文型 1                          前のページへ戻る


 まずは、文型からいきましょう。アメリカでは他の文型分類が主流ですが、日本人にいちばんなじめるのはやはり5つに分類する方法ですから、それを元に話を進めていきましょう。

基本5文型
1.SV
2.SVC
3.SVO
4.SVOO(SV IO DO)
5.SVOC

S:主語 V:動詞 C:補語 O:目的語
IO:間接目的語 DO:直接目的語
 

 番号とセットで覚えましょう。「第X文型」と説明することも多いですから。
 では、順番に見ていきましょう。


1.文の要素

ex.1  He runs.

 この文は考えるまでもなく第1文型ですね。

ex.2  He runs along the river every day.

 この文は、along the riverという場所を表す句と、every dayという時を表す語がついています。
 しかし、これは第1文型と考えます。
 文型を考えるときには、「存在しなくても最低限の意味が分かる」ような語は省きます
 ex.1の文でも理解できたということは、ex.2にくっついてきた「along the river」や「every day」は、「存在しなくても最低限の意味が分かる」ような語と言えます。よって、文型を特定するときには排除して考えるのです。

 ちなみにこういった「無くてもかまわない語」のことを修辞語句(modifier)と呼んだりします。記号では「M」です。「副詞はM」という覚え方でも構いません。

 逆に、「なくては困る語」を文の要素と言います。SやV、これから説明するCやOは、文の要素です。


2.補語と目的語

ex.2  She runs along the river every day.

ex.3  She is beautiful.

ex.4  She likes playing the piano.

 下線部分に注目しましょう。
 ex.2の下線部は、前項で説明したように、文の要素ではありません。
 では、ex.3やex.4の下線部はどうでしょう。下線部を省いた文で考えましょう。

ex.3−2  She is.
ex.4−2  She likes.
 
 「彼女はです」では意味不明ですし、「彼女は好きです」では何が好きなのかはっきりしません。文として不完全です。つまり、「beautiful」や「playing the piano」は文の要素であると言えます。

 文の要素だという共通点は分かりましたから、次に相違点を見ましょう。


 ex.3の「beautiful」は、主語の「she」について説明しています。つまり、「she=beautiful」が成立しています。
 一方、ex.4の「playing the piano」は、主語の「she」とはイコール関係にありません。
 これが、CとOの違いなのです。

補語と目的語
補語(C):主語とイコールの関係にある。
       名詞と形容詞が補語になれる。
目的語(O):主語とイコールの関係にならない(〜selfのみ除く)。
        名詞のみが目的語になれる。

 補語は主語を補足的に説明するとか、目的語は動詞の動作対象を示すとかいう説明をよく見ます。確かにそれは補語や目的語の根本的な性質ですが、上に囲みで書いた部分を理解する方が、受験英語を考える上では重要です。


 さて、補語をとる動詞、つまりSVC型動詞は、be動詞が代表ですが、勿論それ以外にもいろんな動詞が補語を取ります。

ex.5  She looks beautiful.

 looksはbe動詞ではないですが、上の文では「she=beautiful」が(大ざっぱに見れば)成立します。be動詞に「見た目では」という意味が付け加わっただけですからね。よってこの文もSVCです。
 第2文型を取れる動詞をまとめておきましょう。

第2文型を取れる主な動詞
「〜になる」
 become / get / fall / go / grow
「〜のままだ」
 remain / keep / stay / hold / lie
「〜に思える、〜と分かる」
 seem / prove
「〜に感じる(見える、聞こえるなど)」
 look / appear / sound / feel / smell / taste

 熟語として覚えるfall asleep(眠る)も実はただのSVCだったんですね

 なお、上に挙げた動詞は絶対に第2文型になるわけではありません。例えば、「I got some money」は第3文型です。同じ動詞でも、いくつかの文型が取れる物もあるということです。

 紛らわしいですね。
 しかし、「目的語は名詞しか取れない、補語は名詞と形容詞を取れる」ということを利用すれば、文型の取り違えは減ります。しかも、be動詞とbedome以外は、Cに名詞を取ることはないと思ってもらってかまいません(ごく少数の例外あり)。
 例えばgetの場合、後ろが形容詞の場合は必ず「〜になる」という訳をせねばならす、get+名詞の場合は「〜を手に入れる」と訳さねばならないということです。


 さらにその法則を利用すると、こんな問題も楽に解けます。

All this may (    ) strange, but it is true.
 1.echo  2.sound  3.hear  4.hit


 空欄には動詞が入りますが、空欄の後ろがstrange、つまり形容詞なので、空欄には第2文型を取る動詞が入ると決まります。あとは上の囲みで覚えた「第2文型を取る動詞」を選択肢から探せばいいわけです。(答えは2)


 第4文型以降は、「文型2」で扱います。


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