまとめを急ぐ方針。ただ、与党内からは「統一選も参院選もしんどいことになった」(自民閣僚経験者)、「影響は大いにある」(公明幹部)など懸念の声も出ている。


 共産党以外の野党の方々は、かつての増税見送りの時には見送ったことを批判していなかったっけ?今回は見送らなかったから批判、というのは、ダブルスタンダードにしか見えない。
 増税に反対するなら、税収アップにむしろ増税は悪影響を及ぼすこと、政府や日銀の保有する金融資産を考えれば財政危機と言うべき状況ではないことなど、理路整然と主張をおこなうべきで、もし野党がそういった姿勢を見せてくれれば、私もその主張に賛同するだろう。しかし、彼らは揚げ足取りのような理由しかいっておらず、要するにただ「安倍のやることに反対」というだけだ。とても賛同するわけにはいかない。

 そもそも、増税を言い出したのは政権与党時代の民主党の面々なのだから、今になって増税反対を言い出すのなら、過去の自分たちをきちんと総括してからにして欲しいものだ。



無意味な負担軽減策 (2018 10/16 10:30)

資本金1億円で線引き=ポイント還元の中小企業−消費増税で麻生財務相(10/15時事)
 麻生太郎財務相は15日の臨時閣議後の記者会見で、2%の消費税増税分をポイントで還元する制度に関し、資本金1億円程度までの企業や小売店が対象となるとの認識を示した。中小規模の小売店でクレジットカード払いなどで買い物をした場合、ポイントが付与される。
 ポイント還元は、増税による駆け込み需要の反動減を抑えるのが狙い。また、政府のキャッシュレス決済の推進に向け、現金払いが多い中小店舗にクレジットカード払いなどを普及させる目的もある。


 そもそも増税自体が酷い話なのだが、軽減税率のせいで無駄なコストが嵩んで景気減速をいっそう加速させそうだし、それに対する負担軽減措置も酷い物ばかり出てきている。

 増税への対策であるならば負担軽減に集中すべきで、そこに「キャッシュレスへの流れを作ろう」という目論見も乗っけるから、効果が期待できない無意味極まりない方策もどきが出てくることになる。

 今後出てくる増税の負担軽減策で素晴らしい物が現れれば別だが、そうでない限り、安倍政権を支持する理由は半分くらい消えた。景気回復のアクセルをふかしつつ贈位税でブレーキをかけるなど、間抜けとしか言いようがない。
 かといって政治能力皆無の野党を支持する気は毛頭無いというのも、日本の政治の悲しい部分であるが。



本当に増税するのか… (2018 10/15 10:30)

消費増税、予定通り来年10月実施…首相表明へ(10/14読売)
 安倍首相は、消費税率を来年10月1日に現行の8%から10%へ予定通り引き上げる方針を固めた。社会保障制度を全世代型に転換する財源を確保するため、増税は不可避だと判断した。15日の臨時閣議で表明し、増税の影響を和らげる対策の検討を指示する。中小小売店での商品購入時にクレジットカードなどを使った消費者に対し、購入額の2%分をポイントで還元する案などが柱となる。
 政府は15日に臨時閣議を開き、2018年度第1次補正予算案を決定する。首相はこの席上、増税を実施する決意を示すとともに、具体的な増税対策について指示する方向だ。増税の最終判断時期を探っていた首相は、自身の経済政策「アベノミクス」の成果でデフレ脱却を実現しつつあり、様々な増税対策を総動員すれば個人消費の落ち込みは抑制できると判断した。
(以下登録読者のみ)

 アベノミクスでアクセルをふかす一方消費増税でブレーキも踏むって、愚策としか思えないんだがなぁ。金融緩和で経済回復の基礎を作っておきながら、消費増税で自らそれを破壊した間抜け、という評価が定まることになりそうだ。増税のためにとりあえず国民が納得しそうなレベルの景気回復をしました、という

 1997年の5%への増税、2014年の8%への増税、それぞれがどういう結果をもたらしたか明らかになっている。アベノミクスによって企業業績が回復し税収も上がったことによって「増税よりも景気回復の方が税収アップになる」というのも明らかになっている。
 それなのに、増税への流れは止められない。それほどに「国の存続のためには増税が必要」という空気は強い。実際には景気が冷え込み、税収も伸び悩むのは確実だというのに。

 増税が確実であるなら、安倍総理を支持する理由も半分以上なくなるのだが。土壇場での大逆転に僅かな望みをかけるしかないのか。


今井雅人、また党を変える (2018 10/15 10:30)

国民民主の今井衆院議員が離党表明 立憲入り目指す意向(10/13朝日)
 国民民主党の今井雅人衆院議員(56)=比例東海=は13日、近く離党する考えを明らかにし、同党岐阜県連代表を辞任した。立憲民主党の会派入りを目指す意向で「国会活動は野党第1党の立憲がしっかりまとめていく必要がある」と話した。
 今井氏はこの日、岐阜市で開かれた同党岐阜県連の緊急幹事会に出席し、代表辞任を了承された。終了後に記者団の取材に応じ、「近々、国民を離れることになる」と表明。「自分なりに考えている野党再編のあり方がある。安倍政権に対抗する野党の軸を作ることを目指したい」と述べた。
 今井氏は衆院当選4回。2009年衆院選の岐阜4区に民主党から立候補し、比例復活で初当選。維新の党や民進党などを経て、昨年の衆院選は希望の党で比例復活当選した。5月に民進と希望が合流した国民民主に加わった。(室田賢、岩尾真宏)


 初当選から僅か10年ほどの間に、民主党→日本維新の会→維新の党→民進党→希望の党→国民民主党→立憲民主党。落ち着きの無い人だとしか言いようがない。

 この今井雅人は、私の住む岐阜4区の候補者。なんでこんな人間が何度も当選してるんだとお思いの方もおられようが、今井雅人氏は4回の当選全てが比例区でのゾンビ復活である。我が岐阜4区の選挙民は最低限の仕事はしているということだけは何度も繰り返しておきたい。



自分が主張した原則を自ら反故にする韓国 (2018 10/13 10:30)

韓国軍艦、豊臣軍破った李舜臣の旗を掲げる 国際観艦式(10/12朝日)
 韓国南部・済州(チェジュ)島で11日に行われた国際観艦式で、7カ国の艦艇が軍艦旗を掲揚していた。韓国の軍事関係筋が明らかにした。軍艦旗にあたる自衛艦旗(旭日〈きょくじつ〉旗)の掲揚自粛を求められた海上自衛隊は、自衛艦派遣を断念していた。
 観艦式には10カ国から、米原子力空母ロナルド・レーガンなど外国艦艇15隻を含む計39隻が参加。このうち豪州、ブルネイ、カナダ、インド、ロシア、シンガポール、タイの艦艇がマストや艦尾に軍艦旗を掲げた。日本政府関係者によると、残る米国、インドネシア、ベトナムは、もともと国旗を軍艦旗として使っている。「国際法に裏付けられた海軍の常識から見て、降ろす選択肢はない」(防衛省幹部)という。
 韓国国防省は事前の通知で各国に、「中央マストに韓国と各国の国旗を掲揚してほしい」「艦首と艦尾には旗は掲揚しないでほしい」と要請。日本だけが返答していないと説明していた。このため、法律で艦尾に旭日旗の掲揚が定められている海自は、自衛艦の派遣を断念した。
 岩屋毅防衛相は12日の閣議後会見で、「他国軍の運用にコメントするのは適切ではない」とし、「韓国当局は今回の各国の対応を見てお考えになると思う。今後のあり方についてよく話し合っていきたい」と述べた。日韓の防衛交流については、「未来志向で関係を進展させたい」とする立場を強調した。
 また、韓国海軍は、文在寅(ムンジェイン)大統領が演説した艦艇のマストに、豊臣秀吉の朝鮮侵略で豊臣軍を撃破した李舜臣将軍が使ったものと同じデザインの旗を掲げた。韓国側は自国の国旗と韓国の国旗だけを掲揚するのが原則と通知しており、日本政府は外交ルートを通じ、国旗以外の旗を掲げたのは「極めて残念だ」として抗議した。外務省幹部が明らかにした。
 村川豊海上幕僚長は12日、済州島で開かれた西太平洋海軍シンポジウムに出席。村川氏は韓国の鄭景斗(チョンギョンドゥ)国防相とも会い、日韓防衛協力を続けていく考えを伝えた。鄭氏も「様々な難しい立場があるが、韓日関係を良い方向で発展させてほしい」と要請した。(牧野愛博=ソウル、古城博隆、竹下由佳)

 他国には「韓国と各国の国旗以外掲揚するな」と言っておきながら自分は訳の分からぬ旗を掲げるという、どうしようもない身勝手ぶり。さすがの朝日新聞も批判的に報じざるを得なかったようだ。

 一方で、韓国側の「中央マストに韓国と各国の国旗を掲揚してほしい」「艦首と艦尾には旗は掲揚しないでほしい」という要請に対して、7カ国の艦艇が「マストや艦尾に軍艦旗を掲げた」という流れには、正直、多少胸のすく思いもある。

 ちなみに、韓国が座乗艦に掲揚した「帥字旗」は、李舜臣を象徴する旗ではないという話もある。もしそうであれば、朝日や、同様の記事を流したNHKなども「誤報」ということになるが、それでも「韓国のやらかしたことが"反日の歴史問題"とは無関係」となるだけで、韓国が各国に対して要求したことを自ら反故にしたという事実は変わらない。

 相変わらず、約束を守る、国際的な儀礼を守るという概念のない国である。



佐々淳之氏死去 (2018 10/11 10:30)

「あさま山荘事件」陣頭指揮、佐々淳行さん死去(10/10読売)
 「東大安田講堂事件」や「あさま山荘事件」の現場指揮官を務めた元内閣安全保障室長の佐々淳行(さっさ・あつゆき)さんが10日、老衰のため亡くなった。87歳だった。告別式は16日午前11時30分から、東京都港区南青山2の26の38梅窓院。喪主は妻の幸子さん。
 佐々さんは1954年に東大法学部を卒業し、現在の警察庁に入庁。全共闘などの学生が東大・安田講堂に立てこもった69年の「安田講堂事件」では、警視庁警備1課長として現場を指揮。72年の「あさま山荘事件」も陣頭指揮した。
 その後は防衛施設庁長官などを歴任し、86年に初代内閣安全保障室長に就任した。
 退官後は危機管理の専門家として活動し、警察官僚時代の経験を題材にした著書も執筆。あさま山荘事件のノンフィクションは2002年に映画化された。


 中学生の頃だったか、あるパソコン用戦国シミュレーションゲームの説明書かブックレットか何かに、佐々成政の子孫という関係で長い文章を寄せていたのが、私が佐々氏を初めて知った経験である。
 既に知っていた「浅間山荘事件」で陣頭指揮を執っていた人ということで、強く興味を引かれたし、そのゲームへの文章の中でたびたび引かれていた「危機管理」という言葉にも強く関心を抱いた記憶がある。

 残念なのは、そのゲームのタイトルが何だったか、思い出せないことだ。ゲーム自体のできは……

 現実的な視点でカミソリのように鋭く自称を着ることのできる方だった。ご冥福をお祈りしたい。



葬儀の場で怒声 (2018 10/10 10:30)

