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大相撲の八百長問題 (2011 2/10)

 相撲の八百長問題に関するCNNの記事。和訳を試みて欲しいところに、下線部を引いておきます。

Sumo 'fixing' scandal rocks Japan
February 4, 2011 -- Updated 1311 GMT (2111 HKT)

(CNN) -- Japan's national sport of sumo wrestling was rocked by a match-fixing scandal on Thursday after it was revealed three wrestlers had admitted to rigging bouts.

"Three sumo wrestlers have admitted to match-fixing," Yoshiaki Takaki, the country's minister for education and sport, announced to a parliamentary panel.

''Sumo is our national sport. If match-fixing has occurred, it is a very serious betrayal of the people,'' Naoto Kan, the country's Prime Minister, added.

Japan's Kyodo news service claimed that Tokyo Police had found suspicious messages on a number of wrestlers' phones that suggested the outcome of several fights had been planned.

The messages exchanged between wrestlers discuss how fights would be arranged and also the amount of money that would change hands.

"I'll hit my opponent head on," was one message reported in British newspaper The Guardian.

"For 20 more I will concede. After the meet, I need to make at least 50 or I'll be in serious trouble," read a further text which discussed the financial rewards for one wrestler.

"You fall when I move to tackle," read another message reported by Japanese news wire Jiji Press.

Japan Sumo Association chairman Hanaregoma told a news conference that 13 people who had been mentioned in the messages would be investigated.

"It's a betrayal of sumo fans. If this is true. It would be something that rocks (sumo) to its foundations. We will investigate thoroughly," Hanaregoma said.

It is the latest controversy to hit sumo after a gambling scandal emerged in July last year when 34-year-old wrestler Ozeki Kotomitsuki is said to have illegally bet on baseball games.




Japan's national sport of sumo wrestling was rocked by a match-fixing scandal on Thursday <after it was revealed [three wrestlers had admitted to rigging bouts]>.
3人の力士が試合を不正に操作したと認めたことが明らかになった後、火曜日、相撲という日本の国技が八百長スキャンダルに動揺している。

 Japan's national sport of sumo wrestling「相撲という日本の国のスポーツが」。was rocked「揺さぶられている」。rockは「揺らす」。be動詞+過去分詞は「〜される」というのが基本ですが、「他動詞を自動詞にする」というのも頭に入れておきましょう。目的語が主語になる、つまり目的語が消えるのが受動態ですから、目的語を要する他動詞が目的語の不要な自動詞になるのと同じことなんですね。ですから、「〜される」ではなく、自動詞として訳す方がきれいになることがあります。これは中学生英語でも実はやっていたこと。be surprisedは「驚かせられる」ではなく「驚く」と訳しますよね。これこそ、「他動詞の自動詞化」です。今回の場合も、直訳すれば「揺さぶられている」ですが、自動詞のように訳して「揺れている」とした方が、日本語らしくなります。

 さて、何によって揺れているか。by a match-fixing scandal「八百長スキャンダルによって」。fixは様々な意味のある語ですが、基本的には「固定」と押さえると応用が利きます。「正常な状態に固定」と言うことから「修理する」の意味が出てきますし、「きちんと扱える状態に固定」と言うことから「準備する」という意味が出てきます。他の様々な意味も「固定する」とやっておいて、文脈に応じて日本語を考えるのが手っ取り早いでしょう。で、match-fixingですから「試合の固定」ということで、試合の勝敗をあらかじめ固定しておく意味で「八百長」と訳しておきます。

 on Thursday「火曜日に」。after以下は接続詞+SVなので<  >。接続詞+SVを見たらほとんどの場合は副詞節ですから、脊髄反射で<  >を付けるくらいにしておきましょう。after it was revealed「明らかになった後」。revealはreが「後ろに」、vealはvail(ヴェール)ですから、「ヴェールを引き剥がす」という意味合い、そこから「明らかにする」という意味になります。itですが、うしろにthree wrestlers had admitted to rigging boutsというSVがあります。これはthatが省略されてますね。後ろにthat SVやto doがある場合、主語がitだと形式主語構文である可能性が高いです
 さらに、接続詞無しにSVが続くのは、that SVのthatが省略された形か、関係詞の省略しかあり得ないと押さえておきましょう。それ以外の接続詞は、基本的に省略はできないと覚えておきます。
 three wrestlers had admitted to rigging bouts「3人の力士が試合を不正に操作したことを認めた」。admit to Aで「Aを白状する、認める」という意味があります。admit doing「〜したことを認める」という形ならあり得ますが、admit to doは絶対にありません。過去にやったことを認めるかどうかという話なので、未来の意味合いを持つto doはとれないのです。



