助動詞 2                          前のページへ戻る

 
 引き続き、助動詞の他の用法について見ていきましょう。  


1.助動詞 have done

 「彼は外出しているかも」と言う場合は、「He may be out now.」、問題ないですね。
 では、「彼はその時外出していたかも」という場合はどうでしょう。推量をしているのは今だけど、推量している中身が過去という場合です。

 日本語をそのまんま英語にするならば「He may was out then.」でしょうが、助動詞の後に過去形を置くのは許されません。助動詞の後には動詞の原形を置くという大原則があるからです。
 では、どうするか。過去形が使えない場合に何とかして過去の雰囲気を出したい、そういうときにはhave doneを利用します(※1)。助動詞の後に「have done」を置くことで、過去に対する推量を表すのです。

※1 過去形を使えないときに過去の雰囲気を出すためにhave doneを使う、というのは準動詞の項でも扱う考え方ですので、
  是非頭に入れておいてください。


 では、まとめましょう。

過去に対する推量

must have done 「〜したにちがいない」
may have done 「〜したかもしれない」
cannot have done 「〜したはずがない」


should(=ought to) have done 「〜してしまったはずだ」に関しては、完了した事象に対する推量で「〜してしまったはず」という意味になります。

 have doneを「〜した」と訳して、その後に推量の訳を当てればいいので、分かりやすいですね。

 さて、「助動詞 have done」には、「過去の動作に対する推量」以外の用法もあります。
 次の例文は、推量で訳すとおかしいでしょう?

ex.1 I should have read more books when I was young.
   「私は若い頃もっとたくさん本を読んだはずだ(?)」

 自分のことなのに、なんで「はずだ」などと弱気なんだ、と。
 実は「should have done」には、「〜したはずだ」以外にもう一つ用法があるのです。似たような物と併せて、まとめておきます。

その他の助動詞 have doneの用法

should have done「〜すべきだったのに(実際にはしなかった)」
need not have done 「〜する必要はなかったのに(実際はやってしまった)」
had better have done 「〜した方が良かったのに(実際にはしなかった)」

 「〜だったのに実際にはそうならなかった」という表現です。
 つまり、ex.1は「若い頃にもっと本を読むべきだったのに」と過去を後悔する文なわけです。

 ちなみに、didn't need to doを使うと、「〜する必要はなかった」という訳はしますが、実際にしたかしなかったかは、その文だけでは表現できません。need not have doneだと、実際にはしたことまで表現できるのです。



2.特殊なshould

 例文からいきましょう。

ex.2 I suggested that he should take the night train.
   「夜行列車を利用するよう彼に提案した」

ex.3 It is strange that he should be fired.
   「彼が解雇されるなんて変な話だ」

 提案・命令・願望・必要・要求・主張などを表す語(具体的にはinsist / suggest / propose / recommend / demand / order / necessary / desirableなど)に続くthat節では、S should 原形もしくはshouldを省略してS 原形で表すことがある、というルールがあります。アメリカ英語ではshouldを省略する場合が多いのですが、アメリカ英語を基準とする受験の世界でも、should省略で動詞の原形が来る用法の方が出題頻度が高いです。 
 これは、事実に反する内容を表す仮定法の一種と解釈すると分かりやすいでしょう。実際はまだ為されていないから、提案したり要求したりするんですよね?事実に反することを描写するために、shouldを用いているのです。

 また、善悪判断や驚きなどの感情を表す語(具体的にはstrange / desirable / important / natural / a pity など)に続くthat節では、shouldを用いることがある、という用例もあります。例文3の方です。こちらは、主観的な気持ちを伝えるための強調としてshouldを使っています。ゆえに、客観的に伝える場合には直説法(that節内の主語が三人称単数だったら「s」を付けたり、過去の内容なら過去形を使うような普通の用法)をとります。


 これらのshouldはふつう訳しません。

 もう一つ。疑問文で強調の役割を果たすshouldというのもあります。

ex.4 How should I act in this situation?
   「こんな状況で俺はいったいどうすりゃいいんだ?」


前のページへ戻る