翁長前知事の県民葬に3千人 参列した菅長官に怒声(10/9朝日)
 8月に急逝した沖縄県の翁長雄志(おながたけし)前知事の県民葬が9日、出身地で市長も務めた那覇市で営まれた。県民や菅義偉官房長官、衆参両院議長ら計約3千人が参列し、任期途中での死を悼んだ。基地問題で対立を続けた菅氏のあいさつに対しては参列者から「帰れ」などと怒声が上がった。
 県民葬は県や県議会などの主催で、昨年7月の大田昌秀元知事以来4人目。会場の県立武道館の2400席は埋まり、入りきれなかった人たちは、館外に置かれたモニターを見守った。
 翁長氏の後継として9月の知事選で初当選した玉城デニー知事(58)は「県民が自ら持ってきたわけではない『基地』を挟んで『経済』か『平和』かと、常に厳しい二者択一を迫られてきた沖縄の現状に終止符を打とうとした。我々県民は遺志を引き継いで、子どもたちに平和で豊かな誇りある沖縄を託せるよう、一丸となって努力し続けることを誓う」と弔辞を述べた。
(以下登録読者のみ)

 どんな感情を抱いているにせよ、弔いの場で仮にも参列した人に対して罵声を浴びせるってのは、人としてどうかと思う。菅官房長官も政治的対立を超えてわざわざ参列しているわけで、政治的に対立していたからといって罵倒して良い物でもあるまい。

 「いや、葬儀の場であっても声を出さずにはいられなかったのだ」と主張する向きもあろうが、それなら葬儀が終わった後でとことん批判すれば良い。政治信条がどうこう以前に、場をわきまえた言動をとるというのは、人として最低限の常識であろう。

 こんな非常識な輩はごく一部であろうから、この件を以て「やはり沖縄は…」と一緒くたにする意見にも賛同はしないが、沖縄の人たちは、この怒声を浴びせた人たちをどう思っているのだろうか。

 基地問題がこれだけこじれた原因を作り出したのは、まとまっていた話をひっくり返して「最低でも県外」と言い出した鳩山由紀夫である。万死に値する政治家だと、思い出すたびに感じずにはいられない。



正念場 (2018 10/9 10:30)

菅氏、拉致解決へ「今が正念場」 支援集会に出席(10/8共同)
 菅義偉官房長官は8日、川崎市で開かれた北朝鮮による拉致被害者家族を支援する市民の集会に出席し「今まさに正念場だ。あらゆるチャンスを逃さない決意で引き続き全力で取り組む」と述べ、拉致問題の早期解決への決意を強調した。
 2日の内閣改造で拉致問題担当相を兼務してから、こうした集会に出るのは初めて。菅氏は、拉致被害者横田めぐみさんの母早紀江さんと面会し、北朝鮮の非核化を巡る米朝協議や、拉致問題解決に向けた取り組みの現状などを説明した。
 菅氏はこの後、日朝首脳会談の実現を見据え「問題解決への段取り、準備をしっかりやりたい。関係国と緊密に連携していく」と語った。


米国務長官、正恩氏との会談で「拉致提起した」(10/8読売)
 【ソウル=大木聖馬】北朝鮮を訪問後に韓国を訪問していた米国のポンペオ国務長官は8日、ソウルで同行記者団に対し、7日に平壌で行った金正恩キムジョンウン朝鮮労働党委員長との会談で、日本人拉致問題を提起したことを明らかにした。
 ポンペオ氏は「毎回の訪問で第三国の問題を提起している。米朝関係を改善し、北朝鮮と世界の関係の本質を根本的に変えていくことが、トランプ大統領と金委員長の合意に含まれている」と述べたうえ、「そのために、拉致問題など多くの取り組む必要のある問題があり、金委員長もそのことを完全に理解している」と指摘した。
 ポンペオ氏は訪朝前の6日に東京で安倍首相と会談した際、正恩氏との会談で拉致問題を提起することを約束していた。

 アメリカがこれだけ拉致問題に言及してくれるのは、今までなかったことだし、一方で、アメリカと北朝鮮がこれだけ接近している状況も、今までになかったことだ。これだけ状況が大きく変化していることを考えれば、菅官房長官の言うとおり「拉致問題は今が正念場」だろう。拉致被害者家族の年齢を考えると、おそらく最後のチャンスになるのではないか。

 安倍政権には、憲法改正に政権の体力を使い果たしてしまうくらいなら、拉致問題解決の方を優先して欲しいと強く思っている。どうせ最後の3年(後釜争いが激しくなって3年持たないとは思うが)、消費増税の凍結と拉致問題解決に政治生命を賭けて欲しい。



コープさっぽろの難癖 (2018 10/8 10:30)

コープさっぽろ「全道停電は人災」、北電に9億6千万円損害賠償請求(10/7リアルエコノミー)
 コープさっぽろ(本部・札幌市西区)は、北海道胆振東部地震により発生した全道停電は北海道電力による人災だと判断、北電に冷凍商品の廃棄分など約9億6000万円の損害賠償請求をする。(写真は、札幌市中央区の北海道電力本社=右の建物)
 コープさっぽろは、10月1日に開いた幹部会で地震による被害状況や対応策、今後の課題になどについて総括している。その中で、9月6日の地震によって発生した全道停電で道内店舗の冷凍・冷蔵ケースなどに収納されていた生鮮食品や低温系日配商品の破棄、さらに石狩工場の中間材料などを破棄せざるを得なくなり、約9億6000万円の損害が発生したことが明らかにされている。
 全道停電は、北電が苫東厚真発電所に電力源を集中させていたことによって引き起こされたもので、人災によるものと判断。幹部会で北電への損害賠償請求を検討することを決め、10月6日の理事会で請求を決めた。大見英明理事長は、「まず内容証明郵便で損害額の賠償を請求する。これによって北電の出方を待ちたい」としている。
 コープさっぽろは、今回の地震や停電によって明らかになった課題に対応するため、非常用電源の確保や冷凍物流の自前化など対応策をまとめており今後、順次投資して整備していく。コープさっぽろは、地震や停電時の商品廃棄に伴う損害保険に入っておらず、2016年3月期から進めている累積損失の解消を目指した再建計画に影響を与えそうだ。


 これはさすがに難癖としか言いようがなかろう。
 北海道電力に対して「電力確保のために泊原発を動かすべきだ」とか「災害時を想定した対応に関する費用を全部電気代に転嫁されても構わない」と主張していたならまだしも、コープは反原発を主張していたはずだ。

 だいたい、自分たちが「災害時の商品廃棄に関する損害保険」に入ってなかったくせに何を言ってるんだ、という話でもある。北海道電力に対する「備えがなってない」という主張は、そのまま自分たちに返ってくる物だ。損害保険に入っていなかったのを理由に出資者から訴えられた場合に、コープさっぽろはきちんと応じるのだろうか。

 原発事故以後の話なのか以前からなのかは分からないが、電力会社にはどんな難癖を付けても構わないという態度を示す輩が多いように見える。もちろん問題点を指摘するのはけっこうだと思うが、インフラを守っている彼らに対して最低限の敬意は示すべきではないか、



韓国の理不尽な要求 (2018 10/6 10:30)

自衛隊艦船の派遣 見送り 韓国の「旭日旗認めない」受け(10/5NHK)
 今月、韓国が各国の海軍などを招いて行う国際観艦式への参加めぐって、韓国政府が国民感情を踏まえ自衛隊に対し「旭日旗」と呼ばれる旗を掲げることは認められないと伝えてきたことを受けて、政府は自衛隊の艦船の派遣を見送る方針を固め、韓国側に伝えました。
 今月11日に韓国が各国の海軍などを招いて行う国際観艦式をめぐって、韓国政府は、韓国国内で海上自衛隊の艦船が掲げる「旭日旗」は戦前の軍国主義を想起させるなどの指摘が出ていることを踏まえ、参加にあたっては掲げることは認められないと日本政府に伝えてきています。
 これを受けて政府が対応を検討した結果、自衛隊法などで「旭日旗」は自衛艦の旗であると規定され、国連海洋法条約で、自衛隊に所属している艦船は外部標識として自衛隊の旗を掲げることを求められていることから、旗の掲揚は取りやめることができないと判断しました。
 そのため政府は今回、韓国で行われる国際観艦式に自衛隊の艦船を派遣することを見送る方針を固め、韓国側に伝えました。

「日本の軍国主義の象徴」韓国で反発
 韓国海軍が各国の艦船を招いて行う国際観艦式は、1998年から10年ごとに行っているもので、ことしで3回目です。
 ことしは韓国南部のチェジュ(済州)島沖で今月10日から5日間にわたって、日本を含む14か国から21隻の艦船が参加する予定でした。
 しかし韓国国内では、日本から派遣される予定の海上自衛隊の艦船が「旭日旗」を掲げることについて、革新系の与党を中心に「日本の軍国主義の象徴だ」などと反発が出ていました。
 これを受けて韓国のイ・ナギョン(李洛淵)首相は今月1日、国会で「植民地支配の痛みを記憶している韓国人の心に旭日旗がどのような影響を与えるのか、日本は考慮する必要がある」と述べるなど、韓国政府から日本側に、国民感情に配慮するよう要請していました。

韓国海軍「軍事的交流と友好に今後も努める」
 韓国海軍は声明を発表しました。
 この中で「日本側は自衛隊の旗を掲げるという、国内の法令と国際的な慣例に基づいた立場が受け入れられないのであれば今回の観艦式に参加することはできないと表明した。これまで韓国政府はさまざまな方法で韓国国民の情緒をしっかりと考慮するべきだと伝えてきたにもかかわらず、日本側は受け入れなかった」としています。
 そのうえで「韓国海軍は今回の決定が双方の発展的関係の維持に影響を与えてはならないと考え、今後も軍事的な交流と友好関係の強化に努めていく」としています。

防衛相「極めて残念」
 岩屋防衛大臣は記者団に、「国際観艦式への参加を実現するべく、日本の立場を韓国側に累次にわたって説明してきたが、韓国側は変更に応じてもらえず、残念ながら見送らざるをえないという判断に至った。このような結果は極めて残念だが、日韓の防衛協力の推進はインド太平洋地域の平和と安定のために極めて重要であり、今後とも防衛省・自衛隊としては防衛協力の推進に努めていきたい」と述べました。


 韓国の政治家たちは、旭日旗に対する韓国人の情緒的な声を持て余しているのか、それとも何も考えず一緒になって日本批判に興じているのか。

 もしかしたら、旭日旗を使うことを妨害できたと喜んでいる向きがあるのかも知れないが、半世紀にわたって公的に使われてきた艦船の標章に難癖を付けて、外部標識として掲げることを認めなかった韓国の姿勢は、国際的にも問題視されるだろう。当然のことながら、国際的なイベントは国際的な常識・ルールに則っておこなわれるべきであり、情緒的で不合理な要求を押し通すのは愚の骨頂だ。

 日本としては、要求を突っぱねて旭日旗を掲げて参加するのが筋であったが、「参加の見送り」はむしろ韓国海軍への配慮を示したと言えるのではないか。
 ただ、韓国は今後、自衛隊を観艦式に招くことは難しくなった。着地点をどう考えているのだろうか。



軽減税率でコンビニが混乱しそう (2018 10/5 10:30)