"Three sumo wrestlers have admitted to match-fixing," Yoshiaki Takaki, the country's minister for education and sport, announced to a parliamentary panel.
「3人の力士が八百長を認めた」と、日本国の教育とスポーツ担当大臣である高木義明は、国会の質問者に対して発言した。

 Three sumo wrestlers have admitted to match-fixing「3人の力士が八百長を認めた」。現在完了形で「完了」を表してますね。
 Yoshiaki Takaki, the country's minister for education and sport, 「高木義明、日本の教育・スポーツ担当の大臣は」。countryにtheがついてますので、ここは当然日本のことを指します。ministerは「大臣、司祭・牧師」。「小さい人」というところから(miniが見えますよね)「下僕」というのが原義です。それが、announced to a parliamentary panel「議会の委員会で発言した」。announceは「発表する、発言する」。parliamentは「議会」。panelは討論会の出席者など。日本語だとパネリストといいますが、英語ではそのような言い方はしません。



''Sumo is our national sport. <If match-fixing has occurred>, it is a very serious betrayal of the people,'' Naoto Kan, the country's Prime Minister, added.
「相撲は我が国の国技である。もし八百長が起こったとしたら、国民への非常に深刻な裏切りだ」と日本国首相の菅直人は付け加えた。

 Sumo is our national sport。この文は問題ないですね。
 If以下コンマまでは<  >。If match-fixing has occurred, 「もし八百長が発生したなら」。occurは「起こる・発生する」。it is a very serious betrayal of the people「それは国民への非常に深刻な裏切りだ」。seriousは「深刻な」。betrayalはbetray「裏切る」の名詞形。うしろのofは裏切る相手、つまりbetrayの目的語を示すofです。詳しくは名詞構文の項を参照して欲しいのですが、「動詞派生の名詞+ of A」となっていた場合、名詞は動詞の訳で、ofは「〜が」か「〜を」と訳すときれいな日本語になることが多いです。ここも「国民を裏切る」とするときれいです。となると、seriousは名詞betrayalを修飾するために形容詞なわけですが、訳す場合は動詞betrayを修飾するので、副詞的に訳した方が日本語らしくなります。ただ「深刻に国民を裏切る」とやると、逆に日本語らしくない表現になりますので、ここは「ofが目的語、つまり裏切りの対象を示す」という部分だけを汲み取って「国民への深刻な裏切り」としておきます。この辺り、速読する場合には気にすることもないのですが、下線部訳の問題に対応する必要がある人は、一応「こういう考え方があるのだ」と理解だけはしておいてください。
 the peopleを「国民」と訳しましたが、peopleに冠詞が付いた場合は、「国民」や「民族」の意味が出てきます。
 Naoto Kan, the country's Prime Minister, added「日本国首相の菅直人は付け加えた」。prime ministerは総理大臣。primeが「第一の」という意味です。



Japan's Kyodo news service claimed [that Tokyo Police had found suspicious messages <on a number of wrestlers' phones> (that suggested [the outcome of several fights had been planned])].
日本の共同通信は、多くの力士の電話に、いくつかの試合結果が計画されていたと示すような疑わしいメッセージを発見したと主張した。