コンビニ業界が全食品を軽減税率対象で調整 消費増税で イートインは「休憩施設」(10/4産経)
 来年10月の消費税率引き上げと同時に導入される軽減税率をめぐって、コンビニエンスストア業界が、酒類を除き取り扱う飲食料品全てを、客が持ち帰り、税率が8%となる軽減税率の対象品とすることで、政府と調整に入っていることが3日、分かった。店内のイートインコーナーでの飲食を「外食」扱いとすれば税率は10%となるが、コンビニ業界は同コーナーを「休憩施設」と位置づけ、「飲食禁止」を明示することで、外食としてのサービス提供でないことを明確にする方針だ。
 コンビニ業界は既に、財務省などに対して、この方針を伝えている。関係者によれば、財務省や国税庁からも一定の理解を得ており、調整を経て、今後、国税庁のガイドラインなどで運用ルールの具体化を進めるとしている。ただ、外食産業からは、税率差が生じるため、反発が強まりそうだ。
 コンビニ大手は軽減税率に対応した新型レジシステムの導入を済ませている。だが、レジで客に購入する飲食料品について、「持ち帰りか、イートインで飲食するか」と、いちいち確認することは難しいとみている。コンビニは飲食料品だけでなく日用品など幅広い商品を扱い、レジでは短時間に大量の接客をこなさざるを得ないからだ。

 外食は「テーブルやイスなどの設備がある場所で飲食サービスを提供する」と定義される。コンビニ業界は、イートインを、飲食のサービスを提供するのではなく、単に休憩施設として場所を提供するものとして位置づける。
 購入した飲食料品がトレーに載せられて座席に運ばれたり、返却が必要な食器に盛られて提供されたりすると、外食と判断される。このため、そうしたサービスはできないようにして、全ての飲食料品を持ち帰りができる状態で販売するよう徹底する。コンビニ業界は、こうした施策で、取り扱う飲食料品は持ち帰りと定義でき、客がイートインで飲食したとしても税率は8%になるとみている。
 しかし、持ち帰りと店内飲食ができるファストフードなどの外食産業などからは、コンビニの対応に対して批判が強まる可能性がある。あるファストフードの首脳は「同じ昼食でも、外食は10%、コンビニ弁当は8%と、税率差が生じることは不公平だ」と警戒感を示している。
 コンビニ各社は、外食の利用者を取り込もうと、イートインを増強。ファミリーマートは平成27年2月には2800店だった設置が今年2月には7千店と2・5倍に拡大した。セブン−イレブン・ジャパンも全店舗の約3割、ローソンも4割近い水準まで拡充している。

 ■消費税の軽減税率 生活必需品にかかる消費税率を通常の商品より低く抑える制度。税率を10%に上げるに際して、酒類・外食以外の飲食料品や定期購読契約の新聞を8%に据え置く。スーパーなどで飲食料品を購入した場合、持ち帰りなら税率は8%となるが、外食扱いの店内のイートインコーナーでの飲食は10%となる。どちらの税率を適用するかはレジでの客の意思表示に委ねられる。


 多くのコンビニがイートインを併設するようになってきたが、仮に飲食禁止にしたらイートイン設置の意味がかなり薄れると思うのだが、そうまでしても、軽減税率の対象になりたいと言うことなのだろう。

 ただ、イートインコーナーで飲食するかどうかを確認したり、「食べない」と言ったのに食べている客が出たときの対応など、コンビニ店員にも過大な負担、混乱が生じてしまう。高くない賃金で複雑な作業を様々やらされているコンビニ店員であるが、さらに面倒な仕事が加わってしまうことになる。

 景気が冷え込むだけでなく、現場は混乱し、無用な揉め事も発生するだろう。財務省としては「だから軽減税率は廃止の方向で」としたいのかもしれないが、そもそも、消費税を上げても誰も幸せにならない。増税自体をやめるべきだ。



安倍政権の教育行政は酷い (2018 10/4 10:30)

柴山昌彦 - おはようございます。政局は風雲急を告げていますが、何があっても体力が基本。17日の日曜日は雨の中ランニン... | Facebook

安倍内閣:初入閣・平井科技担当相は「EM菌議連」幹事長(10/3毎日)
 初入閣の平井卓也・科学技術担当相は3日の記者会見で、科学的裏付けのない有用微生物群(EM菌)の利用を目指す超党派の「有用微生物利活用推進議員連盟」幹事長を務めていると明らかにし、「EM菌を使っている方がたくさんいるので幹事長を引き受けた。中身はよく知らない」と釈明した。


 何度も何度も言ってるが、教育行政に関しては本当に安倍政権はダメダメである。親学に染まっている文部科学大臣、EM菌に「汚染」されてる科学技術担当大臣……新内閣でも相変わらずかとがっかりである。

 学歴と政治家としての手腕は別物であろうが、こと教育行政に関しては、安倍総理の学歴の低さが関わっているのではないかと思えてくる。それくらい、非科学的な物(親学、江戸しぐさ)やそれを信奉する人との親和性が高すぎるし、大学入試改革など、やることなすことが悉くトンチキな方向である。

 そして、その安倍政権のアキレス腱である教育問題に関して、野党が全く追及できていないのがさらにダメダメである。



「教科書はウソ」を都合良く取り上げる人たち (2018 10/3 10:30)

「定説を覆す」「わが道を行く」研究の原動力は好奇心 本庶佑氏ノーベル賞(10/2産経)
 本庶佑さんは研究の原動力を聞かれると「何かを知りたいという好奇心だ」と即答する。研究する上で大切なことは「好奇心」「勇気」「挑戦」「確信」「集中」「継続」。それぞれの英語の頭文字から「6つのC」と表現する。それは自身の人生そのものだ。
 「定説を覆す研究でなければ科学は進歩しない。学問の世界も保守的で、定説に沿わないような論文はなかなか認められず苦労するものだが、後世に残る研究とはそういうものだ」
 平成17年、京都大医学部の最終講義では、こう語った。「目標は難しいほど魅力がある。誰もが見向きをしないような石ころを拾い上げて、ダイヤモンドに仕上げていく。どうなるか分からない混沌とした状態の中から立ち上げていくところに大きな魅力を感じる」
 科学者を目指す若い人には、こんな言葉を贈る。
 「教科書に書いてあることが全部正しいと思ったら、それでおしまいだ。教科書は嘘だと思う人は見込みがある。丸暗記して、良い答案を書こうと思う人は学者には向かない。『こんなことが書いてあるけど、おかしい』という学生は見どころがある。疑って、自分の頭で納得できるかどうかが大切だ」
 現在も特別教授として研究チームを引っ張る。世界との競争は激しいが「僕らは100メートル走のような競争はしない。皆があっちを向いているときは、こっちを向いてやる。わが道を行く」と語った。


 非科学的な反原発や、ワクチン否定派、薬剤治療否定派などが「教科書に書いてあることが全部正しいと思ったら、それでおしまいだ」の部分を都合良く取り上げて盛り上がっている。

 この言葉は、中学や高校の教科書レベルすら理解できないようなレベルの人たちを想定していないだろう。教科書の内容を完璧に理解できるような頭脳の持ち主を前提にした発言であるし、そもそもきちんと「丸暗記して、良い答案を書こうと思う人は学者には向かない」「疑って、自分の頭で納得できるかどうか」と述べており、「鵜呑みではなく、理解することが大事」という趣旨は明らかだ。
 しかし、教科書を理解しない・できないレベルの人ほど「教科書や論文を信じない」を真に受けて、さらにトンデモ言説に走って行く。

 たしかに大学の教科書は、大学教授が自身の依って立つ学説に基づいて話を展開するので、間違いや極論の場合が無くはない。しかし、高校までの教科書は、定説と言われているような物しか載っていない非常に保守的な物だ。「どんなに権威ある対象であってもその言説を鵜呑みにすべきではない」という姿勢は一般的には重要な態度とは思うが、まずは、教科書の内容を理解し頭に入れるのが先である。

 平均的な(あるいはそれ以下の)能力の持ち主は、「学びて思はざれば則ち罔し」よりも、「思ひて学ばざれば則ち殆し」の方をより重視すべきである。



内閣改造、党役員人事 (2018 10/2 10:30)

甘利氏、選対委員長に 総務会長に加藤勝氏 自民役員人事(10 /2朝日)
 安倍晋三首相は2日に行う自民党役員人事と内閣改造で、党四役の選挙対策委員長には甘利明・元経済再生相、総務会長に加藤勝信・厚生労働相をあてる方針を固めた。党憲法改正推進本部長には下村博文・元文部科学相を就ける。自民党憲法改正案の早期提出を見据えた布陣といえる。
 甘利氏は首相の盟友で麻生派に所属。党総裁選で首相陣営の事務総長を務めた。論功行賞で重要ポストを検討したが、2016年1月に現金授受問題で経済再生相を辞任した経緯もあり、選対委員長に落ち着いた。
 加藤氏は総裁選の対応が衆参で分かれた竹下派に所属。首相のもとで官房副長官を務めるなど側近の一人だ。下村氏は細田派で、首相に近い。憲法改正案を議論、了承する機関のトップに首相側近をあてることで、議論の加速を促す考えとみられる。
 すでに固まっていた二階俊博幹事長と岸田文雄政調会長のほか、森山裕・国会対策委員長と萩生田光一幹事長代行を続投させる。稲田朋美・元防衛相は党総裁特別補佐にあてる方針だ。
 内閣の初入閣組では、麻生派の岩屋毅氏を防衛相、無派閥の石田真敏氏を総務相、岸田派から宮腰光寛氏が沖縄北方相、平井卓也氏はIT担当相とする方針だ。二階派からは片山さつき、吉川貴盛、桜田義孝の3氏、首相に近い柴山昌彦氏、竹下派の渡辺博道氏、参院細田派の山本順三氏、麻生派の原田義昭氏の入閣も固まった。岸田派の根本匠氏は再入閣となる。
 麻生太郎副総理兼財務相と菅義偉官房長官、河野太郎外相、世耕弘成経済産業相、茂木敏充経済再生相、石井啓一国土交通相を続投させる。


 甘利氏が選対本部長は歓迎なのだが(閣僚でも良かったかなぁと思っているが)、天賦人権説を完全否定する片山さつき氏の入閣や、親学のようなトンデモ教育推進でかつて内閣のガンであった下村博文氏が憲法改正推進本部長に就任するという辺りには、落胆を覚える。小野寺氏が防衛大臣から外れるのも残念だ。

 安倍総裁は今季限りで「次の総裁」があり得ないことから、少しでも舵取りを誤ればレイムダックとなりかねない。緊張感を持った政権運営が必要なのだが、片山さつきや原田義昭が舌禍を起こさないかと不安だし(麻生氏はもうそういうキャラなので影響なかろう)、石破派を完全に閉め出したのが吉と出るか凶と出るかも不安要素ではある。

 意外と早々と解散総選挙が来たり、と思ったりもするが……



沖縄県知事選 (2018 10/1 10:30)

辺野古反対、玉城氏当選 沖縄知事選、佐喜真氏破る 全面支援の政権に打撃(10 /1朝日)
 翁長雄志(おながたけし)知事の急逝に伴う沖縄県知事選が30日投開票され、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対する前自由党衆院議員の玉城(たまき)デニー氏(58)が、前宜野湾市長の佐喜真淳(さきまあつし)氏(54)=自民、公明、維新、希望推薦=ら3氏を破り、初当選した。過去最多得票の大勝で、県民は翁長氏が当選した前回知事選に続き、「辺野古移設」に明確なノーを突きつけた形となった。