 Japan's Kyodo news service「日本の共同通信は」。直訳すれば「日本の共同ニュースサービスは」です。
 claimed that、that以下は[  ]。動詞の後ろにSVがあったら、名詞節ですから[  ]。「〜と主張した」となります。claimには、日本語で言う「クレーム」の意味合いはありません。
 Tokyo Police had found「警視庁が発見した」。何を?suspicious messages「疑わしいメッセージを」。suspiciousはsuspectの形容詞形。suspectは「疑う」という意味ですが、これだけではdoubtとの区別ができませんので、不完全です。suspectは、「〜であると疑う」という意味です。「あいつが犯人じゃないか」とか「あいつがやったんじゃないか」とうたがうのがsuspect。一方doubtは、「〜だということを疑ってかかる」という意味で、「あいつの発言を疑う」とか「この事実を疑う」というような、「そうではない」と疑う場合に使います。要するに、suspectは「思う」で、doubtは「思わない」ということです。suspectはthinkの意味合い、doubtはdon't thinkの意味合い、と押さえておけばいいでしょう。

 on a number of wrestlers' phones「多くの力士の電話に」。a number of Aは「多くのA」。直訳すれば「ある数のA」ということです。the number of Aだと「Aの数」という意味になります。
 次のthat以下は、名詞の後ろに来ますから(  )です。しかし、直前のphoneにかかるのではなく、さらに前のmessageにかかると考えた方が、意味が通じます。「名詞+前置詞+名詞+関係詞+〜」となっていた場合、関係詞節が、直前名詞ではなく、前置詞句を挟んだ前の名詞を修飾する場合がけっこうあります。きっちり頭に入れておきましょう。
 that suggested the outcome of several fights had been planned「いくつかの試合の結果が計画されていたと示すような」。suggestは「提案する」以外にも「示唆する」という意味があります。うしろのSVは[  ]。outcomeはcome out「出てきた」物ですから、「結果」。planは動詞の場合は「計画する」です。



The messages (exchanged between wrestlers) discuss [how fights would be arranged] and also [the amount of money (that would change hands)].
力士同士で交換されたそのメッセージは、取り組みをどのように調整するかについて、また相手に渡る金額について、話し合うものだった。

 The messages exchanged between wrestlers「力士の間で交換されたメッセージは」。exchangedは、「メッセージが何かを交換する」ことはあり得ないので、動詞ではなく過去分詞。よってbetween wrestlers含めて(  )。
 それがdiscuss「話し合っている」。discussはtalk aboutの類義表現ですが、discussの中に既にaboutが含まれている、つまり他動詞ということを覚えておきましょう。
 何を話し合っている?how以下が目的語ですから[  ]。how fights would be arranged「戦いがどのように調整されるだろうか」。howは形容詞や副詞を伴えば程度「どのくらい」、how単独の場合は手段・状態「どのように」と訳します。

 そして、and also the amount of money。
 andやorは等位接続詞といって、必ず同じ種類の物を繋ぎます。ですので、接続関係を見抜く際には、「どんな種類の物を繋いでいるか」をチェックするのが近道です。種類を見抜くには語句の頭を見ればいいので、A and Bの場合は、AではなくBの方、つまりandの直後を見てやります。そして、種類を確認したら、同じ種類の物を前から探してやるのです。まとめておきましょう。

andやorの接続関係の見抜き方

1.andやorの後ろを見て、繋いでいる物の種類を確認
2.andやorの前から、同じ種類の物を探す

 ルールとしては単純ですが、けっこう見抜きづらい場合もありますから、簡単な文のうちから意識しておくようにしましょう。

 この場合、andの後ろは、「名詞+that SV」となっています。that以下は(  )なので、全体としては名詞です。よって繋いでいる物の種類は名詞、前から名詞を探すとhow SVのかたまりです。すなわち、discuss [how SV] and [the amount fo money(that SV)]という構造です。andは、discussの目的語2つを繋いでいるわけです。
 ということで、もう一つ話し合っていた物。the amount of money「お金の量」。amountは数えられない物の量。数えられる者の数はnumberですね。that would change handsで「相手に渡るような」。change handsは「人の手に渡る」という意味です。



"I'll hit my opponent head on," was one message (reported in British newspaper The Guardian).
「私は正面から相手にぶつかります」というのは、イギリスの新聞Guardianで報告されたメッセージだった。

 opponentはopposeなどと同語源。opは「反対」を意味し、opponentで「対立する人」つまり「相手、敵対者」を表します。head onは「正面からまともに」という意味の副詞があります。I'll hit my opponent head onで「正面から相手にぶつかるつもりです」となります。
 それがwas one message「1つのメッセージ」。reported以下は過去分詞が後ろから修飾している(  )。「ガーディアン紙で報告された」という意味です。