 事前の世論調査の結果通り、玉城氏が沖縄県知事に当選した。

 朝日新聞などは「安倍政権へ打撃!」と煽っているが、そもそも翁長前知事の弔い合戦の色合いが強かったこともあり、佐喜真氏が苦戦するのは予想されていたことだ。負けたこと自体よりも、8万票という差をどう分析するかによるだろう。

 当選した玉城氏は、翁長氏の幻影を追い続ける支持者たちを気にしながらの県政と言うことになり、大きな苦労を抱え込むことになるのだろうな、と思う。基地問題は全く進展せず、それでいて沖縄経済も停滞し、という状況で二進も三進もいかなくなってしまうのではないか。具体的な問題解決の道筋を、きちんと描けているのだろうか。

 ちなみに。
 ネット上の右寄りの人たちの中に、今回の選挙結果を受けて「沖縄は終わり」とか「沖縄県民はアホ」とか揶揄する向きが見られたが……自分の意に反する選挙結果が出ても、選挙結果すなわち民意を腐すような、そんな醜い態度だけは取りたくないものだ。



立憲民主がデマ拡散者を候補者に (2018 9/30 10:30)

立憲、参院選候補者4人を公認 現職の川田氏ら(9/29朝日)
 立憲民主党は29日、持ち回りの常任幹事会で、来年夏の参院選比例区に現職の川田龍平氏(42)と、原発取材を続けるジャーナリスト兼芸人で新顔のおしどりマコ氏(43)、女性支援団体共同代表で新顔の佐藤香氏(50)の公認を決めた。また、参院選埼玉選挙区(改選数4)にさいたま市議で新顔の熊谷裕人氏(56)の公認も決めた。
 枝野幸男代表は同日、東京都内で会見し、「いずれの候補も党の考えを体現する人たちだ」とした。


 立憲民主党が、反原発で放射能に関する様々なデマをばらまきまくっている おしどりマコを擁立するらしい。しかも、最低のデマゴーグ人間に対して「党の考えを体現する」と言っており、立憲民主党自体がデマを容認するクズ集団だと堂々と宣言している。「おかしな主張をする人間」ならまだしも、彼女は、「おかしな事実認識をばらまいている」のであり、そこらの「変な候補者」とはレベルが違う。
 元々まともな政党ではなかったが、いよいよ立憲民主党が何を言おうが完全に信用ならない集団に堕したことを示している。

 枝野氏に対しては、原発事故後の対応に関しても批判すべき部分が相対的に少なく、言説を見ても民主党出身議員の中ではかなりマシな部類であると思っていたが、おしどりマコを「党の考えを体現する人」と評価したことは枝野氏に対するプラス評価の全てを毀損する。

 おしどりマコに芸人としての知名度はほとんど無く、選挙戦でプラスに作用する部分は少ないだろうが、このような人物を候補者に選定したという事実自体が、立憲民主党のどうしようもなさを示している。



岩瀬が1000試合登板 (2018 9/29 10:30)

中日岩瀬男泣き「最後しっかり」史上初1000登板(9/28日刊スポーツ)
<中日4?3阪神>◇28日◇ナゴヤドーム

今季限りで引退する中日岩瀬仁紀投手が前人未到の1000試合登板を達成した。9回に7番手で登板した。
先頭の阪神糸原に死球を与えたが、大山を中飛、同期入団の福留を一ゴロ、最後は糸井を遊ゴロで締めくくった。407セーブ目を挙げ、ナインから祝福され岩瀬はお立ち台で「まさかここまでくるとは…。1点差で僕を出してくれたのは今年初めてだったので最後はしっかり頑張ろうと思いました」と目を赤らめた。
20年目の今季は1度も離脱することなく、この日試合前の時点で45試合に登板し、防御率4・81の成績。9月に今季限りで現役引退を表明している。
初登板は99年4月2日広島戦(ナゴヤドーム)。13年まで15年連続で50試合以上登板をマークし、通算登板数と通算セーブ数はNPBの歴代最多。今季でユニホームを脱ぐ鉄人にまた1つ勲章が加わった。


 ドラフト同期の福留と対戦して打ち取ったり、自信の背番号と同じ13球で9回を締めたり、岩瀬のためにあるような試合だった。ちなみに、同じく引退するとみられている荒木も2安打を打っており、引退は早いんじゃないかという思いも少し。

 岩瀬は、1000試合登板も407セーブも勿論凄いのだが、1000試合登板して被本塁打が42本というのが凄まじい。



リュウグウの地表画像 (2018 9/28 10:30)

意外に石ごろごろ…小惑星リュウグウ新画像(9/27朝日)
 宇宙航空研究開発機構(JAXAジャクサ)は27日、探査機はやぶさ2から投下され、小惑星リュウグウに着陸した2台の探査ロボット「ミネルバ2」の新たな撮影画像を公開した。岩や石に覆われた黒っぽいリュウグウの地表面が鮮明に写っている。
 ミネルバ2が、地表面をジャンプしながら移動した際に撮影した。小惑星の地表面をこれほど高精度にとらえたのは世界初という。
 リュウグウには、他の天体が衝突した痕跡とみられるクレーターが複数観測されている。JAXAの吉川真ミッションマネージャは「衝突の衝撃でできた砂が地表を覆っているとも考えていた。もう少し砂があるかと思っていたが、かなり石がごろごろしていて意外な印象だ」と話した。


 探査ロボットが無事リュウグウに着陸し、画像撮影と送信に成功したようで何よりだ。
 もっと細かい砂で覆われた、見た目にはツルツルした状態を想像していた。予想以上に、ゴツゴツした状態を見せられ、まさに色眼鏡を外してもらった思いだ。

 しかし、何億kmも離れた所の映像がリアルタイムで(とは言いつつ何分かのラグはあるが)これほど鮮明に届くことに、言いようのない興奮を覚える。いずれ、惑星表面や内部(ガス惑星なら内部に侵入できるはず)の鮮明動画が見られる時が来るのだろうか。木星の大赤斑の中とか冥王星から見た太陽や地球とか、見てみたいものだ。



強い中日を支えた3選手が引退 (2018 9/27 10:30)

中日・岩瀬と荒木も引退へ 浅尾とともに初セ連覇支える(9/26朝日)
 プロ野球中日の岩瀬仁紀投手(43)と荒木雅博内野手(41)が今季限りで現役を退く意向を固めたことが26日わかった。浅尾拓也投手(33)も同日、名古屋市内で記者会見し、現役引退を表明。2010、11年の球団初のセ・リーグ連覇を支えた3人がそろってユニホームを脱ぐことになった。
 愛知県出身の岩瀬は1998年秋のドラフト2位でNTT東海から入団。2005年から9年連続30セーブ以上を挙げるなど、抑え役としてチームを支えた。
 14年に史上初の通算400セーブを達成し、17年にはプロ野球最多の950試合登板を果たした。今季も45試合に登板し、前人未到の1千試合登板にあと1試合に迫っている。
 二塁手の荒木は95年秋のドラフト1位で熊本工高から中日入り。遊撃手の井端(現巨人コーチ)と「アライバコンビ」を組み、04年から8年間で4度のリーグ優勝に貢献。07年には盗塁王、17年には2千安打を達成した。
 浅尾は06年秋の大学・社会人ドラフト3巡目で入団。セットアッパーとして岩瀬と「勝利の方程式」を担い、11年に中継ぎ投手として初めてセ・リーグ最優秀選手(MVP)に選ばれた。ここ数年は右肩痛に苦しみ「限界を感じていた。悔いはない」と話した。


岩瀬仁紀
 1年目から15年連続50試合以上に登板。999試合登板、404セーブ。防御率2.23。被本塁打が少ないのも特徴で、わずか42本。

浅尾拓也
 中日が連覇した2010年と2011年には、それぞれ72試合、79試合登板。守備も非常に巧い投手で、中継ぎながらゴールデングラブ賞を取ったこともある。

荒木雅博
 2041安打。ショートの井端と共に「アライバ」の呼称で親しまれ、2004年から2009年まで6年連続でゴールデングラブ賞。

 中日の全盛期を支えた3人が、引退を決断した。岩瀬は、今季の中継ぎ陣の中で唯一2軍落ちをしていないし、防御率が悪いとは言っても、岩瀬の出した走者を後続が打たれて返してしまったことによる分も大きいので、まだ続けられるように主思うのだが。

 しかたないこととは言えやはり寂しい……コーチとして「たくさん練習して強かった時代の中日」を取り戻すのに力を尽くして欲しい。



「新潮45」休刊 (2018 9/26 10:30)

「新潮45」の休刊を発表 杉田水脈氏の寄稿問題で批判(9/25朝日)
 LGBTをめぐる寄稿や企画が批判されている月刊誌「新潮45」について、発行元の新潮社は25日、休刊を決めたと発表した。部数が低迷し試行錯誤を続ける中で「編集上の無理が生じ、企画の厳密な吟味や原稿チェックがおろそかになっていたことは否めない」と説明。「会社として十分な編集体制を整備しないまま刊行を続けてきたことに対して、深い反省の思いを込めて、休刊を決断した」「限りなく廃刊に近い休刊」としている。
 佐藤隆信社長と編集担当役員を10%(3カ月)の減俸処分とすることも決めた。
 佐藤社長は21日に「ある部分に関しては、あまりに常識を逸脱した偏見と認識不足に満ちた表現が見受けられた」との声明を公表したが、この段階で同社は「謝罪ではない」との認識を示していた。
 だが25日に報道各社へ出した声明文では、「このような事態を招いたことについてお詫(わ)び致します」と初めて謝罪。「社内の編集体制をいま一度見直し、信頼に値する出版活動をしていく」と記した。発売中の10月号が最終号となる。
 新潮45は8月号に自民党の杉田水脈(みお)衆院議員の寄稿「『LGBT』支援の度が過ぎる」を掲載。同性カップルを念頭に「生産性がない」などと主張する内容が差別的だと批判を浴びた。10月号に特別企画「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」を載せると作家や書店なども含め反発はさらに強まり、同社での執筆や取引を取りやめようとする動きも出ていた。
(以下登録読者のみ)

 杉田水脈の論文(「論文」と呼ぶのも烏滸がましい物だが)は酷い言説だったし、それを擁護する文章も総じて酷い物ばかりであった。しかし、抗議に屈する形で休刊に追い込まれるという結末は、抗議を受けた新潮社側のみならず、抗議していた側からしても最も避けなければならない帰結では無かったのではないか。
 自分の意見を表明する自由はあるし、同時に、それに対して批判する自由もある。しかし、意見を封殺する自由や権利は、誰も有していない。酷い言説に対しても、言論で批判をおこなうべきであり、主張の場を奪うというのは、自由主義国家においては最も避けねばならぬ事態である。

 自称リベラル系の人たちから「新潮45は廃刊すべし」という声も出ていたが、言論には言論で対抗すべきであって、主張の場自体を消滅させることは言論を萎縮させかねない禁じ手であろう。
 今回新潮45を休刊に追い込んだ、ヘイト言説に対する抗議が実を結んだ、と成果を誇るような手合いまで存在しているが(参照:新潮社前で抗議の人たちは…「言論の自浄作用が働いた」(9/25朝日))、自らの首を絞める行為であると言わざるを得ない。「抗議によって雑誌が休刊」という手法が、今度は自分たちに返ってこないという保証はどこにも無い。

 まぁ、形としては抗議に屈したように見えるのだが、部数低迷で「ちょうどいいタイミングだから」というのが大きいような気もする。
 ただ何にせよ、「抗議殺到に屈して休刊」という形は抗議していた側にとっても最悪の形だと、廃刊を望んでいた人たちには理解して欲しいものだが。



モルディブ大統領選で親中現職が敗北 (2018 9/25 10:30)

モルディブ大統領選で野党候補勝利、親中の現職敗れる 「中国依存」転換へ(9/24産経)
 【ニューデリー=森浩】インド洋の島嶼(とうしょ)国モルディブの大統領選で、選挙管理委員会は24日、インドなどとのバランス外交を目指す野党モルディブ民主党(MDP)のソリ候補(54)が過半数を獲得したと明らかにした。親中派の現職ヤミーン大統領(59)は敗れた。アジアと中東を結ぶ海上交通路(シーレーン)の要衝、モルディブで進んだ中国依存政策が転換されることになる。
 選管によると、ソリ氏は有効投票数の58.3%を獲得した。ソリ氏は「人々は変化と平和、正義を求めた」と、勝利を宣言した。
 ヤミーン氏は2013年の就任後、中国から巨大経済圏構想「一帯一路」を通じた支援を受け、首都マレに2億ドル(約225億円)を投じた「中国モルディブ友好大橋」を建設するなどインフラ整備を次々と推進。野党幹部や最高裁判事を拘束する強権政治も展開し、国内外から反発を招いていた。
 ソリ氏は、中国に依存する外交政策の見直しや民主的な政治を訴え、支持拡大につなげた。MDPは隣国インドとの連携を重視しており、ソリ新政権は現政権で亀裂が走った対印関係の修復に乗り出す見通しだ。中国支援の事業の見直しも視野に入れるが、着工済みプロジェクトも多く、作業は難航が予想される。
 中国の海洋進出を警戒するインドは選挙結果について「民主主義の勝利」とのコメントを発表。選挙の不正を懸念していた米国も歓迎する声明を発表した。

 モルディブと聞くと、東日本大震災の際、護岸工事やスマトラ沖地震の被害への支援の恩返しだと(日本が作った防潮堤のおかげで津波の被害はかなり防げたらしい)、特産のツナ缶60万個や義援金4600万円を送ってくれたことを思い出す。人口40万人弱で1人当たりGDPも1万ドル行かないような国なのに、非常にありがたい話であった。

 そんな親日的な国で、親中国の現職大統領が選挙で敗れた。
 現政権の強権的な手法に対する反発もあるが、同時に、中国一辺倒の外交姿勢や中国の一帯一路構想で借金漬けになってしまった点に対する軌道修正を求める声も、強かったらしい。

 インドの南洋の国で、日本にとってはシーレーン上にあり、非常に重要な意味を持つ国の一つだ。そのモルディブが中国一辺倒から脱却するというのであれば、日本にとっても歓迎すべき話だろう。今後はインドとの連携を強化するのだろうが、日本もそれを側面していくべきだろう。



本人が「善戦」と言い張るみっともなさ (2018 9/22 10:30)

自民党総裁選 石破茂元幹事長、麻生太郎氏に反論「善戦でないというのは党員の気持ちとずれている」(9/21産経)
 自民党の石破茂元幹事長は21日、麻生太郎副総理兼財務相が石破氏の総裁選での得票をめぐり「どこが善戦なんだ」と発言したことを受けて、「党員の45%が(自分を)支持したのはすごいことだ。『善戦ではない』というのは党員の気持ちとずれが起きているのではないか」と反論した。都内で記者団に語った。
 石破氏は「純粋に党のため日本のためを思ってくれる人が半数近くいる。現れた結果を冷静に謙虚に見る姿勢は常に問われることだ」と麻生氏を皮肉った。


 昨日、「全体でもダブルスコアだったのも事実なので、石破陣営が自ら「善戦」と喜ぶのは間違いだ、とも指摘しておきたい」と書いたのだが、石破陣営どころか、石破本人が「善戦だ」と言い張っている……。「純粋に党のため日本のためを思ってくれる人が半数近くいる」という物言いについても、安倍氏に入れた人は党や日本のためを思っていないと主張しているも同然で、つくづく残念な気分だ。

 前回総裁選よりも、国会議員票、地方票、いずれも得票率を減らしているのが現実なのだが、まわりが「善戦だ」と言うのはまだしも、負けた当人が言い張るのはみっともないことこの上ないし、負けた理由を真摯に受け止めているように見えない。

 この辺りのズレっぷりこそが、この6年で党内の支持を減らした原因なのでは無いかとも思ったり。



自民党総裁選 (2018 9/21 10:30)

安倍首相、伸び悩んだ党員票 自民幹部「地方の反乱だ」(9/20朝日)
 自民党総裁選は、安倍晋三首相が石破茂・元幹事長を破り、連続3選を果たした。しかし、国会議員票で8割の支持を得ながら、世論に近いとされる全国の党員らの支持が5割半ばにとどまった。首相陣営から聞こえるのは歓声ではなく、驚き、当惑だ。
 今回の総裁選では、派閥がこぞって首相支持を表明し、2012年の政権復帰後に進んだ「安倍一色」に染まる党内状況を反映する展開をたどった。首相陣営は当初、党員票でも国会議員票に匹敵する7割以上の得票を目指した。
 ところが、7日の告示以降は、「石破氏が6年前に獲得した55%は超えたい」(陣営事務総長の甘利明・元経済再生相)と予防線を張るようになった。6年前の総裁選は安倍、石破両氏を含む5氏による争いだったため、一騎打ちとなった今回とは比較にならない。55%はかなり低めの目標と受け止められたが、結果はその55%をわずかに上回ったに過ぎなかった。
 首相陣営からは「ショックだ」「参院選が心配だ」との声が相次ぎ、自民党幹部は「地方の反乱だ」と語った。
 8割を超えた国会議員票でも、両陣営ともに50票台とみてきた石破氏が73票を獲得。表向きは首相支持を表明しながら、逆の投票行動を取った議員が複数いることをうかがわせる結果となった。
 来年に統一地方選と参院選を控えるなか、首相の評価をめぐる国会議員と党員の意識のズレは、今後の政権運営の大きな不安定要素となり得る。首相が手にした新たな3年間は、波乱含みのスタートとなる。(与党担当キャップ・佐藤徳仁)


 数字の上では安倍氏圧勝なのだが、議員票も地方票も、思っていたより石破氏の票が多かった。
 もちろん、6年前の総裁選では、石破氏の方が地方票を55%ほど獲得していたわけで、当時より得票を減らしているのは事実であるし、また、マスコミの全面的な応援を受けてもこの票差、という考え方も可能だ。
 ただ、大方の予想得票はもっと少なかったのではないか。少なくとも私は200票前後と思っていたので、今回の結果は「石破善戦」と評価する。一方で、40近い都道府県では安倍氏に劣り、全体でもダブルスコアだったのも事実なので、石破陣営が自ら「善戦」と喜ぶのは間違いだ、とも指摘しておきたい。

 今度の人事では、石破陣営をどう処遇するのかにも注目しているが、総裁選で安倍さん側の事務局長を務めた甘利さんが要職に戻ってくることを強く期待。

 ついでに。
 直前に石破氏時を決めた小泉進次郎については、私の中での評価をさらに下げた。ギリギリまで自分の意志を隠していたという所に、「自分の影響力に対する自負」が窺われて鼻につくし、安倍陣営から良く思われないのは当然ながら、石破陣営からしても「もっと早く支持表明してくれ」という話になり、政治家としてもセンスのない行動だった。


 さて、順調にいけば、来年11月に安倍総理の任期の合計は桂太郎のそれを上回る。第一次政権が崩壊したとき、安倍晋三という人物がこれほど大きな存在(安倍支持派、不支持派いずれにとっても)になるとは思っていなかった。



またも妨害行為 (2018 9/20 10:30)

「安倍辞めろ」コールで騒然=秋葉原の首相演説会場−自民総裁選(9/19時事)
 安倍晋三首相が19日に東京・秋葉原で行った自民党総裁選を締めくくる街頭演説の際、聴衆の一部から「安倍辞めろ」コールが沸き起こり、会場が騒然とした雰囲気になった。
 陣営は会場のJR秋葉原駅前ロータリー周辺を柵で囲い、内側には参加許可を示すシールを貼った党員だけが入れるようにした。それでも柵の外側に集まった聴衆は首相の演説中、「辞めろ」を連呼し続けた。
 「安倍内閣は退陣を」「独裁やめろ」などと書かれたプラカードも林立し、陣営関係者がのぼり旗でこれを隠そうとするつばぜり合いも見られた。
 首相は昨年7月の東京都議選の応援演説で「辞めろ」コールに反発し、「こんな人たちに負けるわけにいかない」と発言して批判を浴びた。今回は反論せずに演説を続けた。

 写真では反安倍を大写しにして、さも「安倍不支持の人はこんなにもいる」と印象づけたいようだが、実際にはどれほどの数だったのか。

 「こんな人たちに負けるわけにいかない」というような失言を誘いたかったのか、ただ情緒的に喚いてストレス解消したかっただけなのか。いずれにしても、反安倍のバカっぷりを晒しているだけである。

 抗議と演説妨害は、全く別物だ。
 安倍氏にも主張をする自由はある。「妨害」という行為で反安倍の支持が広がることなど無いし、むしろ反安倍が言論の自由を軽視する粗暴な連中だという喧伝にしかなっていない。安倍政権が成立してから6年、いったいいつまで同じことを繰り返すのか。



斎藤農水相の発言に関して (2018 9/19 10:30)

斎藤農水相、圧力かけた人物は明かさず 「考えて発言」(9/18朝日)
 自民党総裁選に立候補している石破茂・元幹事長率いる石破派に所属する斎藤健農林水産相が「『石破さんを応援するんだったら辞表を書いてからやれ』と言われた」と明かしたことについて、斎藤農水相は18日午前の閣議後の記者会見で「あそこの場で述べたことに尽きている」として、改めて具体的に説明する考えがないとの姿勢を強調した。
 会見では発言した意図や言われた相手について質問が相次いだが、斎藤氏は「事前によく考えた上で発言している。今さら付け加えたり、改めて解釈をしたりするつもりはありません」と答えるにとどめた。
 斎藤氏は14日、石破氏も出席して千葉市で開かれた会合で、「(総裁選に立候補している)安倍(晋三首相)応援団の一人に『内閣にいるんだろ。(総裁選で)石破さんを応援するんだったら辞表を書いてからやれ』と言われた」と発言。安倍首相は17日夜のテレビ番組で「本当にそういう出来事があったのか、陣営に聞いた。みんな『あるはずはない』と大変怒っていた。そういう人がいるのであれば名前を言って頂きたい」と発言を否定していた。
 一方、自民党の二階俊博幹事長は「選挙が過熱する中での発言」と述べ、党として調査するなど取り上げる考えはないとした。(山村哲史)


 いったん表沙汰にしたのならとことん喧嘩を貫く覚悟が必要だし、中途半端に引っ込めるなら表に出すべきではない。いずれにせよ、斉藤氏にはがっかりした、というのが正直なところだ。弁論も達者だし、政治的な能力も高いと思うのだが、何とも残念な態度である。