"<For 20 more> I will concede. <After the meet>, I need to make at least 50 or I'll be in serious trouble," read a further text (which discussed the financial rewards for one wrestler).
「もう20のために私は譲歩する。競技の後で、私は少なくとも50を作る必要がある。そうでなければかなり困ってしまう」。ある力士への金銭報酬について話し合ったさらなる文章にはそう書いてある。

 concedeは大学入試二次試験レベルの語です。concedeで「譲歩する、(事実を)認める」、名詞形はconcessionです。For 20 more I will concede「もう20のために私は譲歩する」が直訳。20は20万という、八百長の時の金銭授受の額でしょう。
 After the meetは前置詞+名詞なので<  >。「試合の後で」。名詞のmeetは入試レベルではあまり見かけませんが、「競技会」というような意味があります。「出会うこと」と無理矢理訳して読み進めるのが現実的かもしれません。
 I need to make at least 50「少なくとも50を作る必要がある」。at leastは「少なくとも」という重要表現。or「そうでないと」、I'll be in serious trouble「深刻な問題に陥る」。be in troubleは「困っている」という表現。実際のメールでは「マジでヤバイし」になってました。
 read a further text「さらなる文章には書いてある」。furtherはfarの比較級ですが、原則としては、「遠い」という意味ではfar-farther-farthestと変化し、「さらに、はるかに」という意味ではfar-further-furthestと変化します。ただ、最近では混同されている場合もあるようです。
 which以下は(  )でtextの説明。which discussed the financial rewards for one wrestler「ある力士のための金銭的な報酬について話し合う」。financialは名詞financeの形容詞形。financeは「財政、金融」。rewardは「報酬」。



"You fall <when I move to tackle>," read another message reported by Japanese news wire Jiji Press.
「組み合うために動いたら転んで」。日本のニュース通信社である時事通信が報告した別のメッセージには、そう書かれている。

 when以下コンマまで<  >。when I move to tackle「組み合うために動くとき」。tackle(タックル)はもはや日本語ですね。物事にタックルすると言うことから「取り組む」という意味も押さえておきましょう。そのときに、You fall「転んで下さい」。
 read another messageはVS語順になってます。readは、むしろ読まれる物が主語となった場合に、「〜と読める、〜と書いてある」と訳す場合があります。「別のメッセージには〜と書いてある」という訳になります。
 reported以下は、また過去分詞の後置修飾です。



Japan Sumo Association chairman Hanaregoma told a news conference [that 13 people (who had been mentioned in the messages) would be investigated].
日本相撲協会の放駒理事長は、記者会見で、メッセージで名前が出ていた13人について調査すると話した。

 Japan Sumo Association chairman Hanaregoma「日本相撲協会の理事長、放駒は」。associateは「結びつける」。「socialにする」というニュアンスです。「結びついた物」ということから、associationは「協会」と訳すのが一般的。
 tellは第4文型なので、「a news conferenceにthat以下と話す」と訳します。conferenceは「会議、相談会」が基本。news conferenceで「記者会見」です。
 何を伝えたか。13 people who、who以下は当然(  )。名詞の後のSVはふつう形容詞節です。1つのカッコの中に動詞は1つまでなので、2つめに出てくるwouldはカッコの外に出します。つまり、messagesまでが(  )。13 people who had been mentioned in the messages「そのメッセージの中で言及された13人」。mentionは「話題にする、言及する」。他動詞なのでmention Aという形をとります(本文は受動態なので目的語はありませんが)。その13人が、would be investigated「調査されるだろう」。investigateは「調査する」。



"It's a betrayal of sumo fans. If this is true. It would be something (that rocks (sumo) to its foundations). We will investigate thoroughly," Hanaregoma said.
「相撲ファンへの裏切りだ。もし事実ならば。それは根底から揺り動かす事態だ。徹底的に調査する」と放駒理事長は語った。