 内閣の一員が対立候補を応援することについては、現総裁に仁義を切っているのであれば、問題は無いと思う。ただ、「内閣の一因でありながら現総理と反対の立場」というのは筋が通っていない、という意見にも一理あり、「大臣を辞めてから応援しろ」という主張を「首相側からの圧力」と断じるのは飛躍に思う。

 一方、安倍総理の「陣営に聞いたがそういうことがあるはずはない」と断言するのは、軽いのでは無いかとも思う。強気に否定しながら後から防衛ラインを下げる、というのはモリカケでも見られた光景だ。そこはもっと慎重に発言すべきだったのではないか。



具体策も示して欲しい (2018 9/18 10:30)

自民総裁選 石破氏「10年で所得を3割伸ばす」(9/17NHK)
 自民党総裁選挙に立候補している石破元幹事長は、消費税率を引き上げても国民生活に影響が出ないよう、10年で所得を3割伸ばすことを目指すと訴えました。
 自民党総裁選挙の投開票を3日後に控え、石破元幹事長は東京 銀座で、佳子夫人や竹下派の尾辻元参議院副議長らとともに街頭演説を行いました。
 この中で石破氏は「社会保障の仕組みを根底から変えていきたい。病気にならず、介護を受けずに済む社会を作らなければならない。答えは1年で出す」と述べ、社会保障制度を抜本的に変えるために国民会議を創設し、1年で改革案をまとめる考えを示しました。
 そのうえで「消費税を上げても、やっていける経済環境を作らなければならない。国民一人一人の所得を10年で3割伸ばす」と述べ、消費税率を引き上げても国民生活に影響が出ないよう、10年で所得を3割伸ばすことを目指すと訴えました。
 また外交政策について「領土問題も拉致問題も、外国にお願いして解決するものではなく、日本が解決しなければならない。ロシアは友情や経済的な利益で領土を明け渡すほど甘くない。私は一切妥協しない交渉をしていく」と強調しました。


 具体的な道筋を示さない理想論は信用ならないというのは、民主党政権で思い知った教訓である。

 もちろん、大まかな未来像を示すことは政治家として必要なことだとは思うが、総理総裁の座を狙うのならば、具体的な方策も合わせて示さねば説得力が無い。ましてや、民主党政権が「絵に描いた餅」で票を掠め取り実際には問題に右往左往するだけだったという悲劇を体験した後だから、なおさら「絵空事」に対する国民の警戒心は強くなっている。

 批判をおこなうこと自体は良いことだ。総裁選で勝った方が、負けた方の訴えた施策を取り入れれば、よりよい政治が実行できるわけだし。ただし、無責任な言いっ放しは、野党と同じ穴の狢になってしまう。石破氏のことは嫌いではない、むしろ好きな政治家の部類に入るので、あまり落胆させて欲しくない。



電力軽視の末路 (2018 9/17 10:30)

 北海道の電力不足に関して、私は声高に「泊原発を再稼働すべきだった」と主張するつもりはない。原子力規制委員会による審査が厳しすぎる、根拠が曖昧だという面はあるが、最終的には現地の人たちが決める問題であり、部外者が安易に言うべき物ではないと思うからだ。
 ただ、泊原発が動かせなかった以上、ブラックアウトに関して北海道電力を責めるのは酷だとも思っている。ギリギリの綱渡りを続けて何とか電力供給の責務を果たしてきた北海道電力を批判するのは、全身紐で縛って重しを付けて水に落とした上で「泳げ」と言っているようなものだ。

 しかしながら、反原発の人たちは、「電力は足りている」と言い続けてきた責任に頬被りしつつ北海道電力を平気で批判する。あまつあせ、この期に及んでも、「電気がなくても何とかなる」と賢しら顔でのたまっている。恥知らずとしか言いようがない。




 想像力の欠落と他人事感が満載の「冗談にしか思えない」ご意見。しかし彼は本気なのだろう。



 「楽天的で生命力溢れるから何とかなる」……いい加減で無責任な楽観論だ。自分の状況を無理矢理一般化しただけだ。自分は余裕ある資金で薪ストーブ生活を謳歌できているようだが、電気を利用した暖房を使っている一般家庭はそうはいかないだろう。

 ツイッターではやたらと薪ストーブを推す勢力が目立っているのだが、こんなことを言う新聞記者が…



 「新築する際に」と自分で言っているのだが、分かっていないのだろうか。そういう設計がされていない家庭で薪ストーブを使えるようにするには、資金も時間もかかるという話が為されているのだが。

 しまいにはこんなツイートも。



 「薪ストーブがあれば余裕」「電気がなくても過ごせるよう備えるべき」「北海道の人は楽天的だから大丈夫」、挙げ句の果てには「冬過ごせなかったら暖かいところへ移ればいい」と主張する人まで出てくる始末。
 相手への想像力が欠落し自身の思考は絶対正しいという傲慢さが極まると、本当に醜い姿を晒すことになる。実体験がないならできる限り情報を収集したり何とか想像しようと努めるべきだし、想像ができないなら適当なことを言うべきではない。



プーチンの唐突な提案 (2018 9/14 10:30)

プーチン大統領「条件なしで平和条約を」安倍首相を前に(9/12朝日)
 ロシアのプーチン大統領は12日、ウラジオストクで開催中の東方経済フォーラムの全体会合で、日本との平和条約を今年末までに締結するよう安倍晋三首相に提案した。プーチン氏は前提条件をつけずに平和条約を締結した後、「すべての問題の議論を続ける」とし、領土交渉などを後にする考えを示唆した。
 プーチン氏は提案に先立ち、平和条約締結後に歯舞、色丹の2島の引き渡しを明記した日ソ共同宣言(1956年)に言及した。
 プーチン氏は全体会合に出席していた安倍首相ら聴衆を前に、「年末までに前提条件なしで平和条約を結ぼう」と呼びかけた。
 日本政府はこれまで、四島の帰属問題の解決後に平和条約を締結するとの立場でロシアと交渉している。(ウラジオストク=中川仁樹)


 平和条約というのは、戦争犯罪人の扱いを確定したり様々な財産の所有権を精算したり、戦争によって生じた懸案を精算するために結ばれる物である。その中には当然、国境線の画定も含まれる。ロシアと平和条約を結ぶということは、その時点で国境線が画定したことに合意したことになる。北方領土の帰属を棚上げして平和条約を結べば、当然、北方領土がロシア領であることを日本が正式に認めたことになってしまう。

 これに対し、安倍総理が毅然とした対応を取らなかったと批判している向きがある。まぁ「苦笑いだけ」は情けない印象をばらまくことになりかねず、怒る必要はないにしても、その場で「領土問題について解決した後で平和条約を結ぶのが筋だ」と発言はすべきだったとは思う。

政府、ロシアに抗議せず 交渉への影響を配慮か プーチン氏発言(9/12朝日)
 安倍晋三首相は13日、ロシアのプーチン大統領が日本との平和条約の年内締結を提案し、北方領土交渉を先送りする考えを示唆したことについて「プーチン氏の平和条約締結に対する意欲の表れだと捉えている」との認識を示した。日本は領土問題を解決した上での平和条約締結をめざしてきたが、ロシアに対する抗議はせず、静観する方針だ。
(以下登録読者のみ)

 毅然と抗議しないことに不満がないわけではないが、「北方領土の問題なしに平和条約は結ばない」と安倍総理は明言しているのだから、間違った対応ではない。プーチンの提案に乗らなければそれで良い。

 この唐突な提案の動機は何なのだろうか。安倍総理の姿勢を見て「平和条約優先」でも行ける可能性を感じたのだろうか、経済協力がなかなか進まないことへの苛立ちか。



「5億4000万円」で噴き上がる人々 (2018 9/12 10:30)

復旧財源に5億4,000万円支出 安倍首相が指示(9/10FNN)
 安倍首相は、北海道で起きた大地震の復旧財源として、2018年度予算の予備費5億4,000万円を、支出する方針を表明した。
 安倍首相は「被災者の命と生活環境に不可欠な物資のプッシュ型支援をいっそう強化するため、あす、予備費5.4億円の使用を決定する」と述べた。
 安倍首相は、北海道の地震被災地を視察したあと、関係閣僚会議を開いた。
 この中で、予備費5億4,000万円の支出方針を表明するとともに、普通交付税の繰り上げ交付に向け、迅速に対応するよう指示した。
 安倍首相は、「被災自治体が、財政上安心して復旧に取り組める態勢づくりが重要だ」と強調した。

 この記事に、「たった5億4000万円かよ!」と噴き上がる反安倍どもが多数いた。ツイッターでは「ケチって5億4000万円」というくだらぬタグまで作られている。

 「北海道に予備費5.4億円」というニュースに対して「少なすぎる!」と違和感を覚えたのなら、脊髄反射で批判する前に、「その数字は何かの間違いじゃなかろうか」とか「本当にそれだけ?」「予備費って何だろう」とか調べてみるのが先だろう。それをやらずに批判するのは、つまりは「安倍はケチだ」という先入観や「批判したい」という情緒を優先しただけだ。つまり、「批判したいだけ」「貶したいだけ」である。

 少し調べればこういう話が出てくる。

<政府>地震や豪雨、補正予算編成へ 1兆円超規模(9/7毎日)
 政府は7日、北海道で発生した最大震度7の地震や7月の西日本豪雨などを受け、2018年度補正予算案を編成する方針を固めた。秋の臨時国会への提出を検討している。政府関係者によると、規模は1兆円を超える可能性もあるという。
 また政府は北海道地震について、自治体による復旧事業に国の補助率を1〜2割程度かさ上げする激甚災害に指定する方針だ。
 西日本豪雨への復旧・復興では、政府は予備費などで対応している。18年度予算の予備費と災害対応予算は計4200億円。このうち西日本豪雨の復旧支援には既に1058億円を支出し、さらに7日の閣議で616億円の追加支出を決めた。【野間口陽】


 「5.4億円」の記事から3日も前の記事である。北海道の震災について関心があれば、アンテナにかかっていてもおかしくない記事であるし、ちょっと調べればすぐに見つけられる物である。

 何かを批判するときは、脊髄反射せず、ちょっと立ち止まってみるのが吉。



安倍氏有利の総裁選 (2018 9/11 12:30)

次の総裁は…安倍氏39%・石破氏27% 朝日世論調査(9/10朝日)
 朝日新聞社が8、9両日に実施した全国世論調査(電話)で、自民党総裁選の候補者のうち、次期総裁に誰がふさわしいか名前を挙げて聞くと、安倍晋三首相が39%(前回8月調査は32%)、石破茂・元幹事長27%(同26%)、「この中にはいない」30%(同34%)だった。安倍内閣の支持率は41%、不支持率は38%で、2月の調査以来7カ月ぶりに支持が不支持を上回った。
 立候補しなかった野田聖子総務相を含めた3氏で聞いた前回調査と比べ、安倍氏のリードが広がった。自民支持層では安倍氏が65%(同59%)と、石破氏の19%(同20%)を引き離した。一方、無党派層では、石破氏が29%(同27%)で、安倍氏の22%(同16%)を上回り、「この中にはいない」は42%(同46%)だった。
 安倍氏がふさわしいと答えた人に理由を4択で聞いたところ、「他よりよさそう」46%が最も高く、「指導力がある」20%、「政策が評価できる」18%、「人柄や言動が信頼できる」13%となった。石破氏と答えた人では、「人柄や言動が信頼できる」54%が最も高く、「他よりよさそう」31%、「指導力がある」8%、「政策が評価できる」5%だった。
 また、森友学園の国有地の売却問題や、加計(かけ)学園の獣医学部新設問題への安倍首相の説明について、「納得していない」76%が、「納得している」14%を大きく上回った。次の自民党総裁に安倍氏がふさわしいと答えた人でも、「納得していない」57%が、「納得している」29%を上回った。
 総裁選で争点として一番議論してほしいことを6択で尋ねたところ、「社会保障のあり方」が26%と最も高く、「景気や雇用などの経済政策」23%、「財政再建や税制」15%、「外交や安全保障」13%、「災害対策」11%と続き、「憲法改正」は8%にとどまった。安倍氏がふさわしいと答えた人では、「景気や雇用などの経済政策」33%がトップで、最も低かったのが「憲法改正」5%だった。
 一方、最近の大型台風や大地震をめぐる安倍内閣の災害対応を聞くと、「評価する」52%が、「評価しない」32%を上回った。
 東京五輪・パラリンピック期間中の暑さ対策として、標準時を早めるサマータイムを導入することには「反対」56%、「賛成」31%だった。携帯電話料金の引き下げについて、政府が積極的にかかわることへの是非を尋ねたところ、「賛成」69%が「反対」20%を上回った。
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設については、「反対」45%、「賛成」31%だった。


 安倍氏への支持が増えてるが、石破氏がいろいろ主張したことで逆に「これなら安倍さんの方がいい」と思った層がそれなりの数いたのだろうか。

 ただ、石破氏への支持も、それなりの程度集まっている。自民党支持層では2割程度の支持にとどまってはいるが、全体では決して「完敗」ではない。ある程度反安倍の受け皿になっているのも事実だろう。まぁ、どうしようもない野党どもに比べれば、受け皿として何倍も現実的ではあるし。

 石破氏の「地方創生」は、安倍総理三選の後取り入れて欲しいとは思う。石破氏の提言に具体性はないが、地方の景気回復が遅れているのは事実なので、次の安倍政権にはその点にも力を入れて欲しい。



どんどんおかしな方へ… (2018 9/10 10:30)

「激しい批判をする野党の後ろにも国民はいる」。総裁選出馬を決めた石破茂が語る国会・憲法・沖縄(9/8ハーバー・ビジネス・オンライン 菅野完)
 9月7日告示・20日投開票の日程で行われる自由民主党の総裁選挙は、野田聖子氏の出馬断念により、安倍晋三氏と石破茂氏の一騎打ちとなった。
 政党の代表を選ぶ選挙とはいえ、自民党の総裁選となれば、事実上「次の総理」を選ぶ選挙だ。とりわけ、今回の総裁選は、現職の安倍総裁が「次の国会」に党としての憲法改正案を提示したいとの意気込みを示していることもあり、見逃せない。
 しかし、すでに安倍陣営の圧勝が伝えられていることもあり、今回の総裁選は今ひとつ盛り上がりに欠けるのも事実。新聞もテレビもかつての総裁選のように大々的に取り扱うことをしない。ここまでワンサイドゲームとなると仕方のないことかもしれないが、ワンサイドゲームであるということは、挑戦者側―つまり、石破茂氏側―には、それ相当の覚悟があるはずである。
 その覚悟のほどが知りたい――。
 その一心で、総裁選挙に立候補した石破茂氏にインタビューを打診した。
 石破氏サイドはこころよく取材要請に応じてくれたが、なにせ選挙戦を控えた忙しい最中、許された時間は極めて短いものとなった。
 今回のインタビューでは、時間の都合もあり、10%への消費増税や社会保障改革など政策面での質問をあえて行わなかった。そうした質問は全国紙やキー局など、メジャーなメディアがその社会的責務の一環として対応するだろうという判断があったからだ。
(以下略)

 市民運動の募金着服をするなど活動団体内で揉め事起こして放逐されたり、女性に暴行事件を起こして裁判沙汰になった過去があったり、アメリカで暴行事件を犯して逃亡の真っ最中だったり、そんな人間と対談……仮に本人がどんな人とでも話をすると主張しているのだとしても、秘書が止めるべき事案だと思うのだが。

 石破氏にどういう意図があるのかは知らないが、少なくとも、「そっち側の人間になっちゃった」という印象しか残さないだろう。これは、自民党支持者から見れば大きなマイナスでしかない。
 氏の野党のような批判のやり方に眉をひそめる自民党員は多いと思われるが、モリカケ、とりわけ森友学園問題に血道を上げてきた輩(しかも過去に様々な問題有り)と対談するなど、自民党支持層からすれば言語道断であろう。

 で、当然このような数字になる。

「安倍晋三首相に投票」党員・党友の61% 共同通信電話調査(9/8産経)
 共同通信社は7、8両日、自民党員・党友を対象に総裁選(20日投開票)の支持動向を電話で調査した。安倍晋三首相(党総裁)に投票するとの回答は61.0%、石破茂元幹事長は28.6%だった。
 党員調査では、次期国会への党憲法改正案の提出を目指す首相の意向に「賛成」と答えたのは50.6%、「反対」は32.0%だった。
 次期総裁に期待する政策(回答は2つまで)は「景気や雇用など経済政策」が35.6%で最も多く、「年金・医療・介護」(33.9%)「外交・安全保障」(22.2%)「財政再建」(19.2%)と続いた。
 総裁選は国会議員票(405票)と党員・党友票(同)の計810票を争い、過半数を獲得した候補が選出される。
 北海道は震度7を観測した6日の地震を受け、調査対象としなかった。

 石破氏は決して無能ではないと思うが、「政治家」として、そして集団の長としてやって行くには、頭が固すぎるというか、原理原則に固執しすぎというか。



マスコミに北電を責める資格があるのか (2018 9/8 10:30)

道央で最大震度7 救助と生活復旧に総力を(9/7北海道新聞)
 きのうの未明、道央を中心に北海道の広い範囲で強い地震があり、胆振管内厚真町で道内初の震度7を観測した。
 厚真町では大規模な土砂崩れが発生し、複数の家屋が巻き込まれた。同町を含め各地で死者や負傷者が出ている。安否が分からない人も大勢いる。正確な被害状況の把握が急務だ。
 人命救助は時間との闘いだ。警察や消防、自衛隊は安否不明者の捜索に全力を挙げてもらいたい。
 大地震に加えて深刻なのは、苫東厚真火力発電所の緊急停止をきっかけに、道内全域が停電に陥ったことである。
 同火発の復旧には少なくとも1週間かかるという。
 停電は徐々に回復するだろうが、既に道民の暮らしにはさまざまな影響が表れている。
 北電は復旧にあらゆる手だてを尽くすべきだ。政府にも最大の支援を求めたい。
(中略)

■北電は全面供給急げ
 北電によると、道内最大の苫東厚真火発が止まった影響で需給バランスが崩れ、他の火発も停止し、道内全295万戸が停電した。全戸停電は初めてという。
 電気は、市民生活にとって重要なライフラインである。
 大地震に見舞われたためとはいえ、エリア全域での停電を招いたのは、電力供給事業者として失態と言わざるを得ない。
 交通をはじめ、さまざまな機能に支障を来した要因だ。全面復旧が急がれる。
 一部の火発が動き始めているとはいえ、当面は電力供給が再開されても、量は制約されよう。
 ここまで大規模な停電は、道民にとっても、文字通り「寝耳に水」だったろう。
 テレビやラジオから地震に関する情報を得ることができないと、不安は一層増幅する。
 とりわけ、携帯電話やスマートフォンを使い慣れていない高齢者らは心細いに違いない。
 停電の影響で医療機関が外来患者の受け入れを停止したり、マンションのエレベーターに閉じ込められた人もいたようだ。
 各地の道路では、信号機が動かなくなり、交通が混乱した。
 暖房が欠かせない冬場であれば、生命の危機にも直結し、極めて深刻な被害をもたらすことは想像に難くない。
 これほどの事態に至った原因に加え、なぜバックアップ機能が働かなかったのか、北電には納得できる説明を求めたい。
 停電に関する情報提供も不十分で、直ちに改善すべきだ。
 今回のような停電を念頭に、携帯ラジオや懐中電灯、電池を常備しておきたい。
(以下略)

 いや、泊原発の危険性を誇大に喧伝し、原発再稼働を阻んで電力確保の冗長性を阻む論調を取ってきたのは、他ならぬ北海道新聞を含むマスコミたちではなかったか。北海道電力を責める前に、原発を全否定することで電力確保を邪魔するようなことをしていなかったのか、自分たちの報道姿勢についての反省を求めたい。安全圏から批判だけして、自分たちの言説の責任にはほっかむりでは許されない。

 ついでに言えば、北海道電力に責任があると言うよりは、政府が、「原発を廃止の方向に動いて他の発電所の能力をアップさせる」のか、或いは「早急に原発を再稼働して有効活用する」のか、いずれの方向性で動くかを明確にしなかったことにも問題がある。電力会社は、国の方針が定まらぬ中で、できる限りの対応をしてきたと言える。

 さらについでに。
 冗長性は重要だし、泊原発が動いていればその冗長性はかなりの確率で確保できていたとは思う。ただ、一方で、あんまり「原発を動かしていれば」と今の時点で主張すると、それもまた「災害にかこつけて」と受け止められないかと思ったり。



若者を見下す朝日記事 (2018 9/7 10:30)

この政党は保守か革新か 揺らぐ「常識」、若者のリアル(9/5朝日)
 気温35度の土曜日。額から汗を垂らしながらビラを配る年長世代を、若者たちが軽い身のこなしでひらりと避ける。見ていて、いたたまれない気持ちになる。
 「おばあちゃんの原宿」と呼ばれる東京・巣鴨の駅頭で、改憲に反対する活動に立ち会った。若者グループSEALDsに影響を受けて結成した主に60代以上の人たちで、その名もOLDs(オールズ)。
 街頭に立つのは170日を超えたが、「若者で署名するのは1万人に1人」と大学名誉教授の高橋正明さん(73)は言う。今の政権でいいんですかと呼びかけると「いいでーす」と答える。「安倍さんをいじめないで」と言った人もいた。
 メンバーが若かりし頃、世界で若者が反政府デモをしていた。だが今、若い世代の政権与党への支持は高い。昨年の総選挙の出口調査で比例区の自民党に投票した人は60代で29%だったが、20代は47%に上った。
 教育のせいなのか。周囲から浮くのを恐れるのか。50代の記者も加わって議論したが、答えは出ない。
 無知や無関心が理由の一つではという声もある。なら、いわゆる意識高い系はどう考えているのだろう。
 中立的な立場で若者の政治参加を促しているグループの会合で聞いてみた。
 「政権支持イコール保守化ではないのでは」と学習院大2年の男子学生は言いつつ、こう続けた。「野党を選ぶリスクを避けて現状維持を望むのは確かです」
 多感な頃、政権交代と東日本大震災を経験した。大人たちの民主党政権への評価と比べると、安倍政権は大きな失点がないように見える。就職も好調だから交代を求める理由がない。
 大学に入って政治に興味を持ったという東京学芸大3年の女子学生は、自分をリベラルだと考える。LGBTの権利擁護や女性差別撤廃に強く賛同する。その上で、昨年の総選挙で投票したのは自民党だった。
(以下有料読者のみ)