 It's a betrayal of sumo fans「それは相撲ファンを裏切ることになる」。ofを「〜を」と訳す、名詞構文の形で解釈しました。If this is true「もしこれが本当なら」。会話表現と言うことで、if節のみの文になっていますが、書き言葉では当然不適当です。
 It would be something「それは〜なことだ」。somethingのsomeは不特定を表します。不特定ということで「何か」と辞書に載っているのですが、日本語では不特定な人でも、例えば美しければ誰でもいいという場合でも「美しい人」と表現します。つまり、日本語では、特定か不特定かで名詞の形を変えないんですね。ですから、和訳でも、形容詞が付いている場合は、someoneは「人」、somethingは「物」と訳した方が日本語らしくなります。something to drinkを「飲む何か」とするより「飲み物」とした方が普通ですよね。
 It would be〜that…という形を見て、もしかしたら強調構文を思い出した人がいるかも知れません。「It is 〜that…」で「…なのは〜だ」と訳す構文です。あるいはもう一つ、形式主語構文の可能性を考えた人もいるかも知れません。ここでは、そのどちらでもないのですが、重要項目なので、見分け方をまとめておきましょうか。

強調構文と形式主語構文の見分け方

It is X that…
 Xが副詞  → 強調構文
 Xが形容詞 → 形式主語構文
 Xが名詞  → that以下が不完全なら強調構文 
           that以下が完全なら形式主語構文

 強調構文で強調できるのは副詞か名詞、形式主語構文で補語になれるのは名詞か形容詞、ということで、it isとthatで挟まれた物が副詞なら100%強調構文ですし、形容詞ならば100%形式主語構文です。名詞の場合は、形式主語構文ならthat SVが完全な形になりますし、強調構文なら強調のために名詞が前に飛んでいくために、that以下は不完全な文構造になります。

 今回はsomethingが挟まれていますから、that以下を見ることになります。that以下に主語がないので、形式主語構文はあり得ません。ただし、かといって強調構文で訳すこともできません。「…なのは何かだ」と訳しては意味不明です。となると、itが「それ」と訳すふつうの代名詞と考えるよりしょうがないわけです。この文、ヘタに強調構文や形式主語構文を理解できている人の方が、困惑してしまう文かも知れません。

 で、It would be something that rocks (sumo) to its foundations「それは、その基盤を揺るがすような物だろう」。foundationは「基盤、根底」。toは「〜まで」という到達点を表すので、rock A to its foundationで「Aの根底まで揺り動かす」という意味合いです。shake A to its foundationという言い方もできます。
 We will investigate thoroughly「徹底的に調査するつもりだ」。thoroughは「徹底的な」。thoughと同語源で、「通じている」ニュアンスを捉えておきましょう。



It is the latest controversy (to hit sumo) <after a gambling scandal emerged in July last year (when 34-year-old wrestler Ozeki Kotomitsuki is said to have illegally bet on baseball games)>.
それは昨年7月に賭博問題が明るみとなって以後(その際には34歳の力士、大関琴光喜が違法に野球の試合に賭をおこなったと言われているが)、相撲に打撃を与える最新の論争だ。

 the latestは「最新の、最近の」。controversyは「論争」。contraは「反対」を表します。contradiction「矛盾」、contrast「対照」、contrary「反対の」が同語源。
 to以下をどう解釈するのかが非常に難しいのですが、形式主語構文だと「〜の後、相撲を叩くことが最近の論争だ」となり少し違和感があるので、Itをここまで述べてきた八百長問題として、to hit以下は形容詞的用法の不定詞としてcontroversyを修飾すると解釈しておきます。「相撲に打撃を与えるような論争だ」となります。

 after以下は<  >。a gambling scandal emerged「ギャンブル問題が現れた後」。emergeは「突然出現する」という意味。突然に発生するニュアンスがあるので、名詞形のemergencyは「緊急事態」という意味になるのです。ちなみにemergingは「新興の」という意味の形容詞として使われます。
 when以下は(  )でJuly last yearを説明。S is said to doは「Sは〜すると言われている」。It is said that SVと同意表現として押さえておきます。34-year-old wrestler Ozeki Kotomitsuki「34歳の大関琴光喜が」、is said to have illegally bet「賭けたと言われている」。「言われている」のは現在ですが、「賭けた」のは過去、つまり述語動詞より前の時制を表す不定詞なので、to have doneの形(完了不定詞)になっています。illegallyは「不法に、違法に」。legalが「合法の」。
 on baseball games「野球の試合に」。