 若い世代がなぜ自民党を支持するのかという疑問について検証するという記事だが、のっけから「教育のせいなのか。周囲から浮くのを恐れるのか」という的外れな推測を開陳している時点で「お察し」な文章である。
 けっきょく、「現状維持でいいや」と政治に関心を持たない若者層が自民党を支持しているという内容で、朝日らしい「野党を支持しない、反権力でない若者は知的に怠惰だ」というサヨク的偏見に縛られた主張だ。まったく、若者を馬鹿にするにも程がある。

 政治集団としての能力を客観的に見れば、自民党や公明党以外に、国家の統治を任せられる集団はいない。政治信条以前に、政治家としての能力がないのだから、選択肢になるはずもない。

 本気で自民党支持者の心理を理解したいなら、そして本気で自分たちの主張を多くの人に理解して欲しいというなら、「自民党を支持する考えは間違いだ」という偏見、勘違い、傲慢さをいったん捨てるべきだ。「お前らはバカだ」と上から目線で説教垂れるような姿勢だから、相手にされないし、いつまで経っても成長できないのだ。



北海道で地震 (2018 9/6 10:30)

 北海道で大きな地震。被害の全容はいまだ明らかになっていないが、少しでも被害が小さく済むように心から願う。教え子の中にも北海道に行った者がいるが、彼らは無事だろうか。

 朝起きぬけに、母が「札幌辺りで地震、北海道全体が停電だって」と言ってきたので、「いくら何でも全部停電はないでしょ、大阪で地震あったら根室や稚内が停電するのか?」と調べもせずに否定してしまった。すぐ後に、「295万戸が停電」と報じているのを見て、本当に全戸停電だと理解し母には謝ったが、それほどに大規模な停電ということだ。

 真冬の災害でなかったことは不幸中の幸いだった。ただ、台風が通過した後で真夏並みの空気が北海道を覆っているらしい。熱中症には十分気をつけていただきたい。

 しかし、これほどの災害にもかかわらず、「安倍が〜」「原発が〜」と連呼するバカがいる。一般人だけではなく、政治家の中にさえそういう輩がいる。被災地を踏み台に自己主張するのは、この上なく醜い。


これは擁護不可 (2018 9/6 10:30)

麻生氏「我々はG7唯一の有色人種」 安倍氏応援の会で(9/5朝日)
 麻生太郎副総理兼財務相は5日、盛岡市内で開かれた「安倍晋三自民党総裁を応援する会」で、「G7の国の中で、我々は唯一の有色人種であり、アジア人で出ているのは日本だけ」と述べた上で、「今日までその地位を確実にして、世界からの関心が日本に集まっている」と語った。日本以外のG7構成国にも様々な人種がおり、かつてはオバマ氏も米大統領としてG7サミットに参加していた。
 麻生氏は、リーマン・ショックの際も日本が国際通貨基金(IMF)に多大なお金を払って金融危機を乗り越えた、と主張し、日本が世界から注目されていると話した。そんな中、「問題はトランプの発言、行動。これに振り回されている」と述べる一方、トランプ米大統領の信頼を勝ち得たのが安倍氏だとして、総裁選での支持を訴えた。
 会合は岩手県選出の国会議員4人が開き、党員ら約1100人が集まった。(大西英正)


 さすがにこれは擁護のしようがない。「アジア人」というならまだしも、「有色人種」という言い方はマズい。

 消費増税に積極的な人だから(プロレスかもしれんが)、いい機会だから勇退してもらったらどうだろうか。三選後にレイムダックにならないためには、麻生氏を敵に回すわけにはいかないだろうが……。



台風21号 (2018 9/5 10:30)

 久々に台風らしい台風を食らった。まぁ、「非常に強い勢力」で上陸するのは25年ぶりということだから、当たり前か。
 昨日の仕事の帰りしなに、停電しているところがあり、気になって家に帰って調べてみたら、岐阜県内の至る所で停電が発生しているようだった。自宅は大丈夫だったが、けっこう近所にも停電しているところがあったようだ。
 我が家の被害は、ヒマワリが横倒しになったくらいで、非常に軽微。ミニトマトも耐え凌いでくれた。

 大きな被害が出ている地域もあるようで、復旧復興のため、政府はできる限りの施策を打ち出して欲しいと思う。

 ところで、こんなツイートを発見。



 トップの仕事と、現場の仕事の区別が、まったく付けられていない。しかも、実際に泥水にジャブジャブ入っていったら、「無駄な行動」「パフォーマンスだ」って貶すのだろうしな。災害にかこつけて権力批判したいだけである。
 首相がおこなうべきは、泥水にジャブジャブ入って行く人たちを可能な限り支援することだろう。「トップに立つ人間がやるべき仕事」を自覚せずに現場にしゃしゃり出て混乱させるだけの無能なんて、菅直人でもうこりごりだ。



濱口雄幸を手本とするのは… (2018 9/4 10:30)

石破氏「政治は正しく」=浜口元首相引き合いにアピール−自民総裁選(9/2j時事)
 石破茂元幹事長は2日、高知市内で街頭演説し、高知県出身の戦前の政治家、浜口雄幸元首相に触れ、「浜口は政治は強く、明るく、正しくなければならないと言っていた。浜口はそのために命を懸けた」と強調した上で、「私は浜口には及びもつかないが、政治家としてそうありたい」と語った。総裁選で掲げたスローガン「正直、公正」を、元首相を引き合いにアピールした形だ。


 濱口雄幸は、たしかに高潔な人柄は素晴らしいのであるが、根回し無しに軍縮に走って野党に「統帥権干犯」と批判する隙を与えたり(この野党の論理も酷い物ではあったが。ちなみにこの批判の急先鋒が鳩山一郎である)、世界恐慌という大きな情勢の変化があったにもかかわらず金解禁を実行して恐慌の打撃をモロに食らったり、結果を見ればあまり評価できない宰相である。宰相の人柄と政治家としての能力は比例しないという、典型である。

 根回しのヘタクソ具合は確かに石破氏に通じるところはあるが、そんなものは政治家として最も学んではいけないところだろう。小泉純一郎氏も濱口氏を模範としているような雰囲気を出していたが、小泉氏には森氏という手練れの政治家が付いていた。

 政治家、とりわけ宰相に求められるのは、実はもっと泥臭い部分ではないか。知能や教養では明らかに歴代宰相に劣っている安倍総理が、それなりの成功を収めているのも、その証左ではないか。



マケイン氏の葬儀 (2018 9/3 10:30)

マケイン氏葬儀:トランプ大統領に苦言 弔辞のオバマ氏ら(9/2毎日)
 【ニューヨーク國枝すみれ】先月25日に死去した米共和党の重鎮、マケイン上院議員の葬儀が1日、ワシントン大聖堂で開かれ、オバマ前大統領とブッシュ(子)元大統領が弔辞を読んだ。2人は名指しは避けつつも、トランプ大統領を批判した。
 マケイン氏が生前、政治の分断をあおる手法などを厳しく批判してきたトランプ氏は葬儀に招かれなかった。弔辞は、マケイン氏と2008年の大統領本選を争ったオバマ氏、00年大統領選では共和党候補指名を競ったブッシュ氏に依頼された。
 オバマ前大統領は、国民の意見が分裂している時こそ、マケイン氏が大切にした「制度や法、社会規範」が国民を一つにすると訴えた。さらに「(マケイン氏は)ご都合主義や党派の違いから事実を曲げることになれば、民主主義は機能しない、と分かっていた」と述べ、演説やツイッターで虚偽や誇張が目立つと指摘されるトランプ氏を暗に批判した。
 ブッシュ元大統領も、マケイン氏は「権力の乱用をひどく嫌い、偏見を持つ者や独裁者を我慢することはできなかった」と指摘。独裁・強権的な世界の指導者を称賛することもあるトランプ氏に苦言を呈した。
 最も率直な批判をしたのはマケイン氏の娘のメーガンさん。「マケインの米国は再び偉大にする必要などない。いつも偉大だったから」と、トランプ氏のスローガン「米国を再び偉大な国に」を批判し、拍手が起きた。
 トランプ政権からはトランプ氏の長女、イバンカ大統領補佐官と夫のクシュナー大統領上級顧問らが出席。招かれなかったトランプ氏はこの日、ゴルフに出かけた。


 オバマ、小ブッシュと、党の違いを超えてその政治人生を称えていたことに、改めて、マケイン氏の懐の深さ、根底にある信念の普遍性を感じさせられた。

 そうしたマケイン氏の姿勢を称え、一方でトランプ氏を批判するオバマ氏らの主張は全く正しい。正しいのではあるが、こういう主張を建前だ理想論だと嫌悪するような人たちがトランプの強固な支持層であり、マケイン氏の葬儀の場でこのようなスピーチをおこなったことが、またいっそう「理性的な主張」を嫌悪する層を刺激するのではないか、という不安もある。

 細分化し、複雑になってしまった社会構造をひとづかみに統合することは至難であろう。アメリカは「偉大な国アメリカ」というイメージがその役割を果たすのに資してきたし、そのイメージを体現すべく多くの政治家、知識人が努力してきたのだが、今やそれも分水嶺に来ているようだ。

 まぁ世界的な潮流だろうし、日本も似たような流れを感じることはある。それでも、日本には国民統合の象徴たる天皇陛下がいらっしゃるのが強みであるが。



河野氏、石破氏への雑感 (2018 9/2 10:30)

河野外相 外遊のチャーター機費用 必要性強調(8/31NHK)
 河野外務大臣は、来年度予算案の概算要求で民間機のチャーターを増やす費用として、およそ10億円を盛り込んだことをめぐり、「日本が今の外交的な影響力を維持しようと思えば、今の海外出張の数は最低限だ」と述べ、必要性を強調しました。
 就任からの1年余りで延べ66か国と、精力的に海外を訪問している河野外務大臣は、より効率的な日程を組めるよう、閣僚の専用機の導入に意欲を示していましたが、外務省は来年度予算案の概算要求では計上を見送る一方、民間機のチャーターを増やす費用として、およそ10億円を盛り込みました。
 これについて、河野大臣は閣議のあとの記者会見で、財政上の制約などを考え専用機の導入を見送ったとしたうえで「国際的な問題が増える中で、日本が今の外交的な影響力を維持しようとすれば、この1年間の海外出張が日本の外務大臣としてぎりぎり最低限だ。誰が外務大臣をやるにしてもこのレベルを下回ることはありえないと考えている」と述べ、民間機のチャーターを利用する必要性を強調しました。


 1年あまりで66カ国も訪問しているとは、率直に驚いた。熊本の震災の際も、防災担当大臣としててきぱき働いていたし、河野氏は、働く場を適切に与えると非常に有能に動いてくれるタイプのようだ。

 石破氏も、そういうタイプではないかと私は思っているのだが……。
 彼の47都道府県向けの動画は、素直に評価したい。岐阜県の動画を見たが、岐阜県のことを細かく調べ上げスピーチに仕上げた手腕は、実に見事だと思う。これを47個も作り上げたのかと思うと、感服せざるを得ない。野党めいた批判路線ではなく、この路線を前面に出していてほしいと思うのだが……。